JP2007062244A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長尺ヘッドにおいて多数の圧電素子を高密度配置するときに、ダイシングソーによる分割加工を行なうと、圧電素子の倒れ、欠けなどが生じやすくなって、歩留まりが低下し、コストが高くなる。
【解決手段】 液体の液滴を吐出する複数のノズル1を形成したノズル板2と、各ノズル2への連通孔3を形成した多孔質部材からなる天板4と、この天板4の連通孔3を介して各ノズル1が連通する圧力室5及び各圧力室5に共通に記録液を供給するための共通液室6を形成した圧力室基板7と、各圧力室5の一部の壁面を形成する振動板8と、この振動板8の外面(圧力室5と反対の面)に各圧力室5に対応して設けられたブラスト加工で分割形成した複数の圧電素子9を備え、振動板8と複数の圧電素子9によって圧電アクチュエータ10を構成している。
【選択図】 図2
Description
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、加圧室、液室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを加圧する駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液体吐出ヘッド(又は液滴吐出ヘッド)としてのインクジェットヘッドを搭載したものである。なお、液体吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出するもの、DNAの試料を液滴として吐出するもの、染色料を液滴として吐出するものなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
インクジェットヘッドとしては、特許文献1、2に記載されているように、圧力室内のインクを加圧するエネルギーを発生する駆動手段として圧電素子を用いるものが知られている。
特許第3330757号公報
特開平6−238895号公報
このように圧電素子を駆動手段に用いる液体吐出ヘッドにおいては、各圧力室に対応する圧電素子を形成するために、特許文献1に記載されているようにダイシングソーなどを用いて個々の圧電素子に分割することが行なわれている。
ところで、液体吐出ヘッドを用いる画像形成装置としては、これまでの主流である液体吐出ヘッドをキャリッジに搭載して主走査方向に移動走査させながら被記録媒体を副走査方向に送って画像を形成するシリアル型画像形成装置と、被記録媒体の全幅にわたってノズルを配置したライン型液体吐出ヘッドを搭載し被記録媒体をノズル配置方向と直交する方向に送って画像を形成するライン型画像形成装置とがある。
このようなライン型画像形成装置で用いる記録ヘッドとしては、1つの液体吐出ヘッドでフルライン型ヘッドを構成することも、あるいは、複数の液体吐出ヘッドを並べて配置して構成することもあるが、いずれにしても、1つの液体吐出ヘッドに形成しなければならないノズル数、つまりは、圧電素子の数も増加し、しかも、高画質化、小型化のためにノズル密度が高くなって圧電素子の配置密度も高くなる。また、ライン型ヘッドに限らず、シリアル型画像形成装置で使用する液体吐出ヘッドであっても、副走査方向の長さを長くすることで1スキャンで印字できる範囲を広くして高速化を達成することができるので、同様に、多数の圧電素子を高密度で配置できることが要請される。
ところが、このような長尺ヘッドにおいて多数の圧電素子を高密度配置する場合、上述したようなダイシングソーによる分割加工を行なうと、圧電素子の倒れ、欠けなどが生じやすくなって、歩留まりが低下し、コストが高くなるという課題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、歩留まり良く多数の圧電素子を高密度配置できる液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体の液滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルへの連通孔を形成した天板と、この天板の連通孔を介して各ノズルが連通する圧力室と、各圧力室の一部の壁面を形成する振動板と、この振動板の外面に圧力室に対応して設けられた複数の圧電素子とを備え、天板の少なくと圧力室側の部分は多孔質部材から形成され、複数の圧電素子はブラスト加工で各圧力室に対応して分割形成されたものである構成とした。
ここで、天板を構成する多孔質部材の細孔径が5μm以下であり、厚さが0.5mm以下であることが好ましい。
また、天板は多孔質部材と金属部材とが接合されていることが好ましい。この場合、多孔質部材は連通孔の周囲の気孔率が略0であることが好ましい。また、金属部材には多孔質部材との接合面側に液体が流入する液体流入溝を有していることが好ましく、液体流入溝はダミーのノズルに連通していることが好ましい。
また、複数の圧力室に対して液体を供給する共通液室に対向する多孔質部材の領域は他の領域よりも相対的に流体抵抗が低い流体抵抗低下領域があることが好ましく、流体抵抗低下領域には1又は複数の貫通孔が設けられていることが、あるいは、流体抵抗低下領域では多孔質部材の厚さが他の領域よりも相対的に薄いことが、あるいは、流体抵抗低下領域では多孔質部材の気孔率が他の領域よりも相対的に大きいことが好ましい。
また、多孔質部材はセラミックスであることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、前記天板の一部又は全部は多孔質部材から形成され、前記複数の圧電素子はブラスト加工で各圧力室に対応して分割形成されたものである構成としたので、歩留まり良く、多数の圧電素子を高密度で配置することができ、低コスト化を図れる。これにより、本発明に係る画像形成装置も低コスト化を図れる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図2は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図3は同液体吐出ヘッドを圧電素子側から見た斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、液体の液滴を吐出する複数のノズル1を形成したノズル板2と、各ノズル2への連通孔3を形成した多孔質部材からなる天板4と、この天板4の連通孔3を介して各ノズル1が連通する圧力室5及び各圧力室5に共通に記録液を供給するための共通液室6を形成した圧力室基板7と、各圧力室5の一部の壁面を形成する振動板8と、この振動板8の外面(圧力室5と反対の面)に各圧力室5に対応して設けられた複数の圧電素子9を備え、振動板8と複数の圧電素子9によって圧電アクチュエータ10を構成している。
この液体吐出ヘッドは、液体の液滴を吐出する複数のノズル1を形成したノズル板2と、各ノズル2への連通孔3を形成した多孔質部材からなる天板4と、この天板4の連通孔3を介して各ノズル1が連通する圧力室5及び各圧力室5に共通に記録液を供給するための共通液室6を形成した圧力室基板7と、各圧力室5の一部の壁面を形成する振動板8と、この振動板8の外面(圧力室5と反対の面)に各圧力室5に対応して設けられた複数の圧電素子9を備え、振動板8と複数の圧電素子9によって圧電アクチュエータ10を構成している。
ここで、ノズル板2はポリイミドなどの樹脂部材で形成し、ノズル1はエキシマレーザー加工で穿孔している。
また、天板4は、細孔14aを有するセラミックスなどの多孔質部材14で形成している(この実施形態では天板4=多孔質部材14である。)。多孔質部材14としてセラミックスを用いることで、成形加工で連通孔3を加工することができ、長尺の加工も可能で、低コスト化を図れる。この天板4を形成する多孔質部材14は、厚さ0.5mm、好ましくは0.25mm程度の厚さのものを用いている。また、多孔質部材14の細孔14aの径(細孔径)は0.5μm以下であることが好ましい。
圧力室基板7は、SUS板等の金属部材で形成している。圧電アクチュエータ10を構成する振動板8はSUS板などの薄い金属板を用いている。
また、複数の圧電素子9は、上部電極11と下部電極12(振動板8側)を有する単層(又は積層でもよい。)の圧電素子部材を振動板(金属板)8に接合し、この圧電素子部材に対してブラスト加工でY方向に所定のピッチでスリット13を形成することにより、個々の圧電素子に分割することで形成したものである。
ここで、ブラスト加工による圧電素子9の形成工程について図4及び図5をも参照して説明する。なお、図4はブラスト加工の説明に供する斜視説明図、図5は同ブラスト加工の説明に供するフロー図である。
先ず、図4に示すように、振動板8となる金属板に対して上部電極11と下部電極12で圧電材料をサンドイッチにしたバルク型圧電素子部材19を接着剤などで接合した後、ドライフィルム21を圧電素子部材19の表面に貼り付け、次に、形成するスリット13に対応したフォトマスクを用いて、ドライフィルム21を露光し、次いで現像することにより、ドライフィルム21にスリット13に対応した開口部22を形成する。
その後、乾燥して、ブラスト加工ヘッド23によってブラスト加工を行なうことで、開口部22にて開口した部分を除去してスリット13を形成し、個々の圧電素子9に分割する。ブラスト加工は、ヘッド23から圧縮空気とともに酸化アルミナなどの微小な球24をバルク型圧電素子部材19に対して吹き付けることにより、高速で微小な球が、バルク型圧電素子部材19に衝突し、これにより、ドライフィルム21によって覆われていない開口部22に対応する部分を削ることで、スリット13を形成する。最後にドライフィルム21を剥離、洗浄して圧電アクチュエータ10を完成する。
このように、この液体吐出ヘッドにおいては、圧電アクチュエータのスリット加工をブラスト加工で行なっているので、歩留まりを向上し、低コスト化を図れる。つまり、ブラスト加工はバッチ加工が可能であって一度に数十の圧電アクチュエータのスリット加工が可能となる。長尺ヘッドの場合、概ね100mm長のヘッドユニットを複数個結合して1つの記録ヘッドを構成する。この場合、スリットのピッチが150dpiとすると、約600個のスリット加工を行う必要がある。従来用いられている、ダイシングソーやブレードを用いたダイシング加工でスリットを形成した場合、ソーやブレードの摩耗等にる加工不良が発生しやすい。これに対して、ブラスト加工では、工具等の摩耗は発生しないので、歩留まりを上げることが可能となる。
次に、天板4を多孔質部材14で形成していることによる作用効果について図6ないし図9をも参照して説明する。
この液体吐出ヘッドでライン型記録ヘッドとして構成し、高粘度のインクを吐出させる。インク粘度は、低粘度(約2CP)から、比較的高粘度(約30CP)に分布している。
この液体吐出ヘッドでライン型記録ヘッドとして構成し、高粘度のインクを吐出させる。インク粘度は、低粘度(約2CP)から、比較的高粘度(約30CP)に分布している。
本発明に係る液体吐出ヘッドの噴射特性は、天板4に用いられている多孔質部材14の圧力吸収特性により、大きく影響される。そこで、天板4の圧力吸収率とインク粘度と多孔質部材14の特性(厚さ、細孔の径)の関係について、図6に示すような概念で、測定評価した。なお、図6は図1の断面説明図を模式的に示した斜視説明図である。
ここで、インクは、粘度が1cps〜30cpsのものを用いた。
図6において、圧電アクチュエータ10によって発生した平面波状の圧力波Pi(全圧力波38)は、インク31中を多孔質部材14に向かって進む。多孔質部材14の表面に到達した時、そこで、一部の圧力波Pr1は反射する(反射圧力波33となる)。反射しなかった圧力波は、減衰しながら細孔中のインクを伝わる。さらに、多孔質部材14とノズル板2の境界面で反射する。境界面で反射した圧力波は、細孔14a中のインクを同じく減衰しながら伝搬する。これをPr2とする。
このとき、圧力吸収率αは、各圧力波Pjの持つエネルギーE(Pj)とするとき、
α=(E(Pi)−E(Pr1)−E(P(Pr2))/((E(Pi))
で与えられる。
α=(E(Pi)−E(Pr1)−E(P(Pr2))/((E(Pi))
で与えられる。
各種のインク粘度と細孔径、多孔質部材厚dをパラメートして、吸収率を測定した結果を図7ないし図9に示している。この結果より、多孔質部材14の厚さdとインク粘度に比例して圧力吸収率αが大きくなっていくのが分かる。また、多孔質部材14の細孔径が4.5μm以上の場合、粘度15cps以上のとき、厚さdが0.5以上で圧力吸収率αが飽和してくるのが分かる。
これより、多孔質部材14の厚さdを0.5mm以下、細孔径4.5μm以上に設定した場合、圧電アクチュエータ10によって発生した圧力波32は、多孔質部材14により吸収される割合が減る。これより、圧電アクチュエータ10で発生した全圧力波38を効率的にインクを噴射させるエネルギーに変換することができ、圧力室5の容積を小さくでき、高密度化を図れる。これに対して、従来は、多孔質部材の厚さが約1mm前後であり、圧力吸収率αが大きく、高密度化を図れなかったのに対して、本実施形態によれば高密度化を図ることができるようになる。
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図10及び図11を参照して説明する。なお、図10は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図11は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドでは、天板4は多孔質部材14と金属部材15とを接合して構成し、圧力室5側の部分を多孔質部材14、ノズル板2側の部分を金属部材15としている。なお、多孔質部材14には連通孔3Aを、金属部材15には連通孔3Bを形成して、これらを合わせて天板14の連通孔としている。
この液体吐出ヘッドでは、天板4は多孔質部材14と金属部材15とを接合して構成し、圧力室5側の部分を多孔質部材14、ノズル板2側の部分を金属部材15としている。なお、多孔質部材14には連通孔3Aを、金属部材15には連通孔3Bを形成して、これらを合わせて天板14の連通孔としている。
このように構成したので、図12をも参照して、前記第1実施形態で説明したと同様に圧電アクチュエータ10により発生した圧力波31は、多孔質部材14の表面と多孔質部材14と金属部材15の表面で反射する。前述した第1実施形態では多孔質部材14と樹脂部材であるノズル板2の境界面での反射となるが、この第2実施形態では多孔質部材14と金属部材15の境界面での反射となるため、反射効率が向上する。これより、圧電アクチュエータ10で発生した圧力波31をより効率的にインクを噴射させるエネルギーに変換することができ、圧力室5の容積を更に小さくでき、高密度化を図ることができる。
ここで、多孔質部材14をセラミックスで形成する場合の製造工程について図13を参照して説明する。
セラミックス粉末を調合し、プレスにより所望の形状に成型する。成型されたものを乾燥し、更に焼成して完成する。セラミックからなる多孔質部材14に設ける連通孔3(又は3A)は、成型時、ピンを立てておき焼成後抜き取ることで貫通孔を形成することができるので、この貫通孔を連通孔3(又は3A)として用いる。
セラミックス粉末を調合し、プレスにより所望の形状に成型する。成型されたものを乾燥し、更に焼成して完成する。セラミックからなる多孔質部材14に設ける連通孔3(又は3A)は、成型時、ピンを立てておき焼成後抜き取ることで貫通孔を形成することができるので、この貫通孔を連通孔3(又は3A)として用いる。
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図15は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の連通孔3Aの周囲には、細孔14aがない、つまり、気孔率が略0の稠密なセラミックスからなる領域16を形成している。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の連通孔3Aの周囲には、細孔14aがない、つまり、気孔率が略0の稠密なセラミックスからなる領域16を形成している。
このような多孔質部材14の製造工程の一例について図16を参照して説明すると、先ず、セラミックス粉末を2種類調合する。一つは気孔を有するセラミックス粉末、もう一つは、気孔を持たない稠密なセラミックス粉末を用いる。次いで、プレスにより多孔質部材外形を押出し成型する。次に、連通孔3Aを含む領域16に相当する部分を除去する。そして、除去した部分に稠密なセラミックス粉末を充填する。成型されたものを乾燥し、更に焼成して完成する。このとき、前述したように、連通孔3Aとなる部分には成型時にピンを設けておき、これを除去して貫通孔を形成する。
このように構成したので、圧電アクチュエータ10の振動によって圧力室5にノズル1に向かって振動する圧力波31が発生する。多孔質基板14に設けられた連通孔3Aはテーパー状に形成しているので、連通孔3Aを進むにつれ、断面積が小さくなるため圧力が高くなる。このとき、連通孔3Aの周囲の領域16は、気孔率0の稠密なセラミックスで構成されているため、圧力は周囲に逃げない。したがって、発生した圧力を効率よくインク滴噴射エネルギーに転換できる。
次に、本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図17ないし図19を参照して説明する。なお、図17は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図18は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図、図19は同液体吐出ヘッドの金属部材の平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、天板4を構成する金属部材15の多孔質部材14との接合面側にインク流入溝17を形成している。このインク流入溝17は、共通液室6に対応する溝17aと、この溝17aに各々連通し各圧力室5に対応する溝17bとで構成される。
この液体吐出ヘッドは、天板4を構成する金属部材15の多孔質部材14との接合面側にインク流入溝17を形成している。このインク流入溝17は、共通液室6に対応する溝17aと、この溝17aに各々連通し各圧力室5に対応する溝17bとで構成される。
このように構成したので、多孔質部材14を通過してインク流入溝17に侵入したインクは、図19に矢印で示すインクの流れ40のように流れ、多孔質部材14から圧力室5に流入することになる。
ここで、多孔質部材14中をインクが流れていく場合、多孔質部材14の空孔率をρとするとき、流体抵抗Rは、定数をkとすると、
R=k×1/ρ
で与えられる。
R=k×1/ρ
で与えられる。
つまり、流体抵抗Rは、空孔率ρと反比例の関係にあり、空孔率ρが大きいほど、インクが流れやすいため、流体抵抗Rは小さくなる。そこで、金属部材15にインク流入溝17を形成することによって、金属部材15と多孔質部材14とを含めた全体としての空孔率ρが大きくなり、流体抵抗Rを小さくできて、圧力室5へのインク供給が遅れることが防止されて、噴射特性の向上を図ることができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図20ないし図22を参照して説明する。なお、図20は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図21は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図、図22は同液体吐出ヘッドの金属部材の平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、上記第4実施形態の液体吐出ヘッドのノズル板2に金属部材15のインク流入溝17の両端部(一端部のみ図示)に対応して気泡排出などに用いるダミーノズル41を形成し、金属部材15にはインク流入溝17の両端部とダミーノズル41とを連通する貫通孔42を形成している。
この液体吐出ヘッドは、上記第4実施形態の液体吐出ヘッドのノズル板2に金属部材15のインク流入溝17の両端部(一端部のみ図示)に対応して気泡排出などに用いるダミーノズル41を形成し、金属部材15にはインク流入溝17の両端部とダミーノズル41とを連通する貫通孔42を形成している。
このように構成したので、インク流入溝17の気泡44は、共通液室6に正圧を加えることにより、気泡排出流れ45にように流れて貫通孔42からダミーノズル41より、排出されるので、気泡が残らない。つまり、インク流入溝17に気泡44が残っている場合、流入溝17の流れが妨げられ、圧力室5にスムーズにインクが流れ込まないが、このような事態を防止することができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図23及び図24を参照して説明する。なお、図23は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図24は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域の流体抵抗を他の部分よりも相対的に低く(小さく)した低流体抵抗領域51としている。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域の流体抵抗を他の部分よりも相対的に低く(小さく)した低流体抵抗領域51としている。
このように構成したので、インクは共通液室6から矢印52で示すように低流体抵抗領域51から流れて圧力室5に流れ込む。このように、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域を低流体抵抗領域51とすることによって噴射特性の向上が図れる。
次に、本発明の第6実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図25及び図26を参照して説明する。なお、図25は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図26は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域に共通液室6とインク流入溝17とを連通する貫通穴53を形成することによって、共通液室6に対向する領域を低流体抵抗領域51としたものである。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域に共通液室6とインク流入溝17とを連通する貫通穴53を形成することによって、共通液室6に対向する領域を低流体抵抗領域51としたものである。
このように構成したので、インクは共通液室6から矢印52で示すように貫通穴53を通って圧力室5に流れ込み、貫通穴53には多孔質部材がないので流体抵抗を小さくすることができ、噴射特性の向上が図れる。この場合、貫通穴を多くするほど、全体としての低流体抵抗領域51の流体抵抗は小さくなる。
次に、本発明の第7実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図27及び図28を参照して説明する。なお、図27は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図28は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域の掘り込み54を形成することによって、共通液室6に対向する領域の厚みを他の部分に対して相対的に薄くした薄肉部55としたものであり、この薄肉部55で相対的に流体抵抗に小さくした低流体抵抗領域51としている。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する領域の掘り込み54を形成することによって、共通液室6に対向する領域の厚みを他の部分に対して相対的に薄くした薄肉部55としたものであり、この薄肉部55で相対的に流体抵抗に小さくした低流体抵抗領域51としている。
このように構成したので、インクは共通液室6から矢印52で示すように圧力室5に流れ込み、低流体抵抗領域51の流体抵抗が小さくことによって噴射特性の向上が図れる。
次に、本発明の第8実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図29及び図30を参照して説明する。なお、図29は同液体吐出ヘッドの要部断面説明図、図30は同液体吐出ヘッドの要部分解斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する部分を他の部分よりも気孔率(空孔率)を高くした高空孔率部56としている。この高空孔率部56によって相対的に流体抵抗を小さくした低流体抵抗領域51としている。
この液体吐出ヘッドは、多孔質部材14の共通液室6に対向する部分を他の部分よりも気孔率(空孔率)を高くした高空孔率部56としている。この高空孔率部56によって相対的に流体抵抗を小さくした低流体抵抗領域51としている。
このように構成したので、インクは共通液室6から矢印52で示すように圧力室5に流れ込み、低流体抵抗領域51の流体抵抗が小さくことによって噴射特性の向上が図れる。なお、部分的に気孔率を高めるためは低流体抵抗領域51だけ気孔率の高いセラミックス粉末を用いて成型焼成すればよい。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたライン型画像形成装置の一例について図31を参照して説明する。
この画像形成装置はフルライン型ヘッドを備えたものであり、簡単に説明すると、装置本体401の内部に画像形成部402及び用紙を搬送する搬送機構403等を有し、装置本体401の一方側に多数枚の用紙405を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙405を取り込み、副走査搬送機構403によって用紙405を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の他方側に装着された排紙トレイ406に用紙405を排紙する。
この画像形成装置はフルライン型ヘッドを備えたものであり、簡単に説明すると、装置本体401の内部に画像形成部402及び用紙を搬送する搬送機構403等を有し、装置本体401の一方側に多数枚の用紙405を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙405を取り込み、副走査搬送機構403によって用紙405を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の他方側に装着された排紙トレイ406に用紙405を排紙する。
画像形成部402は、記録液を収容した記録液カートリッジと記録液の液滴を吐出するインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)とを一体とし、用紙の幅方向(搬送方向と直交する方向)の長さ相当分のノズル列を有するライン型ヘッド410y、410m、410c、410kを備えたものである。これらのライン型ヘッド410y、410m、410c、410kは図示しないヘッドホルダに取り付けている。
ライン型ヘッド410y、410m、410c、410kは、用紙搬送方向上流側からそれぞれ例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に各色の液滴を吐出する。なお、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で配置した1つのヘッドを用いることもできるし、ヘッドと記録液カートリッジを別体としたものを用いることもできる。
給紙トレイ404の用紙405は、給紙コロ421によって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、用紙供給ローラ422によって搬送機構403に送り込まれる。
この搬送機構403は、駆動ローラ423と従動ローラ424との間に掛け渡した搬送ベルト425と、この搬送ベルト425を帯電させるための帯電ローラ426と、搬送ベルト425を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)427と、搬送ベルト425に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなる記録液拭き取り部材(ここでは、クリーニングローラ)428と、用紙405を除電するための導電ゴムを主体とした除電ローラ429と、用紙405を搬送ベルト425側へ押える用紙押さえローラ430とを備えている。
また、搬送機構403の下流側には画像が記録された用紙405を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ431を備えている。
このように構成した画像形成装置においても、搬送ベルト425を帯電させて用紙405を送り込むことによって、静電力で用紙405が搬送ベルト425に吸着されて、搬送ベルト425の周回移動によって搬送され、画像形成部402によって画像が形成されて、排紙トレイ406に排紙される。
なお、上記実施形態においては、本発明に係る画像形成装置としてマルチファンクション(MFP)構成やプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、他の画像形成装置やインク以外の記録液を用いる画像形成装置にも同様に適用することができる。また、本発明に係る静電搬送装置は、自動原稿読取装置の搬送機構やブック原稿の頁送り機構などにも適用することができる。
1…ノズル
2…ノズル板
3、3A、3B…連通孔
4…天板
5…圧力室
6…共通液室
7…圧力室基板
8…振動板
9…圧電素子
10…圧電アクチュエータ
11…上部電極
12…下部電極
13…スリット
14…多孔質部材
15…金属部材
16…気孔率が略0の領域
17…インク流入溝
19…バルク型圧電素子部材
51…低流体抵抗領域
2…ノズル板
3、3A、3B…連通孔
4…天板
5…圧力室
6…共通液室
7…圧力室基板
8…振動板
9…圧電素子
10…圧電アクチュエータ
11…上部電極
12…下部電極
13…スリット
14…多孔質部材
15…金属部材
16…気孔率が略0の領域
17…インク流入溝
19…バルク型圧電素子部材
51…低流体抵抗領域
Claims (12)
- 液体の液滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルへの連通孔を形成した天板と、この天板の連通孔を介して前記各ノズルが連通する圧力室と、各圧力室の一部の壁面を形成する振動板と、この振動板の外面に前記圧力室に対応して設けられた複数の圧電素子とを備えた液体吐出ヘッドにおいて、前記天板の少なくとも前記圧力室に接する部分は多孔質部材から形成され、前記複数の圧電素子はブラスト加工で各圧力室に対応して分割形成されたものであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記天板を構成する多孔質部材の細孔径が5μm以下であり、厚さが0.5mm以下であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記天板は多孔質部材と金属部材とが接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記多孔質部材は前記連通孔の周囲の気孔率が略0であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記金属部材には前記多孔質部材との接合面側に液体が流入する液体流入溝を有していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項5に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記液体流入溝はダミーのノズルに連通していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項3ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、複数の前記圧力室に対して液体を供給する共通液室に対向する前記多孔質部材の領域は他の領域よりも相対的に流体抵抗が低い流体抵抗低下領域があることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流体抵抗低下領域には1又は複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流体抵抗低下領域では前記多孔質部材の厚さが他の領域よりも相対的に薄いことを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流体抵抗低下領域では前記多孔質部材の気孔率が他の領域よりも相対的に大きいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記多孔質部材はセラミックスであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項12.
液体の液滴を吐出して被記録媒体に画像を形成する液体吐出ヘッドを備える画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが前記請求項1ないし11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005253036A JP2007062244A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005253036A JP2007062244A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007062244A true JP2007062244A (ja) | 2007-03-15 |
Family
ID=37925006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005253036A Pending JP2007062244A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007062244A (ja) |
-
2005
- 2005-09-01 JP JP2005253036A patent/JP2007062244A/ja active Pending
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