JP2007071336A - トルクリミッタ装置及びトルクリミッタ内蔵型モータ並びにワイパ装置 - Google Patents

トルクリミッタ装置及びトルクリミッタ内蔵型モータ並びにワイパ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 出力側に作用した外力の入力側への伝達を抑制した後に入力側と共に出力側を再起動させる場合でも、この出力側の再起動が迅速に行われるようにする。
【解決手段】 トルクリミッタ装置40は、回転軸周りに回転可能に配置された入力回転部材44と、回転軸周りに回転可能且つ入力回転部材44と回転軸方向に対向するように配置された出力回転部材46と、モータ本体12から入力回転部材44に作用した回転力を出力回転部材46に伝達する動力伝達機構と、を備えている。この動力伝達機構は、出力回転部材46に作用した外力を吸収するためのスプリング48と、この外力をスプリング48に伝達してスプリング48を弾性変形させる第一突起部60及び第二突起部70と、を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トルクリミッタ装置及びトルクリミッタ内蔵型モータ並びにワイパ装置に係り、特に、出力側に外力が付与されたときに入力側への外力の伝達を抑制するトルクリミッタ装置及びトルクリミッタ内蔵型モータ並びにこのトルクリミッタ内蔵型モータを用いたワイパ装置に関する。
従来から、例えば、車両用ワイパ装置では、モータの回動によってリンク機構を作動させ、このリンク機構の作動によりワイパアームを揺動させている。このとき、ワイパアームの雪溜りへの衝突やワイパアームへの落雪等の衝撃によってワイパアームに瞬間的に過大な外力が付与された場合の対策としては、リンク機構を撓ませるようにしたり、リンク機構とモータとの間に緩衝機構を配備したりすることが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の例では、雪等の障害が存在しワイパアームの通常の下反転位置への移動が阻害されてワイパアームに抵抗力が作用すると、切替えレバーへのワイパモータの駆動力の付与に伴って、切替えレバーと駆動レバーとがスプリングの付勢力に抗して相対移動するようになっている。そして、これにより、切替えレバーを介して駆動レバーへ伝達される回動力が吸収され、駆動レバーに連結されたワイパアームが障害物存在位置で移動を停止するようになっている。
しかしながら、従来の如く、リンク機構を撓ませるようにしたり、リンク機構とモータとの間に緩衝機構を配備したりする構成では、リンク機構のたわみの設定や、リンク機構とモータとの間に配備した緩衝機構の設計など、ワイパアームに瞬間的に過大な外力が付与された場合の対策が車両毎に異なる。このため、車両が変わると、ワイパアームに瞬間的に過大な外力が付与された場合の対策を変更する必要があり、これらを共通で用いることができなかった。
そこで、車両が変わってもワイパアームに瞬間的に過大な外力が付与された場合の対策を共通に用いることができる構成としては次のものがある(例えば、特許文献2参照)。例えば、特許文献2に記載の例では、モータ部によって回転する出力ギアと、出力軸を有する伝達盤とがクラッチ機構を介して連結されている。そして、ワイパブレードが往復運動している際に、ワイパブレードを阻止する大きな外力が作動した場合には、クラッチ機構が解除状態となって出力軸及び伝達盤が出力ギアからの動力を受けないようになっている。
このように、特許文献2に記載の例では、ワイパモータの出力軸に緩衝機構を配備しているので、ワイパアームに瞬間的に過大な外力が付与された場合の対策、すなわち、リンク機構のたわみの設定や、リンク機構とモータとの間に配備した緩衝機構等の設計を車両毎に行う必要がない。
特開平4−328061号公報 特開平4−44502号公報
しかしながら、従来の如く、ワイパモータの出力軸に緩衝機構としてクラッチ機構を配備したものでは、ワイパアームに外力が作用すると、クラッチ機構が切断されることによって動力が遮断される。このため、クラッチ機構が再び接続されるまでワイアパアームによってガラス面を払拭することができなかった。従って、ワイパモータの出力軸に緩衝機構としてクラッチ機構を配備したこの種のワイパモータは、視界を迅速に確保することが要求されるフロントワイパ用ではなく、主としてリアワイパ用として用いられていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、出力側に作用した外力の入力側への伝達を抑制した後に入力側と共に出力側を再起動させる場合でも、この出力側の再起動を迅速に行うことが可能なトルクリミッタ装置及びトルクリミッタ内蔵型モータを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、フロントワイパ用として好適に用いることが可能なワイパ装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のトルクリミッタ装置は、回転軸周りに回転可能に配置された第一回転部材と、回転軸周りに回転可能且つ前記第一回転部材と回転軸方向に対向するように配置された第二回転部材と、駆動源から前記第一回転部材及び前記第二回転部材のうち入力側の回転部材に作用した回転力を出力側の回転部材に伝達する動力伝達機構と、を備え、前記動力伝達機構は、前記第一回転部材及び前記第二回転部材のうち出力側の回転部材に入力側の回転部材の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに前記外力を吸収するための弾性部材と、前記出力側の回転部材に前記入力側の回転部材の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに該外力を前記弾性部材に伝達して前記弾性部材を弾性変形させる外力伝達部と、を備えることを特徴とする。
このように、請求項1に記載のトルクリミッタ装置には、駆動源から第一回転部材及び第二回転部材のうち入力側の回転部材に作用した回転力を出力側の回転部材に伝達する動力伝達機構が備えられている。従って、駆動源から第一回転部材及び第二回転部材のうち入力側の回転部材に回転力が作用した場合には、この回転力が動力伝達機構によって伝達されて第一回転部材及び第二回転部材のうち出力側の回転部材が入力側の回転部材と共に回転する。
一方、第一回転部材及び第二回転部材のうち出力側の回転部材が入力側の回転部材と共に回転しているとき、又は出力側の回転部材及び入力側の回転部材が停止しているときに、出力側の回転部材に回転方向と反対方向に外力が作用した場合には、この外力が外力伝達部によって弾性部材に伝達される。そして、このときの外力が弾性部材の弾性力を超えると、弾性部材が弾性変形することにより外力が吸収され、これにより、出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達が抑制される(つまり入力側の回転部材の逆回転又は回転阻止が防止される)。
また、出力側の回転部材に作用していた外力が解除されたときには、弾性部材が復元して動力伝達機構が初期の動力伝達可能な状態に復帰する。従って、出力側の回転部材に作用していた外力が解除された後に入力側の回転部材の回転を開始した場合には、この入力側の回転部材の回転力が動力伝達機構を介して出力側の回転部材に伝達されて出力側の回転部材が迅速に回転を開始する。
このように、請求項1に記載のトルクリミッタ装置では、出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達を抑制した後に入力側の回転部材と共に出力側の回転部材を再起動させる場合でも、入力側の回転部材の起動と出力側の回転部材の起動との間にタイムラグは生じず、出力側の回転部材の再起動を迅速に行うことが可能である。
このとき、請求項2に記載のトルクリミッタ装置のように、上記トルクリミッタ装置は、より具体的には次のように構成される。すなわち、外力伝達部は、第一回転部材の回転中心軸よりも径方向外側に形成された第一突起部と、第二回転部材の回転中心軸よりも径方向外側に形成された第二突起部と、を有して構成され、弾性部材は、一端側が第一突起部の回転方向一方側に当接されると共に他端側が第二突起部の回転方向他端側に当接されて回転方向に押圧力を発揮するように構成される。
この構成によれば、駆動源から例えば第一回転部材に回転力が作用し第一回転部材が入力側の回転部材として一方の回転方向に回転した場合には、第一回転部材に形成された第一突起部の回転方向一方側が弾性部材の一端側を押圧し、この弾性部材の他端側が第二突起部の回転方向他端側を押圧することにより第二回転部材が出力側の回転部材として一方の回転方向へ回転する。
一方、第二回転部材が上述の如く第一回転部材と共に回転しているとき、又は第一回転部材及び第二回転部材が停止しているときに、第二回転部材に上記回転方向と反対方向(他方の回転方向)に外力が作用した場合には、第二突起部の回転方向他方側によって弾性部材の他端側が押圧される。そして、このときの外力が弾性部材の弾性力を超えると、弾性部材が圧縮変形することにより外力が吸収され、これによって第二回転部材に作用した外力の第一回転部材への伝達が抑制される(つまり第一回転部材の逆回転又は回転阻止が防止される)。
また、第二回転部材に作用していた外力が解除されたときには、弾性部材が復元して第一突起部と第二突起部とが初期位置に復帰する。従って、第二回転部材に作用していた外力が解除された後に第一回転部材の回転を開始した場合には、この第一回転部材の回転力が第一突起部、弾性部材及び第二突起部を介して第二回転部材に伝達されて第二回転部材が迅速に回転を開始する。
なお、上記説明では、便宜上、第一回転部材を入力側の回転部材とし、第二回転部材を出力側の回転部材としたが、第一回転部材が出力側の回転部材とされ、第二回転部材が入力側の回転部材とされた場合でも、上記と同様の作用効果を奏することは勿論である。
このように、請求項2に記載のトルクリミッタ装置では、出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達を抑制した後に入力側の回転部材と共に出力側の回転部材を再起動させる場合でも、入力側の回転部材の起動と出力側の回転部材の起動との間にタイムラグは生じず、出力側の回転部材の再起動を迅速に行うことが可能である。
ここで、請求項3に記載のトルクリミッタ装置のように、第一突起部と第二突起部とが、互いに回転軸方向に重なる位置に形成され、弾性部材の一端側が、第一突起部の回転方向一方側に当接されると共に第二突起部の回転方向一方側に当接され、弾性部材の他端側が、第一突起部の回転方向他方側に当接されると共に第二突起部の回転方向他方側に当接されていると、第一回転部材及び第二回転部材のうち入力側の回転部材の双方向への回転に追従して出力側の回転部材を双方向へ回転させることができる。また、出力側の回転部材のいずれの回転方向に作用した外力についても入力側の回転部材への伝達を抑制できる(つまり入力側の回転部材の逆回転又は回転阻止を防止できる)。
なお、請求項4に記載のトルクリミッタ装置のように、上記トルクリミッタ装置は、次のように構成されていても良い。すなわち、第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方は、回転軸方向に移動可能に配置され、外力伝達部は、第一回転部材の第二回転部材側面の回転中心軸よりも径方向外側に形成されると共に回転方向先端側から後端側に向かうに従って第二回転部材側へ傾斜する第一傾斜部と、第二回転部材の第一回転部材側面に第一傾斜部と対向して形成されると共に該第一傾斜部と当接する傾斜を有する第二傾斜部と、を有して構成され、弾性部材は、第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方を互いに近づく方向に付勢するように構成されていても良い。
この構成によれば、弾性部材によって第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方が互いに近づく方向に付勢されることにより第一傾斜部が第二傾斜部に押圧当接されるので、駆動源から例えば第一回転部材に回転力が作用し第一回転部材が入力側の回転部材として一方の回転方向に回転した場合には、この第一傾斜部と第二傾斜部の摩擦により第二回転部材が出力側の回転部材として一方の回転方向へ回転する。
一方、第二回転部材が上述の如く第一回転部材と共に回転しているとき、又は第一回転部材及び第二回転部材が停止しているときに、第二回転部材に上記回転方向と反対方向(他方の回転方向)に外力が作用した場合には、第二傾斜部が第一傾斜部上を移動することにより第一回転部材及び第二回転部材に互いに離れる方向に分力が働き、このときの分力が弾性部材の弾性力を超えると、弾性部材の弾性力に抗して第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方が互いに離れる方向に移動する。
そして、第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方が移動することにより弾性部材が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって第二回転部材に作用した外力の第一回転部材への伝達が抑制される(つまり第一回転部材の逆回転又は回転阻止が防止される)。
また、第二回転部材に作用していた外力が解除されたときには、弾性部材が復元して第一回転部材及び第二回転部材が互いに近づく方向に付勢されることにより第一傾斜部及び第二傾斜部が初期位置に復帰して第一傾斜部と第二傾斜部とが押圧当接する。従って、第二回転部材に作用していた外力が解除された後に第一回転部材の回転を開始した場合には、この第一回転部材の回転力が第一傾斜部及び第二傾斜部を介して第二回転部材に伝達されて第二回転部材が迅速に回転を開始する。
なお、上記説明では、便宜上、第一回転部材を入力側の回転部材とし、第二回転部材を出力側の回転部材としたが、第一回転部材が出力側の回転部材とされ、第二回転部材が入力側の回転部材とされた場合でも、上記と同様の作用効果を奏することは勿論である。
このように、請求項4に記載のトルクリミッタ装置では、出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達を抑制した後に入力側の回転部材と共に出力側の回転部材を再起動させる場合でも、入力側の回転部材の起動と出力側の回転部材の起動との間にタイムラグは生じず、出力側の回転部材の再起動を迅速に行うことが可能である。
ここで、請求項5に記載のトルクリミッタ装置のように、第一回転部材に、該第一回転部材の双方向の回転に対して第一傾斜部がそれぞれ形成され、第二回転部材に、各第一傾斜部と対向するように第二傾斜部がそれぞれ形成されていると、第一回転部材の双方向への回転に追従して第二回転部材を双方向へ回転させることができる。また、第二回転部材のいずれの回転方向に作用した外力についても第一回転部材への伝達を抑制できる(つまり入力側の回転部材の逆回転又は回転阻止を防止できる)。
また、請求項6に記載のトルクリミッタ装置のように、上記トルクリミッタ装置は、次のように構成されていても良い。すなわち、外力伝達部は、第一回転部材の第二回転部材側面の回転中心軸よりも径方向外側に形成されると共に回転方向先端側から後端側に向かうに従って第二回転部材側へ傾斜する第一傾斜面が形成された係合凹部と、回転軸周りに移動可能又は回転軸方向に移動可能且つ係合凹部と回転軸方向に対向するように配置されて第一傾斜面と当接する傾斜を有する第二傾斜面が形成された係合凸部と、を有して構成され、弾性部材は、第二回転部材に固定されると共に係合凸部を該係合凸部の移動可能な方向へ付勢するように構成されていても良い。
この構成によれば、弾性部材によって係合凸部が付勢されることにより係合凸部の第二傾斜面が係合凹部の第一傾斜面に押圧当接されるので、駆動源から例えば第一回転部材に回転力が作用し第一回転部材が入力側の回転部材として一方の回転方向に回転した場合には、この係合凹部の第一傾斜面と係合凸部の第二傾斜面との摩擦により第二回転部材が出力側の回転部材として一方の回転方向へ回転する。
一方、第二回転部材が上述の如く第一回転部材と共に回転しているとき、又は第一回転部材及び第二回転部材が停止しているときに、第二回転部材に上記回転方向と反対方向(他方の回転方向)に外力が作用した場合には、第二傾斜面が第一傾斜面上を移動することにより係合凸部に移動可能な方向に分力が働き、このときの分力が弾性部材の弾性力を超えると、弾性部材の弾性力に抗して係合凸部が移動可能な方向に移動する。
そして、係合凸部が移動可能な方向に移動することにより弾性部材が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって第二回転部材に作用した外力の第一回転部材への伝達が抑制される(つまり第一回転部材の逆回転又は回転阻止が防止される)。
また、第二回転部材に作用していた外力が解除されたときには、弾性部材が復元して係合凸部が初期位置に復帰することにより係合凸部の第二傾斜面が係合凹部の第一傾斜面に押圧当接される。従って、第二回転部材に作用していた外力が解除された後に第一回転部材の回転を開始した場合には、この第一回転部材の回転力が係合凹部の第一傾斜面、係合凸部の第二傾斜面及び弾性部材を介して第二回転部材に伝達されて第二回転部材が迅速に回転を開始する。
なお、上記説明では、便宜上、第一回転部材を入力側の回転部材とし、第二回転部材を出力側の回転部材としたが、第一回転部材が出力側の回転部材とされ、第二回転部材が入力側の回転部材とされた場合でも、上記と同様の作用効果を奏することは勿論である。
このように、請求項6に記載のトルクリミッタ装置では、出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達を抑制した後に入力側の回転部材と共に出力側の回転部材を再起動させる場合でも、入力側の回転部材の起動と出力側の回転部材の起動との間にタイムラグは生じず、出力側の回転部材の再起動を迅速に行うことが可能である。
ここで、請求項7に記載のトルクリミッタ装置のように、係合凹部に、第一回転部材の双方向の回転に対して第一傾斜面がそれぞれ形成され、係合凸部に、各第一傾斜面と対向するように第二傾斜面がそれぞれ形成されていると、第一回転部材の双方向への回転に追従して第二回転部材を双方向へ回転させることができる。また、第二回転部材のいずれの回転方向に作用した外力についても第一回転部材への伝達を抑制できる。
さらに、請求項8に記載のトルクリミッタ装置のように、第一回転部材と第二回転部材との回転方向の相対的な角度のずれを検出するずれ検出手段を備えると、第一回転部材と第二回転部材との間に回転方向の相対的な角度のずれが生じたときには、ずれ検出手段によって第一回転部材と第二回転部材との間に生じた回転方向の相対的な角度のずれを検出できる。
このとき、ずれ検出手段から制御手段にずれ検出信号を出力して制御手段によって駆動源の停止又は逆回転等を行うようにすれば、第一回転部材と第二回転部材との間に生じた回転方向の相対的な角度のずれの拡大が防止されるか又はずれを減少させることができる。これにより、第一回転部材及び第二回転部材のうち出力側の回転部材に作用した外力の入力側の回転部材への伝達を抑制する効果を高めることができる。
そして、請求項9に記載のトルクリミッタ内蔵型モータのように、回転シャフトを有して構成されたモータ本体と、回転シャフトの回転力を出力軸に伝達可能な動力伝達装置と、を備えたモータにおいて、動力伝達装置に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のトルクリミッタ装置が備えられていると好適である。
つまり、請求項9に記載のトルクリミッタ内蔵型モータでは、回転シャフトの回転力を出力軸に伝達可能な動力伝達装置に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のトルクリミッタ装置が備えられているので、出力軸に外力(回転阻止力)が作用した場合でも、この外力を弾性部材によって吸収させることにより外力が動力伝達装置内の減速機構等に伝達されることを抑制することが可能である(つまり減速機構等の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる)。
また、出力軸に作用していた外力が解除されたときには、弾性部材が復元して動力伝達装置が初期の動力伝達可能な状態に復帰する。従って、出力軸に作用していた外力が解除された後にモータ本体の回転を開始した場合には、このモータ本体の回転力が動力伝達装置を介して出力軸に伝達されて出力軸が迅速に回転を開始する。
このように、請求項9に記載のトルクリミッタ内蔵型モータでは、出力軸に作用した外力の動力伝達装置内の減速機構等への伝達を抑制した後にモータ本体と共に出力軸を再起動させる場合でも、モータ本体の起動と出力軸の起動との間にタイムラグは生じず、出力軸の再起動を迅速に行うことが可能である。
さらに、トルクリミッタ装置を請求項3、請求項5、請求項7に記載の如く双方向回転可能な構成にすれば、モータ本体の双方向への回転(正逆回転)に追従して出力軸を双方向へ回転(正逆回転)させることができる。また、出力軸のいずれの回転方向に作用した外力についても動力伝達装置内の減速機構等への伝達を抑制できる。
このとき、請求項10に記載のトルクリミッタ内蔵型モータのように、トルクリミッタ装置に備えられた第一回転部材及び第二回転部材のうち出力側の回転部材に、出力軸が同軸上に延設されていると、出力軸の回転軸線とトルクリミッタ装置の回転軸線とが一致するので、出力軸の双方向に作用する外力が動力伝達装置内の減速機構等へ伝達されることを抑制するための構造が容易となる。
さらに、請求項11に記載のワイパ装置のように、ワイパモータに、請求項9又は請求項10に記載のトルクリミッタ内蔵型モータを適用し、該トルクリミッタ内蔵型モータの出力軸に間接的又は直接的にワイパを連結し、該ワイパが往復駆動されるようにすると好適である。
つまり、請求項11に記載のワイパ装置では、ワイパモータに、請求項9又は請求項10に記載のトルクリミッタ内蔵型モータを適用しているので、例えばワイパが払拭面上の障害物に衝突するなどしてワイパに外力(回転阻止力)が作用した場合でも、この外力が弾性部材によって吸収されるので、外力がワイパモータ内の減速機構等へ伝達されることを抑制することが可能である(つまり減速機構等の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる)。
また、払拭面上の障害物が排除される等によりワイパに作用していた外力が解除されたときには、弾性部材の復元力によりワイパが所定の位置に自己復帰する。また、弾性部材が復元することによりワイパモータの動力伝達装置が初期の動力伝達可能な状態に復帰する。従って、ワイパに作用していた外力が解除された後にワイパモータの回転を開始した場合には、このワイパモータに備えられたモータ本体の回転力が動力伝達装置及び出力軸を介してワイパに伝達されてワイパが迅速に駆動を開始する(なお、本発明のトルクリミッタ装置の代わり動力遮断式のクラッチ装置を用いた場合にはクラッチが接続するまでワイパの駆動を開始できない)。
このように、請求項11に記載のワイパ装置では、ワイパに作用した外力の動力伝達装置内の減速機構等への伝達を抑制した後にワイパモータと共にワイパを再起動させる場合でも、ワイパモータの起動とワイパの起動との間にタイムラグは生じず、ワイパの再起動を迅速に行うことが可能である。従って、請求項11に記載のワイパ装置は、視界を迅速に確保することが要求されるフロントワイパ用として好適に用いることができる。
さらに、ワイパモータ内のトルクリミッタ装置を請求項3、請求項5、請求項7に記載の如く双方向回転可能な構成にすれば、ワイパモータの双方向への回転(正逆回転)に追従してワイパを双方向へ駆動(正逆駆動)させることができる。また、ワイパのいずれ駆動方向に作用した外力についてもワイパモータに備えられた動力伝達装置内の減速機構等への伝達を抑制できる(つまり減速機構等の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる)。
また、請求項12に記載のワイパ装置のように、ワイパを少なくとも一対備えると共に、各ワイパに対してトルクリミッタ内蔵型モータを一つずつ備えるようにすると好適である。
つまり、払拭面上の障害物に衝突するなどしてワイパのいずれかに外力(回転阻止力)が作用し、この外力を弾性部材によって吸収することによりワイパが障害物存在位置で停止した場合でも、本発明のワイパ装置では、上述の如く、払拭面上の障害物が排除される等によりワイパに作用していた外力が解除されたときには、弾性部材の復元力によりワイパが所定の位置に自己復帰する。従って、その後に各ワイパを再起動させる場合でも、各ワイパの同期を確保することができる(つまり各ワイパの角度にずれが生じることを防止できる)。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
[第一実施形態]
はじめに、図1乃至図8を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。
本発明の第一実施形態に係るワイパモータ10は、後に詳述するように、ワイパ装置80(図5参照)のワイパ82を揺動させるための駆動源として好適に用いられるものである。本実施形態に係るワイパモータ10は、図1に示されるように、モータ本体12と、動力伝達装置14と、を主要な構成として備えている。
モータ本体12は、例えばブラシ付き直流モータで構成されている。モータ本体12には、モータハウジング16が備えられており、このモータハウジング16の内周面には、マグネット18が設けられている。また、このマグネット18の径方向内側には、アーマチャ20が収容されている。アーマチャ20には、回転シャフト22が設けられており、この回転シャフト22は、モータハウジング16に設けられた軸受部材24及びギアハウジング42に設けられた軸受部材25によって両端側を回転可能に支持されている。
また、アーマチャ20の回転シャフト22には、コア26及びコンミテータ28が設けられている。コア26には、複数の巻線30が巻回されており、各巻線30は、コンミテータ28に接続されている。さらに、このコンミテータ28には、一対のブラシ32が摺接されている。そして、モータ本体12では、ブラシ32に外部電源から電源が供給されると、コンミテータ28を介して各巻線30に電流が流れ、各巻線30に生じる磁界とマグネット18に生じる磁界とが吸引又は反発することによりアーマチャ20全体が回転する。このとき、ブラシ32に供給する電源の極性を切替えれば、アーマチャ20が逆方向へ回転する。
動力伝達装置14は、図1乃至図4に示されるように、回転シャフト22の回転力をピボット軸34に伝達するためのものであり、回転シャフト22に形成されたウォーム36と、ウォーム36と噛合されるウォームホイール38と、トルクリミッタ装置40と、ギアハウジング42と、を有して構成されている。
また、トルクリミッタ装置40は、図2乃至図4に示されるように、出力側に外力が付与されたときに入力側への外力の伝達を抑制するものであり、入力回転部材44(第一回転部材)と、出力回転部材46(第二回転部材)と、スプリング48(弾性部材)と、ずれ検出部50(ずれ検出手段)と、を有して構成されている。
入力回転部材44には、円板状の入力回転部材本体部52が設けられており、この入力回転部材本体部52の中央部には、回転軸方向に貫通する貫通穴54が形成されている。そして、入力回転部材44は、入力回転部材本体部52の貫通穴54に後述する出力回転部材46に形成された支持部66が挿通されることにより、出力回転部材46に対して回転軸周りに回転可能となっている。
また、入力回転部材本体部52の周縁部には、出力回転部材46側へ回転軸方向に沿って延出する円環状部56が形成されている。この円環状部56の外周面には、ウォームホイール38が形成されており、円環状部56の径方向内側は、スプリング48を収容するための収容部58とされている。この収容部58の開口は、後述する出力回転部材本体部62によって塞がれている。また、入力回転部材本体部52の出力回転部材46側面における回転中心軸よりも径方向外側には、出力回転部材46側へ回転軸方向に突出する第一突起部60が形成されている。
一方、出力回転部材46には、円板状の出力回転部材本体部62が設けられている。この出力回転部材本体部62の入力回転部材44と反対側面の中央部には、凸部64が形成されている。そして、出力回転部材46は、出力回転部材本体部62の凸部64にギアハウジング42の図示しない凹部が挿通されることにより、ギアハウジング42に対して回転軸周りに回転可能となっている。また、入力回転部材44と出力回転部材46とは、回転軸方向に対向するように配置されている。
出力回転部材46の入力回転部材44側面の中央部には、入力回転部材44側へ回転軸方向に延出する支持部66が形成されており、この支持部66には、さらにピボット軸34が同軸上に延出されている。そして、ピボット軸34は、入力回転部材44の貫通穴54を貫通して入力回転部材44の上方へ延出している。
また、出力回転部材本体部62の入力回転部材44側面における回転中心軸よりも径方向外側には、入力回転部材44側へ回転軸方向に突出する第二突起部70が形成されている。この第二突起部70は、第一突起部60と互いに回転軸方向に重なる位置に形成されている。なお、この第一突起部60及び第二突起部70は径方向に突出していても良い。
スプリング48は、後に詳述するように、入力回転部材44に回転力が作用したときにはこの回転力を出力回転部材46に伝達する一方で、出力回転部材46に入力回転部材44の回転方向と反対方向へ外力が作用したときには該外力を吸収するものである。このスプリング48は、入力回転部材本体部52に形成された収容部58に収容されている。また、スプリング48の両端には、導電性の板体72がそれぞれ設けられている。
そして、スプリング48が上述のように収容部58に収容された状態では、図2に示されるように、スプリング48の一端側は、第一突起部60の回転方向一方側面に当接されると共に第二突起部70の回転方向一方側面に当接され、スプリング48の他端側は、第一突起部60の回転方向他方側面に当接されると共に第二突起部70の回転方向他方側面に当接されている。このスプリング48は、第一突起部60及び第二突起部70に対し回転方向に押圧力を発揮する。
この構成により、入力回転部材44に回転力が作用しておらず且つ出力回転部材46に外力が作用していない状態では、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じずに、第一突起部60と第二突起部70とが回転軸方向に一致するようになっている。
また、このように、第一突起部60及び第二突起部70の回転方向両側をスプリング48で押圧することにより、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれを機械的に制限する構成となっている。なお、スプリング48の代わりに板バネを回転方向に曲げてC字状にしたものを用いて回転方向に押圧力を発揮するようにしても良い。
ずれ検出部50は、図4に示されるように、第一突起部60にインサートされた導体74と、第二突起部70の両側面に設けられた導体76と、スプリング48の両端に設けられた導電性の板体72とにより構成されており、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれを検出するものである。
第一突起部60にインサートされた導体74の長手方向両端部は、第一突起部60の側面に露出しており、第二突起部70の両側面に設けられた各導体76は、信号伝達部材77を介して制御装置86(図6参照)に接続される。また、スプリング48の一端に設けられた板体72は、第一突起部60にインサートされた導体74の長手方向一端側と第二突起部70の一方に設けられた導体76とに接触可能な形状及び大きさで構成されており、スプリング48の他端に設けられた板体72は、第一突起部60にインサートされた導体74の長手方向他端側と第二突起部70の他方に設けられた導体76とに接触可能な形状及び大きさで構成されている。
そして、図4(a)に示されるように、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていない状態では、スプリング48の一端に設けられた板体72が、第一突起部60にインサートされた導体74の長手方向一端側と第二突起部70の一方に設けられた導体76とに接触すると共に、スプリング48の他端に設けられた板体72が、第一突起部60にインサートされた導体74の長手方向他端側と第二突起部70の他方に設けられた導体76とに接触するようになっている。
このように、本発明の第一実施形態に係るワイパモータ10は、回転シャフト22の回転力をピボット軸34に伝達するための動力伝達装置14に、トルクリミッタ装置40が内蔵されたトルクリミッタ内蔵型モータとなっている。
なお、上記構成において、モータ本体12から入力回転部材44に作用した回転力を出力回転部材46に伝達する動力伝達機構は、スプリング48(弾性部材)と、第一突起部60及び第二突起部70(外力伝達部)とによって構成されている。また、出力回転部材46に入力回転部材44の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに該外力をスプリング48に伝達してスプリング48を弾性変形させる外力伝達部は、第一突起部60及び第二突起部70によって構成されている。
次に、図5,図6を参照しながら、本発明の第一実施形態に係るワイパモータ10をワイパ装置80に適用した例について説明する。
本実施形態に係るワイパ装置80は、例えば、乗用自動車等の車両にフロントワイパ用として好適に搭載することができるものであり、図5に示されるように、一対のワイパ82を有すると共に各ワイパ82に上記ワイパモータ10を一つずつ備えた構成となっている。各ワイパ82は、ワイパモータ10のピボット軸34に直接的に連結されており、相対向する方向に揺動するようになっている。また、各ワイパ82は、Aピラー84側の上反転位置をパーキング位置としている。
また、本実施形態に係るワイパ装置80において、制御装置86には、図6に示されるように、運転席周辺に設けられたワイパスイッチ88、各ワイパモータ10に設けられたずれ検出部50及び反転位置検出スイッチ90が接続されている。
ワイパスイッチ88は、ワイパスイッチ88の操作に応じて制御装置86に操作信号を出力し、ずれ検出部50は、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じているときに制御装置86にずれ検出信号を出力する。さらに、各ワイパモータ10に設けられた反転位置検出スイッチ90は、各ワイパ82が上反転位置と下反転位置とに達したときに反転位置検出信号を出力する。
さらに、制御装置86には、各ワイパモータ10のモータ本体12が接続されており、各ワイパモータ10のモータ本体12は、制御装置86によって独立して制御されるようになっている。なお、制御装置86の詳細な動作については以下に説明する。
次に、図7を適宜参照しながら、本発明の第一実施形態に係るワイパモータ10を用いたワイパ装置80の動作について説明する。
制御装置86は、ワイパスイッチ88が操作されることにより出力された操作信号を検出すると、各ワイパモータ10に電源を供給してワイパモータ10を回転させる(ステップS1)。各ワイパモータ10では、電源供給を受けると、モータ本体12が作動して回転シャフト22と共にウォーム36が回転する。なお、本実施形態のワイパ装置80は、各ワイパ82を相対向する方向に揺動させる構成であるため、各ワイパモータ10の回転方向は互いに異なる方向となっている。
そして、一方(車両右側)のワイパモータ10においては、回転シャフト22と共にウォーム36が正方向に回転すると、図2(a)に示されるように、ウォーム36に噛合されているウォームホイール38と共に、入力回転部材44が一方の回転方向(R1方向)に回転する。これにより、入力回転部材44に形成された第一突起部60の回転方向一方側面がスプリング48の一端側を押圧するので、このスプリング48の他端側が第二突起部70の回転方向他端側面を押圧することにより出力回転部材46と共にピボット軸34が一方の回転方向(R1方向)へ回転する。これにより、ピボット軸34の回転に伴って車両右側のワイパ82が上反転位置から下反転位置に向けて駆動する。
また、他方(車両左側)のワイパモータ10においては、回転シャフト22と共にウォーム36が逆方向に回転すると、図2(a)に示されるように、ウォーム36に噛合されているウォームホイール38と共に、入力回転部材44が他方の回転方向(R2方向)に回転する。これにより、入力回転部材44に形成された第一突起部60の回転方向他方側面がスプリング48の他端側を押圧するので、このスプリング48の一端側が第二突起部70の回転方向一端側面を押圧することにより出力回転部材46と共にピボット軸34が他方の回転方向(R2方向)へ回転する。これにより、ピボット軸34の回転に伴って車両左側のワイパ82が上反転位置から下反転位置に向けて駆動する。
そして、制御装置86は、各ワイパモータ10に設けられたずれ検出部50からのずれ検出信号を検出することにより、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていないか否かをチェックする(ステップS2)。
このとき、各ワイパモータ10において、図4(a)に示されるように、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていない状態では、第二突起部70の一方に設けられた導体76からの電流がスプリング48の一端に設けられた板体72を介して第一突起部60にインサートされた導体74に流れ、この導体74に流れた電流はスプリング48の他端に設けられた板体72を介して第二突起部70の他方に設けられた導体76に流れる。
従って、制御装置86において導体74,76及び板体72からなる導通経路に導通があることが検出される(つまりずれ検出信号は検出されない)ので、この場合には、制御装置86において入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていないと判断される(ステップS2:NO)。
そして、この場合には、各ワイパモータ10に設けられた反転位置検出スイッチ90からの反転位置検出信号に基づいて各ワイパ82が下反転位置に達したか否かを判断する(ステップS3)。このとき、ステップS3において各ワイパモータ10に設けられた反転位置検出スイッチ90からの反転位置検出信号が検出されるまで上記ステップS2〜ステップS3の処理を繰り返し行う。
そして、ステップS3において各ワイパモータ10に設けられた反転位置検出スイッチ90からの反転位置検出信号が検出された場合(ステップS3:YES)には、各ワイパモータ10を逆回転させる(ステップS4)。これにより、各ワイパ82が下反転位置から上反転位置に向けて駆動する。
続いて、制御装置86は、ワイパスイッチ88が操作されてワイパスイッチ88から制御装置86に停止信号が出力されたか否かを判断する(ステップS5)。そして、停止信号が出力されていないと判断した場合には、再び、各ワイパモータ10に設けられたずれ検出部50からのずれ検出信号を検出することにより、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていないか否かをチェックする(ステップS2)。以後、ワイパスイッチ88が操作されてワイパスイッチ88から制御装置86に停止信号が出力されるまで上記ステップS2〜ステップS5の処理を繰り返し行う。
一方、上記ステップS2〜ステップS5の処理を繰り返し行う中で、例えば、図5に示されるように、ワイパ82が下反転位置から上反転位置に向けて駆動しているときに、ワイパ82とAピラー84との間に雪溜り92(障害物)が挟み込まれた場合、図2(b)に示されるように、雪溜り92を挟み込んだ側(車両右側)のワイパモータ10においては雪溜り92によりピボット軸34を介して出力回転部材46に回転方向と反対方向(R1方向)に外力が作用する。
また、このようにして出力回転部材46に回転方向と反対方向(R1方向)に外力が作用すると、第二突起部70の回転方向一方側面によってスプリング48の一端側が押圧される。そして、このときの外力がスプリング48の弾性力を超えると、スプリング48が圧縮変形して外力が吸収され、これによって出力回転部材46に作用した外力の入力回転部材44への伝達が抑制される。これにより、外力が動力伝達装置14内のウォーム36及びウォームホイール38等に伝達されることが抑制される。
また、上述のように、雪溜り92を挟み込んだ側のワイパモータ10において、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じている状態では、図4(b)に示されるように、導体74,76及び板体72からなる導通経路が切断される。従って、この場合には、制御装置86において導体74,76及び板体72からなる導通経路に導通があることが検出されない(つまりずれ検出信号は検出される)ので、制御装置86において入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じていると判断される(ステップS2:YES)。そして、この場合には、制御装置86は、各ワイパモータ10への電源供給を停止し、各ワイパモータ10を停止させる(ステップS6)。
なお、このようにして各ワイパモータ10が停止された状態では、図5に示されるように、雪溜り92を挟み込んでいない側(車両左側)のワイパ82は、上反転位置(パーキング位置)P1で停止した状態を維持する。また、雪溜り92を挟み込んだ側(車両右側)のワイパ82は、本来は上反転位置(パーキング位置)P1で停止するが雪溜り92による外力をスプリング48が吸収することにより障害物存在位置P2に後退した状態で停止している。
そして、この状態から、例えば、重力や車両走行に伴う振動等により雪溜り92が落下して雪溜り92の挟み込みが解消された場合には、ワイパ82に作用していた外力が解除される。このときには、スプリング48の復元力によりワイパ82が上反転位置(パーキング位置)P1に自己復帰する。
また、スプリング48が復元してワイパモータ10の動力伝達装置14が初期の動力伝達可能な状態に復帰する。すなわち、スプリング48が復元して第一突起部60と第二突起部70とが初期位置に復帰する。従って、ワイパ82に作用していた外力が解除された後にワイパモータ10の上反転位置から下反転位置への駆動を開始した場合でも、このワイパモータ10に備えられたモータ本体12の回転力が動力伝達装置14及びピボット軸34を介してワイパ82に伝達されてワイパ82が迅速に駆動を開始する(なお、本発明のトルクリミッタ装置40の代わり動力遮断式のクラッチ装置を用いた場合にはクラッチが接続するまでワイパ82の駆動を開始できない)。
さらに、本実施形態では、上述の如く、ワイパ82に作用していた外力が解除されたときにはスプリング48の復元力によりワイパ82が所定の位置に自己復帰するので、上述の如く、その後に各ワイパ82を再起動させる場合でも、各ワイパ82の同期が確保される(つまり各ワイパ82の角度にずれが生じることが防止される)。
なお、本実施形態では、車両右側のワイパ82に雪溜り92によって外力が作用する例について説明したが、車両左側のワイパ82に雪溜り92によって外力が作用する場合にも、同様に外力の入力回転部材44への伝達が抑制される。
つまり、車両左側のワイパ82が下反転位置から上反転位置に向けて駆動しているときに、ワイパ82とAピラー84との間に雪溜り(障害物)が挟み込まれた場合、この雪溜りによりピボット軸34を介して出力回転部材46に回転方向と反対方向(R2方向)に外力が作用する。そして、このようにして出力回転部材46に回転方向と反対方向に外力が作用すると、第二突起部70の回転方向他方側面によってスプリング48の他端側が押圧される。このとき外力がスプリング48の弾性力を超えると、スプリング48が圧縮変形して外力が吸収され、これによって出力回転部材46に作用した外力の入力回転部材44への伝達が抑制される。
次に、本発明の第一実施形態に係るワイパモータ10を用いたワイパ装置80の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、ワイパモータ10にトルクリミッタ装置40が内蔵されているので、例えば、上述のように、ワイパ82とAピラー84との間に雪溜り92(障害物)が挟み込まれるなどしてワイパ82に外力(回転阻止力)が作用した場合でも、この外力がスプリング48によって吸収される。これにより、外力がワイパモータ10内のウォーム36及びウォームホイール38等へ伝達されることを抑制することができるので、ウォーム36及びウォームホイール38の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる。
また、本実施形態では、ワイパ82に作用していた外力が解除された後にワイパモータ10の回転を開始した場合には、入力回転部材44の回転力が第一突起部60、スプリング48及び第二突起部70を介して出力回転部材46に伝達されてワイパ82が迅速に駆動を開始する。このように、本実施形態では、ワイパ82に作用した外力の動力伝達装置14内の減速機構等への伝達を抑制した後にワイパモータ10と共にワイパ82を再起動させる場合でも、ワイパモータ10の起動とワイパ82の起動との間にタイムラグは生じず、ワイパ82の再起動を迅速に行うことが可能である。従って、フロントガラス94の視界を迅速に確保することができる。
さらに、本実施形態では、ワイパモータ10が上述の如く双方向回転可能な構成となっているので、ワイパモータ10の双方向への回転(正逆回転)に追従してワイパ82を双方向へ駆動(正逆駆動)させることができる。また、ワイパ82に対しいずれの駆動方向に作用した外力についてもワイパモータ10に備えられたウォーム36及びウォームホイール38への伝達を抑制できる。
また、本実施形態では、ワイパ82とAピラー84との間に雪溜り92(障害物)が挟み込まれるなどしてワイパ82が障害物存在位置P2で停止した場合でも、本実施形態では、上述の如く、例えば、重力や車両走行に伴う振動等により雪溜り92が落下して雪溜り92の挟み込みが解消されたときには、スプリング48の復元力によりワイパ82が上反転位置(パーキング位置)P1に自己復帰する。従って、その後に各ワイパ82を再起動させる場合でも、各ワイパ82の同期を確保することができる(つまり各ワイパ82の角度にずれが生じることを防止できる)。
また、本実施形態では、ずれ検出部50から制御装置86にずれ検出信号が出力された場合には、制御装置86によってワイパモータ10を停止するので、入力回転部材44と出力回転部材46との間に生じた回転方向の相対的な角度のずれの拡大を防止することができる。これにより、出力回転部材46に作用した外力の入力回転部材44への伝達を抑制する効果を高めることができる。
また、本実施形態のように、ワイパモータ10にトルクリミッタ装置40を内蔵することにより、ワイパ82の形式によらずに瞬間的な外力に対する機械的強度の保証をすることができる。特に、ワイパモータ10の出力軸をピボット軸34としてこのピボット軸34に直接的にワイパ82を連結しても瞬間的な外力に対する機械的強度の保証をすることができる。
また、本実施形態のワイパモータ10のように、トルクリミッタ装置40に備えられた出力回転部材46に、ピボット軸34が同軸上に延設されていると、ピボット軸34の回転軸線とトルクリミッタ装置40の回転軸線とが一致するので、本実施形態のようにピボット軸34の双方向に作用する外力が動力伝達装置14内の減速機構等へ伝達されることを抑制するための構造が容易となる。
また、本実施形態のトルクリミッタ装置40では、スプリング48が中立状態(非圧縮状態)にあるときに入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度が一致するようになっているので、スプリング48の永久変形を防止できる。
次に、本発明の第一実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態のワイパ装置80では、図5に示されるように、各ワイパ82が相対向する方向に揺動するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、例えば、図8に示されるように、各ワイパ82が同一方向に揺動するようになっていても良い。このように、各ワイパ82が同一方向に揺動する構成においても、本実施形態のワイパモータ10によれば、例えばワイパ82への落雪等によりワイパ82を介して出力回転部材46に作用した外力が入力回転部材44へ伝達されることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、ワイパモータ10の出力軸がピボット軸34とされ、このピボット軸34に直接的にワイパ82が連結されていたが、ワイパモータ10の出力軸にピボット軸34を有するリンク機構が連結され、このリンク機構のピボット軸34にワイパ82が連結されていても良い。
また、上記実施形態では、ずれ検出部50から制御装置86にずれ検出信号が出力された場合には、制御装置86によってワイパモータ10の停止するようにしていたが逆回転させても良い。このように、制御装置86によってワイパモータ10の逆回転を行うようにした場合には、入力回転部材44と出力回転部材46との間に生じた回転方向の相対的な角度のずれを減少させることができる。これにより、出力回転部材46に作用した外力の入力回転部材44への伝達を抑制する効果を高めることができる。
また、上記実施形態では、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じた段階で各ワイパモータ10を停止させていたが、入力回転部材44と出力回転部材46との回転方向の相対的な角度のずれが生じた状態(スプリング48によって外力を吸収した状態)で各ワイパ82の駆動を継続して行うようにしても良い。この場合には、ワイパ82から外力が解除された段階で各ワイパ82の角度が一致する。
[第二実施形態]
次に、図9乃至図11を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係るワイパモータ100(図1参照)は、上記第一実施形態に係るワイパモータ10のトルクリミッタ装置40の代わりにトルクリミッタ装置140を用いたものである。従って、以下、本発明の第二実施形態において、トルクリミッタ装置140以外の構成については上記第一実施形態と同一符号を用いることとしてその説明を省略する。
本発明の第二実施形態に係るトルクリミッタ装置140は、図9乃至図11に示されるように、出力側に外力が付与されたときに入力側への外力の伝達を抑制するものであり、入力回転部材144(第一回転部材)と、出力回転部材146(第二回転部材)と、支持部材147と、スプリング148(弾性部材)と、を有して構成されている。
入力回転部材144には、円板状の入力回転部材本体部152が設けられており、この入力回転部材本体部152の中央部には、回転軸方向に貫通する貫通穴154が形成されている。そして、入力回転部材144は、入力回転部材本体部152の貫通穴154に支持部材147に形成された支持部166が挿通されることにより、支持部材147及び出力回転部材146に対して回転軸周りに回転可能且つ回転軸方向に移動可能となっている。
また、入力回転部材本体部152の外周面には、ウォーム36と噛合されるウォームホイール38が形成されている。入力回転部材本体部152の出力回転部材146側面における回転中心軸よりも径方向外側には、回転方向に沿って形成されると共に出力回転部材146側へ回転軸方向に突出する山型の係合凸部160が一対形成されている。この係合凸部160においては、頂上部を挟んだ回転方向両側の傾斜部分が第一傾斜部160aとして形成されている。
一方、出力回転部材146には、円板状の出力回転部材本体部162が設けられている。この出力回転部材本体部162の入力回転部材144側面の中央部には、入力回転部材144側へ回転軸方向に延出すると共に延出端側にストッパ165を有する軸部164が形成されている。
そして、出力回転部材146は、支持部材147の支持部166の先端にストッパ165が当接するまで支持部166の先端凹部167に軸部164の先端が挿入されることにより、支持部材147に対して回転可能且つ回転軸方向に移動不能とされている。また、入力回転部材144と出力回転部材146とは、回転軸方向に対向するように配置されている。なお、入力回転部材144を回転軸方向に移動不能とし出力回転部材146を回転軸方向に移動可能としても良い。また、入力回転部材144及び出力回転部材146の両方を回転軸方向に移動可能としても良い。
出力回転部材146の入力回転部材144と反対側面の中央部には、入力回転部材144と反対側へ向けてピボット軸34が同軸上に延出されている。また、出力回転部材本体部162の入力回転部材144側面における回転中心軸よりも径方向外側には、回転方向に沿ってV字谷型の係合凹部170が一対形成されている。この係合凹部170においては、谷底部を挟んだ回転方向両側の傾斜部分が第二傾斜部170aとして形成されている。この第二傾斜部170aは、第一傾斜部160aと対向すると共に該第一傾斜部160aと当接する傾斜を有するように形成されている。
なお、第一傾斜部160aと第二傾斜部170aは、図9乃至図11に示されるように一様の傾斜角で形成されても良く、また途中で傾斜角が変化するように形成されていても良い。
スプリング148は、後に詳述するように、入力回転部材144に回転力が作用したときには係合凸部160と係合凹部170とを係合させて入力回転部材144の回転力を出力回転部材146に伝達させる一方で、出力回転部材146に入力回転部材144の回転方向と反対方向へ外力が作用したときには入力回転部材144の回転軸方向への移動に伴い該外力を吸収するものである。
このスプリング148は、入力回転部材144と支持部材147との間に介挿されている。また、このようにスプリング148が入力回転部材144と支持部材147との間に介挿された状態では、スプリング148の一端側は、支持部材147の本体部149に当接され、スプリング148の他端側は、入力回転部材本体部152に当接されている。そして、このスプリング148は、支持部材147に対して入力回転部材144を出力回転部材146側へ回転軸方向に付勢する。
この構成により、入力回転部材144に回転力が作用しておらず且つ出力回転部材146に外力が作用していない状態では、入力回転部材144と出力回転部材146との回転方向の相対的な角度のずれが生じずに、係合凸部160と係合凹部170とが係合するようになっている。また、第一傾斜部160aと第二傾斜部170aとが整合して係合凸部160の頂上部と係合凹部170の谷底部が一致することにより、入力回転部材144と出力回転部材146との回転方向の相対的な角度のずれを機械的に制限する構成となっている。
ところで、本実施形態では、図9乃至図11においてトルクリミッタ装置140にずれ検出部を図示していないが、トルクリミッタ装置140にずれ検出部を設けても良いことは勿論である。この場合のずれ検出部としては、例えば、本発明の第一実施形態のように導体74,76及び板体72の導通を検出する構成のものであっても良く、また、入力回転部材144と出力回転部材146にそれぞれ回転を検出する装置(例えばリングマグネットとホールIC)を設け、この装置により入力回転部材144と出力回転部材146との回転速度差を検出する構成のものであっても良い。
なお、上記構成において、モータ本体12から入力回転部材144に作用した回転力を出力回転部材146に伝達する動力伝達機構は、スプリング148(弾性部材)と、係合凸部160の第一傾斜部160a及び係合凹部170の第二傾斜部170a(外力伝達部)とによって構成されている。また、出力回転部材146に入力回転部材144の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに該外力をスプリング148に伝達してスプリング148を弾性変形させる外力伝達部は、第一傾斜部160a及び第二傾斜部170aによって構成されている。
次に、本発明の第二実施形態に係るワイパモータ100の動作について説明する。
モータ停止状態では、スプリング148によって入力回転部材144が出力回転部材146側へ付勢されるので、これにより、係合凸部160の第一傾斜部160aは係合凹部170の第二傾斜部170aに押圧当接されている。この状態から、モータ本体12(図1参照)が作動し、モータ本体12から入力回転部材144に回転力が作用して入力回転部材144が一方の回転方向(R3方向)に回転すると、この係合凸部160の第一傾斜部160aと係合凹部170の第二傾斜部170aとの摩擦により出力回転部材146と共にピボット軸34が一方の回転方向(R3方向)へ回転する。
つまり、図11に示されるように、スプリング148の弾性力をF[N]、係合凸部160及び係合凹部170の中心軸からの距離をr[m]、第一傾斜部160a及び第二傾斜部170aの傾斜角度をθ、第一傾斜部160aと第二傾斜部170aとの間の摩擦係数をμ、外力によるトルクをT[N・m]とすると、式(1)の範囲では、係合凸部160と係合凹部170とが係合した状態で入力回転部材144と共に出力回転部材146が回転する。
Figure 2007071336
一方、出力回転部材146が入力回転部材144と共に回転しているとき、又は入力回転部材144及び出力回転部材146が停止しているときに、ピボット軸34を介して出力回転部材146に上記回転方向と反対方向(R4方向)に外力が作用した場合には、係合凹部170の第二傾斜部170aが係合凸部160の第一傾斜部160a上を移動することにより入力回転部材144に分力が働き、このときの分力がスプリング148の弾性力を超えると、スプリング148の弾性力に抗して入力回転部材144が出力回転部材146から離れる方向に移動する。
つまり、スプリング148のバネ乗数をk[N/m]とすると、式(1)の範囲を超えた場合には、式(2)の状態となり、この場合には、式(3)で示される移動距離hにまで入力回転部材144が出力回転部材146から離れ、角度φまで出力回転部材146が入力回転部材144に対して回転する。
Figure 2007071336
そして、入力回転部材144が出力回転部材146から離れる方向に移動することによりスプリング148が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって出力回転部材146に作用した外力の入力回転部材144への伝達が抑制される(つまり入力回転部材144の逆回転又は回転阻止が防止される)。これにより外力のウォーム36及びウォームホイール38等への伝達が抑制される。
また、ピボット軸34に作用していた外力が解除されたときには、スプリング148が復元して入力回転部材144が出力回転部材146側に付勢されることにより係合凸部160の第一傾斜部160aと係合凹部170の第二傾斜部170aが初期位置に復帰して第一傾斜部160aが第二傾斜部170aに押圧当接される。
従って、ピボット軸34に作用していた外力が解除された後にモータ本体12の回転を開始した場合には、入力回転部材144の回転力が第一傾斜部160a及び第二傾斜部170aを介して出力回転部材146に伝達されて出力回転部材146と共にピボット軸34が迅速に回転を開始する(なお、本発明のトルクリミッタ装置140の代わり動力遮断式のクラッチ装置を用いた場合にはクラッチが接続するまでピボット軸34の回転を開始できない)。
次に、本発明の第二実施形態に係るワイパモータ100の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、出力回転部材146が入力回転部材144と共に回転しているとき、又は入力回転部材144及び出力回転部材146が停止しているときに、ピボット軸34を介して出力回転部材146に回転方向と反対方向に外力が作用した場合には、入力回転部材144が出力回転部材146から離れる方向に移動する。
そして、スプリング148が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって出力回転部材146に作用した外力の入力回転部材144への伝達が抑制される。これにより、外力がワイパモータ100内のウォーム36及びウォームホイール38等へ伝達されることを抑制することができるので、ウォーム36及びウォームホイール38の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる。
また、本実施形態では、ピボット軸34に作用していた外力が解除された後にモータ本体12の回転を開始した場合には、入力回転部材144の回転力が第一傾斜部160a及び第二傾斜部170aを介して出力回転部材146に伝達されて出力回転部材146と共にピボット軸34が迅速に回転を開始する。このように、本実施形態では、ピボット軸34を介して出力回転部材146に作用した外力の入力回転部材144への伝達を抑制した後にモータ本体12を再起動させる場合でも、モータ本体12の起動とピボット軸34の起動との間にタイムラグは生じず、ピボット軸34の再起動を迅速に行うことが可能である。
また、本実施形態では、入力回転部材144の係合凸部160の頂上部を挟んだ回転方向両側に第一傾斜部160aがそれぞれ形成され、出力回転部材146の係合凹部170に各第一傾斜部160aと対向するように第二傾斜部170aがそれぞれ形成されているので、モータ本体12の双方向への回転に追従してピボット軸34を双方向へ回転させることができる。また、ピボット軸34のいずれの回転方向に作用した外力についてもウォーム36及びウォームホイール38等への伝達を抑制できる。
また、本実施形態のトルクリミッタ装置140では、スプリング148が中立状態(非圧縮状態)にあるときに入力回転部材144と出力回転部材146との回転方向の相対的な角度が一致するようになっているので、スプリング148の永久変形を防止できる。
なお、本発明の第二実施形態に係るワイパモータ100をワイパ装置に適用した例及び該ワイパ装置の動作、作用及び効果については、上記第一実施形態に係るワイパ装置80と同様であるので、その説明は第一実施形態を参照することとして省略する。
[第三実施形態]
次に、図12乃至図15を参照しながら、本発明の第三実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態に係るワイパモータ200(図1参照)は、上記第一実施形態に係るワイパモータ10のトルクリミッタ装置40の代わりにトルクリミッタ装置240を用いたものである。従って、以下、本発明の第三実施形態において、トルクリミッタ装置240以外の構成については上記第一実施形態と同一符号を用いることとしてその説明を省略する。
本発明の第三実施形態に係るトルクリミッタ装置240は、出力側に外力が付与されたときに入力側への外力の伝達を抑制するものであり、入力回転部材244(第一回転部材)と、出力回転部材246(第二回転部材)と、係合凸部270と、スプリング248(弾性部材)と、を有して構成されている。
入力回転部材244には、円板状の入力回転部材本体部252が設けられており、この入力回転部材本体部252の中央部には、軸部254が形成されている。そして、入力回転部材244は、軸部254がギアハウジング42の図示しない凹部に挿通されることにより、ギアハウジング42に対して回転軸周りに回転可能となっている。
また、入力回転部材本体部252の外周面には、ウォーム36と噛合されるウォームホイール38が形成されている。入力回転部材本体部252の出力回転部材246側面における回転中心軸よりも径方向外側には、半球状の係合凹部260が複数形成されている。この係合凹部260においては、図13に示されるように谷底部を挟んだ回転方向両側の傾斜部分(凹曲面部分)が第一傾斜面260aとして形成されている。なお、係合凹部260の深さ寸法は、後述する係合凸部270の半径よりも小さく設定されている。
一方、出力回転部材246には、円板状の出力回転部材本体部262が設けられており、出力回転部材本体部262の周縁部には、入力回転部材244側へ回転軸方向に沿って延出する円環状部256が形成されている。この円環状部256の径方向内側は、スプリング248及び係合凸部270を収容するための収容部258とされている。
出力回転部材246の入力回転部材244と反対側面の中央部には、入力回転部材244と反対側へ向けてピボット軸34が同軸上に延出されている。このピボット軸34は、図示しないピボットホルダによって支持されており、これにより、ピボット軸34及び出力回転部材246が回転軸周りに回転可能となっている。また、入力回転部材244と出力回転部材246とは、回転軸方向に対向するように配置されている。
係合凸部270は、収容部258内において回転軸方向に移動可能且つ係合凹部260と回転軸方向に対向するように配置されている。この係合凸部270は、球状に形成されており、その球面は、図13に示されるように、第一傾斜面260aと当接する傾斜を有する第二傾斜面270aとされている。なお、第一傾斜面260aと第二傾斜面270aは、曲面状に形成される以外にも、平面状に形成されていても良い。
スプリング248は、後に詳述するように、入力回転部材244に回転力が作用したときには係合凸部270と係合凹部260とを係合させて入力回転部材244の回転力を出力回転部材246に伝達させる一方で、出力回転部材246に入力回転部材244の回転方向と反対方向へ外力が作用したときには入力回転部材244の回転軸方向への移動に伴い該外力を吸収するものである。
このスプリング248は、収容部258に収容されると共に、一端側が出力回転部材本体部262の入力回転部材244側面に接続され、他端側が係合凸部270に接続されている。そして、このスプリング248は、出力回転部材本体部262に対して係合凸部270を入力回転部材244側へ回転軸方向に付勢する。
この構成により、入力回転部材244に回転力が作用しておらず且つ出力回転部材246に外力が作用していない状態では、入力回転部材244と出力回転部材246との回転方向の相対的な角度のずれが生じずに、係合凸部270と係合凹部260とが係合するようになっている。また、第一傾斜面260aと第二傾斜面270aとが整合して係合凸部270の頂上部と係合凹部260の谷底部が一致することにより、入力回転部材244と出力回転部材246との回転方向の相対的な角度のずれを機械的に制限する構成となっている。
ところで、本実施形態では、図12においてトルクリミッタ装置240にずれ検出部を図示していないが、トルクリミッタ装置240にずれ検出部を設けても良いことは勿論である。この場合のずれ検出部としては、例えば、本発明の第一実施形態のように導体及び板体の導通を検出する構成のものであっても良く、また、入力回転部材244と出力回転部材246にそれぞれ回転を検出する装置(例えばリングマグネットとホールIC)を設け、この装置により入力回転部材244と出力回転部材246との回転速度差を検出する構成のものであっても良い。
なお、上記構成において、モータ本体12から入力回転部材244に作用した回転力を出力回転部材246に伝達する動力伝達機構は、スプリング248(弾性部材)と、係合凹部260の第一傾斜面260a及び係合凸部270の第二傾斜面270a(外力伝達部)とによって構成されている。また、出力回転部材246に入力回転部材244の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに該外力をスプリング248に伝達してスプリング248を弾性変形させる外力伝達部は、第一傾斜面260a及び第二傾斜面270aによって構成されている。
次に、本発明の第三実施形態に係るワイパモータ200の動作について説明する。
モータ停止状態では、スプリング248によって係合凸部270が係合凹部260へ付勢されるので、これにより、係合凸部270の第二傾斜面270aは係合凹部260の第一傾斜面260aに押圧当接されている。この状態から、モータ本体12(図1参照)が作動し、モータ本体12から入力回転部材244に回転力が作用して入力回転部材244が一方の回転方向(R5方向)に回転すると、この係合凹部260の第一傾斜面260aと係合凸部270の第二傾斜面270aとの摩擦により出力回転部材246と共にピボット軸34が一方の回転方向(R5方向)へ回転する。
つまり、図13に示されるように、スプリング248の弾性力をF[N]、係合凸部270及び係合凹部260が形成された位置の回転中心軸からの距離をr[m]、係合凸部270及び係合凹部260の直径をD[m]、係合凸部270が係合凹部260に係合されているときの係合凸部270の中心と入力回転部材本体部252の出力回転部材246側面との差をh0、係合凸部270の中心を通過する水平線と係合凸部270の中心と溝端とを結んだ仮想線とのなす角度をθ0、外力によるトルクをT[N・m]とすると、式(1)が導き出され、式(2)の範囲では、係合凸部270と係合凹部260とが係合した状態で入力回転部材244と共に出力回転部材246が回転する。
Figure 2007071336
一方、出力回転部材246が上述の如く入力回転部材244と共に回転しているとき、又は入力回転部材244及び出力回転部材246が停止しているときに、ピボット軸34を介して出力回転部材246に上記回転方向と反対方向(R6方向)に外力が作用した場合には、第二傾斜面270aが第一傾斜面260a上を移動することにより係合凸部270に回転軸方向に分力が働き、このときの分力がスプリング248の弾性力を超えると、スプリング248の弾性力に抗して係合凸部270が回転軸方向に移動する。
つまり、スプリング248のバネ乗数をk[N/m]とすると、式(2)の範囲を超えた場合には、式(3)の状態となり、この場合には、式(4)で示される移動距離hにまで係合凸部270が係合凹部260から離れ、角度φまで出力回転部材246が入力回転部材244に対して回転する。
Figure 2007071336
そして、係合凸部270が回転軸方向に移動することによりスプリング248が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって出力回転部材246に作用した外力の入力回転部材244への伝達が抑制される(つまり入力回転部材244の逆回転又は回転阻止が防止される)。これにより外力のウォーム36及びウォームホイール38等への伝達が抑制される。
また、ピボット軸34に作用していた外力が解除されたときには、スプリング248が復元して係合凸部270が初期位置に復帰することにより係合凸部270の第二傾斜面270aが係合凹部260の第一傾斜面260aに押圧当接される。
従って、ピボット軸34に作用していた外力が解除された後にモータ本体12の回転を開始した場合には、入力回転部材244の回転力が係合凹部260の第一傾斜面260a、係合凸部270の第二傾斜面270a及びスプリング248を介して出力回転部材246に伝達されて出力回転部材246と共にピボット軸34が迅速に回転を開始する(なお、本発明のトルクリミッタ装置240の代わり動力遮断式のクラッチ装置を用いた場合にはクラッチが接続するまでピボット軸34の回転を開始できない)。
次に、本発明の第三実施形態に係るワイパモータ200の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、出力回転部材246が入力回転部材244と共に回転しているとき、又は入力回転部材244及び出力回転部材246が停止しているときに、ピボット軸34を介して出力回転部材246に回転方向と反対方向に外力が作用した場合には、係合凸部270が回転軸方向に移動する。
そして、スプリング248が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって出力回転部材246に作用した外力の入力回転部材244への伝達が抑制される。これにより、外力がワイパモータ200内のウォーム36及びウォームホイール38等へ伝達されることを抑制することができるので、ウォーム36及びウォームホイール38の逆回転又は回転阻止による破損を防止できる。
また、本実施形態では、ピボット軸34に作用していた外力が解除された後にモータ本体12の回転を開始した場合には、入力回転部材244の回転力が係合凹部260の第一傾斜面260a、係合凸部270の第二傾斜面270a及びスプリング248を介して出力回転部材246に伝達されて出力回転部材246と共にピボット軸34が迅速に回転を開始する。このように、本実施形態では、ピボット軸34を介して出力回転部材246に作用した外力の入力回転部材244への伝達を抑制した後にモータ本体12を再起動させる場合でも、モータ本体12の起動とピボット軸34の起動との間にタイムラグは生じず、ピボット軸34の再起動を迅速に行うことが可能である。
また、本実施形態では、係合凹部260に、入力回転部材244の双方向の回転に対して第一傾斜面260aがそれぞれ形成され、係合凸部270に、各第一傾斜面260aと対向するように第二傾斜面270aがそれぞれ形成されているので、モータ本体12の双方向への回転に追従してピボット軸34を双方向へ回転させることができる。また、ピボット軸34のいずれの回転方向に作用した外力についてもウォーム36及びウォームホイール38等への伝達を抑制できる。
また、本実施形態のトルクリミッタ装置240では、スプリング248が中立状態(非圧縮状態)にあるときに入力回転部材244と出力回転部材246との回転方向の相対的な角度が一致するようになっているので、スプリング248の永久変形を防止できる。
なお、本発明の第三実施形態に係るワイパモータ200をワイパ装置に適用した例及び該ワイパ装置の動作、作用及び効果については、上記第一実施形態に係るワイパ装置80と同様であるので、その説明は第一実施形態を参照することとして省略する。
次に、本発明の第三実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、図12,図13に示されるように、係合凸部270が球状に形成されていたが、図14に示されるように、係合凸部270は円柱状に形成されていても良い。また、上記実施形態では、係合凸部270が独立して複数設けられていたが、図15に示されるように、円板体272に係合凸部270が複数形成されて円板体272全体が出力回転部材246に対してスプリング248により付勢されていても良い。
また、上記実施形態では、入力回転部材244に係合凹部260が形成され、出力回転部材246にスプリング248を介して係合凸部270が固定されていたが、入力回転部材244にスプリング248を介して係合凸部270が固定され、出力回転部材246に係合凹部260が形成されていても良い。
[第四実施形態]
次に、図16乃至図19を参照しながら、本発明の第四実施形態について説明する。
本発明の第四実施形態に係るワイパモータ300(図1参照)は、上記第三実施形態に係るワイパモータ200のトルクリミッタ装置240に設けられた係合凸部270の付勢方向を変更したものである。従って、以下、本発明の第四実施形態においては係合凸部270の付勢方向を変更した構成についてのみ説明する。
本発明の第四実施形態に係るトルクリミッタ装置340において、係合凸部270は、収容部258内において回転方向に移動可能且つ係合凹部260と回転軸方向に対向するように配置されている。各係合凸部270には、スプリング348が回転方向両側に一つずつ設けられている。各スプリング348は、出力回転部材346に形成された収容部258に収容されると共に、一端側が出力回転部材346の接続部366に接続され、他端側が係合凸部270に接続されている。そして、この一対のスプリング348は、係合凸部270を回転方向に沿って互いに向き合う方向に付勢する。
この構成により、入力回転部材244に回転力が作用しておらず且つ出力回転部材346に外力が作用していない状態では、入力回転部材244と出力回転部材346との回転方向の相対的な角度のずれが生じずに、係合凸部270と係合凹部260とが係合するようになっている。また、第一傾斜面260aと第二傾斜面270aとが整合して係合凸部270の頂上部と係合凹部260の谷底部が一致することにより、入力回転部材244と出力回転部材346との回転方向の相対的な角度のずれを機械的に制限する構成となっている。
次に、本発明の第四実施形態に係るワイパモータ300の動作について説明する。
モータ停止状態では、スプリング348によって係合凸部270が係合凹部260へ付勢されるので、これにより、係合凸部270の第二傾斜面270aは係合凹部260の第一傾斜面260aに押圧当接されている。この状態から、モータ本体12(図1参照)が作動し、モータ本体12から入力回転部材244に回転力が作用して入力回転部材244が一方の回転方向(R5方向)に回転すると、この係合凹部260の第一傾斜面260aと係合凸部270の第二傾斜面270aとの摩擦により出力回転部材346と共にピボット軸34が一方の回転方向(R5方向)へ回転する。
一方、出力回転部材346が上述の如く入力回転部材244と共に回転しているとき、又は入力回転部材244及び出力回転部材346が停止しているときに、ピボット軸34を介して出力回転部材346に上記回転方向と反対方向(R6方向)に外力が作用した場合には、係合凸部270に回転方向に外力が作用し、このときの外力がスプリング348の弾性力を超えると、スプリング348の弾性力に抗して係合凸部270が回転方向に移動する。
そして、係合凸部270が回転方向に移動することによりスプリング348が押圧されて圧縮することにより外力が吸収され、これによって出力回転部材346に作用した外力の入力回転部材244への伝達が抑制される(つまり入力回転部材244の逆回転又は回転阻止が防止される)。これにより外力のウォーム36及びウォームホイール38等への伝達が抑制される。
また、ピボット軸34に作用していた外力が解除されたときには、スプリング348が復元して係合凸部270が初期位置に復帰することにより係合凸部270の第二傾斜面270aが係合凹部260の第一傾斜面260aに押圧当接される。
従って、ピボット軸34に作用していた外力が解除された後にモータ本体12の回転を開始した場合には、入力回転部材244の回転力が係合凹部260の第一傾斜面260a、係合凸部270の第二傾斜面270a及びスプリング348を介して出力回転部材346に伝達されて出力回転部材346と共にピボット軸34が迅速に回転を開始する(なお、本発明のトルクリミッタ装置340の代わり動力遮断式のクラッチ装置を用いた場合にはクラッチが接続するまでピボット軸34の回転を開始できない)。
なお、本発明の第四実施形態に係るワイパモータ300の作用及び効果については上記第三実施形態に係るワイパモータ200と同様であり、ワイパモータ300をワイパ装置に適用した例及び該ワイパ装置の動作、作用及び効果については、上記第一実施形態に係るワイパ装置80と同様であるので、それらの説明は第一実施形態及び第三実施形態をそれぞれ参照することとして省略する。
次に、本発明の第四実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、図16,図17に示されるように、係合凸部270が球状に形成されていたが、図18に示されるように、係合凸部270は円柱状に形成されていても良い。また、上記実施形態では、係合凸部270が独立して複数設けられていたが、図19に示されるように、円板体272に係合凸部270が複数形成されて円板体272全体が出力回転部材346に対してスプリング348により回転方向に付勢されていても良い。
本発明の一実施形態に係るワイパモータの構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る動力伝達装置の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るトルクリミッタ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るずれ検出部の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るワイパ装置がフロント部に適用された車両の正面図である。 本発明の第一実施形態に係るワイパ装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態に係るワイパ装置の動作の流れを示す図である。 本発明の第一実施形態に係るワイパ装置の変形例を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る動力伝達装置の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るトルクリミッタ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第二実施形態に係るトルクリミッタ装置の構成を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る動力伝達装置の構成を示す図である。 本発明の第三実施形態に係るトルクリミッタ装置の構成を示す要部拡大図である。 本発明の第三実施形態に係る動力伝達装置の第一変形例を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る動力伝達装置の第二変形例を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る動力伝達装置の構成を示す図である。 本発明の第四実施形態に係るトルクリミッタ装置の構成を示す要部拡大図である。 本発明の第四実施形態に係る動力伝達装置の第一変形例を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る動力伝達装置の第二変形例を示す図である。
符号の説明
10,100,200,300…ワイパモータ、12…モータ本体、14…動力伝達装置、16…モータハウジング、18…マグネット、20…アーマチャ、22…回転シャフト、24,25…軸受部材、26…コア、28…コンミテータ、30…巻線、32…ブラシ、34…ピボット軸、36…ウォーム、38…ウォームホイール、40,140,240,340…トルクリミッタ装置、42…ギアハウジング、44,144,244…入力回転部材(第一回転部材)、46,146,246,346…出力回転部材(第二回転部材)、48,148,248,348…スプリング(弾性部材)、50…ずれ検出部(ずれ検出手段)、52,152,252…入力回転部材本体部、60…第一突起部(外力伝達部)、62,162,262…出力回転部材本体部、70…第二突起部(外力伝達部)、72…板体、74,76…導体、77…信号伝達部材、80…ワイパ装置、82…ワイパ、84…Aピラー、86…制御装置、88…ワイパスイッチ、90…反転位置検出スイッチ、94…フロントガラス、147…支持部材、149…本体部、160,270…係合凸部、160a…第一傾斜部、170,260…係合凹部、170a…第二傾斜部、260a…第一傾斜面、270a…第二傾斜面、272…円板体

Claims (12)

  1. 回転軸周りに回転可能に配置された第一回転部材と、
    回転軸周りに回転可能且つ前記第一回転部材と回転軸方向に対向するように配置された第二回転部材と、
    駆動源から前記第一回転部材及び前記第二回転部材のうち入力側の回転部材に作用した回転力を出力側の回転部材に伝達する動力伝達機構と、を備え、
    前記動力伝達機構は、前記第一回転部材及び前記第二回転部材のうち出力側の回転部材に入力側の回転部材の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに前記外力を吸収するための弾性部材と、
    前記出力側の回転部材に前記入力側の回転部材の回転方向と反対方向へ外力が作用したときに該外力を前記弾性部材に伝達して前記弾性部材を弾性変形させる外力伝達部と、を備えることを特徴とするトルクリミッタ装置。
  2. 前記外力伝達部は、前記第一回転部材の回転中心軸よりも径方向外側に形成された第一突起部と、
    前記第二回転部材の回転中心軸よりも径方向外側に形成された第二突起部と、を有して構成され、
    前記弾性部材は、一端側が前記第一突起部の回転方向一方側に当接されると共に他端側が前記第二突起部の回転方向他端側に当接されて回転方向に押圧力を発揮することを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ装置。
  3. 前記第一突起部と前記第二突起部とは、互いに回転軸方向に重なる位置に形成され、
    前記弾性部材の一端側は、前記第一突起部の回転方向一方側に当接されると共に前記第二突起部の回転方向一方側に当接され、
    前記弾性部材の他端側は、前記第一突起部の回転方向他方側に当接されると共に前記第二突起部の回転方向他方側に当接されていることを特徴とする請求項2に記載のトルクリミッタ装置。
  4. 前記第一回転部材及び第二回転部材の少なくとも一方は、回転軸方向に移動可能に配置され、
    前記外力伝達部は、前記第一回転部材の前記第二回転部材側面の回転中心軸よりも径方向外側に形成されると共に回転方向先端側から後端側に向かうに従って前記第二回転部材側へ傾斜する第一傾斜部と、
    前記第二回転部材の前記第一回転部材側面に前記第一傾斜部と対向して形成されると共に該第一傾斜部と当接する傾斜を有する第二傾斜部と、を有して構成され、
    前記弾性部材は、前記第一回転部材及び前記第二回転部材の少なくとも一方を互いに近づく方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ装置。
  5. 前記第一回転部材には、該第一回転部材の双方向の回転に対して前記第一傾斜部がそれぞれ形成され、
    前記第二回転部材には、前記各第一傾斜部と対向するように前記第二傾斜部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項4に記載のトルクリミッタ装置。
  6. 前記外力伝達部は、前記第一回転部材の前記第二回転部材側面の回転中心軸よりも径方向外側に形成されると共に回転方向先端側から後端側に向かうに従って前記第二回転部材側へ傾斜する第一傾斜面が形成された係合凹部と、
    回転軸周りに移動可能又は回転軸方向に移動可能且つ前記係合凹部と回転軸方向に対向するように配置されて前記第一傾斜面と当接する傾斜を有する第二傾斜面が形成された係合凸部と、を有して構成され、
    前記弾性部材は、前記第二回転部材に固定されると共に前記係合凸部を該係合凸部の移動可能な方向へ付勢することを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ装置。
  7. 前記係合凹部には、前記第一回転部材の双方向の回転に対して前記第一傾斜面がそれぞれ形成され、
    前記係合凸部には、前記各第一傾斜面と対向するように前記第二傾斜面がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項6に記載のトルクリミッタ装置。
  8. 前記第一回転部材と前記第二回転部材との回転方向の相対的な角度のずれを検出するずれ検出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のトルクリミッタ装置。
  9. 回転シャフトを有して構成されたモータ本体と、
    前記回転シャフトの回転力を出力軸に伝達可能な動力伝達装置と、を備え、
    前記動力伝達装置には、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のトルクリミッタ装置が備えられていることを特徴とするトルクリミッタ内蔵型モータ。
  10. 前記トルクリミッタ装置に備えられた前記第一回転部材及び前記第二回転部材のうち出力側の回転部材には、前記出力軸が同軸上に延設されていることを特徴とする請求項9に記載のトルクリミッタ内蔵型モータ。
  11. ワイパモータと、
    前記ワイパモータの出力軸に間接的又は直接的に連結されて往復駆動されるワイパと、を備えたワイパ装置において、
    前記ワイパモータに、請求項9又は請求項10に記載のトルクリミッタ内蔵型モータが用いられていることを特徴とするワイパ装置。
  12. 前記ワイパを少なくとも一対備えると共に、前記各ワイパに対して前記トルクリミッタ内蔵型モータを一つずつ備えることを特徴とする請求項11に記載のワイパ装置。
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