JP2007066379A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の設備を大幅に変更することなく、紫外線照射による有機色素膜の劣化を抑えることができる光記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 データ基板1とダミー基板8を、中間層としての紫外線硬化樹脂を介して、貼り合わせた後、図5(a)に示すように、第1の基板としてのデータ基板1側から紫外線32を照射することによって、中間層4としての紫外線硬化樹脂を硬化する。この際の紫外線32の照射は、劣化点以下の強度で行う。
【選択図】 図5

Description

この発明は、光記録媒体の製造方法、特に、記録層に有機色素材料を含み、複数の記録層および中間層を備えた光記録媒体に適用可能な製造方法に関する。
光記録媒体は、例えば記録層に有機色素材料を用いる。例えば、光記録媒体の情報の記録は、レーザ光が照射した表面部分にのみピットを形成することで行われる。情報の記録は、例えばプラスチック等の光透過性の基板上に有機色素を主成分とする記録層を形成し、この記録層の表面に集光したレーザ光を走査することによって行われる。
例えばCD−R(Compact Disc recordable)は、記録層に有機色素材料が用いられている。CD−Rは、構成がシンプルであって安価に製造できるために、例えばデータ、画像等のバックアップ、音楽記録用として、市場に広く受けいれられている。
近年、例えばコンピュータ等のデジタル機器が急速に発達しており、これに伴い記録メディアの大容量化が望まれている。例えば記録材料として有機色素材料を用いた記録媒体は、CD−RからDVD−R((Digital Versatile Disc recordable)、DVD+Rに需要がシフトしつつあり、更なる大容量化の要望に応えるために、記録層の多層化が検討されている。
例えば、DVD−R、+R、BD(Blu-rayディスク:登録商標)では、記録層が多層化された記録媒体として、基板上に2層の情報記録層が形成された光記録媒体(以下、2層光記録媒体と称する)が商品として発売されている。
2層光記録媒体の製造方法としては、Inverese Stack方式と2P(Photo Polymarization)法の2種類の方式が提案されている。Inverese Stack方式は、例えば記録再生用のレーザ光源から近い側のL0記録層と、遠い側のL1記録層とを別々の基板に作製し、その後、中間層を挟んで両基板を貼り合わせる方式である。
2P方式は、例えばL0記録層および反射膜を成膜後に中間層を積層させ、例えば樹脂スタンパまたはメタルスタンパによって、中間層の表面に新たなグルーヴを形成した後、L1記録層および反射膜を成膜し、その後、ダミー基板を貼り合わせる方式である。
例えばInverese Stack方式は、従来のダミー基板側にL1記録層を成膜するため、ランド部に記録を行うことになる。スピンコート法では、グルーヴに溶液が溜まり、乾燥後に記録層が形成されるため、ランド部への記録は、非常に困難となる。したがって、従来では2P法の開発が盛んに行われてきた。
2層光記録媒体の製造において、2P法では、L1記録層用に樹脂スタンパまたはメタルスタンパを別途準備し、グルーヴ形成工程を追加する必要があり、製造コストに大きく影響を与えてしまう。
一方、Inverese Stack方式では、上記の課題を解決すれば、例えばDVD−R/+R製造工程において、従来のDVD+R/−R装置を転用することができるため、新たにダミー基板側にグルーヴを形成し、反射膜および記録膜を成膜した後、貼り合わせを行うため2P法に比べて設備投資を低く抑えることができる。さらに、Inverese Stack方式は、L0記録層とL1記録層の記録膜を別々に成膜するため、歩留まりや製造管理面で、上記2P法より非常に有利である。
例えば下記特許文献1には、Inverese Stack方式による光記録媒体の製造方法が開示されている。この製造方法は、凹凸面に有機色素膜が形成された第1の基板に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2の基板を貼り合わせた後、第1の基板側から紫外線を照射することによって、紫外線硬化樹脂を硬化させて、光記録媒体の製造を行う。
特開平10−49913号公報
しかしながら、第1の基板側から紫外線を照射すると、有機色素膜を含有する第1記録層が劣化してしまう。そこで、第1の基板および第2の基板のそれぞれの両面にUV硬化樹脂を塗布し、それぞれに紫外線を照射して貼り合せる方法または接着剤付の中間シートを用いて貼り合わせを行う方法が提案されている。しかしながら、複数の材料が必要となったり、紫外線照射工程が増加するためコスト高となる問題がある。
また、同様に2P法においても、第1の基板側から紫外線を照射すると、有機色素膜に直接紫外線が照射されるため、有機色素膜の表面に劣化が生じ、反射特性等が低下する問題がある。
したがって、この発明の目的は、従来の設備を大幅に変更することなく、紫外線照射による有機色素膜の劣化を抑えることができる光記録媒体の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明は、
第1の基板の一主面上に、有機色素材料を含む第1の記録層と、紫外線硬化樹脂からなる中間層と、有機色素材料を含む第2の記録層と、第2の基板とが積層された構造を有する光記録媒体の製造方法であって、
劣化点以下の強度の紫外線を、紫外線硬化樹脂に対して照射し、紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
この発明は、
基板の一主面上に、有機色素材料を含む第1の記録層と、紫外線硬化樹脂からなる中間層と、有機色素材料を含む第2の記録層と、光透過層とが積層された構造を有する光記録媒体の製造方法であって、
劣化点以下の強度の紫外線を、紫外線硬化樹脂に対して照射し、紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
この発明によれば、紫外線の照射による有機色素膜の劣化を抑えることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、この発明の一実施形態による製造方法が適用可能な光記録媒体の一例について説明する。
図1に示すように、第1の基板としてのデータ基板1の一主面に凹凸面が設けられ、この凹凸面上に、有機色素膜2、反射膜3が順次積層されてなる第1記録層9が形成される。第1記録層9上には、中間層4が形成され、中間層4上に設けられた凹凸面上に有機色素膜5、反射膜6が順次積層されてなる第2記録層10が形成される。第2記録層10上には、保護層7を介して第2の基板としてのダミー基板8が積層される。
この光記録媒体では、データ基板1側からレーザ光を第1記録層9または第2記録層10に照射することにより情報信号の記録および/または再生が行われる。例えば、650〜665nmの範囲の波長を有するレーザ光を、0.65程度の開口数を有する対物レンズにより集光し、データ基板1側から第1記録層9または第2記録層10に照射することにより、情報信号の記録および/または再生が行われる。
データ基板1およびダミー基板8は、中央にセンターホールが形成された円環形状を有する。このデータ基板1の一主面には、情報信号の記録および/または再生を行う際に光学スポットを導くための凹凸面が形成されている。この凹凸面の形状としては、スパイラル状、同心円状、ピット列等、各種の形状が挙げられる。
データ基板1およびダミー基板8の直径は、例えば120mm、80mmに選ばれる。データ基板1およびダミー基板8の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、例えば0.6mmに選ばれる。
データ基板1およびダミー基板8の材料としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはアクリル系樹脂などのプラスチック材料や、ガラスなどが用いられる。なお、コストを考慮した場合には、データ基板1の材料として、プラスチック材料を用いることが好ましい。
第1記録層9または第2記録層10である記録層としては、例えば有機色素膜上に反射膜が積層されてなる。有機色素膜としては、例えば、アゾ系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系等を用いることができる。また、これらの色素を、光学特性、記録感度、信号特性等を良化させるために、他の有機色素、金属、金属化合物を混合して用いることができる。
具体的には、例えば少なくとも下記化1に示す一般式で表される有機色素材料(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1及びY2は各々独立に有機基を表し、XはClO4、BF4、PF6、SbF6を表す)と、下記の化2に示す一般式で表される色素材料(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1、Y2は各々独立に有機基を表し、XはClO4、BF4、PF6、SbF6を表す)とを含む記録層を有する構成とする。
Figure 2007066379
Figure 2007066379
反射膜としては、再生光の波長での反射率が高い材料を用いることができる。例えば金属元素、半金属元素、これらの化合物または混合物が挙げられ、より具体的には、例えばAl、Ag、Au、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Ge、Cu、Mg、Nd、Cなどの単体、またはこれらの単体を主成分とする合金が挙げられる。そして、実用性の面を考慮すると、これらのうちのAl系、Ag系、Au系、Si系またはGe系の材料を用いることが好ましい。
有機色素膜の形成法としては、例えばスピンコート法等の一般的な手法を用いることができる。例えばスピンコート法は、コスト等の面からみて好ましい。スピンコート法では、上記有機色素材料を、溶媒に溶解または分散させてなる塗布液を用いて有機色素膜を形成する。
反射膜の形成法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等の一般的な手法を用いることができる。
中間層4は、情報信号の記録および/または再生を行う際に光学スポットを導くための凹凸面が形成されている。この凹凸面の形状としては、スパイラル状、同心円状、ピット列等、各種の形状が挙げられる。中間層4の厚さは、例えば0.01〜0.06mmの範囲から選ばれ、例えば0.05mmに選ばれる。この中間層4は、例えば紫外線硬化樹脂からなる。
保護層7は、第1記録層を保護するとともに、データ基板1とダミー基板8を貼り合せるためのものである。保護層7は、例えば紫外線硬化樹脂からなる。
図2は、この発明の一実施形態による製造方法が適用可能な光記録媒体の他の例を示す。図2に示すように、この光記録媒体は、基板11と、この基板11の一主面に設けられた凹凸面上に、反射膜12、有機色素膜13、保護膜14と順次積層されてなる第1記録層19が形成されている。第1記録層19上には、中間層15が形成され、中間層15に形成された凹凸面上に、反射膜16、有機色素膜17からなる第2記録層20が形成される。第2記録層20上には、光透過層である光透過性のカバー層18が形成される。
この光記録媒体では、カバー層18の側からレーザ光を第1記録層19または第2記録層20に照射することにより、情報信号の記録および/または再生が行われる。例えば、400nm〜410nmの範囲の波長を有するレーザ光を、0.84〜0.86の範囲の開口数を有する対物レンズにより集光し、カバー層18の側から第1記録層19または第2記録層20に照射することにより、情報信号の記録および/または再生が行われる。このような光記録媒体としては、例えばBlu−ray Disc(ソニー株式会社の登録商標)が挙げられる。
基板11は、中央にセンターホールが形成された円環形状を有する。この基板11の第1記録層19が形成される側の一主面には、情報信号の記録および/または再生を行う際に光学スポットを導くための凹凸面が形成されている。
この凹凸面の形状としては、スパイラル状、同心円状、ピット列等、各種の形状が挙げられる。基板11の直径は、例えば120mmに選ばれる。基板11の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、好ましくは0.3mm〜1.3mmから選ばれ、より好ましくは0.6mm〜1.3mmから選ばれ、例えば1.1mmに選ばれる。
基板11の材料としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂若しくはアクリル系樹脂などのプラスチック材料またはガラスなどが用いられる。なお、コストを考慮した場合には、基板11の材料として、プラスチック材料を用いることが好ましい。
第1記録層19または第2記録層20である記録層としては、例えば、反射膜、有機色素膜等を順次積層して構成される。有機色素膜および反射膜の材料としては、例えば上記の光記録媒体に使用できるものと同様なものを用いることができる。
カバー層18は、例えば平面円環形状を有する光透過性シート(フィルム)と、この光透過性シートを記録層が形成された基板11に対して貼り合わせるための接着層とから構成される。接着層は、例えば紫外線硬化樹脂または感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)からなる。
光透過性シートは、記録および/または再生に用いられるレーザ光に対して、吸収能が低い材料からなることが好ましく、具体的には透過率90%以上の材料からなることが好ましい。光透過性シートの材料としては、例えばポリカーボネート樹脂材料、ポリオレフィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))が挙げられる。
また、この光透過性シートの厚さは、好ましくは0.3mm以下に選ばれ、より好ましくは3〜177μmの範囲内から選ばれる。例えば、光透過性シートの厚さは、この光透過性シートと接着層との合計の厚さが例えば100μmになるように選ばれる。例えば、このような薄い光透過層と、0.85程度の高NA化された対物レンズとを組み合わせることによって、高密度記録を実現できる。
次に、この発明の一実施形態による光記録媒体の製造方法の一例について説明する。図3、図4および図5は、いわゆるInverse Stack法と称する方法を概略的に示す。例えばInverse Stack法は、新たな設備投資を少なくすることができ、低コストで光記録媒体を製造できる。さらに、歩留まり、製造管理等の面から優れた製造方法である。
図3(a)に示すように、データ基板1は、一主面に凹凸面が形成されており、例えばポリカーネート(PC)からなり、射出成形により作製する。
次に、図3(b)〜図3(e)に示すようにデータ基板1上に形成された凹凸面上に第1記録層9を形成する。第1記録層9は、図3(b)に示すように、まず有機色素材料を溶媒に溶解させてなる塗布液を、例えばスピンコート法によって、データ基板1上に形成された凹凸面上にノズル21を用いて塗布することで、有機色素膜2を形成する。
次に、図3(d)に示すように、図示しない真空チャンバ内で、反射膜3をスパッタリング法によって、有機色素膜2上に形成する。ここで、図中のSは、スパッタ原子の入射方向を示す。
次に、図3(f)に示すように、例えばスピンコート法によって、ノズル22を用いて中間層4としての紫外線硬化樹脂を塗布し中間層4を形成する。
図4(a)に示すように、第2の基板としてのダミー基板8は、例えばポリカーボネートからなり、例えば射出成形により作製する。次に、図4(b)〜図4(c)に示すように、図示しない真空チャンバ内で、反射膜6を例えばスパッタリング法によって、ダミー基板8の凹凸面上に形成する。ここで、図中のSは、スパッタ原子の入射方向を示す。
次に、図4(d)〜図4(e)に示すように、例えばスピンコート法により有機色素材料を溶媒に溶解してなる塗布液を、ノズル21から滴下して、ダミー基板8の凹凸面に塗布することによって、有機色素膜5を形成する。
[貼り合わせ工程]
次に、図4(f)に示すように、データ基板1とダミー基板8を、中間層4としての紫外線硬化樹脂を介して、貼り合わせる。この後、図5(a)に示すように、紫外線32を照射することによって、中間層4としての紫外線硬化樹脂を硬化する。この際の紫外線32の照射は、第1の基板としてのデータ基板1側から照射する。以上の工程によって、図5(b)に示すように、この発明の一実施形態による光記録媒体を得ることができる。
例えば有機色素膜は、自然光に含まれる紫外線によって劣化しやすい性質を有する。中間層4としての紫外線硬化樹脂を硬化する際には、劣化点以下の強度で紫外線を照射する必要がある。
なお、劣化点とは、紫外線を有機色素材料に照射した場合において、この点を境に、有機色素材料が劣化し、反射率が著しく低下する積算放射強度をいう。
例えば、照射する紫外線の強度は、用いる有機色素材料に依存する。例えば、第1記録層が上記化1または化2の有機色素材料を含むものである場合、1回の積算放射強度が例えば劣化点である10000mJ/cm2以下の紫外線を照射することによって、紫外線硬化樹脂の硬化を行うのが好ましい。この強度で照射した場合は、有機色素材料に劣化を抑えることができる。
また、1回の積算放射強度が劣化点である10000mJ/cm2以下の紫外線の照射は、複数回に分けて行うことができる。複数回に分けて紫外線を照射した場合には、例えば積算放射強度が劣化点である10000mJ/cm2以上となっても有機色素材料の劣化を抑えることができる。
このように照射する紫外線の強度を劣化点以下に調整することで、有機色素材料の劣化を防止できる。一般的に、有機色素材料は紫外線に弱く、紫外線の照射側の表面が劣化する。特に、劣化した表面が記録・再生光の入射側に面する場合は、反射率が低下するため、記録・再生特性に多大な影響を与えることとなる。
このため、従来は、第1の基板側から記録膜へ直接紫外線が照射されるのを避けて、紫外線硬化樹脂の硬化を行っていた。すなわち、記録膜の記録・再生光の入射方向に面する側からの紫外線の照射を避けるように、例えば第1の基板としてのデータ基板1の反対側から紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂の硬化を行っていた。
この発明の一実施形態によれば、照射する紫外線の強度を劣化点以下に調整することで、第1の基板側から紫外線を照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化することができる。さらに、中間層に用いる材料を1種類のみにすることができる。さらに、一つのプロセスで、貼り合わせを完了できる。さらに、設備投資、材料費を最低限に抑えることができ、製造コストを大幅に削減できる。
次に、この発明の一実施形態による光記録媒体の製造方法の他の例を説明する。図6、図7および図8は、いわゆる2P法と称する光記録媒体の製造工程の概要を示す。
図6(a)に示すように、データ基板1は、例えばポリカーボネート(PC)樹脂からなり、例えば射出成形により作製する。次に、図6(b)〜図6(c)に示すように、例えばスピンコート法によって、有機色素材料を溶媒に溶解してなる塗布液を、ノズル21を用いてデータ基板1に形成された凹凸面上に塗布し、有機色素膜2を形成する。
次に、図6(d)に示すように、図示しない真空チャンバ内で、例えばスパッタリング法により、反射膜3を、有機色素膜2上に形成することで、第1記録層9を形成する。ここで、図中のSは、スパッタ原子の入射方向を示す。
次に、図7(a)〜図7(b)に示すように、例えばスピンコート法により、ノズル22を用いて中間層4としての紫外線硬化樹脂を面上に均一塗布し、中間層4を形成する。
次に、図7(c)〜図7(e)に示すように、中間層4に対して、転写用の凹凸面が形成されたスタンパ31を重ね合わせ、この重ね合わせた状態を保持したまま紫外線32を照射することによって、中間層4としての紫外線硬化樹脂を硬化し、その後、スタンパ31を剥離する。
この際の紫外線硬化樹脂に対しての紫外線32の照射は、基板1側から行う。スタンパ31は、例えば樹脂スタンパまたはメタルスタンパを用いることができる。紫外線の照射を基板1側から行うことができるので、コストの面で有利なメタルスタンパの使用も可能となる。
次に、図8(a)〜図8(c)に示すように、中間層4に形成された凹凸面上に、例えばスピンコート法によって、有機色素材料が溶媒に溶解してなる塗布液を、ノズル21を用いて塗布することで、有機色素膜5を形成する。
次に、図8(d)に示すように、有機色素膜5上に、反射膜6を、例えばスパッタリング法によって形成することで、第2記録層10を形成する。ここで、図中のSは、スパッタ原子の入射方向を示す。
次に、図8(e)に示すように、例えばスピンコート法により、保護層7としての紫外線硬化樹脂を設け、その後、ダミー基板8をデータ基板1の保護層7上に載置した後、紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化して、データ基板1とダミー基板8が貼り合わせる。以上の工程により、光記録媒体が製造できる。
この発明の一実施形態によると、例えば、中間層4として、1種類の紫外線硬化樹脂を用いることが可能となり、第1の基板と第2の基板を一つのプロセスで貼り合わせることができるので、従来の設備を転用することができ、設備投資、材料費を最低限に抑えることができる。
また、劣化点以下の積算放射強度の紫外線を照射することによって、記録膜にダメージを与えずに、第1の基板と第2の基板の貼り合わせを行うことができ、結果として、例えば、性能劣化のない2層DVD−R/+Rの製造コストを大幅に削減できる。
以下に、実施例に基づいてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
まず凹凸面が形成されたポリカーボネートからなる直径120mmの円環状のデータ基板を、射出成形により作製した。次に、基板の凹凸面上に、有機色素膜と反射膜とからなる第1記録層を形成した。
有機色素膜は、有機色素材料である化1を溶媒であるテトラフルオロプロパノ−ルに溶解してなる塗布液を、スピンコート法によって、基板の凹凸面上に塗布して形成した。反射膜は、Agをスパッタリングによって有機色素膜上に成膜した。
また、同様にして、凹凸面が形成されたポリカーボネートからなる120mmの円環状のダミー基板を射出成形により作製した。次に、基板の凹凸面上に、有機色素膜と反射膜とからなる第2記録層を形成した。
有機色素膜は、有機色素材料である化1を溶媒であるテトラフルオロプロパノ−ルに溶解してなる塗布液を、スピンコート法によって、基板の凹凸面上に塗布し、形成した。反射膜は、Agをスパッタリングによって有機色素膜上に成膜した。
次に、第1記録層を形成したデータ基板と、第2記録層を形成したダミー基板とを、中間層としての市販の紫外線硬化樹脂を介して貼り合わせて、この状態で、データ基板側から、積算放射強度1000mJ/cm2の紫外線を1回照射することによって、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した。以上の工程によって、実施例1の光記録媒体を作製した。
なお、紫外線の積算放射強度は、以下のように測定した。まずUV照源41から基板までの距離L=15cmに相当する位置に、照度計(CUSTOM社 製品名:UV−340)のプローブ42を載置し、紫外線をプローブ42に対して照射することによって、紫外線強度を測定した。
次に、プローブ42の位置に作製した実施例1の光記録媒体を置いて、この光記録媒体に対して、同じ強度の紫外線を5秒間照射し、上記測定した紫外線強度に対して照射時間(5秒)を乗じたものを積算放射強度とした。
<実施例2>
積算放射強度2000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例3>
積算放射強度4000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例4>
積算放射強度6000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例5>
積算放射強度8000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例6>
積算放射強度10000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<比較例1>
積算放射強度11000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<比較例2>
積算放射強度12000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<比較例3>
積算放射強度13000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
一般的に、有機色素材料は、紫外線に弱く、色素が分解されると反射率が低下する。そこで、有機色素材料を劣化させない程度に紫外線照射量を抑える必要がある。
作製した実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例3の反射率の測定を行い、図10に示すように、1回の紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化した際の、紫外線の積算放射強度に対する反射率劣化量をプロットしたグラフを作成し、照射する紫外線の強度の好ましい範囲の検討を行った。なお、反射率の測定には、DVD−1000(Pulstec社製)を用いた。また、反射率劣化量は、実施例1の記録媒体の反射率を基準として下記の式により算出した。
反射率劣化量(%)=実施例1の記録媒体の反射率(%)−各実施例の記録媒体の反射率(%)
図10に示すように、10000mJ/cm2までは、反射率の低下は、ほとんど見られず、記録層の劣化がないことがわかる。一方で、10000mJ/cm2を超える積算放射強度の紫外線を照射すると、急激に反射率が低下することがわかる。以上の検討の結果、1回で照射する紫外線の積算放射強度を10000mJ/cm2以下とするのが好ましいことがわかった。
<実施例7>
積算放射強度5000mJ/cm2の紫外線を1回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例8>
積算放射強度5000mJ/cm2の紫外線を2回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例9>
積算放射強度5000mJ/cm2の紫外線を3回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
<実施例10>
積算放射強度5000mJ/cm2の紫外線を4回照射して、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
作製した実施例7〜実施例10の第1記録層の反射率の測定を行い、図11に示すように、複数回の紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化した際の、紫外線の積算放射強度に対する反射率をプロットしたグラフを作成した。
図11に示すように、5000mJ/cm2の紫外線を複数回照射した場合は、積算放射強度が10000mJ/cm2を超えても反射率が低下せず、記録層が劣化しないことがわかる。
以上より、積算放射強度が10000mJ/cm2以下の紫外線を1回または複数回照射することで記録膜の劣化を抑えて、中間層としての紫外線硬化樹脂を硬化することができ、さらに低コストかつ良質な光記録媒体を作製できることがわかった。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、厚さ0.6mmの基板を貼り合わせた構造を採り、405nmの波長を有するレーザ光を、0.65程度の開口数を有する対物レンズにより集光し、記録層に照射することにより、情報信号の記録および/または再生を行う、例えばHD(High Definition)−DVDのような光記録媒体の製造方法にも適用可能である。
また、基板の一主面上に、有機色素材料を含む第1の記録層と、紫外線硬化樹脂からなる中間層と、有機色素材料を含む第2の記録層と、保護層とが積層された構造を有する光記録媒体の製造方法にも適用可能である。
この発明の一実施形態による製造方法が適用可能な光記録媒体の一例を示す断面図である。 この発明の一実施形態による製造方法が適用可能な光記録媒体の他の例を示す断面図である。 この発明の一実施形態による製造方法の一例を説明するための概略図である。 この発明の一実施形態による製造方法の一例を説明するための概略図である。 この発明の一実施形態による製造方法の一例を説明するための概略図である。 この発明の一実施形態による製造方法の他の例を説明するための概略図である。 この発明の一実施形態による製造方法の他の例を説明するための概略図である。 この発明の一実施形態による製造方法の他の例を説明するための概略図である。 積算放射強度の測定方法を説明するための概略図である 積算放射強度に対する反射率の劣化量を示すグラフである。 積算放射強度に対する反射率の劣化量を示すグラフである。
符号の説明
1・・・データ基板
2・・・有機色素膜
3・・・反射膜
4・・・中間層
5・・・有機色素膜
6・・・反射膜
7・・・保護層
8・・・ダミー基板
9・・・第1記録層
10・・・第2記録層
11・・・基板
12・・・反射膜
13・・・有機色素膜
14・・・保護膜
15・・・中間層
16・・・反射膜
17・・・有機色素膜
18・・・カバー層
19・・・第1記録層
20・・・第2記録層

Claims (6)

  1. 第1の基板の一主面上に、有機色素材料を含む第1の記録層と、紫外線硬化樹脂からなる中間層と、有機色素材料を含む第2の記録層と、第2の基板とが積層された構造を有する光記録媒体の製造方法であって、
    劣化点以下の強度の紫外線を、上記紫外線硬化樹脂に対して照射し、上記紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    劣化点以下の強度の上記紫外線を複数回照射することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1において、
    上記紫外線を上記第1の記録層側から照射することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1おいて、
    上記劣化点が10000mJ/m2以下であることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 請求項2において、
    上記劣化点が10000mJ/m2以下であることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  6. 基板の一主面上に、有機色素材料を含む第1の記録層と、紫外線硬化樹脂からなる中間層と、有機色素材料を含む第2の記録層と、光透過層とが積層された構造を有する光記録媒体の製造方法であって、
    劣化点以下の強度の紫外線を、上記紫外線硬化樹脂に対して照射し、上記紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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