JP2007073667A - 電気機械変換器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサーを有する電気機械変換器の製造方法において、製造工程が複雑になるという課題があった。
【解決手段】基板の上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と多結晶シリコン膜とを積層し、梁部とピエゾ抵抗素子とを形成する工程を有する電気機械変換器の製造方法において、シリコン窒化膜14を梁部に加工する工程と、多結晶シリコン膜16をピエゾ抵抗素子32に加工する工程と、梁部の応力を調整する梁部応力調整工程と、ピエゾ抵抗素子32の抵抗値を調節する抵抗値調整工程とを有し、梁部応力調整工程と抵抗値調整工程とは、同時に行う。その際、ピエゾ抵抗素子32になる領域はシリコン酸化膜20やフォトレジスト8の膜厚や形状を調節することで、ピエゾ抵抗素子32の抵抗値調整とシリコン窒化膜14の応力調整とを両立させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、機械振動を電気信号に変換するまたは電気信号を機械振動に変換する構造体の製造方法において、特に梁構造を有する電気機械変換器をより少ない製造工程で実現する製造方法に関する。
近年、多種多様なセンサーが開発され、サイズも小さくなっている。このセンサーは環境変化に対して材料自身が持っている物理的な変化を電気的に捉えることで成り立っている。この物理的変化は多々存在するが、その中でも機械振動を電気信号に変換するセンサーは、物理センサーという位置付けで広く知られている。
このようなセンサーを応用した様々な製品が開発され市場に出ている。それらの製品はいかに小さく、軽く、安く製造できるかが課題となっている。従って、製品の一部になる部品も当然縮小化が要求される。しかし、サイズが小さくなっても性能を落すことは許されない。
そのためセンサーの感度向上や、異なる方式を用いたセンサーの開発が行われている。加速度センサーの例で見てみると、近年の加速度センサーは半導体化されており、代表的な方式としては、容量式と圧電式とピエゾ抵抗式とがある。
容量式とは、固定して動かない電極と加速度が加わると変形して稼動する電極との間の容量変化を検出する方式である。容量変化をおこすための構造は電極間のギャップ変化を用いている。利点としては温度変化に対しての補正が容易であり、感度が高いことである。欠点は一対の電極間の容量変化は小さいので、これらを並列接続する結線を行い、変化量を大きくしなければならないことである。また、ノイズが入りやすいので検出回路をセンサーのそばに置くなど、浮遊容量をできるだけ検出しないような工夫が必要になることである。
圧電式とは、加速度等で圧電体に加わった歪によって発生する電荷を検出する方式である。利点としては小型で軽量ということがある。欠点は出力インピーダンスが高い、静的加速度が検出できないなどがある。
ピエゾ抵抗式とは、物体にかかる応力によって物体の抵抗値が変化し、その抵抗値変化を周辺回路でブリッジを形成して電圧変化として検出する方式である。この方式の利点は小型化が容易であること、検出回路の構成が簡単であることである。欠点としては、ピエゾ抵抗素子が半導体であるので、温度に対しての変化が大きく補正が必要になることである。
このような各種の方式の中でもピエゾ抵抗式は、小型、簡便、大量生産が可能であることから、広く使われている。
ところで、大量生産を可能とするには、汎用的な製造プロセスで製造することが重要であって、特にピエゾ抵抗式は、半導体で構成するため、半導体装置を製造する汎用的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)製造プロセスが適用できるという利点がある。
汎用的なCMOS製造プロセスが適用できる例として、SOI(Silicon on
Insulator)ウェハを用いた製造プロセスやエピタキシャル層を用いた製造プロセスがある。確かにこれらのSOI製造プロセスであれば、CMOS製造プロセスとの整合性は高い。
しかしながら、SOIウェハは、シリコンなどの単層ウェハに比べ構造が複雑なために、ウェハコストが高くなってしまうというデメリットがある。
そこで、汎用的なCMOS製造プロセスの中で使用できる材料を用いてピエゾ抵抗式の加速度センサーを製造することが提案されており、代表的な技術として、安価なシリコン基板を用いる製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載されている加速度センサーの製造方法は、安価なシリコン基板を用いて製造する際に、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜の内部応力が大きいため、この膜が梁に残っているとすると、梁に大きな応力がかかり、正常な動きが阻害されてしまうことを防止する技術であって、梁の表面と裏面とに同じ応力特性を持つ膜を形成することで応力のバランスを取り、梁にかかる応力を低減させるというものである。
特許文献1に示した従来技術は、シリコン窒化膜自体の内部応力を低減するものではなく、梁に加わる応力のバランスを取るものであるが、シリコン窒化膜の内部応力そのものを低減する方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
非特許文献1には、シリコン窒化膜にイオン注入する際に、そのイオン種やイオンのエネルギー、ドーズ量をパラメータにしてシリコン窒化膜の内部応力やヤング率の変化を評価し、イオンが大きいほど、エネルギーが高いほど、ドーズ量が多いほど内部応力が低下する効果が大きいことを示している。
非特許文献1に記載の内容を図を用いて説明する。図14は、シリコン窒化膜にボロンをイオン注入した場合のシリコン窒化膜の内部応力の変化やヤング率の変化を示したグラフである。
図14において、左縦軸がシリコン窒化膜の内部応力、右縦軸がシリコン窒化膜のヤング率を示している。横軸はボロンイオンのドーズ量を示している。グラフ中で白抜きの記号は内部応力を示し、塗りつぶしはヤング率を示している。また丸印はイオンエネルギー40KeV、四角印は70KeV、三角印は130KeVを示している。
図14で明らかなように、ドーズ量が多いほど、イオンエネルギーが高いほど内部応力低減の効果は大きいことがわかる。
特許第3427462号公報(第6頁、第1図) 田畑修、他3名、「イオン注入法による圧力センサ用窒化シリコン薄膜の機械的物性制御」、電学論C、平成2年、第110巻、第4号、P.228−234
特許文献1に示した従来技術の加速度センサーの製造方法は、梁になるシリコン基板の表面と裏面とに同じ応力特性を持つ膜を形成するため、シリコン基板を2枚用いて接合し、一方を研磨する必要がある。このため、安価なシリコン基板を用いても、その基板は2枚必要であるから製造方法が複雑になってしまうという問題があった。また、コスト低減も十分できない。
また、非特許文献1には、シリコン窒化膜の内部応力を低減するため、この部分にイオ
ン注入する際の適する注入条件などについて示唆されているものの、安価なシリコン基板を用いて加速度センサーを製造する方法としては十分な記載がなされていなかった。
本発明の目的は、上記のような従来の技術の問題を解決するため、ピエゾ抵抗素子となる膜の抵抗値調整用イオン注入工程と、梁となる膜の応力調整用イオン注入工程とを同じ工程とし、梁構造のピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサーをより少ない製造工程で実現する電気機械変換器の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電気機械変換器においては、下記に示す製造方法を採用する。
基板の上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と多結晶シリコン膜とを積層し、梁部と抵抗素子とを形成する工程を有する電気機械変換器の製造方法において、
シリコン窒化膜を梁部に加工する工程と、多結晶シリコン膜を抵抗素子に加工する工程と、梁部の応力を調整する梁部応力調整工程と、抵抗素子の抵抗値を調節する抵抗値調整工程とを有し、梁部応力調整工程と抵抗値調整工程とは、同時に行うことを特徴とする。
抵抗値調整工程は、多結晶シリコン膜の所定の部分にイオン注入するイオン注入工程を含むことを特徴とする。
抵抗値調整工程は、多結晶シリコン膜の上部全体または一部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を含むことを特徴とする。
抵抗値調整工程は、絶縁膜の上部に樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程を含むことを特徴とする。
絶縁膜形成工程は、絶縁膜の膜厚を調整することで、多結晶シリコン膜から加工する抵抗素子の抵抗値を調節することを特徴とする。
樹脂膜形成工程は、樹脂膜の膜厚を調整することで、多結晶シリコン膜から加工する抵抗素子の抵抗値を調節することを特徴とする。
絶縁膜形成工程は、多結晶シリコン膜上に絶縁膜の膜厚が異なる領域を設ける工程を含み、多結晶シリコン膜を抵抗素子とする部分の形成と多結晶シリコン膜と他の部分とを接続する部分の形成とを同時に行うことを特徴とする。
樹脂膜形成工程は、絶縁膜の上部全体または一部に樹脂膜の領域を設ける工程を含み、多結晶シリコン膜を抵抗素子とする部分の形成と多結晶シリコン膜と他の部分とを接続する部分の形成とを同時に行うことを特徴とする。
本発明の電気機械変換器の製造方法は、CMOS製造プロセスで通常使用するウェハを1枚用い、抵抗素子となる多結晶シリコン膜の上面に形成する絶縁膜や樹脂膜の膜厚や形状を調節することで、抵抗素子の抵抗値調節の製造工程と梁部の応力調整の製造工程とを同じイオン種を用いて同時に行うことができ、抵抗素子の抵抗値調整と梁部の応力調整とを同時に行うことができる。
このような製造方法によって、より少ない製造工程で電気機械変換器を製造することができるという効果を有する。
また、従来知られているCMOS製造プロセスとの混載を容易にできるから、その適用
範囲は広く、多くの電気機械変換器の製造に用いることができるという効果も有する。
[製造方法の説明:図1〜図11]
本発明の電気機械変換器の製造方法について図1〜図11を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態では、シリコン基板のウェハを用いて、その基板の上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と多結晶シリコン膜とを積層し、梁部と抵抗素子とを形成する。抵抗素子は、ピエゾ抵抗素子とする。本発明の実施の形態では、加速度センサー部分を説明する。
図1に示すように、基板10の上部にシリコン酸化膜12を知られている製造方法により形成する。その膜厚は、1.0μmである。
その上部にシリコン窒化膜14を形成する。その製造条件は、温度が780℃で原料ガス組成比(SiHCl/NH=0.1)で成膜時間42分である。その膜厚は、0.1μmである。
さらに、その上部に多結晶シリコン膜16を形成する。その製造条件は、温度が630℃でモノシランガスを用い、成膜時間14分である。その膜厚は、0.2μmである。
次に、図2に示すように、基板10の上部にフォトレジスト18を知られている製造方法により形成する。フォトレジスト18は、所望の形状にパターニングする。その後、このフォトレジスト18をマスクにしてドライエッチング法を用いて多結晶シリコン膜16を所望の形状に加工する。多結晶シリコン膜16の加工後は、フォトレジスト18は除去する。
この所望の形状に加工した多結晶シリコン膜16は、後の製造工程でボロン(B+)のイオン注入を行うことでピエゾ抵抗素子になる。
次に、多結晶シリコン膜の上部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を説明する。絶縁膜は、シリコン酸化膜20である。多結晶シリコン膜16の上部の全体または一部にシリコン酸化膜20を設ける。
図3(a)では、多結晶シリコン膜16の上部全面とその側面を含む周囲全面にも設けるように記載している。その製造条件は、温度が1000℃で酸素と窒素の分圧比が1、成膜時間を47分の条件である。その膜厚は、0.03μmである。この膜の形成時には、シリコン窒化膜14にはシリコン酸化膜20は形成されない。
次に、絶縁膜の上部に樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程を説明する。樹脂膜は、例えば、フォトレジスト8である。
基板10の上部の全面にフォトレジスト8を形成する。フォトレジスト8は、すでに知られている製造方法を用いて形成することができる。フォトレジスト8を少なくともシリコン酸化膜20の上部に残るようにパターニングする。
その後、ボロン(B+)を基板10の上部全面にイオン注入する。その製造条件は、イオンエネルギー80KeVでドーズ量1.0E16(atoms/cm)である。
図3(b)には、図3(a)のA−A‘断面図を示す。この図3(b)は、本発明の特徴である抵抗値調整工程と梁部応力調整工程とを説明するためのものである。
多結晶シリコン膜16は、すでに説明した通り、後の製造工程によりピエゾ抵抗素子となる。一方、シリコン窒化膜14の一部は、後の製造工程により梁部となる。多結晶シリコン膜16をピエゾ抵抗素子にするには、まず、多結晶シリコン膜自体の抵抗値を所望の値に調整する必要があり、抵抗値調整工程が必要である。抵抗値調整工程は、例えば、イオン注入などにより不純物を多結晶シリコン膜16にイオン注入する。また、梁部の応力
を所望の特性に調整するには梁部応力調整工程が必要である。梁部応力調整工程は、従来技術でも説明した通り、イオン注入などにより不純物をシリコン窒化膜14にイオン注入する。
つまり、多結晶シリコン膜16の上部にシリコン酸化膜20とフォトレジスト8とを設け、シリコン窒化膜14の上面を剥き出しの状態として、ボロンイオンをそれらの全面にイオン注入する。図3(b)では、この全面のボロンイオンのイオン注入を説明しやすいように、抵抗値調整用ボロンと応力調整用ボロンとに分けて表記しているが、別々のイオン注入ではなく同じイオン種を用いて同時に行うイオン注入である。
多結晶シリコン膜16には、その上部に絶縁膜であるシリコン酸化膜20があり、さらにその上部に樹脂膜であるフォトレジスト8がある。このため、到達できるボロンイオンは少なくなる。それに対してシリコン窒化膜14に到達するボロンイオンは遮るものがないので、イオンエネルギーの大きな状態で到達できる。
このようにすることで、多結晶シリコン膜16の抵抗値を所望の値にすることと、梁部の応力を所望の特性にすることが一度にできるのである。すなわち、抵抗値調整工程と梁部応力調整工程とを一度のボロンイオンのイオン注入により実施できるというものである。これが本発明のもっとも特徴的な部分である。
また、多結晶シリコン膜16の抵抗値を所望の値に調整するには、シリコン酸化膜20の膜厚とフォトレジスト8の膜厚とをそれぞれ調節することで、全面に打たれるボロンの注入条件は同じでも、多結晶シリコン膜16に到達するボロンイオンを加減することができるので、その抵抗値調節をより細かくすることができる。
もちろん、シリコン酸化膜20とフォトレジスト8との膜厚を変えるだけではない。多結晶シリコン膜16の上部に設けるシリコン酸化膜20やフォトレジスト8の形状を工夫することで、多結晶シリコン膜16に到達または分布するボロンイオンを調整することができる。
図12は多結晶シリコン膜16の平面図である。図12(a)や(b)に示すように、シリコン酸化膜20やフォトレジスト8を市松模様や所望のパターンにすることができる。
なお、図12(a)や(b)は、一例としてシリコン酸化膜20を示すものであるが、フォトレジスト8でもよいことは言うまでもない。さらには、これらシリコン酸化膜20とフォトレジスト8とを重ねてパターン形成しても、双方の重なりをずらせてもよい。
このように、シリコン酸化膜20やフォトレジスト8は、多結晶シリコン膜16の上部全面に設ける必要はない。
後の製造工程で、多結晶シリコン膜16内にイオン注入されたボロンイオンをアニール処理により拡散させるので、多結晶シリコン膜16にボロンイオンを所望のパターンでイオン注入し分布させることにより、その抵抗値を制御することができるのである。
さらに、多結晶シリコン膜16が後の製造工程を経てピエゾ抵抗素子となった際には、外部と接続するための金属配線と接続を行う領域が必要である。この領域は低抵抗化しておく必要がある。
図12(c)にその一例を示す。低抵抗化したい領域を領域81とする。この領域81のフォトレジスト8やシリコン酸化膜20を除去しておく。このようにすることにより、ボロンイオンがより多く多結晶シリコン膜16に到達し、この領域を低抵抗化することが可能となる。すなわち、金属配線との接続抵抗を下げることが可能となる。
また、図13に示すように、多結晶シリコン膜16上のシリコン酸化膜20の厚みを部分的に変えた場合にも、多結晶シリコン膜16に到達または分布するボロンイオンを調節することが可能である。
この場合、薄膜化領域34を設けることで、この薄膜化領域34に注入するボロンイオンは、多結晶シリコン膜16の他の領域に到達するボロンイオンに比べて多くなるので、この薄膜化領域34下の領域を低抵抗化できる。
その後、樹脂膜であるフォトレジスト8は除去する。ところで、ボロンをイオン種として選定しているのは、P型のピエゾ抵抗素子を形成するためであり、P型導電型の抵抗を使用する理由は、歪み感度が大きい利点があるからである。電気機械変換器の用途や仕様に応じてピエゾ抵抗素子の特性が選択される場合もあり、P型のピエゾ抵抗素子に限定するものではない。
その後、窒素雰囲気中1000℃、30分のアニールを行い、多結晶シリコン膜16内にイオン注入されたボロンイオンを拡散させる。
この製造工程によって、多結晶シリコン膜16は、所望の抵抗値と導電型を有するピエゾ抵抗素子32として用いることができるようになる。以後の製造工程の説明では、多結晶シリコン膜16をピエゾ抵抗素子32と表記する。
次に、図4に示すように、フッ酸を用いたウェットエッチングにより、シリコン酸化膜20を除去する。その後に、基板10の上部全面にアルミニウム膜221をスパッタリングで形成する。その膜厚は、0.8μmである。
このアルミニウム膜221上にフォトレジスト18を形成した後にパターニングし、図5に示すようにドライエッチング法によって、アルミニウム膜221を所望の形状に加工し、金属配線22を形成する。その後、フォトレジスト18は除去する。
次に、図6に示すように、梁部用樹脂膜24を基板10の上部に形成する。梁部用樹脂膜24は、例えばポリイミドである。その膜厚は1.0μmである。
その後、図7に示すように、プラズマシリコン酸化膜26を梁部用樹脂膜24の上部に形成する。その膜厚は、0.3μmである。このプラズマシリコン酸化膜26は、梁部用樹脂膜24をパターニングするために用いるマスクになる。
次に、図8に示すようにフォトレジスト18を全面に形成し、外部に電気信号を取り出すための領域と、梁になる部分以外の梁部用樹脂膜24を除去することを想定して、フォトレジスト18を所望の形状にパターニングする。
その後、プラズマシリコン酸化膜26を選択的に除去した後、フォトレジスト18を除去する。
次に、基板10の裏面にフォトレジストなどからなるマスクを形成して錘部28を形成するためのパターンを作り、基板10を錘形状にエッチングするのであるが、まず、基板10の上側面と下側面との両方に表面フォトレジスト30aと裏面フォトレジスト30bとをそれぞれ形成する。
表面フォトレジスト30aは表面保護のために用い、裏面フォトレジスト30bは裏面の基板10をエッチングするために用いる。
錘部28形成のために、基板10の下側面側の裏面フォトレジスト30bを所望の形状にパターニングする。
次に、表面フォトレジスト30aで保護した上側面を下にしてドライエッチング装置に配置し、異方性を有するエッチング工程であるドライエッチング法により、基板10を下
側面から所定の距離(シリコン酸化膜12に達する程度)までエッチングを行う。このドライエッチング条件は、よく知られているエッチングガスであるSF(6フッ化硫黄)とデポジションガスであるC(シクロブタン)とを用いて、エッチングとデポジションとを交互に行う方法である。
図9は、裏面フォトレジスト30bを所望の形状に加工し、その形状に準じて基板10を所望の形状にエッチングし終わった状態を示している。
その後、表面と下面側の表面フォトレジスト30aと裏面フォトレジスト30bとを除去する。
次に、図10に示すように、所望の形状にパターニングしたプラズマシリコン酸化膜26をマスクにして、酸素プラズマアッシングを用いて梁部用樹脂膜24をプラズマシリコン酸化膜26と同じ形状に形成する。
次に、図11に示すように、表面に形成していたプラズマシリコン酸化膜26をプラズマエッチング装置を用いて全面除去する。基板10の表面全体をフォトレジストで覆った後に、フッ酸を用いたウェットエッチングで錘部28に覆われていないシリコン酸化膜12を除去する。
この製造工程により、梁部としては応力を調節したシリコン窒化膜14と梁部用樹脂膜24との積層膜構造が形成される。
また、図示はしていないが、この梁部用樹脂膜24を選択的に除去し、外部と電気的に接続するパッド領域を形成する。
以上の説明で明らかなように、本発明の電気機械変換器の製造方法は、梁材としてCMOS製造プロセスで通常用いているシリコン窒化膜14と梁部用樹脂膜24とを用い、また、ピエゾ抵抗素子32の抵抗値調整工程と梁部となるシリコン窒化膜14の梁部応力調整工程とに用いるイオン注入工程を同じ製造工程とすることで、より少ない製造工程で梁構造のピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサーを有する電気機械変換器を製造することができる。
本発明の電気機械変換器の製造方法は、圧力センサーや加速度センサーに用いることができる。特に、小型化やICとの混載が進むセンサーの製造方法としては好適である。
本発明の電気機械変換器の積層膜を形成する工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の多結晶シリコン膜をパターニングする工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器のボロンイオンを注入する工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器のアルミニウム膜の形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の金属配線の形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の梁部用樹脂膜の形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器のプラズマシリコン酸化膜の形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器のプラズマシリコン酸化膜の梁部パターン形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の錘部の形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の梁部用樹脂膜の梁部パターン形成工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器のプラズマシリコン酸化膜とシリコン酸化膜の除去工程を説明する断面図である。 本発明の電気機械変換器の抵抗素子形成のためのパターンの例を説明する平面図である。 本発明の電気機械変換器のボロンイオンを注入する工程を説明する断面図である。 非特許文献におけるイオン注入の応力緩和に対する有効性を示す図である。
符号の説明
8 フォトレジスト
10 基板
12 シリコン酸化膜
14 シリコン窒化膜
16 多結晶シリコン膜
18 フォトレジスト
20 シリコン酸化膜
22 金属配線
24 梁部用樹脂膜
26 プラズマシリコン酸化膜
28 錘部
30a 表面フォトレジスト
30b 裏面フォトレジスト
32 ピエゾ抵抗素子
221 アルミニウム膜
34 薄膜領域
81 低抵抗化したい領域

Claims (8)

  1. 基板の上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と多結晶シリコン膜とを積層し、梁部と抵抗素子とを形成する工程を有する電気機械変換器の製造方法において、
    前記シリコン窒化膜を前記梁部に加工する工程と、
    前記多結晶シリコン膜を前記抵抗素子に加工する工程と、
    前記梁部の応力を調整する梁部応力調整工程と、
    前記抵抗素子の抵抗値を調節する抵抗値調整工程とを有し、
    前記梁部応力調整工程と前記抵抗値調整工程とは、同時に行うことを特徴とする電気機械変換器の製造方法。
  2. 前記抵抗値調整工程は、前記多結晶シリコン膜の所定の部分にイオン注入するイオン注入工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換器の製造方法。
  3. 前記抵抗値調整工程は、前記多結晶シリコン膜の上部全体または一部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の電気機械変換器の製造方法。
  4. 前記抵抗値調整工程は、前記絶縁膜の上部に樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の電気機械変換器の製造方法。
  5. 前記絶縁膜形成工程は、前記絶縁膜の膜厚を調整することで、前記多結晶シリコン膜から加工する前記抵抗素子の抵抗値を調節することを特徴とする請求項3に記載の電気機械変換器の製造方法。
  6. 前記樹脂膜形成工程は、前記樹脂膜の膜厚を調整することで、前記多結晶シリコン膜から加工する前記抵抗素子の抵抗値を調節することを特徴とする請求項4に記載の電気機械変換器の製造方法。
  7. 前記絶縁膜形成工程は、前記多結晶シリコン膜上に前記絶縁膜の膜厚が異なる領域を設ける工程を含み、前記多結晶シリコン膜を抵抗素子とする部分の形成と前記多結晶シリコン膜と他の部分とを接続する部分の形成とを同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の電気機械変換器の製造方法。
  8. 前記樹脂膜形成工程は、前記絶縁膜の上部全体または一部に前記樹脂膜の領域を設ける工程を含み、前記多結晶シリコン膜を抵抗素子とする部分の形成と前記多結晶シリコン膜と他の部分とを接続する部分の形成とを同時に行うことを特徴とする請求項6に記載の電気機械変換器の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013168875A1 (ko) * 2012-05-08 2013-11-14 한국표준과학연구원 유연한 집적회로 및 유연한 집적회로 제조방법

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