JP2006295149A - 機械・電気変換器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械・電気変換器を超小型にしても感度がよく、感度の調整幅が広く耐久性もよいものにする。
【解決手段】枠状の支持部10によって支持される細片状の梁部26によって錘部12を支え、その梁部26に機械的変動を電気的変動に変換する変換素子としてピエゾ抵抗素子20を設け、そのピエゾ抵抗素子20に錘部12の機械的変動を梁部26を介して伝達するように構成する。そして、その梁部26をシリコン窒化膜16と樹脂膜18とを積層して構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】枠状の支持部10によって支持される細片状の梁部26によって錘部12を支え、その梁部26に機械的変動を電気的変動に変換する変換素子としてピエゾ抵抗素子20を設け、そのピエゾ抵抗素子20に錘部12の機械的変動を梁部26を介して伝達するように構成する。そして、その梁部26をシリコン窒化膜16と樹脂膜18とを積層して構成する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、機械変動を電気的信号に変換する機械・電気変換器(物理センサ)とその製造方法に関する。
機械変動を電気的信号に変換する機械・電気変換器は物理センサという位置づけで広く知られている。このセンサは、環境変化に対して材料自身がもっている物理的な変化を電気的に捉えるものであり、近年、多種多様なセンサが開発され、サイズも小さくなっている。
このようなセンサを応用した製品も種々開発されて市場に出ている。それらの製品は、いかに小さく、軽く、安く製造するかが課題となっている。したがって、その製品の一部になる部品である物理センサも当然ながら縮小化が要求される。しかし、サイズが小さくなっても性能を落とすことは許されない。
そのため、従来から物理センサの感度向上を図るために、異なる方式を用いた各種のセンサが開発されている。加速度センサを例にすると、近年の加速度センサは半導体化されており、代表的な方式としては、容量式と圧電式とピエゾ抵抗式とがある。
容量式とは、固定して動かない電極と、加速度が加わると変形して移動する電極との間の静電容量の変化を検出する方式であり、容量変化を起こすために電極間のギャップ変化を用いている。この方式の利点は、温度変化に対する補正が容易であり、感度が高いことである。欠点は、一対の電極間の容量変化は小さいので、多数の電極対を並列に接続する結線を行い、容量変化を大きくしなければならないことである。また、ノイズが入りやすいので、検出回路をセンサの近くに置くなど、浮遊容量の影響をできるだけ受けないような工夫が必要になる。
圧電式は、加速度等によって圧電体に加わる歪によって発生する電荷を検出する方式である。この方式の利点は、小型で軽量なことである。欠点は、出力インピーダンスが高い、静的加速度を検知できないことなどがある。
ピエゾ抵抗方式とは、ピエゾ抵抗素子を設けた物体にかかる応力によって抵抗素子の抵抗値が変化し、その抵抗値変化を周辺回路でブリッジを形成して電圧変化として検出する方式である。この方式の利点は、小型化が容易であることと、検出回路が簡単なことなどがある。欠点としては、ピエゾ抵抗素子が半導体であるため、温度に対しての変化が大きく、補正が必要なことである。
ピエゾ抵抗方式とは、ピエゾ抵抗素子を設けた物体にかかる応力によって抵抗素子の抵抗値が変化し、その抵抗値変化を周辺回路でブリッジを形成して電圧変化として検出する方式である。この方式の利点は、小型化が容易であることと、検出回路が簡単なことなどがある。欠点としては、ピエゾ抵抗素子が半導体であるため、温度に対しての変化が大きく、補正が必要なことである。
このような各種の方式の中でも、ピエゾ抵抗方式は小型で簡便であり、大量生産が可能であることなどによって広く使われている。このピエゾ抵抗方式で重要になるのは、小型化に伴って錘が小さくなることによって、ピエゾ抵抗自体の感度が小さくなってしまうことである。また、所望の構造に対して必要な感度等を調節できることも重要である。この感度を調節するために様々な構造と製造方法の工夫がなされている(特許文献1参照。)。
特許文献1に示されている従来技術の加速度センサは、加速度を受けて変位する錘部を可撓部を介してフレーム部で支持し、その可撓部にピエゾ抵抗によるセンサ部を設けた半導体加速度センサである。そして、その可撓部の表面にシリコン窒化膜等の絶縁膜を形成し、設定しようとする感度に応じて、その絶縁膜の膜厚を調整する。
また、磁気抵抗センサ、エアフローセンサ、加速度センサ、圧力センサなどとして用いられるセンサ素子であって、センサ基板に支持された細線を有する平面状のセンシング部位の表面をシリコン系樹脂膜で被覆したセンサ素子も知られている(特許文献2参照。)。
さらに、上記と同様なセンサ素子において、センサ基板とセンシング部位との間に樹脂膜を介在させることも知られている(特許文献3参照。)。
これらの特許文献には、センサ素子におけるパッシベーション膜又は層間絶縁膜として、シリコン窒化膜等の無機膜を形成することも記載されている。
さらに、上記と同様なセンサ素子において、センサ基板とセンシング部位との間に樹脂膜を介在させることも知られている(特許文献3参照。)。
これらの特許文献には、センサ素子におけるパッシベーション膜又は層間絶縁膜として、シリコン窒化膜等の無機膜を形成することも記載されている。
上記特許文献1に記載されている半導体加速度センサのような、細片状の可撓部である梁部にピエゾ抵抗によるセンサ部を設け、その梁部に支えられる錘部によって梁部に機械的変動が与えられる構造のセンサを、小型化しても感度を落とさないようにするには、梁部を細く薄くして変位しやすくし、且つ充分な耐久強度を保持しなければならない。そのため、絶縁膜の膜厚の調整だけで必要な設定感度を得るのは困難であった。
また、特許文献2および3に記載されているセンサ素子は、細片状の梁部にセンサ部を設ける構造ではなく、センサ基板上に平面状のセンサ部位を設けているので、樹脂膜によってセンサ部位の平坦性や保護性を高めることはできるが、三次元の加速度センサとして使用する場合に充分な感度を得ることは困難である。
この発明はこのような従来の機械・電気変換器における問題を解決するためになされたものであり、超小型にしても感度がよく、特に三次元の加速度センサに適し、感度の調整幅が広く耐久性もよい機械・電気変換器とその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、機械的変動を電気的変動に変換する変換素子と、その変換素子に機械的変動を与えるための錘部と、その錘部を支えると共に上記変換素子を設ける細片状の梁部と、その梁部を支持する枠状の支持部とを備えた機械・電気変換器において、上記梁部がシリコン窒化膜と樹脂膜とを積層して構成されていることを特徴とする。
また、上記梁部を構成する樹脂膜が上記支持部の上部にまで延設しており、上記梁部と支持部とを保護する保護膜を兼ねてもねよい。
さらに、上記梁部を構成する樹脂膜が、その梁部及び上記支持部の上面を覆う上蓋の接着手段を兼ねることもできる。
上記樹脂膜はポリイミド膜にするとよい。
さらに、上記梁部を構成する樹脂膜が、その梁部及び上記支持部の上面を覆う上蓋の接着手段を兼ねることもできる。
上記樹脂膜はポリイミド膜にするとよい。
上記変換素子はピエゾ抵抗素子であるとよく、そのピエゾ抵抗素子が不純物が注入された多結晶シリコン膜からなり、上記支持部の梁部を支持する部位上の2点から梁部へ平行に延びて先端部が接続した折り返し形状に形成されていてもよい。
上記錘部と支持部はシリコン半導体基板から形成されることができる。
上記錘部と支持部はシリコン半導体基板から形成されることができる。
この発明による機械・電気変換器の製造方法は、
シリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を設ける酸化膜形成工程、
上記シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を設ける工程と
上記シリコン窒化膜上に不純物が注入された多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子を形成する工程、
上記多結晶シリコン膜をパターニングする工程、
上記シリコン窒化膜をパターニングする工程、
上記シリコン窒化膜と上記多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子との上部全面に樹脂膜(好ましくはポリイミド膜)を設ける工程、
上記シリコン半導体基板の裏面に第1のマスクを形成する第1のマスク工程、
上記第1のマスクを利用して選択的に上記シリコン半導体基板の裏面から表面に向かいシリコン酸化膜まで異方性エッチングして、錘部と枠状の支持部を形成する第1のエッチング工程、
上記シリコン酸化膜を除去する工程、
上記シリコン半導体基板の表面に第2のマスクを形成する第2のマスク工程、
上記第2のマスクを利用して選択的に上記樹脂膜をエッチングして、上記支持部に支持されて上記錘部を支える細片状の梁部を、パターニングした上記シリコン窒化膜と該樹脂膜との積層膜によって形成する第2のエッチング工程、および
上記第1のマスクと第2のマスクとをそれぞれ除去するマスク除去工程、を有している。
シリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を設ける酸化膜形成工程、
上記シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を設ける工程と
上記シリコン窒化膜上に不純物が注入された多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子を形成する工程、
上記多結晶シリコン膜をパターニングする工程、
上記シリコン窒化膜をパターニングする工程、
上記シリコン窒化膜と上記多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子との上部全面に樹脂膜(好ましくはポリイミド膜)を設ける工程、
上記シリコン半導体基板の裏面に第1のマスクを形成する第1のマスク工程、
上記第1のマスクを利用して選択的に上記シリコン半導体基板の裏面から表面に向かいシリコン酸化膜まで異方性エッチングして、錘部と枠状の支持部を形成する第1のエッチング工程、
上記シリコン酸化膜を除去する工程、
上記シリコン半導体基板の表面に第2のマスクを形成する第2のマスク工程、
上記第2のマスクを利用して選択的に上記樹脂膜をエッチングして、上記支持部に支持されて上記錘部を支える細片状の梁部を、パターニングした上記シリコン窒化膜と該樹脂膜との積層膜によって形成する第2のエッチング工程、および
上記第1のマスクと第2のマスクとをそれぞれ除去するマスク除去工程、を有している。
上記ピエゾ抵抗素子を形成する工程は、
上記シリコン窒化膜上に多結晶シリコン膜を設ける多結晶シリコン膜形成工程、
上記多結晶シリコン膜に、選択的にイオン注入法によりピエゾ抵抗素子を形成する低濃度不純物領域を設ける第1のイオン注入工程と、選択的にイオン注入法により拡散配線を設ける第2のイオン注入工程とを有してもよい。
上記シリコン窒化膜上に多結晶シリコン膜を設ける多結晶シリコン膜形成工程、
上記多結晶シリコン膜に、選択的にイオン注入法によりピエゾ抵抗素子を形成する低濃度不純物領域を設ける第1のイオン注入工程と、選択的にイオン注入法により拡散配線を設ける第2のイオン注入工程とを有してもよい。
さらに、上記マスク除去工程の後に、真空環境で上記樹脂膜の表面全面をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、
そのプラズマ処理工程に用いた前記真空環境において、上記樹脂膜上で上蓋を上記枠状の支持部に対して位置合わせし、加温および加圧を行ってその上蓋を接着する接着工程とを有するようにしてもよい。
そのプラズマ処理工程に用いた前記真空環境において、上記樹脂膜上で上蓋を上記枠状の支持部に対して位置合わせし、加温および加圧を行ってその上蓋を接着する接着工程とを有するようにしてもよい。
この発明による機械・電気変換器は、枠状の支持部によって支持されて錘部を支える細片状の梁部に変換素子を設け、その梁部をシリコン窒化膜と樹脂膜とを積層して構成したので、内部応力特性が異なるシリコン窒化膜(無機膜)とポリイミド膜のような樹脂膜(有機膜)とによって、梁部が必要な強度と柔軟性(変動し易さ)を備え、その各膜の厚さと樹脂膜の材質を選択することによって、最適の感度を得ることができる。
したがって、超小型にしても感度がよく、特に三次元の加速度センサに適し、感度の調整幅が広く耐久性もよい機械・電気変換器となる。
また、この発明による機械・電気変換器の製造方法によれば、上記機械・電気変換器を容易に且つ安価に製造することができる。
また、この発明による機械・電気変換器の製造方法によれば、上記機械・電気変換器を容易に且つ安価に製造することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
この発明の実施形態については、可動の錘部とそれを支持する支持部(固定部)と、その錘部と支持部との間を繋ぐシリコン窒化膜と樹脂膜との積層膜からなる梁部を有する形状とし、その梁部に機械変動を電気的変動(信号)に変換する変換素子としてピエゾ抵抗素子を設けた構造の物理センサである機械・電気変換器と、その製造方法について説明する。
まず、この発明による機械・電気変換器の実施形態について説明する。
この発明の実施形態については、可動の錘部とそれを支持する支持部(固定部)と、その錘部と支持部との間を繋ぐシリコン窒化膜と樹脂膜との積層膜からなる梁部を有する形状とし、その梁部に機械変動を電気的変動(信号)に変換する変換素子としてピエゾ抵抗素子を設けた構造の物理センサである機械・電気変換器と、その製造方法について説明する。
まず、この発明による機械・電気変換器の実施形態について説明する。
[第1の実施形態:図1〜図7]
この発明による機械・電気変換器の第1の実施形態の構造を図1から図5を用いて説明する。
図1はその機械・電気変換器の樹脂膜を形成する前の状態を示す平面図、図2は樹脂膜を形成した後の状態を示す平面図である。図3は図2の3−3線に沿う断面図、図4は図2の4−4線に沿う断面図である。図5は錘部の底面図である。
この発明による機械・電気変換器の第1の実施形態の構造を図1から図5を用いて説明する。
図1はその機械・電気変換器の樹脂膜を形成する前の状態を示す平面図、図2は樹脂膜を形成した後の状態を示す平面図である。図3は図2の3−3線に沿う断面図、図4は図2の4−4線に沿う断面図である。図5は錘部の底面図である。
これらの図において、10はシリコン半導体基板によって形成された枠状の支持部、12は同じシリコン半導体基板によって形成された錘部である。14は熱酸化膜であるシリコン酸化膜、16は第1の絶縁膜であるシリコン窒化膜、18は第2の絶縁膜である樹脂膜であり、20は機械変動を電気的変動(信号)に変換する変換素子であるピエゾ抵抗素子、22は拡散配線、24は金属配線である。そして、無機膜であるシリコン窒化膜16と有機膜である樹脂膜18との積層膜によって細片状の梁部26を構成している。この梁部26は支持部10に支持されて錘部12を支えると共にピエゾ抵抗素子20を設けている。図3に示す50は可動部であり、錘部12と梁部26とからなる。51は支持部10からなる固定部であり、可動部50を支えている。
図3,図2に示すように、梁部26にのみ樹脂膜18があり、シリコン窒化膜16と樹脂膜18とで細片状の梁部26が構成されている。
図3は、梁部26の長手方向に沿って切断した断面を示しているので、シリコン窒化膜16は図の左右方向に連続して示されているが、図4は、梁部26の短手方向に沿って切断した断面を示しているので、シリコン窒化膜16は3つに分断されているように見える。
図3は、梁部26の長手方向に沿って切断した断面を示しているので、シリコン窒化膜16は図の左右方向に連続して示されているが、図4は、梁部26の短手方向に沿って切断した断面を示しているので、シリコン窒化膜16は3つに分断されているように見える。
錘部12は図5に明示するように、略立方体形状の中央錘部12aと、その中央錘部の四隅部からそれぞれ対角線方向へ張り出した4個の略立方体形状の外側錘部12bとが一体に構成されている。この錘部12は略正四角筒状の枠体をなす支持部10内に同じ高さで配置されており、これらは同一のシリコン半導体基板からエッチングによって形成することができる。
そして、シリコン窒化膜16と樹脂膜18との積層膜による細片状の梁部26は、図2に明示されているように、支持部10の各辺の中央部間を結ぶ線に沿って、支持部10と錘部12の中央部12aとの間を繋ぐように4箇所に設けられている。
そして、シリコン窒化膜16と樹脂膜18との積層膜による細片状の梁部26は、図2に明示されているように、支持部10の各辺の中央部間を結ぶ線に沿って、支持部10と錘部12の中央部12aとの間を繋ぐように4箇所に設けられている。
この機械・電気変換器の特徴的な構造は、可動部50に、機械的変動を電気的変動に変換するピエゾ抵抗素子20とそれに機械的変動を与えるための錘部12とを備えており、その錘部12を支えると共にピエゾ抵抗素子20を設けた各梁部26は、シリコン窒化膜16と樹脂膜18との積層膜であって、それぞれの膜は、その膜厚及び応力特性が異なっている。応力特性とは、その膜の内部応力の特性であって、内部応力には引張り応力と圧縮応力とがある。
この積層膜を構成するシリコン窒化膜16と樹脂膜18との膜厚や内部応力を調整することによって、積層膜の梁部26全体の特性を所望の特性に調節することができる。梁部26全体の特性とは、梁部に加わる応力(梁部26の歪み)の伝達のしやすさや、梁部26の応力特性のことである。例えば、錘部12の形状や重さに応じて、梁部26に加わる歪みをピエゾ抵抗素子20に伝達し易くするか、あるいはその逆に伝達し難くするかなどである。また、引張り応力を強くするかあるいは圧縮応力を強くしてもよく、それらを自由に選択することができる。
この実施形態では、樹脂膜としてポリイミド膜を使用し、各梁部26はシリコン窒化膜16と樹脂膜18としてのポリイミド膜との積層膜によって構成されている。そして、ピエゾ抵抗素子20は、不純物が注入された多結晶シリコン膜によって、シリコン窒化膜16上における支持部10の梁部26を支持する部位上の2点から梁部26へ平行に延びて先端部が接続した折り返し形状(U字状又はコ字状)に形成されている。
もちろん、このピエゾ抵抗素子20の形状や個数は、本発明の機械・電気変換器の特性に応じて自由に選択することができる。例えば、図2に示す平面図において、その左右方向をX方向、上下方向をY方向、X方向とY方向とに直交する方向をZ方向とする。ピエゾ抵抗素子20を矩形状として、X方向の梁部26にX方向を検出するためのピエゾ抵抗素子20を、Y方向の梁部26にY方向を検出するためのピエゾ抵抗素子20を、X方向の梁部26またはY方向の梁部26にZ方向を検出するためのピエゾ抵抗素子20をそれぞれ設けるようにする。
このように構成することで、本発明の機械・電気変換器1つでX方向,Y方向,Z方向の加速度を検出するセンサを構成することができる。
このように構成することで、本発明の機械・電気変換器1つでX方向,Y方向,Z方向の加速度を検出するセンサを構成することができる。
そのピエゾ抵抗素子20の支持部10上の両端部に接続して一対の拡散配線22が形成され、その各拡散配線22上に外部回路に接続するための配線である金属配線24が形成されている。この金属配線24は、例えばアルミニウムで形成される。
このように各ピエゾ抵抗素子20を形成することによって、各ピエゾ抵抗素子20の実効長が長くなると共に、固定部51と可動部50の境界を跨いで各ピエゾ抵抗素子20が梁部26内に延びているため応力を受け易いので、検出感度が向上する。また、拡散配線22や配線用の金属配線24を設け易い。
このように各ピエゾ抵抗素子20を形成することによって、各ピエゾ抵抗素子20の実効長が長くなると共に、固定部51と可動部50の境界を跨いで各ピエゾ抵抗素子20が梁部26内に延びているため応力を受け易いので、検出感度が向上する。また、拡散配線22や配線用の金属配線24を設け易い。
ピエゾ抵抗素子20は、錘部12にかかる力が梁部26に及ぼす歪みで抵抗値変化が生じることによりセンサとして動作する。この実施形態では2個ずつのピエゾ抵抗素子20が互いに直交する方向の梁部26に配置されており、その4箇所のピエゾ抵抗素子20の抵抗値の変化の組み合わせによって、それぞれの方向に対応する加速度等を検出することができる。
また、この実施形態では、ピエゾ抵抗素子20は、シリコン窒化膜16上に、シリコン窒化膜16と樹脂膜18とが接する面にその一面を接するように設けている。もちろん、梁部26の内部において、このピエゾ抵抗素子20を設ける位置は自由に選択することができる。ただし、ピエゾ抵抗素子20は、梁部26の表面ではなく、シリコン窒化膜16あるいは樹脂膜18にその表面が覆われている構成が好ましい。これは、ピエゾ抵抗素子20は歪みによる応力を受けてその抵抗値が変化する変換素子であるから、その表面にゴミや不純物などが付着することによって抵抗値が変化するのを避けるためである。
もちろん、そのような目的から、ピエゾ抵抗素子20の表面に保護膜を設けてもよい。この保護膜は、圧さ例えば、TEOS(TETRAETHOXYSILANE;テトラエトキシシラン)膜で構成することができる。梁部26は複数の膜からなる積層膜で構成されているから、その保護膜を梁部26の構成要素としてもよい。その場合の構成は後述する。
この発明による機械・電気変換器の特徴は、膜厚あるいは材質などの応力特性が異なるシリコン窒化膜16と樹脂膜18とを積層して積層膜とし、これを梁部26としたことによって、梁部26が適度な可撓性と強度を有し、ピエゾ抵抗素子20に応力を効率よく伝達することができるのである。さらに、梁部26内において、その長手方向および厚さ方向におけるピエゾ抵抗素子20の位置を変えることにより、ピエゾ抵抗素子20に応力を伝達するための最適位置を選ぶことができる。
次に、樹脂膜18の膜厚を変えたときの応力変化について説明する。図6は、シリコン窒化膜16の膜厚を0.1μmと固定した。樹脂膜18の材質をポリイミドとし、その膜厚をパラメータとしたときに、梁部26の応力とピエゾ抵抗素子20にかかる応力変化とを表したグラフである。
図6において、左側の縦軸は梁部26の内部応力を表しており、右側の縦軸はピエゾ抵抗素子20の内部応力を示している。横軸は樹脂膜18の膜厚を表している。四角印は梁部26の特性を表しており、三角印はピエゾ抵抗素子20の特性を表している。
図6において、左側の縦軸は梁部26の内部応力を表しており、右側の縦軸はピエゾ抵抗素子20の内部応力を示している。横軸は樹脂膜18の膜厚を表している。四角印は梁部26の特性を表しており、三角印はピエゾ抵抗素子20の特性を表している。
樹脂膜18の膜厚を変化させることにより、シリコン窒化膜16と樹脂膜18との積層膜である梁部26全体の内部応力を変えることができ、この内部応力によってピエゾ抵抗素子20の内部応力も変化している。
図6に示すように、ポリイミド膜による樹脂膜18の膜厚が、シリコン窒化膜16の膜厚である0.1μmの20倍を超えると、樹脂膜18の膜厚に対して梁部26やピエゾ抵抗素子20の内部応力は変化しにくくなる。つまり、錘部12からの応力を伝達しにくくなるのである。したがって、樹脂膜18の膜厚は、シリコン窒化膜16の膜厚の20倍以内が好ましい。こうすることによって、梁部26に加わる歪みを効率よくピエゾ抵抗素子20に伝達することができる。
図6に示すように、ポリイミド膜による樹脂膜18の膜厚が、シリコン窒化膜16の膜厚である0.1μmの20倍を超えると、樹脂膜18の膜厚に対して梁部26やピエゾ抵抗素子20の内部応力は変化しにくくなる。つまり、錘部12からの応力を伝達しにくくなるのである。したがって、樹脂膜18の膜厚は、シリコン窒化膜16の膜厚の20倍以内が好ましい。こうすることによって、梁部26に加わる歪みを効率よくピエゾ抵抗素子20に伝達することができる。
一例として、樹脂膜18の膜厚を変化させた場合の梁部26全体の応力変化について説明したが、樹脂膜18の内部応力を変えても同様な結果を得ることができる。内部応力を変える一例としては、膜の材質を変えることである。例えば、感光性ポリイミドでは、エステル結合型と塩結合型とが知られている。これらは互いに機械的特性(圧縮や引張りの強度など)が異なるので、これらを所望の応力特性に応じて用いることができる。
また、半導体装置の製造に用いる感光性樹脂膜として広く知られているフォトレジストなどがあり、これを用いてもよい。
もちろん、樹脂膜18の膜厚を一定にして、シリコン窒化膜16の膜厚を変えても同様な結果を得ることができ、シリコン窒化膜16の内部応力を変えても同様な結果を得ることができる。
さらに、シリコン窒化膜16と樹脂膜18とのいずれかあるいは両方を複数の膜にして三層以上積層して梁部を構成するようにしてもよい。
もちろん、樹脂膜18の膜厚を一定にして、シリコン窒化膜16の膜厚を変えても同様な結果を得ることができ、シリコン窒化膜16の内部応力を変えても同様な結果を得ることができる。
さらに、シリコン窒化膜16と樹脂膜18とのいずれかあるいは両方を複数の膜にして三層以上積層して梁部を構成するようにしてもよい。
また、梁部26の積層膜の中に設けるピエゾ抵抗素子20の位置によっても、感度が変化してくる。
図7は、この実施形態における梁部26内のピエゾ抵抗素子20の位置を説明するための模式的な断面図である。この図7に示すように、梁部26の中心線C1とピエゾ抵抗素子20の中心線C2とは一致していない。すなわち、ピエゾ抵抗素子20の厚みの中心位置と梁部26の膜厚の中心位置とが異なるようにピエゾ抵抗素子20を梁部26に設けている。このような構成とすることによって、ピエゾ抵抗素子20は梁部26にかかる歪みを強く伝達され得るため、検出感度が向上する。
図7は、この実施形態における梁部26内のピエゾ抵抗素子20の位置を説明するための模式的な断面図である。この図7に示すように、梁部26の中心線C1とピエゾ抵抗素子20の中心線C2とは一致していない。すなわち、ピエゾ抵抗素子20の厚みの中心位置と梁部26の膜厚の中心位置とが異なるようにピエゾ抵抗素子20を梁部26に設けている。このような構成とすることによって、ピエゾ抵抗素子20は梁部26にかかる歪みを強く伝達され得るため、検出感度が向上する。
仮に、ピエゾ抵抗素子20の中心線C2と梁部26の中心線C1とが一致するように、梁部26内にピエゾ抵抗素子20を設けたとすると、梁部26にかかる応力は同じであっても、ピエゾ抵抗素子20には圧縮応力と引張り応力とが同じ割合で印加されるため、検出感度が向上しない。
図7に示す例では、梁部26の中心線C1の下方、すなわち、中心線C1より錘部12側にピエゾ抵抗素子20を設ける場合を示したが、ピエゾ抵抗素子20の位置はこれに限定するものではない。中心線C1の上方、すなわち、中心線C1より錘部12から離れた側にピエゾ抵抗素子20の中心線C2が位置するようにしてもよい。ピエゾ抵抗素子20を設ける位置は、錘部12の形状や重さに応じて自由に選択することができるが、重要なことは、梁部26の膜厚方向の中心には設けないという点である。
[第2の実施形態:図8〜図10]
次に、この発明による機械・電気変換器の第2の実施形態について図8から図10を用いて説明する。図8はその機械・電気変換器の平面図、図9は図8の9−9線に沿う断面図、図10は図8の10−10線に沿う断面図である。これらの図において、図1から図5と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
次に、この発明による機械・電気変換器の第2の実施形態について図8から図10を用いて説明する。図8はその機械・電気変換器の平面図、図9は図8の9−9線に沿う断面図、図10は図8の10−10線に沿う断面図である。これらの図において、図1から図5と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
この第2の実施形態において、前述した第1の実施形態と異なる点は、枠状の支持部10上と錘部12の中央錘部12a上の第1の絶縁膜であるシリコン窒化膜16の上面全体に保護膜42を形成した点だけである。但し、その保護膜42の支持部10上の拡散配線22と金属配線24が設けられた部分には配線用の開口42hを形成している。
すでに説明した通り、ピエゾ抵抗素子20は、その表面が露出しているとゴミや不純物などが付着することによって抵抗値が変化する場合があるから、ピエゾ抵抗素子20の表面に保護膜を設けるのが望ましい。
前述した第1の実施形態でも、梁部26を構成する樹脂膜18を保護膜としても利用してピエゾ抵抗素子20を保護している。しかし、その樹脂膜18は、梁部26の上部にしかないため、その他の部分は保護されない。そこでこの第2の実施形態では、その他の部分を保護膜42で覆うことによってピエゾ抵抗素子20を完全に保護している。
前述した第1の実施形態でも、梁部26を構成する樹脂膜18を保護膜としても利用してピエゾ抵抗素子20を保護している。しかし、その樹脂膜18は、梁部26の上部にしかないため、その他の部分は保護されない。そこでこの第2の実施形態では、その他の部分を保護膜42で覆うことによってピエゾ抵抗素子20を完全に保護している。
この保護膜42の材料は、絶縁膜であれば特に限定しないが、例えば、TEOS(TETRAETHOXYSILANE;テトラエトキシシラン)膜で構成することができる。
図8から図10に示す例では、保護膜42はその膜上面が樹脂膜18とがフラットになるようにしているが、これに限定されるものではない。それぞれの膜厚は、互いに影響されずに自由に選択することもできる。
図8から図10に示す例では、保護膜42はその膜上面が樹脂膜18とがフラットになるようにしているが、これに限定されるものではない。それぞれの膜厚は、互いに影響されずに自由に選択することもできる。
[第3の実施形態:図11〜図13]
次に、この発明による機械・電気変換器の第3の実施形態について図11から図13を用いて説明する。図11はその機械・電気変換器の平面図、図12は図11の12−12線に沿う断面図、図13は図11の13−13線に沿う断面図である。これらの図においても、図1から図5および図8から図10と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
但し、図2から図4および図8から図10における樹脂膜18と、図11から図13における樹脂膜18とはその形状は異なっているが同じ材料による樹脂膜であるので、便宜上同一の符号を付している。
次に、この発明による機械・電気変換器の第3の実施形態について図11から図13を用いて説明する。図11はその機械・電気変換器の平面図、図12は図11の12−12線に沿う断面図、図13は図11の13−13線に沿う断面図である。これらの図においても、図1から図5および図8から図10と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
但し、図2から図4および図8から図10における樹脂膜18と、図11から図13における樹脂膜18とはその形状は異なっているが同じ材料による樹脂膜であるので、便宜上同一の符号を付している。
この第2の実施形態において、前述した第2の実施形態と異なる点は、梁部26を構成する樹脂膜18と同じポリイミドで保護膜を一体に形成した点だけである。
図11から図13に示すように、この第3の実施形態の機械・電気変換器では、梁部26を構成するシリコン窒化膜16上の樹脂膜18を、枠状の支持部10上と錘部12の中央錘部12aの上面全体に延長して形成し、保護膜として利用する。つまり、梁部26を構成する膜の一部が保護膜を兼ねているのである。このような構成とすることによって、前述した第2の実施形態の場合のように機械・電気変換器の表面を覆う保護膜42を別途設ける必要がなくなる。
図11から図13に示すように、この第3の実施形態の機械・電気変換器では、梁部26を構成するシリコン窒化膜16上の樹脂膜18を、枠状の支持部10上と錘部12の中央錘部12aの上面全体に延長して形成し、保護膜として利用する。つまり、梁部26を構成する膜の一部が保護膜を兼ねているのである。このような構成とすることによって、前述した第2の実施形態の場合のように機械・電気変換器の表面を覆う保護膜42を別途設ける必要がなくなる。
この樹脂膜18もポリイミド膜で形成され、保護膜として可動部50と固定部51の上部を覆う。図11および図12から判るように、梁部26を含めた全面、つまり中央錘部12aと支持部10の上面にも樹脂膜18が形成されているので、この樹脂膜18は梁26を構成する部材であると同時に支持部51を保護する役目も果たしている。
もちろん、その樹脂膜42の支持部10上の拡散配線22と金属配線24が設けられた部分には配線用の開口18hを形成している。
もちろん、その樹脂膜42の支持部10上の拡散配線22と金属配線24が設けられた部分には配線用の開口18hを形成している。
[第4の実施形態:図14〜図16]
次に、この発明による機械・電気変換器の第4の実施形態について図14から図16を用いて説明する。図14はその機械・電気変換器の平面図である。図15は図14の15−15線に沿う断面図である。図14および図15に示すように、本発明の機械・電気変換器に上蓋を取り付けた構造を示している。図16は裏蓋も取り付けた場合の図15と同様な断面図である。これらの図においても、図1から図5および8から図13と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
この第4の実施形態の機械・電気変換器の構成は、上蓋60を取り付けた点以外は前述した第3の実施形態の機械・電気変換器と同じである。
次に、この発明による機械・電気変換器の第4の実施形態について図14から図16を用いて説明する。図14はその機械・電気変換器の平面図である。図15は図14の15−15線に沿う断面図である。図14および図15に示すように、本発明の機械・電気変換器に上蓋を取り付けた構造を示している。図16は裏蓋も取り付けた場合の図15と同様な断面図である。これらの図においても、図1から図5および8から図13と同じ部分には同一の符号を付与してあり、それらの説明は省略する。
この第4の実施形態の機械・電気変換器の構成は、上蓋60を取り付けた点以外は前述した第3の実施形態の機械・電気変換器と同じである。
前述の第2、第3の実施形態の機械・電気変換器は、樹脂膜18あるいはそれと保護膜42とによって支持部10と梁部26と中央錘部12との上部を保護しているが、この機械・電気変換器をプラスティックモールドなどで封止する場合などは、可動部50にプラスティックモールドが混入して、その可動が妨げられる恐れがある。
そこで、この第4の実施形態ではさらに、機械・電気電気機械変換器の上部に上蓋60を装着する構造にしている。
そこで、この第4の実施形態ではさらに、機械・電気電気機械変換器の上部に上蓋60を装着する構造にしている。
その上蓋60は、図14および図15に示すように、支持部10の外形と同じ大きさの正方形の外形を有し、その周辺部だけが肉厚でその下端面部が接着部60bとなり、その内側は肉薄になっていて、その内面が上方へこんだキャップ状になっている。この上蓋60の各辺における中央部の周辺付近には、各ピエゾ抵抗素子20に対して金属配線24を2個ずつ形成した部分を露出させるように、4箇所の逃げ部60aを設けている。
この第4の実施形態においては、この上蓋60を取り付ける際の接着手段を、第3の実施形態で保護膜としても利用したポリイミドによる樹脂膜18が兼ねている。図15に示すように、シリコン窒化膜16と共に梁部26を構成する樹脂膜18を支持部10の上部まで延設して保護膜を兼ねているが、その樹脂膜18の外周部付近を接着剤としても利用して、上蓋60を位置合わせして載置した後、加温および加圧によって接着部60bを樹脂膜18に接着している。この上蓋60を接着する前に、樹脂膜18の表面全面をプラズマ処理するとよい。そのプラズマ処理によって樹脂膜18の表面が活性化するからである。
図15に示すように上蓋60と可動部50の上面との間に隙間61を設けて、可動部50が可動する際に妨げにならないようにしている。この隙間61の大きさは図に示す例に限定されるものではない。
このような構成とすることによって、上蓋60を接着するために接着剤などの接着手段を別途設ける必要がなくなる。
もちろん、第1、第2の実施形態の機械・電気変換器の場合にも、その上面に接着剤等の接着手段を用いて上蓋60と同様な蓋を装着してもよい。そのような構成とすることによって、この発明による機械・電気変換器の表面側は確実に保護されることになる。
このような構成とすることによって、上蓋60を接着するために接着剤などの接着手段を別途設ける必要がなくなる。
もちろん、第1、第2の実施形態の機械・電気変換器の場合にも、その上面に接着剤等の接着手段を用いて上蓋60と同様な蓋を装着してもよい。そのような構成とすることによって、この発明による機械・電気変換器の表面側は確実に保護されることになる。
図16に示すように、この機械・電気変換器の裏面側にも裏蓋70を装着するとなお確実に保護することができる。この図16に示す例では、枠状の支持部10の下面にスペーサ層71をメッキなどによって形成し、そこに接着剤72を塗布して、平板状の裏蓋70の接着部70bを接着している。このようにして、錘部12の下面と裏蓋70との間に隙間72を設けて、錘部12が変動する際にこれを妨げないようにしている。
もちろん、スペーサ層71を形成せずに、上蓋60と対称的に下側にへこんだ皿状の裏蓋を、支持部10の下面に接着剤72によって接着するようにしてもよい。しかし、平板状の裏蓋の方が製造が簡単であり、且つ取り付け時に支持部10との位置合わせが容易で作業性がよいという利点がある。
[製造方法の実施形態:図17〜図29]
次に、この発明による機械・電気変換器の製造方法について図17から図29を用いて説明する。これらの図は、この発明による機械・電気変換器の製造工程を示す図であり、図17〜24および図26,28,29は、前述したピエゾ抵抗素子20と金属配線24を通る位置(図25,27参照)に相当する横断面の端面図である。これらの図においてもこれまで説明した各図と対応する部分部には同一の符号を付している。
以下に説明する製造方法では、第1の絶縁膜としてシリコン窒化膜を、第2の絶縁膜である樹脂膜としてポリイミド膜をそれぞれ用いる場合を例にして説明する。
次に、この発明による機械・電気変換器の製造方法について図17から図29を用いて説明する。これらの図は、この発明による機械・電気変換器の製造工程を示す図であり、図17〜24および図26,28,29は、前述したピエゾ抵抗素子20と金属配線24を通る位置(図25,27参照)に相当する横断面の端面図である。これらの図においてもこれまで説明した各図と対応する部分部には同一の符号を付している。
以下に説明する製造方法では、第1の絶縁膜としてシリコン窒化膜を、第2の絶縁膜である樹脂膜としてポリイミド膜をそれぞれ用いる場合を例にして説明する。
まず、図17に示すように、シリコン半導体基板1の上部に熱酸化膜であるシリコン酸化膜14を0.3μmの厚みに形成する。
次に、そのシリコン酸化膜14の上部にシリコン窒化膜16を形成する。一例として、0.1μmのシリコン窒化膜16を形成する。シリコン窒化膜はLSI製造工程で良く使用されているが、その耐フッ酸性や熱的安定性等が非常に良い材料である。またシリコンと窒素の組成を制御することによって内部応力を制御することが可能である。
次に、そのシリコン酸化膜14の上部にシリコン窒化膜16を形成する。一例として、0.1μmのシリコン窒化膜16を形成する。シリコン窒化膜はLSI製造工程で良く使用されているが、その耐フッ酸性や熱的安定性等が非常に良い材料である。またシリコンと窒素の組成を制御することによって内部応力を制御することが可能である。
次に、図18に示すように、シリコン窒化膜16の上部に多結晶シリコン膜30を形成する。その多結晶シリコン膜30の全面にボロン(B+)を25KeVで1.0×1015(atoms/cm2)の条件でイオン注入する。これは第1のイオン注入工程である。
この多結晶シリコン膜30は、後の工程で所望の形状に加工することによってピエゾ抵抗素子20となる。したがって、多結晶シリコン膜30の膜厚は、ピエゾ抵抗素子20の特性に応じて任意に選ぶ。一例として、0.2μmの厚みで形成する。多結晶シリコンはLSI製造工程においてゲート電極や抵抗として使用されており、成膜条件を最適化することで、粒径の揃った表面粗さの少ない安定した抵抗材料となる。
この多結晶シリコン膜30に不純物としてボロン(B+)を注入してP型導電型の抵抗にすれば、歪み感度が大きいピエゾ抵抗として機能する利点がある。
この多結晶シリコン膜30は、後の工程で所望の形状に加工することによってピエゾ抵抗素子20となる。したがって、多結晶シリコン膜30の膜厚は、ピエゾ抵抗素子20の特性に応じて任意に選ぶ。一例として、0.2μmの厚みで形成する。多結晶シリコンはLSI製造工程においてゲート電極や抵抗として使用されており、成膜条件を最適化することで、粒径の揃った表面粗さの少ない安定した抵抗材料となる。
この多結晶シリコン膜30に不純物としてボロン(B+)を注入してP型導電型の抵抗にすれば、歪み感度が大きいピエゾ抵抗として機能する利点がある。
次に、図19に示すように、多結晶シリコン膜30の上部に感光性樹脂のフォトレジスト32を設けた後、拡散配線22を形成したい領域を開口するように選択的にフォトレジスト32をパターニングする。その後、ボロン(B+)を30KeVで1.0×1016(atoms/cm2)の条件でイオン注入する。これは第2のイオン注入工程である。この工程によって各拡散配線22を形成する。その後、フォトレジスト32は除去する。
次に、多結晶シリコン膜30の上部に再びフォトレジスト32を形成した後、ピエゾ抵抗素子20を形成したい形状に合わせてそのフォトレジスト32をパターニングする。その後、図20に示すように、ドライエッチング法によって、所望の形状になるように選択的に多結晶シリコン膜30をエッチングして、ピエゾ抵抗素子20を形成する。その後、このフォトレジスト32は除去する。
図示はしないが、シリコン窒化膜16を所望の形状にするためのパターンでフォトレジストを形成した後、シリコン窒化膜16をエッチングして図1に示したような梁部26と中央錘部12aと支持部10の形状にシリコン窒化膜16を形成する。
次に、金属配線24を形成するために、シリコン半導体基板10の上部にアルミニウム層を形成する。一例として、1.0μmの厚みでスパッタリングによりアルミニウム層を形成し、図示しないフォトレジストを選択的に残して配線パターンとし、ドライエッチングにより図21に示すように各金属配線24を形成する。
図示はしないが、これらの金属配線24と外部の回路とを接続するためのパッド領域も形成する。パッド領域は金属であるから、金属配線24を形成する工程と同時に形成することができる。
もちろん、図に示す金属配線24がパッド領域を兼ねることもできる。このような構成にすることで、別途パッド領域を設ける必要がなくなるのである。
図示はしないが、これらの金属配線24と外部の回路とを接続するためのパッド領域も形成する。パッド領域は金属であるから、金属配線24を形成する工程と同時に形成することができる。
もちろん、図に示す金属配線24がパッド領域を兼ねることもできる。このような構成にすることで、別途パッド領域を設ける必要がなくなるのである。
次に、図22に示すように、全面に樹脂膜18を形成する。この例では膜厚2.0μmのポリイミド膜を形成する。
その後、シリコン半導体基板1の裏面にフォトレジストなどからなるマスクを形成して錘部12を形成するためのパターンを作り、シリコン半導体基板1を錘部12の形状にエッチングする。そのためまず、図23に示すように、第1のマスク工程によって、シリコン半導体基板1の上側面と下側面との両方に第1のマスクであるフォトレジスト33a,33bをそれぞれ形成する。
フォトレジスト33bは上面保護のために用い、フォトレジスト33aは裏面のシリコン半導体基板1とシリコン酸化膜14とをエッチングするために用いる。
錘部12を形成するために、シリコン半導体基板1の下面側のフォトレジスト33aを所望の形状にパターニングする。
錘部12を形成するために、シリコン半導体基板1の下面側のフォトレジスト33aを所望の形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト33bで保護した上側面を下にしてドライエッチング装置に配置し、異方性を有するドライエッチング法により、シリコン半導体基板1を下面側から所定の距離(シリコン酸化膜14に達する程度)までエッチングを行う。このドライエッチング条件は、よく知られているエッチングガスであるSF6(6フッ化硫黄)とデポジションガスであるC4F8(オクタフルオロシクロブタン)とを用いて、エッチングとデポジションを交互に行う方法である。これが第1のエッチング工程である。
そのフォトレジスト33aを残した状態で、シリコン酸化膜14をフッ酸を用いたウェットエッチング方法で除去し、その後、マスク除去工程により表面と下面側のフォトレジスト33bと33aとを除去する。このような工程により、図24に示す形状になる。
図25と図26は、樹脂膜18を梁部26の形状にエッチングする準備工程を説明するための図であり、図25は平面図、図26は図25の26−26線に沿う断面の端面図である。
すなわち、樹脂膜18の表面にプラズマCVD法によってシリコン酸化膜28を0.5μmの厚みで全面に形成し、第2のマスク工程によって、第2のマスクであるフォトレジスト35をシリコン酸化膜28上に形成し、十字形状の梁部26を形成するためにパターニングをした平面図が図25である。
すなわち、樹脂膜18の表面にプラズマCVD法によってシリコン酸化膜28を0.5μmの厚みで全面に形成し、第2のマスク工程によって、第2のマスクであるフォトレジスト35をシリコン酸化膜28上に形成し、十字形状の梁部26を形成するためにパターニングをした平面図が図25である。
次に、この図25と図26とに示すフォトレジスト35のパターンでシリコン酸化膜28のエッチングを行う。そのシリコン酸化膜28のエッチングには、CF4(4フッ化炭素)とCHF3(トリフルオルメタン)とHe(ヘリウム)との混合ガスを用いる。
その後、マスク除去工程によりフォトレジスト35を除去してもよい。第2のマスクであるフォトレジスト35を除去しても、シリコン酸化膜28はフォトレジスト35のパターンと同形状で残るから、これをエッチングマスクにすることができる。そして、樹脂膜18であるポリイミド膜をシリコン酸化膜28と同じ形状にエッチングを行い、梁部26を形成する。このポリイミド膜のエッチングには酸素プラズマを用いる。これが第2のエッチング工程である。その後、シリコン酸化膜28をドライエッチング法により除去する。
その後、マスク除去工程によりフォトレジスト35を除去してもよい。第2のマスクであるフォトレジスト35を除去しても、シリコン酸化膜28はフォトレジスト35のパターンと同形状で残るから、これをエッチングマスクにすることができる。そして、樹脂膜18であるポリイミド膜をシリコン酸化膜28と同じ形状にエッチングを行い、梁部26を形成する。このポリイミド膜のエッチングには酸素プラズマを用いる。これが第2のエッチング工程である。その後、シリコン酸化膜28をドライエッチング法により除去する。
また、図示はしないが、図26に示すシリコン酸化膜28を梁部26の上部に残し、シリコン酸化膜28とシリコン窒化膜16と樹脂膜18とを積層膜として梁部26を形成してもよい。
このような工程によって、図2から図4に示した前述の第1の実施形態の機械・電気変換器を製造することができる。
図11から図13に示した前述の第3の実施形態の機械・電気変換器を製造する場合には、図25と図26に示した工程に代えて、それらに対応する図27および図28に示すように、フォトレジスト35をパターニングする。フォトレジスト35は、梁部26の上部のみならず、固定部と可動部との上部に設けてある。
図11から図13に示した前述の第3の実施形態の機械・電気変換器を製造する場合には、図25と図26に示した工程に代えて、それらに対応する図27および図28に示すように、フォトレジスト35をパターニングする。フォトレジスト35は、梁部26の上部のみならず、固定部と可動部との上部に設けてある。
すなわち、樹脂膜18の表面にプラズマCVD法によってシリコン酸化膜28を0.5μmの厚みで全面に形成し、フォトレジスト35をシリコン酸化膜28上に形成し、十字形状の梁部26と正方形の枠状の支持部10と中央部の正方形の中央錘部12aを形成するためのパターンと金属配線24のパッド用開口部35hを形成するようにパターニングをした平面図が図27であり、その28−28線に沿う断面の端面図が図28である。
この図27と図28とに示すフォトレジスト35のパターンで、前述の場合と同様にシリコン酸化膜28のエッチングを行う。さらに、フォトレジスト35を除去した後、シリコン酸化膜28をエッチングマスクにして、樹脂膜18であるポリイミド膜をシリコン酸化膜28と同じ形状にエッチングを行い、梁部26と支持部10と中央錘部12aとの上部に樹脂膜18を残す。このポリイミド膜のエッチングには酸素プラズマを用いる。その後、シリコン酸化膜28をドライエッチング法により除去する。
さらに、上蓋を接着して装着する場合を説明する。樹脂膜18は、接着材として用いるためにはすでに説明した製造工程を経てしまうと接着能力が低下してしまうため、その表面の活性化が必要になる。この樹脂膜18の表面の活性化にはプラズマ処理を行う。
図29は樹脂膜18が所定の形状に加工し終わった状態を示しており、この状態で真空環境で樹脂膜18の表面全面をプラズマ処理する。このプラズマ処理に用いるガスは、特に限定しないが、H(水素)ガスやAr(アルゴン)ガスを用いる。
その後、そのプラズマ処理工程に用いた真空環境で、樹脂膜18上で図14及び図15に示した上蓋60を枠状の支持部10に対して位置合わせし、加温および加圧を行って上蓋60を接着する。
図29は樹脂膜18が所定の形状に加工し終わった状態を示しており、この状態で真空環境で樹脂膜18の表面全面をプラズマ処理する。このプラズマ処理に用いるガスは、特に限定しないが、H(水素)ガスやAr(アルゴン)ガスを用いる。
その後、そのプラズマ処理工程に用いた真空環境で、樹脂膜18上で図14及び図15に示した上蓋60を枠状の支持部10に対して位置合わせし、加温および加圧を行って上蓋60を接着する。
この発明による機械・電気変換器の上述した製造方法においては、第1の絶縁膜としてはシリコン窒化膜を、第2の絶縁膜である樹脂膜としてはポリイミド膜を用いて説明を行った。積層膜の組み合わせはこれに限定されるものではないが、製造工程や構造体として必要な物性や制御性、扱い易さを考慮した場合、この組み合わせが好適である。
この機械・電気変換器の製造方法によれば、2つの特性の異なるシリコン窒化膜16と樹脂膜18とを用いて梁部26を形成することによって、錘部が小さくても充分な検出感度が得られるようにしている。
つまり、膜厚が薄いか内部応力が大きいシリコン窒化膜16と、膜厚が厚いか内部応力が小さい樹脂膜18とを積層し、この2つの膜の特性値を適切に選択して梁部26を形成することによって、錘部12が小さい小型の構造体であっても、高い感度を得ることが可能になる。
つまり、膜厚が薄いか内部応力が大きいシリコン窒化膜16と、膜厚が厚いか内部応力が小さい樹脂膜18とを積層し、この2つの膜の特性値を適切に選択して梁部26を形成することによって、錘部12が小さい小型の構造体であっても、高い感度を得ることが可能になる。
また積層膜の特性を適切に選ぶことにより、ピエゾ抵抗素子20の梁部26の厚さ方向における配置位置を変えることが可能になる。この厚さ方向の位置を変えることにより、積層膜の梁部26の中でピエゾ抵抗素子20に応力を伝えやすい最適な位置を選択することができる。
上述した実施形態では、梁部26を2つの膜を積層して構成する例を示したが、積層膜の積層数はこれに限定されるものではなく、三層以上にしてもよい。重要なことは、重なり合う膜同士は、その膜厚あるいは応力特性がそれぞれ異なることであって、積層数を限定するものではない。
この発明による機械・電気変換器およびその製造方法は、様々なセンサに利用可能である。例えば、圧力センサ、加速度センサ等である。さらに、製造工程のコストダウンや小型化に寄与できることから、低コスト化を要求されつつも高いセンサ感度を要求されるセンサ類に好適である。
1:シリコン半導体基板 10:支持部 12:錘部
12a:中央錘部 12b:外側錘部
13:シリコン酸化膜(熱酸化膜) 16:シリコン窒化膜(第1の絶縁膜)
18:樹脂膜(第2の絶縁膜) 20:ピエゾ抵抗素子(変換素子)
22:拡散配線 24:金属配線 26:梁部 28:シリコン酸化膜
30:多結晶シリコン膜 32,33a,33b,35:フォトレジスト
42:保護膜 60:上蓋 60a:逃げ部 60b:接着部
61:隙間 70:裏蓋 70b:接着部 71:スペーサ層
72:隙間
12a:中央錘部 12b:外側錘部
13:シリコン酸化膜(熱酸化膜) 16:シリコン窒化膜(第1の絶縁膜)
18:樹脂膜(第2の絶縁膜) 20:ピエゾ抵抗素子(変換素子)
22:拡散配線 24:金属配線 26:梁部 28:シリコン酸化膜
30:多結晶シリコン膜 32,33a,33b,35:フォトレジスト
42:保護膜 60:上蓋 60a:逃げ部 60b:接着部
61:隙間 70:裏蓋 70b:接着部 71:スペーサ層
72:隙間
Claims (11)
- 機械的変動を電気的変動に変換する変換素子と、該変換素子に機械的変動を与えるための錘部と、該錘部を支えると共に前記変換素子を設ける細片状の梁部と、該梁部を支持する枠状の支持部とを備えた機械・電気変換器において、
前記梁部は、シリコン窒化膜と樹脂膜とを積層して構成されていることを特徴とする機械・電気変換器。 - 前記梁部を構成する樹脂膜が前記支持部の上部にまで延設しており、前記梁部と前記支持部とを保護する保護膜を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の機械・電気変換器。
- 前記梁部を構成する樹脂膜が、前記梁部及び前記支持部の上面を覆う上蓋の接着手段を兼ねていることを特徴とする請求項2に記載の機械・電気変換器。
- 前記樹脂膜がポリイミド膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の機械・電気変換器。
- 前記変換素子がピエゾ抵抗素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の機械・電気変換器。
- 前記ピエゾ抵抗素子は、不純物が注入された多結晶シリコン膜からなり、前記支持部の前記梁部を支持する部位上の2点から該梁部へ平行に延びて先端部が接続した折り返し形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の機械・電気変換器。
- 前記錘部と前記支持部はシリコン半導体基板から形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の機械・電気変換器。
- シリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を設ける酸化膜形成工程と、
前記シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を設ける工程と、
前記シリコン窒化膜上に不純物が注入された多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子を形成する工程と、
前記多結晶シリコン膜をパターニングする工程と、
前記シリコン窒化膜をパターニングする工程と、
前記シリコン窒化膜と前記多結晶シリコン膜のピエゾ抵抗素子との上部全面に樹脂膜を設ける工程と、
前記シリコン半導体基板の裏面に第1のマスクを形成する第1のマスク工程と、
前記第1のマスクを利用して選択的に前記シリコン半導体基板の裏面から表面に向かいシリコン酸化膜まで異方性エッチングして、錘部と枠状の支持部を形成する第1のエッチング工程と、
前記シリコン酸化膜を除去する工程と、
前記シリコン半導体基板の表面に第2のマスクを形成する第2のマスク工程と、
前記第2のマスクを利用して選択的に前記樹脂膜をエッチングして、前記支持部に支持されて前記錘部を支える細片状の梁部を、パターニングした前記シリコン窒化膜と該樹脂膜との積層膜によって形成する第2のエッチング工程と、
前記第1のマスクと第2のマスクとをそれぞれ除去するマスク除去工程とを有することを特徴とする機械・電気変換器の製造方法。 - 前記ピエゾ抵抗素子を形成する工程は、
前記シリコン窒化膜上に多結晶シリコン膜を設ける多結晶シリコン膜形成工程と、
前記多結晶シリコン膜に、選択的にイオン注入法によりピエゾ抵抗素子を形成する低濃度不純物領域を設ける第1のイオン注入工程と、選択的にイオン注入法により拡散配線を設ける第2のイオン注入工程とを有することを特徴とする請求項8に記載の機械・電気変換器の製造方法。 - 前記樹脂膜がポリイミド膜であることを特徴とする請求項8に記載の機械・電気変換器の製造方法。
- 前記マスク除去工程の後に、真空環境で前記樹脂膜の表面全面をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、
該プラズマ処理工程に用いた前記真空環境において、前記樹脂膜上で上蓋を前記枠状の支持部に対して位置合わせし、加温および加圧を行って該上蓋を接着する接着工程とを有することを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の機械・電気変換器の製造方法。
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JP2006073981A JP2006295149A (ja) | 2005-03-18 | 2006-03-17 | 機械・電気変換器とその製造方法 |
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Cited By (2)
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JPWO2008143191A1 (ja) * | 2007-05-17 | 2010-08-05 | ローム株式会社 | Memsセンサおよびその製造方法 |
WO2010150477A1 (ja) * | 2009-06-26 | 2010-12-29 | ミツミ電機株式会社 | 加速度センサ |
-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006073981A patent/JP2006295149A/ja active Pending
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