JP2007065257A - 液浸顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液浸系の対物レンズの先端を効率よく短時間で乾燥させることができる液浸顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】 観察対象の基板10Aを支持する支持手段(41〜46)と、液浸系の対物レンズ11と、対物レンズの先端と基板との間に観察用の液体31を供給する供給手段(13,14)と、基板の観察後に、乾燥用の流体32を用いて、対物レンズの先端を乾燥させる乾燥手段(15,16)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板の液浸観察を行う液浸顕微鏡装置に関する。
基板(例えば半導体ウエハや液晶基板など)に形成された回路パターンの欠陥や異物などを高い分解能で観察するために、液浸系の対物レンズを用いて、この対物レンズの先端と基板との間を水などの液体で満たし、液体の屈折率(>1)に応じて対物レンズの開口数を大きくすることが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2005−83800号公報
しかし、上記の装置では、対物レンズの先端を乾燥させる際、その先端に輪染み(ヤケ)が発生することがあった。輪染みとは、液体中に溶出した物質(例えば酸素,有機物,シリカ,パーティクルなど)が乾燥の過程で対物レンズの先端に残存して付着したものである。また、液体中の溶出物の量は乾燥の過程でも少しずつ増え、乾燥に掛かる時間が長いほど輪染みも増えてしまう。このため、乾燥に掛かる時間を出来るだけ短くして輪染みの発生を防止することが望まれる。例えば周知のレンズペーパーなどを用いて対物レンズの先端の液体を拭き取ることも考えられるが、このような人手による作業は効率的とは言えない。ちなみに輪染みが発生すると対物レンズの透過率や解像性能が低下し、これが蓄積されれば最終的には使用不可能になってしまう(短寿命化)。
本発明の目的は、液浸系の対物レンズの先端を効率よく短時間で乾燥させることができる液浸顕微鏡装置を提供することにある。
本発明の液浸顕微鏡装置は、観察対象の基板を支持する支持手段と、液浸系の対物レンズと、前記対物レンズの先端と前記基板との間に観察用の液体を供給する供給手段と、前記基板の観察後に、乾燥用の流体を用いて、前記対物レンズの先端を乾燥させる乾燥手段とを備えたものである。
また、前記乾燥手段は、管状部材を介して少なくとも前記先端に前記流体を供給する供給部を含むことが好ましい。
さらに、前記管状部材は、前記対物レンズの周囲に固定されることが好ましい。
また、前記乾燥手段は、前記先端と前記基板の観察点とを対向させた状態で、前記管状部材を介して前記流体を供給することが好ましい。
さらに、前記乾燥手段は、前記先端と前記観察点との双方に前記流体を供給し、前記先端と前記観察点とを同時に乾燥させることが好ましい。
また、前記管状部材は、前記支持手段の周囲に固定されることが好ましい。
さらに、前記乾燥手段は、前記先端と前記管状部材とを対向させた状態で、該管状部材を介して前記流体を供給することが好ましい。
本発明の液浸顕微鏡装置によれば、液浸系の対物レンズの先端を効率よく短時間で乾燥させることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の液浸顕微鏡装置10は、図1に示す通り、観察対象の基板10Aを支持するステージ部(41〜46)と、液浸観察部(11,12)と、観察用の液体31を供給する機構(13,14)と、乾燥用の液体32を供給する機構(15,16)と、これら液体31,32を回収する機構(17,18)とで構成される。
また、液浸顕微鏡装置10には、図示省略したが、各部を制御する制御部や、観察光学系および照明光学系、基板10Aを自動搬送する機構、TTL方式のオートフォーカス機構なども設けられる。
基板10Aは、半導体ウエハや液晶基板などである。液浸顕微鏡装置10は、半導体回路素子や液晶表示素子などの製造工程において、基板10Aに形成された回路パターンの欠陥や異物などの観察(外観検査)に用いられる。回路パターンは、例えばレジストパターンである。
ステージ部(41〜46)は、試料台41とZステージ42とXYステージ43とZ駆動部(44〜46)とXY駆動部(不図示)とで構成されている。Z駆動部(44〜46)は、Zステージ42に取り付けられた送りネジ44とモータ45と変位検出器46とで構成され、Zステージ42を駆動する。XY駆動部(不図示)は、XYステージ43を駆動する。試料台41は、Zステージ42により鉛直方向に移動可能、XYステージ43により水平面内で移動可能に支持されている。基板10Aは、例えば現像装置から搬送されて試料台41の上面に載置され、例えば真空吸着により固定的に支持される。
液浸観察部(11,12)には、液浸対物レンズ11と、接眼レンズ12とが設けられる。液浸対物レンズ11および接眼レンズ12は、各々、液浸顕微鏡装置10の本体(鏡基19)に固定されている。また、液浸顕微鏡装置10の本体内部(液浸対物レンズ11と接眼レンズ12との間)には、不図示の照明光源などが設けられる。観察波長は、例えば可視域である。
液浸対物レンズ11は、液浸系の対物レンズであり、その先端(先玉1Aの表面およびその近傍)が略平坦な形状となっている。観察用の液体31は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に供給され、表面張力によって液滴を形成する。さらに、液浸対物レンズ11の各レンズ素子(先球1Aなど)は、観察用の液体31が供給されたときに、その収差が補正されるように設計されている。
また、液浸対物レンズ11の先端側の周囲には、図2(a)〜(c)に示す通り、円盤状のノズルアダプタ21が取り付けられる。図2(a)〜(c)は、液浸対物レンズ11の周囲の構造を詳細に示した図である。図2(a)は液浸対物レンズ11を下方(基板10Aの方)から見た図であり、図2(b),(c)はそれぞれ図2(a)のAA断面,BB断面に対応する。
ノズルアダプタ21は、3本のノズル13,15,17を略90度間隔で液浸対物レンズ11の周囲に固定するための部材である。ノズル13,15,17は、液浸対物レンズ11の光軸1Bに対して斜めに形成され、下方ほど光軸1Bに接近するように形成された管状部材である。
ノズル13には、ノズルアダプタ21の周囲に取り付けられた継手22を介して配管51(1)の一端が接続され、この配管51(1)を介して観察用の液体供給装置14(図1)が接続される。このノズル13は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に、観察用の液体31を供給する際に用いられる(以下「供給ノズル13」)。供給ノズル13の先端の開口部が観察用の液体13の噴き出し口となる。
観察用の液体供給装置14は、配管51(1)の途中に配置された2位置切り換え式の電磁弁52と、新しい清浄な液体5Aを収容する液体タンク53と、加圧ポンプ(54〜57)とで構成される。加圧ポンプ(54〜57)は、シリンダ54とピストン55と送りネジ56とモータ57とで構成される。
ピストン55は、モータ57の動力を直線運動に変換する送りネジ56に結合され、任意の速度で左右方向に往復移動可能である。ピストン55の移動速度は、モータ57の回転速度に応じて調整可能である。ピストン55の移動方向は、モータ57の回転方向に対応する。
シリンダ54は、電磁弁52の第1経路を介して液体タンク53に接続され、第2経路を介して供給ノズル13に接続される。ただし、電磁弁52において、2つの経路が同時に開放されることはなく、常に何れか一方のみが開放され、接続状態に設定される。
電磁弁52において第1経路が開放され、シリンダ54と液体タンク53とが実際に接続された状態で、ピストン55を図中右方向に移動させることにより、液体タンク53の内部の液体5Aをシリンダ54の内部に導入することができる(液体5B)。
電磁弁52において第2経路が開放され、シリンダ54と供給ノズル13とが実際に接続された状態で、ピストン55を図中左方向に移動させることにより、シリンダ54の内部の液体5Bを供給ノズル13に送り出すことができる。送り出された液体5Bは、供給ノズル13の先端の開口部から吐出して、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に到達する(観察用の液体31)。
このように、供給ノズル13と観察用の液体供給装置14とは、上記した観察用の液体31を供給する機構(13,14)を構成している。つまり、観察用の液体供給装置14により供給ノズル13を介して観察用の液体31の供給が行われる。液体31の供給は、液浸観察の前に、不図示の制御部が自動的に行う。
また、ノズル15には、ノズルアダプタ21(図2)の周囲に取り付けられた継手23を介して配管51(2)の一端が接続され、この配管51(2)を介して乾燥用の液体供給装置16が接続される。このノズル15は、少なくとも液浸対物レンズ11の先端に、乾燥用の液体32を供給する際に用いられる(以下「供給ノズル15」)。供給ノズル15の先端の開口部が乾燥用の液体32の噴き出し口となる。
乾燥用の液体供給装置16の構成は、観察用の液体供給装置14と同様である。そして供給ノズル15と乾燥用の液体供給装置16とで、上記した乾燥用の液体32を供給する機構(15,16)を構成している。つまり、乾燥用の液体供給装置16により供給ノズル15を介して乾燥用の液体32の供給が行われる。液体32の供給は、液浸観察後に、不図示の制御部が自動的に行う。
さらに、ノズル17には、ノズルアダプタ21(図2)の周囲に取り付けられた継手24を介して配管61の一端が接続され、この配管61を介して液体回収装置18が接続される。このノズル17は、液浸対物レンズ11の先端の近傍から、液体31,32を回収する際に用いられる(以下「回収ノズル17」)。この回収ノズル17の先端の開口部が、液体31,32の吸い込み口となる。
液体回収装置18は、配管61を介して回収ノズル17に接続された廃液タンク62と、配管63を介して廃液タンク62に接続された真空ポンプ64とで構成される。配管61,63は、廃液タンク62の上部に接続されている。廃液タンク62には、廃液6Aを排出するためのコック65が取り付けられている。なお、真空ポンプ64の代わりに工場内の真空装置(不図示)を配管63に接続しても良い。
液体回収装置18では、真空ポンプ64により、回収ノズル17などを介して、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間の液体31(または液体32)を周りの空気と一緒に吸引する。つまり、液体31を基板10Aから除去する。吸引された液体31,32は、配管61を介して廃液タンク62に導かれ、そこで空気とは選別され、廃液タンク62に落下する(廃液6A)。そして空気のみが配管63を介して真空ポンプ64に導かれる。
このように、回収ノズル17と液体回収装置18とは、上記の液体31,32を回収する機構(17,18)を構成している。つまり、回収ノズル17を介して液体回収装置18により液体31,32の回収が行われる。液体31,32の回収は、適宜のタイミングで、不図示の制御部が自動的に行う。
なお、液体31,32を回収する際に空気も一緒に吸引するため、ノズルアダプタ21には、回収ノズル17の先端の開口部と対向する位置に、幅広の開口部25が設けられる。また、上記の液体回収装置18では、真空ポンプ64に空気のみを導くため、液体の流入によって真空ポンプ64が損傷することはない。配管63の途中に水分除去フィルタを設けてもよい。
ここで、上記した構成要素のうち、供給ノズル13,15と回収ノズル17をステンレス(電解研磨して酸化被膜を形成したステンレス)鋼またはテフロン(登録商標)(フッ素樹脂PTFE)により構成し、シール材をテフロンまたはフッ素ゴムにより構成し、全ての配管51(1),51(2),61,…をステンレス鋼またはテフロンにより構成し、その他、液体31,32が触れる全ての面(ピストン55や液体タンク53や廃液タンク62の内面など)も、同様の材料で構成することが好ましい。ステンレス鋼とテフロンは化学的に安定で、液体31,32に不純物(例えば金属イオン系など)が混入し難いという利点がある。
また、液体供給装置14,16の液体タンク53における液体5Aの残量をモニタするため、液体タンク53にフロートセンサ(液面計)と上限レベルセンサと下限レベルセンサを搭載し、各センサの出力を操作PC画面上で確認できるようにすることが好ましい。さらに、液体5Aが下限レベルセンサの位置に到達した時点で、操作PC画面上にワーニング表示を出すようにすることが好ましい。また、液体回収装置18の廃液タンク62にも同様のセンサを搭載し、廃液6Aが上限レベルセンサの位置に到達した時点で、操作PC画面上にワーニング表示を出すようにすることが好ましい。
さらに、本実施形態では、観察用の液体31として例えば純水を使用する。純水は、半導体製造工程などで容易に大量入手できるものである。また、基板10A上のフォトレジストに対する悪影響がないため、基板10Aの非破壊検査が可能となる。また、純水は環境に対する悪影響もなく、不純物の含有量が極めて低いため、基板10Aの表面を洗浄する作用も期待できる。なお、半導体製造工程で使用される純水は一般に「超純水」と呼ばれる。これは一般に「純水」と呼ばれるものより純度が高い。本実施形態においても超純水を用いるのがより好ましい。
また、乾燥用の液体32としては、揮発性の高い液体を用いることが好ましく、例えばメタノールやエタノールやIPAなどの有機溶剤を使用することが考えられる。有機溶剤の純水希釈液を使用してもよく、この場合には引火性を低減できる。
次に、液浸顕微鏡装置10における基板10Aの観察動作を説明する。基板10Aの観察動作は、不図示の制御部による自動制御である。液体供給装置14の電磁弁52は初期状態において第2経路が開放され、シリンダ54と供給ノズル13とが配管51(1)などを介して実際に接続された状態となっている。なお、液浸顕微鏡装置10を用いた観察は、例えば、他の欠陥検査装置により検出された欠陥や異物などの原因やその状態を確認するための外観検査に相当する。
制御部は、基板10Aの観察動作の開始に先立ち、観察用の液体31の適切な供給量V(つまり表面張力により「液滴」を形成可能な量)を計算し、この供給量Vを実現するために必要な液体供給装置14のピストン55の移動量Xを“目標値”として計算する。このような計算は、観察対象の基板10Aをステージ部(41〜46)に搬送して、試料台41の上面に固定させるまでの間に行ってもよい。
液体31の供給量Vを適切にすることができれば、液体31は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間において、表面張力により「液滴」を形成する。つまり、周囲に流れ出したり、逆に気泡が除去できなかったりすることはない。液体31が周囲に流れ出すのは、液体31の供給量Vが多すぎて表面張力の限界を超えた場合である。この場合、観察後に全ての液体31を回収するのが困難になる。また、気泡が残留するのは、液体31の供給量Vが少なすぎた場合である。この場合、液浸対物レンズ11による鮮明な像の形成が困難になる。液体31の適切な供給量Vとは、表面張力により、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に「液滴」を形成可能な量である。
また、シリンダ54から供給ノズル13に送り出される液体5Bの量(つまり液体31の供給量V)は、シリンダ54の断面積Sとピストン55の移動量Xとの積に等しく(V=S・X)、ピストン55の移動量Xに応じて任意に調整することができる。また、液体31の供給速度は、ピストン55の移動速度に応じて任意に調整することができる。ピストン55の移動速度は、液体31が供給ノズル13の先端から飛び散らないように遅く設定することが好ましい。
そして、液体供給装置14のピストン55の移動量X(=V0/S)を計算した後、基板10Aの観察動作を開始する。
制御部は、Z駆動部(44〜46)を介してZステージ42を制御し、試料台41を鉛直方向に移動させて、基板10Aを液浸対物レンズ11の焦点面の近傍に位置決めする。また、XYステージ43を制御し、試料台41を水平面内で移動させて、基板10Aの予め定めた観察点を光軸1B付近に位置決めする。位置決め制御の順序は逆でも構わない。つまり、XY方向の位置決め後にZ方向の位置決めを行ってもよい。
その後、観察用の液体31の供給を開始させる。つまり、液体供給装置14のモータ57を回転させて送りネジ56を移動させ、ピストン55を図中左方向に移動させる。ピストン55の移動により、シリンダ54の内部の液体5Bが電磁弁52(第2経路)と配管51(1)とを介して供給ノズル13に送り出され、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に到達する(液体31)。
そして、ピストン55の移動量Xが予め計算した“目標値”に一致した時点で、モータ57を停止させる。つまり、液体31の供給を停止させる。このように、ピストン55の移動量Xを予め計算した“目標値”に一致させ、精密な定量吐出を行うことで、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に供給された液体31の量を、表面張力により「液滴」を形成可能な最適な量(供給量V)とすることができる。
なお、定量吐出の制御方法は、モータ57をステッピングモータとしてオープンループ制御してもよいが、不図示のロータリーエンコーダまたはリニアエンコーダを用いてクローズドループ制御してもよい。
このようにして液体31の供給が終了すると、制御部は、不図示のオートフォーカス機構により、精密な焦点合わせを行う。そして、基板10Aの液浸観察が可能となる。液体31は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aの観察点との間に充填され、「液滴」を形成する。
この状態で、接眼レンズ12の視野位置に基板10Aの観察点の拡大像(パターン像)が形成され、観察者は、接眼レンズ12を介して基板10Aの観察点の液浸観察を行う。液体31の供給量Vが適切で、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間に気泡が残留しないため、基板10Aの観察点の鮮明な像を観察することができる。
また、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間を満たす液体31の屈折率(>1)に応じて、液浸対物レンズ11の開口数を“1”より大きくすることができ、乾燥系の装置(対物レンズの開口数≦1)と比較して分解能を確実に向上させることができる。
ちなみに、分解能は、液浸対物レンズ11の開口数NAと、観察波長λと、定数kとを用いて、「分解能=k×λ/NA」と表される。定数kの値には、2線間の分解能を議論する場合、通常“0.5”が用いられる。また、液浸対物レンズ11の開口数NAは、液浸対物レンズ11の開き角βと、液浸対物レンズ11と基板10Aとの間の媒質の屈折率nとを用いて、「NA=n×sinβ」と表される。このように、分解能は、液浸対物レンズ11と基板10Aとの間の屈折率nの増加に逆比例して小さくなる(向上する)。
なお、液体31の供給が終わった後、必要に応じて、液体供給装置14の電磁弁52の経路を切り換え(つまり第1経路を開放させ)、液体タンク53の清浄な液体5Aをシリンダ54の内部に取り込む。また、この取り込み後には、電磁弁52の経路を再び切り換えて、シリンダ54が供給ノズル13に繋がるようにしておく。
そして観察者から「液浸観察終了」の指示を受け取ると、制御部は、液体回収装置18の真空ポンプ64を制御して、回収ノズル17などを介して、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aの観察点との間から液体31を回収する。つまり、基板10Aに「液滴」が残らないようにする。このとき、真空ポンプ64による吸い込み速度(真空排気の速度)は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aとの間隔に起因する空気漏れ量よりも、回収ノズル17からの吸い込み量が大きくなるような条件とすることが好ましい。このことはベルヌーイの定理からも明白である。
基板10Aの観察点から液体31を回収し終えると、基板10Aの中に他の観察点がある場合には、上記の動作(位置決め→液体31の供給→液浸観察→液体31の回収)を繰り返す。全ての観察点についての液浸観察が終わると、基板10Aをステージ部(41〜46)の試料台41から回収して、基板10Aの観察動作を終了する。
第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、基板10Aの液浸観察の際、液体31の供給と回収を自動制御で行うため、作業者に対する負担がほとんどなく、高スループットで基板10Aの液浸観察を行うことができる。
さらに、一連の液浸観察が終了し、装置が休止状態となる前に、または、観察用の液体31が回収された状態のまま放置される前に、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、供給ノズル15と乾燥用の液体供給装置16とを用い、液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる。このとき、液浸対物レンズ11の先端に輪染みが発生しないように短時間で効率よく乾燥させる必要がある。
液浸顕微鏡装置10の制御部は、基板10Aを試料台41から回収する前に、基板10Aの観察点と液浸対物レンズ11の先端とを対向させた状態で、乾燥用の液体32の供給を開始させる。供給方法は、上記した観察用の液体31の供給方法と同様である。乾燥用の液体32は、液体供給装置16から配管51(2)を介して供給ノズル15に送り出され、少なくとも液浸対物レンズ11の先端に所定量供給される。
その後、制御部は、液浸観察時にも使用した液体回収装置18の真空ポンプ64を制御して、回収ノズル17などを介して液体32を回収する。この直後、液浸対物レンズ11の先端には僅かな液体32が付着しているが、この液体32は揮発性が高いため速やかに蒸発する。そして、僅かな液体32が蒸発した後、液浸対物レンズ11の先端は乾燥状態となる。
このように、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、基板10Aの液浸観察後、乾燥用の液体32を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる。液体32は揮発性が高いため、液浸対物レンズ11の先端を短時間で乾燥させることができる。したがって、液浸対物レンズ11の先端における輪染みの発生を防止でき、液浸対物レンズ11の透過率や解像性能の低下を防止でき、液浸対物レンズ11の寿命向上にもつながる。
さらに、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、乾燥用の液体32を液浸対物レンズ11の先端に供給する際、供給ノズル15と液体供給装置16とを用いる。したがって、基板10Aの観察後、自動制御で効率よく液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。そして、液浸対物レンズ11の先端の乾燥を効率よく行えるため、基板10Aの液浸観察の効率化も図られ、スループットが向上する。
また、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、供給ノズル15を介して局所的に液体32を供給するため、少なくとも液浸対物レンズ11の先端に付着する程度の必要最小限の量の液体32を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
さらに、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、供給ノズル15を液浸対物レンズ11の周囲に固定するため、液浸対物レンズ11の周囲の狭い空間を有効に利用して供給ノズル15を配置することができ、装置の大型化を回避できる。
また、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、基板10Aの観察点と液浸対物レンズ11の先端とを対向させた状態で液体32を供給する(液浸対物レンズ11の先端の乾燥処理を行う)ため、基板10Aの観察直後(観察用の液体31を回収直後)に、液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
さらに、第1実施形態の液浸顕微鏡装置10では、乾燥用の液体32を供給する際、液浸対物レンズ11の先端だけでなく基板10Aの観察点にも、同時に液体32を供給することができる。このため、液浸対物レンズ11の先端の乾燥と同時に、基板10Aの観察点も短時間で乾燥させることができ、基板10Aの劣化(例えば酸化など)を回避することができる。
なお、上記した第1実施形態では、乾燥用の液体32を供給した後、すぐに液体32を回収したが、液体32を供給した状態で(液体32を回収する前に)XYステージ43やZステージ42を微振動させてもよい。この場合、液浸対物レンズ11の先端に付着した汚れなどを落とすことができる。このような微振動は、液体32を供給しながら行ってもよい。
また、上記した第1実施形態では、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aの観察点とを対向させた状態で乾燥用の液体32を供給したが、基板10Aの代わりに他の部材の面(例えば平面)を液浸対物レンズ11の先端と対向させて液体32を供給してもよい。
さらに、上記した実施形態では、観察用の供給ノズル13と乾燥用の供給ノズル15と回収ノズル17とを1つずつ設けたが、複数ずつ設けてもよい。また、その数は異なっても構わない。
また、上記した第1実施形態では、観察用の供給ノズル13と乾燥用の供給ノズル15とを個別に設けたが、これらの供給ノズル13,15を共通化してもよい。この場合、共通ノズルに接続された配管を途中で2つの経路に分岐させ、一方の経路に観察用の液体供給装置14を接続し、他方の経路に乾燥用の液体供給装置16を接続すればよい。
さらに、上記した第1実施形態では、1組の回収ノズル17と液体回収装置18を兼用して観察用の液体31と乾燥用の液体32とを回収したが、回収ノズルと液体回収装置をそれぞれ設けて液体31,32を回収してもよい。
また、上記した第1実施形態では、乾燥用の液体32を回収ノズル17などにより回収する例を説明したが、これは必須ではない。液体32は揮発性が高いため、極微量であれば回収しなくても速やかに蒸発し、液浸対物レンズ11の先端が乾燥状態になると考えられる。この場合、乾燥用の回収ノズルと液体回収装置は省略してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の液浸顕微鏡装置70は、図3に示す通り、上記した第1実施形態の液浸顕微鏡装置10(図1)の供給ノズル15を省略し、その代わりに同様の供給ノズル71をステージ部(41〜46)の周囲に固定したものである。この場合でも、液浸対物レンズ11の周囲には観察用の供給ノズル13と回収ノズル17とが固定されており、基板10Aの液浸観察を上記と同様に自動制御で行える。
基板10Aの液浸観察後に、液浸対物レンズ11の先端を効率よく短時間で乾燥させるため、第2実施形態の液浸顕微鏡装置70には、供給ノズル71を含めて次のような機構が設けられる。つまり、供給ノズル71は、廃液受け皿72の中央付近に固定され、この廃液受け皿72を介してZステージ42の上面に取り付けられる。また、供給ノズル71は、配管73によってXYステージ43の可動部を経由し、配管51(2)を介して乾燥用の液体供給装置16に接続される。
さらに、廃液受け皿72の底面には回収穴74が設けられ、回収穴74にドレーン配管75の一端が接続されている。廃液受け皿72は、ドレーン配管75によってXYステージ43の可動部を経由し、配管76を介して乾燥用の液体回収装置77に接続される。液体回収装置77の構成は、観察用の液体回収装置18と同様である。
XYステージ43の可動部において、配管73とドレーン配管75とは、不図示の真空吸着用の配管やステージ部(41〜46)の電気配線などと一緒に引き回される。このように一緒に引き回すことで、スペースを節約できる。ただし、配管73などをXYステージ43の可動部内で真空吸着用の配管などと一緒に引き回さなくても構わない。
基板10Aの観察後、液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる際には、ステージ部(41〜46)を制御して、乾燥用の供給ノズル71と液浸対物レンズ11の先端とを対向させ(図4参照)、この状態で乾燥用の液体32の供給を開始させる。乾燥用の液体32は、液体供給装置16から配管51(2)などを介して供給ノズル71に送り出され、その先端の開口部から液浸対物レンズ11の先端に供給される。
液浸対物レンズ11の先端に供給された後、その先端から落下する液体32は、廃液受け皿72の回収口74からドレーン配管75に流れ込み、液体回収装置77の真空ポンプの吸引力によって配管76などを介して回収される。
供給ノズル71を介して乾燥用の液体32を下方から吹き付けた直後、液浸対物レンズ11の先端には僅かな液体32が付着しているが、この液体32は揮発性が高いため速やかに蒸発する。そして、僅かな液体32が蒸発した後、液浸対物レンズ11の先端は乾燥状態となる。
このように、第2実施形態の液浸顕微鏡装置70では、基板10Aの液浸観察後、乾燥用の液体32を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる。液体32は揮発性が高いため、液浸対物レンズ11の先端を短時間で乾燥させることができる。さらに、乾燥用の液体32を液浸対物レンズ11の先端に供給する際、供給ノズル71と液体供給装置16とを用いる。したがって、基板10Aの観察後、自動制御で効率よく液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
また、第2実施形態の液浸顕微鏡装置70では、供給ノズル71を介して局所的に液体32を供給するため、少なくとも液浸対物レンズ11の先端に付着する程度の必要最小限の量の液体32を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
なお、上記した第2実施形態では、乾燥用の供給ノズル71とは別の回収口74を廃液受け皿72に設けたが、供給ノズル71と回収口74とを共通化してもよい。この場合、共通の開口部(供給ノズル/回収口)に接続された配管を途中で2つの経路に分岐させ、一方の経路に液体供給装置16を接続して、他方の経路に液体回収装置77を接続すればよい。
また、上記した第2実施形態では、基板10Aの乾燥後に、液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる際、ステージ部(41〜46)を制御して供給ノズル71をXY方向に移動させ、供給ノズル71を液浸対物レンズ11の先端に対向させたが、本発明はこれに限定されない。液浸対物レンズ11がXY方向に移動可能な場合は、液浸対物レンズ11のみを移動させてもよし、液浸対物レンズ11と供給ノズル71との双方を移動させてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態の液浸顕微鏡装置80は、図5に示す通り、上記した第2実施形態の液浸顕微鏡装置70(図3)の供給ノズル71,廃液受け皿72,配管73,回収口74,ドレーン配管75に代えて、液体受け皿81,開口部82,配管83を設けたものである。
液体受け皿81は、Zステージ42の上面に固定される。また、液体受け皿81の中央付近に開口部82が設けられ、開口部82に配管83の一端が接続される。さらに、液体受け皿81は、配管83によってXYステージ43の可動部を経由し、配管51(2)を介して乾燥用の液体供給装置16に接続される。
液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる際には、ステージ部(41〜46)を制御して、液体受け皿81と液浸対物レンズ11の先端とを対向させ(図6(a)参照)、この状態で乾燥用の液体32の供給を開始させる。乾燥用の液体32は、液体供給装置16から配管51(2)などを介して液体受け皿81に送り出される。
その後、再び、ステージ部(41〜46)の制御が行われ、液体受け皿81を液浸対物レンズ11の先端に向けて上昇移動させ、液体受け皿81の中の液体32を液浸対物レンズ11の先端と接触させる(図6(b)参照)。このようにして液浸対物レンズ11の先端への液体32の供給が行われた後、液体受け皿81を下降させる。
液体受け皿81の中の液体32が液浸対物レンズ11の先端から離れた直後、液浸対物レンズ11の先端には僅かな液体32が付着しているが、この液体32は揮発性が高いため速やかに蒸発する。そして、僅かな液体32が蒸発した後、液浸対物レンズ11の先端は乾燥状態となる。
このように、第3実施形態の液浸顕微鏡装置80では、基板10Aの液浸観察後、乾燥用の液体32を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる。液体32は揮発性が高いため、液浸対物レンズ11の先端を短時間で乾燥させることができる。さらに、乾燥用の液体32を液浸対物レンズ11の先端に供給する際、液体受け皿81と液体供給装置16とを用いる。したがって、基板10Aの観察後、自動制御で効率よく液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
(第4実施形態)
ここでは、上記のような乾燥用の液体32の代わりに、乾燥用の気体(例えば温風)を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる例について説明する。
第4実施形態の液浸顕微鏡装置には、図7(a)に示す通り、装置外部の温風発生器91に接続された配管92と供給ノズル93とが設けられる。供給ノズル93は、液浸対物レンズ11の周囲に固定されている。供給ノズル93の先端の開口部は、図7(b)に示す通り、リング形状である。図7(b)は図7(a)のAA断面図である。なお、図示省略したが、第4実施形態の液浸顕微鏡装置にも、上記と同様、観察用の液体31を供給する機構(13,14)や、液体31を回収する機構(17,18)などが設けられる。
温風発生器91からの温風としては、乾燥時間を短縮するために、温度60℃〜80℃程度に温められた気体を用いることが好ましい。この温風は、配管92によって供給ノズル93に送り出され、供給ノズル93の先端の開口部から斜め下方へ吐き出される。この温風94は、液浸対物レンズ11の先端と基板10Aの観察点との双方に供給される。
第4実施形態の液浸顕微鏡装置では、基板10Aの液浸観察後に、観察用の液体31を回収せずに、供給ノズル93から温風94を吹き出す。この場合、温風94が液体31の表面と基板10Aの表面と液浸対物レンズ11の先端に向かって流れ、温風94によって液体31は外周から徐々に蒸発して、最後には無くなる。そして、液体31が無くなると同時に、基板10Aの表面と液浸対物レンズ11の先端も乾燥される。
このように、第4実施形態の液浸顕微鏡装置では、基板10Aの液浸観察後、乾燥用の気体(温風94)を用いて液浸対物レンズ11の先端を乾燥させる。このため、短時間で液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。さらに、乾燥用の気体(温風94)を少なくとも液浸対物レンズ11の先端に供給する際、供給ノズル93や温風発生器91などを用いる。したがって、基板10Aの観察後、自動制御で効率よく液浸対物レンズ11の先端を乾燥させることができる。
また、第4実施形態の液浸顕微鏡装置では、乾燥用の気体(温風94)を供給する際、液浸対物レンズ11の先端だけでなく基板10Aの観察点にも、同時に温風94を供給することができる。このため、液浸対物レンズ11の先端の乾燥と同時に、基板10Aの観察点も短時間で乾燥させることができ、基板10Aの劣化(例えば酸化など)を回避することができる。また、液体31の蒸発と基板10Aや液浸対物レンズ11の先端の乾燥とを同時に行えるため観察効率が向上する。
さらに、第4実施形態の液浸顕微鏡装置では、供給ノズル93の先端の開口部をリング形状として全周方向から液体31に温風94を吹き出すため、さらに短時間で液浸対物レンズ11の先端の乾燥などを行える。
なお、上記した第4実施形態では、供給ノズル93の先端の開口部がリング形状である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。供給ノズル93の先端の開口部を分割して複数の箇所に(例えば90度ごとの4箇所に)配置してもよい。この場合の開口部の形状としては、例えばU字形状,C字形状,小さい円形状などが考えられる。
また、上記した第4実施形態では、観察用の液体31を回収せずに温風94を吹き出して温風94により液体31の蒸発も行ったが、本発明はこれに限定されない。上記した第1実施形態などと同様、観察用の液体31を回収した後に温風94を吹き出して基板10Aと液浸対物レンズ11の先端とを乾燥させてもよい。
さらに、上記した第4実施形態では、液浸対物レンズ11の周囲に乾燥用の供給ノズル93を配置したが、本発明はこれに限定されない。同様の供給ノズルを不図示のステージ部の周囲に固定しても(図3参照)、同様の効果を得ることができる。この場合、温風94による液体31の蒸発や基板10Aの乾燥は行えないが、液浸対物レンズ11の先端に温風94を供給することにより、その先端を短時間で効率よく乾燥させることができる。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、接眼レンズ12による液浸観察の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。撮像素子とモニタを設け、モニタの表示画像により液浸観察を行っても構わない。接眼レンズ12による液浸観察と撮像素子およびモニタによる液浸観察との双方を行えるようにしても良いし、何れか一方でも良い。
また、上記した実施形態では、観察波長を例えば可視域とする例で説明したが、本発明はこれに限定されない。紫外域(例えば深紫外域)の観察波長を用いれば、さらに高分解能な液浸観察を行うことができる。ただし、この場合には、接眼レンズ12からの観察はできないので、接眼レンズ12を省略して撮像素子とモニタを設け、モニタの表示画像により液浸観察を行うことになる。
さらに、観察波長を紫外域とする場合には、液浸顕微鏡装置10の本体の内部を窒素充填することが好ましい。液浸対物レンズ11と基板10Aとの間の光路は窒素充填されないが、液体31の供給された後で紫外光による観察を行うため、紫外光が周囲の空気(酸素)と光化学反応を起こすことはない。
また、上記した実施形態では、観察用の液体31として例えば純水を用いたが(水浸系)、本発明はこれに限定されない。その他、純水よりも屈折率の高い油(例えば液浸オイルやシリコンオイルなど)を液体31として用いてもよい(油浸系)。
さらに、液体31として純水よりも表面張力の小さい液体(例えば界面活性剤を添加した液体、アルコール類、これらと純水との混合物)を用いることもできる。この場合には、基板10Aの回路パターンが微細な場合でも、液体31を回路パターンの凹部に確実に浸透させることができ、良好に観察できる。
また、液体31としての純水を液体タンク53から供給する例を説明したが、純水製造装置などを用いて純水を供給してもよい。
第1実施形態の液浸顕微鏡装置10の全体構成を示す図である。 液浸対物レンズ11の周囲の詳細な構成を示す図である。 第2実施形態の液浸顕微鏡装置70の全体構成を示す図である。 乾燥用の供給ノズル71から液体32を供給する様子を説明する図である。 第3実施形態の液浸顕微鏡装置80の全体構成を示す図である。 液体受け皿81の中の液体32を液浸対物レンズ11の先端に接触させる様子を説明する図である。 第4実施形態の液浸顕微鏡装置の構成を示す図である。
符号の説明
10,70,80 液浸顕微鏡装置 ; 11 液浸対物レンズ11 ; 1A 先玉 ;
10A 基板 ; 13,15,71,93 供給ノズル ;
14,16 液体供給装置 ; 17 回収ノズル ; 18 液体回収装置 ;
41〜46 ステージ部 ; 31 観察用の液体 ; 32 乾燥用の液体 ;
81 液体受け皿 ; 91 温風発生器 ; 94 温風

Claims (7)

  1. 観察対象の基板を支持する支持手段と、
    液浸系の対物レンズと、
    前記対物レンズの先端と前記基板との間に観察用の液体を供給する供給手段と、
    前記基板の観察後に、乾燥用の流体を用いて、前記対物レンズの先端を乾燥させる乾燥手段とを備えた
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  2. 請求項1に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記乾燥手段は、管状部材を介して少なくとも前記先端に前記流体を供給する供給部を含む
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  3. 請求項2に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記管状部材は、前記対物レンズの周囲に固定される
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  4. 請求項3に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記乾燥手段は、前記先端と前記基板の観察点とを対向させた状態で、前記管状部材を介して前記流体を供給する
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  5. 請求項4に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記乾燥手段は、前記先端と前記観察点との双方に前記流体を供給し、前記先端と前記観察点とを同時に乾燥させる
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  6. 請求項2に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記管状部材は、前記支持手段の周囲に固定される
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
  7. 請求項6に記載の液浸顕微鏡装置において、
    前記乾燥手段は、前記先端と前記管状部材とを対向させた状態で、該管状部材を介して前記流体を供給する
    ことを特徴とする液浸顕微鏡装置。
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