JP2011073051A - 継目無管の製造管理方法および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マンドレルミル圧延に起因する不良品の発生を防止し、表面性状に優れた継目無管を容易に製造できる、継目無管の製造管理方法を提供する。
【解決手段】中空素管9を加熱し、一対の孔型ロール11を備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、マンドレルバー10を挿入した状態で装入して延伸圧延した絞り圧延用素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造する。この際、マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離、左噛み出し量BLおよび右噛み出し量BR、をそれぞれ分けて測定し、それらの差ΔBを算出する。そして、得られた差が所定値以内である場合を合格品と、それ以外の場合を不合格品として管理する。
【選択図】図2
【解決手段】中空素管9を加熱し、一対の孔型ロール11を備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、マンドレルバー10を挿入した状態で装入して延伸圧延した絞り圧延用素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造する。この際、マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離、左噛み出し量BLおよび右噛み出し量BR、をそれぞれ分けて測定し、それらの差ΔBを算出する。そして、得られた差が所定値以内である場合を合格品と、それ以外の場合を不合格品として管理する。
【選択図】図2
Description
本発明は、継目無管の製造方法に係り、とくに、管内面のしわ、管外面の割れ等の欠陥の発生を防止し、表面性状に優れた継目無管を製造するための管理方法および製造方法に関する。なお、「継目無管」には、継目無鋼管、およびその他の金属材料製継目無管をも含むものとする。
一般に、継目無鋼管は、マンドレルミル方式、プラグミル方式の圧延、或いは熱間押出を用いて製造されているが、比較的小径管の場合には、生産性、寸法精度の観点から、マンドレルミル方式の圧延を適用する場合が多い。
マンドレルミル方式の圧延を適用した、継目無鋼管の製造ラインの一例を図4に示す。
加熱炉(回転加熱炉)1で加熱された素材6を、ピアサ(穿孔圧延機)2のロール7間でプラグ8により穿孔し中空素管9とする。次に、中空素管9は、マンドレルミル3でマンドレルバー10を挿入した状態で、複数段のロールスタンドの孔型ロール11間で圧延され、減肉されるとともに、長さが延ばされ、絞り圧延用素材12となる。マンドレルミル3では、通常、一対の孔型ロール11からなるロールスタンドを、複数段配設し、隣り合うロールスタンド間では孔型ロール11の回転軸を圧延パスラインに垂直な面内で互いに90°ずらして配置している。マンドレルミル3で延伸された絞り圧延用素管12は、ついで、再加熱炉4で再加熱されたのち、通常、3ロール方式孔型連続圧延機であるホットストレッチレデューサ5等で絞り圧延されて、所定の外径を有する製品とされる。
マンドレルミル方式の圧延を適用した、継目無鋼管の製造ラインの一例を図4に示す。
加熱炉(回転加熱炉)1で加熱された素材6を、ピアサ(穿孔圧延機)2のロール7間でプラグ8により穿孔し中空素管9とする。次に、中空素管9は、マンドレルミル3でマンドレルバー10を挿入した状態で、複数段のロールスタンドの孔型ロール11間で圧延され、減肉されるとともに、長さが延ばされ、絞り圧延用素材12となる。マンドレルミル3では、通常、一対の孔型ロール11からなるロールスタンドを、複数段配設し、隣り合うロールスタンド間では孔型ロール11の回転軸を圧延パスラインに垂直な面内で互いに90°ずらして配置している。マンドレルミル3で延伸された絞り圧延用素管12は、ついで、再加熱炉4で再加熱されたのち、通常、3ロール方式孔型連続圧延機であるホットストレッチレデューサ5等で絞り圧延されて、所定の外径を有する製品とされる。
マンドレルミル方式の圧延においては、長手方向に均一な外径および肉厚を有する絞り圧延用素材を圧延可能とすべく、例えば、マンドレルミルの各ロール回転速度を強制的に変化させてスタンド間に働く張力を調整している。
しかし、各ロールスタンドでロールの回転数、圧下量が適切に設定されていないと、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への、バルジと称する材料の噛み出し量が過大となり、その後の圧延作業が不良となったり、あるいは得られる継目無鋼管(製品)の内外面に疵等の欠陥を生じさせるという問題がある。
しかし、各ロールスタンドでロールの回転数、圧下量が適切に設定されていないと、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への、バルジと称する材料の噛み出し量が過大となり、その後の圧延作業が不良となったり、あるいは得られる継目無鋼管(製品)の内外面に疵等の欠陥を生じさせるという問題がある。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、マンドレルミルにバルジ幅センサーを設置し、管材の外径制御のために、管材を代表する形状としてバルジ幅を測定し、管材の外径制御を高精度に行う鋼管の延伸圧延方法が記載されている。ここでいうバルジ幅は、被圧延材である管材の、孔型ロールのカリバーと接触しない両フランジ部11a間に噛みだされた噛み出し部外面間の間隔をいう。
特許文献1に記載された技術では、第jスタンドにおけるロール回転速度の加減速率がバルジ幅に及ぼす影響係数Ajを常に検定され修正されるとともに、第jスタンド出側のバルジ幅Bjを測定し、基準バルジ幅Bj0に対する変化率を求め、前記影響係数Ajに基づき、調整加減速率を算出し、同時に少なくとも前記スタンドより下流側の第iスタンドにおけるロール回転速度が調整加減速率から計算されるロール回転速度となるように、第i+1スタンド以降のロール回転速度を調整するとともに、第iスタンド出側でバルジ幅の測定された部分の、第jスタンド出側におけるバルジ幅を測定し、測定されたバルジ幅の基準バルジ幅に対する実変化率を零とすべく調整影響係数Ajを修正することにより、マンドレルミル出側の管材の外径を高精度に制御することが可能となるとしている。なお、特許文献1に記載された技術で、測定するバルジ幅は、孔型ロールの圧下方向と直角方向の被圧延材(管材)の幅であり、被圧延材である管材の、孔型ロールのカリバーと接触しない両フランジ部に噛みだされた噛み出し部外面間の間隔で、図3に示すBiとしている。
また、特許文献2には、後工程の絞り圧延機における管先後端部の厚肉化を抑制するために、延伸圧延機で予め管の先後端部の肉厚を減厚するように圧下位置を制御する、延伸圧延制御方法が記載されている。特許文献2に記載された技術は、先後端部での圧下に伴う、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への材料の噛み出し量を測定し、その測定値に基づいて、前記噛み出し量が限界値以下になるように管先後端部の圧下位置制御量を決定する鋼管の延伸圧延制御方法である。特許文献2に記載された技術によれば、中空素管先後端での素管形状不良を抑制して、製品歩留りを向上できるとしている。特許文献2に記載された技術は、孔型ロールの圧下に伴い、孔型ロールフランジ部間のギャップへの材料の噛み出し(バルジ)が大きくなると、絞り圧延機でのロール面圧が増加し、材料が焼付ついて表面疵の要因を発生させるという問題に鑑みて、それを解決するために成された技術である。なお、特許文献2に記載された技術においても、バルジ幅は、被圧延材である管材の、孔型ロールの圧下方向と直角方向の幅、すなわち、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への材料の噛み出し部間の距離、を測定しており、また、バルジ幅測定装置は非接触で幅測定可能な光学式測定装置が好ましいとしている。
また、特許文献3には、鋼管の延伸圧延方法が記載されている。特許文献3に記載された技術は、マンドレルミルで管体を圧下するとともに、最終スタンドより上流のあるスタンドで該管体の両端部を中央部より薄肉にテーパ成形しつつ、前記あるスタンドの出側に、管体外径を測定するセンサを設け、その測定値に基づき管体のバルジングによる先端断面変化率αを求め、該αを配慮し、管体の体積一定の法則から定まる関係式を用いて、バルジングを起こさない適正なロール回転数を算出し、次回の管体を圧延する、鋼管の延伸圧延方法である。特許文献3に記載された技術によれば、管端にバルジングを起こさない状態でテーパ圧延が可能となり、表面疵の発生のない小径継目無鋼管が安定して製造できるとしている。
また、特許文献4には、マンドレルミルによる鋼管の圧延方法が記載されている。特許文献4に記載された技術は、任意あるいは最終のロールスタンドの出側で、圧延された中空素管の断面形状を測定するとともに、該測定値に基づき素管の外周長さ及びバルジ部の外面曲げ半径を求め、それらの値に応じて各ロールスタンドでのロールの圧下量および/または回転速度を調整する、マンドレルミルによる鋼管の圧延方法である。特許文献4に記載された技術では、断面形状の測定はレーザ距離計で行うのがよいとしている。また、特許文献4に記載された技術によれば、内面欠陥や圧延不良の発生が少ないマンドレルミルによる鋼管の圧延が可能になるとしている。
特許文献1〜4に記載された技術では、いずれも、圧延途中あるいは最終スタンドの出側で被圧延材の外径、断面形状等を測定し、それらの測定値に基づき、各ロールスタンドでのロールの圧下量および/または回転速度等を調整して、マンドレルミルによる延伸圧延を行っている。このような圧延を行えば、その後の圧延における圧延不良や、製品管の欠陥等の発生は軽減できる。しかし、これらの技術によっても、依然としてマンドレルミル圧延に起因する不良品の発生を完全には防止できていないというのが現状である。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、表面疵等のマンドレルミル圧延に起因する不良品の発生を防止し、表面性状に優れた継目無管を容易に製造できる、継目無管の製造管理方法および継目無管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、マンドレルミル圧延に起因する不良品の発生原因について、鋭意研究した。その結果、被圧延材である中空素材の、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への噛み出し量(バルジ量)が、中空素材(管)の左右で相違する場合があることを知見した。そして、この左右のバルジ量が異なると、管の外径であるバルジ幅が所望の範囲内であっても、内外面欠陥等に起因する不良品が多量に発生する場合があることを新たに見出した。
このようなことから、本発明者らは、管の外径であるバルジ幅を測定することに加えてさらに、管の一方側および他方側における噛み出し量(バルジ量)を、別々に測定する必要があることを思い付いた。そして、不良品の発生を防止するためには、管の中心に対して、一方側の噛み出し量(バルジ量)と他方側の噛み出し量(バルジ量)の差が、所定値以下である場合を、合格品として、所定値超えである場合を不合格品として、管理する必要があることに想到した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成したものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された絞り圧延用素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として管理することを特徴とする継目無管の製造管理方法。
(1)中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された絞り圧延用素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として管理することを特徴とする継目無管の製造管理方法。
(2)(1)において、前記バルジ幅測定装置のセンサーの視野中心を前記マンドレルミルにおける延伸圧延のパスライン中心に一致させて設置し、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定することを特徴とする継目無管の製造管理方法。
(3)中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された中空素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として取扱うことを特徴とする継目無管の製造方法。
(3)中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された中空素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として取扱うことを特徴とする継目無管の製造方法。
(4)(3)において、前記バルジ幅測定装置のセンサーの視野中心を前記マンドレルミルにおける延伸圧延のパスライン中心に一致させて設置し、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定することを特徴とする継目無管の製造方法。
本発明によれば、表面疵等のマンドレルミル圧延に起因する不良品の発生を防止でき、表面性状に優れた継目無管を容易にしかも安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。
本発明では、図1に示すように、少なくともひとつのスタンドの出側にバルジ幅測定装置31を設置したマンドレルミル3を使用して中空素管9を延伸圧延し、絞り圧延用素管12(継目無管)とする。中空素管9は、マンドレルミル3を使用して、マンドレルバー10を挿入された状態で、複数段のロールスタンドの一対の孔型ロール11間で延伸圧延され、減肉されるとともに、長さが延ばされる。なお、中空素管9は、通常、素材6を加熱炉1で加熱し、ピアサ(穿孔圧延機)2のロール7間でプラグ8により穿孔されたものを使用するが、本発明ではこれに限定されないことは言うまでもない。
中空素管9が、マンドレルミル3の、一対の孔型ロール11間で、延伸圧延された状態を断面図で図2に示す。孔型ロール11,11による圧下により、孔型ロール11,11のフランジ部11aのギャップ間へ材料が噛み出され、中空素管9にはバルジと称される材料の噛み出し部9aが、孔型ロール11の回転軸に平行に、中空素管9の両側端部に形成される。本発明では、少なくともひとつのスタンドの出側にセンサー20を設置し、バルジ幅測定装置31、さらには演算装置32を介して、孔型ロール11の圧下方向に直角方向の中空素管9の外径、すなわち、中空素管9の両側の噛み出し部9a外面間の距離である、バルジ幅B、を測定する。従来から、このバルジ幅Bを、所定のロールスタンド出側で測定して、制御装置33等を介して、該ロールスタンドでの圧下量、ロール回転速度等の圧延条件を調整して、所望の管外径、肉厚が得られるように調整していた。このようなバルジ幅Bを測定して、圧延条件を調整することは、本発明においても、行ってもよいことは言うまでもない。
本発明で使用するバルジ幅測定装置31は、レーザ距離計、光学式測定装置等がいずれも好適に適用できる。なお、バルジ幅測定装置31には、センサーに加えて、それ自体に演算回路、制御装置等が付設されていてもよいことは言うまでもない。また、別に演算装置32を設置してもよいことは言うまでもない。
本発明では、このような測定装置を利用して、上記したバルジ幅Bを、中空素管の中心位置から一方側の噛み出し部外側位置までの距離である噛み出し量と、他方側の噛み出し部外側位置までの距離である噛み出し量とに分けて測定する。図2の例では、中空素管9は孔型ロール11,11により上下方向に圧下されており、噛み出し部9aは中空素管9の中心位置に対して左右両側に生じているため、左噛み出し量BLと右噛み出し量BRとしている。
本発明では、このような測定装置を利用して、上記したバルジ幅Bを、中空素管の中心位置から一方側の噛み出し部外側位置までの距離である噛み出し量と、他方側の噛み出し部外側位置までの距離である噛み出し量とに分けて測定する。図2の例では、中空素管9は孔型ロール11,11により上下方向に圧下されており、噛み出し部9aは中空素管9の中心位置に対して左右両側に生じているため、左噛み出し量BLと右噛み出し量BRとしている。
なお、左噛み出し量BLおよび右噛み出し量BRとに分けて測定するには、バルジ幅測定装置31のセンサー20の視野中心が、マンドレルミル3のパスライン中心に一致するように、センサー20を設置することにより、容易に測定可能となる。
マンドレルミル圧延では、孔型ロールのセットアップ状態や、被圧延材である素管の肉厚、温度等の不均一が生じやすく、その結果、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への噛み出し量(バルジ量)が、中空素管の両側で相違する場合がある。この中空素管両側の噛み出し量の差、ΔB(=BL−BR)を、バルジ幅測定装置31に付設された演算回路等により算出し、その差が、素材や肉厚、外径等によって決定される所定値を超えて大きくなると、バルジ幅Bが規定値の範囲内である場合であっても、素管とマンドレルバーとのクリアランスが過大または過少となり、その後の圧延に際して内外面欠陥等を発生し、不良品となる。
マンドレルミル圧延では、孔型ロールのセットアップ状態や、被圧延材である素管の肉厚、温度等の不均一が生じやすく、その結果、孔型ロールのフランジ部のギャップ間への噛み出し量(バルジ量)が、中空素管の両側で相違する場合がある。この中空素管両側の噛み出し量の差、ΔB(=BL−BR)を、バルジ幅測定装置31に付設された演算回路等により算出し、その差が、素材や肉厚、外径等によって決定される所定値を超えて大きくなると、バルジ幅Bが規定値の範囲内である場合であっても、素管とマンドレルバーとのクリアランスが過大または過少となり、その後の圧延に際して内外面欠陥等を発生し、不良品となる。
このため、本発明では、測定した一方側噛み出し量(図2では左噛み出し量BL)と他方側噛み出し量(図2では右噛み出し量BR)との差、ΔBを算出し、その差が所定値以下の場合を、合格品(絞り圧延用素材)として取り扱う指示を後工程に出す。一方、ΔBが所定値を超えて大きい場合を、不合格品として取り扱う指示を出す。合格品として取り扱われるもののみについて、その後の絞り圧延を施す。これにより、マンドレルミル圧延起因の不良品の発生は防止できる。なお、上記した所定値は、予め鋼種、製品外径、肉厚等に応じて決定しておくことが好ましい。
なお、センサー20は、 圧下スタンドを複数段配設したマンドレルミルの、圧下方向が異なる少なくとも2つのスタンドの出側に設け、それぞれのスタンドの出側において圧下方向に直角方向の中空素管の外径を測定するよう配置することが好ましい。マンドレルミルは図2に示すように圧下方向が90°異なる圧下スタンドを交互に配置されているので、噛み出し方向もスタンド出側によって2つの方向をとり得る。このため、いずれの噛み出し方向についても、両側の噛み出し量の差を算出することにより、不良品発見の精度が向上する。
また、マンドレルミルにより延伸圧延された絞り圧延用素材のうち、不合格品として取り扱われるものは、別ロットとして次工程へ送り、検査ラインで内外面疵検査を重点的に行い、さらに合格又は不合格の判定を行った後、合格品のみ出荷するようにすることが、不良品の流出、歩留り悪化を防止する観点から好ましい。
13Cr鋼鋳片をピアサで中空素管とした。これら中空素管9に、8スタンドからなるマンドレルミル3で、延伸圧延を施し、絞り圧延用素材12とした。マンドレルミル3は、上下方向に圧下する孔型ロールを有するスタンドと、水平方向に圧下する孔型ロールを有するスタンドとを交互に配列したミルであり、第4スタンド出側と、第7スタンド出側の2箇所に、センサー20を有するバルジ幅測定装置31を設置した。なお、バルジ幅測定装置のセンサー20は、視野中心を圧延パスライン中心に合致するように設置した。そして、一方のバルジ幅測定装置31で、圧延された絞り圧延用素管12のバルジ幅Bを、素管中心位置から左右の噛み出し部外側位置までの距離である、左噛み出し量BLと右噛み出し量BRに別けてそれぞれ測定し、バルジ幅測定装置31に付設された演算回路で、ΔBH=BL−BRを算出した。さらに他方のバルジ幅測定装置31で圧延された絞り圧延用素管12のバルジ幅Bを、素管中心位置から上下の噛み出し部外側位置までの距離である、上噛み出し量BTと下噛み出し量BBに別けてそれぞれ測定し、バルジ幅測定装置31に付設された演算回路でΔBV=BT−BBを算出した。なお、それぞれのバルジ幅測定装置では、バルジ幅Bも参考として測定した。
そして、ΔBH、ΔBVのいずれかが、鋼種、外径、肉厚ごとに予め決定された所定値以下である場合を合格品とし、所定値を超える場合を不合格品とした。そして、得られた絞り圧延用素材(合格品および不合格品)を、再加熱し、ホットストレッチレデューサ5で、所定の外径を有する製品(継目無鋼管)とした。得られた製品について、内外面の検査を目視、および非破壊検査で行い、疵、割れ等の欠陥の有無を全長にわたり検査し、欠陥が1箇所でも発生した製品を不良品とした。
合格品として扱われた絞り圧延用素材では、不良品の発生率は0%であった。一方、不合格品として扱われた絞り圧延用素材では、不良品の発生率は40%であった。
1 加熱炉(回転加熱炉)
2 ピアサ
3 マンドレルミル
4 再加熱炉
5 絞り圧延機(ホットストレッチレデューサ)
6 素材
7 ロール
8 プラグ
9 中空素管
10 マンドレルバー
11 孔型ロール
12 絞り圧延用素管
9a バルジ(噛み出し部)
11a フランジ
20 センサー
31 バルジ幅測定装置
32 演算装置
33 制御装置
2 ピアサ
3 マンドレルミル
4 再加熱炉
5 絞り圧延機(ホットストレッチレデューサ)
6 素材
7 ロール
8 プラグ
9 中空素管
10 マンドレルバー
11 孔型ロール
12 絞り圧延用素管
9a バルジ(噛み出し部)
11a フランジ
20 センサー
31 バルジ幅測定装置
32 演算装置
33 制御装置
Claims (4)
- 中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された絞り圧延用素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として管理することを特徴とする継目無管の製造管理方法。
- 前記バルジ幅測定装置のセンサーの視野中心を前記マンドレルミルにおける延伸圧延のパスライン中心に一致させて設置し、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定することを特徴とする請求項1に記載の継目無管の製造管理方法。
- 中空素管を加熱し、該加熱された中空素管を、一対の孔型ロールを備える圧下スタンドを連続して複数段配設したマンドレルミルに、該中空素管の孔にマンドレルバーを挿入した状態で装入して延伸圧延し、該延伸圧延され、減肉された中空素管を、さらに再加熱し、ストレッチレデューサ、あるいはサイザーで絞り圧延を施して継目無管を製造するに当たり、前記マンドレルミルの、少なくともひとつのスタンドの出側の位置にバルジ幅測定装置を設置し、該バルジ幅測定装置により、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定し、該それぞれ測定された中空素管中心位置から噛み出し部外側位置までの距離の差を算出し、得られた差が所定値以内である場合を合格品として、それ以外の場合を不合格品として取扱うことを特徴とする継目無管の製造方法。
- 前記バルジ幅測定装置のセンサーの視野中心を前記マンドレルミルにおける延伸圧延のパスライン中心に一致させて設置し、前記中空素管の中心位置から両側の噛み出し部外側位置までの距離をそれぞれ測定することを特徴とする請求項3に記載の継目無管の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116890033A (zh) * | 2023-09-11 | 2023-10-17 | 江苏常宝钢管股份有限公司 | 一种管材制备方法 |
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2009
- 2009-09-30 JP JP2009227988A patent/JP2011073051A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116890033A (zh) * | 2023-09-11 | 2023-10-17 | 江苏常宝钢管股份有限公司 | 一种管材制备方法 |
CN116890033B (zh) * | 2023-09-11 | 2023-12-19 | 江苏常宝钢管股份有限公司 | 一种管材制备方法 |
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