JP2007071191A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】失火を精度よく検出することができる内燃機関の失火検出装置を提供する。
【解決手段】クランク軸の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段の出力信号を入力する信号処理手段と、この信号処理手段の出力信号から失火を判定する失火判定手段とを備える内燃機関1の失火検出装置20であって、前記信号処理手段から回転数変動を出力し、前記失火判定手段で回転数変動が予め設定されたしきい値を下回った(超えた)場合に、失火を検出してこれを失火予知として記憶し、失火検出の後に続いて出力される1波長分の回転数変動を比較して、この失火検出時における振幅が前の振幅に比べて減衰すれば失火に伴う回転数変動とし、増幅すれば新たな失火による回転数変動として失火予知を記憶し、記憶している失火予知を確定するように構成した。
【選択図】図3
【解決手段】クランク軸の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段の出力信号を入力する信号処理手段と、この信号処理手段の出力信号から失火を判定する失火判定手段とを備える内燃機関1の失火検出装置20であって、前記信号処理手段から回転数変動を出力し、前記失火判定手段で回転数変動が予め設定されたしきい値を下回った(超えた)場合に、失火を検出してこれを失火予知として記憶し、失火検出の後に続いて出力される1波長分の回転数変動を比較して、この失火検出時における振幅が前の振幅に比べて減衰すれば失火に伴う回転数変動とし、増幅すれば新たな失火による回転数変動として失火予知を記憶し、記憶している失火予知を確定するように構成した。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関において発生する失火を検出する失火検出装置に関する。
従来から、内燃機関において発生する失火を検出する失火検出装置は公知となっている。このような失火検出装置としては、機関の回転変動の0.5次周波数成分を基本周波数成分で除算することにより失火を検出する構成としたもの(例えば、特許文献1参照。)や、機関回転数の微分、2階微分を失火検出に利用する構成としたもの(例えば、特許文献2参照。)などがある。
特開2001−98999号公報
特開平5−71409号公報
従来のような内燃機関の失火検出装置においては、失火が発生した後に生じる揺り返しにより誤った失火判定を行って失火を検出することがあった。また特に、特許文献1に示される構成では、失火の検出にフーリエ変換又はラプラス変換を行うため、高性能な演算器が必要であった。特許文献2に示される構成では、失火の頻度が高くなった場合に、失火と揺り返しとを正確に判定して失火のみを検出できないという不具合があった。
そこで本発明においては、失火の頻度が高い場合においても、失火発生後の揺り返しによる誤った失火判定を防止して、失火を精度よく検出することができるようにする。また、失火を検出するためのシステムを簡単で、且つ従来のように高性能な演算器を必要としない構成とし、自立運転時にも失火の検出を可能にする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、クランク軸の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段の出力信号を入力する信号処理手段と、この信号処理手段の出力信号から失火を判定する失火判定手段とを備える内燃機関の失火検出装置であって、前記信号処理手段から回転数変動を出力し、前記失火判定手段で回転数変動が予め設定されたしきい値を下回った(超えた)場合に、失火を検出してこれを失火予知として記憶し、失火検出の後に続いて出力される1波長分の回転数変動を比較して、この失火検出時における振幅が前の振幅に比べて減衰すれば失火に伴う回転数変動とし、増幅すれば新たな失火による回転数変動として失火予知を記憶し、記憶している失火予知を確定するように構成したものである。
請求項2においては、前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関に連係した発電機による発電電力の発電電力変動を算出し、失火検出時における発電電力変動がプラス側に変化する場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したものである。
請求項3においては、前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関の回転数を2階微分して出力し、失火検出時における2階微分値が予め設定したしきい値以下の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したものである。
請求項4においては、前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は回転変動の波長を監視し、失火検出時における半波長値が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したものである。
請求項5においては、前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関に連係した発電機による発電電力量を制御する発電機制御盤より発電電力量制御用の出力制御信号を監視し、失火検出時における出力制御信号が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したものである。
請求項6においては、前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関の実回転数と定格回転数との差を算出し、失火検出時における実回転数と定格回転数との差が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、失火が生じた後の揺り返しによる回転数変動から誤って失火を判定するのを防止することができ、失火の検出精度を向上させることができる。また、失火検出装置を備えたシステムを簡単で、従来のように高性能な演算器を必要としない構成とすることができる。
請求項2においては、機関の負荷変更時における回転変動を誤って失火による回転変動と判定するのを防止することができる。これにより、失火の検出精度を向上させることができる。
請求項3においては、ハンチングによる回転変動を誤って失火による回転変動と判定するのを防止することができる。これにより、失火の検出精度を向上させることができる。
請求項4においては、機関の負荷変更時による回転変動を誤って失火による回転変動と判定するのを防止することができる。これにより、失火の検出精度を向上させることができる。
請求項5においては、機関の負荷変更時における回転変動を誤って失火による回転変動と判定するのを防止することができる。これにより、失火の検出精度を向上させることができる。
請求項6においては、機関の負荷変更時における回転変動を失火による回転数変動とを正確に区別して、失火の検出精度を向上させることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は内燃機関の制御装置の概略図、図2は失火検出装置を備えるシステムのブロック図、図3は失火検出装置のブロック図、図4は失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図5(a)は第一実施例において失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図5(b)は第一実施例において第二失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図6は失火検出装置において行われる第一実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図7(a)は第二実施例において失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図7(b)は第二実施例において第二失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図8は失火検出装置において行われる第二実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図9は第三実施例において失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図10は失火検出装置において行われる第三実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図11は失火検出装置において行われる第四実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図12は第五実施例において第二失火判定手段に入力される信号波形の一例図、図13は失火検出装置において行われる第五実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図14は失火検出装置において行われる別実施例の信号処理の手順を示すフローチャート図、図15は警報装置において行われる信号処理の手順を示すフローチャート図である。
図1に示すように、内燃機関1においては、給気管2から供給される混合気の供給量は、制御装置5によりスロットル6の開度が機関1の出力に応じて調整されて制御される。機関1で燃焼後に生じた排気ガスは排気管を介して外部に排出される。
機関1内では、カム軸(図示せず)の端部に固着されたカム軸端円盤10の回転が検出器11で検出され、この検出信号が制御装置5に出力される。また、クランク軸(図示せず)の端部に固着されたクランク軸端円盤12の回転が検出器13で検出され、この検出信号が制御装置5に出力される。
そして、制御装置5でカム軸端円盤10及びクランク軸端円盤12から入力された各検出信号より種々の演算及び判定が行われ、この判定結果に基づいて次のサイクルの燃焼の制御が行われる。この際に得られた演算結果や判定結果は、制御装置5に備えられたRAMやハードディスク等の記憶媒体からなる記憶装置に記憶される。
図2に示すように、機関1には出力軸1bを介して発電機15が連結され、駆動される。発電機15により発生した電力は、負荷16へ供給される。この負荷16に供給される電力はトランスデューサ17で検出され、この検出信号が発電機制御盤18に出力される。
そして、発電機制御盤18でトランスデューサ17から入力された電力信号に基づいて発電機15の発電電力量の制御が行われ、これにより発電電力量制御用の出力制御信号が制御装置5に出力される。また、トランスデューサ17からの発電電力信号は、制御装置5にも出力され、制御装置5の記憶装置14に記憶される。
制御装置5では、発電機制御盤18からの出力制御信号に基づいて、機関制御用の出力制御信号が機関1に出力される。こうして、制御装置5により機関1の出力制御が行われて、発電機15の駆動制御が行われ、発電電力量が適宜調整される。
図3に示すように、制御装置5には、機関1に生じた失火を検出する失火検出装置20が備えられている。失火検出装置20はクランク軸の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段の出力信号を入力する信号処理手段と、この信号処理手段の出力信号から失火を判定する失火判定手段と、この失火判定手段の判定結果を再度判定する誤判定検出手段などから構成されている。
回転数検出手段は、前記クランク軸端円盤12の回転数Nを検出する検出器13と、この検出器13の検出信号を電圧に変換するFVコンバータ21とから構成されている。回転数検出手段では、検出器13から出力されるクランク回転数信号がFVコンバータ21により電圧波形に変換される。
信号処理手段は、FVコンバータ21の出力信号を入力する信号処理器22と、この信号処理器22の出力信号を入力する微分器23とから構成されている。信号処理手段では、FVコンバータ21から出力される出力信号が信号処理器22で平均処理され、この信号処理器22から出力される出力信号が微分器23で微分される。こうして、信号処理手段より機関1の回転数を微分すると、縦軸を回転数変動dN/dtとし、横軸を時間tとした図4に示すような波形として出力される。
失火判定手段は、信号処理手段から入力される出力値と基準値設定器24から入力される基準値(以下、しきい値と称する)C0とを比較する比較器25から構成されている。失火判定手段では、信号処理手段の出力値が基準値設定器24で設定されたしきい値を下回った(超えた)場合に、後述するような失火の判定が行われる。そして、比較器25において失火と判定されると、カウントアップ指令が失火回数カウンタ26に出力され、これに失火回数がカウントされる。この失火回数が所定量以上になると、正常な運転が難しくなるので、警報を発し、機関を停止したりする。
機関1において、失火が生じた場合、信号処理手段から出力される波形は、図4に示すような波形となる。つまり、失火が生じると、クランク軸の回転数が減少するため、微分器23の出力波形は大きく降下し、次には失火に伴う揺り返しによりクランク軸の回転数が増加するため、出力波形は大きく上昇する。続いて、回転数は再び減少するため、微分器23の出力波形は大きく降下することになり、乱れた波形となる。
このとき比較器25では、図4に示すように、微分器23の出力波形が比較器25にて基準値設定器24で予め設定したしきい値C0と比較して、点P1でしきい値C0を下回る(超える)ことになり、失火として検出し、失火予知として記憶される。そして、出力波形が点P2、点P3でのように点P1に連続してしきい値を下回る場合には、各々について新たに失火が発生しているか否かの判定が行われる。
失火の判定は、出力波形がしきい値C0を下回った(超えた)際に、失火検出の後に続いて出力される前後各半波長での振幅が比較され、その比較結果に基づいて比較器25で行われる。すなわち、失火検出時における半波長での振幅が、前の振幅に比べて減衰していれば、失火後の揺り返しに起因するものとして、失火は生じていないものと判定される。逆に、前回の振幅に比べて増幅していれば、新たに失火が生じたものと判定される。
例えば、図4においては、出力波形は点P3でしきい値C0を下回って(超えて)いるが、この時(P3)の振幅は前(P2)の振幅に比べて減衰しているので、揺り返しに起因する失火後の回転数変動として、点P3での回転数変動は失火によるものでないと判定される。つまり、失火は発生していないものと判定される。
さらに、出力波形は同様に点P5でもしきい値C0を下回って(超えて)おり、この時の振幅は前(P4)の振幅に比べて増幅しているので、点P5での回転数変動は失火に起因するものと判定される。つまり、失火が新たに生じたものと判定される。
新たに失火が生じたことが検出されると、点P1で検出した前回の失火に伴う回転数変動が収まったと判断され、この失火予知が確定される。こうして、比較器25で失火が検出され、失火予知が確定した場合にはカウントアップ指令が失火回数カウンタに出力され、これにより失火回数が1回のみカウントされる。
このように、失火検出装置20は、前記信号処理手段から回転数変動を出力し、前記失火判定手段で回転数変動が予め設定されたしきい値を下回った(超えた)場合に、失火検出を失火予知として記憶し、失火検出の後に続いて出力される1波長分の回転数変動における各半波長での振幅を比較して、前記失火検出時の回転変動を、この失火検出時における振幅が前の振幅に比べて減衰すれば失火に伴う回転数変動とし、増幅すれば新たな失火による回転数変動として失火予知を記憶し、記憶している失火予知を確定するように構成されている。
したがって、失火が生じた後の揺り返しによる回転数変動から誤って失火を判定するのを防止することができ、失火の検出精度を向上させることができる。また、失火検出装置を備えたシステムを簡単で、従来のように高性能な演算器を必要としない構成とすることができる。
また、本実施例では、失火検出装置20に失火の検出精度を更に高める第二失火判定手段となる誤判定検知器28が備えられ、比較器25により検出した失火がカウンタ26にカウントされる前に、誤判定検知器28により前述のように比較器25にて失火と判定された判定結果の正誤が判定される。そして、比較器25による失火判定が正しいと判定され、前回の失火予知が確定した場合のみカウンタ26に記憶された失火回数にカウントされるようになっている。誤判定検知器28は、以下のように構成することが可能である。
誤判定検知器28は、トランスデューサ17より発電機制御盤18を介して制御装置5に入力された発電電力量に基づいて発電電力変動dP/dtを算出し、この発電電力変動を用いて失火の誤検出を防止するように構成される。この誤判定検知器28においては、図5(a)に示すような回転数変動の信号波形がしきい値C0を下回り(超え)、図6に示すように、比較器25で前述のように失火が検出される(ステップS11)と、失火検出時における発電電力変動の信号波形と予め設定したしきい値C1とが比較される(ステップS12)。
発電電力変動の信号波形が、図5(b)に示すように、しきい値C1を上回ってプラス側に変化した場合、回転数変動は失火以外の現象によるものとして、比較器25による失火判定は誤判定と判定され、比較器25により検出した前回の失火が取り消される。逆に、発電電力変動の信号波形が、しきい値C1を下回ってマイナス側に変化した場合、比較器25による失火判定は正しいと判定され、カウンタ26にカウントアップ指令が出力されて、このカウンタ26に記憶された失火回数に前回の失火がカウントされる(ステップS13)。
すなわち、機関1の回転数変動は負荷変動時にも発生し、特に負荷を増加した場合には機関1の応答遅れにより回転数が下がってしまい、このときの回転数変動より比較器25では誤って失火を検出してしまう可能性がある。そこで、誤判定検知器28で失火検出時の発電電力変動を観察して、このときの回転数変動が負荷変更に起因するものか否かを判定し、負荷変更によるものであれば、発電電力は増加するので、比較器25による失火判定を誤判定として前回の失火を取り消すようになっている。これにより、失火の検出精度の向上を図ることができる。
誤判定検知器28は、微分器23から出力される出力波形を更に微分し、この機関回転数を2階微分して得られた2階微分値d2N/dt2の出力波形を用いて失火の誤検出を防止するように構成されている。この誤判定検知器28においては、図7(a)に示すような回転数変動の信号波形がしきい値C0を下回り(超え)、図8に示すように、比較器25で前述のように失火が検出される(ステップS21)と、失火検出時における機関回転数を2階微分値の出力波形と予め設定したしきい値C2とが比較される(ステップS22)。
機関回転数の2階微分値の出力波形が、しきい値C2を下回ってプラス側に変化した場合、回転数変動は失火以外の現象によるものとして、比較器25による失火判定は誤判定と判定され、比較器25により検出した前回の失火が取り消される。逆に、機関回転数の2階微分値の出力波形が、図7(b)に示すように、しきい値C2を上回った場合、比較器25による失火判定は正しいと判定され、カウンタ26にカウントアップ指令が出力されて、このカウンタ26に記憶された失火回数に前回の失火がカウントされる(ステップS23)。
これにより、誤判定検知器28で失火検出時の回転数変動がハンチングに起因するものか否かを正確に判定して、失火の検出精度を向上させることができる。すなわち、ハンチング等の現象は、システムの系によって回転数変動の仕方が決まっており、この回転数変動は失火による回転数変動に比べて若干緩やかに行われるようになっている。そのため、回転数の2階微分値の出力波形を観察することで、定量的な判断で失火検出を行うことが可能となる。
誤判定検知器28は、微分器23から出力される出力波形の波長を監視し、この波長を用いて失火の誤検出を防止するように構成されている。この誤判定検知器28においては、図9に示すように、微分器23の出力波形から失火検出時の半波長値λが検出され、図10に示すように、比較器25で前述のように失火が検出される(ステップS31)と、失火検出時の半波長値λと予め設定したしきい値C3とが比較される(ステップS32)。
失火検出時の半波長値λがしきい値C3以上である場合、回転数変動は失火以外の現象によるものとして、比較器25による失火判定は誤判定と判定され、比較器25により検出した前回の失火が取り消される。逆に、失火検出時の半波長値λが、しきい値C3よりも小さい場合、比較器25による失火判定は正しいと判定され、カウンタ26にカウントアップ指令が出力されて、このカウンタ26に記憶された失火回数に前回の失火がカウントされる(ステップS33)。
これにより、誤判定検知器28で失火検出時の回転数変動がハンチングに起因するものか否かを判定して、失火の検出精度を向上させることができる。すなわち、ハンチング等の現象は、システムの系によって回転数変動の仕方が決まっており、この回転数変動は失火による回転数変動に比べて若干緩やかにするようになっている。そのため、回転数変動を示す出力波形の失火検出時における波長を観察することで、定量的な判断で失火検出を行うことが可能となる。
誤判定検知器28は、発電機制御盤18から制御装置5に出力される発電電力制御用の出力制御信号を用いて失火の誤検出を防止するように構成されている。この誤判定検知器28においては、失火検出時における発電電力制御用の出力制御信号が監視され、図11に示すように、比較器25で前述のように失火が検出される(ステップS41)と、発電電力制御用の出力制御信号と予め設定したしきい値C4とが比較される(ステップS42)。
失火検出時における発電電力制御用の出力制御信号の絶対値がしきい値C4よりも大きい場合、回転数変動は失火以外の現象によるものとして、比較器による失火判定は誤判定と判定され、比較器25により検出した前回の失火が取り消される。逆に、失火検出時の発電電力制御用の出力制御信号が、しきい値C4よりも小さい場合、比較器25による失火判定は正しいと判定され、カウンタ26にカウントアップ指令が出力されて、このカウンタ26に記憶された失火回数に前回の失火がカウントされる(ステップS43)。
これにより、機関1の回転数変動を負荷の増加又は減少によるものか、あるいは失火によるものかを正確に判定して、失火の検出精度を向上させることができる。すなわち、機関1においては、機関出力の変更は発電機制御盤18からの出力制御信号に基づいて制御装置5にて行われるが、急激な出力変更が行われた場合、空燃比が応答できない等、システムの応答が追従できず回転数が変動してしまうことがある。そこで、失火検出時に回転変動をおこす急激な負荷変更の出力制御信号が発電機制御盤18から制御装置5に出力された場合には、比較器25による失火検出を取り消すことで、失火の誤検出を防止するようになっている。
誤判定検知器28は、検出器13から制御装置5に出力される機関1の実回転数N1と定格回転数N0との差を用いて失火の誤検出を防止するように構成されている。この誤判定検知器28においては、図12に二点鎖線で示すような実回転数の信号波形が出力されるとともに、実回転数N1と定格回転数N0との差が算出され、図13に示すように、比較器25で前述のように失火が検出される(ステップS51)と、失火検出時における機関の実回転数N1と定格回転数N0とのが比較される(ステップS52)。なお、図12においては、実回転数N1の信号波形に応じた回転数変動の信号波形が破線で示されている。
失火検出時における実回転数N1と定格回転数N0との差が予め設定したしきい値C5よりも大きい場合、回転数変動は失火以外の現象によるものとして、比較器による失火判定は誤判定と判定され、比較器25により検出した前回の失火が取り消される。逆に、失火検出時における実回転数N1と定格回転数N0との差が、しきい値C5よりも小さい場合、比較器25による失火判定は正しいと判定され、カウンタ26にカウントアップ指令が出力されて、このカウンタ26に記憶された失火回数に前回の失火がカウントされる(ステップS53)。
したがって、機関を自立運転させた場合に負荷が減少すると、回転数変動が発生するが、この回転数変動と失火による回転数変動とを正確に区別して、失火の検出精度を向上させることができる。すなわち、発電機と連係し、常時定格回転数で運転される機関においては、失火発生時の回転数変動は定格回転数を中心にして生じるため、回転数変動により実回転数が減少する際に、この実回転数が定格回転数を上回ることはありえない。そのため、回転数減少時の実回転数と定格回転数との差を監視し、その差がしきい値よりも大きい場合は、比較器による失火検出を取り消すようにして、失火の誤検出を防止することができるようになっている。
また、比較器25で失火を検出する前に、実回転数N1と定格回転数N0との差を算出してしきい値C5と比較し(ステップ61)、図14に示すように、失火検出時における実回転数N1と定格回転数N0との差がしきい値C5よりも大きい場合には、失火の検出を休止し(ステップ62)、しきい値C5よりも小さい場合には、前述のように失火の検出を行う(ステップS63)ように構成することもできる。
以上のように、失火検出装置20においては、比較器25によって検出された失火は誤判定検知器28により確定されると、カウンタ26に記憶された失火回数にカウントされる。そして、カウンタ26においては、図15に示すように、一定期間内にカウンタ26にカウントされた失火回数と予め設定したしきい値とが比較され、機関1に不具合が生じていないかどうかが判定される。
しきい値としては重故障時のものC6と軽故障のものC7とが設定され、まず一定期間内にカウントされた失火回数と重故障時のしきい値C6とが比較される(ステップS71)。失火回数が重故障時のしきい値C6を超える場合、直ちに機関1が停止される(ステップS72)。逆に、失火回数が重故障時のしきい値C6を超えない場合は、失火回数と軽故障時のしきい値C7とが比較される(ステップS73)。失火回数が軽故障時のしきい値C7を超える場合、警報装置により警報が発報される等して軽故障の発生が告知される(ステップS74)。こうして、カウンタ26による判定結果に応じて機関1が適切な状態に維持される。
1 内燃機関
5 制御装置
15 発電機
18 発電機制御盤
5 制御装置
15 発電機
18 発電機制御盤
Claims (6)
- クランク軸の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段の出力信号を入力する信号処理手段と、この信号処理手段の出力信号から失火を判定する失火判定手段とを備える内燃機関の失火検出装置であって、
前記信号処理手段から回転数変動を出力し、前記失火判定手段で回転数変動が予め設定されたしきい値を下回った場合に、失火を検出してこれを失火予知として記憶し、失火検出の後に続いて出力される1波長分の回転数変動を比較して、この失火検出時における振幅が前の振幅に比べて減衰すれば失火に伴う回転数変動とし、増幅すれば新たな失火による回転数変動として失火予知を記憶し、記憶している失火予知を確定するように構成したことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関に連係した発電機による発電電力の発電電力変動を算出し、失火検出時における発電電力変動がプラス側に変化する場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
- 前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関の回転数を2階微分して出力し、失火検出時における2階微分値が予め設定したしきい値以下の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
- 前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は回転変動の波長を監視し、失火検出時における半波長値が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
- 前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関に連係した発電機による発電電力量を制御する発電機制御盤より発電電力量制御用の出力制御信号を監視し、失火検出時における出力制御信号が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
- 前記失火判定手段による判定結果の正誤を判定する第二失火判定手段を備え、この第二失火判定手段は内燃機関の実回転数と定格回転数との差を算出し、失火検出時における実回転数と定格回転数との差が予め設定したしきい値以上の場合に、前記失火判定手段の失火判定を誤判定と判定し、前記失火検出手段で検出した失火を取り消すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
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