JP2003009920A - 衝撃吸収性に優れた杖 - Google Patents

衝撃吸収性に優れた杖

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JP2003009920A JP2001202842A JP2001202842A JP2003009920A JP 2003009920 A JP2003009920 A JP 2003009920A JP 2001202842 A JP2001202842 A JP 2001202842A JP 2001202842 A JP2001202842 A JP 2001202842A JP 2003009920 A JP2003009920 A JP 2003009920A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より十分な緩衝性能が発揮されて、使用性が
効果的に高められ得る衝撃吸収性に優れた杖を提供す
る。 【解決手段】 エラストマ部材からなる杖先部14の取
付穴24内に、支柱部材10の下端部を挿入することに
より、該杖先部14を、該支柱部材10の下端部に取り
付ける一方、該取付穴24内における、該取付穴24の
底面と、該取付穴24内に挿入された該支柱部材10の
下端面との間に、該杖先部14よりも軟質の、変形が容
易な弾性材料からなる衝撃吸収体26を介在せしめるよ
うに収容配置して、構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、高齢者や障害者、或いは負傷者
等によって使用される杖に係り、特に、優れた衝撃吸収
性が発揮され得るように改善された杖の新規な構造に関
するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、高齢者や障害者、或いは負傷者
等、日常生活において介助者が必要とされる者等は、立
ち上がったり、歩行したりする際等に、自らの体重を支
えるため等に、棒状杖や松葉杖、多脚杖等、各種の杖を
使用している。
【0003】ところで、それら各種の杖には、通常、そ
の長手の支柱部材の上端部に、使用者にて把持される把
持部が設けられる一方、下端部には、使用時に接地せし
められる杖先部が取り付けられてなる構造とされてい
る。そして、一般に、かかる杖先部が、滑り抵抗に優れ
たエラストマ部材(ゴム部材を含む)にて構成されてお
り、それによって、路面上や床上等での使用時に、杖先
部が、それら路面や床等に対して滑り抵抗を発揮しつ
つ、ある程度弾性変形せしめられて、路面や床に対する
滑りが防止され得ると共に、該杖先部と路面や床との接
触によって生ずる衝撃が緩和され得るようになっている
のである。
【0004】しかしながら、そのような従来の杖に取り
付けられているエラストマ製の杖先部は、耐摩耗性の低
下を防ぐ上から、比較的に硬度の高い材料を用いて形成
されており、そのために、かかる杖先部が取り付けられ
てなる杖が、緩衝性能において、今一つ不十分なものと
なってしまうことが避けられなかったのである。
【0005】それ故、かかる従来からの杖にあっては、
例えば、少しの衝撃でも大きな痛みを感じるリウマチ患
者や、その他の傷病者等が使用する杖としては、到底供
され得るものではなかったのであり、その点において、
大きな改良の余地が存していたのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、より十分な緩衝性能が発揮され得、以て
少しの衝撃でも大きな痛みを感じる傷病者等においても
可及的に小さな負担で使用可能な衝撃吸収性に優れた杖
を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、長手の支柱部材の上端部に、使用者にて
把持される把持部が設けられる一方、下端部には、使用
時に接地せしめられる杖先部が取り付けられてなる杖に
おいて、前記杖先部を、前記支柱部材の下端部が挿入せ
しめられる、有底の取付穴を有するエラストマ部材にて
構成すると共に、該取付穴内に、該エラストマ部材より
も軟質の、変形が容易な弾性材料からなる衝撃吸収体を
収容して、前記支柱部材の下端部と該取付穴の底面との
間に、該衝撃吸収体が介在せしめられるようにしたこと
を特徴とする衝撃吸収性に優れた杖を、その要旨とする
ものである。
【0008】このような本発明に従う衝撃吸収性に優れ
た杖にあっては、支柱部材の下端部に取り付けられて、
使用時に接地される杖先部が、エラストマ部材にて構成
されているため、かかる杖先部が接地せしめられた際に
生ずる衝撃が、該杖先部の弾性変形作用により、ある程
度吸収され得るのである。しかも、そのような杖先部の
支柱部材が挿入される取付穴内における、該支柱部材の
下端部と該取付穴の底面との間に、該杖先部を構成する
エラストマ部材よりも軟質の、変形が容易な弾性材料か
らなる衝撃吸収体が介在せしめられているところから、
杖先部を接地させた際に、衝撃吸収体が、杖先部よりも
大きな変形量で、更に容易に弾性変形せしめられ、そし
てそれによって、支柱部材から、該衝撃吸収体を介して
杖先部に伝達される荷重が有利に減少せしめられ得て、
杖先部の接地時に生ずる衝撃が、かかる衝撃吸収体の弾
性変形により、更に有効に吸収され得るようになるので
ある。
【0009】それ故、かかる本発明に従う衝撃吸収性に
優れた杖においては、杖先部の弾性変形による衝撃吸収
作用と、衝撃吸収体の弾性変形による更に有効な衝撃吸
収作用とが相俟って、単に、杖先部がエラストマ部材に
て構成されただけの従来品に比して、より高度な衝撃吸
収特性が効果的に発揮され得て、杖先部を接地せしめた
際に、支柱部材を通じて、その上端部を把持する使用者
に伝わる衝撃力が、極めて有利に小さく為され得ること
となるのである。
【0010】従って、かくの如き本発明に従う衝撃吸収
性に優れた杖においては、従来品では到底得られない、
より十分な緩衝性能が有利に発揮され得、それによっ
て、例えばリウマチ患者等、少しの衝撃でも大きな痛み
を感じる傷病者等も、可及的に小さな負担で使用が可能
となるのである。そして、その結果として、従来品を使
用出来なかった者が使用可能となるいった、極めて優れ
た使用性が、効果的に発揮され得ることとなるのであ
る。
【0011】なお、このような本発明に従う衝撃吸収性
に優れた杖の好ましい態様の一つによれば、前記支柱部
材が、炭素繊維強化樹脂材料からなるパイプにて構成さ
れる。これによって、かかる支柱部材、ひいては杖全体
において、優れた機械的強度と軽量性とが付与され得、
以て使用性の更なる向上を図りつつ、その使用耐久性
が、効果的に高められ得るのである。
【0012】また、本発明に従う衝撃吸収性に優れた杖
の別の有利な態様の一つによれば、前記杖先部がゴム製
品にて形成される一方、前記衝撃吸収体が、制振性を有
する熱可塑性エラストマにて形成される。これによっ
て、杖先部の接地部位における衝撃吸収性が確保しつ
つ、衝撃吸収体において、制振性に基づいた振動減衰特
性に由来する、より優れた衝撃吸収性能が有利に発揮さ
れ得、以て、更に一層高度な緩衝性能が発揮され得て、
更なる使用性の向上が、より高いレベルで効果的に達成
され得ることとなるのである。
【0013】さらに、本発明に従う衝撃吸収性に優れた
杖の望ましい他の態様の一つによれば、前記衝撃吸収体
が、球状体形状や円環体形状を有して、構成される。こ
のような構造を有する杖にあっては、例えば、杖先部
に、支柱部材が挿入せしめられる取付穴を、単純なリン
グ形状や円筒形状等の円環体形状において形成すれば、
かかる取付穴内に収容される、球状体形状の衝撃吸収体
と該取付孔の内面との間、或いは円環体形状の衝撃吸収
体の内孔内に、それぞれ空隙が形成され、それによっ
て、それら球状体形状乃至は円環体形状を呈する衝撃吸
収体が、支柱部材から伝わる荷重にて、かかる空隙内
に、一部が侵入するようにして、より容易に弾性変形せ
しめられ得ることとなり、以て、更に一層優れた衝撃吸
収性が確保され得て、緩衝性能と使用性の向上が、より
効果的に図られ得るのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る、衝撃吸収性に優れた杖
の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明するこ
ととする。
【0015】先ず、図1には、本発明に従う構造を有す
る、衝撃吸収性に優れた杖の一実施形態としての棒状杖
が、その正面形態において概略的に示されている。かか
る図1からも明らかなように、本実施形態の棒状杖は、
その本体を与える長手の支柱部材10と、該支柱部材1
0の上端部に設けられた把持部12と、該支柱部材10
の下端部に取り付けられた杖先部14とを有して、構成
されている。
【0016】そして、この棒状杖の本体を構成する支柱
部材10は、炭素繊維強化樹脂、例えば、カーボン繊維
クロス強化樹脂製の円筒パイプからなっている(図2参
照)。即ち、ここでは、支柱部材10が、例えば、所定
本数にて一束とされた、カーボン繊維の長繊維の各束が
縦横に製織されてなる平織状のクロスに、エポキシ樹脂
等の所定の樹脂材料を含浸せしめ、そして、かかるクロ
スを円筒状に巻き付けて、該クロス内に含浸せしめられ
たエポキシ樹脂材料を加熱硬化せしめる等して成形され
たパイプにて、構成されているのである。
【0017】また、把持部12は、全体として、略T字
形形状を呈しており、支柱部材10と同様なカーボン繊
維クロス強化樹脂製の一体的なパイプ製品からなってい
る。そして、かかる把持部12にあっては、T字形の頭
部と脚部が、それぞれ、ハンドル部16と固着部18と
され、この固着部18において、支柱部材10の上端部
に外嵌されて、固着されていると共に、そのような支柱
部材10への固着状態下で、ハンドル部16が、使用者
によって把持され得るように構成されているのである。
【0018】なお、このような把持部12や支柱部材1
0の構成材料は、例示の如きカーボン繊維クロス強化樹
脂に何等限定されるものではなく、アルミニウム合金等
の金属材料や木材、或いはカーボン繊維クロス強化樹脂
以外の炭素繊維強化樹脂、更には炭素繊維強化樹脂以外
の樹脂材料であっても良い。また、例示の如きカーボン
繊維クロス強化樹脂を用いる場合にあっても、かかる樹
脂材料を与えるカーボン繊維の種類は、特に限定される
ものではなく、例えば、ポリアクリロニトリル系やピッ
チ系等、各種のものの中から、機械的強度に優れたもの
が、適宜に選択、使用され得るのでり、更に、エポキシ
樹脂の種類も、特に限定されるものではなく、常温で固
体の性状を有するものであれば、如何なる種類のもの
も、有利に採用され得るのである。
【0019】一方、かかる支柱部材10の下端部に取り
付られる杖先部14は、図2に示されるように、従来品
と同程度の50〜70°の硬度(ショアA型デュロメー
ターにより測定した値)を有する、公知のゴム材料や熱
可塑性エラストマ材料等のエラストマ材料からなる一体
成形品にて構成されており、その上側部位を与える、下
方に向かうに従って次第に大径となる略円錐台形状の取
付部20と、該一体成形品の下側部位を構成する、円柱
状の接地部22とを有して、成っている。
【0020】また、この杖先部14にあっては、取付部
20の中心部に、上方に向かって開口し、且つ内周面が
円筒面とされた、有底の取付穴24が、軸方向に真っ直
ぐに延びるように形成されている。更に、この取付穴2
4は、前記支柱部材10の下端部の外径よりも僅かに小
さな内径と、前記接地部22に達する深さを有して、構
成されている。かくして、かかる杖先部14の取付穴2
4内に、支柱部材10の下端部が圧入されることによ
り、杖先部14が、取付部20において、支柱部材10
の下端部に対して固定的に取り付けられるようになって
いるのである。
【0021】そして、本実施形態においては、特に、こ
のような杖先部14の取付穴24内に、従来品には見ら
れない特別な衝撃吸収体26が、収容配置されている。
【0022】より詳細には、衝撃吸収体26は、全体と
して、杖先部14の取付穴24の内径と略同一か、それ
よりも僅かに小さな径を有する球状体形状を呈してお
り、杖先部14を構成する材料よりも高度の低い、軟質
で、変形が容易な弾性材料にて形成されている。また、
ここでは、特に、かかる衝撃吸収体26を与える弾性材
料として、制振性を有する熱可塑性エラストマが、有利
に用いられている。即ち、本実施形態においては、衝撃
吸収体26が、例えば、制振性を有する熱可塑性エラス
トマのコンパウンド[(株)クラレ製:ハイブラー]を
公知の金型成形により球状体形状に成形することによっ
て得られる成形品にて、構成されているのである。尤
も、本発明にあっては、かかる衝撃吸収体26を与える
材料としては、杖先部14よりも容易に変形し得る軟質
の弾性材料の何れもが適宜に用いられ、例えば、スチレ
ン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド
系、フッ素ポリマー系、ブレンド系等の各種熱可塑性エ
ラストマの他、HSN、末端変性エラストマ、高ビニル
SBR、高ビニルBR、トランスゴム、VCR、SIB
R等の中から、適宜に選択されることとなる。
【0023】そして、そのような衝撃吸収体26が、杖
先部14の取付穴24内における、該取付穴24の底面
と、該取付穴24内に挿入(圧入)された支柱部材10
の下端面との間に介在せしめられた状態で、それら取付
穴24の底面と、支柱部材10の下端面と、取付穴24
の内周面とに対して、それぞれ部分的に接触し、且つか
かる接触部以外では、それらの面との間に空隙28を形
成しつつ、移動不能に位置せしめられているのである。
【0024】かくして、かくの如き構造とされた本実施
形態の棒状杖にあっては、その使用者が、把持部12の
ハンドル部16を把持しつつ、自分の体重を支えるよう
にして、杖先部14を路面や床面等に接地させた際に、
図2に二点鎖線で示される如く、杖先部14が、比較的
に小さな量において、外方に膨出するように弾性変形せ
しめられ、それによって、該杖先部14の接地時に生ず
る衝撃が、ある程度吸収され得るようになっている。ま
た、図には明示されてはいないものの、支柱部材10を
斜めにした状態で、杖先部14を接地した際にも、該杖
先部14の接地部22が、その接地面の路面や床面との
接触面積を十分に確保しつつ、傾斜した状態で弾性変形
せしめられ、それによって、高度な安定性が得られると
共に、路面や床面に対する滑り抵抗も有効に維持され
て、優れた滑り止め効果が発揮され得るようになってい
るのである。しかも、かかる杖先部14が、従来品と同
様な硬度を有して構成されているため、従来品と同程度
の耐摩耗性が確保されているのである。
【0025】そして、かかる棒状杖においては、杖先部
14の接地時に、上述のように、該杖先部14が弾性変
形せしめられる一方で、杖先部14の取付穴24内に収
容位置せしめられた、該杖先部14よりも軟質で、変形
が容易な、制振性を有する衝撃吸収体26が、杖先部1
4の弾性変形量よりも大きな変形量で、しかも、制振性
に基づいた振動減衰特性を有利に発揮しつつ、弾性変形
せしめられるようになっており、それによって、支柱部
材10から、かかる衝撃吸収体26を介して杖先部14
に伝達される荷重が有利に減少せしめられ、以て、この
衝撃吸収体26において、杖先部14の接地時に生ずる
衝撃が、より有効に吸収せしめられ得るようになってい
るのである。
【0026】このように、本実施形態の棒状杖にあって
は、杖先部14を接地せしめた際に生ずる衝撃が、杖先
部14における接地部22の弾性変形によってある程度
吸収されるのに加えて、衝撃吸収体26の弾性変形によ
って、更に有効に吸収され得るようになっているため、
それらの協働作用にて、杖先部14の接地時に生ずる衝
撃が、より一層有利に吸収され得るのであり、それによ
って、単に、杖先部14をゴム材料にて形成しただけの
従来品に比して、より高度な衝撃吸収特性が効果的に発
揮され得、以て、杖先部14を接地せしめた際に、支柱
部材10の把持部12を把持する使用者に伝わる衝撃力
が、極めて有利に小さく為され得るのである。
【0027】従って、このような本実施形態に係る棒状
杖においては、従来品では到底得られない、より十分な
緩衝性能が有利に発揮され得、それによって、使用性の
向上が更に高いレベルで実現され得ることとなるのであ
る。
【0028】また、かかる本実施形態の棒状杖にあって
は、支柱部材10とその上端部に取り付けられる把持部
12が、炭素繊維強化樹脂材料の1種たるカーボン繊維
クロス強化樹脂パイプにて構成されているところから、
それら支柱部材10と把持部12、ひいては棒状杖の全
体において、優れた機械的強度と軽量性とが付与され
得、それによって、取扱性と使用耐久性とが、共に効果
的に高められ得るのである。
【0029】さらに、本実施形態の棒状杖においては、
衝撃吸収体26が球体状形状を有して構成されて、杖先
部14の取付穴24内に、その内面と底面及び該取付穴
24内に挿入される支柱部材10の下端面との間に空隙
28を形成しつつ、収容位置せしめられているところか
ら、杖先部14の接地時に、かかる衝撃吸収体26が、
それらの空隙28内に侵入するようにして、より容易に
弾性変形せしめられ得るのであり、その結果、更に一層
優れた衝撃吸収性が確保され得るのである。
【0030】次ぎに、図3には、本発明に従う構造を有
する棒状杖の別の例として、前記実施形態に示されるも
のとは異なる形状の衝撃吸収体30が、杖先部14の取
付穴24内に収容配置されてなるものが、示されてい
る。なお、この図3においては、前記実施形態と同様な
構造とされた部材及び部位について、前記実施形態を示
す図1及び図2と同様な符号を付すことにより、その詳
細な説明は、省略した。
【0031】すなわち、かかる図3からも明らかなよう
に、本実施形態では、衝撃吸収体30が、全体として、
杖先部14の取付穴24の内径と略同一か、それよりも
僅かに小さな外径を有する、円環体の1種たる円筒体形
状を呈している。また、この衝撃吸収体30は、ここで
も、杖先部14よりも軟質で、変形が容易な弾性材料で
ある、制振性を有する熱可塑性エラストマにて形成され
ている。
【0032】そして、そのような衝撃吸収体30が、杖
先部14の取付穴24内における、該取付穴24の底面
と、該取付穴24内に挿入(圧入)された支柱部材10
の下端面との間に介在せしめられた状態で、それら取付
穴24の底面と支柱部材10の下端面とに対して、高さ
方向の両端面の全面をそれぞれ接触させ、且つ取付穴2
4の内周面に、側面の全面を接触させつつ、移動不能に
位置せしめられているのである。
【0033】これによって、本実施形態の棒状杖にあっ
ては、その使用者が、把持部12のハンドル部16を把
持しつつ、自分の体重を支えるようにして、杖先部14
を路面や床面等に接地させた際に、図3に二点鎖線で示
される如く、杖先部14が、前記実施形態と同様に、比
較的に小さな量で、外方に膨出するように弾性変形せし
められることにより、杖先部14の接地時に生ずる衝撃
がある程度吸収され得るのであり、また、支柱部材10
を斜めにした状態で、杖先部14を接地した際にも、高
度な安定性と優れた滑り止め効果とが、十分に享受され
得、更には、杖先部14が従来品と同様な硬度を有して
いることによって、十分な耐摩耗性が発揮され得るよう
になっているのである。
【0034】そして、かかる棒状杖においては、杖先部
14の接地時に、該杖先部14がある程度弾性変形せし
められる一方で、杖先部14の取付穴24内に収容位置
せしめられた、該杖先部14よりも軟質で、変形が容易
な、制振性を有する衝撃吸収体26が、その内孔内に、
円筒体の側壁部を膨出させるようにして、杖先部14の
弾性変形量よりも大きな変形量で、しかも、制振性に基
づいた振動減衰特性を有利に発揮しつつ、より容易に弾
性変形せしめられるようになっており、それによって、
支柱部材10から衝撃吸収体26を介して杖先部14に
伝達される荷重が有利に減少せしめられ、以て、この衝
撃吸収体26において、杖先部14の接地時に生ずる衝
撃が、より有効に吸収せしめられ得るようになっている
のである。
【0035】従って、このような本実施形態の棒状杖に
あっても、杖先部14の弾性変形による衝撃吸収作用
と、衝撃吸収体26の弾性変形による更に有効な衝撃吸
収作用とが相俟って、単に、杖先部14がゴム材料にて
構成されてなる従来品に比して、より高度な衝撃吸収特
性が効果的に発揮され得るのであり、その結果として、
前記実施形態と同様に、従来品では到底得られない、よ
り十分な緩衝性能が有利に発揮され得て、使用性の向上
が更に高いレベルで実現され得ることとなるのである。
【0036】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであ
って、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも
受けるものではない。
【0037】例えば、前記実施形態では、把持部12
が、支柱部材10と別部材にて構成されて、該支柱部材
10の上端部に対して嵌合されて、固着されていたが、
かかる把持部12と支柱部材10とを一体成形すること
により、把持部12を、支柱部材10の上端部に設けて
も良いのである。
【0038】また、前記実施形態では、衝撃吸収体2
6,30が、制振性を有する熱可塑性エラストマにて形
成されていたが、この衝撃吸収体26,30の形成材料
は、杖先部14よりも軟質で、変形が容易な弾性材料で
あれば、特に限定されるものではなく、かかる条件を満
たす各種のゴム材料やエラストマ材料等が、適宜に採用
され得るのである。
【0039】さらに、そのような衝撃吸収体26,30
の形状も、前記実施形態に示されるものに、何等限定さ
れるものでではなく、杖先部14の取付穴24内におけ
る、該取付穴24の底面と、該取付穴24内に挿入され
る支柱部材10の下端面との間に介在せしめられ得るも
のであれば、それら両面間における取付穴24の内部空
間に対応した形状や、球状体形状及び円筒体(円環体)
形状以外で、該両面と取付穴の内周面との間や衝撃吸収
体の内部に適当な空隙が形成せしめられるような形状等
が、適宜に採用され得るのであり、また、その配設個数
も、複数であっても、何等差し支えないのである。
【0040】更にまた、かかる衝撃吸収体26,30
を、発泡体等にて構成しても良く、そうすることによっ
て、より柔軟で、且つ容易な変形性が得られて、衝撃吸
収体において、更に一層十分な衝撃吸収性が確保され得
るのである。
【0041】加えて、前記実施形態では、本発明を棒状
杖に適用したものの具体例が示されていたが、本発明
は、その他、松葉杖や多脚杖等、高齢者や障害者、或い
は負傷者等によって使用される各種の杖の何れに対して
も有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0042】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う、衝撃吸収性に優れた杖にあっては、従来品で
は到底得られない、より十分な緩衝性能が有利に発揮さ
れ得、それによって、例えばリウマチ患者等、少しの衝
撃でも大きな痛みを感じる傷病者等も、可及的に小さな
負担で使用が可能となるのであり、その結果として、従
来品を使用出来なかった者が使用可能となるといった、
極めて優れた使用性が、効果的に発揮され得ることとな
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う杖の一例を示す正面説明図であ
る。
【図2】図1に示された杖に取り付けられる杖先部の内
部を示す部分拡大断面説明図である。
【図3】本発明に従う杖の別の例を示す図2に対応する
図である。
【符号の説明】
10 支柱部材 12 把持部 14 杖先部 16 ハンドル
部 18 固定部 20 取付部 22 接地部 24 取付穴 26,30 衝撃吸収体 28 空隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手の支柱部材の上端部に、使用者にて
    把持される把持部が設けられる一方、下端部には、使用
    時に接地せしめられる杖先部が取り付けられてなる杖に
    おいて、 前記杖先部を、前記支柱部材の下端部が挿入せしめられ
    る、有底の取付穴を有するエラストマ部材にて構成する
    と共に、該取付穴内に、該エラストマ部材よりも軟質
    の、変形が容易な弾性材料からなる衝撃吸収体を収容し
    て、前記支柱部材の下端部と該取付穴の底面との間に、
    該衝撃吸収体が介在せしめられるようにしたことを特徴
    とする衝撃吸収性に優れた杖。
  2. 【請求項2】 前記支柱部材が、炭素繊維強化樹脂材料
    からなるパイプにて構成されている請求項1に記載の衝
    撃吸収性に優れた杖。
  3. 【請求項3】 前記杖先部がゴム製品にて形成されてい
    る一方、前記衝撃吸収体が、制振性を有する熱可塑性エ
    ラストマにて形成されている請求項1又は請求項2に記
    載の衝撃吸収性に優れた杖。
  4. 【請求項4】 前記衝撃吸収体が、球状体形状を有して
    いる請求項1乃至請求項3の何れかに記載の衝撃吸収性
    に優れた杖。
  5. 【請求項5】 前記衝撃吸収体が、円環体形状を有して
    いる請求項1乃至請求項3の何れかに記載の衝撃吸収性
    に優れた杖。
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