JP2007070121A - エレベータ用の懸架手段端部コネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】単純な構造を備えて大きな力を懸架手段から吸収し、または大きな力を懸架手段へと伝達できる、懸架手段端部コネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング（４）内に固定式に配置される第１の巻き付け要素（２）、および第２の巻き付け要素（３）で構成される。後壁（５）、第１の側壁（６）、および第２の側壁（７）で構成される。。懸架手段（１１）としてポリＶベルト（１１）が設けてある。第１のループ（１２）において、ベルト（１１）は、第１の巻き付け要素（２）の周り、次に第２の巻き付け要素（３）の周りの第２のループ（１３）内に置かれる。第１のループ（１２）と対向して動く第３のループ（１５）において、ベルト（１１）は、第１の巻き付け要素（２）の上を再び通され、ベルト（１１）の端部（１６）は、次に、くさび式固定装置（１７）を用いて、しっかりと保持される。。
【選択図】図２

Description

本発明は、懸架手段内に生じる力を懸架構造へ伝達するか、または懸架構造内に生じる力を懸架手段へ伝達する目的を果す、エレベータ用の懸架手段端部コネクタに関し、力の伝達が、懸架手段と、独立請求項の定義による懸架手段によって巻き付けられる少なくとも１つの巻き付け要素との間の摩擦を利用して行われる。

スイス連邦特許第５５６，７９５号明細書から、エレベータの取り付けに使用されるバネ鋼帯のための端部留め具が知られている。端部留め具は、ウェッジ本体が配置されたウェッジカバーを備えるハウジングで構成される。ハウジングは、荷重方向でテーパ状の中空の鋳型構造である。バネ鋼帯は、ウェッジ本体の上を通され、その端部で、帯保持具を用いて保持され、くさび型のウェッジ本体とハウジングのウェッジカバーとの間にしっかりとくさび式に固定される。

知られている装置の欠点は、バネ鋼帯からハウジング上に力を伝達することにあり、ウェッジ本体、および埋め込み層を備えるウェッジカバーの精巧な構造が必要とされる。
スイス連邦特許第５５６，７９５号明細書

ここで、本発明は、対応策を提供することを目指している。請求項１で特徴付けられるように、本発明は、周知の装置の欠点を防止し、単純な構造を備えて大きな力を懸架手段から吸収し、または大きな力を懸架手段へと伝達できる、懸架手段端部コネクタを作り出す解決法を提供する。

本発明の有利な別の展開が、従属請求項において記述されている。

本発明の手段によって達成された利点は、主に摩擦的に係合された本発明による懸架手段端部コネクタを備える手段に見られ、張力が増すにつれ、くさび効果が増す。懸架手段の複数の反転の結果として、１８０°以上の巻き付きが生じ、逆方向の懸架手段上の懸架手段の部分、およびそのことにより高い摩擦係数が得られる。さらに、本発明による懸架手段端部コネクタは、簡単に外される。

本発明による装置において、少なくとも２つの巻き付け要素が設けられており、巻き付け要素の一方は、懸架手段のループ、および懸架手段のループと対向して動く別の懸架手段のループで巻き付けられ、他方の巻き付け要素は、懸架手段のループで巻き付けられている。

本発明は、添付の図面を参照することにより、より詳細に説明される。

図１および図２は、ハウジング４内に固着して配置された第１の円筒型巻き付け要素２、および第２の円筒型巻き付け要素３で構成される、懸架手段端部コネクタ１を示す。ハウジング４、および巻き付け要素２、３はともに一体式の鋳造物の形式を取るか、あるいは巻き付け要素２、３は、ハウジングに溶接され得る。ハウジングは、本質的に、後壁５、第１の側壁６、および第２の側壁７で構成される。後壁５と対向するハウジングの側面は、開放されている。上向きの方向において、側壁６、７は、テーパ状であり、後壁５およびヨーク８とともに、懸架ボルト１０を収容する懸架要素９が形成される。懸架ボルト１０は、エレベータの懸架構造に結合される。懸架ボルト１０は、たとえば、エレベータの昇降路の最上部に配置された懸架手段の引き上げポイントに結合される。懸架手段端部コネクタ１が垂直軸の周りを１８０°回転させて使用される場合、エレベータケージのヨーク、または釣り合いおもりのフレームは、たとえば、懸架ボルト１０に対する懸架構造としての役目を果す。

懸架手段１１として、ポリＶベルト１１が設けてある。平ベルトまたは歯状ベルトなどの他の懸架手段であってもよい。第１のループ１２において、ベルト１１は、第１の巻き付け要素２の周りに、次に、第２の巻き付け要素３の周りの第２のループ１３内に置かれ、ベルト１４の裏は、巻き付け要素２、３から向きがそれている。第１のループ１２に対向して動く第３のループ１５において、ベルト１１は、第１の巻き付け要素２の上を再度通され、ベルト１１の端部１６は、懸架要素９に対向して置かれたくさび式固定装置１７を用いてしっかりと保持される。図５に示されるように、この部分の摩擦係数がさらに大きくなると、第１のループ１２のリブ１８、および第３のループ１５のリブ１８は、互いに係合する。

懸架ボルト１０に結合されたラグ１９は、懸架ボルト１０の回転を防止し、ベルト１１が緩んだ場合、ループ１２、１３、１５をピンと張った状態に保つ。

くさび式固定装置１７は、ハウジング４上に配置され、ベルトの端部１６、およびネジ２２を用いて調節が可能であるウェッジ２３のためのブレイクスルー（ｂｒｅａｋｔｈｒｏｕｇｈ）２１を有する、ラグ２０で構成され、ラグ２０上にベルトの端部１６をしっかりとくさび式に固定する。ベルトの端部１６でのくさび式の固定は、揺動荷重下のベルトの滑りに関して安全性を向上させる。

図３および図４は、ハウジング４内に配置される、可動的な第３の巻き付け要素２４、およびハウジング４と固定式に結合された第４の巻き付け要素２５で構成される、懸架手段端部コネクタ１を示す。第４の巻き付け要素２５と一緒に、ハウジング４は、一体式鋳造物の形式を取り得る。そうでなければ、くさび式固定装置１７を除いて、図３および図４のハウジング４は、図１および図２のハウジング４と類似した方法で構成されている。巻き付け要素２４、２５は、くさび形の断面を備えてできている。

懸架手段１１として、ポリＶベルト１１が設けてある。たとえば、平ベルトまたは歯状ベルトなどの他の懸架手段であってもよい。第４のループ２６において、ベルト１１は、第３の巻き付け要素２４の周りに、次に、第４の巻き付け要素２５の周りの第５のループ２７内に置かれ、ベルト１４の裏は、巻き付け要素２４、２５から向きがそれている。第４のループ２６に対向して動く第６のループ２８において、ベルト１１は、第３の巻き付け要素２４の上を再び通され、ベルト１１の端部１６は、ベルト１１の周りを通されるバンド２９を用いてしっかりと保持される。図５に示されるように、この部分の摩擦係数がさらに大きくなる結果として、第４のループ２６のリブ１８と第６のループ２８のリブ１８は、互いに係合する。二重に巻き付けられた第３の巻き付け要素２４は、一重に巻き付けられた第４の巻き付け要素２５上の、およびハウジング４の後壁５上のベルト１１を用いて、それ自体を支持する。切断面において、巻き付け要素２４、２５は、たとえば３０°の角度αのくさび形を有する。

懸架ボルト１０に結合されたラグ１９は、懸架ボルト１０の回転を防止し、ベルト１１が緩んだ場合、ループ２６、２７、２８をピンと張った状態に保つ。

図５は、それぞれ第１の巻き付け要素２の向かい合って動くループ１２、１５、および第４の巻き付け要素２４の向かい合って動くループ２６、２８を示す。対向してネジが切られたループ１２、１５、２６、２８のベルトリブ１８は、互いに係合し、ループは、横方向にリブ１８の半分だけ互いに外れている。リブ１８に向かい合って並べられる代わりに、変形の実施形態として、ベルト１１は、また裏面１４と裏面１４を合わされ得る。リブ材料は、裏面材料と異なってよく、異なる摩擦係数を生じさせ、異なるベルトの張力を吸収させる。

摩擦係数を向上させるために、第２の巻き付け要素３および第４の巻き付け要素２５は、それぞれベルトリブ１８が嵌め込まれる長手方向の溝を有することができる。

懸架手段の端部は、少なくとも１つの他の一対の巻き付け要素の上を通過させることも可能で、上述のように、巻き付け要素の１つが再び二重にされて、向かい合って巻き付けられ、かつ巻き付け要素の１つが一重に巻き付けられている。

ハウジング内に固定式に配置された巻き付け要素を備える、懸架手段端部コネクタである。 ハウジング内に固定式に配置された巻き付け要素を備える、懸架手段端部コネクタである。 ハウジング内に固定式に配置された巻き付け要素、および可動的に配置された巻き付け要素を備える、懸架手段端部コネクタである。 ハウジング内に固定式に配置された巻き付け要素、および可動的に配置された巻き付け要素を備える、懸架手段端部コネクタである。 巻き付け要素の対向して動くループである。

符号の説明

１ 懸架手段端部コネクタ
２ 第１の円筒型巻き付け要素
３ 第２の円筒型巻き付け要素
４ ハウジング
５ 後壁
６、７ 側壁
８ ヨーク
９ 懸架要素
１０ 懸架ボルト
１１ ポリＶベルト（懸架手段）
１２ 第１のループ
１３ 第２のループ
１４ ベルト
１５ 第３のループ
１６ 端部
１７ くさび式固定装置
１８ リブ
１９、２０ ラグ
２１ ブレイクスルー
２２ ネジ
２３ ウェッジ
２４ 第３の巻き付け要素
２５ 第４の巻き付け要素
２６ 第４のループ
２７ 第５のループ
２８ 第６のループ
２９ ベルトバンド

Claims (11)

1. 懸架手段（１１）と、懸架手段（１１）によって巻き付けられる少なくとも１つの巻き付け要素（２、２５）との間の摩擦を利用して、力の伝達が行われる、懸架手段（１１）内に生じる力を懸架構造へ伝達するか、または懸架構造内に生じる力を懸架手段（１１）へ伝達する目的を果す、エレベータ用の懸架手段端部コネクタ（１）であって、
   少なくとも２つの巻き付け要素（２、３、２４、２５）が設けられ、巻き付け要素（２、２４）の一方が、懸架手段のループ（１２、２６）、および懸架手段のループ（１２、２６）と対向して動く別の懸架手段のループ（１５、２８）で巻き付けられ、他の巻き付け要素（３、２５）が懸架手段のループ（１３、２７）で巻き付けられていることを特徴とする、懸架手段端部コネクタ。
2. 少なくとも１つの巻き付け要素（２、３、２５）が、固定式に配置されたことを特徴とする、請求項１に記載の懸架手段端部コネクタ。
3. 少なくとも１つの巻き付け要素（２４）が、可動式に配置されたことを特徴とする、請求項２に記載の懸架手段端部コネクタ。
4. 少なくとも２つの巻き付け要素（２、３）が、円筒形であることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の懸架手段端部コネクタ。
5. 少なくとも２つの巻き付け要素（２４、２５）が、くさび形の断面を有することを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の懸架手段端部コネクタ。
6. 懸架手段（１１）が、ベルト裏面（１４）およびリブ（１８）を備えるポリＶベルト（１１）であり、向かい合って通されるループ（１２、１５、２６、２８）のベルトリブ（１８）が、互いに係合することを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載の懸架手段端部コネクタ。
7. 少なくとも１つの巻き付け要素（１３、２５）が、ベルトリブ（１８）が嵌入する長手方向の溝を有することを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載の懸架手段端部コネクタ。
8. 裏壁（５）、および側壁（６、７）を備えるハウジング（４）が、その上に少なくとも１つの巻き付け要素（２、３、２５）が配置されて、設けられたことを特徴とする、請求項１から７のいずれか一項に記載の懸架手段端部コネクタ。
9. 上向き方向において、側壁（６、７）がテーパ状となり、後壁（５）およびヨーク（８）とともに、エレベータの懸架構造に結合された懸架ボルト（１０）を収容する懸架要素（９）を形成することを特徴とする、請求項８に記載の懸架手段端部コネクタ。
10. 懸架ボルト（１０）に結合されたラグ（１９）が、懸架ボルト（１０）の回転を防止する役目を果し、懸架手段（１１）が緩んだ場合、懸架手段のループ（１２、１３、１５、２６、２７、２８）をピンと張った状態に保つことを特徴とする、請求項９に記載の懸架手段端部コネクタ。
11. 請求項１から１０に記載の懸架手段端部コネクタ（１）を備えるエレベータ。

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