JP2007069641A - 車両のオーバーヘッドコンソール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、前部左右座席、後部左右座席を備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造において、各座席に着座する乗員の利便性・快適性をさらに向上することができ、また、乗員の視界も広げることもできる車両のオーバーヘッドコンソール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】
車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向フレーム部60のスライド溝60aと、該スライド溝60aに接続されて車幅方向に延びる横方向フレーム部61,62のスライド溝61a,62aと、これらスライド溝60a,61a,62aによって、前後及び左右にスライド移動可能となるコンソールユニット53,54,55,56とを備えている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、自動車の車室内天井に設置され、眼鏡や小物類等を収納するオーバーヘッドコンソールに関し、特に使い勝手を向上した車両のオーバーヘッドコンソール構造に関する。
従来から、車室内の運転席と助手席の間の上方に、小物等を収納するオーバーヘッドコンソールを設置することが知られている。また、近年では、多人数の乗員が乗車できる三列等シートのワゴン車やRV車が人気を集め、こうした自動車の二列目・三列目の後部座席の上方に、テレビやビデオの画像モニター等を備えたオーバーヘッドコンソールを設置することも知られている。
しかし、このように複数のオーバーヘッドコンソールを別々に車室内天井に設置すると、取り付け作業が増加したり、見栄え等が悪化するといった問題が生じる。
そこで、下記特許文献1では、車室内天井の中央部に、車両前後方向に延びるスライドガイド部(スライドレール)を備えたベースユニットを取り付け、このスライドガイド部に対して前後方向にスライドするコンソールユニットを設けるものが提案されている。
この特許文献1によると、複数のオーバーヘッドコンソールを設置しなくてもよいため、取り付け作業を簡略化することができると共に、見栄えを向上でき、さらに前部座席と後部座席における利便性と快適性を両立することができる。
特開2003−237477号公報
ところで、利便性と快適性をさらに高めるには、小物の出し入れ作業や画像モニターの視認性から、コンソールを乗員の目の前に位置させる方が望ましい。
一方、コンソールが乗員の目の前にあると、乗員の視線の邪魔になるため、乗員の視界を広げるためには、コンソールは乗員の目の前にない方が望ましい。
しかし、前述の特許文献1の構造によると、コンソールユニットは車両前後方向にスライド移動するものの、常に、車幅方向中央でコンソールユニットが固定されているため、車幅方向両側位置に着座した乗員が、目の前にコンソールを位置させることができず、利便性や快適性を向上することができないという問題がある。また、中央に着座した乗員では、常にコンソールが目の前に位置するため、視線の邪魔になり視界を広げることができないという問題がある。
そこで、本発明は、前部左右座席、後部左右座席を備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造において、各座席に着座する乗員の利便性・快適性をさらに向上することができ、また、乗員の視界も広げることもできる車両のオーバーヘッドコンソール構造を提供することを目的とする。
この発明の車両のオーバーヘッドコンソール構造は、前部左右座席と後部左右座席とを備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造であって、車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向スライドレール部と、該縦方向スライドレール部に接続されて車幅方向に延びる横方向スライドレール部と、該縦方向スライドレール部と横方向スライドレールとによって、前後及び左右にスライド移動可能となったコンソールユニットとを備えるものである。
上記構成によれば、縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部とによって、コンソールユニットが前後左右にスライド移動するため、乗員はコンソールユニット(例えば、画像モニターや小物入れのユニット)を車室内の前後左右に自由に移動させることができる。
このため、乗員は、コンソールユニットを乗員の目の前まで移動させることができ、また、コンソールユニットを乗員の目の前から別の位置に移動させることもできる。
特に、後部座席の乗員の目の前まで、コンソールユニットを移動させることができるため、後部座席乗員の利便性を高めることができる。
なお、縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部は、レール状に延設されるものであれば、天井から凸状に突出していても、凹状に窪んでいても良い。
また、横方向スライドレール部は、縦方向スライドレール部に対してそれ自体がスライド移動可能となるように構成しても良い。この場合は、上下方向の占有スペースが大きくなるが、横方向スライドレール部の位置を前後方向に自由に変更できるため、コンソールユニットを移動できる範囲をさらに広げることができる。
さらに、このコンソールユニットの個数は一つでも良いし、複数であっても良い。
この発明の一実施態様においては、前記縦方向スライドレール部と前記横方向スライドレール部を、同一平面で交差するように設定したものである。
上記構成によれば、縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部とが同一平面に設置されるため、オーバーヘッドコンソールの占める上下方向の占有スペースをコンパクトにすることができる。
よって、車室の室内高を減少させることなく、コンソールユニットを前後左右に自由に移動させることが可能となり、室内高を確保しつつも、乗員の利便性向上と視界向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記縦方向スライドレール部を、前部座席から後部座席に跨って車両前後方向に延びるように設定したものである。
上記構成によれば、前部座席から後部座席に跨って縦方向スライドレール部が位置するため、コンソールユニットを縦方向に大きくスライド移動させることができる。
よって、コンソールユニットの前後方向の移動量を増やすことができ、更に乗員の利便性を向上することができる。
この発明の車両のオーバーヘッドコンソール構造は、前部座席と中間座席と後部座席の三列座席を備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造であって、車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向スライドレール部と、該縦方向スライドレール部に接続されて、前部座席と中間座席の間、及び中間座席と後部座席の間の少なくとも一方に設けられた車幅方向に延びる横方向スライドレール部と、該縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部とによって、前後及び左右にスライド移動可能となったコンソールユニットとを備えるものである。
上記構成によれば、縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部によって、コンソールユニットが前後左右にスライド移動するため、三列座席を備えた車両においても、乗員はコンソールユニットを前後左右に自由に移動させることができる。
このため、室内長が長い三列座席を備えた車両であっても、乗員は、コンソールユニットを乗員の目の前まで移動させることができ、また、コンソールユニットを乗員の目の前から別の位置に移動させることもできる。
よって、三列座席を備えた車両において、各座席に着座する乗員の利便性・快適性をさらに向上することができ、また、乗員の視界も広げることができる。
この発明の一実施態様においては、縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち前部座席から後部座席に跨って車体前後方向に延びるように設定したものである。
上記構成によれば、三列座席のうち前部座席から後部座席に跨って縦方向スライドレール部が位置するため、コンソールユニットを縦方向に大きくスライド移動させることができる。
よって、三列座席を備えた車両においても、コンソールユニットの前後方向の移動量を増やすことができ、乗員の利便性を更に向上することができる。
この発明の一実施態様においては、縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち前部座席から中間座席に跨って車体前後方向に延びるように設定したものである。
上記構成によれば、三列座席のうち前部座席から中間座席に跨って縦方向スライドレール部が位置するため、前部座席から中間座席までコンソールユニットを移動させることができる。
よって、三列座席を備えた車両において、後部座席まで縦方向スライドレール部を延ばすことなく、乗員(具体的には中間座席の乗員と後部座席の乗員)の利便性の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち中間座席から後部座席に跨って車体前後方向に延びるように設定したものである。
上記構成によれば、三列座席のうち中間座席から後部座席に跨って縦方向スライドレール部が位置するため、中間座席から後部座席までコンソールユニットを移動させることができる。
よって、三列座席を備えた車両において、コンソールの使用頻度が低く、コンソールを位置させる必要性の低い前部座席まで、縦方向スライドレール部を延ばすことなく、乗員(具体的には中間座席の乗員と後部座席の乗員)の利便性の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記三列座席のうち前部座席と中間座席の間、及び中間座席と後部座席の間に各々横方向スライドレール部を設置して、該二本の横方向スライドレール部を前記縦方向スライドレール部で連結したものである。
上記構成によれば、三列座席のうち中間座席の前後位置に横方向スライドレール部が位置し、その間を縦方向スライドレール部が連結するため、中間座席の前後位置でコンソールユニットを移動させることができる。
よって、三列座席を備えた車両において、必要最小限のコンソールユニットの移動量で、乗員(具体的には中間座席の乗員と後部座席の乗員)の利便性の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記縦方向スライドレール部と前記横方向スライドレール部を、二本の平行なレールで構成したものである。
上記構成によれば、コンソールユニットを二箇所のポイントで支持してスライド移動させることができる。
よって、コンソールユニットを二点支持で安定して支持することができ、コンソールユニットのスライド移動を安定且つ確実に行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、前記コンソールユニットに画像モニターを内蔵し、該画像モニターを内蔵したコンソールユニットに弛み除去手段を介して信号伝達ケーブルを接続したものである。
上記構成によれば、画像モニターを内蔵したコンソールユニットをスライド移動した場合でも、信号伝達ケーブルによって画像信号を送るため、画像モニターの画像が乱れることなく安定して表示されることになる。
また、弛み除去手段でこの信号伝達ケーブルの弛みを取り除くため、信号伝達ケーブルの弛みがコンソールユニットのスライド移動に影響を与えることもない。
よって、画像モニターの画像を、安定して表示させつつも、画像モニターを内蔵したコンソールユニットのスライド移動を安定して行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、前記弛み除去手段をケーブル巻取り機構で構成したものである。
上記構成によれば、ケーブル巻取り機構で弛み除去手段を構成したため、弛み除去手段の占有スペースをコンパクトにできる。
よって、ルーフパネルとトップシーリング(天井のトリム材)との間の空間を広げることなく、確実に弛み除去手段をレイアウトできる。
この発明によれば、縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部によって、コンソールユニットが前後左右にスライド移動するため、乗員はコンソールユニットを車室内の前後左右に自由に移動させることができる。
このため、乗員は、コンソールユニットを乗員の目の前まで移動させることができ、また、コンソールユニットを乗員の目の前から別の位置に移動させることもできる。
よって、前部左右座席、後部左右座席を備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造において、各座席に着座する乗員の利便性・快適性をさらに向上することができ、また、乗員の視界も広げることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
まず、図1〜図8により、第一実施形態について説明する。図1は本発明の車両のオーバーヘッドコンソール構造が採用された車室内の側面図、図2はコンソールユニットをベースフレームの前端部に並べた状態を示す車室内天井の斜視図、図3はベースフレームの設置位置と各座席との関係を示す模式図、図4はコンソールユニットの分解斜視図、図5は図2のA−A線矢視断面図、図6はコンソールユニットの摺動支持部の詳細図、図7は巻取りユニットの内部構造図、図8はコンソールユニットをスライド移動させた状態を説明する図である。
本実施形態の自動車Vは、図1に示すように、車室C内に車両前方側から運転席と助手席とからなる一列目シート1と、この一列目シート1後方の二列目シート2と、その二列目シート2後方の三列目シート3とを備える、いわゆる三列シートを備えたワゴンタイプの自動車である。
この車室C内の上方には、車両前方から後方に拡がる車室内天井4が設置され、車室Cの上壁を構成している。そして、この車室内天井4の中央部には車両前後方向及び車幅方向に延びるオーバーヘッドコンソール5が設置されている。
また、車室内天井4のフロントガラス6近傍にはサンバイザー7が配置され、フロントガラス6の下方にはインストルメントパネル8とステアリングハンドル9をそれぞれ配置されている。
前述のオーバーヘッドコンソール5は、車室内天井4に設置され車幅方向中央で車両前後方向に延びると共に各シート1,2,3間で車幅方向に延びるベースフレーム51と、このベースフレーム51に摺動自在に嵌合されたベースユニット52(図4参照)と、ベースユニット52に固定されることでベースフレーム51に対してスライド移動可能となる4つのコンソールユニット53,54,55,56と、この4つのコンソールユニットのうち画像モニターを内蔵した1つのコンソールユニット56と連結される信号伝達ケーブル57と、この信号伝達ケーブル57の弛みを巻き取る巻取りユニット58と、を備えて構成される。
このうち4つのコンソールユニット53,54,55,56には、車両前方側からルームランプ、眼鏡ケース、小物入れ、画像モニターがそれぞれ内蔵されており、図1に示すように、ルームランプと眼鏡ケースのコンソールユニット53,54は、一列目シート1上方に調整位置され、小物入れのコンソールユニット555は、二列目シート2上方に調整位置され、画像モニターのコンソールユニット56は、三列目シート3上方に調整位置されるように構成されている。すなわち、乗員の要求に応じた位置にコンソールユニット53,54,55,56を移動調整できるように構成して、乗員の要求を満足させるようにしている。
前述のベースフレーム51は、図3の模式図に示すように、車室内天井4の車幅方向中央で一列目シート1に対応する位置の前方から三列目シート3に対応する位置の前方まで車両前後方向に延びる縦方向フレーム部60と、一列目シート1と二列目シート2の間に対応する位置で車幅方向に延びる第一横方向フレーム部61と、ニ列目シートと三列目シート3の間に対応する位置で車幅方向に延びる第二横方向フレーム部62と、を備えている。なお、図3の(a)が平面模式図、(b)が側面模式図である。
このベースフレーム51は、樹脂部材で形成され、後述するように車室内天井4に固定ボルト5Bを介して強固に固定されており(図5参照)、各コンソールユニット53,54,55,56等を確実に支持するように構成している。
また、このベースフレーム51の各フレーム部60,61,62には、図2に示すように、各フレーム部の延設方向に沿って平行に延びる二本のスライド溝60a,61a,62aが形成されて、このスライド溝60a,61a,62aによってコンソールユニット53,54,55,56をスライドさせる所謂スライドレールを構成している。このスライド溝60a,61a,62aを設けたことにより、ベースフレーム51が設置された範囲で、コンソールユニット53,54,55,56を、前後左右に自由にスライド移動させることができ、その位置を自由に変更することができる。
前述のコンソールユニット53,54,55,56は、図2に示すように、各々略正方形状の重箱状の樹脂部材で形成されており、各コンソールユニットの外面形状と大きさを同じにして、各コンソールユニット53,54,55,56を連続して並べた状態においてコンソールユニット間の隙間をほぼ無い状態としている。このため、4つのコンソールユニット53,54,55,56は、一列目シート1の上方にまとまって一体感のある状態となり、外観を極めて向上することができる。
コンソールユニット56の詳細構造について、図4及び図5により説明する。なお、この説明するコンソールユニット56は、画像モニター59を内蔵したものであるが、その他のコンソールユニット53,54,55も、画像モニター59等を内蔵している以外は同様である。
コンソールユニット56は、前述のように重箱状の樹脂部材で形成されて、その内部空間に折り畳んだ状態で画像モニター59を内蔵している。このコンソールユニット56の後方縦壁56aには、凹形状の把持部56bを形成しており、乗員がこの把持部56bを掴んで、所望の位置にコンソールユニット56をスライド移動できるように構成している。また、コンソールユニット56の上面壁56cには、画像モニター59へ画像信号等を送信する信号伝達ケーブル57を挿通するためのケーブル孔56dを穿設している。
コンソールユニット56の上方には、ベースユニット52を、接着剤等で固定している。このベースユニット52は、樹脂製の正方形状のベースプレート52aと、ベースプレート52aのスライドボス部70…に嵌合される4つの摺動支持コマ52b…とによって構成されている。
ベースプレート52aは、コンソールユニット56よりもやや小さい面積を有する正方形のプレート部材で形成され、上面には、ほぼ均等間隔で4つのスライドボス部70…を設けている。このスライドボス部70は、ベースフレーム51のスライド溝60a,61a,62a(図2参照)に摺接する下側ボス部70aと摺動支持コマ52bに嵌合される上側ボス部70bとを有する。そして、このスライドボス部70の一つに信号伝達ケーブル57を挿通するためのケーブル孔70cを穿設している。
摺動支持コマ52b…は、矩形形状で中央に嵌め込み孔部71aを有する本体部71と、本体部71の周囲四方にフローティング支持される4つの揺動部72…とを備えている。この揺動部72…は、図6に示すように、本体部71に対して出没するロッド部72aと、スライド溝60aの内部側壁に当接する円弧カム部72bと、ロッド部72aに外装され本体部71と円弧カム部72bの間で付勢力を発生するコイルスプリング72cと、を備えている。
この摺動支持コマ52b…は、図6に示すように、縦方向フレーム部60のスライド溝60aの内部側壁に形成された凹凸ガイド溝60bに、左右両側の揺動部72がそれぞれ当接することで、その位置を保持するように構成している。すなわち、この揺動部72を設けたことで、コンソールユニット56を節度感を持ってスライド移動させることができ、そのスライド位置を確実に保持することができるのである。また、車幅方向にコンソールユニット56をスライド移動させる場合には、前後両側の揺動部72がそれぞれ横方向フレーム部61(62)のスライド溝61a(62a)の凹凸ガイド溝61b(62b)に当接することで、左右両側の揺動部72と同様に、その位置を確実に保持することができる。
この摺動支持コマ52b…が当接摺動するスライド溝60aは、図5に示すように、ベースフレーム51に対して断面略T字状に形成している。この断面T字状のスライド溝60aに対して摺動支持コマ52b…とスライドボス部70を嵌合させることで、ベースフレーム51によってコンソールユニット56を確実に吊り下げ支持することができる。
また、このベースフレーム51は、図5に示すように、ルーフパネル10にクッション材11を介して固設されたメンバー部材12に、トップシーリング13を挟み込んだ状態で固定ボルト5Bにより固定されている。このため、オーバーヘッドコンソール5は、ルーフパネル10に支持された状態となり、強固に車室内天井4に固定されることになる。
なお、このベースフレーム51やトップシーリング13にも、信号伝達ケーブル57を挿通するためのケーブル孔51a,13aを形成し、このケーブル孔51a,13aを介して信号伝達ケーブル57を配索している。このため、信号伝達ケーブル57は、ルーフパネル10とトップシーリング13の間に配索されることになる。
この信号伝達ケーブル57は、前述のように画像モニター59へ画像信号等を送信するものであるが、このように信号伝達ケーブル57で画像モニター59へ画像信号を送信することにより、車両走行中のガタツキ等によっても、電極接触式のように信号が断絶することなく伝達されるため、常時安定して画像モニター59が表示されることになる。
もっとも、信号伝達ケーブル57を用いた場合には、コンソールユニット56をスライド移動させた際に、車室内天井4のケーブル始点からコンソールユニット56のケーブル終点までの距離が変化するため、その間の信号伝達ケーブル57の「弛み」をとる必要がある。
この対策として、本実施形態では、図2に示すように、巻取りユニット58を設けている。この巻取りユニット58は、ルーフパネル10とトップシーリング13の間のベースフレーム51の前端部側方位置に設置している。
巻取りユニット58は、具体的には、図7に示すように、矩形形状のケーシング58a内部に、ゼンマイバネ58bにより巻取り方向(図7の反時計回り)に回転付勢された巻取りリール58cを設置し、この巻取りリール58cの外周巻掛け部58c1に信号伝達ケーブル57を巻き付けることにより、信号伝達ケーブル57を巻き取るように構成している。
この巻き付けた信号伝達ケーブル57を、車両後方側(図7の下側)へ引っ張ることで、巻取りリールが引き出し方向(図7の時計回り)に回転して、信号伝達ケーブル57が引き出し口から引き出されることになる。
このように、巻取りユニット58で信号伝達ケーブル57を巻き取ることで、コンソールユニット56を移動させることで生じる、「弛み」を除去することができ、信号伝達ケーブル57をコンパクトに収納することができる。
次に、このように構成されたオーバーヘッドコンソール5の使用状態(コンソールユニット53,54,55,56の移動状態)を、図8により説明する。
オーバーヘッドコンソール5は、前述のように、縦方向フレーム部60と第一横方向フレーム部61と第二横方向フレーム部62とからなるベースフレーム51を備えており、このベースフレーム51に吊り下げ支持された複数のコンソールユニット53,54,55,56をベースフレーム51内でスライド移動させることで、各コンソールユニット53,54,55,56を各座席の乗員の要求に応じて使用できるようにしている。
例えば、ベースフレーム51の縦方向フレーム部60の前端部に、4つのコンソールユニット53,54,55,56を車両前後方向に並べて位置させる基本状態(二点鎖線で示す)から、一番前のルームランプのコンソールユニット53を縦方向フレーム部60の前端部に残しつつ、二番目の眼鏡ケースのコンソールユニット54を第一横方向フレーム部61の右側端(図8の下側)、三番目の小物入れのコンソールユニット55を縦方向フレーム部60の後端、四番目の画像モニターのコンソールユニット56を第二横方向フレーム部62の左側端(図8の上側)に、それぞれスライド移動して使用することができる。
このように、各コンソールユニット53,54,55,56をスライド移動させた場合には、二列目シート2の右側座席に着座する乗員がコンソールユニット54から容易に眼鏡を取り出すことができたり、三列目シート3に着座する乗員がコンソールユニット55から容易に小物を出し入れしたり、さらに、三列目シート3の左側座席に着座する乗員がより近くでテレビ映像を楽しむことができたりする。また、二列目シート2の中央座席に着座する乗員は、目の前にコンソールユニット54,55,56が存在しないため、コンソールユニット54,55,56が視線の邪魔になることがなく、前方視界を広くすることができ、開放感を得ることができる。
よって、本実施形態のオーバーヘッドコンソール5によると、各座席に着座した乗員の利便性や快適性を向上しつつ、視界も広くすることができるのである。
また、この図で一点鎖線で示すように、信号伝達ケーブル57は、4つのコンソールユニット53,54,55,56を前後方向に並べて位置させる基本状態が最も短くなり、画像モニターのコンソールユニット56を第二横方向フレーム部62の左側端に位置させた状態がもっとも長くなるが、巻取りユニット58で信号伝達ケーブル57の「弛み」を巻き取るようにしているため、不要な信号伝達ケーブル57が露出することなく、コンパクトに収納されることになる。
また、このオーバーヘッドコンソール5によると、各コンソールユニット53,54,55,56の基本状態における位置を、自由に入れ替えることも可能である。
例えば、図8に示した使用状態から、三番目の小物入れのコンソールユニット,55を一旦第二横方向フレーム部62の右側端にスライド移動させて、四番目のコンソールユニット56を第二横方向フレーム部62の左側端から縦方向フレーム部60の前端側にスライド移動させると、画像モニター59のコンソールユニット56を車両前方側から二番目にスライド移動させることができる。
そして、その後方位置に眼鏡ケースのコンソールユニット54をスライド移動させて、さらにその後方位置に小物入れのコンソールユニット55を移動させると、それぞれのコンソールユニット54,55を、車両前方側から三番目、四番目に位置させることができる。
このように、コンソールユニットの基本状態の位置を、自由に入れ替えることにより、基本状態における各コンソールユニット53,54,55,56の使い勝手も向上する。
以上のように、本実施形態の車両のオーバーヘッドコンソール構造では、車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向フレーム部60のスライド溝60aと、該スライド溝60aに接続されて車幅方向に延びる横方向フレーム部61,62のスライド溝61a,62aと、これらスライド溝60a,61a,62aによって、前後及び左右にスライド移動可能となるコンソールユニット53,54,55,56とを備えている。
これにより、コンソールユニット53,54,55,56を前後左右に自由にスライド移動させることができるため、乗員は、画像モニターのコンソールユニット56や小物入れのコンソールユニット55等を車室内の前後左右に自由に移動させることができる。
このため、乗員は、コンソールユニット53,54,55,56を乗員の目の前まで移動させることも、また、コンソールユニット53,54,55,56を乗員の目の前から別の位置に移動させることもできる。
特に、本実施形態のように、室内長が長い三列シートを備えた車両Vであったとしても、コンソールユニット53,54,55,56を最後端の三列目シート3の乗員の目の前まで移動させることができる。
よって、本実施形態のオーバーヘッドコンソール5によると、三列シートを備えた車両Vにおいても、各座席に着座する乗員の利便性・快適性をさらに向上することができ、また、乗員の視界も広げることができる。
また、この実施形態では、縦方向フレーム部60のスライド溝60aと横方向フレーム部61,62のスライド溝61a,62aを、同一平面で交差するように設定していることから、オーバーヘッドコンソール5の占める上下方向の占有スペースをコンパクトにできる。
よって、車室Cの室内高を減少させることなく、コンソールユニット53,54,55,56を前後左右に自由に移動させることが可能となり、車室Cの室内高を確保しつつも、乗員の利便性向上と視界向上を図ることができる。
また、この実施形態では、縦方向フレーム部60を、一列目シート1から二列目シート2の後方に跨って車両前後方向に延びるように設定していることから、コンソールユニット53,54,55,56を一列目シート1から二列目シート2に亘って車室内で縦方向に大きくスライド移動させることができる。
よって、三列シートを備えた車両Vにおいて、三列目シート3まで縦方向フレーム部60を延ばすことなく、二列目シート2の乗員と三列目シート3の乗員の利便性の向上を図ることができる。
また、この実施形態では、縦方向フレーム部60のスライド溝60aと横方向フレーム部61,62のスライド溝61a,62aを、二本の平行なスライド溝で構成したことにより、コンソールユニット53,54,55,56を二箇所のポイントで支持してスライド移動させることができる。
よって、コンソールユニット53,54,55,56を二点支持で安定して支持することができ、コンソールユニット53,54,55,56のスライド移動を安定且つ確実に行なうことができる。
なお、本実施形態では、二本のスライド溝で所謂スライドレールを構成したが、コンソールユニットの安定性をさほど考慮しない場合には、一本のスライド溝でスライドレールを構成してもよい。
また、この実施形態では、コンソールユニット56に画像モニター59を内蔵して、該画像モニター59を内蔵したコンソールユニット56に巻取りユニット58を介して信号伝達ケーブル57を接続したことにより、画像モニター59を内蔵したコンソールユニット56をスライド移動した場合でも、信号伝達ケーブル57によって画像信号を送るため、画像モニター59の画像が乱れることなく安定して表示されることになる。
また、巻取りユニット58でこの信号伝達ケーブル57の弛みを除去するため、信号伝達ケーブルの弛みがコンソールユニット56のスライド移動に影響を与えることもない。
よって、画像モニター59の画像を、安定して表示させつつも、画像モニター59を内蔵したコンソールユニット56のスライド移動を安定して行なうことができる。
また、この実施形態では、この信号伝達ケーブル57の弛みを巻取りユニット58で取り除くように構成したことで、弛み除去のための占有スペースをコンパクトにできる。
よって、ルーフパネル10とトップシーリング13との間の空間を広げることなく、確実に信号伝達ケーブル57の弛みを取り除く機構をレイアウトできる。
次に、この信号伝達ケーブル57の弛みを取り除く機構の別実施形態について、図9、図10の模式図により説明する。これらの図に示すケーブル弛み除去機構は、全て、前述の実施形態の巻取りユニット58のようにゼンマイバネや巻取りリール等を必要とせず、シンプルに構成したものである。
なお、これらの図で、60aは縦方向フレーム部のスライド溝、61aは横方向フレーム部のスライド溝、56はコンソールユニット、57は信号伝達ケーブル、57bは信号伝達ケーブルのケーブル終点を示し、実線で示した状態がコンソールユニット56の基本状態を示した図、一点鎖線、二点鎖線、破線で示した状態が、それぞれコンソールユニット56を縦方向フレーム部60の後端に、横方向フレーム部61の右端及び左端に位置させた状態を示した図である。
まず、図9(a)のケーブル弛み除去機構158は、縦方向フレーム部のスライド溝60aの前端近傍に信号伝達ケーブル57のケーブル始点57aを設定し、その側方に回動支点100aを有して先端部で信号伝達ケーブル57を係合する弛み押えレバー100を設置し、その弛み押えレバー100を図面の時計回り方向に付勢するスプリング部材100bを設けることで構成している。なお、図示はしないが、弛み押えレバー100の先端部には切欠き溝を形成しており、この切欠き溝で信号伝達ケーブル57を係止するようにしている。
この図で示すように、実線で示した基本状態において、弛み押えレバー100が直立状態となり、この弛み押えレバー100によって、信号伝達ケーブル57が大きく弛み押えレバー100側に手繰り寄せられて、信号伝達ケーブル57の弛みを除去するようにしている。
また、その他の場所にコンソールユニット56を移動させた場合でも、それぞれの位置に弛み押えレバー100がスプリング部材100bの付勢力に抗して揺動し、信号伝達ケーブル57の弛みを除去するようになっている。
このように、弛み押えレバー100とスプリング部材100bによって、信号伝達ケーブル57の弛みを除去できるため、ケーブル弛み除去機構158を構造的にシンプルに構成することができ、これにより、装置の信頼性を向上でき、生産コストも低減できる。
次に、図9(b)のケーブル弛み除去機構258は、縦方向フレーム部のスライド溝60aと横方向フレーム部のスライド溝61aとの間の中間部に、信号伝達ケーブル57のケーブル始点57aを設定し、その側方に回動支点200aを有して先端部で信号伝達ケーブル57を係合する弛み押えレバー200を設置し、その弛み押えレバー200を図面の反時計回り方向に付勢するスプリング部材200bを設けることで構成している。
この図に示すように、信号伝達ケーブル57のケーブル始点57aを、縦方向フレーム部のスライド溝60aと横方向フレーム部のスライド溝61aとの間の中間部に設定したことで、信号伝達ケーブル57の長さを短くすることができ、また、弛み押えレバー200の長さも、図9(a)のものよりも短くすることができる。
よって、このケーブル弛み除去機構258によると、図9(a)のものより、除去機構自体をよりコンパクトに構成することができる。
次に、図10(a)のケーブル弛み除去機構358は、ケーブル始点57a、弛み押えレバー300、スプリング部材300bを設ける点は、図9(a)のケーブル弛み除去機構と同様であるが、さらに、縦方向フレーム部のスライド溝60aと横方向フレーム部のスライド溝61aの交差部301近傍に規制ガイドピン302,303を二本立設して、この間に信号伝達ケーブル57を挿通して、信号伝達ケーブル57の弛みを除去するように構成したものである。
この図に示すよう、規制ガイドピン302,303をスライド溝60a,61aの交差部301近傍に二本立設して、信号伝達ケーブル57の弛みを除去するようにしたことで、常に信号伝達ケーブル57が交差部301近傍に位置することになり、信号伝達ケーブル57の長さを、さらに短くすることができ、弛み押えレバー300の揺動範囲も小さくすることができる。
よって、このケーブル弛み除去機構358によると、図9(a)(b)のものより、さらに、除去機構自体をコンパクトに構成することができ、揺動範囲も小さくすることができる。
次に、図10(b)のケーブル弛み除去機構458は、図10(a)同様に、ケーブル始点57a、交差部401近傍に規制ガイドピン402,403を二本設ける点が同じであるものの、規制ガイドピンの一本を縦方向フレーム部のスライド溝60aに沿って前後方向(図面で左右方向)に可動する可動ピン403として構成し、この可動ピン403を車両前方側へ付勢する付勢スプリング404を設けることで、弛み押えレバー等を不要としたものである。
すなわち、可動ピン403が縦方向フレーム部のスライド溝60aに沿って車両前後方向にスライド移動することで、信号伝達ケーブル57が常に縦方向フレーム部のスライド溝60aに沿って位置することになり、弛みを除去しているのである。
よって、このケーブル弛み除去機構458によると、弛み押えレバーを無くすことができ、これにより、レバーの揺動範囲を必要とせず、よりコンパクトに除去機構を構成することができる。
その他、信号伝達ケーブル57の弛みを取り除く機構は、これら以外にも乗員が直接に信号伝達ケーブル57を巻き取って「弛み」の除去を行うような構造であってもよい。
次に、オーバーヘッドコンソール5のベースフレーム51の形状を変更した他の実施形態について、図11〜図13の(a)〜(g)で説明する。なお、これらの図は第一実施形態の図3に対応する各模式図であり、図3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(a)には、第一実施形態と比較して、三列目シート3の上方位置まで縦方向フレーム部60のスライド溝を延設した実施形態を示している。このように、縦方向フレーム部60のスライド溝を三列目シート3の上方位置まで延設した場合には、三列シートのうち一列目シート1から三列目シート3に跨ってスライド溝が位置するため、コンソールユニット53,54,55,56(図2参照)を縦方向に大きくスライド移動させることができる。
よって、第一実施形態にも増して、三列シートを備えた車両において、コンソールユニット53,54,55,56の前後方向の移動量を増やすことができ、オーバーヘッドコンソール5の利便性を高めることができる。
(b)には、(a)の実施形態と比較して、第二横方向フレーム部62のスライド溝をなくした実施形態を示している。このように、第二横方向フレーム部62をなくした場合には、コンソールユニット53,54,55,56の使用頻度が高い二列目シート2の使い勝手を向上しつつも、さほど使用頻度が高くない三列目では、横方向フレーム部をなくすことで、車室内天井4のレイアウトスペースを広げることができ、車室内天井4を効率的に利用することができる。
(c)には、(a)の実施形態と比較して、第一横方向フレーム部61のスライド溝を無くした実施形態を示している。このように、第一横方向フレーム部61をなくした場合には、二列目シート2上の車室内天井4のレイアウトスペースを広げることができつつ、三列目シート3におけるコンソールユニット53,54,55,56の利便性を高めることができる。
(d)には、第一実施形態と比較して、第一横方向フレーム部61のスライド溝を無くした実施形態を示している。このように、第一横方向フレーム部61をなくした場合には、(c)と同様に、二列目シート2上の車室内天井4のレイアウトスペースを広げることができつつ、三列目シート3におけるコンソールユニット53,54,55,56の利便性を高めることができる。
(e)には、(a)の実施形態と比較して、一列目シート1に対応する縦方向フレーム部60のスライド溝をなくした実施形態を示している。このように、縦方向フレーム部60のスライド溝をなくした場合には、コンソールユニット53,54,55,56の使用頻度が低い一列目シート1上方の車室内天井4のレイアウトスペースを確保しつつも、二列目シート2と三列目シート3の利便性を高めることができる。
(f)には、(e)の実施形態と比較して、第二横方向フレーム部62のスライド溝を無くした実施形態を示している。このように、第二横方向フレーム部62をなくした場合には、コンソールユニット53,54,55,56の使用頻度が高い二列目シート2の使い勝手を向上しつつ、車室内天井4のレイアウトスペースを十分に確保することができる。
(g)には、(e)の実施形態と比較して、三列目シート3に対応する縦方向フレーム部60のスライド溝をなくした実施形態を示している。このように、縦方向フレーム部60のスライド溝をなくすことにより、一列目シート1上方と三列目シート3上方の車室内天井4のレイアウトスペースを確保しつつも、必要最小限の移動量で、二列目シート2と三列目シート3におけるコンソールユニット53,54,55,56の利便性を高めることができる。
このように、三列シートを備えた自動車において、オーバーヘッドコンソール5を採用する場合に、ベースフレーム51の形状を様々に変更することで、それぞれの実施形態に応じた作用効果を奏するになる。
次に、このオーバーヘッドコンソール5を前後二列シートの自動車に採用した場合における、ベースフレーム51の形状を変更した複数の実施形態について、図14の(イ)〜(ハ)で説明する。なお、1が一列目シート、2が二列目シート、60が縦方向フレーム部、61が横方向フレーム部である。
(イ)には、縦方向フレーム部60のスライド溝が一列目シート1から二列目シート2に対応する位置に跨って車両前後方向に延び、横方向フレーム部61のスライド溝が一列目シート1と二列目シート2の間の位置に車幅方向に延びるように設置したオーバーヘッドコンソール5の実施形態を示している。このように、オーバーヘッドコンソール5を設置した場合には、車室内の全乗員が容易にコンソールユニット53,54,55,56(図2参照)を利用でき、オーバーヘッドコンソール5の利便性を高めることができる。
(ロ)には、(イ)と比較して、縦方向フレーム部60のスライド溝を二列目シート2に対応する部分でなくした実施形態を示している。このように、オーバーヘッドコンソール5を設置した場合には、二列目シート2上方の車室内天井4のレイアウトスペースを確保しつつも、二列目シート2に着座する乗員の利便性を高めることができる。
(ハ)には、(イ)と比較して、縦方向フレーム部60のスライド溝を一列目シート1に対応する部分でなくした実施形態を示している。このように、オーバーヘッドコンソール5を設置した場合には、一列目シート1上方の車室内天井4のレイアウトスペースを確保しつつも、二列目シート2に着座する乗員の利便性を高めることができる。
このように、前後二列シートの自動車においてオーバーヘッドコンソール5を採用した場合においても、乗員の要求に応じてコンソールユニット53,54,55,56を目の前に移動させたり、目の前から別の位置に移動させたりすることができるため、乗員の利便性、快適性を向上しつつ、さらに視界を広げることができる。
次に、図15に示す、他の実施形態について説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態のオーバーヘッドコンソール500は、車室内天井4に設置するベースフレーム551を縦方向フレーム部60のみとして、この縦方向フレーム部60に対してスライド可能な横方向スライドフレーム561を装着して、さらに、この横方向スライドフレーム561のスライド溝561aに対してスライド移動するコンソールユニット556を設けたものである。
すなわち、横方向スライドフレーム561全体を、前後方向にスライド移動(矢印で示す)するように構成して、コンソールユニット556の横方向スライド位置を、さらに前後方向で自由に変更できるように構成したものである。
このように、コンソールユニット556の横方向スライド位置を自由に変更できるように構成したことにより、さらに、コンソールユニット53,54,55,556のスライド移動できる範囲を広げることができるため、より乗員の要求に応じうるオーバーヘッドコンソール5にすることができる。
よって、本実施形態によると、前述の実施形態に比較して、より利便性、快適性を向上することができ、さらには視界向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、縦方向フレーム部60を車室内天井4に設置して、横方向スライドフレーム561をその下方位置に装着するように構成したが、逆に、横方向のスライドレール部分を車室内天井4に設置して、縦方向のスライドレール部分をその下方位置に位置するように構成してもよい。この場合も、コンソールユニット53,54,55,556のスライド移動できる範囲をさらに広げることができる。
なお、その他の作用効果については、前述の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の縦方向スライドレール部は、縦方向フレーム部60のスライド溝60aに対応し、
以下、同様に、
横方向スライドレール部は、横方向フレーム部61,62のスライド溝61a,62a、横方向スライドフレーム561のスライド溝561aに対応し、
弛み除去手段は、巻取りユニット58、ケーブル弛み除去機構158,258,358,458に対応し
ケーブル巻取り機構は、巻取りユニット58に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両のオーバーヘッドコンソール構造に適用する実施形態を含むものである。
本発明の第一実施形態の車室内の側面図。 コンソールユニットを並べた状態を示す車室内天井の斜視図。 ベースフレームの設置位置と各座席との関係を示す(a)平面模式図(b)側面模式図。 コンソールユニットの分解斜視図。 図2のA−A線矢視断面図。 コンソールユニットの摺動支持部の詳細図。 巻取りユニットの内部構造図。 コンソールユニットをスライド移動させた状態を説明する図。 ケーブル弛み除去機構の実施形態を説明する模式図。 ケーブル弛み除去機構の実施形態を説明する模式図。 ベースフレーム形状を変更した他の実施形態を説明する模式図。 ベースフレーム形状を変更した他の実施形態を説明する模式図。 ベースフレーム形状を変更した他の実施形態を説明する模式図。 前後二列の自動車における他の実施形態を説明する模式図。 他の実施形態の車室内天井の斜視図。
符号の説明
C…車室
1…一列目シート
2…二列目シート
3…三列目シート
5…オーバーヘッドコンソール
51…ベースフレーム
53,54,55,56…コンソールユニット
57…信号伝達ケーブル
58…巻取りユニット(弛み除去手段)
60…縦方向フレーム部
60a…スライド溝(縦方向スライドレール部)
61…第一フレーム部
61a…スライド溝(横方向スライドレール部)
62…第二フレーム部
62a…スライド溝(横方向スライドレール部)
158,258,358,458…ケーブル巻取り機構(弛み除去手段)
561…横方向スライドフレーム
561a…スライド溝(横方向スライドレール部)

Claims (11)

  1. 前部左右座席と後部左右座席とを備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造であって、
    車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向スライドレール部と、
    該縦方向スライドレール部に接続されて車幅方向に延びる横方向スライドレール部と、
    該縦方向スライドレール部と横方向スライドレールとによって、前後及び左右にスライド移動可能となったコンソールユニットとを備える
    車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  2. 前記縦方向スライドレール部と前記横方向スライドレール部を、同一平面で交差するように設定した
    請求項1記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  3. 前記縦方向スライドレール部を、前部座席から後部座席に跨って車両前後方向に延びるように設定した
    請求項1又は2記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  4. 前部座席と中間座席と後部座席の三列座席を備えた車両のオーバーヘッドコンソール構造であって、
    車幅方向中央位置で車両前後方向に延びる縦方向スライドレール部と、
    該縦方向スライドレール部に接続されて、前部座席と中間座席の間、及び中間座席と後部座席の間の少なくとも一方に設けられた車幅方向に延びる横方向スライドレール部と、
    該縦方向スライドレール部と横方向スライドレール部とによって、前後及び左右にスライド移動可能となったコンソールユニットとを備える
    車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  5. 縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち前部座席から後部座席に跨って車体前後方向に延びるように設定した
    請求項4記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  6. 縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち前部座席から中間座席に跨って車体前後方向に延びるように設定した
    請求項4記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  7. 縦方向スライドレール部を、前記三列座席のうち中間座席から後部座席に跨って車体前後方向に延びるように設定した
    請求項4記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  8. 前記三列座席のうち前部座席と中間座席の間、及び中間座席と後部座席の間に各々横方向スライドレール部を設置して、
    該二本の横方向スライドレール部を前記縦方向スライドレール部で連結した
    請求項4記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  9. 前記縦方向スライドレール部と前記横方向スライドレール部を、二本の平行なレールで構成した
    請求項1〜8記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  10. 前記コンソールユニットに画像モニターを内蔵し、
    該画像モニターを内蔵したコンソールユニットに弛み除去手段を介して信号伝達ケーブルを接続した
    請求項1〜9記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
  11. 前記弛み除去手段をケーブル巻取り機構で構成した
    請求項10記載の車両のオーバーヘッドコンソール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220152087A (ko) * 2021-05-07 2022-11-15 주식회사 대유이피 루프 콘솔을 포함하는 차량

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