JP2007070309A - 血管新生材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血管新生作用を有するニコチン等のピリジン誘導体を皮下組織又は筋組織へ直接注入することができる血管新生材と、その製造方法を提供する。
【解決手段】少なくともピリジン誘導体と感光基とを導入したゼラチン修飾体に光照射して架橋することにより形成されたゲルからなる血管新生材及びその製造方法。

Description

本発明は、皮下組織又は筋組織へ直接注入されるゲル状の血管新生材と、その製造方法に関する。
糖尿病による四肢欠損症など血流不全による組織のネクローシスを防止、改善するための血管新生材の提供が期待されている。血管閉塞による血行不良を要因とする組織のネクローシスは重篤な疾病であり、現在までに有効な治療方法は見出されていない。
ステントにより血流不全の要因部位、つまり、狭窄部位を拡張する方法は、患者自身の既存の血管の狭窄部位を拡張するものであり、血管を新生させるものではない。狭窄部位が存在する場合、血管自体が病変している可能性が高く、一部を拡張してもステント留置部位の上流側、下流側で同様に狭窄がおこる。他に内科的な方法として血管拡張作用のある薬剤による血流改善術があるが、これも血管を新生させるものではなく、また、長期間薬剤投与を行うと、全身に効果が波及し、多臓器出血などの重篤な副作用を惹起してしまう。
血管新生を原理とする技術には、HGF(肝細胞増殖因子)をコードするプラスミドDNAを筋肉注射する遺伝子治療があり、血管新生による血流改善効果が確認されている。しかしながら、プラスミドベクターの遺伝子導入効率は低く、高価なプラスミドを大量に消費し、治療費用は高騰する。また、血管新生作用を有するHGFは、筋組織の細胞内に導入されたプラスミドにより発現されるもので、遺伝子導入効率、遺伝子発現効率に大きく依存するため、HGFとしての投与量調整が困難である。
HGFをコードするプラスミドベクターは無菌的に製造する必要があるが、高圧蒸気滅菌や放射線では失活してしまう。従って、製造のほぼ全工程を無菌的に行う必要があり、製造設備、施設などが大掛かりになってしまう。
本発明は、血管新生作用を有するニコチン等のピリジン誘導体を皮下組織又は筋組織へ直接注入することができる血管新生材と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の血管新生材は、少なくとも感光基を有する分子団を導入したゼラチン修飾体を含む溶液に光照射して架橋することにより形成されたゲルからなるものである。
請求項2の血管新生材は、請求項1において、該ピリジン誘導体はニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、、ニコチン酸アミド、ニセリトルオール、ニコクロネイト、ニコフィブレイト、ニコフラノース、ニコモール、ニコモルフィン、ニコランジル、ニコテリン、ニコチニルアルコール、ニフェジピン、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニフロキン、ニケサミド、ニフルピリノール及びニルバジピン並びにこれらの置換体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
請求項3の血管新生材は、請求項1又は2において、ゼラチン1分子中に1個〜10個のピリジン誘導体が導入されていることを特徴とするものである。
請求項4の血管新生材は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記感光基を有する分子団が、キサンテン系色素、アジン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キノリン系色素、ピラゾロン系色素、スチルゼン色素、アゾ系色素、ジアゾ系色素、アントラキノン系色素、インジゴ系色素、チアゾール系色素、フェニルメタン系色素、アクリジン系色素、シアニン系色素、インドフェノール系色素、ナフタルアミド系色素及びペリレン系色素からなる郡から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
請求項5の血管新生材は、請求項4項において、前記感光基を有する分子団が、エオシン、フルオロセイン、ローズベンガル、ベンゾフェノン、カンファーキノン、オレフィン、ベンザルアセトフェノン、シンナミリデンアセチル、シンナモイル、スチリルピリジン、α−フェニルマレイミド、フェニルアジド、スルホニルアジド、カルボニルアジド、o−キノンジアジド、フリルアクリロイル、クマリン、ピロン、アントラセン、ベンゾイル、スチルベン、ジチオカルバメート、ザンタート、シクロプロペン、1、2、3−チアジアゾール、アザ−ジオキサビシクロ、ハロゲン化アルキル、ケトン及びジアゾ並びにこれらで修飾された物質からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
請求項6の血管新生材は、請求項5において、前記感光基を有する分子団はエオシンであることを特徴とするものである。
請求項7の血管新生材は、請求項4ないし6のいずれか1項において、ゼラチン1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素が導入されていることを特徴とするものである。
請求項8の血管新生材は、請求項1ないし7のいずれか1項において、光照射は可視光であることを特徴とするものである。
請求項9の血管新生材は、請求項1ないし8のいずれかにおいて、光照射する際にハイドロゲンドナーを共存させておくことを特徴とするものである。
請求項10の血管新生材は、請求項9において、ハイドロゲンドナーは、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とするものである。
請求項11の血管新生材の製造方法は、少なくともピリジン誘導体と感光基を導入したゼラチン修飾体に光照射して架橋することによりゲルからなる血管新生材を製造することを特徴とするものである。
請求項12の血管新生材の製造方法は、請求項11において、該ピリジン誘導体はニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、ニコランジル、ニフェナゾン、及びニコチン酸アミドからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
請求項13の血管新生材の製造方法は、請求項11又は12において、前記感光基はキサンテン系色素であることを特徴とするものである。
請求項14の血管新生材の製造方法は、請求項13において、キサンテン系色素はエオシンであることを特徴とするものである。
請求項15の血管新生材の製造方法は、請求項11ないし14のいずれか1項において、光照射は可視光であることを特徴とするものである。
請求項16の血管新生材の製造方法は、請求項11ないし15のいずれかにおいて、光照射する際にハイドロゲンドナーを共存させておくことを特徴とするものである。
請求項17の血管新生材の製造方法は、請求項16において、ハイドロゲンドナーは、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とするものである。
ニコチンに血管新生作用があることは公知である。本発明によって提供される血管新生材は、ピリジン誘導体を水徐溶性のゼラチン系ゲルに修飾し、生体内においてピリジン誘導体を放出させて血管を新生させるようにしたものである。
このゲルよりなる血管新生材は、皮下組織又は筋組織へ直接に注入される。
架橋したゼラチンゲルは水に不溶であるが、骨格のゼラチン自体が生体内で生分解すること及びゼラチン側鎖の結合が切断されることによりゼラチン側鎖を修飾しているピリジン誘導体が放出される。ピリジン誘導体を長期間、好ましくは2週間以上にわたって徐々に放出させることにより、優れた血管新生効果が得られる。
なお、ピリジン誘導体は水に極めて溶けやすく、そのまま生体内に投与すると注入部位から速やかに拡散してしまい、局部的な血管新生効果は得られない。継続的にピリジン誘導体を投与したのでは、全身にピリジン誘導体が蓄積的に高濃度で負荷されることになり副作用を惹起する可能性が高い。
本発明では、上記の通り、ゼラチンが生体内で生分解されることにより、長期にわたりピリジン誘導体が放出される。
本発明では、光架橋に関わるキサンテン色素の導入量、ハイドロゲンドナーの混合量、光照射量により架橋密度を制御調整することができる。投与部位の面積(腕なのか大腿部なのか、小児なのか体躯の大きな成人なのかなど)、病状(血流不全の程度)などを考慮して、適宜調整することが可能である。
本発明の血管新生材は、少なくともピリジン誘導体と感光基とを導入したゼラチン修飾体に光照射して架橋することで形成されるゲルからなる。
このピリジン誘導体としては、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、、ニコチン酸アミド、ニセリトルオール、ニコクロネイト、ニコフィブレイト、ニコフラノース、ニコモール、ニコモルフィン、ニコランジル、ニコテリン、ニコチニルアルコール、ニフェジピン、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニフロキン、ニケサミド、ニフルピリノール及びニルバジピン並びにこれらの置換体からなる群から選択される少なくとも1種のニコチン系化合物が好適である。
この感光基を有する分子団としては、キサンテン系色素、アジン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キノリン系色素、ピラゾロン系色素、スチルゼン色素、アゾ系色素、ジアゾ系色素、アントラキノン系色素、インジゴ系色素、チアゾール系色素、フェニルメタン系色素、アクリジン系色素、シアニン系色素、インドフェノール系色素、ナフタルアミド系色素及びペリレン系色素からなる郡から選択される少なくとも1種が好適であり、より具体的には、エオシン、フルオロセイン、ローズベンガル、ベンゾフェノン、カンファーキノン、オレフィン、ベンザルアセトフェノン、シンナミリデンアセチル、シンナモイル、スチリルピリジン、α−フェニルマレイミド、フェニルアジド、スルホニルアジド、カルボニルアジド、o−キノンジアジド、フリルアクリロイル、クマリン、ピロン、アントラセン、ベンゾイル、スチルベン、ジチオカルバメート、ザンタート、シクロプロペン、1、2、3−チアジアゾール、アザ−ジオキサビシクロ、ハロゲン化アルキル、ケトン及びジアゾ並びにこれらで修飾された物質からなる群から選択される少なくとも1種が好適であり、中でもエオシンが好適である。
従って、ピリジン誘導体及び感光基で修飾されたゼラチンとしてはニコチン系化合物で修飾されたエオシン化ゼラチンが好適である。このエオシン化ニコチン系ゼラチンについては後に詳述する。
エオシン及びピリジン誘導体のゼラチン分子への導入はゼラチン分子のアミノ基を利用することができる。例えば、ピリジン誘導体がニコチン酸の場合であれば、カルボキシル基をカルボジイミドの作用でゼラチンアミノ基と縮合させてアミド結合を介して固定することができる。また、グルタアルデヒドやエチレンジアミンなど2塩基性の架橋剤を使用して行っても良い。
ニコチンにアミノ基を導入した後にゼラチンへ固定する場合には、
(1)ニコチンへNaNH/NHを作用させ、ニコチンのピリジン環にアミノ基を導入する。
(2)アジピン酸、セバシン酸などの2塩基酸のモノアルキルエステルを塩化オキザリルなどで酸塩化物化とする。
(3)これをニコチンのピリジン環に導入したアミノ基へ反応させてアミド結合を介して末端アルキルエステル化する。
(4)導入したエステル部分を加水分解すると、カルボキシル基を導入したニコチン誘導体ができる。
(5)これをカルボジイミドの存在下でゼラチンと作用させてアミド結合を介してニコチン誘導体を導入する。
なお、ピリジン環のN原子と多価金属イオンによりゼラチンのアミノ基とキレーションさせて導入する方法も考えられる。
ゼラチン1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素が導入されることが好ましい。また、ゼラチン1分子中に1個〜10個のピリジン誘導体が導入されることが好ましい。
光照射する際には、ラジカルのカウンターであるプロトン供与体としてハイドロゲンドナーを共存させておくことが好ましい。ハイドロゲンドナーとしてはチオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物が好適である。
光照射時には、ピリジン誘導体及び感光基で修飾したゼラチンを0.1〜50重量%、ハイドロゲンドナーを0.1〜20重量%の各割合で含む水溶液に対し光を照射するのが好ましい。光照射は有害な分解物を生成させないために可視光が好ましい。
光架橋することにより、水不溶性のゲルが生じる。ピリジン誘導体はゲルを構成するゼラチンに化学的に結合されているためゲルから拡散流出することはない。
この血管新生材が生体に注入されると、ゼラチンの分解にともなって、血管新生作用を有するピリジン誘導体が放出される。放出期間は、ゼラチンへの導入量、架橋密度、投与するゲルの容量に依存するが、例えば100μLのゲルを皮下組織に注入した場合の放出期間は数週間におよぶ。
ゲルは皮下組織又は筋組織へ直接注入して使用するのが好ましい。部位が四肢の場合やバイパス手術など開胸術時の心筋の場合は注射器でそのまま投与が可能である。投与の要領としては、例えば、100μLずつ略均等な間隔で数箇所〜数百箇所へ注入すれば良い。
次に、本発明において用いるのに好適なニコチン系化合物で修飾されたエオシン化ゼラチンについて説明する。
ここでゼラチンは、分子量5千〜10万、アミノ基約10〜100個/1分子程度の通常のゼラチンで良い。
ニコチン系化合物で修飾されたエオシン化ゼラチンは、下記反応に従ってゼラチンの側鎖にエオシンを導入し、その後ニコチン系化合物を導入することにより調製される。
Figure 2007070309
Figure 2007070309
ゼラチン分子へのエオシンの導入数は、例えば、エオシン化ゼラチンの水溶液の吸光度をエオシンの最大吸収波長522nmにおいて測定し、エオシンのモル吸光係数(Logε=4.9 mol-1dm3cm-1)を基に算出可能であり、ゼラチン1分子に対して1〜10個、特に2〜5個程度が好ましい。このエオシン等の感光基を有する化合物の導入数が少ないとゲル化率が低下し、また必要以上に多くてもゼラチン固有の柔軟性が損なわれる可能性があると共に、水へ難溶性となってしまう。
ゼラチン分子へのニコチン系化合物の導入数は、例えば、ニコチン化ゼラチンの水溶液の吸光度をニコチンの最大吸収波長260nmにおいて測定し、ニコチンのモル吸光係数(Logε=3.48 mol-1dm3cm-1)を基に算出可能であり、ゼラチン1分子当り1〜10個のニコチン系化合物を導入するのが好ましい。
このニコチン系化合物で修飾されたエオシン化ゼラチンは、粘稠性の液体状である。これを例えば濃度1〜10重量%の水溶液とした場合には、300〜30,000lx程度、特に300〜15,000lx程度の比較的低照度で、可視光を0.1〜30分程度照射してゲル状に硬化させることができる。なお、光照射するにあたっては、粘稠性の液体状のものに光照射して硬化するだけでなく、あらかじめ液体を乾燥させてから光照射することで、より高密度なゲルを形成させることも可能である。
本発明では、上記ゼラチンゲル形成用の水溶液がさらに、ラジカルのカウンターであるプロトン供与体として、アミノ基、N−アルキルアミノ基及びN、N−ジアルキルアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有したアミノ化合物特にアミノアクリルアミド、具体的にはポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドを5重量%程度含有することが好ましい。このアミノ化合物を含有させることにより、分子間結合を切断して分解物を生成させる可能性が高い紫外線を使用せずに、エネルギーが低く量産においても作業者への安全性が確保される可視光で、本発明の範囲内にある条件によっては蛍光灯などの日常生活で使用されているレベルの光で、不溶化することが可能となる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
[エオシン化ゼラチンの合成]
ゼラチン(分子量95,000、アミノ基量約37個/分子)に、水溶性カルボジイミドであるN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)の存在下、下記反応でゼラチンの側鎖のアミノ基にエオシンを結合させることにより、ゼラチン1分子当たりエオシン約5個を導入してエオシン化ゼラチンを合成した。
Figure 2007070309
[ニコチン酸の導入]
次いで、下記反応式に従ってゼラチンにさらにニコチン酸を導入した。
Figure 2007070309
[血管新生材の作成]
合成したエオシン化ニコチン酸ゼラチンを終濃度10重量%となるように水に溶解した。
石英製ガラス管(内径2mm、外径3mm)中へ上記溶液を充填し、トクソーパワーライト(トクヤマ製、ハロゲンランプ、波長400nm〜520nm)にて照射強度200mW/cmとなるように可視光を20分間照射してゲル化させた。
[放出性の確認試験]
このゲル500μLを、300mLの生食中へ浸漬し、25℃で放置した。ここから経時的にアリコットを採取し、放出されたニコチン系化合物の濃度を測定した。測定は高速液体クロマトグラフィーで行い、測定条件は、
カラム:ODSカラム(島津製作所STR−II)
カラム温度:40℃
移動相:30%n-ブタノール水溶液
検出器:紫外可視分光光度計(波長254nm)
である。
測定の結果、浸漬から1時間後には約5〜20mg/mLの量で放出され、放出は約4週間継続することが確認された。
[生体への注入及び血管新生作用の確認]
PTFE製のシースを18Gのシリンジの入口へあて、上記石英管中をシース内へ挿入してから0.2μmフィルターを介した清浄空気で石英管の反対側から加圧し、前記石英管中で不溶化したゲルをシリンジ内へ押し込んだ。
通常手技によってウサギ背部の表皮を剃毛してイソジン消毒を行った。ウサギ背部の皮下組織内へ、略10mm間隔で、それぞれ約100μLのゲルを18Gシリンジから注入し、合計で10箇所へ注射投与し、そのままウサギを飼育した。水は自由給水とし、飼料としてヘイキューブを体重に応じて適量給仕した。
ゲルを投与した部位において、炎症や感染の所見は認められず、抗生物質は一切使用する必要がなかった。投与から2週間後にウサギを犠牲死させ、ゲルを注入した周辺の皮下組織を摘出した。通常手技で病理標本を作成すると、周辺部に多くの毛細血管、血管が新生して成熟しており、かつ、炎症や感染の所見は認められなかった。

Claims (17)

  1. 少なくともピリジン誘導体と感光基を有する分子団を導入したゼラチン修飾体を含む溶液に光照射して架橋することにより形成されたゲルからなる血管新生材。
  2. 請求項1において、該ピリジン誘導体はニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、、ニコチン酸アミド、ニセリトルオール、ニコクロネイト、ニコフィブレイト、ニコフラノース、ニコモール、ニコモルフィン、ニコランジル、ニコテリン、ニコチニルアルコール、ニフェジピン、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニフロキン、ニケサミド、ニフルピリノール及びニルバジピン並びにこれらの置換体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする血管新生材。
  3. 請求項1又は2において、ゼラチン1分子中に1個〜10個のピリジン誘導体が導入されていることを特徴とする血管新生材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記感光基を有する分子団が、キサンテン系色素、アジン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キノリン系色素、ピラゾロン系色素、スチルゼン色素、アゾ系色素、ジアゾ系色素、アントラキノン系色素、インジゴ系色素、チアゾール系色素、フェニルメタン系色素、アクリジン系色素、シアニン系色素、インドフェノール系色素、ナフタルアミド系色素及びペリレン系色素からなる郡から選択される少なくとも1種であることを特徴とする血管新生材。
  5. 請求項4項において、前記感光基を有する分子団が、エオシン、フルオロセイン、ローズベンガル、ベンゾフェノン、カンファーキノン、オレフィン、ベンザルアセトフェノン、シンナミリデンアセチル、シンナモイル、スチリルピリジン、α−フェニルマレイミド、フェニルアジド、スルホニルアジド、カルボニルアジド、o−キノンジアジド、フリルアクリロイル、クマリン、ピロン、アントラセン、ベンゾイル、スチルベン、ジチオカルバメート、ザンタート、シクロプロペン、1、2、3−チアジアゾール、アザ−ジオキサビシクロ、ハロゲン化アルキル、ケトン及びジアゾ並びにこれらで修飾された物質からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする血管新生材。
  6. 請求項5において、前記感光基を有する分子団はエオシンであることを特徴とする血管新生材。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1項において、ゼラチン1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素が導入されていることを特徴とする血管新生材。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、光照射は可視光であることを特徴とする血管新生材。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、光照射する際にハイドロゲンドナーを共存させておくことを特徴とする血管新生材。
  10. 請求項9において、ハイドロゲンドナーは、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とする血管新生材。
  11. 少なくともピリジン誘導体と感光基を導入したゼラチン修飾体に光照射して架橋することによりゲルからなる血管新生材を製造することを特徴とする血管新生材の製造方法。
  12. 請求項11において、該ピリジン誘導体はニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、ニコランジル、ニフェナゾン、及びニコチン酸アミドからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする血管新生材の製造方法。
  13. 請求項11又は12において、前記感光基はキサンテン系色素であることを特徴とする血管新生材の製造方法。
  14. 請求項13において、キサンテン系色素はエオシンであることを特徴とする血管新生材の製造方法。
  15. 請求項11ないし14のいずれか1項において、光照射は可視光であることを特徴とする血管新生材の製造方法。
  16. 請求項11ないし15のいずれかにおいて、光照射する際にハイドロゲンドナーを共存させておくことを特徴とする血管新生材の製造方法。
  17. 請求項16において、ハイドロゲンドナーは、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とする血管新生材の製造方法。
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