JP2007061395A - 杖及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空で外殻が繊維強化樹脂材料から成る杖の把持部を形成することで、従来品と比べ、より一層の軽量化され、且つ強度が確保されてなる杖及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】杖1は、その本体を与える長手の支柱部6と、該支柱部6の上端部に使用者にて把持される把持部2が設けられる一方、下端部には、使用時に接地せしめられるゴム製の石突き7が取り付けられて杖1が形成され、前記把持部2は、外殻を繊維強化樹脂材料で形成され、且つ、内部に中空部を有する外殻構造を有するもので、全体として、略T字形形状を呈しており、一体的な構成となっている。
【選択図】図1
【解決手段】杖1は、その本体を与える長手の支柱部6と、該支柱部6の上端部に使用者にて把持される把持部2が設けられる一方、下端部には、使用時に接地せしめられるゴム製の石突き7が取り付けられて杖1が形成され、前記把持部2は、外殻を繊維強化樹脂材料で形成され、且つ、内部に中空部を有する外殻構造を有するもので、全体として、略T字形形状を呈しており、一体的な構成となっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、杖の把持部の外殻を繊維強化樹脂材料で形成された杖およびその製造方法に関するものである。
従来、杖(ステッキやポールとも称される)は、高齢者等の足の不自由な人のみならず、健常者においてもトレッキングや軽登山等において使用されている。
このような、杖は、通常、棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に取り付けられて、構成されている。
前記杖においては、構造的に多少の違いはあるものの、何れにしろ、それらの殆どが、木製やアルミニウム合金等の材質から成っている。
このような、杖は、通常、棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に取り付けられて、構成されている。
前記杖においては、構造的に多少の違いはあるものの、何れにしろ、それらの殆どが、木製やアルミニウム合金等の材質から成っている。
しかし、前記木製の杖にあっては、重量が大きく、強度的にも問題がある。また、環境の変化によって膨潤、乾燥が繰り返され、それによって、支柱部に反りが生じたり、表面の塗料が剥がれたりする問題がある。また、前記アルミニウム合金製の杖においては、木製の杖に比して、軽量化されてはいるものの、衝撃によって、凹みや曲がりが生じ易い問題がある。
一方、最近では、支柱部を繊維強化樹脂材料にて構成された杖が、提案されているが、このような前記支柱部を有する杖においては、前記従来の木製やアルミニウム合金製の杖に比べて、軽量化が得られ、反りや腐食の問題が解消されている。
しかし、前記支柱部を有する杖においても、従来の木製やアルミニウム合金製等の杖よりも軽量化されたとはいえ、180g以上の質量を有していることから、未だ質量が大きく、更なる軽量化が望まれている。
また、把持部においては、繊維強化樹脂材料で構成されている杖が提案されているが、このような、前記把持部を有する杖においては、例えば、把持部の強度を得るために、該把持部の内部が樹脂発泡体で構成されている。
この種の把持部の製造方法としては、例えば、高密度発泡ウレタンを金型内に加圧注入して所定の把持部の立体形状を有する芯部を形成し、該芯部の全外周に補強繊維のプリプレグ(繊維に未硬化の樹脂を含浸させたもの)を数層に亘って積層して該芯部を包被し、これらを成形金型内に挿入した後に該金型を型締めすると共に加熱して内部の熱硬化性樹脂を一体的に硬化せしめてなる把持部が形成されている。
この種の把持部の製造方法としては、例えば、高密度発泡ウレタンを金型内に加圧注入して所定の把持部の立体形状を有する芯部を形成し、該芯部の全外周に補強繊維のプリプレグ(繊維に未硬化の樹脂を含浸させたもの)を数層に亘って積層して該芯部を包被し、これらを成形金型内に挿入した後に該金型を型締めすると共に加熱して内部の熱硬化性樹脂を一体的に硬化せしめてなる把持部が形成されている。
しかし、同一形状を有する前記芯部を作製するには手間がかかる。即ち、高密度発泡ウレタンを所定の寸法に設計された金型内に加圧注入して芯部を作製する必要があり、作製が容易ではなく、コストも高くなる。また、前記把持部内に芯部が存在するということは、外殻内部が中空なものに比べると、その分だけ杖が重くなることを意味し、設計の自由度を制約する要因となっていた。
そこで、杖の把持部が、繊維強化樹脂材料の中空体にて構成されている杖が、特許文献1に開示されている。その製造方法としては、把持部を縦方向に半割してなる二つの半割体に対応する形状の成形キャビティをそれぞれ有する2種類の成形用金型を用い、カーボン繊維クロス強化樹脂からなる外側層と一方向カーボン繊維強化樹脂からなる内側層とが積層せしめられて構成された二つの半割体を得る。それら二つの半割体を、それぞれの分割面において互いに突き合わせた状態で接着して、一体物とした構造を有する把持部を得ることが明細書中に開示されている。
特開平10−24075号公報
しかし、特許文献1に開示されている棒状つえの把持部の製造方法は、二つの半割体を成形する工程、二つの半割体をそれぞれの分割面において互いに突き合わせた状態で接着する工程等を経て把持部が形成されているため、多大な時間と手間がかかるという問題がある。
また、前記把持部は、中空体にて構成されているために、従来と比べ、軽量化されてはいるものの、二つの半割体おいて互いに突き合わせた状態で接着した構成であるため、落下等の衝撃によって、接着した接合部から半割体の剥がれやヒビ等が発生する可能性がある。このような問題を解決するためには、二つの半割体の分割面の面積を大きくし、接着面積を大きくする必要がある。従って、前記把持部が中空構造であっても、把持部の肉厚は厚く形成されることとなり、杖全体としての軽量化が得られていない。
そこで、本発明は、上記問題を解決することで、中空で外殻が繊維強化樹脂材料から成る杖の把持部を形成することで、従来品と比べ、より一層の軽量化され、且つ強度が確保されてなる杖及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る杖は、棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に接合されて構成されている杖あって、前記把持部は、外殻を繊維強化樹脂材料で形成され、且つ、外殻内部に中空部が形成されていることを特徴とする杖である。
本発明の請求項2に係る杖は、請求項1に係わる杖であって、前記把持部の外殻層の一部が他の部分よりも厚肉に形成されていることを特徴とする杖である。
本発明の請求項3に係る杖の製造方法は、棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に接合されて構成されている杖の製造方法であって、略把持部形状の芯材の外周に繊維強化樹脂材料を配設したのち、該芯材を抜き取って中空部を得る工程と、該中空部の内部に弾力性を有するチューブを挿入し、予備成形体を得る工程と、該予備成形体を所望の把持部形状を有する金型内に配置して型締め後、前記チューブ内に内圧を加えて膨張させることにより、前記予備成形体を成形型の型内面に沿わせて加圧加熱して把持部を成形する工程と、その後、該把持部と支柱部を接合する工程とからなることを特徴とする杖の製造方法である。
本発明の請求項4に係る杖の製造方法は、請求項3に係わる杖の製造方法であって、前記予備成形体の少なくとも一部の位置に、予備成形体の一部をなす繊維強化樹脂材料と異なる種類の材料を、少なくとも1層以上配置した杖の製造方法である。
本発明における杖によれば、把持部の外殻内部には、中空部が形成されることで、従来の把持部に比べ、把持部、ひいてはそれが取り付けられる杖全体の軽量化が図られ得る。
更に、把持部の外殻層の一部が他の部分よりも厚肉に形成されているため、把持部の強度向上が得られ、また、厚肉は、把持部の必要な部分のみに形成するので、質量の無駄な増加がなく杖全質量の増加を防ぐことができる。
本発明における杖の製造方法によれば、杖の製造過程で、外殻内部が中空で芯部がない把持部を有する杖が容易に得られ、この結果、極めて軽量化した杖を再現性よく製造できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の杖を示す全体図、図2は、杖の把持部を示す説明図、図3〜図9は、本発明に係わる杖の製造方法を示す説明図である。
本実施形態の杖は、図1に示すように、その本体を与える長手の支柱部6と、該支柱部6の上端部に使用者にて把持される把持部2が設けられる一方、下端部には、使用時に接地せしめられるゴム製の石突き7が取り付けられて杖1が形成されている。
より具体的には、前記支柱部6は、全体として、繊維強化樹脂材料により形成される円筒パイプから構成されている。
また、図1及び図2に示すように前記把持部2は、外殻を繊維強化樹脂材料で形成され、且つ、内部に中空部5を有する外殻構造を有するもので、全体として、略T字形形状を呈しており、一体的な構成となっている。そして、かかる把持部2にあっては、T字形の頭部と脚部が、それぞれ、ハンドル部3と接合部4とされ、この接合部4において、支柱部6の上端部に外嵌されて、接合されていると共に、そのような支柱部6への接合状態下で、ハンドル部3が、使用者によって把持され得るように構成されているのである。
一方、かかる支柱部6の下端部に取り付けられる石突き7は、ゴム材料やエラストマ材料からなる一体成形品にて構成されており、その上側部位を与える、下方に向かうに従って次第に大径となる略円錐台形状を成す。
一方、かかる支柱部6の下端部に取り付けられる石突き7は、ゴム材料やエラストマ材料からなる一体成形品にて構成されており、その上側部位を与える、下方に向かうに従って次第に大径となる略円錐台形状を成す。
上記のように把持部2の外殻内部には、中空部5が形成されることで、従来の杖の把持部に比べ、把持部2、ひいてはそれが取り付けられる杖1全体の軽量化が図られ得るように構成させている。
また、前記把持部2の積層された外殻層2aの少なくとも一部を、該外殻層2aの他の部分よりも厚肉に形成して補強してなる構造としてもよい。
例えば、図2に示すように、把持部2のハンドル部3において、下側3aの厚みt2は、他の部分の厚みt1より厚肉とした構造とされている。
例えば、図2に示すように、把持部2のハンドル部3において、下側3aの厚みt2は、他の部分の厚みt1より厚肉とした構造とされている。
これは、把持部2の肉厚を薄肉化すると、把持部2の強度が不足することがあり、このような場合に備えて、把持部2の一部を他の部分よりも厚肉にして補強する構造としたものである。また、前記把持部2の外殻層の一部を他の部分よりも厚肉にするには、把持部の製造に際してプリプレグ等の積層数を他の部分よりも増やすのが好適である。しかも、厚肉は、把持部の必要な部分のみに形成するので、質量の無駄な増加がなく杖全質量の増加を防ぐことが出来る。
また、前記把持部2の厚さt1、t2は、軽量化と強度の兼ね合いより、好ましくは0.5mm〜4mm、より好ましくは0.8mm〜3mmとするのが望ましい。前記厚さが、0.5未満であると、例えば、肉厚が過度に薄くなって強度低下を招き、一方、4mmを超えると肉厚が過度に厚くなって質量増加を招く傾向があるなど、強度向上と質量量加とのバランスを損ねることになる。
なお、本発明に使用する繊維強化樹脂材料の強化繊維および樹脂としては、杖に通常使用されているものであれば特に限定されるものではない。すなわち、強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、高張力ポリエチレン繊維等の有機繊維を少なくとも一種使用することができ、樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を単独または混合して使用することができる。
以下、本発明を杖の製造方法に適用した実施形態例を図面にて詳細に説明する。
本発明の方法では、先ず、図3に示すように、所望する把持部の内部形状(外殻分だけ小さい形状)の近似形の芯材10を用意する。
なお、この段階での前記芯材10の形状は、最終成型品となる把持部の内部形状と同一又は相似形である必要はなく、大まかに一致する形状をしていればよい。
また、前記芯材の材質のとしては、シリコン、ナイロン等が好適に挙げられる。
なお、この段階での前記芯材10の形状は、最終成型品となる把持部の内部形状と同一又は相似形である必要はなく、大まかに一致する形状をしていればよい。
また、前記芯材の材質のとしては、シリコン、ナイロン等が好適に挙げられる。
次に、図4に示すように、前記芯材10の外周に、繊維強化樹脂材料からなる外殻成形材料11として、強化繊維を引揃え、樹脂を含浸させた所定の形状のプリプレグ11aを配設積層し、把持部2の形状を得る。
また、前記芯材10の外周に積層されるプリプレグ11aは、把持部のほぼ全体をなす主要なものであり、通常、3層から8層程度が積層される。
なお、プリプレグ11aの成形後の伸縮等を考慮して、その繊維方向が適切な配向性を有するように留意する。
また、前記芯材10の外周に積層されるプリプレグ11aは、把持部のほぼ全体をなす主要なものであり、通常、3層から8層程度が積層される。
なお、プリプレグ11aの成形後の伸縮等を考慮して、その繊維方向が適切な配向性を有するように留意する。
なお、外殻成形材料11を積層するに際しては、予め、芯材10の表面に例えば、シリコーンポリマー又は/及びフッ素系ポリマーからなる離型層を設けることで、積層後、芯材10を引き抜け易いようにしても良い。
また、前記外殻成形材料の材料の形態についてはとくに限定されない。例えば、外殻成形材料における強化繊維形態としては、一方向プリプレグ(UDプリプレグ)、織物プリプレグ、多軸編物プリプレグ、マットプリプレグ等が挙げられる。一般的には、一方向プリプレグが主体で、織物プリプレグ、多軸編物プリプレグ及びマットプリプレグは、一方向プリプレグと組み合わせて、副次的に使用することが多い。また、ヤーンプリプレグやトウプリプレグを用いるフィラメントワインディング法、縦糸を含む編み組み構造のブレーディング法等による成形方法でもよい。
次に、図5に示すように、略把持部形状の芯材10の外周に前記プリプレグ11aからなる外殻成形材料11を積層したのち、芯材10を抜き取って中空部5を得る。
そして、図6に示すように、積層された外殻成形材料11の中空部5内に、可撓性を有するチューブ13を挿入させ、把持部2の予備成形体12を得る。
そして、図6に示すように、積層された外殻成形材料11の中空部5内に、可撓性を有するチューブ13を挿入させ、把持部2の予備成形体12を得る。
また、前記チューブ13には可撓性が必要なだけでなく、後述する成形型内における加圧加温に耐えるものでなければならない。従って、チューブ13の材料は可撓性を持ち、150℃以上、好ましくは180℃以上の温度にも充分耐えられる材料であることが求められる。このような材料としては、例えば、ナイロン、シリコン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂製のチューブの他、これらを組み合わせてラミネートしたものなどでもよい。
なお、前記チューブ13を挿入するに際しては、予め、チューブ13の表面に例えば、シリコーンポリマー又は/及びフッ素系ポリマーからなる離型層を設けることで、成形後、予備成形体12からチューブを引き抜け易いようにしても良い。
本発明の製造方法によれば、上記した可撓性を有するチューブ13と外殻成形材料11の積層によって予備成形体12とされる。
また、前記可撓性を有するチューブ13の端部には、開口部14を設け、該開口部14の両側から気体を挿入できるようにする。このため、チューブ13の内部の全域に均一かつ充分な圧力を加えることができるのである。
次に、このようにして得られた前記予備成形体12を図7に示すような、成形型15の上型15a及び下型15bに形成された把持部に対応した形状のキャビティ16内に配置する。また、成形型15内に配置されたチューブ13の開口部14には口金が取り付けられ、圧縮空気を送るパイプと接続される。
次に、前記成形型15は、図示しないプレス機にセットされ、前記予備成形体12は加圧加温されるとともに内部には気体が挿入される。すなわち、成形型15がプレス機によってプレス固定された後、直ちに圧縮空気の開口弁を開いてチューブ13を膨らまし、予備成形体を金型内に押し当てて成形を行うのである。
この内圧付与により、前記チューブ13は外方に膨張するので、その外周面に巻かれている外殻成形材料11も徐々に膨張し、図8の状態を経て、外殻成形材料11が型内面15cに密着される図9の状態が得られる。
このように、積層された外殻成形材料11の内部のチューブ13が存在しているため、圧縮空気が漏れるといった心配がなく、圧縮空気の圧力が十分効果的に利用できる厚みであるので成形時に圧力が予備成形体内全体にわたって均等にかかり、把持部の外殻層が不均一になるといったことがなく成形できる。従って、外殻成形用材料11は、内部圧力で押されて緻密な繊維強化樹脂層となるとともに、その層の形状は、最終成型品となる把持部の外部形状に完全に一致したものとなる。
そして、上記の内圧をかけつつ所定時間だけ成形型15を加熱・加圧成形する。これによって、外殻成形材料11中の熱硬化性樹脂が硬化し、外殻を補強繊維で緊密かつ一体的に形成した中空の把持部2が得られる。
また、前記成形型15の加熱温度は110℃から165℃であり、繊維強化樹脂の樹脂が硬化するまで10分から60分程度加熱する。なお、加熱温度と硬化時間は繊維に含浸している樹脂によって異なるので使用樹脂に合わせて調節する。
また、成形型を加圧する圧力は特に限定されるものではなく、チューブ13への送気圧や樹脂の流動等によって成形型の蓋が浮き上がったり移動したりしない程度の圧力であればよい。
さらに、成形中のチューブ13内の圧力は0.1Mpaから1.0Mpa程度とされるが、本発明によれば、一般的な圧力である0.4Mpaから0.5Mpaよりも高く設定しても特に問題はない。
さらに、成形中のチューブ13内の圧力は0.1Mpaから1.0Mpa程度とされるが、本発明によれば、一般的な圧力である0.4Mpaから0.5Mpaよりも高く設定しても特に問題はない。
次に、前記加圧状態を一定時間保持して内圧成形を行った後、成形型を冷却し、硬化した成形品を型から取り出し、成形品の内部に残るチューブ13を取り除き、このようにして、図2に示されるような把持部2が得られる。
なお、成形型の冷却は任意の手段で行うことができるが、例えば、予備成形体の一端に開閉可能なバルブが挿入し、成形終了後、水や空気のような冷却用媒体をノズルから、開いた状態としたバルブへと流動させることができ、成形品15を急冷することができる。これにより、成形サイクルの短縮が図られ、生産性が向上する。
また、把持部の予備成形体12には、把持部を補強するため、予備成形体12の所望となる位置に、予備成形体12の一部をなす上記外殻成形材料11とは異なる種類の材料を少なくとも1層以上配設することができる。
配置場所は、ハンドル部や接合部等に必要に応じて配置され、また、予備成形体の層上であっても層間であってもよい。ここで、異なる種類のプリプレグとは、主に性質が異なることをいい、例えば、比較的弾性率の高い繊維強化樹脂、無機繊維に対する有機繊維、アモルファス繊維等の強化繊維、織物プリプレグ等を使用したものが挙げられる。
配置場所は、ハンドル部や接合部等に必要に応じて配置され、また、予備成形体の層上であっても層間であってもよい。ここで、異なる種類のプリプレグとは、主に性質が異なることをいい、例えば、比較的弾性率の高い繊維強化樹脂、無機繊維に対する有機繊維、アモルファス繊維等の強化繊維、織物プリプレグ等を使用したものが挙げられる。
その後、前記得られた把持部を前述の如くして得られた支柱部6の長さ方向一端部に接着剤等で固着することで、図1に示される杖1を得るのである。
また、把持部と支柱部との接合は、把持部と予め成型しておいた支柱部との接合部に例えば、テープ状の補強繊維を巻き付け、内圧成形法によって把持部を成型すると共に把持部と支柱部とを固定することにより杖を成形することもできる。
また、把持部と支柱部との接合は、把持部と予め成型しておいた支柱部との接合部に例えば、テープ状の補強繊維を巻き付け、内圧成形法によって把持部を成型すると共に把持部と支柱部とを固定することにより杖を成形することもできる。
上記本発明により製造した把持部の繊維強化樹脂製材料からなる外殻成形材料の繊維含有率が40体積%〜70体積%としている。
これにより、把持部の高剛性化、軽量化を図ると共に、耐衝撃強度を向上させることができる。上記範囲としているのは、繊維含有率が45体積%より小さいと、フレーム成形品の肉厚増加が大きく、各断面において断面2次モーメントが小さくなる。また、成形品の繊維含有率も低いことを意味しており、高剛性設計が困難になるという問題があるためである。また、繊維含有率が70体積%より大きいと、高剛性化は可能であるが、樹脂割合が低下することとなり、衝撃強度が低下するという問題があるためである。
これにより、把持部の高剛性化、軽量化を図ると共に、耐衝撃強度を向上させることができる。上記範囲としているのは、繊維含有率が45体積%より小さいと、フレーム成形品の肉厚増加が大きく、各断面において断面2次モーメントが小さくなる。また、成形品の繊維含有率も低いことを意味しており、高剛性設計が困難になるという問題があるためである。また、繊維含有率が70体積%より大きいと、高剛性化は可能であるが、樹脂割合が低下することとなり、衝撃強度が低下するという問題があるためである。
また、把持部の繊維強化樹脂製材料からなる外殻成形材料の樹脂割合は、35重量%以上60重量%以下であることが好ましい。これにより、プリプレグのボイドの低減、目付量のばらつきを抑制しながら、耐衝撃強度を向上させることができる。成形時には樹脂流出が起こり、上記範囲の繊維含有率となるためである。また、成形時の予備成形体内への内圧、成形型を加圧する圧力及び、昇温速度、昇温開始温度による樹脂粘度と硬化時間を調整することで、繊維含有率を上記範囲とすることができる。
また、繊維強化樹脂製材料の繊維目付量は、60g/m2以上250g/m2以下が好ましく、プリプレグ目付量は、150g/m2以上400g/m2以下が好ましい。上記範囲としているのは、目付量が上記範囲より小さいと、プリプレグの樹脂割合や目付量のばらつきが大きくなり、成形品の物性が不安定になるという問題があり、上記範囲より大きいと、同一重量にするにはプリプレグ積層数が減少し、設計自由度が低下する上に、目付量が大きいことは、プリプレグ厚みも増加し、プリプレグ端が下にある場合に、次層のプリプレグが重なった場合、繊維のクリンプが大きくなり強度低下が起こるという問題があるためである。
上記のように実施の形態によれば、杖の製造過程で、外殻内部が中空で芯部がない把持部を有する杖が容易に得られる。この結果、杖全質量が110g〜170gといった極めて軽量化した杖を再現性よく製造することができる。
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。
図3に示す、芯材10には、ナイロン製のものを使用し、予め、略把持部形状とした。
前記芯材10の外周に積層する外殻成形材料のプリプレグ11には、エポキシ樹脂で、樹脂割合は42重量%、カーボン繊維目付量が100g/m2、プリプレグの目付量172g/m2の一方向繊維のプリプレグを使用した。
図3に示す、芯材10には、ナイロン製のものを使用し、予め、略把持部形状とした。
前記芯材10の外周に積層する外殻成形材料のプリプレグ11には、エポキシ樹脂で、樹脂割合は42重量%、カーボン繊維目付量が100g/m2、プリプレグの目付量172g/m2の一方向繊維のプリプレグを使用した。
図4に示す、略把持部形状の芯材10の外周に前記プリプレグ11を積層したのち、芯材10を抜き取って中空部5を得た。
また、前記把持部2のハンドル部3の下側3aを、該外殻層の他の部分よりも厚肉に形成して補強してなる構造とし、前記プリプレグ11を前記下側3aに7層、その他の部分を5層積層した。
また、前記把持部2のハンドル部3の下側3aを、該外殻層の他の部分よりも厚肉に形成して補強してなる構造とし、前記プリプレグ11を前記下側3aに7層、その他の部分を5層積層した。
次に、図6に示すように、積層された外殻成形材料の中空部5内に、可撓性を有するナイロン製のチューブ13を挿入させ、把持部2の予備成形体12を得た。
次に、前期予備成形体12を図7に示すような、成形型15の上型15a及び下型15bに形成された把持部に対応した形状のキャビティ16内に配置した。また、成形型15内に配置された予備成形12のチューブの開口部には口金が取り付けられ、圧縮空気を送るパイプと接続された。
次に、前期予備成形体12を図7に示すような、成形型15の上型15a及び下型15bに形成された把持部に対応した形状のキャビティ16内に配置した。また、成形型15内に配置された予備成形12のチューブの開口部には口金が取り付けられ、圧縮空気を送るパイプと接続された。
次いで、成形型を閉めてプレス機で加圧加熱して成形する。なお、成形型15の加圧する圧力を13Mpa、成形型の温度130℃とした。
成形型に充分圧力が加わったら、圧縮空気の弁を開いてチューブ13内を0.4Mpaの圧力条件で30分間保持した。
この内圧付与により、チューブ13は外方に膨張するので、その外周面に巻かれている外殻成形材料11も徐々に膨張し、外殻成形材料11が型内面に密着された。
成形型に充分圧力が加わったら、圧縮空気の弁を開いてチューブ13内を0.4Mpaの圧力条件で30分間保持した。
この内圧付与により、チューブ13は外方に膨張するので、その外周面に巻かれている外殻成形材料11も徐々に膨張し、外殻成形材料11が型内面に密着された。
このようにして内圧成形を行った後、冷却パイプを介して成形型15内に冷却水を注入して型を50℃以下に冷却し、型を開いて、硬化した成形品を型から取り出した。
次いで、成形品の内部に残るチューブ13を取り除いて、図2に示す把持部を得た。
次いで、成形品の内部に残るチューブ13を取り除いて、図2に示す把持部を得た。
図2に示すように、把持部2のハンドル部3においては、下側3aの厚みt2が1.5mmで形成され、その他の部分の厚みt1が1.0mmとした構成の把持部を得た。
上記のように把持部2が中空構造であっても、把持部の肉厚は薄く形成されることとなり、杖全体としての軽量化が図られた。
その後、前記得られた把持部2を予め得られた支柱部6の長さ方向一端部にエポキシ接着剤で固着し、図1に示される杖1を得た。
その結果、全質量が約140gとなり、極めて軽量化した杖を再現性よく製造できた。
その結果、全質量が約140gとなり、極めて軽量化した杖を再現性よく製造できた。
1 杖
2 把持部
3 ハンドル部
3a 下側
4 接合部
5 中空部
6 支柱部
7 石突き
10 芯材
11 外殻成形材料
11a プリプレグ
12 把持部予備成形体
13 チューブ
14 開口部
15 成形型
15a 上型
15b 下型
15c 型内面
16 キャビティ
2 把持部
3 ハンドル部
3a 下側
4 接合部
5 中空部
6 支柱部
7 石突き
10 芯材
11 外殻成形材料
11a プリプレグ
12 把持部予備成形体
13 チューブ
14 開口部
15 成形型
15a 上型
15b 下型
15c 型内面
16 キャビティ
Claims (4)
- 棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に接合されて構成されている杖あって、前記把持部は、外殻層を繊維強化樹脂材料で形成され、且つ、外殻内部に中空部が形成されていることを特徴とする杖。
- 前記把持部の外殻層の一部が他の部分よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項1の杖。
- 棒状の支柱部と、使用者にて把持される把持部とを含み、該把持部が、該支柱部の一端側に接合されて構成されている杖の製造方法であって、略把持部形状の芯材の外周に繊維強化樹脂材料を配設したのち、該芯材を抜き取って中空部を得る工程と、該中空部の内部に弾力性を有するチューブを挿入し、予備成形体を得る工程と、該予備成形体を所望の把持部形状を有する金型内に配置して型締め後、前記チューブ内に内圧を加えて膨張させることにより、前記予備成形体を成形型の型内面に沿わせて加圧加熱して把持部を成形する工程と、その後、該把持部と支柱部を接合する工程とからなることを特徴とする杖の製造方法。
- 前記予備成形体の少なくとも一部の位置に、予備成形体の一部をなす繊維強化樹脂材料と異なる種類の材料を、少なくとも1層以上配置した請求項3に記載の杖の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005251916A JP2007061395A (ja) | 2005-08-31 | 2005-08-31 | 杖及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005251916A JP2007061395A (ja) | 2005-08-31 | 2005-08-31 | 杖及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5006469B1 (ja) * | 2011-12-19 | 2012-08-22 | みよ子 沖山 | 杖 |
Citations (4)
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JPS4928614B1 (ja) * | 1969-01-30 | 1974-07-27 | ||
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JP2003009920A (ja) * | 2001-07-04 | 2003-01-14 | Maeda:Kk | 衝撃吸収性に優れた杖 |
-
2005
- 2005-08-31 JP JP2005251916A patent/JP2007061395A/ja active Pending
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