JP2007063064A - ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】高い密度と高い発光効率を実現したガラス好ましくはシンチレータガラスを提供する。
【解決手段】 酸化物基準のモル%で、Ce成分を0.005〜15%含有し、Ga成分及びGeO成分を含有せず、密度が3.0g/cm以上であることを特徴とするガラスまたはシンチレータガラス。さらに好ましくは、上記の構成に加えて酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したF成分の合計量が、酸化物基準で表わされた成分の合計に対して1〜100モル%である、F成分を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はX線などの放射線励起で効率よく発光するシンチレータガラスに関するものである。
光や熱、放射線などによる励起によって効率よく蛍光を発する物質を蛍光体というが、このうち特にX線、γ線や荷電粒子などの放射線によって蛍光を発することをシンチレーションと言い、シンチレーション光を発する物質をシンチレータと言う。
シンチレータは用途としてX線CTやPET(Positron Emission CT)などの医療診断装置、放射線を用いた非破壊検査装置、高エネルギー物理実験の電磁力カロリーメータなどに用いられている。
このような用途に使われるシンチレータには主に原子番号や密度が大きいこと、発光量が大きいこと、発光波長における透明性が高いこと、蛍光の減衰が早いこと、放射線照射に強いことなどの特性が要求される。
このうち、原子番号や密度は放射線の吸収率に関連しており、検出器の小型化に寄与するばかりでなく、照射位置の分解能を向上させることになり、重要である。
吸収率は、放射線のエネルギーが低いX線CTやPETでは、原子番号の4乗に比例し、極めて大きいエネルギーの場合には原子番号に比例する。いずれにしてもシンチレータには、原子番号が大きく、密度の高いものが必要となる。
それ以外の特性に、製造コストが安価であること、大きいサイズのものが製造できること、各種形状に簡単に作製できることが望まれている。
現在、単結晶、セラミックスおよびガラスなど数多くの無機シンチレータが知られている。
単結晶またはセラミックスに比べて、ガラスは発光効率が低いが、高い透明性を持つと共にファイバなど様々な形状に簡単に作製できるという利点があるので、これまでに精力的に研究されている。
たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3にTbを賦活剤としたシンチレータガラスが開示されている。しかし、これらのシンチレータガラスはいずれもアルカリ土類シリケートをベースにしたもので、密度が低いため、用途がかなり限定されている。
米国特許第3654172号明細書 米国特許第5122671号明細書 米国特許第5391320号明細書
本発明は高い密度と高い発光効率を同時に実現した実用上安定なシンチレータガラスを提供することを目的とする。
本発明者は密度の高いガラスとりわけシンチレータガラスを得ることを目的として、ガラスを構成する成分の組成を特定の範囲とする事により本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の好適な態様は以下の構成のいずれかで表わされる。
(構成1) 酸化物基準のモル%で、Ce成分を0.005〜15%含有し、Ga成分及びGeO成分を含有せず、密度が3.0g/cm以上であることを特徴とするガラス又はシンチレータガラス。
(構成2) 酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したF成分の合計量が、酸化物基準で表わされた成分の合計に対して1〜100モル%であるF成分を含有することを特徴とする構成1に記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成3) Gd成分及び/又はLu成分を含有し、酸化物基準のモル%で、これら成分の少なくとも1種以上の含有量が0.1〜50%であることを特徴とする構成1または2に記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成4) 酸化物基準のモル%で、
SiO+B 30〜70%、
及び/又はAl 0.1〜35%
の各成分を含有することを特徴とする構成1〜3のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成5) 酸化物基準のモル%で、0〜10%のP成分を含有することを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成6) 酸化物基準のモル%で、
+La 0〜30%、
及び/又はRO+RnO 0〜60%、
ただし、R=Mg、Ca、Sr、Ba、Znの中から選ばれる少なくとも1種以上、
Rn=Li、Na、K、Csの中から選ばれる少なくとも1種以上、
及び/又はAs+Sb 0〜5%、
及び/又はM 0〜15%、
ただし、M=Nd、Pr、Sm、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn、Bi、Crの中から選ばれる少なくとも1種以上、
の各成分を含有することを特徴とする構成1〜5のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成7) 減衰時間が1μs以下であることを特徴とする構成1〜6のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成8) 放射線の励起で発光し、シンチレータとして用いられることを特徴とする構成1〜7のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成9) 構成1〜8のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラスを用いた放射線測定装置。
(構成10) 構成1〜8のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラスを用いたCT装置。
(構成11) 構成1〜6のいずれかに記載の組成を有する出発原料を秤量する工程と、還元剤を用いて前記出発原料を溶解する工程と、ガラス溶液を金型に流し込み成形する工程とを有するガラス又はシンチレータガラスの製造方法。
(構成12) 還元剤としてSbを用いることを特徴とする構成11に記載のガラス又はシンチレータガラスの製造方法。
(構成13) 構成1〜6のいずれかに記載の組成を有する出発原料を秤量する工程と、還元雰囲気で前記出発原料を溶解する工程と、ガラス溶液を金型に流し込み成形する工程とを有するガラス又はシンチレータガラスの製造方法。
また、本発明は、成分組成をモル%で表しているため、直接表せるべきものではないが、上記の構成と同様の効果を奏するには、質量%にて概ね以下の範囲となる。
(構成14) 酸化物基準の質量%で、Ce成分を0.005〜20%含有し、Ga成分及びGeO成分を含有せず、密度が3.0g/cm以上であることを特徴とするガラス又はシンチレータガラス。
(構成15) 酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したF成分の合計量が、酸化物基準で表わされた成分の合計に対して0.5〜20質量%であるF成分を含有することを特徴とする構成14に記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成16) Gd成分及び/又はLu成分を含有し、酸化物基準の質量%で、これら成分の少なくとも1種以上の含有量が0.5〜90%であることを特徴とする構成14または15に記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成17) 酸化物基準の質量%で、
SiO+B 3〜60%、
及び/又はAl 0.1〜20%
の各成分を含有することを特徴とする構成14〜16のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成18) 酸化物基準の質量%で、0〜15%のP成分を含有することを特徴とする構成14〜17のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
(構成19) 酸化物基準の質量%で、
+La 0〜50%、
及び/又はRO+RnO 0〜60%、
ただし、R=Mg、Ca、Sr、Ba、Znの中から選ばれる少なくとも1種以上、
Rn=Li、Na、K、Csの中から選ばれる少なくとも1種以上、
及び/又はAs+Sb 0〜5%、
及び/又はM 0〜10%、
ただし、M=Nd、Pr、Sm、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn、Bi、Crの中から選ばれる少なくとも1種以上、
の各成分を含有することを特徴とする構成14〜18のいずれかに記載のガラス又はシンチレータガラス。
本発明によれば密度が3.0g/cm以上であり、X線の照射によって励起され、高い効率でシンチレーションする実用上安定なシンチレータガラスを提供することができる。さらに、より好ましい本発明の態様によれば、3.5g/cm以上の密度のガラスまたはシンチレータガラスを提供することができる。
また、本発明のガラスは1μs以下の減衰時間を実現することが出来る。なお、本明細書において減衰時間とは最強の発光ピーク波長をモニタし、その発光強度が励起を止めてから1/e(36.8%)になるまでの時間をいう。
本発明のガラスの組成を上記のように限定した理由について以下に述べる。以下、各成分の含有量の説明については、特に明記しない限りは酸化物基準のモル%で表わすものとする。
SiO成分及び/又はB成分はガラス形成酸化物で、安定なガラスを得るのに有用な成分である。より安定なガラスを得るためにはこれら成分の少なくとも1種以上の含有量の下限を30%とすることが好ましく、35%とすることがより好ましく、40%とすることが最も好ましい。また、ガラスが所望の高密度に達するためにはこれら成分の少なくとも1種以上の含有量の上限を70%とすることが好ましく、65%とすることがより好ましく、60%とすることが最も好ましい。前記効果を得る為にはこれら二つの成分は両方とも含有する事がより好ましい。ただし、この二つの成分の内、Bがガラスの溶融性と安定性の向上に効果があるが、発光強度を低下させるマイナスの働きもするので、できるだけ少なく含有するのが好ましい。具体的にモル%で表わされるSiO/Bの比が0.2以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、1.0以上であることが最も好ましい。
Gd成分やLu成分はガラスの密度の増大に大きく寄与するのみでなく、発光の増大にも効果が大きいので、本発明の目的達成に大きく寄与する成分である。従って少なくともどちらかの成分は含有することが好ましい。これら成分の合計の含有量の下限が0.1%未満であると、上記の効果が充分となり難い。従ってこれら成分の少なくとも1種以上の含有量の下限は0.1%が好ましく、1%がより好ましく、3%が最も好ましい。また、これら成分の合計量が50%を超えるとガラスの安定性が大きく低下し易い傾向となるため、これら成分の少なくとも1種以上の含有量の上限は50%が好ましく、45%がより好ましく、40%が最も好ましい。
Luはガラスの密度を向上させる効果がより高いので、添加することがより好ましいが、原料が高価である為、多量に含有させることはコストの面で問題がある。したがって、GdとLuの両成分を含有させることが最も好ましい。GdとLuの両成分を含有させる場合、モル%によるLu/(Gd+Lu)の値を0.005以上とすることが好ましい。
La成分またはY成分はガラスの安定の向上とガラスの密度の向上に効果がある、任意に添加し得る成分である。ただし、ガラスの良好な安定性を保つためにこれら成分の含有量の合計の上限を30%とすることが好ましく、20%とすることがより好ましく、4%未満とすることが最も好ましい。
Al成分はガラスの溶融性と安定性の向上に効果があると同時に、発光特性の向上にも効果が大きいので、本発明の目的達成に大きく寄与する成分である。その量が少なすぎると効果を認め難く、多すぎるとガラスの溶融性と安定性が低下すると共に発光特性も低下する傾向となり易い。含有量の下限は0.1%が好ましく、0.5%がより好ましく、1%が最も好ましく、含有量の上限は35%が好ましく、30%がより好ましく、25%が最も好ましい。
Alの原料としてはAl(OH)の形で導入してもよいが、特にAlFの形で導入するのはより効果的である。
RO成分又はRnO(R=Zn、Ba、Sr、Ca、Mg、 Rn=K、Na、Li、Cs)成分はガラスの溶融性と安定性の向上に効果があるので、任意に添加し得る成分である。ただし、これらの成分の含有量の合計が60%を超えるとガラス安定性が悪くなるため、含有量の上限は60%が好ましく、55%がより好ましく、40%が最も好ましい。また上述の効果をより効果的に得る為にはこれらの成分の含有量の下限は1%がより好ましく、5%が最も好ましい。これら成分の内、BaO成分がガラスの安定性と密度の向上に最も効果的であり、特に重要で含有するのが好ましい。
成分は任意に添加し得る成分であり、ガラスの安定性を向上させる効果を有する。特に後述の発光イオンであるCe3+をこの状態に維持するのに有利である。それらの効果を充分に得るためには含有量の下限を0.1%とすることがより好ましく、1%とすることが最も好ましい。含有量の好ましい上限は10%であり、その値を超えると、ガラスの安定性がかえって悪くなる。より好ましい上限は8%であり、最も好ましい上限は6%である。
F成分はガラスの融点を下げ、ガラスの溶融性と安定性の向上に効果があり、後述の発光イオンであるCe3+をこの状態に維持するための還元剤としての効果を容易に発揮する有用な成分である。更にフッ素イオンは発光イオンと結合するので、発光特性の向上に寄与する効果もある。また、Ce3+イオンを含有する場合は、Ce3+イオンの発光ピークを短波長にシフトさせる効果もある。上記効果を得る為のF成分の含有量は、酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したFの合計量の下限が、酸化物基準で表わされた成分の合計に対して、1モル%であることが好ましく、5モル%であることがより好ましく、10モル%であることが最も好ましい。同様にFの合計量の上限は100モル%であることが好ましく、95モル%であることがより好ましく、90モル%であることが最も好ましい。
なお、本明細書中において「酸化物基準で表わす」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定して、当該生成酸化物のモル%によってガラス中に含有される各成分を表記する方法であり、「上記酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したFの合計量」とは、本発明のガラス組成物中に金属フッ化物等の形態で存在しうるFの含有量を、前記酸化基準によって表わされた組成物のモル数の合計に対して、F原子として計算した場合のモル数によってモル%で表したものである。
同様に、質量%を基準として組成を表わす場合には、「酸化物基準で表わす」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定して、当該生成酸化物の質量%によってガラス中に含有される各成分を表記する方法であり、「上記酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したFの合計量」とは、本発明のガラス組成物中に金属フッ化物等の形態で存在しうるFの含有量を、前記酸化基準によって表わされた組成物の全質量に対して、F原子として計算した場合の質量によって質量%で表したものである。
F成分に関するこれらの表記はいわゆる「外割」と呼ばれる表記である。
Ce3+イオンは発光中心の役割を果たす、本発明のガラスのシンチレーション特性の実現に欠かせないものである。Ce3+イオンはCe、CeOまたはフッ化物の形で導入することが可能である。Ceの形で導入する場合は、十分な発光強度を得るためには含有量の下限を0.005%とすることが好ましく、0.01%とすることがより好ましく、0.05%とすることが最も好ましい。ただし、濃度消光が起こると発光強度が激減してしまうため、含有量の上限は15%とすることが好ましく、12%とすることがより好ましく、8%とすることが最も好ましい。
上述の発光イオンの発光をより強くするために、増感剤としてNd、Pr、Sm、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn、Bi、Crなどの添加が可能である。しかし、最大の添加量はこれら成分の合計で15%以下に抑えるべきであり、その値を超えて添加するとかえって発光が弱くなる。より好ましい添加量は10%以下で、最も好ましい添加量は5mol%以下である。なお、これらのイオンは上記のような酸化物の形以外にフッ化物または塩化物の形でガラスの中に導入してもよい。なお上記の酸化物のカチオンは上記以外の価数をとるものもあるが、本発明においては上記酸化物で換算する。
As成分またはSb成分はガラス溶融の際の清澄剤として、または前述した発光中心となるCe3+がその状態を保つための還元剤としての効果を兼ねる、任意に添加し得る成分である。これらの1種または2種の合計量は5%を超えると発光特性が著しく低下する傾向が現れやすくなる。また、0.005%以下であると効果が不十分と成りやすくなる。上記の効果を得やすくする為には0.005〜5%の範囲が好ましい。より好ましい範囲は0.01〜3%で、最も好ましい範囲は0.01〜2%である。
Sb成分は還元剤としてより効果的であり、As成分は環境上の観点からは好ましくない成分でもある為、As成分を含まず、Sb成分単独で上記の範囲の含有量である事がより好ましい。
本発明のガラスにおいて、可視域で吸収を持つ遷移金属、例えばV、Fe、Co、Niの各成分はガラス中に導入しても良好なシンチレータ特性が得られないので、これら成分を実質的に含有しないことが好ましい。
また、Pb成分は近年有害な化学物質として仕様を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、および製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされるため、含有しないことが好ましい。
また、Ga成分及びGeO成分は多量に含有すると発光特性が低下してしまう。さらに原料が高価であるため、コストの観点からも含有しないことが好ましい。
なお、本明細書において実質的に含有しないとは、本発明によるガラスの各種特性を損なわない範囲内までなら他成分を含有することができることを意味する。そして本発明のガラスの各種特性を損なわない様にするためには不純物として混入される場合を除き、人為的に含有させないことがより好ましい。
本発明の高密度のシンチレータガラスは、以下の方法により製造することができる。すなわち、各出発原料を所定量秤量し、均一に混合した後、白金坩堝や石英坩堝やアルミナ坩堝などに入れて、電気炉で1200〜1550℃で2〜10時間溶解する。その後、ガラス溶液を金型に流し込み、所定の形状に成形し、ガラスを得る。本発明のガラスの場合は、空気中で作製すると発光するイオンCe3+に対して発光しないイオンCe4+の割合が多くなるので、還元剤を用いたり、還元雰囲気で作製するのが望ましい。
以下に本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
出発原料としてSiO、HBO、AlF、Gd、CeOとSbを用いて、酸化物基準でないモル%で35SiO−15B−20AlF−29.7Gd−0.1Ce―0.2Sbという組成になるように秤量し、均一に混合した後、白金坩堝を用いて1370℃で2時間溶解した。その後、ガラス溶液を予め温めた鉄板にキャストし、板状のガラスを作製する。こうして得られたガラスを研磨した後、諸物性の測定に供した。紫外線とX−線とのどちらの励起でも肉眼でCe3+による強い青の発光が観察された。
[比較例1]
出発原料としてSiO、BaCO、MgO、LiCO、KCO、Al(OH)、CeOとAsを用いて、モル%で49.58SiO−24.04BaO−7.81MgO−13.02LiO−3.3KO−1.5Al−0.25Ce−0.5Asという組成のガラスを作製した。X−線励起での発光スペクトルを実施例1と比較して図1に示した。本発明のガラスは発光ピークがより短波長側にあり、更に2.5倍強くシンチレーションした。
[実施例2]
Sbの還元効果を見るために実施例1のSbをAsで置き換えた後の実施例2を作製した。ガラスの吸収スペクトルを確認したところ、実施例2の吸収端は実施例1のガラスに比べて、20nm以上長波長側にシフトし、Ceは主に発光しないCe4+イオンとしてガラスの中で存在していることが判明された。そのため、図2のX−線励起での発光スペクトルに見られるようにSbを含有した実施例1は実施例2より強い発光強度を示した。
[実施例3]
発光へのフッ素の効果を見るために実施例1のAlFをAlで置き換えた後の実施例3を作製した。両ガラスの透過率(図3)を比較すると、明らかにフッ素を含有する方がガラスの吸収短がより短波長側にある。X−線励起での発光は図4に示すようにフッ素を含有するガラスは発光ピークが10nm以上短波長側にあり、更に2倍以上強くシンチレーションした。
[実施例4]
発光へのSiO/B比の影響を調べるためにSiO/Bの比が実施例1より小さい実施例4を作製した。X−線励起での両ガラスの発光スペクトルを図5に示す。明らかにSiO/Bの比が高い方(実施例1)は発光がより強い。また、その比が高いガラスでは、発光ピークがより短波長側にあることがわかる。
[実施例5〜12]
また、実施例1と同様な方法で実施例5〜12を作製した。
表1〜2に実施例1〜12と比較例1の酸化物基準でないモル%で表わしたガラス組成、密度とX−線励起での発光量を示す。また表3〜4には実施例1〜12と比較例1について酸化物基準で表わした組成、密度とX−線励起での発光量を示す。尚、本発明のガラスの発光量は比較例1の発光量を100とする時の相対値として表した。表1によれば本発明のガラスはより高い密度、より高い発光量を有することがわかる。
Figure 2007063064





Figure 2007063064

















Figure 2007063064

















Figure 2007063064
本発明に係るガラスまたはシンチレータガラスは、密度が高く、紫外域から近赤外域にわたり高い光透明を有し、X線などの放射線の励起でシンチレーションするため、X線をはじめ放射線、紫外線などを利用したデバイス、例えば放射線測定装置、各種CT装置等に応用できる。また、密度が高く、X線などの放射線の吸収率が高く、放射線の遮蔽材として好適である。
X−線で励起する時の実施例1と比較例1の発光スペクトルである。横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)である。 X−線で励起する時の実施例1と実施例2の発光スペクトルである。横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)である。 実施例1と実施例3の透過率である。横軸は波長(nm)、縦軸は透過率である。 X−線で励起する時の実施例1と実施例3の発光スペクトルである。横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)である。 X−線で励起する時の実施例1と実施例4の発光スペクトルである。横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)である。

Claims (13)

  1. 酸化物基準のモル%で、Ce成分を0.005〜15%含有し、Ga成分及びGeO成分を含有せず、密度が3.0g/cm以上であることを特徴とするガラス。
  2. 酸化物の一部又は全部をフッ化物置換したF成分の合計量が、酸化物基準で表わされた成分の合計に対して1〜100モル%である、F成分を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス。
  3. Gd成分及び/又はLu成分を含有し、酸化物基準のモル%で、これら成分の少なくとも1種以上の含有量が0.1〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス。
  4. 酸化物基準のモル%で、
    SiO+B 30〜70%、
    及び/又はAl 0.1〜35%
    の各成分を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス。
  5. 酸化物基準のモル%で、0〜10%のP成分を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス。
  6. 酸化物基準のモル%で、
    +La 0〜30%、
    及び/又はRO+RnO 0〜60%、
    ただし、R=Mg、Ca、Sr、Ba、Znの中から選ばれる少なくとも1種以上、
    Rn=Li、Na、K、Csの中から選ばれる少なくとも1種以上、
    及び/又はAs+Sb 0〜5%、
    及び/又はM 0〜15%、
    ただし、M=Nd、Pr、Sm、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn、Bi、Crの中から選ばれる少なくとも1種以上、
    の各成分を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス。
  7. 減衰時間が1μs以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラス。
  8. 放射線の励起で発光し、シンチレータとして用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラス。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のガラスを用いた放射線測定装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のガラスを用いたCT装置。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成を有する出発原料を秤量する工程と、還元剤を用いて前記出発原料を溶解する工程と、ガラス溶液を金型に流し込み成形する工程とを有するガラスの製造方法。
  12. 還元剤としてSbを用いることを特徴とする請求項11に記載のガラスの製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成を有する出発原料を秤量する工程と、還元雰囲気で前記出発原料を溶解する工程と、ガラス溶液を金型に流し込み成形する工程とを有するガラスの製造方法。











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