JP2007067961A - 画像処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汚れ等を原因とする画像形成時の不具合を簡単に解消し、汚れ検出用の基準データを保有するためのメモリを備える必要をなくす。
【解決手段】 情報抽出部が、画像読取機構によって読み取られた原稿画像のデータから、白領域情報を抽出し(S1)、当該抽出された白領域情報が示す白領域に、非白画素が存在すると判定部によって判別された場合には(S2でYES)、画像処理回路12が、シャープ年調整及び濃度調整を行って、当該非白画素を人間に視認され難い画素に変換する(S3乃至S6)。これにより、コピーの対象となる画像データの取得時に、元画像には本来存在しない画像を示す画素が、画像取得時の不具合により取り込まれてしまった場合であっても、この本来存在しない画像を目立たなくすることが可能となる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、画像処理装置及び画像形成装置に関し、特に、記録媒体への画像形成時における不具合を解消する技術に関するものである。
従来、コピー機やファクシミリ装置等の画像形成装置では、スキャナ等の原稿読取装置で原稿を読み取り、読み取った原稿画像を記録紙上に画像形成している。この原稿画像の読取時に、コンタクトガラスやスキャナのミラーに汚れ等が付着していると、この汚れも読み取られてしまい、良好な画像形成が行われない。また、シェーディング補正用の白基準板にゴミ等が付着した状態でシェーディング補正を行うと、スジ状の異常画像が記録紙上に形成されてしまう。このような汚れ等を原因とする画像形成時の不具合を解消するため、下記特許文献1に示されるように、原稿を読取る前に、原稿が無い状態で空読取を行なわせて、コンタクトガラスやスキャナの汚れや傷が原因となって発生する黒色画素を検出し、異常が検出された場合には異常を報知するファクシミリ装置が提案されている。さらに、特許文献2には、読み取った画像データと、保有している基準データとを比較して汚れを検出する技術が記載されている。
特開平6−233062号公報 特開2004−229089号公報
しかし、上記特許文献1に示されるファクシミリ装置の場合、記録紙に画像形成を行う前に予め空の読み取りを行う手間を要するし、また、汚れを示す黒画素を検出する頻度が長いと検出の合間に付着した汚れに対応できない。また、特許文献2に示される技術の場合、汚れ検出用の基準データを保有しておくためのメモリが別個に必要であるという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、汚れ等を原因とする画像形成時の不具合を簡単に解消し、汚れ検出用の基準データを保有するためのメモリを備える必要をなくすことを目的とするものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、原稿画像のデータを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータに埋め込まれた、白領域を示す白領域情報を抽出する情報抽出手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータのうち、前記情報抽出手段によって抽出された白領域情報が示す白領域に、白画素ではない非白画素が存在するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によって、前記白領域情報が示す白領域に非白画素が存在すると判別された場合、当該非白画素を人間に視認され難い画素に変換する補正を行う補正手段と
を備えた画像処理装置である。
この構成では、情報抽出手段が、画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータから、当該原稿画像データに埋め込まれた白領域情報を抽出し、当該抽出された白領域情報が示す白領域において、非白画素が存在すると第1判定手段によって判別された場合、補正手段が、当該非白画素を人間に視認され難い画素に変換する。これにより、処理対象となる画像データの取得時に、元画像には本来存在しない画像を示す画素が、画像取得時の不具合により取り込まれてしまった場合であっても、この本来存在しない画像を目立たなくすることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置であって、シェーディング補正用の白基準データを記憶する白基準データ記憶手段と、
前記画像データ取得手段によって読み取られた原稿画像のデータのうち、前記情報抽出手段によって抽出された白領域情報が示す白領域に、前記白基準データ記憶手段に記憶されている白基準データよりも白に近い値を示す画素が存在するか否かを判定する第2判定手段とを備え、
前記補正手段は、前記第2判定手段によって、前記白領域情報が示す白領域に、前記白基準データ記憶手段に記憶されている白基準データよりも白に近い値の画素が存在すると判定された場合に、当該白基準データよりも白に近い値を示す画素を人間に視認され難い画素に変換するものである。
この構成によれば、画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータうち、上記白領域情報が示す部分に、上記白基準データよりも白に近い値を示す画素が存在すると第2判定手段によって判定された場合には、当該白基準データよりも白に近い値を示す画素を、補正手段が人間に視認され難い画素に変換することによって、シェーディング板が汚れる等により、シェーディング補正用の白基準データが正しい値ではなくなった場合であっても、記録媒体上に、元画像には存在しないスジ等が形成される不具合の発生を防止する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置と、
前記補正手段による補正後の画像データに基づいて記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置である。
この構成によれば、画像取得時の不具合により紛れ込んでしまったごみ等の画像を目立たなくする等の処理を行った上で、画像形成手段により、元画像に忠実な画像を記録媒体上に形成することができる。
請求項4に記載の発明は、画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された画像データから白領域を検出する白領域検出手段と、
前記白領域検出手段によって検出された白領域を示す白領域情報を、前記画像データ取得手段によって取得された画像データに埋め込む白領域情報埋込手段と
を備えた画像処理装置である。
この構成では、白領域検出手段が、画像データ取得手段によって取得された画像データから白領域を検出し、この検出された白領域を示す白領域情報を、白領域情報埋込手段が、前記取得された画像データに埋め込むことによって、白領域情報が埋め込まれた画像を生成する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置と、
前記白領域情報埋込手段によって前記白領域情報が埋め込まれた画像データに基づいて記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置である。
この構成によれば、白領域情報を保有した画像が形成された記録媒体を作成することができるため、次回当該記録媒体上の画像が読み取られた場合に、その読み取られた画像データの中に白領域情報が含まれるようにすることができる。
請求項1に記載の発明によれば、処理対象となる画像データの取得時に、元画像には本来存在しない画像を示す画素が、画像取得時の不具合により取り込まれてしまった場合であっても、この本来存在しない画像を目立たなくする等の処理を行うことが可能となり、元画像に忠実な画像形成を行うことができる。このため、原稿読取前に空の読み取り動作を行ったり、汚れ検出用の基準データを保有するためのメモリを備えたりする必要がなくなる。
請求項2に記載の発明によれば、シェーディング板が汚れる等により、シェーディング補正用の白基準データが正しい値ではなくなった場合であっても、記録媒体上に、元画像には存在しないスジ等が形成される不具合の発生を防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、画像取得時の不具合により紛れ込んでしまったごみ等の画像を目立たなくする等の処理を行って、元画像データに忠実な画像を記録媒体上に形成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、上記白領域情報が埋め込まれた画像データを生成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、画像データ取得手段によって取得された画像データから検出された白領域を示す白領域情報を、当該取得された画像データに埋め込み、この白領域情報の埋め込まれた画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行うので、当該画像形成後の記録媒体が、コピー又はスキャン等された場合に、コピー又はスキャン等を行う装置に、原稿画像と共に上記白領域情報を読み取らせることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る画像処理装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能を備えた複合機である。画像形成装置1は、画像読取機構1Aと、画像処理装置1Bと、画像形成機構1Cとを備える。画像読取機構(画像データ取得手段)1Aは、原稿載置台3と、搬送機構4と、読取装置5と、排出トレイ6とを備える。
原稿載置台3は、複写のための読取対象となる原稿をセットするための台である。搬送機構4は、複数のローラ等からなり、原稿載置台3にセットされた原稿を、読み取りのため1枚ずつ搬送する。読取装置5は、スキャナにより、搬送される原稿を読み取るものである。排出トレイ6は、読み取り後の原稿が排出される台である。
また、読取装置5は、ランプ7と、光学系8と、CCD9とを備えている。ランプ7は、読取装置5にある原稿の面を照射するものである。光学系8は、ランプ7により照らされて、読取装置5で反射する光をCCD9に向けて反射させる。CCD9では、光学系8で導かれる光が結像される。この実施形態では、光学系8のランプ7は移動可能であり、原稿読取ガラス面(図略)上に載置された原稿面の画像を端部から照射して読み取ることも可能であるが、以下の説明は、ランプ7が図示の位置に固定されている場合の原稿読取動作を説明する。
画像処理装置1Bは、アナログ回路10、A/D変換回路11及び画像処理回路12を備える。画像読取機構1AのCCD9からの出力は、これらアナログ回路10、A/D変換回路11及び画像処理回路12によって処理され、画像形成機構1Cに送られる。画像処理回路12は、装置全体を制御するCPU13により制御される。
画像形成機構(画像形成手段)1Cは、例えば電子写真方式の画像形成機構であり、帯電部、露光部、現像部、転写部等を備える。画像形成機構1Cは、CPU13により制御される。
図2は、画像処理回路12の詳細な構成を示すブロック図である。画像処理回路12には、白基準データ生成回路14と、シェーディング補正処理回路15と、変倍処理回路16と、フィルタ処理回路17と、γ補正処理回路18と、階調処理回路19と、情報抽出部20と、判定部21と、判別部22と、白領域検出部23と、白領域情報埋込部24とが備えられている。
白基準データ生成回路(白基準データ記憶手段)14は、A/D変換回路11から入力されるディジタル画像データに基づき、白基準データを生成して記憶する。シェーディング補正処理回路15は、白基準データ生成回路14で生成された白基準データに基づき、入力画像データのシェーディング補正を行う。変倍処理回路16は、シェーディング補正後の画像データに対して変倍処理を行う。フィルタ処理回路(補正手段)17は、変倍処理された画像データに対してフィルタ処理を行う。γ補正処理回路(補正手段)18は、フィルタ処理がされた画像データに対してγ補正処理を行う。階調処理回路(補正手段)19は、γ補正がされた画像データに対して階調処理を行う。階調処理回路19により階調処理された画像データは、画像形成機構1Cに送られる。なお、画像処理回路12は、図略のCPU−インタフェース部を介して、CPU13と接続されている。画像処理回路12は、CPU13の制御下におかれている。
情報抽出部(情報抽出手段)20は、読取装置5によって読み取られた原稿画像のデータに埋め込まれた白領域情報を抽出するものである。この白領域情報とは、例えば、予め定められた画素値以下の画素値のみが主走査全域に存在する主走査ラインを示す副走査位置情報等であり、後述する電子透かし等の技術により、人間が視認できない状態で、原稿上に形成する画像に埋め込まれている。
判定部(第1及び第2判定手段)21は、読取装置5によって読み取られた原稿画像のデータのうち、情報抽出部20によって抽出された白領域情報が示す白領域に、白画像ではない画像を示す画素(以下、非白画素という)が存在するか否かを判定する。判定部21が、上記白領域に非白画像が存在すると判定した場合には、その非白画素を目立たなくするために、フィルタ処理回路17、γ補正処理回路18及び階調処理回路19(補正手段)が画質調整を行い、当該非白画素を、人間が視認し難い画素値に変換する。
さらに、判定部21は、上記白領域情報が示す白領域に、白基準データ生成回路14に記憶されている白基準データよりも白に近い値の画素が存在するか否かの判定も行う。
判別部22は、非白画素の濃度が所定の濃度(白画素と同一視できる程度の濃度、すなわち、人間が白以外の色であると視認し難い濃度)未満になったか否かを判別する。
白領域検出部(白領域検出手段)23は、画像読取機構1Aによって読み取られた原稿画像のデータから白領域を検出する。例えば、白領域検出部23は、原稿画像データについて、予め定められた画素値以下の画素値のみが主走査方向全域に存在する主走査ラインを検出し、このような主走査ラインが存在する場合には、その主走査ラインの副走査位置情報を取得する。白領域検出部23は、この検出を、読み取られた原稿画像データの全域に対して行う。
白領域情報埋込部(白領域情報埋込手段)24は、白領域検出部23によって検出された上記白領域情報を、例えば電子透かし情報として、画像読取機構1Aによって読み取られた原稿画像データに埋め込む。
図3は、フィルタ処理回路17によって行われるフィルタ処理の例を示す図である。図3において、平滑化とは、ノイズの含まれているような画像(本実施形態では、非白画素)に対して、近傍の画素の値に特定の重みを与えて、画素の内容を滑らかにする処理である。エッジ強調とは、画素間の濃度差を明確にして、文字や画像の輪郭を明瞭にすることである。この実施形態では、フィルタ処理として、図3に示すように、文字モード、文字・写真モードおよび写真モードという、原稿画質に応じたそれぞれ異なる平滑化処理及びエッジ強調処理を行う。
図4は、平滑化処理の内容を示す図である。図4における左側の9つのブロックが、注目画素Eを中心に、その周囲に配置されたデータであり、これが入力データである。この入力データに対して、右側の9つのブロックで示されるフィルタ係数が掛け合わされる。すなわち、平滑化処理とは、入力データに対してフィルタ係数で特定される値を掛け合わせることにより出力データを得ることである。この計算式は、図4に示す数式の通りであり、計算された値data_outが注目画素Eの平滑化後の値となる。
図5は、エッジ強調処理の内容を示す図である。エッジ強調処理では、左側の9つのブロックの中心にある注目画素Xに、右側の9つのブロックからなるフィルタ係数の値が掛け合わされ、差分値Sが算出される。そして強調された後の値X′は、元の値Xに差分値Sを加えたものとなる。
図6は、平滑化後にエッジ強調を行った場合の差分値Sおよび強調度X′の関係を示す図である。
図7は、γ補正処理回路18で行われるγ補正のための曲線と、階調処理回路19で行われる2値化しきい値の可変範囲との関係を示す図である。左側の図7(A)は、γ補正曲線であり、256階調の入力データのうちの48が初期設定値とされ、32〜128の範囲で濃度調整が行えることを示している。右側の図7(B)は、2値化しきい値であり、256階調の入力データのうち128の値が2値化基準値の初期設定値であり、それを96〜160の範囲で可変できることを表わしている。
さらに、下記の表は、エッジ強調のゲイン値可変範囲、すなわちシャープネス調整の範囲を示すものである。このシャープネス調整のためのゲイン値可変範囲は、文字モード、文字・写真モード、写真モードについてそれぞれ異なる範囲が定められている。
Figure 2007067961
次に一例として、文字モードの場合において、非白画素(汚れの画素:注目画素E)の値が、40,60,65,70,80の場合につき、それぞれ、どのように画質調整が行われるかについて具体的に説明する。
E=40のとき:
平滑化によりdata_out=30、X′=145≧128、よって汚れが目立ちNG。そこで、ゲインを12/16→10/16に変更する。つまりシャープネスを自動調整する。これにより、X′=127<128となり、汚れが目立たなくなりOK。
E=60のとき:
平滑化によりdata_out=52、ゲインを12/16→8/16に調整すると、X′=156≧128であり、NG。そこで、濃度しきい値を、128→160に変更する。よって、156<160であり、汚れが目立たなくなりOK。つまり、この場合は、シャープネス調整および濃度調整を行う。
E=65のとき:
平滑化によりdata_out=56、ゲインを12/16→8/16に変更し、しきい値を128→160に変更。しかし、X′=177≧160であり、NG。そこで、フィルタ条件を、文字・写真モードに変更し、かつ、シャープネスを最小にする。これにより、data_out=48、X′=133<128となり、汚れが目立たなくなり、OK。
E=70のとき:
平滑化によりdata_out=52、ゲインを8/16→4/16に変更、X′=104<128となり、OK。つまり、この場合は、画質モードを変更し、γ補正による濃度再現を開始したことにより、汚れが目立たなくなっている。
E=80のとき:
文字・写真モードに変更し、かつ、シャープネス最小、濃度最低に設定する。これによってもX′=140≧128であり、NG。つまり、汚れの値が80のときには、汚れを目立たなくするように調整することはできない。
以上説明した具体例のように、汚れの画素を目立たなくする処理は、
(1)同一画質モードでのシャープネス調整
(2)上記(1)に加えて濃度調整
(3)異なる画質モードでのシャープネス調整
(4)上記(3)に加えての濃度調整
という順序で、画像領域全体に対する影響を極力抑えるようにして調整される。
画像形成装置1において、白領域に非白画素(汚れの画素)が存在すると判定部21によって判定された場合に、その画素を目立たなくする処理を説明する。図8は、非白画素を目立たなくする処理を示すフローチャートである。
画像読取機構1Aが原稿の読み取りを開始すると、情報抽出部20が、読取装置5によって読み取られた原稿画像のデータから、当該原稿画像データの中に埋め込まれている白領域情報を抽出する(S1)。続いて、判定部21が、読取装置5によって読み取られた上記原稿画像のデータのうち、当該白領域情報が示す白領域(白領域情報が示す全ての副走査方向位置にある主走査ライン)に、非白画素が存在するか否かを判定する(S2)。
判定部21が、上記白領域に非白画素が存在しないと判定した場合(S2でNO)、CPU13は、フィルタ処理回路17、γ補正処理回路18及び階調処理回路19に、画像読取機構1Aが読み取った原稿画像のデータを、人間に視認され難くするための補正を行わせることなく、画像形成機構1Cに記録紙上に画像形成させる(S9)。
一方、判定部21が、上記白領域に非白画素が存在すると判定した場合(S2でYES)、まず、フィルタ処理回路17が、当該非白画素に対して、この時点で操作者によって設定されているモード(文字モード、文字・写真モード、写真モードのいずれか)に応じた平滑化処理及びエッジ強調処理によりシャープネス調整を行う(S3)。
続いて、判別部22が、上記シャープネス調整後の非白画素の濃度が所定の濃度(白画素と同一視できる程度の濃度、すなわち、人間が白以外の画素と視認し難い濃度)未満になったか否かを判別する(S4)。シャープネス調整の結果、非白画素の濃度が所定濃度未満になったときには(S4でNO)、非白画素は目立たなくなるため、CPU13は、画像形成機構1Cに、当該シャープネス調整後の画像データを、記録紙上に画像形成させる(S10)。
この画像形成処理後、CPU13は、図略の表示部に、読取画像に画質調整を施した旨のメッセージを表示させ(S11)、さらに、読取装置5の清掃を促すメッセージを表示させる(S12)。これにより、ユーザは、次回のコピーに備えて読取装置5の清掃を行うことになる。この清掃は、今回のコピー終了後であるから、今回のコピーが中断されることなく、ユーザにとっては望ましい。
また、S4で、非白画素の濃度が所定濃度以上であると判別された場合(S4でYES)、γ補正処理回路18及び階調処理回路19が、γ補正及び階調処理により濃度調整を行う(S5)。判別部22は、この結果、上記非白画素の濃度が所定濃度(上記と同様)以上のままか、所定濃度未満になったかを判定する(S6)。
S6で、判別部22が、上記非白画素が所定濃度未満と判定した場合は(S6でNO)、上記非白画素は目立たなくなったため、CPU13は、画像形成機構1Cに、当該濃度調整後の画像を記録紙上に画像形成させ(S10)、S11及びS12の処理に移る。
また、上記S6で、判別部22が、上記非白画素が所定の濃度以上であると判定した場合は(S6でYES)、判別部22は、現在の画質モードが、文字モードか否かを判定する(S7)。文字モードであれば(S7でYES)、文字・写真モードに変更した上で(S8)、S3からの処理が繰返される。一方、S7で、現在の画質モードが文字モードではない場合には(S7でNO)、上記白画素でない画素を目立たなくすることは困難であるため、CPU13は、表示部に、読取装置5に汚れのある旨の警告を表示させ(S13)、画像読取機構1A及び画像形成機構1Cに動作を停止させる(S14)。
このような処理によれば、読取装置5に汚れがあって、処理対象となる画像データの取得時に、元画像には本来存在しない画像を示す画像データ(本実施形態では、白領域に存在する非白画素)が、画像取得時の不具合により取り込まれてしまった場合であっても、この本来存在しない画像が目立たないように補正され、元画像に忠実な画像形成を行うことができる。
一方、読取装置5の汚れがひどく、本来存在しない画像を除去できない場合は、汚れがある旨の警告をし、読取動作が停止されるから、本来存在しない画像を記録紙に画像形成してしまうことがない。
次に、画像形成装置1における、シェーディング補正板の汚れを原因とする汚れ画像が記録紙上に画像形成されることを防止する処理について説明する。図9は、シェーディング補正板の汚れを原因とする汚れ画像が記録紙上に画像形成されることを防止する処理を示すフローチャートである。なお、図8で示した処理と同様の処理については同符号を付して説明を省略する。
この処理では、読取装置5によって読み取られた原稿画像のデータから、情報抽出部20が白領域情報を抽出すると(S1)、判定部21が、読取装置5によって読み取られた上記原稿画像のデータにおいて、白領域情報が示す領域に、白基準データ生成回路14に記憶されている白基準データよりも白に近い値の画素が存在するか否かを判定する(S21)。そして、白基準データよりも白に近い値の画素が存在しない場合(S21でNO)、CPU13は、画像読取機構1Aが読み取った原稿画像のデータを、人間に視認され難くするための補正を画像処理回路12に行わせることなく、画像形成機構1Cに記録紙上に画像形成させる(S9)。一方、白基準データよりも白に近い値の画素が存在する場合は(S21でYES)、当該白基準データよりも白に近い値の画素に対して、S3以降の一連の画像補正処理が行われる。
これにより、シェーディング補正用のシェーディング板が汚れており、シェーディング補正用に適正な白基準データが得られない状態であっても、記録紙上への画像形成時に白スジ等の不具合発生の原因となる画素(上記白基準データよりも白に近い値の画素)を人間にとって視認され難くなるように補正して、当該白スジ等の発生を防止することができる。
次に、画像形成装置1による白領域情報の埋め込み処理について説明する。図10は白領域情報の埋め込み処理を示すフローチャートである。
操作者が、ある原稿を画像形成装置1の画像読取機構1Aにセットすると、読取装置5が当該原稿上の画像を読み取る(S31)。読み取られた原稿画像は、A/D変換回路11でディジタルデータに変換される。白領域検出部23は、当該画像データについて、予め定められた画素値(人間が視認したときにほぼ白色であると認識する程度の画素値であればよい)以下の画素のみが主走査方向全域に存在している主走査ラインを検出し、このような主走査ラインが存在する場合には、その主走査ラインの副走査位置情報を取得する(S32)。白領域検出部23は、この検出を、読み取られた原稿画像データの全域に対して行う。
白領域情報埋込部24は、上記のようにして取得された全ての副走査位置情報からなる白領域情報を示す電子透かし情報を生成し(S33)、当該電子透かし情報を示す画像データと、S31で画像読取機構1Aが読み取った原稿画像のデータとを合成して、画像形成機構1Cによって記録紙上に画像形成する画像データを生成する(S34)。白領域情報が電子透かし情報として埋め込まれた当該画像データは、画像形成機構1Cに送られ、画像形成機構1Cは当該画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する(S35)。
上記白領域情報埋込部24による画像合成処理の例を説明する。図11は記録紙への画像形成の対象となる画像データに電子透かし情報を合成する様子を模式的に表す図である。上記白領域情報からなる電子透かし情報は、原稿上に形成された画像の中に潜像として埋め込まれる。例えば、電子透かし情報である潜像部分と、それ以外の背景部分とに、種類の異なるディザパターンをそれぞれ使用し、一方のパターン密度を画像読取機構1Aによる原稿読み取り時の分解能を上回るパターン密度とし、他方を画像読取機構1Aによる原稿読み取り時の分解能以下のパターン密度とする。このとき、原稿の原本を見ても、人間には電子透かし情報を視認することは不可能であるが、画像形成機構1Cによりプリントした場合は、画像読取機構1Aにより原稿上の画像を光学的に読み取れば、この読み取った画像のデータ中から、情報抽出部20が電子透かし情報を判別できるようになっている。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、画像読取機構1Aが原稿から読み取った原稿画像のデータから情報抽出部20が白領域情報を抽出したり、当該原稿画像のデータから白領域検出部23が白領域を検出したり、白領域情報埋込部24が白領域情報を電子透かし情報として埋め込んだりしているが、これら抽出処理、検出処理及び埋込処理の対象とする画像データは、画像読取機構1Aが原稿から読み取った原稿画像のデータに限られず、ネットワーク接続されているパーソナルコンピュータ等から画像形成装置1が受け取った画像データに対して行うものとしてもよい。
また、上記実施形態では、非白画素や、白基準データよりも白に近い値の画素を、人間に視認され難い画素に変換する補正として、平滑化処理及びエッジ強調処理によりシャープネス調整、γ補正及び階調処理により濃度調整を行うようにしているが、上記補正は、これらによるものに限られず、他の処理を行うものとしてもよい。例えば、白領域に非白画素が存在すると判定部21によって判定された場合には、当該非白画素の値を、白を示す画素値に置き換える処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置1を複合機として説明しているが、この発明は、複合機のみに限定されるものではなく、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能の各単一機能のみを有する機器にも適用可能である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 画像処理回路の詳細な構成を示すブロック図である。 フィルタ処理回路によって行われるフィルタ処理の例を示す図である。 平滑化処理の内容を説明するための図である。 エッジ強調処理を説明するための図である。 平滑化後にエッジ強調を行った場合の差分値Sおよび強調度X′の関係を示す図である。 γ補正処理回路で行われるγ補正のための曲線と、階調処理回路で行われる2値化しきい値の可変範囲との関係を示す図である。 非白画素を目立たなくする処理を示すフローチャートである。 シェーディング補正板の汚れを原因とする汚れ画像が記録紙上に画像形成されることを防止する処理を示すフローチャートである。 白領域情報の埋め込み処理を示すフローチャートである。 記録紙への画像形成の対象となる画像データに電子透かし情報を合成する様子を模式的に表す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
1A 画像読取機構
1B 画像処理装置
1C 画像形成機構
12 画像処理回路
14 白基準データ生成回路
15 シェーディング補正処理回路
17 フィルタ処理回路
18 補正処理回路
19 階調処理回路
20 情報抽出部
21 判定部
22 判別部
23 白領域検出部
24 白領域情報埋込部

Claims (5)

  1. 原稿画像のデータを取得する画像データ取得手段と、
    前記画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータに埋め込まれた、白領域を示す白領域情報を抽出する情報抽出手段と、
    前記画像データ取得手段によって取得された原稿画像のデータのうち、前記情報抽出手段によって抽出された白領域情報が示す白領域に、白画素ではない非白画素が存在するか否かを判定する第1判定手段と、
    前記第1判定手段によって、前記白領域情報が示す白領域に非白画素が存在すると判別された場合、当該非白画素を人間に視認され難い画素に変換する補正を行う補正手段と
    を備えた画像処理装置。
  2. シェーディング補正用の白基準データを記憶する白基準データ記憶手段と、
    前記画像データ取得手段によって読み取られた原稿画像のデータのうち、前記情報抽出手段によって抽出された白領域情報が示す白領域に、前記白基準データ記憶手段に記憶されている白基準データよりも白に近い値を示す画素が存在するか否かを判定する第2判定手段とを備え、
    前記補正手段は、前記第2判定手段によって、前記白領域情報が示す白領域に、前記白基準データ記憶手段に記憶されている白基準データよりも白に近い値の画素が存在すると判定された場合に、当該白基準データよりも白に近い値を示す画素を人間に視認され難い画素に変換する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置と、
    前記補正手段による補正後の画像データに基づいて記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置。
  4. 画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記画像データ取得手段によって取得された画像データから白領域を検出する白領域検出手段と、
    前記白領域検出手段によって検出された白領域を示す白領域情報を、前記画像データ取得手段によって取得された画像データに埋め込む白領域情報埋込手段と
    を備えた画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置と、
    前記白領域情報埋込手段によって前記白領域情報が埋め込まれた画像データに基づいて記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置。
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