JP2007061904A - 素管のきず検出装置及び方法 - Google Patents

素管のきず検出装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マンドレルミルを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生するきずを自動的に検出するためのきず検出装置及び検出方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るきず検出装置100は、マンドレルミルの出側に配置され、マンドレルミルの各スタンド(#1〜#5スタンド)におけるホローシェルPの圧下方向の肉厚をそれぞれ測定する肉厚計1と、各スタンドにおける圧延荷重を測定する圧延荷重測定装置2と、管の各圧下方向の肉厚測定値と、各スタンドでの圧延荷重測定値とに基づいて、素管におけるきずの有無を判定する判定装置3とを備える。判定装置は、何れかの圧下方向の肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動するとともに、何れかのスタンドにおける圧延荷重測定値が部分的に所定量以上変動する場合、素管にきずが発生していると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、素管のきず検出装置及び検出方法に関する。具体的には、本発明は、マンドレルミルを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生するきずを、自動的に検出するための素管のきず検出装置及び検出方法に関する。
図5(a)〜図5(d)は、マンドレルミルを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生する各種のきずを示す説明図である。
図5(a)は、素管Pの内面における凹み4である内面凹みきずを示す。図5(b)は、この内面凹みきずが進展して素管Pの外面にまで達する穴5である穴明ききずを示す。さらに、図5(c)及び図5(c)の素管Pの周方向断面図である図5(d)は、素管Pの外面が内側へ向けて折れ込んだ部分6であるしわきずを示す。これらのきずは、いずれも、素管の不良品の大きな発生要因となる。
マンドレルミルでは、これまで、マンドレルミルの近くに配置された運転室に在室するオペレータが圧延後の素管を直接目視することによって、上述した各種のきずの有無を検出してきた。
しかし、近年、製管設備に対する自動化が進展するに伴って、運転室はマンドレルミルから離れた場所に配置されている。このため、オペレータが圧延後の素管の各種きずを直接目視できない場合も生じるようになっている。したがって、マンドレルミルを用いる圧延を行われた素管に各種のきずが発生しても、これを迅速に検出することができず、従来よりも不良品を大量に発生してしまうおそれがある。
例えば特許文献1〜6には、マンドレルミルを用いる圧延により素管の管端部での肉厚の変動や周方向への偏肉を抑制するために、マンドレルミルの出側に配置した肉厚計によりマンドレルミルで圧延された素管の肉厚を測定し、この測定結果に基づいてマンドレルミルの圧延条件を適宜変更する発明が、それぞれ開示される。
特開平7−246414号公報 特開平8−71616号公報 特開2001−293503号公報 特開2002−35817号公報 特開2003−220403号公報 特開2004−337941号公報
しかし、特許文献1〜6に開示されたマンドレルミルの出側で用いられる肉厚計は、管端部での肉厚の変動や周方向の偏肉等といった素管の肉厚を測定するために専ら用いられるのであって、マンドレルミルを用いて圧延された素管に部分的に生じる形状不良である各種のきずを検出するためのものではない。このため、当然のことながら、これらの発明に基づいてもマンドレルミルを用いて圧延された素管に発生するきずを自動的に検出することはできない。
本発明者は、マンドレルミルの出側に各スタンドにおける圧下方向の肉厚をそれぞれ測定する肉厚計を配置して、素管の長手方向への肉厚の測定値の変動を調査した。その結果、(a)素管に内面凹みきずや穴明ききずが生じる場合には、内面凹みきずや穴明ききずが存在する部位に対応する肉厚の測定値が部分的に低下するとともに、素管にしわきずが生じる場合には、しわきずが存在する部位に対応する肉厚の測定値が部分的に上昇すること、及び(b)素管に内面凹みきず、穴明ききずさらにはしわきずが生じる場合には、何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に変動することを知見した。
したがって、圧延中に、肉厚計によって素管の長手方向の肉厚測定値の部分的変動を監視するとともに、圧延荷重の測定値の部分的変動を監視し、これらがいずれも予め定めた所定量を超える場合に、内面凹みきず、穴明ききずまたはしわきず等の各種のきずの発生を判定することによって、マンドレルミルを用いて圧延された素管に発生するきずを高精度で自動的に検出することができる。
本発明は、マンドレルミルの出側に配置されて、このマンドレルミルを構成する複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚を測定するための肉厚計と、複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重を測定するための圧延荷重測定装置と、肉厚計によって測定される、複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの各圧下方向の肉厚の測定値と、圧延荷重測定装置によって測定される、複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重の測定値とに基づき、何れかの圧下方向の肉厚測定値が部分的に所定量以上変動し、さらに何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する場合に、素管におけるきずの発生を判定する判定装置とを備えることを特徴とする素管のきず検出装置である。
また、本発明は、マンドレルミルを構成する複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚をそれぞれ測定するとともに、複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重を測定し、測定された複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動し、かつ、測定された複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する場合に、素管におけるきずの発生を判定することを特徴とする素管のきず検出方法である。
本発明によれば、マンドレルミルを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生する、例えば内面凹みきず、穴明ききずさらにはしわきず等といったきずを、自動的に高精度で検出することができるようになる。
このため、本発明により素管に発生するきずを自動的に検出した場合に警報等を発するようにすることにより、運転室がマンドレルミルから離れた場所に配置される設備であっても、オペレータが直ちに操業を停止してきずの発生原因を特定し、その対策を迅速に行うことができるようになる。このため、不良品が大量に発生することを未然に防止できる。
さらに、本発明によれば、2ロールスタンド式マンドレルミルにおいて、何れかの圧下方向についての肉厚の測定値のみが部分的に変動する場合には、この圧下方向を有する、奇数番目又は偶数番目に設置されたスタンドにおける圧下によりきずが発生することを特定できるとともに、さらに、何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値のみが部分的に変動する場合には、このスタンドにおける圧下によりきずが発生することを特定することもできるので、迅速にきずを解消するための対策を行うこともできる。
本発明に係る素管のきず検出装置及び方法を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本発明に係る素管のきず検出装置を、2ロール式マンドレルミルに適用する場合を例にとる。
図1は、実施の形態のきず検出装置を適用したマンドレルミルMの構成を示す説明図である。
同図に示すように、このマンドレルミルMは、#1スタンド〜#5スタンドの計5スタンドにより構成される。このマンドレルミルMは、#1スタンド〜#5スタンドそれぞれに、対向する一対の孔型圧延ロールRが隣接するスタンド間でその圧下方向を90°ずらして交互に配置された、2ロール式マンドレルミルである。
ホローシェルPの内部に挿入されたマンドレルバーBと#1スタンド〜#5スタンドそれぞれに配置された孔型圧延ロールRにより、ホローシェルPは延伸圧延されて素管が製造される。
本実施の形態に係るきず検出装置100は、このように構成されるマンドレルミルMの出側に配置され、マンドレルミルMの#1〜#5スタンドにおけるホローシェルPの圧下方向の肉厚をそれぞれ測定する肉厚計1と、#1〜#5スタンドにおける圧延荷重を測定する圧延荷重測定装置2と、肉厚計1によって測定されたホローシェルPの各圧下方向の肉厚測定値と、圧延荷重測定装置2によって測定された#1〜#5スタンドでの圧延荷重測定値とに基づいて、素管Pにおけるきずの有無を判定する判定装置3とを備える。
本実施の形態に係る肉厚計1として、素管Pに透過させたγ線の減衰量に基づいて肉厚を測定するγ線肉厚計を用いる。この肉厚計1は、γ線の照射方向が#1スタンド〜#5スタンドにおけるホローシェルPの圧下方向にそれぞれ一致するように配置された複数のγ線投光器11a、12aと、管Pを介して各γ線投光器11a、12aに対向して配置された複数のγ線受光器11b、12bとを備えており、各γ線照射方向についての素管Pの平均肉厚を管Pの長手方向に連続して測定可能に構成される。
図2は、図1における肉厚計1の構成を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、本実施の形態に係る肉厚計1は、奇数番目に設置されたスタンド(奇数スタンド)である#1、#3及び#5スタンドにおけるホローシェルPの圧下方向(1ch)に一致する照射方向のγ線投光器11a及びこれに対向配置されたγ線受光器11bと、偶数番目に設置されたスタンド(偶数スタンド)である#2及び#4スタンドにおけるホローシェルPの圧下方向(2ch)に一致する照射方向のγ線投光器12a及びこれに対向配置されたγ線受光器12bとを備える。1ch及び2chそれぞれの素管Pの平均肉厚を素管Pの長手方向に連続して測定可能に構成される。
本実施の形態では、圧延荷重測定装置2としてロードセルを用いており、各スタンド#1〜#5で加えられた圧延荷重をホローシェルPの長手方向に連続して測定可能に構成される。なお、本発明に係る圧延荷重測定装置は、このロードセルに限られるものではなく、例えば、孔型圧延ロールRの圧下位置を調整する油圧式圧下装置の圧力値に基づいて圧延荷重を演算により求めるようにしてもよい。
判定装置3には、肉厚計1によって測定された素管Pの各圧下方向(1ch及び2ch)の肉厚測定値(平均肉厚)と、圧延荷重測定装置2によって測定された#1〜#5スタンドでの圧延荷重測定値とが入力される。判定装置3は、これら入力データに基づいて、素管Pにおけるきずの発生を判定する。判定装置3は、何れかの圧下方向の肉厚測定値が部分的に所定量以上変動し、かつ、何れかのスタンドにおける圧延荷重測定値が部分的に所定量以上変動する場合に、素管Pにきずが発生していると判定する。
図3は、穴明ききずが発生している素管について、図1における肉厚計1によって測定された肉厚の測定値と、図1における圧延荷重測定装置2によって測定された圧延荷重の測定値との一例を示すグラフであり、図3(a)は図2における圧下方向1chの肉厚の測定値を示し、図3(b)は図2における圧下方向2chの肉厚の測定値を示す。さらに、図3(c)は#2スタンドの圧延荷重の測定値を示す。なお、図3(a)〜図3(c)のグラフの横軸である管先端からの距離(m)とは、圧延後の素管Pの先端からの距離を示し、図3(c)のグラフでは、#2スタンドにホローシェルPが噛み込んでから通過するまでの時間を圧延後の素管Pの長さに換算して算出した。
図3にグラフで示す場合、判定装置3は、はじめに、圧下方向1ch及び圧下方向2chの肉厚測定値をそれぞれ所定のしきい値と比較する。
この際に、きずが発生しない場合にも生じる緩やかな肉厚の変動を除去するために、各圧下方向1ch、2chの肉厚の測定値を素管Pの長手方向についてそれぞれ微分処理し、微分処理した後の各データを所定のしきい値と比較したり、あるいは、きずのない正常な素管Pについての各圧下方向1ch、2chの肉厚の測定値を予め記憶しておき、これと測定した各圧下方向1ch、2chの肉厚の測定値との差を所定のしきい値と比較するようにしてもよい。
そして、図3(b)のグラフに示す圧下方向2chの肉厚の測定値の部位A1においてしきい値を超える場合に、この部位A1において肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動していると判断する。
ところで、しきい値は、絶対値で指定するようにしてもよいし、あるいは、素管の肉厚に対する比率により指定するようにしてもよい。例えば、肉厚20mmの素管を製造する時、2mm以上薄肉になる部分があれば穴明ききずの発生と判定し、2mm以上厚肉になる部分があればしわきずの発生と判定してもよい。また、素管の肉厚の20%をしきい値とすると、4mm以上薄肉になる部分があれば穴明ききずの発生と判定し、4mm以上厚肉になる部分があればしわきずの発生と判定してもよい。
次に、判定装置3は、各スタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断する。すなわち、前述した肉厚の測定値の場合と同様に、各スタンドにおける圧延荷重の測定値をそれぞれ所定のしきい値と比較する。
この際に、きずが発生しない場合にも生じる緩やかな圧延荷重変動を除去するべく、各スタンドにおける圧延荷重の測定値をホローシェルPの長手方向についてそれぞれ微分処理し、微分処理した後の各データを所定のしきい値と比較したり、あるいは、きずが発生しない正常な素管Pについての各スタンドにおける圧延荷重の測定値を予め記憶しておき、これと測定した各スタンドにおける圧延荷重の測定値との差を所定のしきい値と比較するようにしてもよい。
そして、図3(c)のグラフに示す#2スタンドの圧延荷重の測定値の部位A2においてしきい値を超える場合に、この部位A2において圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動していると判断する。
ところで、荷重のしきい値は、比率による判定が望ましい。数値計算で求めた荷重値、あるいは、過去の実績荷重などから平均的な荷重予測値を経験的に予め求めておき、この荷重予測値の例えば20%以上変動する場合の荷重を、荷重のしきい値として判定に用いてもよい。
なお、図3に示す例のように特定の圧下方向2chの肉厚の測定値のみが部分的に変動する場合には、必ずしも全てのスタンドについて圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断する必要はなく、この圧下方向2chに対応する偶数スタンドである#2及び#4スタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断するようにしてもよい。
判定装置3は、何れかの圧下方向の肉厚の測定値が局所的に所定量以上変動する(図3のグラフに示す例では圧下方向2chの肉厚の測定値が変動する)とともに、何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する(図3のグラフに示す例では#2スタンドにおける圧延荷重の測定値が変動する)場合、素管Pにきずが発生していると判定し、例えば、運転室に設置したスピーカーから警告音を発生させたり、運転室の操作盤に設置したランプを点滅表示させる等の適宜手段により警報を発する。
この際、図3のグラフに示す例では、きずの発生原因は#2スタンドの圧下にあると直ちに特定されるので、その後迅速に対処するために、きずの発生のみならず、きずの発生原因となったスタンド番号をも併せて知らせる警報を発するようにすることが好ましい。
さらに、図3のグラフに示す例では、肉厚の測定値が部分的に低下しているため、発生が判定されたきずが穴明ききず又は内面凹みきずである可能性が高いことをも併せて知らせる警報を発することが、警報後の対応をさらに迅速かつ的確に行うためには、より一層好ましい。
図3に示す例において、#2スタンドを発生原因とする穴明ききず又は内面凹みきずが発生していることを知らせる警報が発せられた場合には、例えば、オペレータは、図1におけるマンドレルミルMの制御装置を駆動して、#2スタンドに配置された孔型圧延ロールRのロールギャップをその時点よりも開く方向へ制御すればよい。これにより、次回以降に圧延する素管Pにおける穴明ききずの発生を、抑制することができる。
穴明ききずが発生する原因として、マンドレルミルのスタンド間の引張り張力が大きいことと、スタンドの圧下が大き過ぎることとがある。前者の場合はスタンド間張力を緩めるように孔型圧延ロールRの回転数を調整すればよい。後者の場合はこのスタンドの孔型圧延ロールRのギャップを開くことが有効である。原因が前者か後者かを判断するために、荷重の変動を確認すればよい。
図4は、しわきずが発生した素管について、図1における肉厚計1によって測定された肉厚の測定値と、図1における圧延荷重測定装置2によって測定された圧延荷重の測定値との一例を示すグラフであり、図4(a)は圧下方向1chの肉厚測定値を示し、図4(b)は圧下方向2chの肉厚測定値を示し、さらに図4(c)は#5スタンドの圧延荷重の測定値を示す。なお、図4(a)〜図4(c)のグラフの横軸及び縦軸は、図3(a)〜図3(c)のグラフの横軸及び縦軸と同じである。
図4にグラフで示す例の場合においても、判定装置3は、はじめに、圧下方向1ch及び2chの肉厚の測定値を、それぞれ所定のしきい値と比較する。そして、図4(a)にグラフで示す圧下方向1chの肉厚の測定値の部位B1においてしきい値を超える場合、この部位B1において肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動していると判断する。
次に、判定装置3は、各スタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断する。すなわち、前述した肉厚の測定値の場合と同様に、各スタンドにおける圧延荷重の測定値を、それぞれ所定のしきい値と比較する。そして、図4(c)に示す#5スタンドの圧延荷重の測定値の部位B2においてしきい値を超える場合に、この部位B2において圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動していると判断する。
なお、図4にグラフで示す例のように、特定の圧下方向1chの肉厚の測定値のみが部分的に変動する場合には、必ずしも全てのスタンドについて圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断する必要はなく、特定の圧下方向1chに対応する奇数スタンドである#1、#3及び#5スタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動しているか否かを判断するようにしてもよい。
判定装置3は、何れかの圧下方向の肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動する(図4にグラフで示す例では1chの肉厚測定値が変動する)とともに、何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する(図4にグラフで示す例では、#5スタンドにおける圧延荷重の測定値が変動する)場合、素管Pにきずが発生していると判定し警報を発する。
この際、図4にグラフで示す例では、きずの発生原因が#5スタンドであると特定できるため、きずの発生のみならずきずの発生原因となったスタンド番号をも併せて知らせる警報を発することが、その後の対応を迅速かつ的確に行うためには好ましい。
さらに、図4にグラフで示す例では、肉厚の測定値が部分的に上昇しているため、きずがしわきずである可能性が高いことをも併せて知らせる警報を発することが、さらに好ましい。
図4にグラフで示す例において、#5スタンドを発生原因とするしわきずが発生していることを知らせる警報が発せられた場合、例えば、オペレータは図1におけるマンドレルミルMの制御装置を駆動して、#4スタンドに配置された孔型圧延ロールRの回転数を低下させて、#4スタンドと#5スタンドとのスタンド間張力を大きくするように制御すればよい。これにより、次回以降に圧延する素管Pにおけるしわきずの発生を抑制することができる。しわきずの発生原因は、マンドレルミルのスタンド間で作用する大きな圧縮力である。このため、張力を大きくするように孔型圧延ロールRの回転数を調整すればよい。
このように、本実施の形態により、マンドレルミルMを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生する、例えば内面凹みきず、穴明ききずさらにはしわきず等といったきずを、自動的に高精度で検出することができるようになる。
このため、素管に発生するきずを自動的に検出した場合に警報等を発するようにすることにより、運転室がマンドレルミルMから離れた場所に配置される設備であっても、オペレータが直ちに操業を停止してきずの発生原因を特定し、その対策を迅速に図ることができるようになるので、不良品が大量に発生することを未然に防止できる。
また、何れかの圧下方向についての肉厚測定値のみが部分的に変動する場合には、2ロールスタンドの場合には、この圧下方向を有する、奇数番目又は偶数番目に設置されたスタンドにおける圧下によりきずが発生することを特定できるとともに、さらに、何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値のみが部分的に変動する場合には、このスタンドにおける圧下によりきずが発生することを特定することもできるので、きずの発生対策を迅速に行うこともできる。
なお、以上の実施の形態の説明では、本発明に係る管のきず検出装置を、2ロール式マンドレルミルに適用する場合を例にとった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、各スタンドに圧下方向のなす角が90°である4つの孔型圧延ロールが配置された4ロール式マンドレルミルや、各スタンドに圧下方向のなす角が120°である3つの孔型圧延ロールが配置され、隣接するスタンド間で圧延ロールの圧下方向を60°ずらして交互に配置した3ロール式マンドレルミルに対しても同様に適用することができる。
また、以上の実施の形態の説明では、図1におけるマンドレルミルの制御装置と、判定装置3とが別に構成する場合を例にとった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、制御装置が判定装置3の機能をも併せ持つようにしてもよい。一般的なマンドレルミルの制御装置には、出側に配置された肉厚計1の測定結果や、圧延荷重の測定装置2の測定結果が入力されることが多い。このため、判定装置3と同様の動作をも行い得るように制御装置をプログラムすることにより、制御装置を判定装置3としても用いることができ、装置全体のコストを低減することができる。
さらに、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。
図1に示す本実施の形態のきず検出装置100を、2ロール式マンドレルミルMに適用して判定装置3により素管におけるきずの発生を判定した。そして、きずの発生が判定された場合には、その判定結果に応じて、ホローシェルPを圧延する際の孔型圧延ロールRのロールギャップや回転数を調整した。
なお、本例では、肉厚のしきい値は、素管の目標肉厚の20%をしきい値として定め、圧延荷重のしきい値は、サイズと材質が同じ分類に含まれる素管の過去の平均実績荷重の20%として定めた。
その結果、素管のきずの発生率(きずが発生した素管Pの本数/圧延した素管Pの本数×100)を、本発明を適用してきずを自動的に検出する前の0.2%から0.03%へと、顕著に低減することができた。
実施の形態のきず検出装置を適用したマンドレルミルの構成を模式的に示す説明図である。 図1における肉厚計の構成を模式的に示す説明図である。 穴明ききずが発生している素管について、図1における肉厚計によって測定された肉厚の測定値と、図1における圧延荷重測定装置によって測定された圧延荷重の測定値との一例を示すグラフである。 しわきずが発生している素管について、図1における肉厚計によって測定された肉厚の測定値と、図1における圧延荷重測定装置によって測定された圧延荷重の測定値との一例を示すグラフである。 マンドレルミルを用いてホローシェルを圧延することにより製造される素管に発生する各種のきずを示す説明図であり、図5(a)は内面凹みきずを示し、図5(b)は穴明ききずを示し、さらに、図5(c)及び図5(d)はしわきずを示す。
符号の説明
1 肉厚計
2 圧延荷重測定装置
3 判定装置
4 凹みきず
5 穴
6 折れ込み部
11a、12a γ線投光器
11b、12b γ線受光器
100 きず検出装置
M マンドレルミル
B マンドレルバー
P ホローシェル、素管
R 孔型圧延ロール

Claims (2)

  1. マンドレルミルの出側に配置されて、該マンドレルミルを構成する複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚を測定するための肉厚計と、該複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重を測定するための圧延荷重測定装置と、前記肉厚計によって測定される、前記複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの各圧下方向の肉厚の測定値と、前記圧延荷重測定装置によって測定される、前記複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重の測定値とに基づき、前記何れかの圧下方向の肉厚測定値が部分的に所定量以上変動し、かつ、前記何れかのスタンドにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する場合に、素管におけるきずの発生を判定する判定装置とを備えることを特徴とする素管のきず検出装置。
  2. マンドレルミルを構成する複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚をそれぞれ測定するとともに、該複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重を測定し、測定された前記複数のスタンドそれぞれにおけるホローシェルの圧下方向の肉厚の測定値が部分的に所定量以上変動し、かつ、測定された前記複数のスタンドそれぞれにおける圧延荷重の測定値が部分的に所定量以上変動する場合に、素管におけるきずの発生を判定することを特徴とする素管のきず検出方法。

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