JP2007071584A - デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法及び装置 - Google Patents

デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の面内・面外変位を同時に計測することができる、位相シフトデジタルホログラフィを用いた変位計測方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】2光束を異なった方向から同じ入射角度で順番に変位前後の物体に投影し、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながらCCDカメラで撮影し、それぞれの入射光で変位によって生じた位相分布を求め、その位相分布の差を求めることで面内変位を表す位相分布を得て、和を求めることで面外変位を表す位相分布を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法及び装置に関し、特に物体の面内・面外変位を同時に計測することができる変位分布計測方法及び装置に関する。
光学的手法を用いた画像計測は、非接触で物体の形状や変形、応力、歪み等の計測を全視野で行うことができる手法であり、情報通信、医療等の種々の分野に利用することができる。物体表面の変位分布ないし変形分布を計測する方法として、位相シフトデジタルホログラフィを利用した計測方法が既知である(例えば、非特許文献1参照)。この位相シフトデジタルホログラフィを利用した計測方法では、物体の変位前後の干渉像をCCDカメラにより撮像し、物体表面の各部位の位相分布をデジタルデータとして計測している。従って、分布表面の変形量や変位量を高速で計測することができ、物体表面の微小変位量を高速で計測する必要のある種々の用途に適用することができる。物体の像を位相シフトデジタルホログラフィによりデジタルホログラムとして記録し、記録したデジタルホログラムから物体の変位分布ないし変形分布を位相情報として計測する変位分布計測方法は、例えば特許文献1に記載されている。
構造物の変位計測をおこなううえで、3次元変位を計測する技術が求められている。特許文献1に記載のような従来の位相シフトデジタルホログラフィを利用する計測方法では、計測物体に1方向から光を照射するために面外方向の変位しか計測することができないという問題があった。非特許文献2には、計測物体の3次元変位を求める方法が記載されている。しかしながらこの方法では、2光波の照射で3方向の変位を求めているために、面内方向の精度がよくないという問題があった。
特願2004−074444号明細書 実験力学論文集,Vol.3 No2「位相シフトデジタルホログラフィを用いた面外変位計測」,2003年6月 大瀧博貴、坂上賢一、隆雅久「位相シフトデジタルイメージプレーンホログラフィ干渉法による変位計測、日本実験力学会2005年度次講演会、No.5、130−135(2005)
上述したことを鑑み、本発明は、物体の面内・面外変位を同時に計測することができる、位相シフトデジタルホログラフィを用いた変位計測方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明による変位分布計測方法は、 第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、所定の入射角で第1の方向から光を照射した物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第1デジタルホログラムを作成する工程と、
前記第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射した物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第2デジタルホログラムを作成する工程と、
前記第1の状態から変形又は変位した第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第1の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第1デジタルホログラムを作成する工程と、
前記第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第2の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第2デジタルホログラムを作成する工程と、
前記第1の状態における第1デジタルホログラムと、前記第2の状態における第1デジタルホログラムから、第1の位相分布を得る工程と、
前記第1の状態における第2デジタルホログラムと、前記第2の状態における第2デジタルホログラムから、第2の位相分布を得る工程と、
前記第1及び第2位相分布の差を求め、面内変位を表す位相分布を得る工程と、
前記第2及び第2位相分布の和を求め、面外変位を表す位相分布を得る工程とを具えることを特徴とする。
本発明による変位分布計測装置は、
参照光を発生し、位相シフトさせる参照光発生手段と、
物体に第1の方向から所定の入射角で光を照射する第1光照射手段と、
前記物体に前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射する第2光照射手段と、
前記参照光と前記物体を撮影する2次元撮像手段とを具え、
前記撮像手段は、
第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、所定の入射角で第1の方向から光を照射した物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第1デジタルホログラムを作成し、
前記第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射した物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第2デジタルホログラムを作成し、
前記第1の状態から変形又は変位した第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第1の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第1デジタルホログラムを作成し、
前記第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第2の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第2デジタルホログラムを作成するように構成され、
該変位分布計測装置は、前記第1の状態における第1デジタルホログラムと前記第2の状態における第1デジタルホログラムから第1の位相分布を得て、前記第1の状態における第2デジタルホログラムと前記第2の状態における第2デジタルホログラムから第2の位相分布を得て、前記第1及び第2位相分布の差を求め、面内変位を表す位相分布を得て、前記第2及び第2位相分布の和を求め、面外変位を表す位相分布を得る手段をさらに具えることを特徴とする。
本発明によれば、位相シフトデジタルホログラフィを用いた変位計測で、面外変位と面内変位が同時に計測できる。この手法を応用することで物体の3次元変位を計測することができる。
まず、位相シフトデジタルホログラフィの原理について説明する。図1は、位相シフトデジタルホログラフィの記録再生光学系の構成の一例を示す線図である。位相シフトデジタルホログラフィは、CCDに物体光と参照光を同軸で入射させるon−axisの光学系を用いる。記録再生光学系1は、レーザ光線を発生するレーザ光源2と、レーザ光源2が発生したレーザ光の特定の空間周波数成分のみを通過させる空間フィルタ4と、空間フィルタ4を通過したレーザ光を平行にするコリメータレンズ6と、コリメータレンズ6によって平行にされたレーザ光を2方向に分割するビームスプリッタ8と、ビームスプリッタ8によって分割されたレーザ光の一方の一部のみを通過させる絞り10と、絞り10を通過したレーザ光を減光させる減光フィルタ12と、減光フィルタ12によって減光されたレーザ光を位相シフトさせながら反射するミラー付きPZTステージ14と、CCDカメラ16とを具える。ビームスプリッタ8によって分割されたレーザ光の他方は、計測対象の物体に反射され、ビームスプリッタ8を通過して物体光としてCCDカメラ14に入射する。ミラー付きPZTステージ14によって反射されたレーザ光は、再度減光フィルタ12と絞り10を通過し、ビームスプリッタ8によってCCDカメラ16の方に反射され、参照光としてCCDカメラ16に入射する。
CCD面上の座標を(X,Y)とするとき、CCDで記録される干渉縞I(X,Y,α)は、
と表すことができる。ここでa(X,Y)、a(X,Y)はそれぞれ物体光と参照光の振幅分布である。またΦ(X,Y)、Φ(X,Y)はそれぞれ物体光と参照光の位相分布である。αはミラー付きPZTステージでシフトさせる参照光の位相シフト量で、それぞれ0、π/2、π、3π/2である。αの値を0、π/2、π、3π/2でとシフトさせた4枚のデジタルホログラムI(X,Y)、I(X,Y)、I(X,Y)、I(X,Y)はそれぞれ、
となる。位相シフトデジタルホログラフィでは、式(2)〜式(5)を位相シフト法の計算式
に代入して計算をおこない、CCD面における物体光の複素振幅分布を求める。ここで、参照光に平行光を用いるため、CCD面における参照光の振幅分布と位相分布は一定で定数とすることができる。したがって、位相シフト法により求めたCCD面における複素振幅分布g(X,Y)は
となり、CCD面における物体光のみの複素振幅分布を求めることができる。
再生面上の座標を(x,y)とするとき、CCD面における物体光のみの複素振幅分布を物体の置かれている再生面まで
で表せるフレネル回折積分により、元の物体の複素振幅分布u(x,y)を求める。図2は、回折現象の概念を示す線図である。ここで、Rは記録面と再生面の距離、kは波数、f[]はフーリエ変換を表す演算子である。この再生面の複素振幅分布の強度をもとめることで再生像を得ることができる。
次に、本発明による、内面・外面変位同時計測の原理について説明する。2光束を用いて変位を計測する。図3は、光源と物体と観測面の位置関係を示す線図である。光源L、Lから物体に平行光を照射し、観測点Oから物体上の点Q、およびその変位後の点Q’を観測している。なお、ここではxz平面内について考える。ここで、点Qの変位ベクトルdは、光源から物体までの距離LQ、LQに比べ十分に小さいため、線分LQとLQ’、LQとLQ’はそれぞれ互いに平行であるとみなせる。同様に、線分QOとQ’Oも平行とみなせる。物体から光源1、物体から光源2、物体から観測点の単位ベクトルをそれぞれi、i、iとすると、2つの光路LQOとLQ’O、LQOとLQ’Oの差Δl、Δl
となる。物体には平行光を照射しているため、物体から観測点の単位ベクトルiのx方向成分は0、z方向成分は1となる。また、光源L、Lから物体への入射角をそれぞれθ、−θとすると、物体から光源1、物体から光源2の単位ベクトルi、iのそれぞれの方向成分は
となる。光路差Δl、Δlと、光源L、Lによって生じる位相変化Δφ、Δφの関係は波長λを用いると
となる。変位ベクトルdのx方向成分をd、x方向成分をdとすると、式(10)〜式(16)より
となる。式(17)と式(18)の差と和をとると
となり、面外変位と面内変位の変位量をそれぞれ求めることができる。
本発明の変位分布計測装置の一実施例について説明する。図4は、本発明による変位分布計測装置の一実施例の構成を示す線図である。変位分布計測装置20は、レーザ光源22と、空間フィルタ24と、コリメータレンズ26と、ビームスプリッタ28と、しぼり30と、ハーフミラー32と、減光フィルタ34と、ミラー付きPZTステージ36と、ミラー38と、ガラス基板40と、CCDカメラ42と、ビームスプリッタ44と、減光フィルタ46と、シャッタ48と、ミラー50と、しぼり52と、シャッタ54と、ミラー56と、しぼり58とを具える。
レーザ光源22は、例えば出力8mW、波長632.8nmのHe−Neレーザであってもよく、レーザ光源22が放射したレーザ光を、空間フィルタ24とコリメータレンズ26を用いて平行光にする。このようにして平行にされたレーザ光を、ビームスプリッタ28によって物体60に照射する光と参照光にわける。参照光側の光は、しぼり30によって光束の径を調節され、ハーフミラー32及び減光フィルタ34を通過した後、ミラー付きPZTステージ36によって位相をシフトしながら反射される。反射した光は、ガラス基板40によって反射し、CCDカメラ42に取り込まれる。他方において、物体60に照射する側の光を、ビームスプリッタ44によって2つに分ける。ビームスプリッタ44によって反射した光は透過した光に比べて強度が高いので、減光フィルタ46を通すことで物体60に照射する光の強度を同程度にしている。物体60に照射する2つの光は、各々シャッタ48及び54によって遮断されることができる。物体60に照射する2つの光は、ミラー50及び56によって各々CCDカメラ42に向けて反射される。CCDカメラ42と物体60の距離によって、再生できる範囲が限られるために、物体60に照射する2つの光の径は、しぼり52及び58によって各々調節される。物体60にシャッタ48及び54を交互に切り替えて片側ずつ光を照射し、物体60からの反射光を、ガラス基板40を通してCCDカメラ42に取り込む。ガラス基板40は、例えば反射率5%で透過率95%のものを用いているために物体からの反射光を効率よくCCDカメラ42で取り込むことができる。また、参照光はガラス基板40の表で反射してCCDカメラ42に入るが、ガラス基板40の裏面で反射する成分もある。裏面で反射する成分がCCDカメラ42に入らないようにするために、ガラス基板40の厚みを十分厚くすることが必要である。
CCDカメラに入る参照光の径が大きすぎると、ガラス基板の表面と裏面で反射する光が同時にCCDカメラに入り、物体が重なって2つ再生される。再生像が重なると、変位を表す位相分布も重なっているので全く使うことのできないデータになってしまう。そこで、参照光をしぼりによってCCDカメラの受光素子と同程度の光束にすることで、ガラス基板の表面で反射するものと裏面で反射するものを分離することが望ましい。また、位相シフトデジタルホログラフィは、CCDカメラと物体の距離によって再生される範囲が決まっている。再生される範囲より広範囲に光を照射すると、再生範囲外の部分はコンピュータ上の計算で再生範囲内に折り返して再生される。そのため、しぼりによって撮影範囲以外にマスクをかけることが望ましい。
変位分布計測装置20による面内・面外変位同時計測について説明する。変位前の位相シフトした干渉縞を各方向からの光それぞれについて記録する。変位を与えた後、変位後の位相シフトした干渉縞を各方向からの光それぞれについて記録する。図5aは左から照射した光によって得られた変位前の強度分布を示す画像であり、図5bは位相分布を示す画像である。図6aは右から照射した光によって得られた変位前の強度分布を示す画像であり、図6bは位相分布を示す画像である。図7aは左から照射した光によって得られた変位後の強度分布を示す画像であり、図7bは位相分布を示す画像である。図8aは右から照射した光によって得られた変位後の強度分布を示す画像であり、図8bは位相分布を示す画像である。
図5と図7の位相分布の差をとり、図6と図8の位相分布の差をとる。図9aはこのようにして得られた左から照射した光から得られた位相差分布を示す画像であり、図9bは右から照射した光から得られた位相差分布を示す画像である。図9に示した位相差分布同士の和と差をとり、閾値処理をおこなう。図10aはこのようにして和から得られた位相分布を示す画像であり、図10bは差から得られた位相分布を示す画像である。このとき得た位相分布はそれぞれ面外変位と面内変位を表す位相分布となる。得られた位相分布の1ラインの位相値から変位量をそれぞれ計算する。図11は、このようにして得られたそれぞれの変位分布を示すグラフである。縦軸はμmにおける変位量、横軸はmmにおける測定物体であるはりの長さを示す。黒い点は面外変位、灰色の点は面内変位を示す。
位相シフトデジタルホログラフィの記録再生光学系の構成の一例を示す線図である。 回折現象の概念を示す線図である。 光源と物体と観測面の位置関係を示す線図である。 本発明による変位分布計測装置の一実施例の構成を示す線図である。 aは左から照射した光によって得られた変位前の強度分布を示す画像であり、bは位相分布を示す画像である。 aは右から照射した光によって得られた変位前の強度分布を示す画像であり、bは位相分布を示す画像である。 aは左から照射した光によって得られた変位後の強度分布を示す画像であり、bは位相分布を示す画像である。 aは右から照射した光によって得られた変位後の強度分布を示す画像であり、bは位相分布を示す画像である。 aは左から照射した光から得られた位相差分布を示す画像であり、bは右から照射した光から得られた位相差分布を示す画像である。 aは和から得られた位相分布を示す画像であり、bは差から得られた位相分布を示す画像である。 面外変位と面内変位の変位分布を示すグラフである。
符号の説明
1 記録再生光学系
2、22 レーザ光源
4、24 空間フィルタ
6、26 コリメータレンズ
8、28、44 ビームスプリッタ
10 絞り
12、46 減光フィルタ
14、36 ミラー付きPZTステージ
16、42 CCDカメラ
20 変位分布計測装置
30、52、58 しぼり
32 ハーフミラー
34 減光フィルタ
38、50、56 ミラー
40 ガラス基板
48、54 シャッタ

Claims (7)

  1. 物体の像を位相シフトデジタルホログラフィによりデジタルホログラムとして記録し、記録したデジタルホログラムから物体の変位分布ないし変形分布を位相情報として計測する変位分布計測方法において、
    第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、所定の入射角で第1の方向から光を照射した物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第1デジタルホログラムを作成する工程と、
    前記第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射した物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第2デジタルホログラムを作成する工程と、
    前記第1の状態から変形又は変位した第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第1の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第1デジタルホログラムを作成する工程と、
    前記第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら前記第2の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を2次元撮像装置により撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第2デジタルホログラムを作成する工程と、
    前記第1の状態における第1デジタルホログラムと、前記第2の状態における第1デジタルホログラムから、第1の位相分布を得る工程と、
    前記第1の状態における第2デジタルホログラムと、前記第2の状態における第2デジタルホログラムから、第2の位相分布を得る工程と、
    前記第1及び第2位相分布の差を求め、面内変位を表す位相分布を得る工程と、
    前記第2及び第2位相分布の和を求め、面外変位を表す位相分布を得る工程とを具えることを特徴とする変位分布計測方法。
  2. 請求項1に記載の変位分布計測方法において、前記参照光の径のサイズは、前記撮像装置の撮像素子のサイズと実質的に同じであることを特徴とする変位分布計測方法。
  3. 請求項1又は2に記載の変位分布計測方法において、前記物体に照射される光の範囲は、前記2次元撮像装置が撮像する範囲と実質的に同じであることを特徴とする変位分布計測方法。
  4. 物体の像を位相シフトデジタルホログラフィによりデジタルホログラムとして記録し、記録したデジタルホログラムから物体の変位分布ないし変形分布を位相情報として計測する変位分布計測装置において、
    参照光を発生し、位相シフトさせる参照光発生手段と、
    物体に第1の方向から所定の入射角で光を照射する第1光照射手段と、
    前記第1の方向からの光を遮る第1シャッタと、
    前記物体に前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射する第2光照射手段と、
    前記第2の方向からの光を遮る第2シャッタと、
    前記参照光と前記物体を撮影する2次元撮像手段とを具え、
    前記撮像手段は、
    第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、前記第1シャッタを開くと共に前記第2シャッタを閉じて、所定の入射角で第1の方向から光を照射した物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第1デジタルホログラムを作成し、
    前記第1の状態において、参照光の位相を所定量だけ順次シフトさせながら、前記第1シャッタを閉じると共に前記第2シャッタを開いて、前記第1の方向とは異なる第2の方向から同じ入射角で光を照射した物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第1の状態における第2デジタルホログラムを作成し、
    前記第1の状態から変形又は変位した第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら、前記第1シャッタを開くと共に前記第2シャッタを閉じて、前記第1の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第1デジタルホログラムを作成し、
    前記第2の状態において、参照光の位相を所定量だけシフトさせながら、前記第1シャッタを閉じると共に前記第2シャッタを開いて、前記第2の方向から前記所定の入射角で光を照射した前記物体の像を撮像し、干渉縞をデジタルデータとして記録して第2の状態における第2デジタルホログラムを作成するように構成され、
    該変位分布計測装置は、前記第1の状態における第1デジタルホログラムと前記第2の状態における第1デジタルホログラムから第1の位相分布を得て、前記第1の状態における第2デジタルホログラムと前記第2の状態における第2デジタルホログラムから第2の位相分布を得て、前記第1及び第2位相分布の差を求め、面内変位を表す位相分布を得て、前記第2及び第2位相分布の和を求め、面外変位を表す位相分布を得る手段をさらに具えることを特徴とする変位分布計測装置。
  5. 請求項4に記載の変位分布計測装置において、前記参照光発生手段は、前記参照光の径のサイズを前記撮像手段の撮像素子のサイズと実質的に同じにする手段を具えることを特徴とする変位分布計測装置。
  6. 請求項4又は5に記載の変位分布計測装置において、前記第1及び第2光照射手段は、前記撮像手段手段の撮像範囲と実質的に同じ範囲の光を照射することを特徴とする変位分布計測装置。
  7. 請求項4、5又は6に記載の変位分布計測装置において、参照光発生手段は、参照光を前記二次元撮像手段に導く手段の一部として、前記二次元撮像手段の手前に斜めに配置された所定の厚さを有するガラス板を具え、前記厚さは、前記ガラス板の裏面で反射する参照光の成分が前記二次元撮像手段に実質的に入射しない厚さであることを特徴とする変位分布計測装置。
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