JP2002263711A - マンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法 - Google Patents
マンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法Info
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Abstract
なる材質の素管であっても、従来より内面欠陥や圧延不
良の発生を抑制可能なマンドレル・ミルによる鋼管の圧
延方法を提供することを目的としている。 【解決手段】一対の孔型ロールを備えたロール・スタン
ドを多段に配設したマンドレル・ミルに、鋼鋳片からな
る中空素管の孔にマンドレル・バーを挿入した状態で該
中空素管を通過させ、減肉及び延伸圧延するに際して、
任意あるいは最終のロール・スタンドの出側で、圧延さ
れた前記中空素管の断面形状を測定すると共に、該測定
値に基づき素管の外周長さ及びバルジ部の外面曲げ半径
を求め、それらの値に応じて各ロール・スタンドでのロ
ールの圧下量及び/又は回転速度を調整する。
Description
による鋼管の圧延方法に係わり、内面欠陥や圧延不良の
発生を従来より抑制する造管技術に関する。
に、マンドレル・ミルなる圧延機を利用するものがあ
る。それは、まず、素材の鋼鋳片(丸ビレット)を、加
熱炉にて所定温度に高めた後に、ピアサーと称する圧延
機で穿孔し、中空の素管とする。この中空素管(以下、
素管という)は、前記したマンドレル・ミルなる圧延機
で減肉して延伸圧延され、最終的にサイザー又はストレ
ッチ・レデューサと称する圧延機で外径を絞られ、製品
とされる。
に、複数のカリバー(孔型)付きロール1を素管を囲
み、互いに45°の角度にして配置したロール・スタン
ド2を、素管3の進行方向に複数段(通常、8〜10ス
タンド)設けた所謂多段圧延機であり、素管3にマンド
レル・バー4なる圧延治具を挿入した状態で、ロール間
に該素管3を通過させて減肉及び延伸を行うものであ
る。
1の圧下量や回転速度が適切に設定されていないと、図
5に示すように、素管3のロール間隙から外方へ張り出
す(ふくれとかバルジという)部分5の幅(以下、バル
ジ幅(記号B)という)が過大となり、その後の圧延作
業が不良になったり、あるいは得られる鋼管の内面に欠
陥を生じさせる。
2709号にて、熱間加工性等の異なるあらゆる材質の
素管を圧延しても、内面欠陥及び圧延不良の生じない対
策技術を提案した。それは、下記4つの要素からなる技
術である。 a)素管の材質に応じた熱間加工性と内面欠陥発生との
関係を求める、 b)該素管の熱間加工性に応じたバルジ部内面の最小曲
げ半径に対応し、圧延中にある素管のバルジ部に内面欠
陥を生じさせないバルジ幅を、許容上限バルジ幅として
定める c)圧延中にある素管のバルジ部に圧延不良を生じさせ
ることのないバルジ幅を、許容下限バルジ幅として定め
る、 d)スタンド出側で素管のバルジ幅を測定し、その測定
値が前記した許容上下限バルジ幅の範囲に収まるよう
に、ロールの圧下量もしくは回転速度を調整する。
管材の熱間加工性を、該素管材から切り出した試験片の
グリーブル試験(マンドレル・ミルでの圧延温度の10
00℃、試片の引張り速度10cm/秒の条件)によ
り、試験片が破断した時の直径減少率として求める。こ
の場合、減少率が大きいほど、熱間加工性は良いことに
なる。
異なる材料の素管を予めマンドレル・ミルで圧延し、直
径減少率(RA)に対するバルジ部の内面欠陥が発生し
ない最小内面曲げ半径(Ri)を求める。その一例を図
6に示すが、(1)式のような直線関係になる。
の間には、一般に図5に示した幾何学的関係に基づき
(2)及び(3)式の関係がある。
とロール中心とがなす軸方向距離、Rcはカリバーのコ
ーナ半径、Gはロールの設定間隔(ギャップ)、αはス
プリングバック、stは素管肉厚である。
減少率)を予め求め、(1)式から内面欠陥を発生させ
ないための最小内面曲げ半径を求め、(2)、(3)式
により許容上限バルジ幅を求めることができる。
を、圧延中にある素管の円周に沿った肉厚が局部的に薄
くならない、つまり極端な偏肉が生じないことから定め
る。この偏肉の発生状況は、過去のデータから図7に示
すような関係がある。それは、8スタンドからなるマン
ドレル・ミルにおいて、第1スタンド入側の素管外径を
110mm,最終スタンド出側の素管外径を90mmと
する圧延での結果であり、縦軸は第4スタンド出側の素
管バルジ幅(B)で,横軸は最終スタンド出側の素管肉
厚(St)として求めた。この図7において、白丸印の
プロットはマンドレルバーが引き抜き可能、×印はマン
ドレルバーが素管と密着して引き抜きが不能な状況を示
す。そして、この局部的な「過薄部分あり」のような状
態を圧延不良と定めると、許容下限バルジ幅は、直線
(記号Zb)として求まる。なお、前記図6や図7に示
したものと異なる条件やサイズの素管が圧延対象となる
場合には、別途過去のデータからその場合に対応した関
係を定めれば良い。
タンドの出側に設置したバルジ幅の測定装置で、素管の
バルジ幅を実測し、その測定値が上記した許容上下限バ
ルジ幅の範囲に収まるように、当該スタンド又はそれ以
前のスタンドのロールの圧下量もしくは回転速度を調整
するようにした。
た従来の技術でもまだ十分に満足できる状況と言えな
い。その理由は、要素b)及びc)において、(1)〜
(3)式を用いてバルジ部内面の最小曲げ半径からバル
ジ幅を求める、つまり前記図6の関係を求める場合、ロ
ール1のカリバー形状に沿って素管3が圧延されている
と仮定しているが、実際には、バルジ部は、ロール1の
間隙に形成されるので、素管を拘束する力が弱く、必ず
しもカリバー形状に沿っていないからである。つまり、
バルジ幅からでは、正しい内面曲げ半径を求められず、
定めたバルジ幅上下限範囲の信頼性が低いのである。ま
た、前記圧延不良とならないためには、素管の周長をあ
る一定値以上にする必要があるが、上記と同じ理由で正
しい周長が求められないという問題もある。さらに、バ
ルジ幅上下限範囲の決定が複雑であるばかりでなく、そ
れを定めるのに、材料試験、試験操業、過去のデータ集
め等に多大な労力を要するという問題もある。
を採用するだけで、いかなる材質の素管であっても、従
来より内面欠陥や圧延不良の発生を抑制可能なマンドレ
ル・ミルによる鋼管の圧延方法を提供することを目的と
している。
成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化し
た。
備えたロール・スタンドを多段に配設したマンドレル・
ミルに、鋼鋳片からなる中空素管の孔にマンドレル・バ
ーを挿入した状態で該中空素管を通過させ、減肉及び延
伸圧延するに際して、任意あるいは最終のロール・スタ
ンドの出側で、圧延された前記中空素管の断面形状を測
定すると共に、該測定値に基づき素管の外周長さ及びバ
ルジ部の外面曲げ半径を求め、それらの値に応じて各ロ
ール・スタンドでのロールの圧下量及び/又は回転速度
を調整することを特徴とするマンドレル・ミルによる鋼
管の圧延方法である。
外面曲げ半径の値に予めそれぞれの閾値を定め、前記測
定値に基づき求めた値が該閾値より小さい場合にのみ、
閾値より大きくなるように各ロール・スタンドでのロー
ルの圧下量及び/又は回転速度を調整するのが好まし
く、また前記測定値に基づき求めた素管の外周長さ及び
バルジ部の外面曲げ半径のいずれもが該閾値より小さい
場合には、いずれもがその閾値より大きくなるように、
一方毎に順次各ロール・スタンドでのロールの圧下量及
び/又は回転速度を調整するのが良い。さらに、前記断
面形状の測定を、レーザ距離計で行うのが良い。
いかなる材質の素管であっても、内面欠陥や圧延不良の
発生が少ないマンドレル・ミルによる鋼管の圧延が可能
になる。
発明の実施の形態について説明する。まず、発明者は、
従来の手間がかかり且つ精度の低い方法よりも、もっと
簡単な手法で信頼性が高い鋼管の圧延方法とするため、
理論的より実践的な解決方法を模索することにした。そ
して、従来のバルジ部内面の最小曲げ半径に基づいた内
面欠陥を生じさせない許容上限バルジ幅に代わる圧延状
況判断の指標を発見すべく試験操業を行った。得られた
データは、多面的に解析され、図2及び3に示すような
非常に好ましいに結果を得た(なお、図2は、第4ロー
ル・スタンドの出側で、図3は第7ロール・スタンドの
出側で測定した値である)。
で測定した圧延された素管のバルジ部の外面半径(図5
の記号A)及び外周長さが「ある値」(図では、矢印5
で示す)を常に超えるように操業を行うと、内部欠陥が
発生しないし、圧延不良が起きないことを知った。この
圧延された素管3のバルジ部の外面半径及び外周長さ
は、素管の外側からの測定で容易に実施できるので、前
記「ある値」を指標にできるなら、従来のバルジ部内面
の最小曲げ半径に基づいた内面欠陥を生じさせない許容
上限バルジ幅の決定に比べて非常に簡単で、且つ省力に
なる。そこで、前記「ある値」を圧延状況を判定する閾
値とし、実際の素管バルジ部の外面半径及び素管外周長
さを実際に該閾値を超えるように調整する手段を検討し
た。その結果、素管バルジ部の外面半径及び素管外周長
さのいずれに対しても、ロールの圧下量あるいは回転速
度の影響が大きいことがわかり、これらと前記閾値との
組み合わせで本発明を完成させた。本発明の内容を図1
に模式的に示しておく。
素管外周長さに対してそれぞれ設定するので、2つにな
る。従って、状況判断も2つになり、ロールの圧下量及
び/又は回転速度を調整する操作が複雑になると思われ
る。しかしながら、実際の操業では、測定値に基づき求
めた素管バルジ部の外面半径及び素管外周長さの両方の
値が共に閾値より小さくなる頻度は低く、いずれか一方
であることが多い。また、例え両方の値が共に閾値より
小さくなる場合が生じても、いずれか一方の判断でロー
ルの圧下量及び/又は回転速度を調整してから、他方の
判断による操作を実行すれば、本発明の実施は容易にで
きる。
及び素管外周長さの値をロールの圧下量及び/又は回転
速度の変更で調整するには、両者間の定量的な関係が必
要である。しかし、この関係は、過去の多くの操業実績
から容易に決定できるので、入手は容易である。また、
各スタンドで圧延された素管の前記断面形状の測定は、
以前から接触式あるいは非接触式の計器で種々試みられ
ているので、それらの技術を利用すれば良い。本発明で
は、特にマンドレル・ミルのスタンド間の隙間が狭い理
由でレーザ距離計で行うことを推奨する。
ドレル・ミルによる鋼管の圧延方法を適用した。マンド
レル・ミルとしては、図1に示した8段にロール・スタ
ンド2を配設したものを用い、第1スタンド入側の素管
外径を203mmとし、最終スタンド出側の圧延済み管
径を172mmにすることにした。なお、素管3は加熱
炉(図示せず)において、1250℃に加熱されてい
る。レーザ距離計6を第4スタンドの出側に配設し、該
スタンドから抜け出してきた素管3の断面形状(断面プ
ロフィール)7をその位置で実測した。実測結果は直ち
にロールの圧下量制御装置や回転速度制御装置に送ら
れ、前記閾値と比較して状況を判定し、必要に応じてロ
ールの回転数もしくは圧下量の調整を行った。その調整
例を、第4ロール・スタンドの場合で図8(a)及び
(b)に示す。いずれの場合も調整が良好に行われてい
ることが明らかである。
製造本数×100)及び圧延不良の発生率(圧延不良発
生本数/全製造本数×100)で評価し、従来のバルジ
幅に基づく圧延方法での結果と比較して表1に示す。表
1により、本発明がいずれの鋼種においても優れた圧延
方法であることが確認された。
より簡単な手法で、いかなる材質の素管であっても、内
面欠陥や圧延不良の発生が少ないマンドレル・ミルによ
る鋼管の圧延が可能になる。
を説明する模式図である。
閾値を示す図である。
を示す図である。
る。
最小内面曲げ半径と熱間加工性との関係を示す図であ
る。
する図である。
及び圧下量(b)の経時変化を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 一対の孔型ロールを備えたロール・スタ
ンドを多段に配設したマンドレル・ミルに、鋼鋳片から
なる中空素管の孔にマンドレル・バーを挿入した状態で
該中空素管を通過させ、減肉及び延伸圧延するに際し
て、 任意あるいは最終のロール・スタンドの出側で、圧延さ
れた前記中空素管の断面形状を測定すると共に、該測定
値に基づき素管の外周長さ及びバルジ部の外面曲げ半径
を求め、それらの値に応じて各ロール・スタンドでのロ
ールの圧下量及び/又は回転速度を調整することを特徴
とするマンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法。 - 【請求項2】 素管の外周長さ及びバルジ部の外面曲げ
半径の値に予めそれぞれの閾値を定め、前記測定値に基
づき求めた値が該閾値より小さい場合にのみ、閾値より
大きくなるように各ロール・スタンドでのロールの圧下
量及び/又は回転速度を調整することを特徴とする請求
項1記載のマンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法。 - 【請求項3】 前記測定値に基づき求めた素管の外周長
さ及びバルジ部の外面曲げ半径のいずれもが該閾値より
小さい場合には、いずれもがその閾値より大きくなるよ
うに、一方毎に順次各ロール・スタンドでのロールの圧
下量及び/又は回転速度を調整することを特徴とする請
求項2記載のマンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法。 - 【請求項4】 前記断面形状の測定を、レーザ距離計で
行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
マンドレル・ミルによる鋼管の圧延方法。
Priority Applications (1)
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CN101767108B (zh) * | 2009-12-23 | 2012-08-08 | 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 | 无缝钢管的周期轧制方法 |
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-
2001
- 2001-03-12 JP JP2001068858A patent/JP4613431B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN115464477B (zh) * | 2022-09-05 | 2024-05-07 | 浙江浩鸿不锈钢有限公司 | 一种船舶用高光洁耐腐蚀高强度无缝钢管的自动化加工设备 |
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