JP2007064853A - 複合測位による移動体の測位制御装置、システムおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】衛星からのデータ受信が遮断される場所においても高い精度で連続的な測位を可能とし、その測位結果に基づき移動体のリアルタイム制御を実現する。
【解決手段】衛星航法と慣性航法による複合測位を用いて移動体(建機10)の位置測位を行う測位制御装置100を、複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定し、必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されるトータルステーション30や移動体に設置される車速センサ等、支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正する構成とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、衛星からの電波を用いて(リアルタイムに)移動体の測位を行う高精度衛星測位と、慣性センサを用いて前記移動体の変位量を計測して測位を行う慣性航法とを組み合わせ、移動体の位置座標を連続的に算出する、複合測位による移動体の測位制御装置およびシステムならびにプログラムに関する。
車両を含む移動体の測位の分野において、RTK−GPS(Real Time Kinematics-Global Positioning System)方式を採用した場合、その性能は、cmオーダの精度でリアルタイムに計測できることが実証されている。
しかしながら、ここで得られる測位結果は、秒間隔(例えば1秒間隔)で得られる離散値であるばかりか、例えば、土木工事に用いられる建設機械(以下、建機という)等の移動体に利用した場合、建機のアームや深い木々等、遮蔽物の存在によりGPS衛星からの電波の受信が中断されると途切れてしまう情報である。このため、INS(Inertial Navigation System)による慣性航法を用いて移動体の変位量を計測し、前記したRTK−GPSによる高精度衛星航法(高精度測位衛星測位)とを組み合わせて位置を連続的に算出する複合測位が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−4261号公報(段落0011、図1)
しかしながら前記した複合測位によれば、測位に必要なGPS衛星からの電波が遮断される場所では慣性センサのみで測位することになり、この慣性センサを用いた慣性航法は、測位誤差が時間経過とともに大きくなることから、測位結果を移動体の動作制御にリアルタイムに反映させるリアルタイム性が要求される建機の制御には不向きである。
また、特許文献1に開示された技術によれば、3軸ジャイロシステムといった高価な慣性センサを要し、廉価構成が要求される建機への適用は困難である。
本発明は前記した事情に基づいてなされたものであり、GPS衛星からの電波が遮断される場所においても高い精度で連続的な測位を可能とし、例えばリアルタイム性、および廉価構成が要求される建機の制御にも適用可能な、複合測位による移動体の測位制御装置、システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために本発明は、衛星航法と慣性航法による複合測位を用いて移動体の測位を行う測位制御装置を、前記複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定し、必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されるトータルステーション、あるいは移動体に設置される車速センサ等の支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正する構成としたものである。
本発明によれば、測位制御装置が、支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正することで、衛星からの電波が遮断される場所においても高い精度で連続的な測位を可能とし、このことにより、例えばリアルタイム性、および廉価構成が要求される建機の制御に適用することができる。
図1は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御システムの作業環境をイメージした図である。なお、本実施形態では、特に断らない限り、位置情報は、「緯度・経度・高さ」からなり、航法情報は、「位置、姿勢、速度」からなる。
図1では、山岳地帯で周辺に深い木々が生い茂っており、GPS衛星からの電波を受信して測位するには比較的電波事情の悪い土木工事現場を想定している。図1において、符号10は移動体としての建機であり、ここでは、無人運転が可能なブルドーザが例示されている。建機10には、上空約2万Kmの6つの円軌道に4個ずつ配置されたGPS衛星20からの電波を受信して、緯度、経度、高さ等の位置情報を割り出すことができるGPS受信機の他に、ジャイロや加速度計等の慣性センサ2が設置されている。このため、建機10は、GPS(RTK−GPS)による高精度衛星測位と慣性センサによる慣性航法の複合測位によって位置、姿勢、速度に関する航法情報の決定を行い、ここで得られる情報を用いて自身の運転、あるいは建機アームやブレードを、あらかじめ登録済みの作業計画に従い、無人運転あるいは自動制御することができる。ちなみに、RTK−GPSにより得られる測位結果は、本実施形態では1秒間隔で得られる離散的なものであり、高精度測位が行われない1秒の間のいわば空白時間は、慣性センサ2により補間される。
但し、土木工事現場が、前記したように山岳地帯で周辺に深い木々が生い茂った比較的電波事情が悪い地点にあることから、GPS衛星20からの電波が受信できなくなった場合に慣性センサ2による測位のみとなり、このため、高い精度での連続した測位が不可能になる。従って、本発明実施形態によれば、時間経過と共に誤差が大きくなる慣性センサ2による測位を補正する手段として、RTK−GPSでの測位が困難になる場所に支援センサとして、例えば、GPS一体型自動追尾トータルステーション30が設置される。このGPS一体型自動追尾トータルステーション30が設置された場所が既知点になる。なお、既知点とは、三角点や水準点等の公共基準点をいう。
GPS一体型自動追尾トータルステーション30(以下「トータルステーション30」という)により、基準となる観測点(既知点)と、求点となる観測点(建機10の現在位置)で同時に4つ以上のGPS衛星20からの電波を受信し、これにより既知点で取得した信号(観測データ)を無線で建機10に転送することにより、建機10が自身の観測データとトータルステーションから取得した既知点での観測データを用いてリアルタイムに基線解析を行って建機10の現在位置を決定することができる(国土地理院技術資料「RTK−GPSを利用する公共測量作業マニュアル」参照)。
つまり、RTK−GPSにおける固定局がトータルステーション30(図2の測位装置200)に該当し、RTK−GPSにおける移動局が建機10(図2の測位制御装置100)に該当する。また、トータルステーション30は、電波事情が悪く、前記したRTK−GPSによる移動局(建機10)・固定局(既知点)での4つ以上のGPS衛星20からの電波の同時受信が困難な場合、トータルステーション30が本来持つ光学測量を実行して建機10の現在位置を求め、慣性センサ2のみで測位した場合の測位誤差を補正するためにも用いられる。詳細は後記する。
なお、ここでは、既知点にトータルステーション30を設置することで、RTK−GPSによる測位が行えない場合でも、連続的に高精度測位を行うこととしたがトータルステーション30を写真測量機で代替してもよい(GPSと接続された写真測量機)。
図2は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図であり、ここでは、測位に関係するブロックのみ抽出して示してある。
本発明実施形態に係る移動体の測位制御システムは、建機10内部に実装される測位制御装置100(移動局)と、既知点に設置される測位装置200(固定局)で構成される。
建機10の内部に実装される測位制御装置100は、RTK−GPS受信機1と、慣性センサ2と、PC(Personal Computer)3と、無線受信機4とで構成される。また、測位装置200は、RTK−GPS受信機11と、支援センサとしてのトータルステーション30と、無線送信機14で構成される。
測位制御装置100内のRTK−GPS受信機1は、GPS衛星20から受信した電波を測位のための観測データとしてPC3に供給する。また、慣性センサ2は、建機10に設置されたジャイロや加速度計等であり、ここで計測された信号は建機10の位置、姿勢、速度等の航法情報演算のためにPC3に供給される。
PC3には、他に、無線受信機4を介し、既知点に設置された測位装置200から既知点でのGPS衛星20からの電波に基づく観測データとトータルステーション30の測位機能による建機10の位置情報が適宜供給されている。すなわち、通常、RTK−GPSによる高精度測位が可能なとき、トータルステーション30は、RTK−GPS受信機11で受信される既知点でのGPS衛星20からの電波に基づく観測データを、無線送信機14を介して建機10へ送信する。一方、GPS衛星20からの電波事情の悪い異常時(RTK−GPSによる高精度測位が不可能なとき)、トータルステーション30は、建機10に設置されるターゲット(プリズム反射鏡)を自動追尾して前記ターゲットとの間の距離および角度を測量し、当該建機10の位置情報を、無線送信機14を介して建機10に送信する。
PC3は、更に、慣性センサ2から受信した信号に基づき建機10が移動中の加速度を測定し、積分計算によって移動距離を算出して現在位置を求める慣性航法と、前記したRTK−GPSによる衛星航法との組合せによる複合測位により、建機10の位置、姿勢、速度から成る航法情報を生成する。
また、PC3は、RTK−GPSによる高精度測位が不可能なときは、慣性センサ2からのみ受信した信号を演算することにより得られる建機10の航法情報を、既知点に設置されたトータルステーション30から送信される建機10の位置情報(緯度・経度・高さ)により補正し、建機10の位置、姿勢(、速度)から成る航法情報を生成する。
そして、前記により生成される航法情報(位置、姿勢、速度)とあらかじめ内蔵の記憶装置(図示せず)に登録済みの作業計画情報とを照らし合わせて建機10を自動運転、もしくは建機10のアームやブレード等の制御対象部品を自動制御する。
このため、PC3は、複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定し、必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されるトータルステーション30から出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正する高精度測位部31と、複合測位により取得される航法情報のうちの、位置、姿勢、速度情報の少なくとも1つから、建機10の運転、あるいは建機10のアームやブレード等の制御対象をリアルタイムに動作させるために、あらかじめ登録された作業計画に従う制御量を演算し、当該計算された制御量に基づき建機10の運転、あるいは建機10のアームやブレード等の制御対象の動作を制御する建機制御部32で構成される。
なお、測位制御装置100と測位装置200とで、4つ以上のGPS衛星から同時に電波を受信できないときは、擬似衛星を用いて数あわせをしてもよい。ここで、擬似衛星(pseudo-lite)とは、GPS信号等と同様の信号を電波として発振する機器であり、ユーザが受信できるGPS衛星20の数が不十分な場合にGPS衛星20を利用した航法を補間する意味で使用される。例えば、a,b,c,dの4つのGPS衛星20からの電波で測位を行っているとき、dの電波が途絶えると、代わりにeという擬似衛星からの電波を用い、測位制御装置100も測位装置200もa,b,cというGPS衛星20と、eという擬似衛星の電波を用いてのRTK−GPSによる高精度測位が可能になる。
図3は、本発明の他の実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図であり、ここでは、トータルステーション30の代替として無線LAN(Local Area Network)基準局40が示されている。他は、図2に示す実施形態と同様である。
無線LANを用いる場合は、既知点に最低3つの無線LAN基準局40を設置し、そして建機10を無線LANの移動局50とする。
無線LAN基準局40は、RTK−GPSによる高精度測位が可能なとき、RTK−GPS受信機11で受信される既知点での観測データを、無線送信機14を介して建機10へ送信する。一方、電波事情の悪い異常時(RTK−GPSによる高精度測位が不可能なとき)、無線LAN基準局40は三点測量の原理で建機10の現在位置を無線LANによる測位で精度よく算出し、その位置情報を建機10に送信する。
なお、一例として、無線LANによる測位は、位置が既知の少なくとも3つの図示しない無線LAN固定局を用いて無線LAN移動局50の位置を測位するものであり、無線LAN基準局40からの無線LAN移動局50に対する呼びかけに応答する当該移動局50の電波を前記した図示しない各無線LAN固定局で受信し、無線LAN基準局40が、その受信の時間差(距離差)から移動局の位置をリアルタイムで測位し位置情報を得るというものである。
図4は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御装置、具体的には、図2、図3に示す測位制御装置100のうち、PC3の高精度測位部31の内部構成を示すブロック図である。
高精度測位部31は、RTK−GPS測位処理系311と、慣性(INS)センサ測位処理系312と、支援センサ測位処理系313と、タイミング制御部314と、複合測位精度判定部315と、複合測位誤差補正部316と、RTK−GPSデータファイル317と、慣性センサデータファイル318と、支援センサデータファイル319と、閾値テーブル320とで構成される。前記した各構成ブロックのうち、慣性センサ測位処理系312と、支援センサ測位処理系313と、複合測位誤差補正部316で測位誤差補正制御部300を構成する。
RTK−GPS測位処理系311は、RTK−GPS受信機1を介して受信される信号(GPSの観測データ)と、既知点に設置された測位装置200から送信される既知点でのGPSの観測データを、タイミング制御部314から出力されるタイミング信号に基づき取込む。そして、RTK−GPS受信機1により受信される観測データに基づき測位演算される建機10の現在位置情報と、既知点に設置された測位制御装置200から送信される観測データに基づく既知点の位置情報とで基線解析を行い、リアルタイムに建機10の現在位置(緯度・経度・高さ)を決定し、RTK−GPSデータファイル317に格納するとともに複合測位精度判定部315へ供給する。
また、測位誤差補正制御部300を構成する慣性センサ測位処理系312は、慣性センサ2から到来する信号を、タイミング制御部314から出力されるタイミング信号によって取込み、建機10が移動中の加速度を測定し、積分計算によって移動距離を算出して現在位置を求め、慣性センサデータファイル318に格納するとともに複合測位精度判定部315へ供給する。
複合測位精度判定部315は、RTK−GPS測位処理系311と慣性センサ測位処理系312とによる測位結果を組み合わせて複合測位を行い、これらの複合測位により、閾値テーブル320にあらかじめ登録された精度が得られるか否かを比較演算により判定し、その結果によって複合測位誤差補正部316を起動する。
なお、精度が得られないと判定される場合とは、例えば、通常あり得ないような速度で移動したという結果が得られた場合、実際は移動しているのに、停止しているというような結果が得られた場合等である。
一方、測位誤差補正制御部300を構成する支援センサ測位処理系313は、既知点に設置されるトータルステーション等の測位装置200から送信される位置、姿勢、速度情報から成る建機10の位置情報をタイミング制御部314から出力されるタイミング信号に基づき取込んで複合測位誤差補正部316へ供給する。
複合測位誤差補正部316には、前記した支援センサ測位処理部313から送信される建機10の位置情報(前記した「緯度・経度・高さ」)の他に、慣性センサ測位処理系312から出力される建機10の航法情報(前記した「位置、姿勢、速度」)が供給されており、複合測位誤差補正部316は、複合測位精度判定部315で必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されたトータルステーション30等の測位装置200から送信される位置情報を用いて慣性センサ測位処理系312による測位誤差を補正し、慣性センサデータファイル318を更新する。前記した慣性センサ測位処理系312による測位誤差の補正についは後記する。
なお、複合測位精度判定部315は、複合測位による今回測位結果と前回側位結果との差分と、閾値テーブル320に登録された精度(閾値)を比較することにより必要な精度が得られるか否かを判定することとし、測位誤差補正制御部300は、トータルステーション30等の測位装置200から出力される測位結果を基準値とし、慣性センサ2による測位結果を観測量とするカルマンフィルタにより、建機10の現在時刻における位置を推定することで、慣性センサ2を介して得られる時間経過とともに大きくなる測位誤差を補正することとする。カルマンフィルタの詳細については後記する。
図5は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御装置、具体的には、図2、図3に示す測位制御装置100のうち、PC3の建機制御部32の内部構成を示すブロック図である。
建機制御部32は、作業計画ファイル321と、航法情報受信部322と、制御量計算部323と、対象制御部324と、作業計画登録部325とで構成される。
制御量計算部323は、航法情報受信部322を介して取得される、位置、姿勢、速度情報の少なくとも1つから、建機10の運転を含む、建機10のアームやブレード等の制御対象部品を動作させるために、あらかじめ作業計画ファイル321に登録された作業計画に従う、車軸等の回転速度や操蛇角等の制御量を演算して対象制御部324に供給する。
対象制御部324は、制御量計算部323で計算された制御量に基づき制御対象の動作を制御する。なお、作業計画登録部325は、あらかじめユーザによって定義される、建機10の運転プログラム、あるいは建機10のアームやブレードによる作業内容を時系列的に作業計画ファイル321に登録する。
図6〜図10は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートであり、基本動作(図6)、RTK−GPSによる衛星航法(衛星測位)と慣性センサによる慣性航法との複合測位(図7)、慣性センサによる慣性航法と支援センサによる複合測位(図8)、カルマンフィルタ補正処理(図9)、建機制御(図10)のそれぞれの動作の流れが示されている。
図6〜図10にはまた、本発明のコンピュータプログラムの処理手順も併せて示されている。このコンピュータプログラムは、PC3が持つ記憶装置(図示せず)にあらかじめ格納され、あるいは外部からインストールされ、内蔵のCPUが当該コンピュータプログラムを逐次読み出し、実行することで、以下に示す機能が実現されるものである。
以下、図6〜図10に示すフローチャートを参照しながら本発明実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作について詳細に説明する。
図6は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートであり、具体的には、PC3の高精度測位部31による処理の流れを示す。
ところで、建機10は、通常、RTK−GPS受信機1と慣性センサ2によりそれぞれ受信される信号をもとに衛星航法と慣性航法による複合測位により、自身の現在位置を認識し、作業実行のための位置決めを行っている。図6に示すフローチャートにおいて、高精度測位部31は、まず、複合測位精度判定部315において、前記した衛星航法と慣性航法による複合測位で充分な精度が得られるか否かを判定する(ステップS61)。
なお、RTK−GPS測位処理系311では、RTK−GPS受信機1により受信されるGPSの信号(観測データ)に基づき測位演算される建機10の位置情報と、既知点に設置された測位制御装置200から送信される観測データに基づき測位演算される既知点の位置情報とで基線解析を行ってリアルタイムに建機10の位置(緯度・経度・高さ)を決定する処理を実行し、また、慣性センサ測位処理系312では、慣性センサ2から到来する信号に基づき建機10が移動中の加速度を測定し、積分計算によって移動距離を算出して位置を求める処理をそれぞれ実行している。そして、複合測位精度判定部315において、RTK−GPS測位処理系311による測位結果と慣性センサ測位処理系312による測位結果とを組み合わせて現在時刻における建機10の位置、姿勢を連続的に算出している。つまり、RTK−GPSの1秒間隔での測位の補間を行う。
なお、複合測位により必要な精度が得られるか否かの判定(ステップS61)は、複合測位による今回の測位結果と前回の側位結果の差分と、閾値テーブル320にあらかじめ登録されてある閾値とを比較することによりなされる。
前記したステップS61の判定処理において、必要な精度が得られると判定された場合は(ステップS61“Yes”)、前記した衛星航法と慣性航法による複合測位を継続する(ステップS62)。
前記した衛星航法と慣性航法による複合測位については、具体的な手順が図7のフローチャートに示されている。すなわち、慣性センサ測位処理系312は、慣性センサ2から到来する、位置、姿勢、速度に関する情報を1/50秒間隔で採取し(ステップS621)、それを50回繰り返した後(ステップS622)、RTK−GPS受信機1を介して採取される信号(観測データ)との同期をとる(ステップS623)。
一方、図6に示すステップS61において、複合測位精度判定部315で必要な精度が得られないと判定された場合(ステップS61“No”)、慣性センサ2による慣性航法と、本発明により追加された支援センサ(ここではトータルステーション30)による測量結果に従う複合測位を行う(ステップS63)。
慣性センサ2による慣性航法と支援センサによる測量結果に従う複合測位については具体的な手順が図8のフローチャートに示されている。すなわち、慣性センサ測位処理系312は、慣性センサ2から到来する信号を1/50秒間隔で採取し(ステップS631)、それを50回繰り返した後(ステップS632)、トータルステーション30の出力である、位置、姿勢に関する航法情報との同期をとる(ステップS633)。そして、図6のステップS64に示す「INSの誤差補正」処理、ここでは、支援センサ測位処理系313により出力される、位置、姿勢に関する航法情報から、慣性センサ測位処理系312により出力される位置、姿勢の誤差補正を行う処理へ移行する。また、ステップS62→ステップS64という処理の流れでの「INSの誤差補正」を行う。
なお、前記したステップS631とステップS633の処理において、単に情報を採取する処理と並行して、支援センサ測位処理系313では、既知点に設置されたトータルステーション30から送信される位置、姿勢から成る建機10の航法情報をタイミング制御部314から出力されるタイミング信号に基づき取込んで複合測位誤差補正部316へ供給している。また、慣性センサ測位処理系312は、慣性センサ2から到来する信号に基づき建機10が移動中の加速度を測定し、積分計算によって移動距離を算出して現在位置を求め、複合測位誤差補正部316へ都度供給している。
このことにより、複合測位誤差補正部316では後記するINSの誤差補正処理が可能になる。
説明を図6に示す基本動作のフローチャートに戻し、INSの誤差補正処理(ステップS64)について説明する。ここでは、支援センサ測位処理系313により出力される航法情報から、慣性センサ測位処理系312により出力される航法情報の誤差補正を行う処理について説明する。
複合測位誤差補正部316には、支援センサ測位処理部313から送信される建機10の位置、姿勢に関する航法情報の他に、慣性センサ測位処理系312から出力される建機10の位置、姿勢、速度に関する航法情報が供給されており、複合測位誤差補正部316は、複合測位精度判定部315で必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されたトータルステーション30から送信される航法情報を用いて慣性センサ測位処理系312による測位誤差を補正し、慣性センサデータファイル318を更新する。前記した測位誤差の補正にあたり、ここでは、カルマンフィルタを用いることとする。
「カルマンフィルタ」とは、システムの状態推定を行うフィルタリング理論であり、状態方程式と観測方程式の2つの演算式で示される。これら方程式については、例えば、特開2000−28380号公報にその詳細が示されている。本発明実施形態では、慣性航法と衛星航法による複合測位にあって、慣性航法の精度を向上させる意味で用いられる。
具体的に、測位誤差補正制御部300(複合測位誤差補正部316)は、トータルステーション30を介して得られる、位置、姿勢、速度から成る航法情報と、慣性センサ2を介して得られる、位置、姿勢、速度から成る航法情報との差分を観測量としてカルマンフィルタに入力し、慣性センサ2を介して得られる航法情報及び慣性センサ(ジャイロ、加速度計)の出力(角速度、加速度)の誤差を状態量として推定し(カルマンフィルタ出力であって、建機10の現在時刻における、位置、姿勢、速度)、当該推定された状態量と慣性センサ2を介して得られる航法情報とを演算することにより誤差を補正している。ここで支援センサから得られる航法情報としては位置、速度(姿勢を含まない)でもよい。
なお、ここでは、支援センサ測位処理系313により出力される航法情報から、慣性センサ測位処理系312により出力される航法情報の誤差補正を行う場合を例示したが、RTK−GPS測位処理系311により出力される測位結果から、慣性センサ測位処理系312により出力される航法情報の誤差補正を行う場合も同様である。但し、この場合、カルマンフィルタに入力される観測量は、RTK−GPSを介して得られる、位置、速度から成る測位結果と、慣性センサ2を介して得られる、位置、姿勢、速度から成る航法情報との差分になる。
ここで、慣性センサ測位処理系312は、慣性センサ2を介して測位結果を取得している状態で、その観測時刻と測位結果と誤差共分散を出力している。また、支援センサ測位処理系313は、トータルステーション30を介して測位結果を取得している状態で、その観測時刻と測位結果と誤差共分散を出力している。前記した両出力を入力として得た複合測位誤差補正部316は、支援センサ測位処理系313から出力される測位結果を取得してその観測時刻まで遡ってカルマンフィルタによる状態量の推定を行い、当該推定した状態量を初期値とし慣性センサ測位処理系312から出力される測位結果を用いて現在時刻までの状態量の伝播を行う。そして、慣性センサ測位処理系312における最新の観測時刻の状態量から現在時刻までの状態量を予測する。ここでいう状態量とは、建機10の位置、姿勢、速度の航法情報をいう。
前記した状態量を予測するための処理の流れが図9にフローチャートで示されている。
具体的に、複合測位誤差補正部316は、まず、観測値Yの計算を行う(ステップS641)。観測値Yの計算は、支援センサ測位処理系313から出力される位置、姿勢、速度に関する観測情報(航法情報)に基づき所定の演算式を実行することにより求めることができる。次に、状態遷移行列Fの計算を行う(ステップS642)。この計算処理は、前回の状態遷移行列Fの計算時点からの移動距離、経過時刻および、先に求めた姿勢から状態遷移行列Fを求めるものである。
以下、前記したステップS641、S642で計算した観測値Yおよび状態遷移行列Fをもとに状態ベクトルの推定量Xを求める(ステップS643〜S646)。具体的には、まず、誤差共分散行列Σの予測計算を行い(ステップS643)、カルマンゲインKの計算を行う(ステップS644)。その後、誤差共分散行列Σの計算を行い(ステップS645)、更に、カルマンゲインK、および観測値Yに基づいて状態ベクトルの推定量Xを求める(ステップS646)。
前記した状態方程式、観測方程式、および観測値Y、状態遷移行列F、誤差共分散行列Σ、カルマンゲインK、状態ベクトルの推定量Xを求めるために使用される演算式は、前記した特開2000−28380号公報にその一例が示されている。
以上の処理をトータルステーション30等、既知点に設置された測位装置200から航法情報(位置、姿勢、速度)が得られる毎に繰り返し行うことでINS誤差補正(ステップS64)を行う。
説明を図6の基本動作を示すフローチャートに戻す。高精度測位部31により前記したINS誤差補正処理(ステップS64)が実行され、その結果得られる航法情報は建機制御部32に転送される。
建機制御部32では、その航法情報をリアルタイムに航法情報受信部322で受信して制御量計算のために制御量計算部323へ供給する。制御量計算部323は、作業計画ファイル321にあらかじめ登録されてある作業計画に基づき、例えば、回転速度や操蛇角等キャタピラ(登録商標)の制御量を計算して対象制御部324へ供給する。対象制御部324は、制御量計算部323により供給される制御量に基づき、建機自身の運転、もしくはアームやブレード等の制御を行う。
図10は、建機の制御例を具体的に説明するために引用したフローチャートであり、(a)に、キャタピラ(登録商標)を制御する例、(b)に建機アームやブレードを制御する例が示されている。
以下、図10(a)(b)に示すフローチャートを参照しながら、図5に示す建機制御部32の動作について詳細に説明する。
図10(a)において、まず、ユーザは、作業計画を策定し、キーボード等を介してPC3にその作業計画毎に纏められたスケジュールを入力する。PC3の建機制御部32は、作業計画登録部325を起動し、入力された作業計画を取込んで作業計画ファイル321(記憶装置)に登録する(ステップS661)。
一方、建機制御部32では、航法情報受信部322により高精度測位部31から送信される航法情報をリアルタイムに受信しており、都度、制御量計算部323に供給している。このことにより、制御量計算部323では、取得した建機10の位置、姿勢、速度から成る航法情報から作業計画ファイル321に登録された作業計画に沿う位置に移動させるように、車軸の回転速度や操蛇角等の制御量を計算して対象制御部324へ供給する(ステップS662)。続いて、対象制御部324では、その制御量に従って制御対象となるキャタピラ(登録商標)を運転制御する(ステップS663)。
図10(b)において、まず、ユーザは作業計画を策定し、その作業計画に沿って制御対象となるアームやブレードの動きについてキーボード等を介してPC3に入力する。このことにより、PC3の建機制御部32は作業計画登録部325を起動し、入力された作業計画を取込んで作業計画ファイル321(記憶装置)に登録する(ステップS664)。
一方、建機制御部32では航法情報受信部322により高精度測位部31から送信される航法情報をリアルタイムに受信しており、都度、制御量計算部323に供給している。このことにより、制御量計算部323では、取得した建機10の位置、姿勢から成る航法情報からアームやブレード等の制御対象を、作業計画ファイル321に登録された作業計画に沿う、高さ(深さ)、方向に動作させるための制御量(角度等)を計算(ステップS665)して対象制御部324へ供給する。続いて、対象制御部324では、その計算結果に従って制御対象となるアームやブレードを制御する(ステップS666)。
図11は、本発明実施形態に係る移動体の測位制御システムにおける他の作業環境をイメージした図である。
ここでは、移動体として転圧ローラを備えた建機10が例示されており、慣性センサ2としてのジャイロや加速度計の他に、速度誤差を精度よく補正するために支援センサとしての車速センサ5が取り付けられている。
なお、車速センサ5は、本来車輪に取り付けられるものであるが、ここでは転圧ローラを軸支するフレームに取り付けられ、レーザ等によって建機10の速度を計測し、慣性センサの速度誤差補正を行うための補正情報として利用する例が示されている。すなわち、車輪の有無に依存せずに車速を計測することができる。なお、建機10は高架等の物陰にあって、図1同様、比較的電波事情の悪い作業環境をイメージしている。
図12は、本発明の他の実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図であり、図2に示す実施形態同様、測位に関係するブロックのみ抽出して示してある。
図2に示す実施形態との差異は、PC3に実装される高精度測位部31へ入力される情報として、既知点に設置されたトータルステーション30等の測位装置200による航法情報を、車速センサ5により計測される建機10車速情報で代替したものである。このとき、PC3の高精度測位部31は、入力される車速情報に基づき、慣性センサ2を用いた慣性航法との複合測位により慣性センサ測位の補正情報として用いるものである。この複合測位において、カルマンフィルタを用いる等、高精度測位の手順については、図6〜図9において支援センサを車速センサ5に置換した場合と同様であるため、重複を回避する意味で詳細説明を省略する。
以上説明のように本発明は、衛星航法と慣性航法による複合測位を用いて移動体の位置測位を行う測位制御装置を、複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定し、必要な精度が得られないと判定された場合、既知点に設置されるトータルステーションや移動体に設置される車速センサ等、支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正する構成としたものである。
このことにより、測位制御装置が、支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて慣性航法による測位誤差を補正することで、GPS衛星からの電波が遮断される場所においても高い精度で連続的な位置測位を可能とし、従って、リアルタイム性、および廉価構成が要求される建機の制御に適用することができる。
RTK−GPSは、携帯電話やインターネット等で、補正データ等を取得するネットワーク型のRTK−GPSでもよい。また、RTK−GPSは一例であり、通常のGPSの10m程度の精度(位置精度)に比較して高い数cmオーダの高精度で高精度測位を行うが、「衛星からの電波を用いて(リアルタイムに)移動体の測位を行う高精度衛星測位」が、RTK−GPSに限定されることはない。例えば、MTSATや準天頂衛星等、本来のGPS衛星以外の衛星を用いる測位でもよいし、他の衛星測位でもよい。精度も、制御対象物の動きの速さに応じて、例えば数十cmオーダの高精度でもよい。
本発明の実施形態に係る移動体の測位制御システムの作業環境をイメージした図である。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置のうち、高精度測位部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置のうち、建機制御部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る移動体の測位制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る移動体の測位制御システムの作業環境をイメージした図である。 本発明の他の実施形態に係る移動体の測位制御システムの内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,11 RTK−GPS受信機
2 慣性センサ
3 PC
4,14 無線送受信機
5 車速センサ
30 トータルステーション
31 高精度測位部
32 建機制御部
40 擬似衛星基準局または無線LAN基準局
50 擬似衛星受信機または無線LAN受信機
300 測位誤差補正制御部
311 RTK−GPS測位処理系
312 慣性センサ測位処理系
313 支援センサ測位処理系
314 タイミング制御部
315 複合測位精度判定部
316 複合測位誤差補正部
321 作業計画ファイル(記憶装置)
322 航法情報受信部
323 制御量計算部
324 対象制御部
325 作業計画登録部

Claims (11)

  1. 衛星からの電波を用いて移動体の測位を行う高精度衛星測位と、慣性センサを用いて前記移動体の変位量を計測して測位を行う慣性航法とを組み合わせ、前記移動体の位置座標を連続的に算出する、複合測位による移動体の測位制御装置であって、
    前記複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定する複合測位精度判定部と、
    前記複合測位精度判定部において前記定義された精度が得られないと判定された場合、既知点に設置された支援センサから出力される前記移動体の測位結果を受信し、当該測位結果を用いて前記慣性航法による測位誤差を補正する測位誤差補正制御部と、
    を備えたことを特徴とする複合測位による移動体の測位制御装置。
  2. 前記支援センサは、
    前記既知点の位置情報を基に、前記移動体との距離と角度を観測して前記移動体の位置情報を求め、前記移動体に送信するものであることを特徴とする請求項1に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  3. 前記支援センサは、光学測量、写真測量および無線LAN測量の少なくとも1つを用いて前記移動体の位置情報を求めるものであることを特徴とする請求項2に記載の移動体の測位制御装置。
  4. 前記支援センサは、
    前記移動体に設置され、前記移動体の速度を観測する車速センサであることを特徴とする請求項1に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  5. 前記複合測位精度判定部は、
    前記複合測位による今回の測位結果と前回の側位結果の差分と、閾値とを比較することにより前記定義された精度が得られるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  6. 前記測位誤差補正制御部は、
    GPSを介して得られる測位結果、もしくは前記支援センサを介して得られる航法情報と前記慣性センサを介して得られる航法情報との差分を観測量としてカルマンフィルタに入力して前記慣性センサを介して得られる航法情報の誤差を状態量として推定し、前記推定された状態量に基づき前記慣性センサを介して得られる航法情報の誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  7. 前記測位誤差補正制御部は、
    前記慣性センサを介して測位結果を取得している状態で、その観測時刻と測位結果と誤差共分散とを出力する慣性センサ測位処理系と、
    前記支援センサを介して測位結果を取得している状態で、その観測時刻と測位結果と誤差共分散とを出力する支援センサ測位処理系と、
    前記支援センサ測位処理系から出力される測位結果を取得してその観測時刻まで遡って前記カルマンフィルタによる状態量の推定を行い、当該推定した状態量を初期値とし前記慣性センサ測位処理系から出力される測位結果を用いて現在時刻までの状態量の伝播を行い、前記慣性センサ測位処理系における最新の観測時刻の状態量から現在時刻までの状態量を予測する複合測位誤差補正部と、
    を備えて成ることを特徴とする請求項6に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  8. 前記複合測位により取得される、位置、姿勢、速度情報の少なくとも1つから、前記移動体の制御対象を動作させるために、あらかじめ記憶装置に登録された作業計画に従う前記制御対象の制御量を計算する制御量計算部と、
    前記計算された制御量に基づき前記制御対象の動作を制御する対象制御部と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合測位による移動体の測位制御装置。
  9. 衛星からの電波を用いて移動体の測位を行う高精度衛星測位と、慣性センサを用いて前記移動体の変位量を計測して測位を行う慣性航法とを組み合わせて前記移動体の位置座標を連続的に算出する、複合測位による移動体の測位制御システムであって、
    既知点、もしくは前記移動体に設置される支援センサと、
    前記移動体にあって、前記複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定する複合測位精度判定部と、前記定義された精度が得られないと判定された場合、前記支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて前記慣性航法による測位誤差を補正する測位誤差補正制御部とから成る測位制御装置と、
    を備えたことを特徴とする複合測位による移動体の測位制御システム。
  10. 衛星からの電波を用いて移動体の測位を行う高精度衛星測位と、慣性センサを用いて前記移動体の変位量を計測して測位を行う慣性航法とを組み合わせ、演算装置により前記移動体の位置座標を連続的に算出する、複合測位による移動体の測位制御装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
    前記複合測位であらかじめ定義された精度が得られるか否かを判定するステップと、
    前記定義された精度が得られないと判定された場合、既知点に設置される支援センサから出力される測位結果を受信し、当該測位結果を用いて前記慣性航法による測位誤差を補正するステップと、
    をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
  11. 前記複合測位により取得される、位置、姿勢、速度情報の少なくとも1つから、前記移動体の制御対象をリアルタイムに動作させるために、あらかじめ記憶装置に登録された作業計画に従う前記制御対象の制御量を計算するステップと、
    前記計算された制御量に基づき前記制御対象の動作を制御するステップと、
    を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
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