JP2007063306A - 接着剤及びフレキシブルプリント配線板カバーレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】 フレキブルプリント基板(FPC)用カバーレイに適した接着剤であって、難燃性を確保しつつ接着力向上、耐熱接着性向上及び熱硬化速度増大を実現した接着剤を提供する。
【解決手段】 2環の芳香族オレフィンを50モル%以上含む芳香族オレフィンを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)、エポキシ樹脂(B)、臭素化フェノキシ樹脂(C)、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を必須成分として含有し、芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の配合率が1〜7重量%である接着剤、及びこの接着剤層を有するFPC用カバーレイ。
【選択図】 なし
【解決手段】 2環の芳香族オレフィンを50モル%以上含む芳香族オレフィンを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)、エポキシ樹脂(B)、臭素化フェノキシ樹脂(C)、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を必須成分として含有し、芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の配合率が1〜7重量%である接着剤、及びこの接着剤層を有するFPC用カバーレイ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、接着剤及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板用カバーレイ(以下、FPC用カバーレイという。)に関するものである。
IT技術の高度化を背景とした半導体の高密度実装化により、プリント配線板においても同一面積内の導体回路パターン数が著しく増大しつつある。そのために、回路パターンのライン/スペース(L/S)と称される導体回路幅と絶縁空間幅の比は低下傾向にある。更に、環境問題の高まりにより実装に用いられるハンダも、従来の鉛−スズ系から高融点な鉛フリー材料である銀−スズ系等への転換が進みつつある。
一般にFPCは、絶縁性や耐屈曲性を向上させるためにカバーレイと称される接着剤層付きポリマーフィルムを回路パターン面に熱プレス接着して製造されている。ここで、FPCのL/Sは、前記の通り減少傾向にあるため銅箔回路パターンとカバーレイの接着面積も減少傾向にあり、低L/S化で絶縁信頼性を保つためには、接着剤の銅箔に対する単位接着面積当たりの接着力を向上させる必要に迫られている。更に、鉛フリーハンダ化によるハンダの高融点化により実装温度も高温化されているため、耐熱接着力の向上やハンダ耐熱性の向上も課題となっている。
FPC用カバーレイは、通常、150〜170℃、1〜2時間の製造プロセス条件で回路パターン面にプレスされ熱硬化接着される場合が多い。しかし、150〜170℃程度の温度では接着剤の熱硬化速度が遅く、接着剤が完全に硬化しないケースも発生し、同温度条件下で硬化速度の増大された接着剤を開発することが求められている。また、接着剤の熱硬化速度を増大させることは、生産性の向上による製造コスト低減の観点からも有用な技術である。
FPC用カバーレイは、ポリマーフィルムに接着剤層を設けた構造であり、これに使用される接着剤は、特許文献1〜2等で知られている。
特開2004−269616号公報
特開2001−98243号公報
特開2004−175018号公報
特許文献1は、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂、高分子量フェノキシ樹脂、含窒素ノボラック型フェノール樹脂及び鱗片状無機フィラーを必須成分とする接着剤を開示している。特許文献2は、臭素化フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤及び硬化促進剤を混合した接着剤を開示している。
なお、多層配線板製造用の接着剤付き金属箔用接着剤として、芳香族オレフィンとフェノール類とを酸触媒の存在下で反応させて得られるフェノール性改質剤、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を必須成分とした接着剤が、特許文献3において開示されている。
FPC用カバーレイとそれに用いられる接着剤には、微細配線化に対応するための接着力向上、鉛フリーハンダ化に対応するための耐熱接着性向上、製造コスト低減のための熱硬化速度増大を、難燃性を確保しつつ実現しなければならないという課題がある。また、他の用途においても上記のような性能を有する接着剤についての要望もある。
本発明は、2環の芳香族オレフィンを50モル%以上含む芳香族オレフィンを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)、エポキシ樹脂(B)、臭素化フェノキシ樹脂(C)、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を必須成分として含有する接着剤である。また、本発明は、この接着層を有するフレキシブルプリント配線板用カバーレイである。
ここで、芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の配合率が1〜7重量%であること、又は、芳香族オレフィンが、インデン及びビニルナフタレンから選ばれる1種以上を主成分とするものであることは、好ましい接着剤を与える。
本発明の接着剤は、芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)、エポキシ樹脂(B)、臭素化フェノキシ樹脂(C)、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を必須成分として含有する。
芳香族オレフィンを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)は、インデン、メチルインデン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等の2環の芳香族オレフィンを塩酸、燐酸、ピロ燐酸、縮合ポリ燐酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、三弗化ホウ素及びその各種錯体、塩化アルミニウム、活性白土、強酸性イオン交換樹脂等の酸触媒存在下で反応させて得られるものである。酸触媒の作用で芳香族オレフィンがカチオン重合反応して芳香族オレフィンオリゴマーを生成する。触媒種や反応温度を適宜選定することで芳香族オレフィンオリゴマーは平均分子量が200〜400の常温液状樹脂から、平均分子量が500〜1500で軟化点が60〜150℃の常温固形樹脂まで、種々の平均分子量のものを得ることができる。好ましい数平均分子量は200〜1500の範囲である。
反応は通常、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒を用いた溶液重合で行われる。反応は、50〜150℃で行われ、高温となるほど芳香族オレフィンの反応率は高まるが、反対に生成オリゴマーの平均分子量は低下する。反応終了後、酸触媒は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで中和され、中和生成物と残存アルカリはろ過や水洗によって系外に除去される。その後、溶媒を蒸留留去して芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)を得る。
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)は、接着剤の総量に対して1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%配合するのがよい。配合率がこの範囲より少ないと耐熱剥離接着力の向上やガラス転移温度の向上といった前記の効果が乏しくなる。反対に、配合率がこの範囲より多い場合には前記効果が減少する。
エポキシ樹脂(B)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができ、適宜選択して用いることができる。
臭素化フェノキシ樹脂(C)は、臭素化ビスフェノール類とエピクロルヒドリンをモル比約1で重縮合することにより得られる平均分子量が40,000〜100,000程度の熱可塑性ポリマーである。臭素化フェノキシ樹脂(C)を接着剤中に配合することで、接着剤に対して臭素による難燃性を付与しつつ、熱プレス接着時の流動性を抑制制御することや接着剤硬化物に可撓性を付与することが可能となる。分子構造は、一般的な臭素化ビスフェノールA型のものから、高可撓性を付与するための臭素化ビスフェノールA−ビスフェノールF共重合型及び耐熱性を付与するための臭素化ビスフェノールA−ビスフェノールS共重合型等の種々の樹脂があり、目的に応じて適宜選択することができる。その配合量も目的に応じて適宜選択されるが、一般にはエポキシ樹脂(B)100重量部に対して、20〜150重量部配合されることがよい。
硬化剤(D)としては、エポキシ樹脂硬化剤として知られているものが使用できる。ノボラック型フェノール樹脂、フェノール−パラキシリレングリコールジメチルエーテル重縮合樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルフォン等のポリアミン系化合物を挙げることができ、エポキシ樹脂(B)に対し当量比(D)/(B)が0.5〜1.5となるように配合することが好ましい。一般に、フェノール樹脂系硬化剤を用いる場合は、0.8〜1.2、アミン系硬化剤を用いる場合は、0.5〜1.0とすることがよい。
硬化促進剤(E)としては、トリフェニルホスフィン等の有機燐系化合物や2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−イミダゾール等のイミダゾール類を用いることができる。その配合率は、求められる硬化時間に応じて適宜選定されるが、一般的には、接着剤総量に対して、0.01〜0.3重量%の範囲で用いられる。
本発明の接着剤は、上記必須成分以外の成分として、耐熱性付与剤としてのマレイミド化合物、補強剤若しくは増量剤としてのシリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料を配合することができる。その添加率は、求められる特性に応じて適宜選定される。
上記のようにして得られる接着剤は、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、2−メトキシエタノール等の有機溶剤に溶解又は分散した接着剤ワニスとして使用に供される。その場合の固形分濃度は、使用条件によって適宜選定されるが、20〜60重量%であることがよい。なお、接着剤の用途によっては、ワニス以外の形態でも使用される。
また、本発明の接着剤を用いたFPC用カバーレイは、接着剤ワニスをポリマーフィルム上に塗工後、溶剤を乾燥除去して、ポリマーフィルム上にBステージの接着剤層を形成させることによって得ることができる。この場合の塗工には、膜厚を均一化する必要から、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター等のアプリケーターが一般的に用いられる。
ポリマーフィルムには、ポリイミドフィルムが一般的に使用される。ポリマーフィルムと接着剤層の厚みの比は、限定されないが、フィルム厚12.5μmに接着剤層15〜20μm、フィルム厚25μmに接着剤層25〜35μm、各々設けたカバーレイが一般的である。
塗工後は、溶剤を蒸発させてタックフリー化し、かつ接着剤層を構成する樹脂組成物は硬化反応しない温度、時間条件で乾燥して、FPC用カバーレイとする。この乾燥条件は、使用する溶剤や樹脂組成物によって変化するが、一般的には130〜160℃、3〜10分の温度、時間範囲が選定される。
本発明の接着剤は、優れた耐熱剥離接着力と高いガラス転移温度を有するため、それを用いたカバーレイも高い吸湿はんだ耐熱性と優れた電気絶縁性を有する。そのため、低L/SのFPCの製造が可能となり、IT機器の高機能化に伴う高密度実装化に貢献できる。また、優れた耐熱性ゆえに、高融点の鉛フリーハンダの使用も可能となり、環境問題対応の面でも貢献できる。更に、硬化反応速度が速いために接着剤の硬化温度や硬化時間の低減、短縮が可能となる。このため、FPCや他プリント配線板を製造する際の製造コスト低減にも貢献できる。また、本発明の接着剤は、FPC用カバーレイ以外にも、プリプレグ用樹脂、フィルム状接着剤及び接着剤付き銅箔用接着剤等の多層配線板製造用材料に用いることもでき、これらの多層配線板製造用材料を用いることで、耐熱剥離接着力、吸湿ハンダ耐熱性や電気絶縁性に優れた多層プリント配線板を製造することも可能である。
次に、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
合成例1〜3は芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の合成例を示す。
接着剤の各特性の評価方法は、以下の通りである。
合成例1〜3は芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の合成例を示す。
接着剤の各特性の評価方法は、以下の通りである。
[相溶性]:未硬化の接着剤ワニスを50mlの透明ガラス瓶に30g採り、透明性を目視観察し、○(良)、×(不良)で相溶性を判定した。
[耐熱剥離接着力]:JIS K 6854に従った。測定雰囲気温度は100℃とした。被着体には、たて×よこ×厚さ=150×25×0.25mm、材質がJIS H 3100の銅板を用いた。測定装置には、(株)島津製作所製オートグラフAGS−500を用い、クロスヘッドスピードは、50mm/分とした。接着剤層の厚さは、100μmとした。
[引張り強度・伸び率・弾性率]:JIS K 7113に従った。試験片には、170℃−1時間の条件で硬化調製した、厚さ0.7mmの接着剤硬化物シートをJIS K 6251 1号のダンベル形状に打ち抜いたものを用いた。測定装置には、島津製作所社製オートグラフAGS−500を用い、クロスヘッドスピードは1mm/分、測定温度は室温23℃とした。
[ガラス転移温度]:動的粘弾性(DMA)における温度分散tanδを測定し、tanδ曲線のピーク温度をガラス転移温度として測定した。DMA装置には、セイコーインスツルメント社製DMS6100を用い、周波数10Hz、昇温速度2℃/分の条件下で測定を行った。
[難燃性]:170℃−1時間の条件で硬化させた硬化物を試験片とし、UL規格94に従った試験を行い、V−0を満たすかどうかを評価した。
[耐熱剥離接着力]:JIS K 6854に従った。測定雰囲気温度は100℃とした。被着体には、たて×よこ×厚さ=150×25×0.25mm、材質がJIS H 3100の銅板を用いた。測定装置には、(株)島津製作所製オートグラフAGS−500を用い、クロスヘッドスピードは、50mm/分とした。接着剤層の厚さは、100μmとした。
[引張り強度・伸び率・弾性率]:JIS K 7113に従った。試験片には、170℃−1時間の条件で硬化調製した、厚さ0.7mmの接着剤硬化物シートをJIS K 6251 1号のダンベル形状に打ち抜いたものを用いた。測定装置には、島津製作所社製オートグラフAGS−500を用い、クロスヘッドスピードは1mm/分、測定温度は室温23℃とした。
[ガラス転移温度]:動的粘弾性(DMA)における温度分散tanδを測定し、tanδ曲線のピーク温度をガラス転移温度として測定した。DMA装置には、セイコーインスツルメント社製DMS6100を用い、周波数10Hz、昇温速度2℃/分の条件下で測定を行った。
[難燃性]:170℃−1時間の条件で硬化させた硬化物を試験片とし、UL規格94に従った試験を行い、V−0を満たすかどうかを評価した。
カバーレイの調製法及び特性評価法は、以下の通りである。
接着剤ワニスを厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンH)にバーコーターを用いて乾燥膜厚が25μmになるように塗工後、熱風オーブン中、150℃で5分間の溶剤乾燥を行ってカバーレイを調製した。
接着剤ワニスを厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンH)にバーコーターを用いて乾燥膜厚が25μmになるように塗工後、熱風オーブン中、150℃で5分間の溶剤乾燥を行ってカバーレイを調製した。
[吸湿半田耐熱性]:L/S=50μm/50μmのFPC基板上に前記カバーレイを170℃‐1時間真空プレスして試験片を調製した。試験方法は、JIS C 5016に従った。目視観察で膨れ、剥がれのなかったものを○(良)、あったものを×(不良)とした。
[銅箔との密着性]:回路加工をしていないFR4基板の銅箔シャイニー面上に前記カバーレイを170℃−1時間真空プレス後、JIS C 5016に従って密着力を測定した。測定温度は、室温23℃とした。
[電気絶縁性]:吸湿半田耐熱性の評価と同じ方法で作製した試験片を用い、65℃−90RH%の温湿度条件下で50V、1000時間通電を行った回路パターンのデンドライト発生状況を目視観察、○(良)、×(不良)を判定した。
[銅箔との密着性]:回路加工をしていないFR4基板の銅箔シャイニー面上に前記カバーレイを170℃−1時間真空プレス後、JIS C 5016に従って密着力を測定した。測定温度は、室温23℃とした。
[電気絶縁性]:吸湿半田耐熱性の評価と同じ方法で作製した試験片を用い、65℃−90RH%の温湿度条件下で50V、1000時間通電を行った回路パターンのデンドライト発生状況を目視観察、○(良)、×(不良)を判定した。
合成例1
攪拌機、還流コンデンサー、及び温度計を取り付けた200mlの4つ口フラスコに、酸触媒の縮合ポリ燐酸(日本化学工業社製)を1.50g、溶媒のキシレンを75g各々仕込み、モーター攪拌しながら、115℃まで昇温した。次に、インデンモノマー75gを反応温度115±2℃に保ちながら少しずつ滴下した。滴下終了後、115±2℃で更に1時間反応を行った。次に、水酸化カルシウム4gを添加し、縮合ポリ燐酸との中和反応を115±2℃で15分間行い、反応を停止させた。その後、フラスコの内容物を濾過して、縮合ポリ燐酸と水酸化カルシウムの中和生成物及び余剰水酸化カルシウムの混合物を濾過ケーキとして分離し、インデンオリゴマーのキシレン溶液を得た。次に、ロータリーエバポレーターを用いて前記溶液を真空下、220℃まで加熱してキシレン及び未反応インデンモノマーを留去して、インデンオリゴマーを蒸留残物で得た。インデンオリゴマーの重量をインデンモノマーの総仕込み重量で除した値を転化率として算出したところ95%であった。これにより、インデンオリゴマーが高収率で得られたことを確認した。このようにして得たインデンオリゴマーは、常温で赤褐色の半固形樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体66.1%、3量体28.7%、4量体4.5%、5量体以上0.7%であった。
攪拌機、還流コンデンサー、及び温度計を取り付けた200mlの4つ口フラスコに、酸触媒の縮合ポリ燐酸(日本化学工業社製)を1.50g、溶媒のキシレンを75g各々仕込み、モーター攪拌しながら、115℃まで昇温した。次に、インデンモノマー75gを反応温度115±2℃に保ちながら少しずつ滴下した。滴下終了後、115±2℃で更に1時間反応を行った。次に、水酸化カルシウム4gを添加し、縮合ポリ燐酸との中和反応を115±2℃で15分間行い、反応を停止させた。その後、フラスコの内容物を濾過して、縮合ポリ燐酸と水酸化カルシウムの中和生成物及び余剰水酸化カルシウムの混合物を濾過ケーキとして分離し、インデンオリゴマーのキシレン溶液を得た。次に、ロータリーエバポレーターを用いて前記溶液を真空下、220℃まで加熱してキシレン及び未反応インデンモノマーを留去して、インデンオリゴマーを蒸留残物で得た。インデンオリゴマーの重量をインデンモノマーの総仕込み重量で除した値を転化率として算出したところ95%であった。これにより、インデンオリゴマーが高収率で得られたことを確認した。このようにして得たインデンオリゴマーは、常温で赤褐色の半固形樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体66.1%、3量体28.7%、4量体4.5%、5量体以上0.7%であった。
合成例2
合成例1のインデンモノマーをビニルナフタレンモノマーに変えた以外は、合成例1と同様にしてビニルナフタレンオリゴマーを得た。ビニルナフタレンモノマーの転化率は96%であった。得られたビニルナフタレンオリゴマーは、常温で黒褐色の半固形樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体82.8%、3量体16.2%、4量体以上1.0%であった。
合成例1のインデンモノマーをビニルナフタレンモノマーに変えた以外は、合成例1と同様にしてビニルナフタレンオリゴマーを得た。ビニルナフタレンモノマーの転化率は96%であった。得られたビニルナフタレンオリゴマーは、常温で黒褐色の半固形樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体82.8%、3量体16.2%、4量体以上1.0%であった。
合成例3
合成例1のインデンモノマーをスチレンモノマーに変えた以外は、合成例1と同様にしてスチレンオリゴマーを得た。スチレンモノマーの転化率は94%であった。得られたスチレンオリゴマーは、常温で淡黄色透明の液状樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体50.8%、3量体32.1%、4量体11.7%、5量体以上5.4%であった。
合成例1のインデンモノマーをスチレンモノマーに変えた以外は、合成例1と同様にしてスチレンオリゴマーを得た。スチレンモノマーの転化率は94%であった。得られたスチレンオリゴマーは、常温で淡黄色透明の液状樹脂であり、GPCの面積%で測定した分子量分布は、2量体50.8%、3量体32.1%、4量体11.7%、5量体以上5.4%であった。
実施例1
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製エポトートYD−128、エポキシ当量186g/eq)19.0g、芳香族オレフィンオリゴマー改質剤として合成例1のインデンオリゴマー1.00g、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105g/eq)10.8g、硬化促進剤として2-メチル-4-イミダゾール0.2g、可撓性付与剤として臭素化フェノキシ樹脂の40%溶液(東都化成社製フェノトートYPB40PXM40、溶剤組成はキシレン:プロピレングリコールモノメチルエーテル:メキルエチルケトン(重量比)=33.3:13.3:53.4)47.2gを、溶剤(メチルエチルケトン:2-メトキシエタノール(重量比)=50:50)21.8gへ溶解して接着剤ワニスを調製した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製エポトートYD−128、エポキシ当量186g/eq)19.0g、芳香族オレフィンオリゴマー改質剤として合成例1のインデンオリゴマー1.00g、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105g/eq)10.8g、硬化促進剤として2-メチル-4-イミダゾール0.2g、可撓性付与剤として臭素化フェノキシ樹脂の40%溶液(東都化成社製フェノトートYPB40PXM40、溶剤組成はキシレン:プロピレングリコールモノメチルエーテル:メキルエチルケトン(重量比)=33.3:13.3:53.4)47.2gを、溶剤(メチルエチルケトン:2-メトキシエタノール(重量比)=50:50)21.8gへ溶解して接着剤ワニスを調製した。
この接着剤の特性を前述の方法に従って評価し、結果を表1に示した。難燃性を維持しつつ、比較例に比べ耐熱剥離接着力が大きく、ガラス転移温度の高い点が、特に優れていた。比較例に比べてガラス転移温度が高くなったのは、インデンオリゴマーの配合で硬化速度が加速されたためと考えられる。
次に、この接着剤ワニスを用い、前述の方法でカバーレイを調製、前述の方法に従って特性を評価した。結果を表1に示した。比較例に比べ、吸湿半田耐熱性、銅箔との密着性、電気絶縁性が向上していた。
実施例2〜5
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤の種類・配合率を表1記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。結果は表1に示した。難燃性を維持しつつ、比較例に比べて接着剤の耐熱剥離接着力が大きく、ガラス転移温度は高く、カバーレイの吸湿半田耐熱性、銅箔との密着性、電気絶縁性も向上していた。
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤の種類・配合率を表1記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。結果は表1に示した。難燃性を維持しつつ、比較例に比べて接着剤の耐熱剥離接着力が大きく、ガラス転移温度は高く、カバーレイの吸湿半田耐熱性、銅箔との密着性、電気絶縁性も向上していた。
比較例1
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。実施例に比べ、接着剤の耐熱剥離接着力とガラス転移温度は低く、また、カバーレイの吸湿半田耐熱性と絶縁信頼性は不良であった。
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。実施例に比べ、接着剤の耐熱剥離接着力とガラス転移温度は低く、また、カバーレイの吸湿半田耐熱性と絶縁信頼性は不良であった。
比較例2
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤に合成例3で調製したスチレンオリゴマーを用いた以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。実施例に比べ、接着剤の相溶性が不良であり耐熱剥離接着力とガラス転移温度も低く、また、カバーレイの吸湿半田耐熱性と絶縁信頼性は不良であった。
芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤に合成例3で調製したスチレンオリゴマーを用いた以外は、実施例1と同様にして接着剤及びカバーレイを調製し、特性を評価した。実施例に比べ、接着剤の相溶性が不良であり耐熱剥離接着力とガラス転移温度も低く、また、カバーレイの吸湿半田耐熱性と絶縁信頼性は不良であった。
Claims (4)
- 2環の芳香族オレフィンを50モル%以上含む芳香族オレフィンを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)、エポキシ樹脂(B)、臭素化フェノキシ樹脂(C)、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を必須成分として含有する接着剤。
- 芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤(A)の配合率が1〜7重量%である請求項1記載の接着剤。
- 2環の芳香族オレフィンが、インデン及びビニルナフタレンから選ばれる1種以上を主成分とするものである請求項1又は2記載の接着剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤を用いて得られた接着層を有するフレキシブルプリント配線板用カバーレイ。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005247159A Withdrawn JP2007063306A (ja) | 2005-08-29 | 2005-08-29 | 接着剤及びフレキシブルプリント配線板カバーレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007063306A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170047194A (ko) | 2014-08-27 | 2017-05-04 | 도요보 가부시키가이샤 | 저유전 접착제 조성물 |
WO2023103323A1 (zh) * | 2021-12-09 | 2023-06-15 | 武汉市三选科技有限公司 | 一种粘接剂、芯片键合膜及其制备方法 |
-
2005
- 2005-08-29 JP JP2005247159A patent/JP2007063306A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20170047194A (ko) | 2014-08-27 | 2017-05-04 | 도요보 가부시키가이샤 | 저유전 접착제 조성물 |
WO2023103323A1 (zh) * | 2021-12-09 | 2023-06-15 | 武汉市三选科技有限公司 | 一种粘接剂、芯片键合膜及其制备方法 |
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