JP2007072284A - カラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルターの製造方法、及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物、(B)下記式(1)の構造を有するカルボン酸(b1)がビニルエーテル化合物(b2)により潜在化された多価カルボン酸誘導体、(C)ビニルエーテル系界面活性剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含有する、カラーフィルター用インクジェットインク。
(式中の6員環は芳香族又は脂環式の炭化水素、m1は0〜4の整数、t1は0〜1の整数、nは1〜4の整数。)
【選択図】なし
Description
一般にカラー液晶表示装置は、カラーフィルターとTFT基板等の電極基板とを対向させて1〜10μm程度の間隙部を設け、当該間隙部内に液晶化合物を充填し、その周囲をシール材で密封した構造をとっている。カラーフィルターは、透明基板上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマトリックス層と、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した画素部と、保護膜と、透明電極膜とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。また、カラーフィルター及びこれと対向する電極基板の内面側には配向膜が設けられる。さらに間隙部には、カラーフィルターと電極基板の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーが設けられる。スペーサーとしては一定粒子径を有するパールを分散したり、又は、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサーを、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリックス層が形成されている位置と重なり合う領域に形成する。そして、各色に着色された画素それぞれ又はカラーフィルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、特許文献1には、熱硬化性樹脂を含有する着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付け、加熱することにより画素部を形成することが記載されている。
着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合には、画素の端部が盛り上がる場合がある。このように平均膜厚よりも厚膜の部分が画素に生じる場合には、厚膜部分の画素が暗くなったり、クラックが生じやすくなるためITO成膜不良が起こって断線等を引き起こす等により、表示不良の問題が生じる。更に、液晶層のギャップが正確に取れなくなる等の問題が生じる。
また、本発明の第二の目的は、画素端部に厚膜部分が生じ難く、表示不良の問題が生じ難いカラーフィルターを得ることができるカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するカラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕である。
また、本発明のカラーフィルターの製造方法によれば、画素端部に厚膜部分が生じ難く、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることができる。また、インクジェット方式を用いた製造方法であるため、コストダウンや歩留まりの向上を実現可能である。更に、架橋密度が高く、耐熱性等に優れた着色硬化層を得ることができる。
また、本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、表示不良が低減されたカラーフィルターが得られる工程を用いることから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
1.カラーフィルター用インクジェットインク
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物、(B)下記式(1)の構造を有するカルボン酸(b1)がビニルエーテル化合物(b2)により潜在化された多価カルボン酸誘導体、(C)ビニルエーテル系界面活性剤、(D)顔料、(E)溶剤を含有する。
本発明によれば、ビニルエーテル系界面活性剤を用いることにより、膜表面全体に当該界面活性剤が拡散し、画素部全体において表面張力が適切なレベルまで下がり、更に表面からの溶剤の蒸発が均一化され、粘度の高低差が抑えられるため、乾燥過程における溶質の流れがなくなる又は緩和され、その結果、画素端部の盛り上がりが低減されると推定される。また、本発明によれば、ビニルエーテル系界面活性剤を用いることにより、電気特性や、画素上に形成されるオーバーコート層におけるリコート性に問題が生じないという利点を有する。
<バインダー系>
本発明においては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(A)と、多価カルボン酸誘導体(B)を必須成分とするバインダー系を用いる。このバインダー系は、カルボキシル基の反応点が高濃度でエポキシ基と共存するにもかかわらず保存安定性に優れるので、インクジェット方式の吐出ヘッドから吐出している最中に粘度上昇を生じにくく、安定的に吐出することができ、吐出方向の飛行曲がりや吐出ヘッドの目詰まりを生じにくい。
(A)1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物(以下、(A)成分又はエポキシ化合物(A)という。)は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。
エポキシ化合物(A)としては、炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーを少なくとも用いて重合されたエポキシ基含有重合体(A1)、エポキシ基を2個以上有するエポキシ基含有化合物(A2)を挙げることができる。
本発明に用いるエポキシ基含有重合体(A1)は、エポキシ基含有構成単位として、下記の式(2)〜(4)で表される構成単位を有するものが好ましい例として挙げられる。
前記式(2)〜(4)で表される構成単位は、それぞれ下記式(8)〜(10)で表されるモノマーから誘導される。
前記式(8)において、R14,及びR15として好ましいのは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、またp2として好ましいのは1〜3の整数である。式(8)で表されるモノマーとしては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、その中ではグリシジルメタクリレート(以下、GMA)が入手性の面等から好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれであっても良いことを意味する。
前記式(9)において、R16,及びR18として好ましいのは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R17として好ましいのは−CH2O−基であり、q2として好ましいのは1〜3の整数である。式(9)で表されるモノマーとしては、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルが入手性の面等から好ましい。
前記式(10)において、R19として好ましいのは、水素原子又はメチル基である。式(10)で表されるモノマーとしては3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートが硬度等の硬化層特性の面から好ましい。
また前記式(5)〜(7)で表される構成単位は、下記式(11)〜(13)で表されるモノマーから誘導される。
前記式(11)において、R21が主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基で表される場合、該脂環式炭化水素基は、付加的な構造、例えば環内二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
前記の式(12)において、R22としては好ましいのは水素又はメチル基であり、R23としては好ましいのはフェニル基である。式(12)で表されるモノマーとしては、具体的には、スチレンが他種モノマーとの共重合性、及び入手性の面等から好ましい。
前記式(13)において、R24としては好ましいのはシクロヘキシル基、及びフェニル基である。式(13)で表されるモノマーとしては、具体的には、N−シクロヘキシルマレイミド、及びN−フェニルマレイミドが硬度、耐熱性等の硬化層特性の面から好ましい。
本発明に用いるエポキシ基含有化合物(A2)は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクにおける多価カルボン酸誘導体(B)は、下記式(1)の構造を有するカルボン酸(b1)のカルボキシル基が下記式(14)で表されるビニルエーテル化合物(b2)(ビニル基及びエーテル基含有化合物)によって潜在化(以降、ブロック化ということがある。)された化合物である。
この反応の際に用いられるアルコール化合物としては、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、イソプロピルアルコール等の1価のアルコール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール等の2価のアルコール化合物;グリセリン、ペンタントリオール、へキサントリオール、シクロヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール化合物;ペンタエリスリトール等の4価のアルコール化合物が好ましい例として挙げられ、より好ましくはヘキサノール、イソプロピルアルコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
上記式(16)または(17)で表されるカルボン酸(b1)としては、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下、トリメリット酸)等の芳香族トリカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(以下、CHTA)などの脂環式トリカルボン酸;ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等の芳香族テトラカルボン酸;シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸が挙げられる。中でもトリメリット酸、CHTA、ピロメリット酸が架橋密度、および密着性の高い硬化層が得られることから、(b1)として好ましい。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクにおいて(b1)として用いることができるカルボン酸は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ基含有重合体(A1)、エポキシ基含有化合物(A2)、及び多価カルボン酸誘導体(B)の配合割合は、重量比ではエポキシ基含有重合体(A1)を10〜80重量部、エポキシ基含有化合物(A2)を10〜60重量部、及び多価カルボン酸誘導体(B)を10〜60重量部の割合で配合するのが好ましく、エポキシ基含有重合体(A1)を20〜60重量部、エポキシ基含有化合物(A2)を20〜50重量部、及び多価カルボン酸誘導体(B)を20〜50重量部の割合で配合するのがより好ましく、エポキシ基含有重合体(A1)を30〜40重量部、エポキシ基含有化合物(A2)を25〜35重量部、及び多価カルボン酸誘導体(B)を35〜45重量部の割合で配合するのがさらに好ましい。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、ビニルエーテル系界面活性剤(C)を必須成分として含む。ここで、ビニルエーテル系界面活性剤(C)とは、ビニルエーテルモノマーを用いて得られる重合体よりなる界面活性剤である。これを用いることにより膜表面全体に当該界面活性剤が拡散し、画素部全体において多価カルボン酸誘導体(B)と混和性が良好であることに起因して、表面張力が適切なレベルまで下がり、更に表面からの溶剤の蒸発が均一化され、粘度の高低差が抑えられるため、乾燥過程における溶質の流れがなくなる又は緩和され、その結果、画素端部の盛り上がりが低減されるといった予期せぬ効果が得られた。
ビニルエーテル系界面活性剤(C)に用いられるビニルエーテルモノマーとしては、式(18)で表されるアルキルビニルエーテルであることが好ましい。
なおここで、SP値とは、物質同士の相溶性、非相溶性を示す指標であり、混合される2つの物質間でSP値の差が小さければ相溶性、溶解性が大きく、易溶性となり、一方、その差が大きければ相溶性、溶解性が小さく、難溶性〜不溶性となる。
着色剤としての顔料(D)は、画素(画素部)のR、G、B等やブラックマトリックス層の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、カラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
カラーフィルターの基板上に、本発明のインクジェットインクを用いてブラックマトリックス層のパターンを形成する場合には、インクジェットインク中に遮光性の高い黒色顔料を配合する。遮光性の高い黒色顔料としては、例えば、カーボンブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、或いは、シアニンブラックなどの有機系着色剤を使用できる。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、当該インクを高濃度液又は直ちにヘッドから吐出できるように調製するために、溶剤(E)を配合する。
本発明のインクジェットインクは、沸点が180℃〜260℃、特に210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、特に0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を溶剤の全量に対して80重量%以上の割合で配合するのが好ましい。また、主溶剤の表面張力は、29mN/m以上であることが好ましい。
主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用いるのが望ましく、具体的には80重量%以上とし、できるだけ100重量%とするのが望ましい。
基板表面に濡れ性可変層を形成し露光することにより、基板上のインク層を形成したい部分に親インク性領域を形成し、当該親インク性領域に本発明のインクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させる場合には、主溶剤として、JIS K 6768:1999「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを選択して用いてもよい。
ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支えない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片としては、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。また、臨界表面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナイロンや親水化処理したガラス表面等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。
好ましいものとして例示した上記溶剤は、JIS K 6768:1999に規定するぬれ張力試験方法において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すという要求も満たしている。従って、これらの溶剤は、基板表面に濡れ性可変層を設けて露光し、露光部分と未露光部分の間の濡れ性の差を利用してインクジェットインクを選択的に付着させる場合にも、主溶剤として好適に用いることができる。
具体例として挙げた上記主溶剤の中では、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートは水酸基を有しておらず、また、液温が20℃の水100重量部に対する溶解性も6.5重量部と低い水混和性を示すので、特に好ましい。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、硬化層の硬度及び耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、エポキシ基含有重合体(A1)、エポキシ基含有化合物(A2)、及び、多価カルボン酸誘導体(B)の合計100重量部に対して、通常は0.01〜10.0重量部程度の割合で配合する。
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるために、硬化性樹脂組成物中に必要に応じて配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性等の界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。また、特殊アクリル系重合体などの分散補助樹脂を更に用いても良い。
すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
上記顔料分散剤の含有量は、固形分全体に対して10〜50重量%、更に固形分全体に対して15〜40重量%であることが好ましい。
前記のように、本発明に用いる(C)は、レベリング剤としての作用も有するが、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、本発明の効果が損なわれない限り、レベリング剤を添加しても良い。レベリング剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤、特殊アクリル系重合体などが挙げられる。
更に、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
b)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
c)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
d)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、各成分を単独溶剤又は混合溶剤である溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー系等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合することによって、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクとすることができる。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを用いて形成された硬化層は、カラーフィルターの細部に要求される透明性、硬度、耐熱性(加熱による膜減りや変色の程度など)、その他の諸特性に優れている。例えば、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを用いて、下記の硬度、耐熱性等を兼ね備えた硬化層を透明基板上に形成することができる。
a)硬度:JIS K 5600−5−4:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」において2H以上の鉛筆硬度を示す。
b)耐熱性:カラーフィルターを250℃で1時間放置後の硬化層の膜厚減少が10%以下で、且つ、当該放置前後の色差が1以下とすることができる。
c)耐溶剤性(耐薬品性):硬化層を設けたカラーフィルターをイソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン又はγ−ブチロラクトンいずれかの溶剤に液温40℃で1時間浸漬した後に硬化層の膜厚を測定して算出される膜厚減少を、いずれの溶剤に浸漬した場合でも10%以下とすることができる。
d)耐温純水性:硬化層を設けたカラーフィルターを80℃の純水に1時間浸漬後にJIS K5600−5−6:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」を行った結果を6点以上とすることができる。
本発明において作成される硬化層が優れた硬度、耐溶剤性及び耐温純水性を示すのは、硬化層の架橋密度が非常に高いことが多いに貢献しているものと推測される。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおいて画素やブラックマトリックス等、所定のパターンを有する膜を形成するのに特に好適に用いられる。カラーフィルターとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルターのいずれにも好適に用いることができる。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に上記本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクにR、G、B又はブラック等の所望の顔料を配合し、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させ、硬化させることによって、画素部や遮光層などの着色硬化層を形成することができる。
また、撥インク性凸部の形成において、撥インク性を付与するのに、プラズマ処理等の表面処理を用いても良い。表面処理としては、例えば、導入ガスにフッ素又はフッ素化合物を含んだガスを使用し、減圧雰囲気下や大気圧雰囲気下でプラズマ照射をする減圧プラズマ処理や大気圧プラズマ処理が挙げられる。フッ素系化合物及び酸素を含んだガス中でプラズマ処理を行なうと、有機材料においては上記反応と並行してフッ素系化合物が有機材料表面に入り込む現象が生ずる。特にフッ素系化合物が酸素よりも多い場合、例えば、フッ素系化合物及び酸素の総量に対するフッ素系化合物の含有量が60%以上に設定されているような、フッ素系化合物の量が過多のガス雰囲気下では、酸素による酸化反応よりもフッ素系化合物混入化現象の方が盛んになるため、混入化現象によって有機材料表面が非極性化され、撥インク性が付与される。
次に、図1(E)に示すように、各色のインク層6R、6G、6Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、加熱することにより硬化させる。特に、インク層の端部が乾燥後に盛り上がらないようにするための乾燥条件としては、通常のプリベーク段階の前に減圧乾燥工程を入れるようにすることが好ましい。例えば、10Torrで120秒間減圧乾燥後に、80℃のホットプレート上で10分間のプリベークを行うことが挙げられる。或いは、インク層の端部が乾燥後に盛り上がらないようにするための乾燥条件としては、通常のプリベーク条件(80℃程度)より低い温度条件で、10分間程度より長い時間乾燥することが好ましい。例えば、40℃〜60℃にて30分間〜60分間の乾燥工程を有することが挙げられる。インク層を加熱すると、インクジェットインク中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化する。
画素部の厚さは、光学特性等を考慮して、通常は0.5〜2.5μm程度とする。また、本発明のカラーフィルターにおいては、前記画素の膜厚の最高値、中でも前記画素の端部の膜厚の最高値が3.5μm以下、特に好ましくは3μm以下であることが好ましい。また、本発明のカラーフィルターにおいては、前記画素の膜厚の最高値、中でも前記画素の端部の膜厚の最高値と平均膜厚との差が1μm以下、特に好ましくは0.7μm以下であることが好ましい。このような場合には、厚膜部分の画素が暗くなったり、クラックが生じやすくなる等の問題が生じないため、表示不良が低減するからである。また、液晶層のギャップが正確に取れなくなる等の問題が生じないからである。なお、膜厚は、基板の基準面(平均高さを有する面)からの高さをいう。また、画素の平均膜厚は、画素内の塗膜体積を画素面積で割ることにより、算出することができる。更に、端部の膜厚の最高値とは、端部盛り上がり部位の中で膜厚が最も高い箇所における膜厚の値をいう。
このようにして、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを用いてカラーフィルター101が製造される。この例においては、本発明のインクを用いて画素部を形成するが、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを用いるインクジェット方式によれば、画素部以外にも遮光部2などを所望のパターン状に形成することができる。
また、本発明のカラーフィルターの製造方法においては、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、上記本発明のカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することが好ましい。親インク性の大きいインク層形成領域にインクを付着させると、インクの濡れ広がり性が向上し、色抜けや膜厚ムラをより効果的に防止でき、明るさや色むらが生じない画素を得ることができるからである。
このような濡れ性可変層を基板上に設ける場合には、主溶剤として、JIS K 6768:1999「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを用いて調製したインクを用いるのが好ましい。
次に、図2(B)に示すように、透明基板1の表面の少なくとも一部領域、特に、この例では、画素部形成領域を含む領域に、濡れ性可変層としての光触媒含有層9をベタ塗りのパターン(ソリッドパターン状)に形成する。
次に、図2(C)に示すように、光触媒含有層9にフォトマスク10を介して光線12を照射して露光を行い、画素部形成領域4R、4G、4Bの親インク性を増大させる。
この方法において用いる濡れ性可変層は、JIS K 6768:1999に規定するぬれ張力試験方法において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が、濡れ性を変化させる前においては20〜50mN/mを示し、且つ、濡れ性を変化させた後においては40〜120mN/m、好ましくは70〜110mN/mを示すものであることが好ましい。
フォトマスク10を用いて露光を行う場合は、隣接し合う画素部形成領域間の境界部に未露光部を確保しつつ、露光部11の幅を画素部形成領域4の幅よりも広くとるようにすることが好ましい。このようにすることにより、画素部形成領域4の隅々まで十分に露光され、親インク性が増大するので、画素部の色抜け等の不都合が生じ難くなる。光触媒含有層9は、フォトマスクを用いずとも、レーザー光線の走査によるフォトリソグラフィーなどの他の方法で所定のパターン状に露光してもよい。また、透明基板の裏面側(光触媒含有層9が設けられているのとは反対側)から露光を行うと、遮光部2がフォトマスクとして機能するので、フォトマスクが不要である。
親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層としては、例えば、a)図示した光触媒含有層9のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもののほか、b)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するもの、c)光触媒及び当該光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層であって、当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば透明基板等が露出するもの、或いは、d)光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば光触媒含有層等が露出するものなどを例示することができる。
なお、上記a)図示した光触媒含有層9のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもの、及びb)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するものについては、特開2001−350012号公報の段落番号149〜段落番号174記載のものを好適に用いることができる。
次に、図2(E)に示すように、各色のインク層6R、6G、6Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、加熱することにより硬化させ、さらに必要に応じて、ベークを行って各色の画素部7R、7G、7Bを形成する。特に、インク層の端部が乾燥後に盛り上がらないようにするための乾燥条件としては、図1を用いて説明した場合と同様に行うことが好ましい。インク層を加熱すると、組成中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化する。
他の例においては、このようにしてカラーフィルター102が製造される。この例においては、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクである画素部形成用インクを用いて画素部を形成するが、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを、基板表面の濡れ性の差を利用して親インク性領域だけに選択的に付着させることによって、遮光部2のような画素部以外の着色硬化層も所望のパターン状に形成することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記本発明のカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する。
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、上記本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを用い、より性能の良いカラーフィルターが得られる上記本発明のカラーフィルターの製造方法を用いた工程を有することから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
上記のようにして製造されたカラーフィルターと、液晶駆動側基板(TFTアレイ基板)を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール材により接合すると、両基板は所定距離のセルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の製造方法により製造される液晶表示装置に属する、アクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。
本発明の製造方法によって得られる液晶表示装置としては、上述したカラーフィルターを有するものであれば特に限定はされず、公知の液晶表示装置を挙げることができる。具体的には、IPS(In-Plane Switching)型、STN(Super Twisted Nematic)型、TN(Twisted Nematic)型、強誘電性型、反強誘電性型、MVAモード型等を挙げることができる。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を44重量部仕込み、攪拌しながら加熱して115℃に昇温した。次いで、115℃の温度で第1表に記載した組成のモノマー、重合開始剤、及び水酸基を含有しない上記溶剤BCAの混合物(滴下成分)56.0重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、115℃で2.5時間保持した後、125℃に昇温し、2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するエポキシ基含有重合体(A1)が得られた。
GMA:グリシジルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーヘキシルI:tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂(株)製商品名)
*2)性状:目視による外観を示す。
*3)140℃、60分熱風乾燥した時の加熱残分より算出した。
*4)エポキシ当量:過剰の0.2N・塩酸ジオキサン溶液でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を0.1N・KOHエタノール溶液にて逆滴定し、エポキシ当量を算出した。
*5)E型粘度計を用いて20℃で測定した。
*6)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、表2に示す配合割合に従って仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が3.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、表2記載の特性を有する多価カルボン酸誘導体(B)が得られた。
*2)ブロック化率:溶液の酸価より、固形分換算し算出した。
*3)ブロック酸固形分:仕込んだカルボン酸と当量のビニルエーテル化合物が反応して生成した多価カルボン酸誘導体の反応物中の割合
*4)溶液の酸当量:水・メタノール溶液にてブロック剤を解離後、酸価を測定した。酸価は、JIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」の加水分解酸価測定に準じて測定した。
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、置換に十分な量の窒素を導入して窒素雰囲気とした。次にモレキュラーシーブで乾燥したトルエン100重量部とBF3−エーテレート(BF3−etherate)0.10重量部を加えた。そして、内容物を30℃に昇温してから同温度に保った状態で、表3に記載した組成のビニルエーテル化合物100重量部を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後さらに50℃で1時間の反応を行った。反応終了後、25%アンモニア溶液0.5重量部と2度の蒸留を行った水50mlを反応混合物に添加し、得られた混合物を十分に撹拌した。次いで、分液ろう斗で水層を分離除去した。さらに、2度の蒸留を行った各100mlで2度の洗浄を行った後、トルエンと残存水を80℃×20kPaの条件で減圧留去することにより、表3に記載の特性を有する粘ちょう液体であるビニルエーテル系界面活性剤(C)を得た。
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン(株)製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
・バインダー組成
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記割合に従って前記製造例記載のエポキシ基含有重合体(A1)、エポキシ基含有化合物(A2)、前記製造例記載の多価カルボン酸誘導体(B)及び熱潜在性触媒を加え、室温で十分に攪拌溶解し、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。バインダー組成物の酸/エポキシ当量比は0.9であった。
[バインダー組成物の配合割合]
・製造例1のエポキシ基含有重合体(A1)(固形分37.6重量%):66.7重量部
・製造例3の多価カルボン酸誘導体(B)(固形分35.2重量%):49.7重量部
・エポキシ基含有化合物(A2)(商品名エピコート157S70、ジャパンエポキシレジン(株)製)(固形分27.2重量%):54.4重量部
・熱潜在性触媒(商品名LC−1、日本油脂製):3.6重量部
・BCA:75.6重量部
表4に示す配合割合で、上記調製したPB15:6顔料分散液、PV23顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合した後、表4に示す配合割合で界面活性剤を添加し、実施例1のカラーフィルター用インクジェットインクを得た。
実施例1と同様に顔料分散液、バインダー組成物を調製、混合した後、界面活性剤を添加した。配合割合を表4に示す。
(比較例1:カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
実施例1と同様に顔料分散液、バインダー組成物を調製、混合した。界面活性剤は添加しなかった。配合割合を表5に示す。
(比較例2〜4:カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
実施例1と同様に顔料分散液、バインダー組成物を調製、混合した後、各界面活性剤を添加した。配合割合を表5に示す。
1.塗膜端部の膜厚
基板上の塗膜形成部に、上記各インクジェットインクを用いて、インクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmとなる塗膜を形成した。
塗膜端部の膜厚の測定は、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ社、製品名Micromap557N)により行なった。端部の膜厚の最高値を示した。
上記各インクジェットインクを用いて、厚さ0.7mm、10cm角のクロム蒸着ガラス基板上にスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分間加熱後、200℃オーブン中で30分間加熱し、更に230℃オーブン中で30分間加熱して、硬化後の平均膜厚が1.8μmとなるように成膜した。
JIS K 6911に準拠し、(株)ダイアインスツルメンツ製、Hiresta−GP(MCP−HT450)を用いて、印加電圧10Vにて体積抵抗値を測定した。
上記体積抵抗値を測定した各インクジェットインクの塗膜上に、オーバーコート膜用組成物(ザ・インクテック(株)、製品名IT−MP3260)を塗布し、90℃のホットプレート上で3分間加熱後、光源として超高圧水銀灯を用いて365nm換算で35.5mW/cm2の照度にて3秒間光照射した。その後現像を行い、230℃オーブン中で30分間加熱し、硬化後の膜厚が1.8μmとなるように成膜した。その結果、はじき(オーバーコート膜がはじかれて膜厚が不均一になっている箇所)の有無を目視で確認した。はじきがない場合を○、はじきがあった場合を×で示した。
評価結果を各成分配合量と併せて、実施例1〜6については表4に、比較例1〜4については表5にそれぞれ示す。
*1)LHP−90:ビニルエーテル系界面活性剤(商品名LHP−90(ポリビニルイソブチルエーテルを含有、SP値8.38、固形分50重量%)、楠本化成(株))
*2)BYK−307:シリコン系界面活性剤(商品名;BYK−307(固形分100重量%)、ビッグケミージャパン(株))
*3)BYK−320:シリコン系界面活性剤(商品名;BYK−320(固形分52重量%)、ビッグケミージャパン(株))
*4)サーフィノール61:アセチレングリコール系界面活性剤(商品名;サーフィノール61(固形分100重量%)、日信化学工業(株))
*5)顔料分散液及びバインダー成分については固形分のみを記述した。これら成分中に含まれる溶剤は全て溶剤欄に計上した。
*6)界面活性剤の記載量には、溶剤も含まれる。
これに対し、界面活性剤を用いない比較例1や本発明に用いる界面活性剤とは異種の界面活性剤を用いる比較例3、4では端部膜厚が所望の範囲を超えていた。また、本発明に用いる界面活性剤とは異種の界面活性剤を用いる比較例2では体積抵抗、リコート性に劣る結果となった。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
表6に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、実施例1と同じバインダー組成物とBCAを充分に混合した。その後、表6に示される配合割合でビニルエーテル系界面活性剤(LHP−90)を添加し、実施例6のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
(比較例5:カラーフィルター用インクジェットインク(赤色)の調製)
実施例7で調製した顔料分散液と比較例1で調製したバインダー組成物を混合した。界面活性剤は添加しなかった。配合割合を表6に示す。
評価結果を各成分配合量と併せて、表6に示す。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
表7に示される配合割合で上記調製したPG36顔料分散液、PG7顔料分散液、PY138顔料分散液及びPY150顔料分散液、並びに、実施例1と同じバインダー組成物とBCAを充分に混合した。表7に示される配合割合でビニルエーテル系界面活性剤(LHP−90)を添加し、実施例7のカラーフィルター用インクジェットインク(緑色)を得た。
(比較例6:カラーフィルター用緑色インクジェットインクの調製)
実施例8で調製した顔料分散液と比較例1で調製したバインダー組成物を混合した。界面活性剤は添加しなかった。配合割合を表7に示す。
評価結果を各成分配合量と併せて、表7に示す。
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
カラーフィルター用インクジェットインク(青色)として、比較例1のカラーフィルター用インクジェットインク(青色)、カラーフィルター用インクジェットインク(緑色)として、比較例6のカラーフィルター用インクジェットインク(緑色)、カラーフィルター用インクジェットインク(赤色)として、比較例5のカラーフィルター用インクジェットインク(赤色)を用いた以外は、実施例9と同様にして基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmのRGB3色の画素パターンを形成し、同様にカラーフィルターを製造した。
2 遮光部
3 撥インキ性凸部
4 画素部形成領域
5 インクジェットヘッド
6 インク層
7 画素部
8 保護膜
9 光触媒含有層
10 フォトマスク
11 露光部
12 光線
101、102 カラーフィルター
Claims (6)
- 前記ビニルエーテル系界面活性剤(C)の含有量が、固形分全体に対して0.05〜1.25重量%である、請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記の溶剤(E)が、主溶剤として沸点が180〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有するものである、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 基板上の所定領域に請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含む、カラーフィルターの製造方法。
- 基板表面の所定領域の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する、請求項4に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 請求項4又は5に記載のカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
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