JP2007073644A - 磁気抵抗素子およびその製造方法 - Google Patents

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知二 川合
Mizue Ishikawa
瑞恵 石川
Kazunari Sato
一成 佐藤
Hidekazu Tanaka
秀和 田中
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Abstract

【課題】 強磁性体層の磁化の向きを変化させるために必要な消費電力が小さい磁気抵抗素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 TMR素子1の製造方法は、強磁性半導体である強磁性体層と、誘電体または強誘電体からなる(強)誘電体層10とを接合する接合工程と、上記強磁性体層を、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間に中間層30を、当該中間層30と第1強磁性体層20と、および、当該中間層30と第2強磁性体層40とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電界で書込みが可能である磁気記録素子、新機能半導体−磁気集積回路、電界制御磁気アクチュエータ等に利用可能な磁気抵抗素子およびその製造方法に関するものである。
電子の流れを制御する半導体デバイスに加え、磁性の源であるスピンを半導体的手法により、制御するスピントロニクス(スピンエレクトロニクス、マグネットエレクトロニクス、スピニクスともいう)が近年発展しつつある。そして、これらスピントロニクスの発展は、電圧を印加することで磁気半導体中のキャリア濃度の変化を利用させる強磁性のスイッチングを可能とし、電界で情報の書込みが可能な新規な磁気記録素子や、新機能半導体−磁気集積回路等を実現させることができると期待される。
また、このスピントロニクスの発展にともない、例えばMRAM(Magnetic Random Access Memory)や新しい発光素子等の実用化が期待される。
上記MRAMは、磁気によってデータを記憶するメモリであり、次世代のメモリとして期待されている。MRAMは、不揮発性であり、かつ、データの読み書き速度が比較的速い点において、従来の半導体メモリ(DRAM、SRAM、EEPROM)では得難い利点を有している(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来のMRAMの具体例として、例えば、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistive)素子が挙げられる。このTMR素子は、わずか数原子分という極めて薄い絶縁物の層(絶縁体層)を2つの磁性体の層で挟持したものである。このTMR素子では、この2つの磁性体層の磁化の方向によって電気抵抗が変化する。
WO 2004/023563A1(公開日:2004年3月18日)
しかしながら、上記従来の技術には次のような問題があった。
具体的には、上記従来のTMR素子の抵抗変化(TMR効果)を利用して、データを記憶させる場合には、一方の磁性層の磁化を反転させる必要がある。このとき、上記磁性層の磁化を反転させるには大電流を必要としている。つまり、上記磁性層の磁化を反転させるためには、大きな磁界が必要であり、この磁界を発生させるためには、大電流を必要としている。このため、上記TMR素子にデータを記憶させるためには、消費電力が大きくなるという問題点がある。
また、上記磁性層を構成する材料としては、例えば、安価でかつスピン偏極度が大きい、二元系強磁性酸化物(Fe、CrO等)および二元系酸化物(TiO、ZnO等)に希薄磁性元素を加えた希薄磁性酸化物が用いられる。この希薄磁性酸化物においては、薄膜形成における基板温度、酸化雰囲気等の条件の選択が非常に重要である。しかしながら、上記希薄磁性酸化物は、例えば、高温、高酸素ガス圧で変質してしまうため、上記希薄磁性酸化物を薄膜化して上記TMR素子等のスピンエレクトロニクスデバイスを製造するための形成条件は非常に狭くなってしまう。このため、例えば、トンネル接合素子、強磁性体電界効果トランジスタ素子等の、上記希薄磁性酸化物を他の物質と組み合わせて形成されるヘテロ構造のスピンエレクトロニクスデバイスを作製することは非常に困難である。つまり、他の物質と上記希薄磁性酸化物とを接合する際には、高温、高酸素ガス圧の条件が必要であり、上記希薄磁性酸化物の特性を変化させることなく、他の物質と接合することは非常に困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、強磁性体層の磁化の向きを変化させるために必要な消費電力が小さい磁気抵抗素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、上記課題を解決するために、強磁性半導体である強磁性体層と、誘電体または強誘電体からなる誘電体層とを接合する接合工程と、上記強磁性体層を、強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との間に中間層を、当該中間層と強磁性体層(A)と、および、当該中間層と強磁性体層(B)とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、強磁性体層と誘電体層とを接合した後、上記強磁性体層を2つに分割し、この間に中間層を形成することで、誘電体上にTMR素子が形成された磁気抵抗素子を製造することができる。これにより、例えば、誘電体層、強磁性体層、中間層および強磁性体層をこの順で積層することで磁気抵抗素子を製造する製造工程と比べて、より簡単に上記磁気抵抗素子を製造することができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、上記課題を解決するために、化学式(1)
(A−x)M´ …(1)
(上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
で示される強磁性体層と、強誘電体化合物または誘電体化合物からなる誘電体層とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、上記接合工程では、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、強磁性体層上に誘電体層を形成することを特徴としている。
上記の構成によれば、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、上記組成の強磁性体層上に誘電体層を形成している。そして、この条件とすることで、強磁性体層の特性が変質することを防止できる。
そして、上記強磁性体層として、上記組成の化合物を使用することで、薄膜化して、高基板温度かつ高酸素ガス圧下で他の物質と組み合わせた場合でも、強磁性およびスピン偏極特性を失わせることがない。
つまり、上記の構成とすることで、高基板温度かつ高酸素ガス圧下でも変質することがないので、他の物質と組み合わせてヘテロ構造を作製する際の形成条件、換言すると、磁気抵抗素子を作製する形成条件を緩和させることができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、上記課題を解決するために、化学式(1)
(A−x)M´ …(1)
(上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
で示される強磁性体層と、強誘電体化合物または誘電体化合物からなる誘電体層とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、上記接合工程では、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、誘電体層上に強磁性体層を形成することを特徴としている。
上記の構成によれば、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、誘電体層上に上記組成の強磁性体層を形成している。そして、この条件とすることで、強磁性体層の特性が変質することを防止できる。
そして、上記強磁性体層として、上記組成の化合物を使用することで、薄膜化して、高基板温度かつ高酸素ガス圧下で他の物質と組み合わせた場合でも、強磁性およびスピン偏極特性を失わせることがない。
つまり、上記の構成とすることで、高基板温度かつ高酸素ガス圧下でも変質することがないので、他の物質と組み合わせてヘテロ構造を作製する際の形成条件、換言すると、磁気抵抗素子を作製する形成条件を緩和させることができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、当該強磁性体層を、強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との間に中間層を、当該中間層と強磁性体層(A)と、および、当該中間層と強磁性体層(B)とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含む構成であってもよい。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、上記接合工程の後で、上記強磁性体層の上に、中間層と第2強磁性体層とをこの順で積層する後積層工程を含む構成であってもよい。
上記の構成とすることで、誘電体層、強磁性体層、中間層および強磁性体層がこの順で積層された磁気抵抗素子を形成することができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、上記接合工程の前に、上記強磁性体層の一方の面に、中間層と第2強磁性体層とをこの順で積層する前積層工程を含み、上記接合工程では、上記強磁性体層の他方の面に上記誘電体層を接合する構成である。
上記構成とすることで、強磁性体層、中間層および強磁性体層がこの順で積層された構成に誘電体層を接合するので、強磁性体層、中間層、強磁性体層および誘電体層がこの順で積層された磁気抵抗素子を形成することができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、上記課題を解決するために、少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、誘電体または強誘電体からなる誘電体層の1つの面上に配置されるように、上記第1強磁性体層および第2強磁性体層と上記誘電体層とを接合する接合工程と、上記第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に中間層を、当該中間層と第1強磁性体層と、および、当該中間層と第2強磁性体層とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程とを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、誘電体層上に2つの強磁性体層を形成した後、この2つ強磁性体層と中間層とを接合している。これにより、上記誘電体層上にTMR素子が形成された磁気抵抗素子を製造することができる。
また、上記構成とすることで、2つの強磁性体層の組成を互いに異ならせることができる。
本発明に係る磁気抵抗素子は、上記課題を解決するために少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、中間層を介して接合されており、上記第1強磁性体層の磁化および上記第2強磁性体層の磁化に応じた電気抵抗変化を示す磁気抵抗素子において、上記第1強磁性体層、第2強磁性体層および中間層に、誘電体または強誘電体からなる誘電体層が接合されていることを特徴としている。
また、上記磁気抵抗素子は、誘電体層上に、2つの強磁性体層の間に中間層が形成されているトンネル接合素子が接合されており、この2つの強磁性層と中間層とが上記誘電体層に接するように接合されている構成であってもよい。また、上記磁気抵抗素子は、上記誘電体層上に第1強磁性体層および第2強磁性体層がそれぞれ接合されており、この第1強磁性体層および第2強磁性体層の間に中間層が両者と接合された状態で配置されていてもよい。
上記磁気抵抗素子は、第1強磁性体層と第2強磁性体層との磁化に応じて情報を記憶させることができる。そして、上記情報を記憶させる場合には、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を変化させている。
上記の構成によれば、強磁性半導体である強磁性体層に誘電体層が接合されている。これにより、上記誘電体層のうち、強磁性半導体層と接している領域に電圧を印加することで、当該強磁性半導体の磁化および保持力を小さくすることができる。
従って、上記誘電体層に電圧を印加することで、当該誘電体層と接合している強磁性体層の磁化および保持力を小さくできるので、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を、従来の構成と比べて簡単に変化させることができる。
これにより、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を変化させるために必要なエネルギー(電流)を、従来構成よりも少なくすることができる。
また、本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記中間層が絶縁体である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層として絶縁体を用いることで、トンネル接合素子とすることができる。
また、本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記中間層が金属である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層として金属を用いることで、巨大磁気抵抗効果(GMR)を得ることができる。
また、本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記中間層が半導体である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層として半導体を用いることで、PNP接合素子またはNPN接合素子を得ることができる。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、強磁性半導体である強磁性体層と、誘電体または強誘電体からなる誘電体層とを接合する接合工程と、上記強磁性体層を、強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との間に中間層を、当該中間層と強磁性体層(A)と、および、当該中間層と強磁性体層(B)とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含む構成である。
また、本発明に係る磁気抵抗素子は、少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、中間層を介して接合されており、上記第1強磁性体層の磁化および上記第2強磁性体層の磁化に応じた電気抵抗変化を示す磁気抵抗素子において、上記第1強磁性体層、第2強磁性体層および中間層に、誘電体または強誘電体からなる誘電体層が接合されている構成である。
これにより、例えば、誘電体層、強磁性体層、中間層および強磁性体層をこの順で積層することで磁気抵抗素子を製造する製造工程と比べてより簡単に上記磁気抵抗素子を製造することができる。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形態にかかる磁気抵抗素子のうちの一形態であるトンネル磁気抵抗素子(以下、TMR素子と称する)は、誘電体または強誘電体からなる誘電体層(以下、(強)誘電体層と称する)の1つの表面上に、少なくとも1つが強磁性半導体である2つの強磁性体層(強磁性体層(A)と強磁性体層(B)と、または、第1強磁性体層と第2強磁性体層と)が接合されており、この2つの強磁性体層間に、当該2つの強磁性体層と接合された中間層が形成されている構成である。
(強磁性体層)
上記強磁性体層は、強磁性を示すものである。そして、上記TMR素子を構成する場合、上記少なくとも2つの強磁性体層が後述する(強)誘電体層と接合しており、この(強)誘電体層と接合している強磁性体層のうちの少なくとも1つは、強磁性半導体である。
この上記強磁性半導体とは、強磁性を示すとともに、電気(電流)が流れる特性を有し、そのキャリア濃度を電界および/または光等を用いて制御できるものである。
なお、上記TMR素子を構成している上記強磁性体層のうちの、上記強磁性半導体ではない強磁性体層としては、強磁性絶縁体でもよいが、強磁性金属体であることがより好ましい。また、上記TMR素子を構成している上記強磁性体層の全てが強磁性半導体であることが最も好ましい。
そして、上記TMR素子を構成している、少なくとも2つの強磁性体層を構成する材料は、互いに同じものであってもよく、異なっていてもよい。
また、上記強磁性半導体には、強磁性n型半導体と強磁性p型半導体とが含まれる。このうち、上記強磁性n型半導体を構成する材料としては、例えば、Fe、M(A−x)M´(xは、0≦x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも1つであり、上記MがTiの場合M´はMn、Zn、Co、Feの少なくとも1つであり、上記MがZnの場合M´はMn、Co、V、Feの少なくとも1つである)等が挙げられる。
そして、上記例示の強磁性体層を構成する材料のうち、トンネル磁気抵抗素子(TMR)を含む磁気抵抗素子や電界効果トランジスタ(FET)等の、他の物質と組み合わせたヘテロ構造を作製する際の、形成条件を緩和させることができる点で、上記M(A−x)M´が最も好ましい。
ここで、上記M(A−x)M´(以下、化学式(1)として説明する)について説明する。上記化学式(1)のMはFe、Cr、Ti、Znのいずれかを示している。また、上記化学式(1)からなる強磁性体層は、従来の二元系強磁性酸化物または二元系酸化物と比べて熱力学的により安定したものであり、かつ強磁性を示すものが好ましい。そして、上記M´は、上記Mによって変わるものであり、例えば、上記MがFeの場合には上記M´としては、Mn、Zn等が挙げられる。また、上記MがCrの場合には上記M´としては、Mn、Zn等が挙げられる。また、上記MがTiの場合には上記M´としては、Mn、Zn等が挙げられる。また、上記MがZnの場合には上記M´としては、Mn等が挙げられる。そして、上記Mに対して好適なM´を選択することで、電子伝導を大きく乱さず強磁性を保たせることができる。また、上記MがFe、Cr、Tiの場合、M´としては、Mnのみを用いてもよく、Zrのみを用いてもよく、両方用いても良い。また、常温(25℃)で強磁性体層として好適に使用できるという点でMnのみを用いることがより好ましい。
また、上記化学式(1)のAは、上記Mによって決定される固有の定数である。例えば、上記MがFeの場合A=3であり、上記MがCrの場合A=1であり、上記MがTiの場合A=1であり、上記MがZnの場合A=1である。
また、上記yも上記Mによって決定される固有の定数である。例えば、上記Mによって決定される固有の定数である。例えば、上記MがFeの場合y=3であり、上記MがCrの場合y=2であり、上記MがTiの場合y=2であり、上記MがZnの場合y=1である。
つまり、上記化学式(1)の具体例としては、例えば、上記MがFeの場合には、Fe(3−x)Mn、Fe(3−x)Znが挙げられる。また、上記MがCrの場合には、Cr(1−x)Mn、Cr(1−x)Znが挙げられる。また、上記MがTiの場合には、Ti(1−x)Mn、Ti(1−x)Znが挙げられる。また、上記MがZnの場合には、Zn(1−x)MnOが挙げられる。
次に、化学式(1)で示される強磁性体層におけるM´の添加割合(式中:x)について説明する。上記化学式(1)における、xはMに対するM´の添加割合を示しており、上記xはM´の種類によって変わる。
具体的には、例えば、上記M´がMnの場合には、0<x<0.8の範囲内が好ましく、0.1<x<0.8の範囲内がより好ましく、0.4<x<0.5の範囲内がさらに好ましい。
また、上記M´がZnの場合には、0<x<0.8の範囲内が好ましく、0.1<x<0.8の範囲内がより好ましく、0.4<x<0.5の範囲内がさらに好ましい。
さらに、M´がMnとZnとである場合には、両者の混合比にもよるが、MnとZnとの合計をxとした場合、0<x<0.8の範囲内が好ましく、0.1<x<0.8の範囲内がより好ましく、0.4<x<0.5の範囲内がさらに好ましい。なお、MnとZnとを用いる場合には、Mnのほうが多いことが好ましい。
上記xが0.8よりも多い場合には、上記化学式(1)は、強磁性絶縁体になってしまい、伝導性を示すことができなくなる。一方、xが0の場合には、伝導性は示すが、成膜条件が厳しくなる。
上記例示の化学式(1)のうち、特に常温(25℃)で強磁性体層として好適に利用できるという観点から、Fe(3−x)Mnを用いることがより好ましい。
なお、以下の説明では、強磁性体層として、Fe(3−x)Mnを例にして説明する。
上記強磁性体層がFe(3−x)Mnである場合、組成を決める上記xについては、0<x<0.8の範囲内が好ましく、0.1<x<0.8の範囲内がより好ましく、0.4<x<0.8の範囲内がさらに好ましく、0.4<x<0.5の範囲内が特に好ましい。上記xが0.8よりも大きい場合には、スピンが偏極せず、伝導性を示さない。つまり、上記xが0.8よりも大きい場合には、強磁性体層として使用することができない。
また、上記強磁性体層であるFe(3−x)Mnは、より具体的には、化学式(2)で示すことができる。
Fe(3−x)Mn=〔Mn2+ Fe3+ 1−x〔Fe2+Fe3+(O2−…(2)
上記A、Bは、それぞれスピネル構造のAsite、Bsiteを示している。つまり、上記Fe(3−x)Mnを、例えば、FeにMnをドープして製造した場合、FeのAsiteのFe3+がMnで選択的に置換されることになる。
また、上記強磁性体層は、磁気抵抗に影響を及ぼさない程度で、その他の物質がドープされていてもよい。換言すると、上記強磁性体層に、磁気抵抗に影響を及ぼさない程度で、その他の物質をドープしてもよい。また、その他の物質をドープする際には、上記強磁性体層は、M(A−x−z)M´M´´(M´´:その他の物質、このときx+z<A、他の条件は上記と同じ)で表すことができる。
一方、強磁性p型半導体を構成する材料としては、例えば、(La,Ba)MnO、(La,Sr)MnO、(La,Ca)MnO、InMnAs、GaMnAs等が挙げられる。
上記例示の強磁性p型半導体が(La,Ba)MnOである場合、その組成については、特に、(La1−xBa)MnO(ただし、xは、0.10<x<0.30の関係を満たす)ことがより好ましい。上記範囲の関係を満たす(La1−xBa)MnOは、0℃以上で強磁性を示すとともに、より一層広い磁性転移温度変化を得ることができる。
また、上記(La,Ba)MnOは、厚さが薄くなるほど、強磁性転移温度が高くなる特徴を有している。従って、(La,Ba)MnOを強磁性体層として用いる場合には、その膜厚はより薄いことが好ましい。具体的には、(La,Ba)MnOを強磁性体層として用いる場合には、その膜厚は50nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が特に好ましい。上記膜厚を50nm以下とすることにより、0℃以上で強磁性を発現させることができる。
なお、上記強磁性金属体としては、例えば、Co、Ni、Fe、CoFe等が挙げられる。また、強磁性絶縁体としては、例えば、NiFe、(Ni、Zn、Mn、Fe)、LaFeO等が挙げられる。
そして、上記の例示の強磁性体層を構成する材料のうち、磁気抵抗素子を製造するため、つまり、他の層(誘電体層)と組み合わせるためには、Fe(3−x)Mnを用いることが最も好ましい。なお、Fe(3−x)Mnを用いることが最も好ましい理由については後述する。
(中間層)
上記中間層は、絶縁体、金属または半導体によって構成されている。上記中間層が絶縁体で構成されている場合、この絶縁体としては、例えば、MgO、Al、SrTiO、CeO、SiO、絶縁性有機薄膜等が挙げられる。上記中間層を絶縁体とすることにより、上記第1強磁性体層の磁化および上記第2強磁性体層の磁化に応じたトンネル磁気抵抗を示すトンネル磁気抵抗素子を製造することができる。
また、上記中間層が金属で構成されている場合、この金属としては、例えば、Cu、SrTiOにLaおよび/またはNbをドープしたもの(ドープ量が例えば1重量%以上)、SrTiOに酸素欠損を導入したもの、LaNiO等が挙げられる。上記中間層を金属とすることにより、巨大磁気抵抗効果(GMR)を得ることができる。
また、上記中間層が半導体で構成されている場合、この半導体としては、例えば、
有機半導体(Alq、フタロシアニン化合物)、SrTiOにLaおよび/またはNbをドープしたもの(ドープ量が例えば1重量%よりも少ない)等が挙げられる。そして、上記中間層をn型半導体とし、第1強磁性体層および第2強磁性体層をp型強磁性半導体とすることにより、PNP接合素子を得ることができる。また、上記中間層をp型半導体とし、第1強磁性体層および第2強磁性体層をn型強磁性半導体とすることにより、NPN接合素子を得ることができる。
そして、この中間層の厚さとしては、層の種類によっても異なるが、第1強磁性体層および第2強磁性体層と当該中間層とを組み合わせた場合に磁気抵抗素子としての機能を発揮することができる厚さであればよい。具体的には、上記中間層が金属または半導体である場合には、上記中間層の厚さとしては、0.4nm〜300nmの範囲内がより好ましい。また、上記中間層が絶縁体である場合には、当該中間層の厚さとしては、0.4〜15nmの範囲内がより好ましく、2〜3nmの範囲内がさらに好ましい。なお、上記中間層の厚さは、2つの強磁性体層間の距離と同じである。
((強)誘電体層)
上記(強)誘電体層は、強誘電体または誘電体から構成されている。上記誘電体層を構成している強誘電体または誘電体としては、特に限定されるものではなく、種々のものが使用できる。
上記誘電体としては、具体的には、SrTiO、Al、MgO等が挙げられる。上記例示の誘電体のうち、誘電率の大きさ、入手のし易さの点でSrTiOがより好ましい。
また、上記強誘電体としては、具体的には、(Ba1−ySr)TiO(ただし、yは、0<y<1の関係を満たす)、PbTiO、Pb(Zr1−zTi)O(ただし、zは、0<z<1の関係を満たす)、BaTiO等が挙げられる。上記例示の強誘電体のうち、誘電分極の大きさの点でPb(Zr,Ti)Oがより好ましい。
(磁気抵抗素子)
ここで、本実施の形態にかかる磁気抵抗素子のうちの上記TMR素子について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるTMR素子1の概略の構成を示す斜視図である。上記TMR素子1は、(強)誘電体層10上に第1強磁性体層20、中間層30および第2強磁性体層40が接合されている。また、この第1強磁性体層20および第2強磁性体層40と中間層30とが互いに接合されている。
なお、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40を構成する材料および/または特性は互いに同じものであってもよく、異なっていてもよい。
なお、以下の説明では、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40を構成している材料および特性は互いに同じであり、中間層30が絶縁体である例について説明する。
上記TMR素子1において、(強)誘電体層10とヘテロ接合している第1強磁性体層20および第2強磁性体層40は、強磁性半導体である。上記強磁性半導体としては、上記強磁性p型半導体および強磁性n型半導体が挙げられる。この強磁性半導体は、電圧をかけると磁性が変化する特性を有している。
そして、上記TMR素子1は、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40とが絶縁体である中間層30を介してヘテロ接合されているトンネル接合構造を有しているために、第1強磁性体層20(または第2強磁性体層40)の磁化の方向を反転させることにより、不揮発性磁気メモリとして使用することができる。
また、上記TMR素子1は、上記第1強磁性体層20および第2強磁性体層40と(強)誘電体層10とがヘテロ接合されている電界効果トランジスタ構造を有しているために、上記(強)誘電体層10および/または第2強磁性体層40に電圧を印加することにより、電圧が印加された第1強磁性体層20および/または第2強磁性体層40の磁化の強度を変化させることができる。
そして、上記TMR素子1は、トンネル接合構造と電界効果トランジスタ構造とを組み合わせたものである。従って、上記TMR素子1は、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40と(強)誘電体層10とがヘテロ接合されているために、電圧を印加することで、第1強磁性体層20および/または第2強磁性体層40の磁化の強度を変化させることができるので、磁化の方向を反転させるために必要なエネルギーを少なくすることができる。以下、これについて説明する。なお、以下の説明では、第1強磁性体層20と接している(強)誘電体層10に領域を用いて、当該第1強磁性体層20に対して電圧を印加した場合について説明する。
図2は、保磁力と磁化の強度との関係を示すグラフであり、(a)は上記TMR素子1における(強)誘電体層10へ電圧を印加しない場合におけるグラフであり、(b)は上記TMR素子1における(強)誘電体層10へ電圧を印加した場合におけるグラフである。
上記TMR素子1において、第1強磁性体層20のキャリアが欠乏するように、(強)誘電体層10に対して電界(電圧)を印加する、換言すると、(強)誘電体層10に対して逆バイアスをかけると、図2(b)に示すように、上記第1強磁性体層20の強磁性が不安定化し、保持力が小さくなる(消失する)。つまり、上記第1強磁性体層20のキャリアが欠乏するように、(強)誘電体層10に対して電界を印加すると、保磁力が小さくなるために、当該第1強磁性体層20の磁化の方向を反転させるためのエネルギーを小さくすることができる。このため、従来と比べて低消費電力で、上記TMR素子1に情報の書き込みを行うことができる。
一方、上記TMR素子1において、第1強磁性体層20のキャリアが誘起されるように、(強)誘電体層10に対して電界(電圧)を印加する、換言すると、(強)誘電体層10に対して正バイアスをかけると、強磁性を安定化させることができ、保持力を大きくすることができる。つまり、上記第1強磁性体層20のキャリアが誘起されるように、(強)誘電体層10に対して電界を印加することにより、記憶情報の安定した保持を行うことができる。
図3は、上記TMR素子1における磁化反転方法について説明する図面である。この図面を参照して上記TMR素子1の第1強磁性体層20の磁化方向を反転させる方法について説明する。
ここで、(強)誘電体層10に電圧を印加していない状態の場合、図3(a)に示すように、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との磁化の方向はそれぞれ同じであるとする。
次に、図3(b)に示すように、上記(強)誘電体層10に電圧をかける。具体的には、第1強磁性体層20のキャリアが欠乏するように上記(強)誘電体層10の上記第1強磁性体層20に接合している領域に対して逆バイアスをかけると、第1強磁性体層20の保磁力は小さくなる。
そして、この状態で、上記第1強磁性体層20の磁化の方向を反転させるために当該第1強磁性体層20に対して磁場をかける。より具体的には、図示しないリード線に電流を流すことにより磁場を発生させて、この磁場によって第1強磁性体層20の磁化の方向を反転させる(図3(c)参照)。このとき、上記第1強磁性体層20の磁化の強度は、上記(強)誘電体層10に対して逆バイアスをかけているために、逆バイアスをかけていない場合と比べて小さくなっている。このため、第1強磁性体層20の磁化を反転させるために必要な磁場の大きさは、(強)誘電体層10に対して逆バイアスをかけていない場合と比べて小さくてすむ。このため、上記リード線に流す電流の大きさを小さくすることができる。
そして、上記(強)誘電体層10への電圧の印加を終了することで、図3(d)に示すように、第1強磁性体層20の磁化の強度は強くなる((強)誘電体層10へ電圧を印加する前と同じになる)。上記方法により、従来よりも低消費電力で、上記TMR素子1の磁化を反転させることができる。
次に、上記TMR素子1を実際に動作させるためのデバイスとした場合について説明する。図4は、上記TMR素子1を用いたデバイス(以下、磁気抵抗デバイスと称する)の概略構成を示す斜視図である。
磁気抵抗デバイスは、図4に示すように、上記TMR素子1の(強)誘電体層10に下部電極11を設け、第2強磁性体層40に読出し電極(+)12を設け、第1強磁性体層20における上記中間層30が形成されていない領域に読出し電極(−)13を設けている。より具体的には、上記下部電極11が形成されている基板12の上に、TMR素子1が形成されている。なお、上記基板12としては、例えば、MgO、MgAl、および、Al等を用いればよい。
このとき、上記第2強磁性体層40は、例えば、Fe等の材料により構成されており、固定強磁性体層(磁性の強さが変化しない層)として働く。そして、上記中間層30は、例えばSrTiO等の絶縁体により構成されており、トンネルバリア層として働く。また、上記第1強磁性体層20と(強)誘電体層10とは、ヘテロ接合されており、電界強磁性制御層(電界によって磁性の強さが変化する層)として働く。そして、上記第1強磁性体層20としては、例えば、(La,Ba)MnO等が用いられる。また、(強)誘電体層10としては、例えば、Pb(Zr1−zTi)O(ただし、zは、0<z<1の関係を満たす)等が用いられる。また、上記下部電極11としては、NbがドープされたSrTiO等が用いられ、上記読出し電極(+)12としては、例えば、In等の材料が用いられ、上記読出し電極(−)13としては、例えば、Au等の材料が用いられる。
そして、上記構成のTMR素子1は、第1強磁性体層20としてp型半導体を用い、上記中間層30として絶縁体を用い、上記第1強磁性体層20としてn型半導体を用いているので、これに逆方向バイアスを印加することで空乏層が形成され、この空乏層を介してトンネル電流を生じさせることができる。また、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40は強磁性体であるので外部から磁場を印加することにより、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40の磁化を制御することができ、これによりトンネル電流のトンネル磁気抵抗を制御することができる。
また、上記TMR素子1は、例えば、図11に示すように、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間に配置されている中間層30が、第1強磁性体層20の側面の一部の領域のみに接合されており、(強)誘電体層10の表面に対して垂直な方向から見て凸型部形状の第2強磁性体層40が当該(強)誘電体層10と接合されており、この第2強磁性体層40の凸部と中間層30とが接合されている形状であってもよい。このように、第2強磁性体層40と中間層30とが接している領域を第2強磁性体層40全体よりも小さくし、第1強磁性体層20と中間層30とが接している領域を第1強磁性体層20全体よりも小さくすることで、TMR素子1におけるトンネル領域(電界のかかる領域)を集中させることができる。これにより、より一層の省電力化を図ることができる。
そして、図11に示すような、トンネル領域がTMR素子1全体に比べて小さい構成のTMR素子1を製造する際には、(強)誘電体層10上に強磁性体層を蒸着させた後、この強磁性体層を分割する際に、少なくとも一方の強磁性体層(ここでは第2強磁性体層40)の形状を上記凸型に形成し、この凸型の凸部と中間層30とを接合させればよい。なお、上記の構造に限定されるものではなく、例えば、上記強磁性体層を分割する際に、2つの強磁性体層がそれぞれ上記凸型になるように加工してもよい。
つまり、上記磁気抵抗素子の強磁性体層と中間層30との界面において、2つの強磁性体層のうちの少なくとも一方の一部が、中間層30側に突出している突出部が設けられていることが好ましい。
(磁気抵抗素子の製造方法)
ここで、上記磁気抵抗素子のうち、上記TMR素子1の製造方法について説明する。上記TMR素子1を製造するには、各層の特性が失われることなく、当該各層をヘテロ接合することができれば、どのような製造方法を用いてもよい。そして、各層の特性を失わせることなくヘテロ接合するためには、例えば、(強)誘電体層10上に第1強磁性体層20と第2強磁性体層40とを形成する際、または、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40と上に(強)誘電体層10を形成する際に特定の条件にて形成すればよい。これについて説明する。
上記TMR素子1を製造するためには、大別して2通りの方法がある。具体的には、(1).(強)誘電体層10上に上記強磁性体層を蒸着(形成)し(蒸着工程、接合工程)、この強磁性体層を2つに分割することで第1強磁性体層20と第2強磁性体層40とを形成(分割工程)した後、両強磁性体層を中間層30で接合(中間層形成工程)する方法、(2)上記強磁性体層に(強)誘電体層10上を蒸着し(蒸着工程、接合工程)、この強磁性体層を2つに分割することで第1強磁性体層20と第2強磁性体層40とを形成(分割工程)した後、両強磁性体層を中間層30で接合(中間層形成工程)する方法との2つの方法が挙げられる。
(蒸着工程)
そして、上記(1)の方法と(2)の方法とでは、蒸着する際の条件が異なっている。具体的には、(強)誘電体層10と上記強磁性体層との両方の特性が失われない条件で蒸着を行なう必要がある。これについて以下に説明する、
そして、以下の説明では、上記強磁性体層を構成している材料が、化学式(1)
(A−x)M´ …(1)
(上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)で示されるものである場合について説明する。
この上記(強)誘電体層10と上記強磁性体層との材料によって上記条件が異なる。従って、上記強磁性体層を構成している材料が上記のものである場合であって、(強)誘電体層10上に上記強磁性体層を蒸着する場合と上記強磁性体層上に(強)誘電体層10を蒸着させる場合のそれぞれについて説明する。
(1)強磁性体層に(強)誘電体層10を蒸着させる場合
上記化学式(1)で示される強磁性体層に(強)誘電体層10を蒸着させる場合、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPa(10−2〜10−4mber)の範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で上記蒸着を行なう必要がある。上記条件から外れた条件で蒸着を行なった場合には、強磁性体層の特性が失われる場合がある。
(2)(強)誘電体層10に強磁性体層を蒸着させる場合
(強)誘電体層10に上記化学式(1)で示される強磁性体層を蒸着させる場合、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPa(10−4〜10−6mber)の範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で上記蒸着を行なう必要がある。上記条件から外れた条件で蒸着を行なった場合には、強磁性体層の特性が失われる場合がある。
なお、具体的な蒸着方法としては、例えば、レーザアブレーション法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、レーザMBE法、スパッタ法、CVD法等を用いて製造すればよい。
また、上記(1)および(2)の方法は、上記TMR素子1の製造方法の場合のみでなく、例えば、強磁性体層と(強)誘電体層とが接合している電界効果型トランジスタを製造する際の蒸着工程、および、2つの強磁性体層の間に上記中間層が存在しているトンネル接合素子の上記強磁性体層に(強)誘電体層を蒸着する際にも適用できる。
(分割工程)
上記(1)または(2)の蒸着工程を行なうことで、(強)誘電体層10と強磁性体層とを接合した後、上記強磁性体層を2つに分割する。具体的な、分割方法としては、例えば、リソグラフィー技術を用いればよい。
(中間層形成工程)
上記分割構成によって、2つに分割された強磁性体層(第1強磁性体層20および第2強磁性体層40)の間に中間層30を形成することで、(強)誘電体層10上にトンネル接合素子を製造する。
このようにして、上記TMR素子1を製造する。
ここで、上記(1)の方法によってTMR素子1を製造する場合について図5を参照して説明する。
まず、図5(a)に示すように、下部電極11が形成された基板12上に、例えば、レーザアブレーション法を用いて、(強)誘電体層10を蒸着する。
次に、図5(b)に示すように、(強)誘電体層10上に強磁性体層を、例えば、レーザアブレーション法を用いて蒸着する。このとき、上記強磁性体層が上記化学式(1)で示される化合物である場合には、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で蒸着する。
次に、図5(c)に示すように、上記強磁性体層を、例えば、リソグラフィー法を用いて2つに分割することで、第1強磁性体層20および第2強磁性体層40を形成する。このとき、上記第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間隔としては、3nm程度であればよい。
次に、上記図5(d)に示すように、上記第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間に中間層30を形成する。
最後に、上記第1強磁性体層20および第2強磁性体層40に読み出し用の電極として、読出し電極(−)13と読出し電極(+)12とをそれぞれ形成する。このようにして、TMR素子1を形成すればよい。
(他の製造方法)
なお、上記TMR素子1の製造方法の他にも種々の方法を用いてTMR素子1を製造してもよい。具体的には、例えば、(強)誘電体層10上に初めから2つに分割されている第1強磁性体層20および第2強磁性体層40を蒸着した後で、この第1強磁性体層20および第2強磁性体層40との間に中間層30を形成してもよい。
(Fe(3−x)Mnについて)
ここで、強磁性体層を構成する材料の一種であるFe(3−x)Mnの特性について説明する。
図6は、レーザアブレーション法を用いて基板に強磁性体層を蒸着させる場合における、実験条件を変化させた場合の吸収スペクトルの変化を示すグラフである。具体的には、図6(a)は、比較例であるx=0(つまり、Fe)の結果を示しており、図6(b)は、x=0.1の場合の結果を示しており、図6(c)は、x=0.5の場合の結果を示している。なお、グラフ中実線は、基板温度300℃で酸素ガス圧が1×10−6mber(10−7kPa)の条件下で1時間レーザアブレーションを行なって基板上にFe(3−x)Mnを形成させた場合の結果を示しており、グラフ中の破線は、グラフ中実線は、基板温度600℃で酸素ガス圧が1×10−4mber(10−5kPa)の条件下で形成させた場合の結果を示している。
図6の結果より、基板温度300℃で酸素ガス圧が1×10−6mber(10−7kPa)の条件下の場合には、xの変化における結果の変化は見られなかったが、酸素ガス圧が1×10−4mber(10−5kPa)の条件下の場合では、Mnのドープ量を0.5まで増やすにつれて、吸収係数の変化が少なくなることがわかる。
また、図7は、基板温度のみを変化させてレーザアブレーション法を行なった場合の吸収スペクトルの変化を示すグラフである。具体的には、図7(a)は、比較例であるx=0(つまり、Fe)の結果を示しており、図7(b)は、x=0.1の場合の結果を示しており、図7(c)は、x=0.5の場合の結果を示している。
この結果より、基板温度を300℃〜600℃の間で変化させた場合においても、吸収スペクトルの変化が殆どないことが分かる。また、Fe(3−x)Mnの組成を変化させた場合であっても、吸収スペクトルの変化が殆どないことが分かる。
この結果より、レーザアブレーションを行なう際の酸素ガス圧が重要であるということがわかる。
図8は、レーザアブレーションの前後における電気抵抗率の変化を示すグラフである。具体的には、図8(a)はレーザアブレーション前における組成の違いによる電気抵抗率の差を示しており、図8(b)は、レーザアブレーション後における組成の違いによる電気抵抗率の差を示しており、図8(c)は、比較例であるx=0(つまり、Fe)のレーザアブレーション前後の結果を示しており、図8(d)は、x=0.5の場合の結果を示している。なお、レーザアブレーションは、基板温度600℃の条件で行なっている。
図8の結果より、600℃でレーザアブレーションを行なった場合、x=0の場合もx=0.5の場合もレーザアブレーション前と比べて高い電気抵抗率を示すことがわかる。ただし、前後の変化量としてはx=0.5の方が小さくなっている。つまり、x=0.5となるようにMnをドープすることで、MnをドープしていないFeと比べて、酸化に対して耐性があることが分かる。つまり、このことは、FeにMnをドープ(x=0.5程度)したものを強磁性体層として用いた場合、この強磁性体層の上に(強)誘電体層10を成長させる際に、必要となる高い酸素ガス圧の条件下でも当該強磁性体層が変質し難いことが分かる。
図9は、Fe(3−x)Mnのxを変化させたときのキャリア濃度と移動度との変化を示すグラフである。図9に示すように、x=0.5の場合がキャリア濃度が低く、かつ、移動度が高いことが分かる。つまり、x=0.5付近のFe(3−x)Mnを強磁性体層として用いことが磁気抵抗素子を製造するために有利なことがわかる。
そして、上記化学式(1)の化合物を強磁性体層として用いる場合には、上記説明の条件で(強)誘電体層10上に上記強磁性体層を、または、上記強磁性体層上に(強)誘電体層10を蒸着すればよい。
以上のように、本実施の形態にかかるTMR素子1の製造方法は、強磁性半導体である強磁性体層と、誘電体または強誘電体からなる(強)誘電体層10とを接合する接合工程と、上記強磁性体層を、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間に中間層30を、当該中間層30と第1強磁性体層20と、および、当該中間層30と第2強磁性体層40とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含む構成である。
上記の構成によれば、強磁性体層と(強)誘電体層10とを接合した後、上記強磁性体層を2つに分割し、この間に中間層30を形成することで、誘電体上にトンネル接合素子が形成された磁気抵抗素子を製造することができる。これにより、例えば、(強)誘電体層10、強磁性体層、中間層30および強磁性体層をこの順で積層することで磁気抵抗素子を製造する製造工程と比べて、より簡単に上記TMR素子1を製造することができる。
本実施の形態に係るTMR素子1を含む磁気抵抗素子の製造方法は、化学式(1)
(A−x)M´ …(1)
(上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
で示される強磁性体層と、(強)誘電体層10とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、上記接合工程では、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、強磁性体層上に(強)誘電体層10を形成する構成である。
上記の構成によれば、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、上記組成の強磁性体層上に(強)誘電体層10を形成している。そして、この条件とすることで、強磁性体層の特性が変質することを防止できる。
そして、上記強磁性体層として、上記組成の化合物を使用することで、薄膜化して、高基板温度かつ高酸素ガス圧下で他の物質と組み合わせた場合でも、強磁性およびスピン偏極特性を失わせることがない。
つまり、上記の構成とすることで、高基板温度かつ高酸素ガス圧下でも変質することがないので、他の物質と組み合わせてヘテロ構造を作製する際の形成条件、換言すると、磁気抵抗素子を作製する形成条件を緩和させることができる。
本実施の形態に係るTMR素子1を含む磁気抵抗素子の製造方法は、化学式(1)
(A−x)M´ …(1)
(上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
で示される強磁性体層と、(強)誘電体層10とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、上記接合工程では、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、(強)誘電体層10上に強磁性体層を形成する構成である。
上記の構成によれば、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、(強)誘電体層10上に上記組成の強磁性体層を形成している。そして、この条件とすることで、強磁性体層の特性が変質することを防止できる。
そして、上記強磁性体層として、上記組成の化合物を使用することで、薄膜化して、高基板温度かつ高酸素ガス圧下で他の物質と組み合わせた場合でも、強磁性およびスピン偏極特性を失わせることがない。
つまり、上記の構成とすることで、高基板温度かつ高酸素ガス圧下でも変質することがないので、他の物質と組み合わせてヘテロ構造を作製する際の形成条件、換言すると、磁気抵抗素子を作製する形成条件を緩和させることができる。
本実施の形態に係るTMR素子1の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、当該強磁性体層を、第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、上記第1強磁性体層20と第2強磁性体層40との間に中間層30を、当該中間層30と第1強磁性体層20と、および、当該中間層30と第2強磁性体層40とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含む構成であってもよい。
本実施の形態に係る磁気抵抗素子の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、上記接合工程の後で、上記強磁性体層の上に、中間層30と第2強磁性体層とをこの順で積層する後積層工程を含む構成であってもよい。
上記の構成とすることで、(強)誘電体層10、強磁性体層、中間層30および強磁性体層がこの順で積層された磁気抵抗素子を形成することができる。
本実施の形態に係る磁気抵抗素子の製造方法において、上記強磁性体層は強磁性半導体であり、上記接合工程の前に、上記強磁性体層の一方の面に、中間層30と第2強磁性体層とをこの順で積層する前積層工程を含み、上記接合工程では、上記強磁性体層の他方の面に上記(強)誘電体層10を接合する構成である。
上記構成とすることで、強磁性体層、中間層30および強磁性体層がこの順で積層された構成に(強)誘電体層10を接合するので、強磁性体層、中間層30、強磁性体層および(強)誘電体層10がこの順で積層された磁気抵抗素子を形成することができる。
本実施の形態に係るTMR素子1を含む磁気抵抗素子の製造方法は、少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、誘電体または強誘電体からなる(強)誘電体層10の1つの面上に配置されるように、上記第1強磁性体層および第2強磁性体層と上記(強)誘電体層10とを接合する接合工程と、上記第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に中間層30を、当該中間層30と第1強磁性体層と、および、当該中間層30と第2強磁性体層とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程とを含む構成である。
上記の構成によれば、(強)誘電体層10上に2つの強磁性体層を形成した後、この2つ強磁性体層と中間層30とを接合している。これにより、上記(強)誘電体層10上にTMR素子が形成された磁気抵抗素子を製造することができる。
また、上記構成とすることで、2つの強磁性体層の組成を互いに異ならせることができる。
本実施の形態に係るTMR素子1は、少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、中間層30を介して接合されており、上記第1強磁性体層の磁化および上記第2強磁性体層の磁化に応じた電気抵抗変化を示す磁気抵抗素子において、上記第1強磁性体層、第2強磁性体層および中間層30に、誘電体または強誘電体からなる(強)誘電体層10が接合されていることを特徴としている。
上記TMR素子1は、第1強磁性体層と第2強磁性体層との磁化に応じて情報を記憶させることができる。そして、上記情報を記憶させる場合には、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を変化させている。
上記の構成によれば、強磁性半導体である強磁性体層に(強)誘電体層10が接合されている。これにより、上記(強)誘電体層10のうち、強磁性半導体層と接している領域に電圧を印加することで、当該強磁性半導体の磁化および保持力を小さくすることができる。
従って、上記(強)誘電体層10に電圧を印加することで、当該(強)誘電体層10と接合している強磁性体層の磁化および保持力を小さくできるので、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を、従来の構成と比べて簡単に変化させることができる。
これにより、上記第1強磁性体層または第2強磁性体層の磁化の状態を変化させるために必要なエネルギー(電流)を、従来構成よりも少なくすることができる。
また、本実施の形態にかかるTMR素子1は、上記中間層30が絶縁体である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層30として絶縁体を用いることで、トンネル接合素子とすることができる。
また、本実施の形態にかかるTMR素子1は、上記中間層30が金属である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層30として金属を用いることで、巨大磁気抵抗効果(GMR)を得ることができる。
また、本実施の形態にかかるTMR素子1は、上記中間層30が半導体である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記中間層30として半導体を用いることで、PNP接合素子またはNPN接合素子を得ることができる。
なお、上記の説明では、(強)誘電体層10の上に強磁性体層を形成したTMR素子1について説明しているが、例えば、電界効果型トランジスタ等の磁気抵抗素子を形成する際の、強磁性体層上に誘電体層を形成する条件、または、誘電体層上に強磁性体層を形成する際の条件については上記説明と同様である。
また、例えば、図10に示すように、第2強磁性体、中間層30および上記化学式(1)で示す組成の第1強磁性体層20がこの順で積層されているトンネル接合素子の第1強磁性体20に(強)誘電体10を蒸着する際には、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で行なうことが好ましい。この条件で(強)誘電体10を蒸着させることにより、第1強磁性体層20の特性が変質することを防止できる。
また、(強)誘電体10上に上記化学式(1)で示す組成の第1強磁性体層20を蒸着した後、この第1強磁性体層20に中間層30と第2強磁性体層とをこの順で積層させることで、図10に示すTMR素子を製造する場合、つまり、誘電体層上に強磁性体層を蒸着する場合、上記蒸着を行なう条件としては、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で行なうことが好ましい。
本実施の形態にかかる磁気抵抗素子は、例えば、トンネル接合素子(TMR)、巨大磁気抵抗効果(GMR)や半導体接合素子等に好適に適用できる。また、本実施の形態にかかる磁気抵抗素子の製造方法は、トンネル接合素子等に限られず、強磁性体層に(強)誘電体層を形成した磁気抵抗素子、および(強)誘電体層に強磁性体層を形成した磁気抵抗素子を製造する際に好適に適用できる。
本実施の形態にかかる磁気抵抗素子(TMR素子)の概略の構成を示す斜視図である。 保磁力と磁化の強度との関係を示すグラフであり、(a)は上記TMR素子における(強)誘電体層10へ電圧を印加しない場合におけるグラフであり、(b)は上記TMR素子における(強)誘電体層10へ電圧を印加した場合におけるグラフである。 TMR素子における磁化反転方法について説明する図面である。 上記TMR素子を用いたデバイスの概略構成を示す斜視図である。 TMR素子の製造方法を説明する図面である。 レーザアブレーション法を用いて基板に強磁性体層を蒸着させる場合における、実験条件を変化させた場合の吸収スペクトルの変化を示すグラフである。 基板温度のみを変化させてレーザアブレーション法を行なった場合の吸収スペクトルの変化を示すグラフである。 レーザアブレーションの前後における電気抵抗率の変化を示すグラフである。 Fe(3−x)Mnのxを変化させたときのキャリア濃度と移動度との変化を示すグラフである。 本実施の形態にかかる他のTMR素子の概略の構成を示す斜視図である。 TMR素子の構造の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 磁気抵抗素子
10 誘電体層
11 下部電極
12 読出し電極
13 読出し電極
20 第1強磁性体層
30 中間層
40 第2強磁性体層

Claims (11)

  1. 強磁性半導体である強磁性体層と、誘電体または強誘電体からなる誘電体層とを接合する接合工程と、
    上記強磁性体層を、強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、
    上記強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との間に中間層を、当該中間層と強磁性体層(A)と、および、当該中間層と強磁性体層(B)とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含むことを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  2. 化学式(1)
    (A−x)M´ …(1)
    (上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
    で示される強磁性体層と、強誘電体化合物または誘電体化合物からなる誘電体層とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、
    上記接合工程では、酸素ガス圧が10−3〜10−5kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、強磁性体層上に誘電体層を形成することを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  3. 化学式(1)
    (A−x)M´ …(1)
    (上記xは、0<x<0.8かつx<Aの範囲の数値であり、上記A、yはMの種類によって変化する定数であり、上記MがFeの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがCrの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがTiの場合M´はMn、Znの少なくとも一方であり、上記MがZnの場合M´はMnである)
    で示される強磁性体層と、強誘電体化合物または誘電体化合物からなる誘電体層とを接合する接合工程を含む磁気抵抗素子の製造方法であって、
    上記接合工程では、酸素ガス圧が10−5〜10−7kPaの範囲内であり、300〜500℃の温度範囲内の条件で、誘電体層上に強磁性体層を形成することを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  4. 上記強磁性体層は強磁性半導体であり、当該強磁性体層を、強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との2つの強磁性体層に分割する分割工程と、
    上記強磁性体層(A)と強磁性体層(B)との間に中間層を、当該中間層と強磁性体層(A)と、および、当該中間層と強磁性体層(B)とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程を含むことを特徴とする請求項2または3記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  5. 上記強磁性体層は強磁性半導体であり、
    上記接合工程の後で、上記強磁性体層の上に、中間層と第2強磁性体層とをこの順で積層する後積層工程を含むことを特徴とする請求項2または3記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  6. 上記強磁性体層は強磁性半導体であり、
    上記接合工程の前に、上記強磁性体層の一方の面に、中間層と第2強磁性体層とをこの順で積層する前積層工程を含み、
    上記接合工程では、上記強磁性体層の他方の面に上記誘電体層を接合することを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  7. 少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、誘電体または強誘電体からなる誘電体層の1つの面上に配置されるように、上記第1強磁性体層および第2強磁性体層と上記誘電体層とを接合する接合工程と、
    上記第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に中間層を、当該中間層と第1強磁性体層と、および、当該中間層と第2強磁性体層とが互いに接合されるように形成する中間層形成工程とを含むことを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  8. 少なくとも1つが強磁性半導体である第1強磁性体層および第2強磁性体層が、中間層を介して接合されており、上記第1強磁性体層の磁化および上記第2強磁性体層の磁化に応じた電気抵抗変化を示す磁気抵抗素子において、
    上記第1強磁性体層、第2強磁性体層および中間層に、誘電体または強誘電体からなる誘電体層が接合されていることを特徴とする磁気抵抗素子。
  9. 上記中間層は、絶縁体であることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗素子。
  10. 上記中間層は、金属であることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗素子。
  11. 上記中間層は、半導体であることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗素子。
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