JP2007075070A - 酵母エキスの製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Ikeuchi
啓 池内
Hisao Kato
久生 加戸
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Abstract

【課題】 本発明は、良好な風味を有し、且つ味の持続性が向上した酵母エキスの製造方法を提供することを目的とし、より詳細には、良好な魚介の風味を含有する酵母エキスの製造方法、その製造方法によって製造された酵母エキス及び当該酵母エキスを用いて製造された調味料を提供する。
【解決手段】 本発明の酵母エキスの製造方法は、酵母エキスの製造工程において、酵母懸濁液に魚介エキスを添加した後、酵母エキスを抽出することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、良好な風味を有し、且つ味の持続性が向上した酵母エキスの製造方法に関し、より詳しくは、良好な魚介の風味を含有する酵母エキスの製造方法、その製造方法によって製造された酵母エキス及び当該酵母エキスを用いて製造された調味料に関する。
酵母エキスは天然調味料として、肉エキス、野菜エキス、魚介類エキスなどとともに化学調味料にはない複雑な呈味性、すなわち旨味、酸味、苦味、コク味等を有しており、食品素材として近年広く利用されるに至っている。
しかしながら、酵母エキスは所謂酵母臭と称せられる一種の不快な香味があり、商品価値を減じたり、用途が制限される原因となっている。これまでに酵母臭を除去、あるいは低減させる製造方法が研究されてきている。例えば、酵母から酵母エキスを抽出する前に酵母菌体を高圧処理する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術によると、食品に使用される酵母エキスには不要な苦味や渋味等まで抽出してしまう可能性がある。また、独特の酵母臭及び色の少ない海藻、海水から単離した特殊な酵母を使用することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、一般的で安価な醸造用酵母やパン酵母を原料とする酵母エキスの酵母臭を低減するものでない。
特開2003−325130号公報 特開2002−265326号公報
したがって、本発明は上述に鑑みてなされたものであり、酵母エキスの製造方法において、酵母菌体懸濁液に予め魚介エキスを添加することにより、酵母やその他使用する原料由来の好ましくない香り(酵母臭等)が低減され、かつうま味がより向上した酵母エキスの製造方法及び当該製造方法を用いて得られた酵母エキスを提供することを目的とする。さらに、当該酵母エキスを添加した調味料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母菌体懸濁液に魚介エキスを添加した後、酵母エキスを抽出(製造)することにより、酵母臭等使用する原料由来の好ましくない香りが低減され、かつ、うま味がより向上した酵母エキスを得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、請求項1に記載されるが如く、酵母エキスの製造工程において、酵母懸濁液に魚介エキスを添加した後、酵母エキスを抽出することを特徴とする酵母エキスの製造方法によって達成される。
請求項1に記載の発明によれば、酵母菌体懸濁液から酵母エキスを製造する方法において、予め、酵母菌体懸濁液に対して、魚介系エキスを添加し、所定条件で抽出することにより、酵母臭等使用する原料由来の好ましくない香りが低減され、しかもよりうま味の向上した酵母エキスの製造方法を提供できる。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の発明において、酵母エキスを抽出する方法が自己消化法であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、自己消化法で酵母エキスを抽出することにより、酵母臭等の好ましくない香りが低減されるとともに魚介エキスの存在下で自己消化を行なうことによって、よりうま味が向上した酵母エキスを得ることができる。
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の発明において、酵母エキスを抽出する方法が、魚介エキスを添加した酵母懸濁液を加熱処理した後、酵素を添加して行なう酵素分解法であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、酵素分解法で酵母エキスを抽出することにより、酵母臭等の好ましくない香りが低減されるとともに酵素分解によって原料である酵母及び魚介エキスより生成した核酸及びペプチド類により、味の持続性が向上し、かつ魚介エキスの存在下で加熱処理を行なうことによりうま味の向上した酵母エキスを得ることができる。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、酵母エキスの魚介エキス含有率が30乃至60%であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、魚介エキスの割合が最終的な酵母エキス製品中30乃至60%であることにより、魚介系の生臭さを抑えることが出来、酵母臭等の原料由来の好ましくない香りが低減され、かつうま味の向上した酵母エキスの製造方法を提供できる。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記魚介エキスは、カツオエキス、昆布エキス、アサリエキス、ホタテエキス、カキエキス及びオキアミエキスからなる群より選択されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、魚介エキスを、カツオエキス、昆布エキス、アサリエキス、ホタテエキス、カキエキス及びオキアミエキスからなる群から選択することで、酵母臭等の原料由来の好ましくない香りが低減され、かつうま味の向上した酵母エキスの製造方法を提供できる。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法によって得られた酵母エキスによって達成される。
請求項6に記載の発明によれば、酵母臭等の原料由来の好ましくない香りが低減され、かつうま味の向上した酵母エキスを提供できる。
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の酵母エキスを用いて製造された調味料によって達成される。
請求項7に記載の発明によれば、酵母臭が抑えられ、魚介の風味を有する酵母エキスを調味料の製造に用いることによって、酵母臭等の原料由来の好ましくない香りが低減され、かつうま味の向上した酵母エキスによる調味料を提供することができ、食品のうま味を改善することができる。
本発明によると、酵母臭が抑えられ魚介の風味を有した酵母エキスを得ることが可能であり、食品にうま味を付与する調味料の一部として使用することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明に利用される原料の酵母は、酵母エキスの製造に使用可能な種類であれば特に制限はないが、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に代表される醸造用酵母、パン酵母はもちろんのこと、他のサッカロミセス属、トルラ酵母等の各種酵母が挙げられる。また酵母エキス製造のために新たに培養された酵母ばかりでなく、ビール、清酒などの醸造後の酵母であっても差し支えない。またビール醸造に利用された酵母の場合、ホップ由来の苦味などを有しているので、水洗あるいは脱苦味等の処理後に酵母エキスの製造に用いてもよい。
本発明の酵母エキスの製造方法については、酵母菌体懸濁液に予め魚介エキスを最終製品中30乃至60%となるように添加した後、酵母エキスの抽出を行うことを特徴とする。魚介エキス添加量が前記上限より高い場合は魚介系の生臭さが目立つ傾向にある。一方、前記下限より低い場合は酵母臭が目立つ傾向にある。
次に、本発明にかかる酵母エキスの製造方法における抽出法について説明する。酵母エキスの抽出は自己消化及び酵素分解法を用いた公知の方法により実施することができる。例えば、自己消化法においては、前述の魚介エキス添加を行った後、40乃至60℃の条件で抽出を行う。このときのpHは4.5乃至7、反応時間は5乃至20時間が適当である。自己消化が終了した懸濁液を遠心分離により固液分離し、上清を定法により濃縮、殺菌pH調整等を経て風味付けされた酵母エキス製品を得ることができる。
また酵素分解法においては前述の魚介エキス添加を行った後、熱処理により酵母菌体の酵素を失活させた後、酵母懸濁液に核酸分解酵素及びタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を添加して核酸及びタンパク質を分解してグアニル酸、アデニル酸、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸やペプチドを生成させる。さらにアデニル酸デアミナーゼ処理によりアデニル酸からイノシン酸を生成させる。酵素処理が終了した酵母懸濁液を遠心分離により固液分離し、上清を定法により濃縮、殺菌pH調整等を経て酵母エキス製品を得ることができる。
このようにして得られた風味付けされた酵母エキスは、工程中で添加した魚介エキスにもプロテアーゼが作用することでペプチド類が生成され、単に酵母エキスと魚介エキスを混合したものより強いうま味とコクを有するとともに、酵母臭が弱く良好な魚介の風味を豊かに含んでおり、非常に簡便な処理により良好な香味の酵母エキスを得ることができる。
以下、実施例により本発明の製法にしたがって実施した具体例を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(酵素分解法)
ビール工場で採取した酵母懸濁液を篩処理し、酵母懸濁液40kgに対してかつおエキス3.2kg添加して80℃まで昇温し1時間の加熱処理を行った。加熱処理後60℃まで冷却し塩酸を用いてpHを5.3に調整の後、核酸分解酵素「ヌクレアーゼアマノ」(天野エンザイム製)を12g(対酵母懸濁液0.03%)、タンパク質分解酵素「パパイン」(日本バイオコン製)を8g(対酵母懸濁液0.02%)添加し16乃至20時間反応させた。反応終了後50℃まで冷却しアデニル酸デアミナーゼ「デアミザイム」(天野エンザイム製)を1.6g(対酵母懸濁液0.004%)添加し2乃至5時間反応させた。また、必要に応じて「ウマミザイム」(天野エンザイム製)や「プロテアーゼA」(天野エンザイム製)などのエキソプロテアーゼを使用し、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸含有量を向上させてもよい。各種酵素反応終了後、80℃で30分の加熱処理により、これらの酵素を失活させ、固液分離を行った。液体画分について濃縮、珪藻土濾過、殺菌を行い酵母エキスサンプルとした。
比較例1
実施例1の酵母エキス調製において酵母懸濁液にかつおエキスを添加せずに加熱処理を行った。加熱処理以降は実施例1と同様の条件で処理を行い、殺菌後の酵母エキスにかつおエキスを添加した。
比較例2
比較例1と同様に、かつおエキスを添加せずに酵母エキスを調製し、酵母エキス単独サンプルとした。
実施例2(自己消化法)
ビール工場で採取した酵母懸濁液を篩処理し、酵母懸濁液800gに対してかつおエキス80g添加して通常は35℃乃至70℃、好ましくは45乃至65℃で時間は特に定めないが24時間以内で反応した。自己消化終了後、固液分離を行い液体画分について濃縮、珪藻土濾過、殺菌を行い酵母エキスサンプルとした。
次に、実施例1及び比較例1、2の酵母エキスサンプルの1%溶液を調製し5名のパネルで調味料としてのコクについて官能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007075070
次に、実施例1及び比較例1、2の酵母エキスサンプルを市販かつおだしに0.3%添加し、5名のパネルで官能評価を行った。5名中4名が実施例1の酵母エキス添加だしに良好なだし感とうま味を感じた。
次に、実施例1及び比較例1の酵母エキスサンプルをGC/MSおよびGC/ODP(オルファクトメトリー)にて解析した結果を表2に示す。
Figure 2007075070
表2より比較例1には感じられた不快臭が実施例1には感じられず、実施例1によって、酵母やかつおエキス由来の好ましくない香りを低減できることがわかった。
以上説明したように、本発明の臭いを低減した酵母エキスの製造方法によれば、良好な風味を付与しつつ各素材由来の好ましくない香りが低減され、また、素材より生成したペプチド類により、味の持続性に優れた酵母エキスを提供することが可能となる。さらに、この酵母エキスを用いて製造した調味料を提供することができ、製造された調味料を食品に添加して調理することで、よりうま味が豊かな食品とすることが可能である。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
酵母エキスの製造方法を示すフローチャートである。

Claims (7)

  1. 酵母エキスの製造工程において、酵母懸濁液に魚介エキスを添加した後、酵母エキスを抽出することを特徴とする酵母エキスの製造方法。
  2. 酵母エキスを抽出する方法が自己消化法であることを特徴とする請求項1に記載の酵母エキスの製造方法。
  3. 酵母エキスを抽出する方法が、魚介エキスを添加した酵母懸濁液を加熱処理した後、酵素を添加して行なう酵素分解法であることを特徴とする請求項1に記載の酵母エキスの製造方法。
  4. 前記酵母エキスの魚介エキス含有率が30乃至60%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の酵母エキスの製造方法。
  5. 前記魚介エキスは、カツオエキス、昆布エキス、アサリエキス、ホタテエキス、カキエキス及びオキアミエキスからなる群より選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の酵母エキスの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法によって得られた酵母エキス。
  7. 請求項6に記載の酵母エキスを用いて製造された調味料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104187556A (zh) * 2014-08-05 2014-12-10 北海富安源生物科技有限公司 一种以牡蛎为原料生产天然调味品的方法

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