JP2007069007A - 脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法および装置 - Google Patents

脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算手段を提供する。
【解決手段】脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示し、少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を前記脊柱彎曲の線に基づいて計算する。
【選択図】図2

Description

関連出願へのクロスリファレンス
本出願は2005年9月7日付で提出された米国仮出願第60/714591号(書類整理番号2005P16206US)"Detection of the Curvature of the Spine from X-Ray Images and Angle Measurements"に関連しており、その内容を含むものとする。
発明の背景
技術分野
本発明は脊柱彎曲の自動検出方法および装置に関しており、より詳細に云えば、脊柱画像および角度測定を用いて脊柱彎曲を自動検出する方法および装置に関する。
関連技術
脊柱は椎間板によって分節した24個の椎骨から成る。脊柱の正常なカーブは可撓性、回復性、衝撃吸収性などの特性を脊柱に与えている。側彎症は脊柱がラテラル方向に異常彎曲した筋骨格状況であり、脊柱が左または右に曲がってしまう。種々の研究により、側彎症は脊柱の正常な垂直線がラテラル方向へX線測定で見て10°以上ずれることであると定義されている。人体を真後ろから観察した場合、正常な脊柱は直線状に見えるのに対し、側湾症の脊柱は異常彎曲のためにS字状またはC字状に見える。側湾症は脊柱が正常に胸背方向に弧を描いて伸びない場合に引き起こされるが、これにより椎間板に不自然な荷重がかかる。このとき椎間板の中心は一方側にずれ、椎骨は他方側へ傾く。こうした不整合は亜脱臼と称され、脊柱を左または右へ曲げてしまう。この曲がりを補償するために、脊柱は別の椎骨のレベルで他方側へ傾き、結果として側湾症となるのである。
側彎症はいずれの年齢でも発症しうるが、特に青年期初期において最も多く見られる。早期に発見して変形の進行を止める治療を開始するには、スクリーニングが有効である。The Sociliosis Research SocietyおよびThe American Academy of Orthopaedic Surgeonsは、側彎症が進行する前に、その兆候である彎曲を検出するため、学校でのスクリーニングプログラムを推進している。状況を診断するために、医師には脊柱を良好に観察できるX線画像が必要である。X線画像では、側彎症の彎曲は、通常、脊柱のバックビューを観察し、カーブ部分の最上方の椎骨と最下方の椎骨とのなす角度を測定することによって検査される。このように測定される角度をCobb角度と称している。
後彎症は側湾症に関連して見られる脊柱の変形である。胸椎の後彎症は脊柱の正常な後彎カーブに比べて後彎角度が大きすぎることを意味する。後彎症に冒された脊柱では、背部上方の椎骨が前方へひどく彎曲し、"猫背"状の外見を呈する。The Scoliosis Research Societyは、後彎症を、X線画像で見て脊柱が45°以上彎曲している状態であると定義している。正常な脊柱では背部上方のカーブは約20°〜45°である。後彎症は、胸部のラテラルX線画像において、第2椎間板および第11椎間板の腹側縁の正接線の交点に形成される上方の角度、すなわち後彎角度によって診断される。
現行の手法では、Cobb角度は手動計算されている。図1には脊柱のコロナルビューにおいてCobb角度が手動計算される様子が示されている。図1によれば、第1のステップで、カーブ部分の上方限界および下方限界、つまりカーブの凹所へ向かって最も大きく傾いているカーブ限界点の椎骨が見出される。当該の椎骨が選択されると、上方の限界点の椎間板および下方の限界点の椎間板に沿って、図1に示されているように線が引かれる。また、後彎角度も手動計算されている。これもCobb角度と同様に定義されているが、こちらはラテラル画像から計算される。ここで、脊柱の画像品質、例えばX線画像の品質が劣悪であると、椎骨の限界位置を知ることが困難となったり全く不可能となったりする。
本発明の課題は、脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算手段を提供することである。
発明の概要
本発明の第1の手段は脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法に関している。この方法は、脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示するステップ、および、少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を前記脊柱彎曲の線に基づいて計算するステップを有する。
本発明の第2の手段は脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置に関している。この装置は、プログラムを記憶したメモリデバイスおよび該メモリデバイスと通信するプロセッサを有しており、該プロセッサは、脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示し、少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を前記脊柱彎曲の線に基づいて計算するプログラムにより動作する。
本発明の第3の手段は脊柱のX線画像における脊柱彎曲の自動検出およびCobb角度または後彎角度の計算方法に関している。この方法は、X線画像が脊柱のラテラルビューであるか脊柱のコロナルビューであるかを自動識別するステップ、X線画像中の脊柱を識別するステップ、X線画像中の脊柱彎曲を求めるステップ、および、X線画像が脊柱のコロナルビューである場合にはCobb角度を計算し、X線画像が脊柱のラテラルビューである場合には後彎角度を計算するステップを有する。
本発明は、以下の実施例の説明および参考となる添付図を考察すれば、当該分野の技術者には明らかとなるはずである。
実施例の説明
以下に本発明の実施例を添付図に即して詳細に説明する。
図2には本発明による脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法を示すフローチャートが示されている。図2によれば、付加的なステップ210において、画像が脊柱の第1のビューであるか第2のビューであるかが自動判別される。例えば、第1のビューは脊柱のラテラルビューであり、第2のビューは脊柱のコロナルビューである。画像の例として、X線画像、ポジトロンエミッショントモグラフィPETの画像、コンピュータトモグラフィCTの画像、磁気共鳴イメージングMRIの画像、シングルフォトンエミッションコンピュータトモグラフィSPECTの画像などが挙げられる。
ステップ220では、脊柱彎曲が脊柱画像内に線として自動表示される。図3には本発明による脊柱彎曲を脊柱画像内の線として自動表示する方法のフローチャートが示されている。図3によれば、付加的なステップ310において、画像がコントラスト増大のために前処理される。
ステップ320では、脊柱が画像内で分離される。画像が脊柱の第1のビューである場合、この第1のビュー内の脊柱を分離する際に、脊柱の始点に相応するトップカット点と脊柱の終点に相応するボトムカット点とが求められる。トップカット点を求める際には、第1のビューである画像において頭部が検出される。本発明の有利な実施例では、第1のビューである画像において頭部を検出する際には、ヒストグラムのイコライジング、閾値の適用および頭部のセグメント化が行われる。
図5のA〜Cには本発明の方法のトップカット点を検出するステップが示されている。図5のA〜Cには本発明の方法のトップカット点を検出するステップが示されている。例えば、図5のAに示されているように、画像を簡単化するため、ヒストグラムが5個のグレーレベルに制限される。さらに、図5のBに示されているように、例えば新たなヒストグラムの1/2に閾値が適用され、頭部がセグメント化される。図5のCによれば、頭部のピクセルの各行ごとの和から、最小値が頭部のボトムに相応するカーブが得られる。頭部のボトム位置に基づいて脊柱の始点が求められ、これがトップカット点とされる。
ボトムカット点を求める際には、第1のビューである画像において骨盤が検出される。ボトムカット点もトップカット点を求めるのと同様のステップで求められる。
図6には本発明の方法により脊柱のコロナルビューで脊柱をあらかじめ選択するステップが示されている。図6によれば、オリジナル画像から各サイドの一部、頭部および骨盤が除去される。例えば、脊柱が画像のおおよそ中央に位置している場合、画像の両サイドがそれぞれ1/4ずつ除去される。頭部および骨盤はオリジナル画像をトップカット点およびボトムカット点でそれぞれカットすることにより除去される。このように脊柱をあらかじめ選択することにより、オリジナル画像よりも小さな寸法を有し、主として脊柱を表す画像が得られる。ただし、画像が脊柱のラテラルビューである場合には、脊柱をあらかじめ選択するステップとして骨盤の除去のみ行い、頭部は除去しなくてもよい。
図3のステップ330では、脊柱画像のコントラストが増大される。本発明の有利な実施例では、画像に対するコントラストを増大する際に、脊柱のマスクが形成され、脊柱のうち椎骨のコントラストが増大される。図7には本発明の方法により脊柱に対して椎骨のコントラストを増大するステップが示されている。脊柱のマスクを形成する際には、関心領域が見出され、アーティファクトを除去できるマスクが形成される。
本発明の有利な実施例では、関心領域を見出すために、各スライス幅が画像幅と等しくなり、各スライスの高さが画像高さよりも小さく、所定数分の1になるように、画像が複数のスライスへ分割される。例えば、画像と同じ幅、画像高さよりも1/20小さい高さを有する複数のスライスへの分割が行われる。スライスごとに、ヒストグラムがイコライジングされて強度分布が分散され、最大強度の所定パーセンテージ分の閾値がコントラスト増大のために適用される。例えば、図7に示されているように、スライスごとに、ヒストグラムがイコライジングされて強度分布が分散され、最大強度の70%である閾値がコントラスト増大のために適用される。さらに各スライスがスライス高さの1/10ずつシフトされる。そして前述の分割、イコライジングおよびシフトのステップが所定回数反復され、結果のセットが取得される。さらに結果のセットから平均値が計算される。
画像が脊柱のコロナルビューである場合、マスクを形成する際に、画像のバイナリ表現が形成され、形態学的クロージングを適用して小さな丸い構造素によって画像のバイナリ表現におけるギャップが充填され、画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングが行われる。マスクを改善するために、マスク幅に対する制限が適用される。
図8のA〜Eには本発明の方法によりコロナル画像でマスクを形成するステップが示されている。例えば、脊柱のマスクは肋骨からのほぼ全てのアーティファクトを除去できるように形成される。次の各ステップが脊柱のコロナル画像に対して使用される。まず、関心領域を見出すために、例えば画像と同じ幅および画像よりも1/20小さい高さを有するように、画像が複数のスライスへ分割される。スライスごとに、ヒストグラムがイコライジングされて強度分布が分散され、最大強度の75%の閾値がコントラスト増大のために適用される。次に、マスクを形成するために、画像のバイナリ表現が図8のAに示されているように形成される。例えば非黒色ピクセルが真、他のピクセルが偽とされる。続いて、形態学的クロージングすなわちディレーションおよびエロージョンが適用され、図8のBに示されているように、小さな丸い構造素によってギャップが充填される。
さらに図8のCに示されているように、関心領域の選択およびレーベリングが行われる。ディレーションは図8のDに示されている。マスクを改善するためのマスク幅の制限は図8のEに示されている。次いで0に等しい幅を有する黒色部分が充填される。さらに平均幅よりも小さい幅を有するホールが除去される。また平均幅よりも大きい幅を有するバンプが除去される。
図9のA〜Cには本発明の方法によりラテラルビューでマスクを形成するステップが示されている。画像が脊柱のラテラルビューである場合、マスクを形成する際に、画像のバイナリ表現が形成され、この画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングが行われ、関心領域の左右の境界がベクトルとして個別に抽出され、最も滑らかなカーブが選択され、選択されたカーブにしたがってマスクがかけられ、脊柱の幅を表すあらかじめ定められた値が加算される。
図9のA〜Cによれば、ラテラル画像に対して、まず画像のバイナリ表現が形成される。さらに図9のAに示されているように、関心領域の選択およびレーベリングが行われる。ここで関心領域の左右の境界がベクトルとして個別に抽出される。次いで、最も滑らかなカーブが選択され、図9のBに示されているように、背部を表すために用いられる。このカーブにしたがってマスクがかけられ、脊柱の幅が加えられる。これは図9のCに示されているように任意に定義することができる。
脊柱が分離されているので、椎骨のコントラスト増大は容易である。画像のボトムの所定のセクションが抽出される。セクションごとに、ヒストグラムのイコライジングおよびストレッチングが行われる。例えば、画像がグレーレベル範囲g〜gを有する場合、より大きな値の範囲0〜255を用いてコントラストを増大することができる。xを画像のオリジナルのグレーレベルスケールとし、yを得られたグレーレベルスケールとすると、変換は
y=255(x−g)/(g−g
として表される。
各セクションにおいて、得られた中央線が抽出され、上方の1つの線の帯域がシフトされる。この技術は画像のヒストグラムに局所的に作用し、コントラストが増大される。
図3のステップ340では、脊柱の境界がコントラストの増大された画像から検出される。本発明の有利な実施例では、コントラストの増大された画像から脊柱の境界を検出する際に、コントラストの増大された画像に閾値が適用され、画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングが行われ、脊柱の各行に沿って左右の2つのベクトルにおける最小x座標および最大x座標が記憶され、これらの最小x座標および最大x座標を有する2つのベクトルがあらかじめ定められた高さの平滑化窓を用いて平滑化される。例えば、あらかじめ定められた高さは画像高さの1/10である。図3のステップ350では、画像において脊柱彎曲を表す脊柱中央線が表示される。
図10のA〜Cには本発明の方法による脊柱彎曲の表示が示されている。コントラストの増大された画像から脊柱の境界を検出するために、図10のAに示されているように、まず画像のバイナリ表現が形成され、続いて関心領域の抽出およびレーベリングが行われる。その後、図10のBに示されているように、左右の境界がベクトルvecRight,vecLeftとして個別に抽出される。これら2つのベクトルは大きな幅、例えば画像高さの1/10ずつの幅で平滑化される。ベクトルAの平滑化されたアレイRは次のように表される。
次いでこれら2つのベクトルの平均線が抽出される。画像の各行iに対して、
vecCurve(i)=[vecRight(i)+vecLeft(i)]/2
が成り立つ。得られたベクトルvecCurve(i)を画像内の線へ変換することにより、図10のCに示されているように、脊柱のカーブの表現が得られる。図12のA,Bには本発明の方法によるコロナル画像およびラテラル画像での脊柱彎曲およびCobb角度が示されている。
図2によれば、ステップ230で、脊柱彎曲の線に基づいて第1の角度または第2の角度が計算される。例えば、第1の角度はコロナル画像に対して計算されるCobb角度であり、第2の角度はラテラル画像に対して計算される後彎角度である。
図4には本発明の方法によるX線画像のコロナルビューでの脊柱彎曲の表示およびCobb角度が示されている。Cobb角度は、図4に示されている脊柱のカーブと水平線とのあいだの2つの最大角度の和として計算される。
本発明の有利な実施例によれば、第1の角度はCobb角度であり、Cobb角度を脊柱彎曲に基づいて計算する際に、脊柱の全体的カーブが求められ、このカーブの各点での角度を計算することにより正負の最大角度が見出され、これら正負の最大角度の絶対値を加算することによりCobb角度が計算される。カーブの各点での角度を計算する際に、特定の点でのカーブの接線および水平線を用いて角度が計算され、計算された角度によって設定される方向に沿ってGaborフィルタリングが局所的に適用され、Gaborフィルタリングに基づいて椎骨の限界位置からの方向が予測され、この方向がCobb角度として設定される。図13には本発明の方法によりコロナル画像の関心領域の2つの椎骨についてGaborフィルタリングを用いてエッジを検出するステップが示されている。
本発明の有利な実施例によれば、第2の角度は後彎角度であり、後彎角度を脊柱彎曲に基づいて計算する際に、脊柱の全体的カーブが求められ、このカーブの各点での角度を計算することにより正負の最大角度が見出され、これら正負の最大角度の絶対値を加算することにより後彎角度が計算される。カーブの各点での角度を計算する際には、特定の点でのカーブの接線および水平線を用いて角度が計算され、計算された角度によって設定される方向に沿ってGaborフィルタリングが局所的に適用され、Gaborフィルタリングに基づいて椎骨の限界位置からの方向が予測され、この方向が後彎角度として設定される。
第1の角度または第2の角度、例えばCobb角度または後彎角度を計算するために、2つの角度、すなわち傾きが最大となる正負の角度が必要になる。図11には本発明の方法によりカーブの所定点で角度を計算するステップが示されている。カーブの各点iに対して、接線と水平線とのなす角度αが計算される。次いで、正の角度αと負の角度αとが分離される。2つの最大値とこれらの最大値の和とが求められ、これにより
特定の角度=max(α)+|max(α)|
が得られる。
図14には本発明による脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置が示されている。画像の例として、X線画像、ポジトロンエミッショントモグラフィPETの画像、コンピュータトモグラフィCTの画像、磁気共鳴イメージングMRIの画像、シングルフォトンエミッションコンピュータトモグラフィSPECTの画像などが挙げられる。
図14によれば、脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置101は、主に、中央処理ユニットCPU109,メモリ103および入出力インタフェース104を有している。計算装置101は全般的に入出力インタフェース104を介してディスプレイ105および種々の入力デバイス106、例えばマウスやキーボードに接続されている。支援回路はキャッシュ、電源、クロック回路および通信バスなどの回路を含みうる。メモリ103はランダムアクセスメモリRAM、リードオンリメモリROM、ディスク駆動装置、テープ駆動装置またはそれらの組み合わせを含みうる。本発明をメモリ103に記憶されているルーチン107として実現し、信号源108からの信号を処理するCPU109によって実行することができる。計算装置101自体は汎用コンピュータシステムであるが、本発明のルーチン107を実行しているときには特定用途向けコンピュータシステムとなる。
計算装置101のプラットフォームはオペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードも有する。ここで説明した種々の処理および機能はオペレーティングシステムを介して実行されるマイクロ命令コードの一部iまたはアプリケーションプログラムの一部またはそれらの組み合わせであってよい。さらに他の種々の周辺装置、例えば付加的なデータ記憶デバイスおよびプリンタを計算装置のプラットフォームに接続することもできる。
本発明の有利な実施例では、脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置は、プログラムを記憶したメモリデバイス103およびこのメモリデバイスと通信するプロセッサ109を有している。プロセッサ109は、脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示し、少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を当該の脊柱彎曲の線に基づいて計算するプログラムにより動作する。プロセッサ109はさらに、画像が脊柱のラテラルビューであるかまたは脊柱のコロナルビューであるかを自動識別するプログラムコードにより動作する。
プロセッサ109はさらに、脊柱を画像内で分離し、画像に対する脊柱のコントラストを増大し、コントラストの増大された画像から脊柱の境界を検出し、画像において脊柱彎曲を表す脊柱中央線を表示するプログラムコードにより動作する。
プロセッサ109はさらに、画像を複数のスライスまたはセクションへ分割し、ここで各スライスまたは各セクションの幅が画像幅と等しく、高さが画像高さよりも小さく所定数分の1になるようにし、ヒストグラムをイコライジングして強度分布を分散させ、最大強度の所定パーセンテージ分をコントラスト増大のための閾値として適用し、各スライスをスライス高さの1/10ずつシフトし、分割・イコライジング・シフトの各ステップを所定回数反復して結果のセットを取得し、結果のセットから平均値を計算するプログラムコードにより動作する。
プロセッサ109はさらに、画像のバイナリ表現を形成し、画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングを行い、関心領域の左右の境界をベクトルとして個別に抽出し、最も滑らかなカーブを選択し、選択されたカーブにしたがってマスクをかけ、脊柱の幅を表すあらかじめ定められた値を加算するプログラムコードにより動作する。
さらに、図に示されている装置要素および方法ステップのなかにはソフトウェアで実現できるものもあるので、装置要素または処理ステップ間の実際の関係は本発明をプログラミングする手法に依存して種々であってよいと解されたい。ここまでに示した本発明の教説により、当該分野の技術者であれば本発明またはこれに類似の実施形態または配置構成を考察できるはずである。
図15には本発明による脊柱のX線画像における脊柱彎曲の自動検出およびCobb角度または後彎角度の計算方法を示すフローチャートが示されている。
図15によれば、ステップ1510で、X線画像が脊柱のラテラルビューであるか脊柱のコロナルビューであるかが自動識別される。続いてステップ1520で、X線画像内の脊柱が検出される。さらにステップ1530で、X線画像内の脊柱彎曲が求められる。さらにステップ1540では、X線画像が脊柱のコロナルビューである場合、Cobb角度が計算され、X線画像が脊柱のラテラルビューである場合、後彎角度が計算される。
本発明を実施例に則して添付図を参照しながら詳細に説明したが、これは本発明の方法および装置の実現形態がこれらに限定されるということを意味しない。当該分野の技術者であれば、特許請求の範囲およびこれに含まれる請求項の等価事項に規定された本発明の範囲から離れることなく、前述の実施例に種々の修正を加えられることは明らかであろう。
脊柱のコロナルビューにおけるCobb角度の手動計算を示す図である。 本発明による脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法を示すフローチャートである。 本発明の方法により脊柱彎曲を脊柱画像の線として自動表示するステップを示すフローチャートである。 コロナルビューでの脊柱彎曲の表示およびCobb角度を示す図である。 本発明の方法によりトップカット点を検出するステップを示す図である。 本発明の方法によりコロナル画像で脊柱をあらかじめ選択するステップを示す図である。 本発明の方法により脊柱に対する椎骨のコントラストを増大するステップを示す図である。 A〜Eは本発明の方法によりコロナル画像に対してマスクを形成するステップを示す図である。 A〜Cは本発明の方法によりラテラル画像に対してマスクを形成するステップを示す図である。 A〜Cは本発明の方法により脊柱彎曲を表示するステップを示す図である。 本発明の方法によりカーブの所定点で角度を計算するステップを示す図である。 A,Bは本発明の方法によりコロナル画像およびラテラル画像で得られた脊柱彎曲およびCobb角度を示す図である。 本発明の方法によりコロナル画像の関心領域の2つの椎骨についてGaborフィルタリングを用いてエッジを検出するステップを示す図である。 本発明による脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置を示す図である。 発明による脊柱のX線画像における脊柱彎曲の自動検出およびCobb角度または後彎角度の計算方法を示すフローチャートである。
符号の説明
101 計算装置、 102 GPU、 103 メモリ、 104 入出力インタフェース、 105 ディスプレイ、 106 入力デバイス、 108 信号源、 109 中央処理ユニット

Claims (31)

  1. 脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示するステップ、および、
    該脊柱彎曲の線に基づいて少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を計算するステップ
    を有する
    ことを特徴とする脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算方法。
  2. 第1の角度はCobb角度であり、第2の角度は後彎角度である、請求項1記載の方法。
  3. さらに、画像が脊柱の第1のビューであるかまたは第2のビューであるかを自動識別するステップを有する、請求項1記載の方法。
  4. 第1のビューは脊柱のラテラルビューであり、第2のビューは脊柱のコロナルビューである、請求項3記載の方法。
  5. 脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示するステップにおいて、画像内で脊柱を分離し、脊柱画像のコントラストを増大し、コントラストの増大された画像から脊柱の境界を識別し、画像において脊柱彎曲を表す脊柱中央線を表示する、請求項1記載の方法。
  6. 画像が脊柱の第1のビューであり、画像内で脊柱を分離する際に、脊柱の始点に相応するトップカット点と脊柱の終点に相応するボトムカット点とを求める、請求項5記載の方法。
  7. トップカット点を求める際に、脊柱の第1のビューである画像において頭部を検出する、請求項6記載の方法。
  8. 脊柱の第1のビューである画像において頭部を検出する際に、ヒストグラムのイコライジング、閾値の適用および頭部のセグメント化を行う、請求項7記載の方法。
  9. ボトムカット点を求める際に、脊柱の第1のビューである画像において骨盤を検出する、請求項6記載の方法。
  10. 第1のビューは脊柱のラテラルビューであるかまたは脊柱のコロナルビューである、請求項6記載の方法。
  11. さらに、画像の各サイドの一部を除去する、請求項6記載の方法。
  12. 画像のコントラストを増大する際に、脊柱のマスクを形成し、脊柱のうち椎骨のコントラストを増大する、請求項5記載の方法。
  13. 脊柱のマスクを形成する際に、関心領域を見出し、アーティファクトを除去できるようにマスクを形成する、請求項12記載の方法。
  14. 関心領域を見出す際に、画像を複数のスライスまたはセクションへ分割し、その際に各スライスまたは各セクションの幅が画像幅と等しく、高さが画像高さよりも小さく所定数分の1になるようにし、ヒストグラムをイコライジングして強度分布を分散させ、最大強度の所定パーセンテージ分をコントラスト増大のための閾値として適用し、各スライスをスライス高さの1/10ずつシフトし、分割・イコライジング・シフトの各ステップを所定回数反復して結果のセットを取得し、該結果のセットの平均値を計算する、請求項13記載の方法。
  15. 画像が脊柱のコロナルビューである場合、マスクを形成する際に、画像のバイナリ表現を形成し、形態学的クロージングを適用して小さな丸い構造素によって画像のバイナリ表現におけるギャップを充填し、画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングを行う、請求項13記載の方法。
  16. さらに、マスクを改善するためにマスク幅に制限を加える、請求項15記載の方法。
  17. 画像が脊柱のラテラルビューである場合、マスクを形成する際に、画像のバイナリ表現を形成し、該画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングを行い、該関心領域の左右の境界をベクトルとして個別に抽出し、最も滑らかなカーブを選択し、選択されたカーブにしたがってマスクをかけ、脊柱の幅を表すあらかじめ定められた値を加算する、請求項13記載の方法。
  18. 画像内で脊柱を分離する前に画像のコントラストを増大する前処理を行う、請求項5記載の方法。
  19. コントラストの増大された画像から脊柱の境界を識別する際に、コントラストの増大された画像に閾値を適用し、画像のバイナリ表現における脊柱の領域の選択およびレーベリングを行い、脊柱の領域の各行に沿って左右の2つのベクトルにおける最小x座標および最大x座標を記憶し、該最小x座標および最大x座標を有する2つのベクトルを、あらかじめ定められた高さの平滑化窓を用いて平滑化する、請求項5記載の方法。
  20. あらかじめ定められた高さは画像高さの1/10である、請求項19記載の方法。
  21. X線画像に脊柱彎曲を表す脊柱中央線を表示する際に、あらかじめ計算された左右のベクトルのあいだの中央値を計算することにより脊柱の領域の各線ごとの中央点を取得し、該中央点の全てを合わせて脊柱カーブの表現を形成する、請求項5記載の方法。
  22. 第1の角度はCobb角度であり、Cobb角度を脊柱彎曲に基づいて計算する際に、脊柱の全体的カーブを求め、該カーブの各点での角度を計算することにより正負の最大角度を見出し、該正負の最大角度の絶対値を加算することによりCobb角度を計算する、請求項1記載の方法。
  23. カーブの各点での角度を計算する際に、特定の点でのカーブの接線および水平線を用いて角度を計算し、計算された角度によって設定される方向に沿ってGaborフィルタリングを局所的に適用し、該Gaborフィルタリングに基づいて椎骨の限界位置からの方向を予測し、該方向をCobb角度として設定する、請求項22記載の方法。
  24. 第2の角度は後彎角度であり、後彎角度を脊柱彎曲に基づいて計算する際に、脊柱の全体的カーブを求め、該カーブの各点での角度を計算することにより正負の最大角度を見出し、該正負の最大角度の絶対値を加算することにより後彎角度を計算する、請求項1記載の方法。
  25. カーブの各点での角度を計算する際に、特定の点でのカーブの接線および水平線を用いて角度を計算し、計算された角度によって設定される方向に沿ってGaborフィルタリングを局所的に適用し、該Gaborフィルタリングに基づいて椎骨の限界位置からの方向を予測し、該方向を後彎角度として設定する、請求項24記載の方法。
  26. プログラムを記憶したメモリデバイスおよび該メモリデバイスと通信するプロセッサを有しており、
    該プロセッサは、脊柱彎曲を脊柱画像内に線として自動表示し、少なくとも1つの第1の角度または第2の角度を前記脊柱彎曲の線に基づいて計算するプログラムにより動作する
    ことを特徴とする脊柱画像における脊柱彎曲の自動検出および特定の角度の計算装置。
  27. プロセッサはさらに、画像内で脊柱を分離し、脊柱画像のコントラストを増大し、コントラストの増大された画像から脊柱の境界を識別し、脊柱彎曲を表す脊柱中央線を画像に表示するプログラムコードにより動作する、請求項26記載の装置。
  28. プロセッサはさらに、画像が脊柱のラテラルビューであるかまたは脊柱のコロナルビューであるかを自動識別するプログラムコードにより動作する、請求項26記載の装置。
  29. プロセッサはさらに、画像を複数のスライスまたはセクションへ分割し、その際に各スライスまたは各セクションの幅が画像幅と等しく、高さが画像高さよりも小さく所定数分の1になるようにし、スライスまたはセクションごとにヒストグラムをイコライジングして強度分布を分散させ、最大強度の所定パーセンテージ分をコントラスト増大のための閾値として適用し、各スライスをスライス高さの1/10ずつシフトし、分割・イコライジング・シフトの各ステップを所定回数反復して結果のセットを取得し、該結果のセットの平均値を計算するプログラムコードにより動作する、請求項26記載の装置。
  30. プロセッサはさらに、画像のバイナリ表現を形成し、該画像のバイナリ表現における関心領域の選択およびレーベリングを行い、該関心領域の左右の境界をベクトルとして個別に抽出し、最も滑らかなカーブを選択し、選択されたカーブにしたがってマスクをかけ、脊柱の幅を表すあらかじめ定められた値を加算するプログラムコードにより動作する、請求項26記載の装置。
  31. X線画像が脊柱のラテラルビューであるか脊柱のコロナルビューであるかを自動識別するステップ、
    X線画像内の脊柱を識別するステップ、
    X線画像内の脊柱彎曲を求めるステップ、および、
    X線画像が脊柱のコロナルビューである場合にはCobb角度を計算し、X線画像が脊柱のラテラルビューである場合には後彎角度を計算するステップ
    を有する
    ことを特徴とする脊柱のX線画像における脊柱彎曲の自動検出およびCobb角度または後彎角度の計算方法。
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