JP2007074937A - コエンザイムq10強化卵及びその生産方法並びに家禽用配合飼料 - Google Patents

コエンザイムq10強化卵及びその生産方法並びに家禽用配合飼料 Download PDF

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幸広 本薗
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正吾 秋田
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Abstract

【課題】 コエンザイムQ10は体内で生合成されているが、年齢と共に、体内の含量が低下するので、外からの補給をすることにより、健康を保持することが可能である。コエンザイムQ10を、医薬としてではなく、食品として日常食することによって、自然にコエンザイムQ10を摂取することができるコエンザイムQ10強化卵若しくはその生産方法や、かかるコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料を提供することにある。
【解決手段】 コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した家禽用配合飼料を家禽に給与して飼育する強化卵の生産方法、コエンザイムQ10を全卵100g中に0.15mg以上含有せしめた、コエンザイムQ10強化卵、及びコエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した家禽用配合飼料とする。

Description

本発明は、コエンザイムQ10強化卵及びその生産方法並びに家禽用配合飼料に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、コエンザイムQ10が有する種々の有効性を利用するため、コエンザイムQ10を含有させた家禽用配合飼料を家禽に給餌して、コエンザイムQ10を卵に効率よく移行させるコエンザイムQ10強化卵の生産方法、コエンザイムQ10が一定量以上含有された強化卵及びコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料に関する。
コエンザイムQ10は、2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−ポリプレニル−1,4−ベンゾキノンの側鎖のイソプレン単位が10の高等動物に存在するユビキノン類(構造式C59904、分子量863.4)であり、ユビデカレノン又は補酵素Q10として知られる補酵素Qの1種である。その物性としては、橙黄色結晶、融点約49℃の脂溶性物質として知られている。コエンザイムQ10は、補酵素として生物活性をもつだけでなく、酸素利用効率を改善させる作用を有するビタミン様作用物質として知られている。また、コエンザイムQ10は、ミトコンドリア中のアデノシン三リン酸の生産に必須とされており、心臓病、高血圧、リウマチ性弁疾患、歯槽の炎症に対する有効性等が報告されており、実際に、うっ血性心不全、脳血管障害、抗ガン剤の副作用防止(アドリアマイシンによる心臓障害の防止)、疲労回復、エネルギー賦活、生体内活性酸素に対する抗酸化等に使用されている。このようにコエンザイムQ10は高い生理活性を有し、且つ生体内に存在する安全性の高い物質と考えられており、医薬ばかりでなく、食品、飼料に添加したり、最近では、コエンザイムQ10を含有するサプリメントが市販されている。
コエンザイムQ10は、難水溶性かつ高結晶性を有し、また特定の化合物との混用により不安定な性質を有する場合があることから、さらなる他の化合物との併用には工夫が必要とされている。例えば、医薬として欠かせないゼラチンの存在はコエンザイムQ10を不安定とするが、ゼラチンとコエンザイムQ10と水溶性ビタミン類を含有する組成物にクエン酸を配合する、安定化されたユビデカレノン(コエンザイムQ10)製剤(例えば、特許文献1参照)や、コエンザイムQ10、油相成分、多価アルコール及び乳化剤を含有する乳化組成物(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
また、体内吸収性を高めるため、加熱溶解したコエンザイムQ10を加熱した食用油に加えるか、又はコエンザイムQ10を食用油に加えた後加熱溶解し、得られたコエンザイムQ10と食用油との混合物を冷却して、その中にコエンザイムQ10が結晶形態で析出したものを含む、コエンザイムQ10含有素材、これをカプセル化して添加した食品や飼料(例えば、特許文献3参照)や、コエンザイムQ10と共に、L−グルタミン含有量が少なくとも15質量%で、平均分子量が200〜100,000であるペプチドを含有するコエンザイムQ10含有組成物、これを含む飲食品、医薬品、飼料等(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
さらに、ビタミンとの併用を可能とするため無機金属塩を含有させたり(例えば、特許文献5参照)、低温条件下で保存しても結晶が析出することを防ぐためコエンザイムQ10、中鎖脂肪酸トリグリセライド及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを含有するコエンザイムQ10含有組成物、これを含む医薬、食品、飼料又は化粧品(たとえば、特許文献6参照)が知られている。
一方、家禽卵の付加価値を高めるため、ビタミンD又はその誘導体を所定量含有させたビタミンD又はその誘導体強化卵(例えば、特許文献7、8参照)、卵中にゴマリグナン物質及びビタミンE類が強化された強化卵、β−カロチン強化卵(例えば、特許文献9,10参照)、高濃度ビタミンB12含有鶏卵(例えば、特許文献11参照)等が知られている。
特開2005−53923号公報 特開2003−238396号公報 特開2003−125734号公報 特開2003−321352号公報 特開2004−290041号公報 特開2005−47851号公報 特許第2835208号公報 特許第3190924号公報 特許第3392668号公報 特開平9−9881号公報 特開平11−155495号公報
コエンザイムQ10は体内で生合成されているが、年齢と共に、体内の含量が低下するので、外からの補給をすることにより、健康を保持するなどの効能を奏することができるものである。本発明の課題は、コエンザイムQ10を、医薬としてではなく、食品として日常食することによって、自然にコエンザイムQ10を摂取することができるコエンザイムQ10強化卵又はその生産方法や、かかるコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料を提供することにある。
従来、コエンザイムQ10は、医薬として使用可能なように安定な形態としたり、ビタミンと併用して医薬、食品及び飼料に添加し医薬効果をさらに高める技術があったが、本発明者らは、コエンザイムQ10を家禽類に給餌し、コエンザイムQ10が卵中へ移行するかどうかを鋭意検討したところ卵に移行することを確認し、さらにコエンザイムQ10を安定に移行させるため、コエンザイムQ10と併用する他の種々の素材についても検討したところ、コエンザイムQ10と併用することのできる適切な素材をも見出し、この併用が卵中のコエンザイムQ10の含有率を向上せしめることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した家禽用配合飼料を家禽に給餌して飼育することを特徴とするコエンザイムQ10強化卵の生産方法や、(2)家禽用配合飼料に、さらに油脂類を配合することを特徴とする前記(1)記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法や、(3)油脂類に溶解したコエンザイムQ10を用いることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法や、(4)油脂類が中鎖脂肪酸トリグリセライドであることを特徴とする前記(2)又は(3)記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法や、(5)家禽用配合飼料中のビタミンA含量を6,000IU/kg以下とすることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法や、(6)家禽用配合飼料中に、ビタミンE又はビタミンE含有物質を添加していないことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法に関する。
また本発明は、(7)コエンザイムQ10を、全卵100g中に0.15mg以上含有せしめたことを特徴とするコエンザイムQ10強化卵に関する。
さらに本発明は、(8)コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合したことを特徴とするコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料や、(9)さらに油脂類が配合されていることを特徴とする前記(8)記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料や、(10)油脂類に溶解したコエンザイムQ10が配合されていることを特徴とする前記(8)又は(9)記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料や、(11)油脂類が中鎖脂肪酸トリグリセライドであることを特徴とする前記(9)又は(10)記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料や、(12)ビタミンA含量が6,000IU/kg以下であることを特徴とする前記(8)〜(11)のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料や、(13)ビタミンE又はビタミンE含有物質が添加されていないことを特徴とする前記(8)〜(12)のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料に関する。
本発明は、健康を保持するコエンザイムQ10を家禽用配合飼料に含有させて、この配合飼料を家禽に給餌して飼育することにより卵に移行させ、ヒトが日常生活において卵を食することにより手軽にコエンザイムQ10を摂取することができる、付加価値のある卵を提供する。
本発明のコエンザイムQ10強化卵の生産方法としては、コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した家禽用配合飼料を家禽に給餌して飼育する方法であれば、特に制限されるものではなく、上記家禽類としては、鶏(採卵鶏、ブロイラー、好ましくは採卵鶏)、七面鳥、アヒル、ウズラ、カモ、キジ、ダチョウ、ガチョウ等を挙げることができる。また、上記コエンザイムQ10は、ユビデカレノン又は補酵素UQ10等として日本薬局方に記載されている。本発明で用いるコエンザイムQ10は、牛等の動物の心臓から抽出されるものでもよいし、合成法、発酵法で得られるものでもよい。また、コエンザイムQ10は純粋のものではなく、コエンザイムQ10含有物質であってもよい。
本発明のコエンザイムQ10強化卵としては、コエンザイムQ10を、全卵100g中に0.15mg以上含有せしめたものであれば特に制限されるものではないが、コエンザイムQ10を、全卵100g中に0.20mg以上含有せしめた強化卵が好ましい。
本発明のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料としては、コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した飼料であれば特に制限されないが、例えば基礎飼料に対し、コエンザイムQ10として、0.005〜0.050質量%、好ましくは0.010〜0.040質量%、さらに好ましくは0.015〜0.030質量%添加することによって調製したものを好適に例示することができる。本発明の家禽用配合飼料は、コエンザイムQ10に加えて油脂類、特に中鎖脂肪酸トリグリセライドを配合することができる。かかる中鎖脂肪酸トリグリセライドとしては、中鎖脂肪酸、即ち炭素数が6〜14、好ましくは8〜12の脂肪酸を少なくとも1個以上、好ましくは3個含有する脂肪酸トリグリセライドであり、脂肪酸は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい。中鎖脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸などを例示することができ、中でもカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸が好ましい。これらの中鎖脂肪酸トリグリセライドは安全性が高く、乳剤、油性基剤、溶剤、賦形剤など食品、医薬品、化粧料の広範囲の用途に用いられている。本発明において用いられる中鎖脂肪酸トリグリセライドとしては、例えばトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル(ココナードMT,花王社製)、トリカプリル酸グリセリル(ココナードRK,花王社製)、トリ(カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸)グリセリル(ココナードML,花王社製)、トリ(カプリル酸・カプリン酸・ステアリン酸)グリセリルなどが例示されるが、これらに限定されない。なお、2種以上の中鎖脂肪酸トリグリセライドを使用してもよい。
中鎖脂肪酸トリグリセライド以外の油脂類としては、特にその種類、精製度、加工度によって限定されるものではないが、具体的には、タロー、イエローグリース、ラード、ヘッド等の動物油脂 ;いわし精製油、マグロ原油等の魚油;ナタネ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、落花生油、カヤ油、ツバキ油、オリーブ油、トウモロコシ油等の植物油脂 、あるいはこれら油脂類の水素添加物、あるいは加水分解物を挙げることができる。
本発明において用いられる油脂類は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、かかる油脂類にアスタキサンチン、BHT、エトキシキンなどの酸化防止剤を配合してもよい。
家禽用配合飼料中のビタミンA含量を、6,000IU/kg以下とすることが、卵中でのコエンザイムQ10含量を高める上で好ましい。また、ビタミンE又はビタミンE含有物質の存在は、コエンザイムQ10の卵への移行を低下させることが、本発明者等の実験から明らかとなり、配合飼料中には、コエンザイムQ10とビタミンEとの組合せを避けることはもとより、これらを含む物質の添加・配合も避けることがより効果的である。本発明において、「ビタミンE含有物質を添加していない」とは、通常の家禽用配合飼料における元来ビタミンEが多少なりとも含まれている配合成分とは異なる、ビタミンE含有物質を意図的に添加しないことを意味する。
上記の通常の家禽用配合飼料における配合成分としては、とうもろこし、ふすま、米、麦、綿実粕、マイロ、大豆粕、ゴマ粕、魚粉、脱脂米糠、コーンスティープリカー、コーングルテンフィード、コーンジャームミール、動植物油脂、なたね油粕、海藻粉末、アルファルファ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、各種ビタミン剤(但し、ビタミンA、ビタミンEは除く)、無機塩(硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト)等を挙げることができ、これら配合成分の一部又は全部を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、各実施例における鶏卵中のコエンザイムQ10(以下、CoQ10と略称することがある)含量の測定は次のように行った。10羽分の卵黄をプール処理して卵黄中のCoQ10含量を分析した。予め卵黄と卵白(CoQ10を含まない)の重量比より可食部当たりの卵黄比率を測定しておき卵黄中CoQ10含量×可食部卵黄比率=全卵中CoQ10含量とした。卵黄中のCoQ10含量は、HLPC法により分析した。3週間後もしくはその前日の各個体の卵を分析した。
(飼料中のコエンザイムQ10添加量と鶏卵中コエンザイムQ10含量のドースレスポンス)
ジュリア種の鶏(開始248日齢)50羽を10羽ずつ5区に分け、第1区(比較例)は、表1に示す基礎飼料のみを給餌し、第2〜5区(実施例)は、表1に示す基礎飼料に対して下記に示すCoQ10(日清ファルマ社製)原末を、種々の配合割合で添加したものを各区の鶏に3週間給餌した。なお、CoQ10原末は基礎飼料中の動物性油脂に溶解して用いた。試験期間3週間の産卵成績を記録し、3週間(21日)後に鶏卵中のCoQ10含量を測定した。その結果を表2及び表3に示す。
(区分)
第1区:基礎飼料
第2区:基礎飼料+CoQ10原末0.005質量%
第3区:基礎飼料+CoQ10原末0.010質量%
第4区:基礎飼料+CoQ10原末0.015質量%
第5区:基礎飼料+CoQ10原末0.030質量%
表2より産卵成績、すなわち産卵率、個卵重、日卵量、食下量、飼料要求率、格外率の数値からみて、CoQ10を添加したことが産卵成績を悪くするような影響は何らみられない。また、表3より第2区〜第5区(実施例)は、第1区(比較例)に比して、CoQ10は、その添加量に比例して、卵黄中のCoQ10含量は、増加していることがわかった。
(油脂の量、種類及びビタミンA添加量の効果)
ジュリア種(開始353齢)60羽を10羽ずつ6区に分け、表4に示すとおりの第1区;動物性油脂(YG:イエローグリース)を3.5質量%、ビタミンA剤を10,000IU/kg添加した「YG3.5%−VA10,000IU飼料」、第2区;中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT:「ヘルシップML」花王社製、商品名)を3.5質量%、ビタミンA剤を10,000IU/kg添加した「MCT3.5%−VA10,000IU飼料」、第3区;動物性油脂(YG)を6質量%、ビタミンA剤を10,000IU/kg添加した「YG6%−VA10,000IU飼料」、第4区;動物性油脂(YG)を3.5質量%、ビタミンA剤を3,000IU/kg添加した「YG3.5%−VA3,000IU飼料」、第5区;中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)を3.5質量%、ビタミンA剤を3,000IU/kg添加した「MCT3.5%−VA3,000IU飼料」、第6区;動物性油脂(YG)を6質量%、ビタミンA剤を3,000IU/kg添加した「YG6%−VA3,000IU飼料」にそれぞれCoQ10原末(日清ファルマ社製)を0.015質量%添加した飼料を各区の鶏に3週間給餌した。なお、CoQ10原末は、各飼料中の配合割合に含まれる動物性油脂或いは中鎖脂肪酸トリグリセライドに溶解して添加した。試験期間3週間の産卵成績を記録し、3週間(21日)後に、鶏卵中のCoQ10含量を測定した。その結果を表5、表6に示す。また、油脂の量、種類及びビタミンA添加量と鶏卵中(全卵中)CoQ10含量との関係を表7に示す。
(区分)
第1区:YG3.5%−VA10,000IU飼料
第2区:MCT3.5%−VA10,000IU飼料
第3区:YG6%−VA10,000IU飼料
第4区:YG3.5%−VA3,000IU飼料
第5区:MCT3.5%−VA3,000IU飼料
第6区:YG6%−VA3,000IU飼料
実施例2は、CoQ10の添加量が一定であり、CoQ10の卵中へ移行する量が、油脂の種類/量、ビタミンAの添加量で、どのように影響するのかを調べた例である。先ず、表5に示すように、産卵成績は、油脂の種類(YGや中鎖脂肪酸グリセライド)、その添加量、及びビタミンAの添加量には、それほど影響されないことがわかった。次に、表6には、第1区〜第6区の各区毎に卵黄中のCoQ10含量(mg/100g)、可食部卵黄比率(%)、全卵中のCoQ10含量(mg/100g)を表したものであり、さらに、表6のデータを整理して、油脂の種類/量を縦欄に、ビタミンA添加量(IU/kg)を横欄に記載したものが表7である。表7において、縦欄と横欄に記載した数値の関係をみると、ビタミンAの添加量を変えたいずれにおいても、3.5質量%の油脂では、MCTの方がYGよりCoQ10含量は高く、また、YGの添加量を3.5質量%から6質量%に高めることにより鶏卵中のCoQ10量が高まることが確認された。また、飼料中のビタミンAの添加量を10,000IU/kgから3,000IU/kgに下げることにより鶏卵中のCoQ10含量が高まることが確認された。このことから、飼料中に、油脂が同量の場合は動物性油脂(YG)よりも中鎖脂肪酸トリグリセライドを使用する方が、また、同種の油脂では添加量が高い方が、さらに、ビタミンAでは少ない方がCoQ10の卵中に移行する量が多いことがわかった。
(ビタミンEの影響)
ジュリア種の鶏(開始353日齢)40羽を10羽ずつ4区に分け、表8に示す配合割合を有する2種類の飼料、すなわち、動物性油脂(YG)3.5質量%含む「YG3.5%飼料」と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT:「ヘルシップML」花王社製、商品名)3.5質量%含む「MCT3.5%飼料」を用いて、それぞれにCoQ10原末(日清ファルマ社製)0.015質量%を、各飼料中に配合する油脂中に溶解して添加し、第1区〜第4区に示すように油脂の種類とビタミンEの量を変えて、各区の鶏に3週間(21日間)給餌した。試験期間3週間の産卵成績を記録し、3週間(21日)後に、鶏卵中のCoQ10含量を測定した。その結果を表9、表10に示す。
(区分)
第1区:YG3.5%飼料−添加VE0mg/kg
第2区:YG3.5%飼料−添加VE100mg/kg
第3区:MCT3.5%飼料−添加VE0mg/kg
第4区:MCT3.5%飼料−添加V100mg/kg
(なお、飼料中にビタミンAが、3,000IU/kg含有されているものである)
CoQ10の添加量を一定とし、鶏卵中へ移行するCoQ10量がビタミンEの添加量により、どのように影響されるかを調査した結果、実験するまでは、ビタミンEは、CoQ10の鶏卵中への移行を高めると想定していたが、表10より逆の結果が示されており、油脂の種類にかかわらず飼料中にビタミンEを添加するとCoQ10の移行率が低下することがわかった。このことから、鶏卵中へのCoQ10移行率を高めるにはビタミンEの添加量を低めに抑える方が効果的であることがわかった。

Claims (13)

  1. コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合した家禽用配合飼料を家禽に給餌して飼育することを特徴とするコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  2. 家禽用配合飼料に、さらに油脂類を配合することを特徴とする請求項1記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  3. 油脂類に溶解したコエンザイムQ10を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  4. 油脂類が中鎖脂肪酸トリグリセライドであることを特徴とする請求項2又は3記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  5. 家禽用配合飼料中のビタミンA含量を6,000IU/kg以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  6. 家禽用配合飼料中に、ビタミンE又はビタミンE含有物質を添加していないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵の生産方法。
  7. コエンザイムQ10を、全卵100g中に0.15mg以上含有せしめたことを特徴とするコエンザイムQ10強化卵。
  8. コエンザイムQ10又はコエンザイムQ10含有物質を配合したことを特徴とするコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
  9. さらに油脂類が配合されていることを特徴とする請求項8記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
  10. 油脂類に溶解したコエンザイムQ10が配合されていることを特徴とする請求項8又は9記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
  11. 油脂類が中鎖脂肪酸トリグリセライドであることを特徴とする請求項9又は10記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
  12. ビタミンA含量が6,000IU/kg以下であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
  13. ビタミンE又はビタミンE含有物質が添加されていないことを特徴とする請求項8〜12のいずれか記載のコエンザイムQ10強化卵生産用の家禽用配合飼料。
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