JP2007061159A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】 動画像データ等の映像の表示制御における安定性、つまり映像の表示制御時において発生する障害に柔軟に対応し得るように構成した遊技機を提供する。
【解決手段】 パチンコ機において、遊技制御手段５９が表示制御手段６５に大当たり抽選に係る映像データの再生制御を実行させている際において、該表示制御手段６５がフリーズ状態となった場合には、残時間算出手段がフリーズ状態の回復から上記映像データが通常に再生終了されるべき時期までの残時間を算出し、代替映像選択手段が上記残時間内に収まる代替映像データを選択し、遊技制御手段５９が表示制御手段６５にこの代替映像データを再生制御させるように構成する。
【選択図】 図６

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、詳しくは図柄表示装置の演出表示における安定性を向上させ得る遊技機に関する。

一般に、遊技機、例えばパチンコ機として、球受け皿に滞留している遊技球が、発射ハンドルの操作に応じて遊技盤の遊技領域に打ち出された後、遊技領域の障害釘や風車等に導かれつつ盤面を流下して、各種入賞口に入球し、或いは入球せずに遊技領域下部のアウト口に流入するように構成されたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

このようなパチンコ機では、一般入賞口に入球した際にそれに対応した個数の遊技球が払い出され、また始動チャッカーに入球した際にはこれに基づいて大当たり抽選が行われると共に所定数の遊技球が払い出され、当該抽選にて大当たりが発生した際には、アタッカーと呼ばれる大入賞口が開放され、入球に対応する多量の遊技球が払い出される状態となる。また、上記大当たり抽選に際しては、遊技領域の中央部分に設けられた液晶等の図柄表示装置の画面上に、大当たり抽選の経過或いは結果が動画像データ等によって演出表示される。

そして、上述したようなパチンコ機の中には、図柄表示装置にてＭＰＥＧ２形式の動画像データの再生を行うパチンコ機があり、例えばこの動画像データの再生時に生じ得る障害を回避させる提案がなされたものがある（例えば、特許文献２参照）。このパチンコ機は、１つの動画像データとなるシーケンスが、画面データの１つの組合せを単位とするＧＯＰ（Ｇｒｏｕｐ Ｏｆ Ｐｉｃｔｕｒｅ）を含むようにして形成されている。ここで、この動画像データが再生されている場合にあって、ある１つのＧＯＰ内の復号化されたピクチャデータが壊れる等の障害を発生すると、このＧＯＰ内の他のピクチャデータが正常に復号化されなくなり、その動画像データの再生表示を行うことができない再生不能状態となる。しかし、その後、続く他のＧＯＰに基づく再生が開始されると、障害を発生した上記ＧＯＰの影響を受けることはなくなり、ピクチャデータの復号化が正常に行われることで動画像データの再生が再開される。これにより、図柄表示装置において演出表示させる一連の動画像データの全てが再生不能となってしまうことを回避させている。

特開２００３−２３６２１０号公報 特開２００４−２０１８５８号公報

しかしながら、上記特許文献２に記載されるようなパチンコ機においては、例えば、５つのＧＯＰを含んで形成されている動画像データが再生されている場合にあって、その５つのＧＯＰ内のピクチャデータが全て復号化される際に壊れる等の障害を発生した場合には、その動画像データは全体に亘って略々表示がなされなくなると考えられる。

また、上記特許文献２に記載されるようなパチンコ機にあっては、復号化処理におけるＧＯＰのピクチャデータの破壊等、動画像データの内部的な障害に対処し得るものとなっているが、動画像データの再生を制御する演出制御基板の機能（すなわち、演出制御基板に実装されているＣＰＵの機能）自体が停止状態（フリーズ状態）となるような障害には対応し得るものとはなっていない。

そこで本発明は、動画像データ等の映像の表示制御における安定性の改善、つまり、映像の表示制御時において発生する障害に柔軟に対応し得るように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とする。

請求項１に係る本発明は（例えば図１ないし図４、及び図６ないし図８参照）、遊技領域（７ａ）中に配設され、かつ遊技に関連した映像の表示を行う図柄表示装置（３１）を備え、前記遊技領域（７ａ）に遊技球（Ｂａ）を打ち出すことで遊技する遊技機（１）において、
前記図柄表示装置（３１）に映像（例えば２５ａ）の再生制御を行う映像再生制御手段（６５）と、
前記映像再生制御手段（６５）による前記再生制御の実行を制御する再生実行制御手段（５９）と、
前記映像再生制御手段（６５）がフリーズした際、該フリーズ状態の回復から前記映像（例えば２５ａ）が通常に再生終了されるべき時期までの残時間を算出する残時間算出手段（５１）と、
前記残時間算出手段により算出した前記残時間内に全再生時間が収まる別の映像を、予め記憶された複数の代替映像（３６）の中から選択する代替映像選択手段（５２）と、を備え、
前記再生実行制御手段（５９）は、前記映像再生制御手段（６５）の前記フリーズ状態の回復後、前記選択された代替映像（例えば２６ｃ）の再生制御を実行させる、
ことを特徴とする遊技機（１）にある。

なお、本発明における上記「フリーズ」とは、映像再生制御手段等の各種制御手段を形成しているソフトウエア又はハードウエアに設計上の誤り等（いわゆるバグ）が存在し、これに起因して映像再生制御手段がその制御動作を停止してしまう状態を意味する。

なお、本発明に係る遊技機は、少なくとも、始動入賞口への入賞を契機とした大当たり抽選に当選した際に、通常は閉塞しているアタッカーを開放させ、所定時間が経過した時点又は所定個数の遊技球がアタッカーに入賞した時点で閉塞させる動作を所定ラウンド数だけ繰り返し行う構成の所謂第１種特別電動役物と、遊技領域に始動入賞口と該始動入賞口への入賞に基づいて開閉する特定領域を含んだ特別入賞装置とを有し、該特別入賞装置の開放中に遊技球が入球し、更に当該遊技球が特定領域に入賞した時点で大当たりを発生させる構成の所謂第２種特別電動役物と、遊技領域に備えた所謂オープンチャッカーへの入賞時に開放した電動式チューリップへの入球後の特定入賞口への入賞にて大当たりの権利を発生させる構成の所謂第３種特別電動役物とに適用可能である。

請求項２に係る本発明は（例えば図６及び図７参照）、前記再生実行制御手段（５９）が、前記映像再生制御手段（６５）から前記フリーズ状態にある旨が通知された際に前記映像再生制御手段（６５）を再起動させ、該再起動に応じた前記フリーズ状態からの回復の旨が通知された際に、前記映像再生制御手段（６５）に前記代替映像（例えば２６ｃ）の再生制御を実行させる、
ことを特徴とする請求項１に記載の遊技機（１）にある。

請求項３に係る本発明は（例えば図６及び図７参照）、前記残時間算出手段（５１）が、前記映像再生制御手段（６５）から前記フリーズ状態の回復の旨が通知されたときから、前記再生実行制御手段（５９）が前記代替映像（例えば２６ｃ）の再生制御を実行開始し得るまでの時間を、所定の補正値として前記残時間から更に減算して算出してなる、
ことを特徴とする請求項２に記載の遊技機（１）にある。

請求項４に係る本発明は（例えば図６及び図７参照）、主基板（４０）と、該主基板（４０）からの制御信号により機能する副基板（４９）とを備え、
前記再生実行制御手段（５９）が、前記主基板（４０）側に配設され、かつ前記映像再生制御手段（６５）が、前記副基板（４９）に配設されてなる、
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の遊技機（１）にある。

なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。

請求項１に係る本発明によると、再生実行制御手段が映像再生制御手段による映像の再生制御を実行させる際において、該映像再生制御手段がフリーズした場合には、残時間算出手段がフリーズ状態の回復から上記映像が通常に再生終了されるべき時期までの残時間を算出し、代替映像選択手段が上記残時間内に収まる代替映像を選択し、再生実行制御手段が映像再生制御手段に上記代替映像を再生制御させるので、映像再生制御手段が映像の再生制御中にフリーズ状態となり、該映像が再生不能となった場合にあっても、その時点からの残時間に見合った代替映像を選択し、映像再生制御手段がフリーズ状態から回復すると共にその代替映像を表示制御させることができる。従って、図柄表示装置において、例えば、大当たりに関する映像が途中で停止したような場合にあっても、その停止した以降の代替画像が直ぐに代わりとして再生制御されるので、障害時における演出表示の切り替えが自然で円滑なものとなり、遊技がスムーズに進行される。また、演出における映像が停止することによって遊技者に感じさせ得る違和感や不安感等が抑制されることにより、遊技性の維持が図られることとなる。

また、映像再生制御手段によって１つの映像を表示制御している間に、複数回に亘って障害が発生した場合にあっても、その度に代替映像選択手段によって代替映像の表示を行うことができる。これによって、映像の表示制御中に障害が発生した場合にあっても、該映像の修復性が高められ、耐障害性及び安全性の向上を図ることができる。

また、上述したように本発明では、映像の表示制御と該表示制御の実行制御とを、それぞれ映像再生制御手段と再生実行制御手段といった異なる制御手段にて行う。これによって、映像再生制御手段が映像の表示制御中に停止し、該映像が再生不能となった場合にあっても、他の制御手段である再生実行制御手段によって、映像再生制御手段が復旧した時点から、その残時間に見合った代替映像の表示制御を実行させることができ、遊技者によけいな不安感や不自然さ等を与えずに遊技を継続させることができる。

請求項２に係る本発明によると、再生実行制御手段が、映像再生制御手段からフリーズ状態にある旨が通知された際に映像再生制御手段を再起動させ、該再起動に応じたフリーズ状態からの回復の旨が通知された際に、映像再生制御手段に前記代替映像の表示制御を実行させるので、映像再生制御手段がフリーズしたような場合にあっても該映像再生制御手段を異なる制御手段である再生実行制御手段によって再起動させ、代替映像の表示制御を実行させることができる。これにより、映像の表示制御中に障害が発生した場合にあっても、該映像の修復性が高められることにより、その遊技性が維持される。

請求項３に係る本発明によると、残時間算出手段は、映像再生制御手段からフリーズ状態の回復の旨が通知されたときから、再生実行制御手段が代替映像の再生制御を実行開始し得るまでの時間を、所定の補正値として残時間から更に減算して算出してなるので、当初の映像データが再生不能となった後に、映像再生制御手段にて代替映像を表示制御し得る残時間を一層厳密に算出できることにより、代替映像選択手段によって残時間により近い再生時間を有する代替映像を選択させることができる。これにより、大当たり抽選等に関する映像が途中で代替映像に切り替えられた場合にあってもその不自然さが抑制され、遊技者によけいな不安感等を与えずに遊技を継続させることができる。

請求項４に係る本発明によると、主基板と、該主基板からの制御信号により機能する副基板とを備え、再生実行制御手段は、主基板側に配設され、かつ映像再生制御手段は、副基板に配設されてなるので、万が一映像再生制御手段が配設された副基板に障害が発生した場合にあっても、再生実行制御手段が配設された主基板側に影響が及ばないだけでなく、該主基板から再生実行制御手段によって映像再生制御手段を回復させることができる。これによって、遊技機における耐障害性及び安全性の更なる向上を図ることができる。

以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第１種特別電動役物を使用したパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第２種特別電動役物や所謂第３種特別電動役物等を使用したパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。

図１は、本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機１の外部構造を示す正面図である。本パチンコ機１は、同図に示すように、発射ハンドル９の操作による発射装置７２（図３参照）の作動で遊技球（所謂パチンコ玉）を遊技盤７の遊技領域７ａに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー１７に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり（「確変当たり」とも言う）とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。

図１に示すように、本実施形態におけるパチンコ機１は、開口を有する枠体状の筐体２と、この筐体２に開閉可能に装着された前扉３とを有しており、前扉３の前面には、透明ガラス６を有するガラス枠５が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス６の奥側には、遊技盤７が配設されている。前扉３における遊技盤７の左右上方には演出用照明装置２３が配設されており、前扉３における遊技盤７の下方左部にはスピーカー（図示せず）を有する放音装置８が配設されている。また、ガラス枠５における右側部には、前扉３を筐体２側に施錠又は解放するための施錠装置４が配設されている。

前扉３における遊技盤７の下方には上皿１３が設けられており、上皿１３における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口１８が設けられ、上皿１３における右上部壁面には、球貸ボタン１４ａ及びプリペイドカード返却ボタン１４ｂが設けられている。

また、前扉３における上皿１３の下方には下皿１５が配設されており、該下皿１５の右部には、発射装置７２（図３参照）を操作して遊技球を遊技領域７ａに向けて打ち出すための発射ハンドル９が配設されている。更に下皿１５には、上皿１３からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口１９が形成されており、下皿１５の左部には灰皿２４が配設されている。なお、図１中の符号１０は、発射ハンドル９の操作で発射された遊技球を遊技領域７ａに導くガイドレールを示し、符号２２はアウト口を示している。また、本パチンコ機１には、遊技中に遊技領域７ａにて入賞することなく落下してアウト口２２に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路（図示せず）が設けられている。

遊技領域７ａには、遊技球ステージＳを有するセンター飾り１２が中央部分に配設されている。センター飾り１２の中央には開口部１１が形成されており、遊技盤７には、開口部１１から画面３１ａを露出させた状態の図柄表示装置３１が遊技盤裏面から装着されている。センター飾り１２の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口２９，３０が配設されており、センター飾り１２の下方には、入賞口としての始動チャッカー１６と、アタッカー１７とが順次配設されている。

始動チャッカー１６は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド７０（図３参照）によって作動させられる。始動チャッカー１６の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘８２が打ち込まれている。

アタッカー１７は、大当たり発生時に開放され、遊技領域７ａに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、１回の開放で１０個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を１５回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、１０個や１５回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。

遊技領域７ａには、センター飾り１２の左方に風車７５が配設されており、遊技球ステージＳの下方における始動チャッカー１６の左側には、普通図柄作動ゲート（スルーゲート）８４が配設されている。この普通図柄作動ゲート８４は、始動チャッカー１６を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。

そして、遊技領域７ａにおける普通図柄作動ゲート８４、入賞口２９，３０及び始動チャッカー１６等の周囲には、遊技球ステージＳから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージＳに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘８１を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、遊技球ステージＳにおけるワープ導入口３２の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘５０を含む多数の障害釘が打ち込まれている。このような本パチンコ機１では、遊技領域７ａに打ち出された遊技球Ｂａを始動チャッカー１６等に、遊技球ステージＳを介して入球させ又は遊技球ステージＳを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。

なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域７ａに打ち出された遊技球を、当該遊技領域７ａの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー１６の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域７ａにおいて始動チャッカー１６左右に打ち込まれた複数本の障害釘（図示せず）の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー１６方向に導く役割を担っている。

ついで、本パチンコ機１の背面構造について図２を参照して説明する。同図は、本パチンコ機１の背面構造を示す背面図である。

すなわち、図２に示すように、パチンコ機１の前扉背面における上部左方には、賞球タンク２８が取り付けられており、この賞球タンク２８の下方に、サブ制御基板（副基板）４９、主制御基板（主基板）４０、及び払出し制御基板８５がこの順に配設されている。このサブ制御基板４９には演出制御用のマイクロコンピュータ等が搭載され、主制御基板４０には全体制御用のマイクロコンピュータ等が搭載され、払出し制御基板８５には遊技球払出制御を行う払出制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。

また、前扉背面における上部右方には、外部端子板８７が取り付けられており、この外部端子板８７の下方に、整列待機通路７８、賞球装置７９、賞球排出通路８０、電源ユニット５３、及び発射装置７２（図３参照）用の発射制御基板８８がこの順に配設されている。パチンコ機１の前扉背面における左側部には、施錠装置４が配設されている。

次に、本実施形態におけるパチンコ機１の制御系を図３及び図４に沿って説明する。図３は本パチンコ機１の全体の制御系を示すブロック図、図４は図３に示す制御系のうち本発明の特徴部分を抜粋して示すブロック図である。

すなわち、本制御系は、遊技制御装置５４と、該遊技制御装置５４に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド７０、アタッカー開閉ソレノイド７１、放音装置８、演出用照明装置２３、図柄表示装置３１、及び発射装置７２と、を備えている。

遊技制御装置５４は、図２及び図４に示した主制御基板４０やサブ制御基板４９等から構成されている。主制御基板４０は、本パチンコ機１の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機１の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなるＲＯＭ４２と、ワークメモリとして使用されるＲＡＭ４３と、これらのプログラムを実行するＣＰＵ４１とを備えている。このＲＯＭ４２には、図柄表示装置３１にて表示制御される映像データのパラメータテーブル（図８参照）と、同じく図柄表示装置３１にて表示制御される代替映像データのパラメータテーブル（図８参照）とがそれぞれ記憶されている。

また、サブ制御基板４９は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うものであり、これらを作動制御するための実行プログラム等が予め記憶されたＲＯＭ４６と、ワークメモリとして使用されるＲＡＭ４７と、これらのプログラムを実行するＣＰＵ４５とを備えている。このＲＯＭ４６には、図柄表示装置３１にて表示制御される映像データのファイル（図８参照）と、同じく図柄表示装置３１にて表示制御される代替映像データのファイル（図８参照）とがそれぞれ記憶されている。

更に、上述した主制御基板４０及びサブ制御基板４９には、それぞれ各種センサや各種操作ボタン等との間で信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路（不図示）や、各基板同士で互いに通信を行うための通信用インターフェイス回路（不図示）等も配設されている。

遊技制御装置５４は、入賞判定手段５５、入賞信号出力手段５６、抽選手段５７、遊技制御手段（再生実行制御手段）５９、残時間算出手段５１、代替映像選択手段５２、保留手段６０、作動制御手段６１、作動判定手段６２、作動決定手段６３、演出制御手段６４、表示制御手段（映像再生制御手段）６５、及び発射制御手段６６を備えている。

入賞判定手段５５は、発射ハンドル９の操作で作動する発射装置（図３参照）によって遊技領域７ａに打ち出された遊技球が始動チャッカー１６、入賞口２９，３０、アタッカー１７等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。

入賞信号出力手段５６は、入賞判定手段５５によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー１６、入賞口２９，３０、アタッカー１７等に入賞した旨の入賞信号を出力する。

抽選手段５７は、入賞信号出力手段５６からの入賞信号の入力時、最大保留球数（例えば４個）未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。

そして、抽選手段５７は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「１１１」、「３３３」や「７７７」等の図柄が図柄表示装置３１の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置（ライン）を意味する。

抽選手段５７はまた、抽選手段５７での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「２２２」、「４４４」や「８８８」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。抽選手段５７は更に、抽選手段５７での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「２５２」、「４６４」や「８３８」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。

遊技制御手段５９は、遊技制御装置５４を構成している主制御基板４０に備えられ（図４参照）、放音装置８、演出用照明装置２３に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段６４に送る。

また、遊技制御手段５９は、予め設定された演出データや、抽選手段５７での抽選結果に応じて、図柄表示装置３１に表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号（例えば、図８の映像データパラメータテーブル３５の第１項目に示すような、各映像データを一意に識別させる所定のシーケンシャル番号データ等）を、表示制御手段６５に送信する。表示制御手段６５は、遊技制御装置５４を構成しているサブ制御基板４９に備えられており（図４参照）、上述した遊技制御手段５９からの信号を受信すると、ＲＯＭ４６に記憶されている演出や大当たり抽選等に関する映像データを上述したシーケンシャル番号データに基づいて図柄表示装置３１に表示制御する。

また、遊技制御手段５９は、表示制御手段６５にて映像データを表示制御させている間、所定の時間間隔（例えば１秒ごと）にて表示制御手段６５から送信されてくる死活情報の信号を受信することにより、表示制御手段６５の死活監視を行う。そして、仮に表示制御手段６５が映像データを表示制御している最中に、サブ制御基板４９が制御停止した（すなわち表示制御手段６５が制御停止した）場合には、遊技制御手段５９は、表示制御手段６５を備えるサブ制御基板４９に対して再起動（リセット）する旨の信号（以下、リセット信号という）を送信する。なお、上記死活監視とは、サブ制御基板４９が備えるＣＰＵ４５の制御が正常に実行されているか否かを監視するもので、サブ制御基板４９の制御が実行状態にない停止状態（いわゆるフリーズ状態）にあるか否かを逐次監視するものである。

遊技制御手段５９は、上記死活監視を行うことにより、上記リセット信号を送信した後にサブ制御基板４９（つまり表示制御手段６５）が制御停止状態から復帰したか否かを受信し、復帰した場合には、残時間算出手段５１にその旨の信号を送信する。そして、復帰していない場合には、復帰するまでその監視を継続する。

更に、遊技制御手段５９は、後述する代替映像選択手段５２から代替映像の選択処理が終了した旨の信号を受信した場合には、該選択処理に関するデータと共に代替映像データの表示制御を実行する旨の信号を表示制御手段６５に対して送信する。

残時間算出手段５１は、遊技制御手段５９からの信号に従い、表示制御手段６５に表示制御されている映像データの再生終了までの残時間データを算出し、該データを代替映像選択手段５２へと送信する。

代替映像選択手段５２は、残時間算出手段５１にて算出された残時間データに所定の補正をした値（例えば残時間データの値から１を減算した値）以内に再生時間が収まる代替映像データを、主制御基板４０のＲＯＭ４２に予め記憶されている代替映像データのパラメータテーブルから選択し、その代替映像データを一意に示すシーケンシャル番号データを遊技制御手段５９へと送信する。

なお、上述した、遊技制御手段５９、残時間算出手段５１、及び代替映像選択手段５２は、図４に示すように、表示制御手段６５の死活監視や回復処理等を行う本発明の特徴部分をなす表示制御管理部６９を構成している。

一方、保留手段６０は、抽選手段５７から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー１６への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置（図示せず）に、最大４個の保留球として点灯表示される。保留手段６０は、例えば保留球数Ｈが０＜Ｈ＜５であるか否かを常時判定し、保留球数Ｈが４個表示されている間は、始動チャッカー１６への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大４個」に限らず、例えば３個以下、又は５個以上として適宜設定することも可能である。

そして保留手段６０は、保留（記憶）している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる（オンする）と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ（図示せず）をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を１デクリメントする。また保留手段６０は、保留球の消費に応じて保留球数ＨがＨ＜４となった場合、抽選手段５７で行われる始動チャッカー１６への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を１インクリメントする。

作動制御手段６１は、作動決定手段６３の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド７０に駆動信号を送って該ソレノイド７０を作動させ、始動チャッカー１６を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段６１は、アタッカー開閉ソレノイド７１に駆動信号を送って該ソレノイド７１を作動させ、抽選手段５７での抽選による大当たり発生時にアタッカー１７を開放して所定数入賞が終了する（又は所定時間が経過する）毎に閉塞する動作を所定回数（所定ラウンド）だけ繰り返すように制御する。

作動判定手段６２は、始動チャッカー開閉ソレノイド７０及びアタッカー開閉ソレノイド７１を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド７０にあって、始動チャッカー１６の開閉の「条件を満たす」時とは、主制御基板８５において抽選手段５７の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド７１にあって、アタッカー１７の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ（所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む）の状態から３つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー１７の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。

作動決定手段６３は、作動判定手段６２からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド７０、アタッカー開閉ソレノイド７１の作動開始をそれぞれに決定する。

演出制御手段６４は、遊技制御手段５９からの指令に応答して、放音装置８を放音駆動し、演出用照明装置２３を発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。

表示制御手段６５は、遊技制御手段５９からの信号に従って、図柄表示装置３１に映像データを表示制御することにより、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示させる。また、表示制御手段６５は、図柄表示装置３１に映像データを表示制御している際、サブ制御基板４９が備えるＣＰＵ４５が正常に動作しているか否かの死活情報を示す信号を所定の時間間隔（例えば１秒ごと）で遊技制御手段５９に送信する。この死活情報を示す信号は、正常信号をオンフラグ、異常信号をオフフラグとした２種類の信号状態で表されるものである。

発射制御手段６６は、発射ハンドル９の操作に応答して発射装置７２を作動させ、不図示のハンマーの動作で遊技球を遊技領域７ａに向けて順次打ち出させる。

また、始動チャッカー開閉ソレノイド７０は、作動制御手段６１から送信された駆動信号に応答してプランジャ（図示せず）を進退動作させて、始動チャッカー１６を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド７１は、作動制御手段６１から送信された駆動信号に応答してプランジャ（図示せず）を進退動作させて、アタッカー１７を開閉動作させる。

放音装置８は、演出制御手段６４の制御に従ってスピーカー（図示せず）を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置２３は、演出制御手段６４の制御に従ってその内蔵する電飾ランプ（図示せず）を発光駆動（点灯、点滅）させ、演出に応じた照明を行う。図柄表示装置３１は、表示制御手段６５の表示制御に従って、所定の演出や抽選手段５７での抽選結果に応じた映像データを演出表示する。

発射装置７２は、発射制御手段６６からの発射制御信号に応答して不図示のハンマーを作動させ、遊技球を順次遊技領域７ａに打ち出す。

次に、主制御基板４０のＲＯＭ４２及びサブ制御基板４９のＲＯＭ４６にそれぞれ記憶される、本発明に係る映像データ及び代替映像データに関するファイル群を、図８を参照して説明する。同図は、本発明に係る映像データ及び代替映像データに関するファイル群を示す模式図である。

図８に示すように、サブ制御基板４９のＲＯＭ４６には、図柄表示装置３１に表示制御される映像データ（映像）２５ａ、映像データ２５ｂ…及び代替映像データ２６ａ、代替映像データ２６ｂ、代替映像データ（代替映像）２６ｃ、代替映像データ２６ｄ…が記憶されている。映像データ２５ａ，２５ｂ…及び代替映像データ２６ａ，２６ｂ…の個々のファイルは図８に示すような矩形形状で視覚化された形で示されており、それらの固まりごとの名称は、前者を映像データファイルとし、後者を代替映像データファイルとして示している。

映像データ２５ａ，２５ｂ…は、それぞれが１つの完結するファイルとして形成されると共に、図中に示すＡ１，Ａ２…等のシーケンシャルな番号によって一意に識別され、主に大当たり抽選の経過及び結果表示の際に表示制御手段６５によって表示制御される。また、代替映像データ２６ａ，２６ｂ…は、図中に示すａ１，ａ２…等のシーケンシャルな番号によって一意に識別されることによって、表示制御手段６５に表示制御される。これら代替映像データ２６ａ，２６ｂ…は、例えば、上記映像データ２５ａが仮にサブ制御基板４９の何らかの障害により途中で停止された場合に、その停止された後に本来表示されたであろう映像データ２５ａの再生の長さ分だけ、その代替映像として表示制御されるものである。

なお、上記したように、この代替映像データ２６ａ，２６ｂ…は、映像データ２５ａ，２５ｂ…等の代替映像として表示制御されるものであるため、元となる映像データの内容を忠実に再現するものが好ましいが、このような状況（上記障害等）の発生頻度の少なさから見て、その不自然さが抑えられる程度に類似した内容を有していればよいものとする。この例としては、例えば、ダブルリーチから大当たりへと経過表示がなされる或る映像データが、ダブルリーチを表示している最中に停止してしまったような場合に、（上記ダブルリーチのうちの）大当たりする１つの有効ラインのみがリーチとなった状態から大当たりへと移行する映像が、その後の代替映像として表示制御されればよいとするような類似性をいう。

また、上記したような代替映像データのうちで大当たり抽選時に選択される代替映像データについては、元の映像データと比してその映像内容に違いが生じるものであったとしても、大当たりの最終的な抽選結果については抽選時の結果と同様のものが表示されることが保障されるようにする。

一方、主制御基板４０のＲＯＭ４２には、上記した映像データ２５ａ，２５ｂ…及び代替映像データ２６ａ，２６ｂ…の各属性がそれぞれに登録された、映像データパラメータテーブル３５及び代替映像データパラメータテーブル（代替映像）３６が記憶されている。

映像データパラメータテーブル３５は、横１行で１つ分の映像データの有する属性データが複数登録されるパラメータテーブルを形成し、各映像データには少なくとも２つの項目データが用意されている。第１項目には、該テーブルと映像データとの対応関係を取るためのシーケンシャル番号データがセットされており、第２項目には、上記対応関係を有した映像データの全再生時間データがセットされている。

また、代替映像データパラメータテーブル３６は、横１行で１つ分の代替映像データの属性データが登録されるテーブルを形成し、各代替映像データには少なくとも３つの項目データが用意されている。第１項目には、該テーブルと代替映像データとの対応関係を取るためのシーケンシャル番号データがセットされており、第２項目には、該当する代替映像データの全再生時間データがセットされている。第３項目には、当該代替映像データが、どの映像データの代替映像として利用されるかを識別させるため、その対応関係を有した映像データのシーケンシャル番号データ（以下、関連映像データシーケンシャル番号という）がセットされている。具体的には、代替映像データ２６ｂと対応関係のあるパラメータテーブルは、代替映像データパラメータテーブル３６内のシーケンシャル番号データがａ２の行であり、この第３項目にはＡ１のシーケンシャル番号データが登録されていることから、代替映像データ２６ｂが映像データＡ１の代替映像として用いられることが識別される。

次に、本パチンコ機１による作用について、図５のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。

すなわち、本パチンコ機１に対面して着座した遊技者が発射ハンドル９を握り、適宜の角度に回動操作すると（ステップＳ１）、発射制御手段６６がその回転角に基づいて発射装置７２を制御し、それにより、該発射装置７２の作動で遊技球を所定の時間間隔で遊技領域７ａに向けて連続的に発射させる。すると、遊技領域７ａに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー１６や入賞口２９，３０に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域７ａ最下部のアウト口２２から遊技盤７背面側に排出される。

つまり、遊技領域７ａに向けて打ち出された多数の遊技球Ｂａは、その一部がワープ導入口３２から導入されて遊技球ステージＳ上に放出され、更にその一部が球放出口３３から放出されて始動チャッカー１６に向け落下し、この始動チャッカー１６に高確率で入賞する。この際、障害釘８２への当接状況によっては、始動チャッカー１６に入賞できないこともある。一方、球放出口３３からではなく遊技球ステージＳから直接に落下する遊技球Ｂａは、始動チャッカー１６と異なる方向に向かう。この際、当該遊技球Ｂａは、落下方向が、始動チャッカー１６上の一対の障害釘８２の間を通過して入球し得る方向と異なっても、障害釘８２の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘（図示せず）や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘（図示せず）で弾き返されることで、障害釘８２に絡んでその間を落下して始動チャッカー１６に入球することもある。

ところで、上述したように始動チャッカー１６や入賞口２９，３０の何れかに遊技球Ｂａが入賞した場合、入賞判定手段５５が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段５６が入賞信号を出力する（ステップＳ２）。この際、保留手段６０は、保留球Ｈが０＜Ｈ＜５であるか否かを常時判定しており、０＜Ｈ＜５を満たすと判定したときには、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段５９を介して表示制御手段６５に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。また保留手段６０は、当該保留球の消費に応じて保留球数ＨがＨ＜４となった場合、抽選手段５７で行われる始動チャッカー１６への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を１インクリメントする。

そして、ステップＳ３にて、大当たり抽選で当選した場合には、抽選手段５７が当たりフラグをオンすると、抽選手段５７が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。

これにより、ステップＳ４において、図柄表示装置３１に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段５７は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。

一方、ステップＳ３にて、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置３１に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段５７は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。

以上のようにして、遊技制御手段５９が、図柄表示装置３１に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段６５に送信することに基づき、表示制御手段６５は、図柄表示装置３１を適時に表示制御し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる（ステップＳ５）。

そして、図柄表示装置３１の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段６１は、作動決定手段６３の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド７１に駆動信号を送り、当該ソレノイド７１を作動させてアタッカー１７を開放し、所定数入賞が終了する（又は所定時間が経過する）毎に閉塞する動作を所定回数（所定ラウンド）だけ繰り返させる。これにより、アタッカー１７に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口１８から上皿１３に払い出されることとなる（ステップＳ６）。

一方、上述した遊技中、図５に示すステップＳ５の処理が行われるに際して、本発明に係る図柄表示装置３１の表示制御の処理が適宜に進められる。以下、当該処理について図６及び図７を参照して説明する。図６は本発明に係る遊技制御手段５９と表示制御手段６５との相互通信の手順を示すシーケンス図、図７は代替映像データの選択処理の手順を示すフローチャートである。

すなわち、上記ステップＳ５で示したような大当たり抽選の経過表示にあっては、遊技制御手段５９が、例えば、抽選手段５７によって決定された図柄の変動パターンが演出表示される映像データ２５ａ（図８参照）を、表示制御手段６５によって表示制御させるべく、該表示制御手段６５にその旨の信号を送信する（図６のステップＳ１０１）。このときの信号には、映像データ２５ａを一意に識別可能なシーケンシャル番号データ（Ａ１）や制御コマンド等が含まれており、表示制御手段６５は、このシーケンシャル番号データに基づいて予めＲＯＭ４６に記憶されている映像データ２５ａを識別し、図柄表示装置３１にその表示制御を開始する（ステップＳ１０２）。

表示制御手段６５は、ステップＳ１０２に示したような映像データ２５ａの表示制御を開始すると、表示制御手段６５自身の制御が正常に実行されている際には、その旨を表す信号（正常信号）を、例えば１秒間隔で遊技制御手段５９に送信する（ステップＳ１０３）。ここで、最初の正常信号の送信時には、上記映像データ２５ａが問題なく再生制御された場合の終了予定となる時間データ（以下、再生終了時間データという）が上記正常信号と共に遊技制御手段５９に送信される。遊技制御手段５９では、この正常信号を一定間隔で受信することによって、表示制御手段６５が映像データ２５ａを正常に表示制御しているか否かの監視（すなわち、サブ制御基板４９の死活監視）を行う。そして、仮に映像データ２５ａが正常に表示制御され、全て再生終了した場合には、正常信号の送信を停止し、次の表示制御に対する実行待ちの状態へと遷移する。

一方、ステップＳ１０３の後、表示制御手段６５に障害（例えば、表示制御の実行が停止するようなフリーズ状態）が発生すると（ステップＳ１０４）、表示制御手段６５から遊技制御手段５９に対して表示制御が正常に実行されなくなった旨を表す信号（以下、異常信号という）が送信され（ステップＳ１０５）、表示制御手段６５による表示制御が停止する（ステップＳ１０６）。

遊技制御手段５９は、表示制御手段６５から上記した異常信号を受信すると、表示制御手段６５の表示制御を速やかに回復させるべく、表示制御手段６５を制御しているＣＰＵ４５をリセット（再起動）させる信号（リセット信号）を表示制御手段６５（つまり、サブ制御基板４９）に対して送信する（ステップＳ１０７）。これにより、ＣＰＵ４５は再起動され（ステップＳ１０８）、表示制御手段６５は、図柄表示装置３１に再び表示制御を開始できる元の状態へと回復する（ステップＳ１０９）。

ステップＳ１０９の状態へと回復した表示制御手段６５は、ステップＳ１０３と同様の正常信号を再び遊技制御手段５９へと送信する（ステップＳ１１０）。遊技制御手段５９は、この正常信号の受信を契機として、ステップＳ１０４の障害発生によって途中で停止された映像データ２５ａを補完するための代替映像データの選択処理を行う（ステップＳ１１１）。

ここで、上記ステップＳ１１１における代替映像データの選択処理の内容は、図７に示す結合子Ａに続くフローチャートに沿って説明する。まず、遊技制御手段５９は、ステップＳ１１０における制御の回復時直後の正常信号を受信した時点の受信時間を取得する（図７のステップＳ１２０）。そして、この受信時間データと最初の正常信号の送信時に取得した再生終了時間データ（図６のステップＳ１０３参照）とを、残時間算出手段５１に送信し、これら両者の差から、映像データ２５ａがステップＳ１０４の障害によって停止せずに再生されている場合の残り時間（例えば、２６．２秒とし、この残り時間のことを、以下、残時間という）の算出を行わせる（図７のステップＳ１２１）。

このとき、残時間算出手段５１は、その算出された残時間の値から所定の値を減算することによって、残時間の値をより正確な値に補正して遊技制御手段５９へと送信する（ステップＳ１２２）。ここで、上記所定の値とは、図６におけるシーケンス図のステップＳ１０９の実行時点から後述するステップＳ１１３の開始直前までに費やされるであろう時間を予め推測して算出した値をいう。このステップＳ１０９からステップＳ１１３までの処理は、特に複雑なものではないため、それに消費される時間の値は、映像データ２５ａの再生時間等に比して十分に短いものとなる。従って、所定の値としては、例えば１秒程度の値を設定しておくことで、上記した処理が消費する時間分は十分に包含できることとなる。なお、例えば、０．１秒刻み程度に再生長さが異なる代替映像データを予め用意したような場合には、上記所定の値は、例えば０．５秒や０．１秒等の値に設定することで、残時間の値を、より正確な値に補正することができるようになる。

そして、遊技制御手段５９は、ステップＳ１２２にて受信した補正済みの残時間データ（例えば２５．２秒）を、代替映像選択手段５２に送信し、代替映像データを選択させる（ステップＳ１２３）。このとき、代替映像選択手段５２は、図８にて示した代替映像パラメータテーブル３６内から、全再生時間の項目値が「２５．２秒以内」で、かつ関連映像データシーケンシャル番号の項目値が「Ａ１（元の映像データが映像データ２５ａにより）」となる、２つの条件に適った代替映像データ２６ｃ（シーケンシャル番号が「ａ３」）を選択する。

次いで、遊技制御手段５９は、上記したように、代替映像選択手段５２によって代替映像データの選択を行わせると、代替映像データ２６ｃを表示制御手段６５によって表示制御させるべく、該表示制御手段６５にその旨の信号を送信する（ステップＳ１１２）。このときの信号には、代替映像データ２６ｃを一意に識別可能なシーケンシャル番号データ（ａ３）や制御コマンド等が含まれており、表示制御手段６５は、このシーケンシャル番号データに基づいて予めＲＯＭ４６に記憶されている代替映像データ２６ｃを識別し、図柄表示装置３１にその表示制御を開始する（ステップＳ１１３）。そして、表示制御手段６５は代替映像データ２６ｃを表示制御し、所定の大当たりに関する経過及び結果表示が全再生時間の２４秒に亘ってなされると、代替映像データ２６ｃの表示制御を終了する（ステップＳ１１４）。

なお、本実施の形態では、遊技制御手段５９が、図６のステップＳ１０５に示したような異常信号を受信した時点において表示制御手段６５にリセット信号を送信するとして説明を行ったが、正常信号が所定の時間間隔（例えば１秒ごと）で受信されなかった、もしくは一定時間（例えば２秒間）を過ぎても受信されなかったような場合にもリセット信号を送信するようにしてもよい。

また、残時間算出手段５１が算出する残時間データには、その代替映像データ選択の際の許容範囲を広げるために、補正値を与えるような処理を付加させてもよい。従って、このような補正を行うことにより、元の映像データの全再生長が補正後の残時間データと略々同様となるような場合には、元の映像データファイルを先頭から再び表示させるようにしてよいのは勿論である。

また、代替映像データが十分に準備されていない映像データが存在し、このため残時間データに合致する的確な代替映像データの選択ができないような場合には、変則的な処理として、このような場合専用の共通な代替映像データを予め準備して表示させたり、元の映像データを先頭から再表示させたりしてよいのは勿論である。

以上説明した本実施の形態によれば、遊技制御手段５９が表示制御手段６５に大当たり抽選に係る映像データ２５ａの再生制御を実行させている際において、該表示制御手段６５がフリーズ状態となった場合には、残時間算出手段５１がフリーズ状態の回復から上記映像データ２５ａが通常に再生終了されるべき時期までの残時間を算出し、代替映像選択手段５２が上記残時間内に収まる代替映像データ２６ｃを選択し、遊技制御手段５９が表示制御手段６５にこの代替映像データ２６ｃを再生制御させることができる。このため、表示制御手段６５が映像データ２５ａの再生制御中にフリーズ状態となり、該映像データ２５ａが再生不能となった場合にあっても、その時点からの残時間に見合った代替映像データ２６ｃを選択し、表示制御手段６５がフリーズ状態から回復すると共にその代替映像データ２６ｃを表示制御させることができるようになる。これにより、図柄表示装置３１において、大当たり抽選に係る映像データ２５ａの表示制御が途中で停止したような場合にあっても、その停止した以降の時間分の代替映像データ２６ｃが直ぐに代わりとして再生制御されることによって、その大当たりに関する映像が遅滞無く再生されるようになる。従って、図柄表示装置３１における演出表示が停止することによって遊技者に感じさせ得る違和感や不安感等が抑制され、遊技性の維持が図られることとなる。

また、表示制御手段６５によって１つの映像を表示制御している間に、複数回に亘って障害が発生した場合にあっても、その度に代替映像選択手段５２によって代替映像を選択させ、遊技制御手段５９によってその表示制御を実行させることができるようになる。これにより、映像の表示制御中に障害が発生した場合にあっても、該映像の修復性が高められ、耐障害性及び安全性の向上を図ることができる。

また、本発明においては、映像の表示制御と該表示制御の実行制御とを、それぞれ表示制御手段６５と遊技制御手段５９といった異なる制御手段にて行う。このことによって、表示制御手段６５が映像の表示制御中に停止し、該映像が再生不能となった場合にあっても、他の制御手段である遊技制御手段５９によって、表示制御手段６５が復旧した時点から、その残時間に見合った代替映像の表示制御を実行させることができ、遊技者によけいな不安感や不自然さ等を与えずに遊技を継続させることができる。

また、例えば、図６のステップＳ１０５に示すように、遊技制御手段５９が表示制御手段６５からフリーズ状態にある異常信号が通知された際に、遊技制御手段５９は表示制御手段６５を再起動（リセット）させ（ステップＳ１０７参照）、該再起動に応じたフリーズ状態からの回復の旨が通知された際（ステップＳ１１０参照）に、表示制御手段６５に代替映像データ２６ｃの表示制御を実行させるので、表示制御手段６５がフリーズしたような場合にあっても該表示制御手段６５を異なる制御手段である遊技制御手段５９によって再起動させ、代替映像データ２６ｃの表示制御を実行させることができるようになる。これによって、映像データ２５ａの表示制御中に障害が発生し、再生不能となった場合にあっても、該映像データ２５ａの修復性が高められることによって、その遊技性が維持されるようになる。

また、残時間算出手段５１は、表示制御手段６５からフリーズ状態の回復の旨が通知されたときから、遊技制御手段５９が代替映像データ２６ｃの再生制御を実行開始し得るまでの時間を所定の補正値（例えば１秒）として、残時間から更に減算して算出してなるので、映像データ２５ａが再生不能となった後に、表示制御手段６５にて表示制御し得る残時間を一層厳密に算出できることにより、代替映像選択手段５２によって残時間により近い再生時間を有する代替映像を選択させることができるようになる。これにより、大当たり抽選等に関する映像が途中で他の映像に切り替えられた場合にあってもその不自然さが抑制され、遊技者によけいな不安感等を与えずに遊技を継続させることができるようになる。

また、主制御基板４０と、該主制御基板４０からの制御信号により機能するサブ制御基板４９とを備え、遊技制御手段５９は、主制御基板４０側に配設され、かつ表示制御手段６５は、サブ制御基板４９に配設されてなるので、万が一表示制御手段６５が配設されたサブ制御基板４９側にフリーズ等の障害が発生した場合にあっても、遊技制御手段５９が配設された主制御基板４０側に影響が及ばないだけでなく、遊技制御手段５９によって表示制御手段６５を回復させることができるようになる。これによって、遊技機１における耐障害性及び安全性の更なる向上を図ることができることとなる。

以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。

本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。 本パチンコ機の背面構造を示す背面図である。 本パチンコ機の全体の制御系を示すブロック図である。 図３に示す制御系のうち本発明の特徴部分を抜粋して示すブロック図である。 本パチンコ機の作用を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る遊技制御手段と表示制御手段との相互通信の手順を示すシーケンス図である。 代替映像データの選択処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る映像データ及び代替映像データに関するファイル群を示す模式図である。

符号の説明

１：遊技機（パチンコ機）
７ａ：遊技領域
２５ａ：映像（映像データ）
２６ｃ：代替映像（代替映像データ）
３１：図柄表示装置
３６：代替映像（代替映像データパラメータテーブル）
４０：主基板（主制御基板）
４９：副基板（サブ制御基板）
５１：残時間算出手段
５２：代替映像選択手段
５９：再生実行制御手段（遊技制御手段）
６５：映像再生制御手段（表示制御手段）
Ｂａ：遊技球

Claims (4)

1. 遊技領域中に配設され、かつ遊技に関連した映像の表示を行う図柄表示装置を備え、前記遊技領域に遊技球を打ち出すことで遊技する遊技機において、
   前記図柄表示装置に映像の再生制御を行う映像再生制御手段と、
   前記映像再生制御手段による前記再生制御の実行を制御する再生実行制御手段と、
   前記映像再生制御手段がフリーズした際、該フリーズ状態の回復から前記映像が通常に再生終了されるべき時期までの残時間を算出する残時間算出手段と、
   前記残時間算出手段により算出した前記残時間内に全再生時間が収まる別の映像を、予め記憶された複数の代替映像の中から選択する代替映像選択手段と、を備え、
   前記再生実行制御手段は、前記映像再生制御手段の前記フリーズ状態の回復後、前記選択された代替映像の再生制御を実行させる、
   ことを特徴とする遊技機。
2. 前記再生実行制御手段は、前記映像再生制御手段から前記フリーズ状態にある旨が通知された際に前記映像再生制御手段を再起動させ、該再起動に応じた前記フリーズ状態からの回復の旨が通知された際に、前記映像再生制御手段に前記代替映像の再生制御を実行させる、
   ことを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
3. 前記残時間算出手段は、前記映像再生制御手段から前記フリーズ状態の回復の旨が通知されたときから、前記再生実行制御手段が前記代替映像の再生制御を実行開始し得るまでの時間を、所定の補正値として前記残時間から更に減算して算出してなる、
   ことを特徴とする請求項２に記載の遊技機。
4. 主基板と、該主基板からの制御信号により機能する副基板とを備え、
   前記再生実行制御手段は、前記主基板側に配設され、かつ前記映像再生制御手段は、前記副基板に配設されてなる、
   ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の遊技機。
   

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