JP2023042553A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンプリート機能を備えつつも、既存の機能との整合性を高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】報知制御手段は、差玉数が特定閾値よりも小さい所定閾値(85000個)以上となった入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知(事前報知)を開始させることが可能であり、第一遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様と、第二遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様と、が異なり得る。【選択図】図22

Description

本発明は、パチンコ機に関する。
パチンコ機等に代表される遊技機は、遊技球を発射可能に構成され、発射された遊技球が入賞口に入賞した場合に、当該入賞口に対応する数の遊技球(賞球)を付与するものである。例えば、特許文献1。
特開2014-128601号公報
このような遊技機では、昨今、射幸性を抑制するため、差玉数があらかじめ定められた閾値以上となることで遊技停止状態とする機能(いわゆるコンプリート機能)を備えることが求められている。
しかし、このようなコンプリート機能は従来になかった新しい機能であり、コンプリート機能と既存の機能と合わせることで、従来にない新たな問題点が生じる。
よって、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、上述したコンプリート機能を備えつつも、既存の機能との整合性を高めることができる遊技機を提供するものである。
本発明によれば、図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、前記当否判定によって特定結果が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、報知手段と、前記報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、前記入賞口には、第一入賞口があり、図柄変動を実行可能な遊技状態として、第一遊技状態と、前記第一遊技状態とは有利度が異なる第二遊技状態と、を有し、前記報知制御手段は、前記差玉数が前記特定閾値よりも小さい所定閾値以上となった前記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知を開始させることが可能であり、前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、が異なり得、前記特定報知は、当該特定報知が開始されてから少なくとも前記差玉数が前記特定閾値以上となるまで継続して実行され得るものであって、前記差玉数の値に応じて報知態様が変化し、前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知、および前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知のいずれにおいても、前記差玉数の値に応じた報知態様の変化条件が同一である、ことを特徴とする遊技機が提供される。
本発明によれば、コンプリート機能を備えつつも、既存の機能との整合性を高めることができる遊技機が提供される。
図1は、遊技機の正面図である。 図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置を示す図である。 図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図である。 図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 図5は、遊技機の背面図である。 図6は、遊技機が備える制御構成を示すブロック図である。 図7は、遊技機が備える機能構成を示すブロック図である。 図8(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図8(b)は、特図1に係る特図当否判定において大当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図8(c)は、特図2に係る特図当否判定において小当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図8(d)は、特図2に係る特図当否判定において大当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。 図9(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、図9(b)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図である。 図10(a)は、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、図10(b)は、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図である。 図11(a)は、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、図11(b)は、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図である。 図12(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図12(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。 図13は、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理のフローである。 図14は、コンプリート機能に係る遊技停止処理のフローである。 図15は、コンプリート機能に関連する報知が実行される大まかな流れを示す図である。 図16は、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合におけるコンプリート機能に関連する報知が実行される流れを示す図である。 図17は、事前報知実行処理のフローである。 図18(a)~図18(f)は、事前報知の報知態様を示す図である。 図19は、事前報知終了処理のフローである。 図20は、停止予告報知開始処理のフローである。 図21は、遊技停止報知開始処理のフローである。 図22は、事前報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の遊技状態との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表である。 図23(a)および図23(b)は、事前報知の報知態様の具体例を示す図である。 図24は、停止予告報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の大当り遊技との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表である。 図25(a)および図25(b)は、停止予告報知の報知態様の具体例を示す図である。 図26は、遊技停止報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の遊技状態等との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表である。 図27(a)および図27(b)は、遊技停止報知の報知態様の具体例を示す図である。 図28は、事前報知と停止予告報知が並行して実行されている期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。 図29は、遊技停止フラグがONとなった後の序盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。 図30は、終盤期間の手前で遊技停止フラグがONとなりかつ当該終盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。 図31は、遊技停止報知の実行中に電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。 図32(a)は、停止予告報知の復帰時の報知態様を示す図であり、図32(b)は、遊技停止報知の復帰時の報知態様を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球(遊技媒体)の獲得量(遊技球の払い出しに限らず、メダルの払い出しを含む)に関して有利であることを指す。
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
本発明は、
図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、上記当否判定によって特定結果(大当り、小当り)が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、上記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値(100000個)以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、
報知手段(メイン表示部81)と、
上記報知手段を制御する報知制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)と、
を備え、
上記入賞口には、第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)があり、
図柄変動を実行可能な遊技状態として、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)と、上記第一遊技状態とは有利度が異なる第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC)と、を有し、
上記報知制御手段は、上記差玉数が上記特定閾値よりも小さい所定閾値(95000個)以上となった上記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知(事前報知)を開始させることが可能であり、
上記第一遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される上記特定報知の報知態様と、上記第二遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される上記特定報知の報知態様と、が異なり得、
上記特定報知は、
当該特定報知が開始されてから少なくとも上記差玉数が上記特定閾値以上となるまで継続して実行され得るものであって、
上記差玉数の値に応じて報知態様が変化し、
上記第一遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された上記特定報知、および上記第二遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された上記特定報知のいずれにおいても、上記差玉数の値に応じた報知態様の変化条件が同一である、
ことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、上記特定報知の報知態様の違いにより、上記特定報知の開始契機が発生した遊技状態を認識させ易くすることで、上記特定報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
また、本発明によれば、事前報知が開始された後の報知態様の変化条件を統一することで、事前報知が開始された後に違和感なく遊技を続けさせることができる。
なお、上述の「上記第一遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される上記特定報知の報知態様と、上記第二遊技状態における上記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される上記特定報知の報知態様と、が異なり得る、」における「異なり得る」とは、必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
<遊技機10の構造について>
まず、図1~図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、図5は、遊技機10の背面図である。
なお、図1から図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれてもよい。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。なお、本実施形態では、下球受け皿29が排出された遊技球で満タンとなったことを検知するための満タン検知センサ(図示省略)が、下球受け皿29へ遊技球を排出する下部排出口30よりも上流に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
なお、図1~図5において図示は省略するが、中枠17には、中枠17が外枠15に対して開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する中枠開扉センサ76と、中枠17に対して前枠20が開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する前枠開扉センサ77と、を有している。本実施形態において、これらの開扉センサは、いずれも、開放状態でONとなり、閉鎖状態でOFFとなる。ただし、これらの開扉センサは、開放状態でOFFとなり、閉鎖状態でONとなるように構成されてもよい。
これにより、遊技機10が、中枠17の外枠15に対する開閉状態、および前枠20の中枠17に対する開閉状態の双方を検知することができる。
また、図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(上カーソルボタン38a、下カーソルボタン38b、左カーソルボタン38c、右カーソルボタン38d、中カーソルボタン38e)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
さらに、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ枠ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や枠ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声の出音または点灯若しくは消灯することができる。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。本実施形態における各図柄列の変動表示の方向は下方向であるが、当該方向は特に制限されない。例えば、上方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からサブ表示部82の表示領域の全域がメイン表示部81の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。ただし、サブ表示部82(特に、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)は、図4に示す初期位置であっても、表示領域の略上半分(後述する左側表示領域821や右側表示領域822)が遊技者から視認可能になっている。
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1に係る図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2に係る図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
遊技盤50の前面には、図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応づけられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して開始される大当り遊技の一部、または特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因して開始される小当り遊技の一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技や小当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。また、詳細は後述するが、本実施形態における小当り遊技は、大当り遊技を生起し得る。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド遊技」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンド遊技の総回数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。さらに、大当り遊技における1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。
一方、小当り遊技では、特別電動役物65の開放状態が1.8s経過、または10球の遊技球が大入賞口55へ入賞したことを契機に終了する。そのため、小当り遊技では、大当り遊技と比較して大入賞口55への遊技球の入賞が発生し難い。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図1に係る図柄変動が行われる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応づけられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2に係る図柄変動が行われる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、後述する普図当否判定の結果が普図当りとなった場合(以下、単に「普図当り」と表現する場合がある)に開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が可能となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2に係る図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われる。
一般入賞口67は、左一般入賞口67aおよび右一般入賞口67bとで構成され、左一般入賞口67aは遊技領域50aの左下部に配置され、右一般入賞口67bは遊技領域50aの右下部に配置されている。各一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。また、その配置から、後述する普図低確(大当り遊技中を除く)では、左一般入賞口67aへの入賞が発生し易く、大当り遊技中および普図高確では、右一般入賞口67bへの入賞が発生し易く、これらの入賞によっても、後述する遊技停止フラグがONとなり得る。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入する。
また、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口69に入球した遊技球であるアウト球を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えている。
なお、以降の説明では、アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を「アウト玉」と称するとともに、上述の入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を「セーフ玉」と称し、これらの玉数は、後述する差玉数の導出に用いられる。特に、セーフ玉については、実際に玉の払出しまで完了している必要はなく、入賞口への遊技球の入賞が発生した時点で更新される。
また、遊技盤50には、上述したセンサの他に、不正に賞球を受ける不正行為を防止するために、磁気を検知するための磁気検知センサおよび電波を検知するための電波検知センサ(いずれも図示省略)が設けられている。
遊技盤50の背面には、図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、および払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、主制御基板100には、RAMクリアスイッチ43が設けられている。
また、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
<遊技機10の制御構成について>
次に、図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時(電源投入時)にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態または遊技可能状態)、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。なお、これらの情報は、RAMクリア処理によってクリア(初期化)される。そのため、RAMクリアされた後は、後述する特図変動パターン導出状態PA(後述する普図低確)が新たに設定されることになる。さらに、RAMクリア処理が実行された場合には、装飾図柄に係る図柄列は、初期図柄組合せが停止表示された状態となり、電源投入時にRAMクリア処理が実行されなかった場合かつ直前の電断時に図柄変動の実行中でない場合にも初期図柄組合せが停止表示された状態となる。また、この初期図柄組合せは、電源投入時にのみ停止表示されるものであり、図柄変動の実行により停止表示されることがない。
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)がバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76、前枠開扉センサ77等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。なお、図示は省略するが、これらのセンサ以外に、主制御基板100は、満タン検知センサ、磁気検知センサ、および電波検知センサとも電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39やRAMクリアスイッチ43に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ表示させる画像を指示する画像制御コマンド、音声制御基板310へ出力させる音声を指示する音声制御コマンド、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22、およびサブ表示部82等の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300および音声制御基板310と双方向通信が可能に接続されており、各制御コマンド(画像制御コマンド、音声制御コマンド)が第1副制御基板200から第2副制御基板300または音声制御基板310へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が各制御基板(第2副制御基板300、音声制御基板310)から第1副制御基板200へ送信される。
また、第1副制御基板200は、枠ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、枠ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
さらに、第1副制御基板200は、可動装飾体22およびサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。そして、可動装飾体22およびサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
第2副制御基板300は、いずれも図示は省略するが、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPUと、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポートとを備えており、当該CPUが当該ROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
さらに、第2副制御基板300には、当該CPUから受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、当該CPUから受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、当該CPUからの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを、メイン表示部81やサブ表示部82へ送信する。また、このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。
音声制御基板310は、第1副制御基板200からの音声制御コマンドに基づき音声演出に関する各種の演算処理を行うCPU311と、音声制御プログラムや音声データ等を記憶したROM312と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM313と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート314とを備えており、CPU311がROM312に記憶された制御プログラムに従って音声演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。したがって、音声制御基板310は、第1副制御基板200から受信した音声制御コマンドに応じて、ROM312に記憶された音声データを読み込み、読み込んだ音声データを合成し、合成後の最終的な音声データを、増幅器を介してスピーカ33に送信し、スピーカ33に音声を出音させることができる。
払出制御基板400は、CPU、ROMおよびRAM(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路(いずれも図示省略)で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
<遊技機10の機能構成について>
次に、図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて図8~図12を参照することとする。
主制御基板100は、図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、電断処理実行手段180、およびコンプリート機能制御手段190を備えており、これらの手段は、図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
まず、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
また、入球判定手段110は、大入賞口センサ72等の入賞口に設けられたセンサによって遊技球の入賞を判定した場合には、当該入賞に係るセンサの種類を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(入賞コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図停止図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
なお、乱数回路105は、自身が更新している複数種類の乱数が正常に更新されているか否かを監視し、乱数が正常に更新されない更新異常が発生した場合には、乱数回路105が有する特定の記憶領域に当該異常が発生したことを示す情報が書き込まれる。そのため、CPU101は、乱数回路105の更新異常が発生したことを把握可能となっている。
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、および普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特図2および普図に関しても、特図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特図2の保留カウンタを特図2保留カウンタと称し、本実施形態における特図2保留カウンタの値の上限値は4である。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を、「図柄変動の保留」、または単に「保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図1または特図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特図1保留カウンタおよび特図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。ただし、この優先変動に代えて、特図1に対応するものであるか特図2に対応するものであるかに関わらずに作動保留情報が保留された順序で使用される入賞順変動や、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合において特図1に対応する作動保留情報と特図2に対応する作動保留情報が同時に使用される同時変動を採用してもよい。
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングの少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることになる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、例えば、特図の作動保留情報が保留されたタイミングがある。なお、本実施形態では、後述する普図高確中に特図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定が規制されるため、当該事前判定に対応する事前判定コマンドの送信も規制される。一方、後述する普図低確中に特図2の作動保留情報が保留された場合については、事前判定を規制してもよいし、事前判定を規制しなくてもよい。
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り遊技中ではないこと、特図1および特図2のいずれも図柄変動の実行中でないこと(特図1または特図2に係る図柄変動の停止表示中も含む)、特図1および特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
ここで、図8~図12は、主制御基板100で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「-」や「0」が記載されている場合があれば、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「-」や「0」が記載された結果に当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図8(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特図1と特図2とで異なり、これらの判定で用いられる乱数の範囲は、0~65535である。そのため、特図1における特図当否判定では、205/65536(約1/320)の確率で大当りが導出され、それ以外でハズレとなり、小当りが導出されることがない。一方、特図2における特図当否判定では、205/65536(約1/320)の確率で大当りが導出され、1820/65536(約1/36.0)の確率で小当りが導出され、それ以外でハズレとなる。
なお、本実施形態では、後述する通り、小当りを経由して大当り遊技が生起され得るため、特図当否判定において大当りが導出される確率を上記した一の確率としている。
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りや小当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数(本実施形態では、0~999の範囲)と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
具体的には、特図1に係る特図当否判定において大当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である図8(b)に示す通り、特図1に係る特図当否判定において大当りが導出された場合には、100/1000(1/10)の確率で図柄Aが、900/1000(約1/1.11)の確率で図柄Bが、停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aおよび図柄Bのいずれが決定された場合にも、これらの停止図柄に対応する大当り遊技の終了後に後述する普図高確となるが、普図高確が継続する図柄変動の回数(以下、「普図高確に係る規定回数」と称する)は、図柄Aが決定された場合の大当り遊技の終了後であれば80回、図柄Bが決定された場合の大当り遊技の終了後であれば40回となる。また、図柄Aに対応する大当り遊技のラウンド数は10である一方、図柄Bに対応する大当り遊技のラウンド数は4である。そのため、図柄Aは、ラウンド数および普図高確に係る規定回数のいずれの観点においても、図柄Bよりも有利であると言える。
特図2に係る特図当否判定において小当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である図8(c)に示す通り、特図2に係る特図当否判定において小当りが導出された場合には、700/1000(約1/1.43)の確率で図柄aが、300/1000(約1/3.33)の確率で図柄bが、停止図柄として決定される。
ここで、図柄aは、当該図柄に係る小当り遊技において生起される大当り遊技のラウンド数が10であり、かつ当該大当り遊技の終了後に普図高確となる停止図柄であり、当該普図高確に係る規定回数は80回である。一方、図柄bは、当該停止図柄に係る小当り遊技において生起される大当り遊技のラウンド数が4であり、かつ当該大当り遊技の終了後に普図高確となる停止図柄であり、当該普図高確に係る規定回数は80回である。そのため、図柄aは、ラウンド数の観点で図柄bよりも有利であると言える。
また、小当り遊技において大当り遊技が生起された場合の当該大当り遊技におけるラウンド数とは、当該小当り遊技を1回のラウンドとして計算した数である。
さらに、以降の説明では、ラウンド数が4の大当り遊技を生起する大当りを「4R大当り」と称するとともに、ラウンド数が10の大当り遊技を生起する大当りを「10R大当り」と称する。
特図2に係る特図当否判定において大当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である図8(d)に示す通り、特図2に係る特図当否判定において大当りが導出された場合には、1000/1000(1/1)の確率で図柄cが、停止図柄として決定される。特に、図柄cは、当該停止図柄に対応する大当り遊技のラウンド数は10であり、かつ当該大当り遊技の終了後に普図高確となる停止図柄であり、当該普図高確に係る規定回数は80回である。
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図1に係る特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、図柄Cを停止図柄として決定し、特図2に係る特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、図柄dを停止図柄として決定する。
このように、上述の本実施形態では、特図2に係る図柄変動において生起された大当り遊技は、特図1に係る図柄変動において生起された大当り遊技よりも有利度が高くなる傾向にある。そのため、後述する特図変動パターン導出状態PAから別の特図変動パターン導出状態への遷移によって遊技興趣をより高めることができる。
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態と今回の特図当否判定の結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。ここで、変動時間とは、特図(特図1または特図2)に係る図柄変動が開始されてから当該図柄変動が終了するまでの時間を指す。
遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCが存在する。そして、上述の特図変動パターンの決定方法は、特図変動パターン導出状態PAでは、特図1に係る図柄変動で採用され、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCでは、特図2に係る図柄変動で採用される。
一方、各特図変動パターン導出状態における他方の特図(上述の特図変動パターンの決定方法が採用される方の特図)に係る図柄変動では、特図当否判定の結果に応じてあらかじめ定められた一の特図変動パターンが決定される。特に、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAの特図2に係る図柄変動において、当該図柄変動の特図当否判定の結果がハズレである場合には、変動時間が1000msの変動パターンが決定され、当該図柄変動の特図当否判定の結果がハズレ以外である場合には、変動時間が2000msの変動パターンが決定される。
図9(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~999である。
図9(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Cが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、52/1000(約1/19.2)の確率で特図変動パターンHRP、13/1000(約1/76.9)の確率で特図変動パターンHSP1-A、11/1000(約1/90.9)の確率で特図変動パターンHSP1-B、9/1000(約1/111)の確率で特図変動パターンHSP2-A、7/1000(約1/143)の確率で特図変動パターンHSP2-B、5/1000(1/200)の確率で特図変動パターンHSP3-A、3/1000(約1/333)の確率で特図変動パターンHSP3-Bが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cが決定されることはない。なお、詳細は図9(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
一方、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、90/1000(約1/11.1)の確率で特図変動パターンASP1-A、110/1000(約1/約9.09)の確率で特図変動パターンASP1-B、135/1000(約1/7.41)の確率で特図変動パターンASP2-A、165/1000(約1/約6.06)の確率で特図変動パターンASP2-B、180/1000(約1/5.56)の確率で特図変動パターンASP3-A、220/1000(約1/4.56)の確率で特図変動パターンASP3-B、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンASP-Cが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP3-Bが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、100/1000(1/10)の割合で、特図変動パターンHRP~特図変動パターンHSP3-Bのいずれかが決定され、900/1000(約1/1.11)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cのいずれかが決定される。
ここで、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、2つの特図変動パターンを、「~」を挟んで記載した場合、特図変動パターン導出状態ごとの特図変動パターン抽選テーブルに係る図面に記載した順序に従って、手前に記載された特図変動パターンと、後に記載された特図変動パターンとの間に存在する特図変動パターンの記載を省略したものとする。また、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、対応する変動時間の記載があるか否かに関わらず、特図変動パターンの名称が異なる場合は、異なる特図変動パターンが異なることを指す。
図9(b)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(図9(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図9(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP-A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP-B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP-C、および変動時間が11200msの特図変動パターンHNP-Dがあり、この順に変動時間が長くなっている。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=3である場合には、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Aが決定される。同様に、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=2である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Bが決定され、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=1である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンHNP-Cが決定され、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=0である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンHNP-Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Dが決定される。なお、以降の説明では、参照対象となる特図保留カウンタの値が3である場合には、「保3」、当該特図保留カウンタの値が2である場合には、「保2」、当該特図保留カウンタの値が1である場合には、「保1」、当該特図保留カウンタの値が0である場合には、「保0」、と称する場合がある。
このように、特図変動パターン導出状態PAにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
また、このような特図変動パターンHNP(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCにおいても存在し、これらの特図変動パターン導出状態では、参照される保留カウンタが特図変動パターン導出状態PAとは異なり、いずれも特図2保留カウンタの値が参照される。
図10(a)は、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~999である。
図10(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Fが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、960/1000(約1/1.04)の確率で特図変動パターンHNP、20/1000(1/50)の確率で特図変動パターンHSP-D、15/1000(約1/66.7)の確率で特図変動パターンHSP-E、5/1000(1/200)の確率で特図変動パターンHSP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fが決定されることはない。なお、詳細は図10(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。そして、この特図2保留カウンタを用いた特図変動パターンの決定方法は、後述する特図変動パターン導出状態PBにおいても同様である。
一方、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-D、350/1000(約1/2.86)の確率で特図変動パターンASP-E、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンASP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Fが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、40/1000(1/25)の割合で、特図変動パターンHSP-D~特図変動パターンHSP-Fのいずれかが決定され、960/1000(約1/1.04)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PB時に特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fのいずれかが決定される。
図10(b)は、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(図10(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図10(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PBの特図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が3000msの特図変動パターンHNP-E、および変動時間が15000msの特図変動パターンHNP-Fがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Eが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Fが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Fが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Eが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Eおよび特図変動パターンHNP-Fは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、後述の特図変動パターン導出状態PCに係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
図11(a)は、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~999である。
図11(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Iが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、950/1000(約1/1.05)の確率で特図変動パターンHNP、25/1000(1/40)の確率で特図変動パターンHSP-G、15/1000(約1/66.7)の確率で特図変動パターンHSP-H、10/1000(1/100)の確率で特図変動パターンHSP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iが決定されることはない。
一方、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、当該特図変動パターン導出状態PCにおける回転数に関わらず、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-G、350/1000(約1/2.86)の確率で特図変動パターンASP-H、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンASP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Iが決定されることはない。
図11(b)は、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(図11(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図11(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が2000msの特図変動パターンHNP-G、および変動時間が10000msの特図変動パターンHNP-Hがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Gが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Hが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Hが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Gが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Gおよび特図変動パターンHNP-Hは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、および上述の特図変動パターン導出状態PBの特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行するとともに、当該普図当否判定の結果および現在の特図変動パターン導出状態等の情報に基づいて、普図に係る各種パラメータ(普図変動時間、普図停止表示時間等)を決定する。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
大当り遊技制御手段140は、大当り遊技の進行を制御する。具体的には、大当り遊技の開始時に設けられ時間経過で終了する大当り開始デモ期間、大当り遊技の終了直前に設けられ時間経過で終了する大当り終了デモ期間を管理するとともに、これらの期間の間かつ上述したラウンド遊技を実行するラウンド期間の進行を管理する。特に、大当り遊技制御手段140は、大当り遊技の開始時(大当り開始デモ期間の開始時)には、当該大当り遊技のラウンド数やその後の特図変動パターン導出状態を含む演出制御コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。さらに、大当り遊技制御手段140は、ラウンド期間の開始時、ラウンド期間の終了時(大当り終了デモ期間の開始時)、および大当り遊技の終了時(大当り終了デモ期間の終了時)にも、それぞれに対応する含む演出制御コマンドを生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、本実施形態において、第1副制御基板200は、大当り遊技の進行状況を把握することができるようになる。
また、大当り遊技制御手段140は、特図当否判定の結果が小当りである場合には、小当り遊技を開始し、当該小当り遊技において遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域(図示省略)を通過した場合には、当該小当り遊技の終了後に、当該小当りに対応する大当り遊技を開始可能とする。したがって、本実施形態において、小当り遊技は、大当り遊技を生起するものとして機能する。なお、小当り遊技においてV入賞領域を遊技球が通過しなかった場合には、当該小当り遊技の終了後に大当り遊技が開始されない。
図柄表示制御手段145は、決定された特図1の特図変動パターンに対応する変動時間に従って、特図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、当該変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図1を停止表示させる。同様に、決定された特図2の特図変動パターンに対応する変動時間に従って、特図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、当該変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図2を停止表示させる。ここで、特図に係る図柄変動の停止表示時間(インターバル)とは、特図が停止表示されてから次の特図の図柄変動が開始可能になるまでの時間(特図当否判定の結果がハズレの場合)、または特図の図柄変動が終了してから大当り遊技または小当り遊技が開始されるまでの時間(普図当否判定の結果が普図当りの場合)を指し、本実施形態における特図に係る図柄変動の停止表示時間は、特図の種類や特図当否判定の結果に関わらず、一律に300msである。
また、図柄表示制御手段145は、特図1および特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
ここで、装飾図柄の確定停止表示とは、図柄変動における装飾図柄の最終的な停止表示を指し、図柄変動の実行途中において発生し得る装飾図柄の仮停止表示とは異なる。そして、装飾図柄の仮停止表示では、例えば、停止表示されている装飾図柄が上下に小刻みに揺れる動作(いわゆる、揺れ変動)を伴う一方、装飾図柄の確定停止表示では、停止表示されている装飾図柄が揺れ変動を伴わない等、同一の装飾図柄が停止表示された場合であっても、確定停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、仮停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、が異なる。そのため、遊技者は、装飾図柄の停止表示が、確定停止表示であるか仮停止表示であるかを認識することができる。
さらに、図柄表示制御手段145は、決定された普図の普図変動パターンに対応する変動時間に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、当該変動時間の経過後に、決定された停止図柄で普図を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図に係る時間(普図変動時間、普図停止表示時間等)を管理するための普図遊技タイマを有する。
電動役物制御手段150は、上述の大当り遊技や小当り遊技において、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り遊技の開始時に当該大当り遊技に係る特図の停止図柄に関わらず普図低確とし、大当り遊技の終了等の規定条件が充足された場合には、当該普図高確に係る規定回数の図柄変動が行われるまで普図高確とし、当該普図高確に係る規定回数の図柄変動が終了したことを契機に普図低確とする。ここで、後述する通り、本実施形態では、普図高確に係る規定回数に到達したか否かの判定に用いられる図柄変動の実行回数を、特図2に係る図柄変動の実行回数としているが、当該判定に用いられる図柄変動の実行回数を、特図2に係る図柄変動の実行回数に特図1に係る図柄変動の実行回数を加算したものとしてもよい。
また、本実施形態では、小当り遊技中は、当該小当り遊技が生起された図柄変動における普図抽選状態が維持される。
このような普図抽選状態は、上述の特図変動パターン導出状態とリンクして変化し、特図変動パターン導出状態の遷移は遊技状態制御手段155によって管理される。以下、特図変動パターン導出状態の遷移について、図12(a)および図12(b)を参照しながら説明する。なお、図12(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図12(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。
図12(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態には、普図低確に対応する特図変動パターン導出状態として、特図変動パターン導出状態PAがあり、普図高確に対応する特図変動パターン導出状態として、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCがあり、大当り遊技中を除いて、これらの特図変動パターン導出状態のいずれかが設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA~特図変動パターン導出状態PC間の遷移条件には、遷移条件(i)~遷移条件(v)がある。
具体的には、遷移条件(i)は、図柄Bに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は、図柄Aに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は、図柄a、図柄b、または図柄cに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iv)は、普図高確において大当り遊技を挟まずに実行された特図2に係る図柄変動の回数が40回(特図変動パターン導出状態PBの普図高確に係る規定回数)となる図柄変動の終了、遷移条件(v)は、普図高確において大当り遊技を挟まずに実行された特図2に係る図柄変動の回数が80回(特図変動パターン導出状態PCの普図高確に係る規定回数)となる図柄変動の終了である。
なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて大当り遊技が生起された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCに遷移し、特図変動パターン導出状態PCの普図高確に係る規定回数までに実行可能な特図2に係る図柄変動の回数がリセットされる。また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PCにおいて生起された小当り遊技において大当り遊技が生起されなかった場合、および遷移条件(iii)に係る小当り遊技において大当り遊技が生起されなかった場合には、当該小当り遊技の終了を契機に、現在の特図変動パターン導出状態が終了して特図変動パターン導出状態PAに遷移する。
図12(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCのそれぞれの平均変動時間は、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PCの順に短くなる。これは、各特図変動パターン導出状態で最も決定され易い基本特図変動パターンに係る変動時間の長短に起因する。ここで、平均変動時間とは、或る特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンに係る変動時間のそれぞれに対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される、任意の図柄変動において発生し得る確率)を掛け算することで導出される変動時間の総和を指す。ただし、本実施形態では、当該或る特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンが一つである場合には、当該特図変動パターンに係る変動時間を平均変動時間として扱う。
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態や特図変動パターン導出状態の遷移が発生した場合に、遷移後の状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
さらに、遊技状態制御手段155は、各特図変動パターン導出状態において、他の特図変動パターン導出状態への遷移に係る図柄変動の実行回数をカウントし、図柄変動が開始されるごとに、カウントしている図柄変動の回数を含む演出制御コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド領域に記憶させる。なお、当該演出制御コマンドに含まれる情報は、上述の変動開始コマンドに含まれるようにしてもよい。
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー状態を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
本実施形態において、メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態には、例えば、上述の更新異常の発生に基づく主基板エラー、磁気検知センサによる磁気検知に基づく磁気エラー、電波検知センサによる電波検知に基づく電波エラー、ゲートセンサ74や第2始動口センサ71による遊技球の検知に基づく右打ちエラー、中枠開扉センサ76による中枠17の開放の検知または前枠開扉センサ77による前枠20の開放の検知に基づく扉開放エラー、満タン検知センサによる遊技球の検知に基づく満タンエラー、残賞球がある場合に発生する残賞球エラーなどがある。なお、本実施形態に係るエラー状態の発生有無については、後述する遊技可能状態中に監視される。
これらのエラーの一部の発生条件を整理すると、主基板エラーは、上述の通り、乱数回路105の更新異常を示すエラー状態であり、当該更新異常が発生した場合に発生する。続いて、磁気エラーは、磁気検知センサによる磁気検知が500ms連続で発生した場合に発生するエラー状態であり、電波エラーは、電波検知センサによる電波検知回数(直前の電源投入からの累計回数)が計5回発生した場合に発生するエラー状態である。また、右打ちエラーは、通常時(特図変動パターン導出状態PAであり、特図低確かつ普図低確)にゲートセンサ74が遊技球を3回検知した場合(当該検知回数は、最後の検知から1000ms経過でリセットされる)、または通常時に第2始動口センサ71が遊技球を1回検知した場合に発生するエラー状態であり、満タンエラーは、満タン検知センサがONとなっている場合、すなわち、満タン検知センサによって遊技球が検知されている場合に発生するエラー状態である。
また、本実施形態では、これらのエラー状態のうち、主基板エラー、磁気エラー、電波エラーを相対的に重要度が高いエラー状態(以下、単に「重要度が高いエラー状態」と称する)として扱っている。そのため、メインエラー制御手段165は、これらの重要度が高いエラー状態が発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理に加え、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等の遊技を進行させないための遊技進行規制処理を実行する。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過する前にセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。なお、本実施形態では、磁気エラーおよび電波エラーが発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理を実行するも、払出制御基板400に上述の遊技進行規制処理を実行しないようにしてもよい。
また、これらの重要度が高いエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能な報知演出が実行される。
さらに、これらの重要度が高いエラー状態は、電断復電によってのみ解除可能(当該エラー状態を終了させることが可能)であり、当該エラー状態に係るセキュリティ信号は、電断によりOFFの状態となる(電断までONの状態が維持される)。
なお、上述の重要度が高いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、他のエラー状態を設けてもよい。
一方、相対的に重要度が低いエラー状態(以下、単に「重要度が低いエラー状態」と称する)となる右打ちエラー、扉開放エラー、満タンエラー、および残賞球エラーは、遊技球の発射は規制されず、遊技の進行が可能な状態が維持される。なお、これらのエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能な報知演出が実行される。
また、右打ちエラーは、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了し、扉開放エラーは、中枠開扉センサ76による中枠17の閉鎖状態の検知、または前枠開扉センサ77による前枠20の閉鎖状態の検知によって終了し、残賞球エラーは、残賞球がなくなったことで終了し、満タンエラーは、満タン検知センサによって遊技球が検知されなくなることで終了する。なお、これらのエラー状態の終了条件が充足された場合には、当該終了条件が充足されたことを示す演出制御コマンド(復帰コマンド)がメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納される。
また、上述の重要度が低いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、大当り遊技中の大入賞口55が閉鎖状態となってから所定の時間が経過した以降に大入賞口センサ72によって遊技球が検知された場合に発生する異常入賞エラー等、他のエラー状態を設けてもよく、これらのエラー状態を設けた場合には、当該エラー状態に係る報知演出を実行する。なお、異常入賞エラーは、上述の右打ちエラーと同様に、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了させればよい。
なお、本実施形態において、重要度が高いエラー状態が発生したことを特定可能な報知は、上述の重要度が低いエラー状態が発生したことを特定可能な報知よりも優先して実行され、重要度が低いエラー状態を特定可能な報知は、後述する演出を含めて図柄変動中に実行される他の演出(後述する事前報知を含む)よりも優先して実行される。ただし、後述する停止予告報知や遊技停止報知は、重要度が低いエラー状態を特定可能な報知よりも優先して実行される一方、重要度が高いエラー状態が発生したことを特定可能な報知よりも優先度が低く実行される。
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176および遊技可能状態移行手段179を備える。
復帰状態設定手段176は、復電時にRAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて、復帰状態を設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態および遊技可能状態(RAMクリア処理の実行を伴う場合と、RAMクリア処理の実行を伴わない場合とがある)がある。
具体的には、復電時にRAM103に異常がある場合には、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態および中枠開扉センサ76の状態に関わらず、遊技停止状態が設定される。また、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がON(押下された状態)であれば、復電時の中枠開扉センサ76がONであることを条件にRAMクリア処理が実行されて遊技可能状態が設定され(復電時の中枠開扉センサ76がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される)、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がOFF(押下されていない状態)であれば、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる状態であり、当該状態では、遊技球の発射自体も禁止される。
一方、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。特に、復電時にRAMクリア処理が実行されない場合には、直前の電断時における遊技可能状態に復帰する。例えば、直前の電断時が大当り遊技や小当り遊技の実行中であれば、実行中であった大当り遊技や小当り遊技に復帰し、直前の電断時が図柄変動の実行中であれば、実行中であった図柄変動に復帰する。
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、およびデバイスの初期設定が実行される。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
コンプリート機能制御手段190は、上述したアウト玉とセーフ玉を用いて差玉数を導出し、導出された差玉数が特定閾値(本実施形態では、100000個)以上となったことに基づいて遊技停止状態を設定する(以下、当該機能を「コンプリート機能」と称する)。なお、コンプリート機能制御手段190によって実行される処理の詳細は後述する。
第1副制御基板200は、図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段245、サブ情報記憶手段260、およびサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、図6を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
ここで、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドを受信した場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性を取るかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、チャレンジモード、RUSHモードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBにはチャレンジモード、特図変動パターン導出状態PCにはRUSHモードが対応する。
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドが送信された場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(例えば、特図変動パターン導出状態PAであれば、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることになる。
本実施形態における演出ルートは、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りおよび小当りのいずれでもないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りまたは小当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。なお、後述する通り、大当り演出ルートが決定された場合には、特段の説明がない限り、発展演出が実行される。
ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)となった以降に実行される演出であって、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りまたは小当りであるか否かを報知する演出を指す。したがって、発展ハズレ演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りおよび小当りのいずれでもないことが報知される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りまたは小当りであることが報知される。
また、後述する通り、本実施形態では、一の演出モードにおいて、決定された特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そのため、以降の説明では、特図変動パターンに対する演出ルートを、単に、特図変動パターンで表現する場合がある。ただし、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、決定された特図変動パターンに対応する複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
サブ保留制御手段223は、保留コマンドを受信した場合(以下、単に、保留入賞の発生と表現する場合がある)に、当該コマンドに含まれる特図1保留カウンタと特図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当り遊技が生起される期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出(後述する先読み演出の一例)の対象となる画像である。
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいていわゆる先読み演出の内容を決定する。
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドを受信した場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)について、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに基づいて、参照する演出パターン抽選テーブルを決定し、決定した演出パターン抽選テーブルを用いた抽選によって当該演出の内容を決定する。特に、このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドを受信した場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、最終的な(確定停止表示される)装飾図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、特図1に係る図柄変動では、図柄Aおよび図柄Bに対して7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定され、図柄Cに対して7図柄に係る図柄揃いが決定される。そのため、本実施形態では、7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いが停止表示されたとしても、当該停止表示された図柄揃いから、その後の演出モード、すなわち、当該図柄揃いに係る大当り遊技の終了を契機に設定される演出モードを正確に判断することができないようになっている。一方、7図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、その後にRUSHモードが設定されることを遊技者が判断可能となる。
また、特図2に係る図柄変動では、図柄aおよび図柄cに対して7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定され、図柄bおよび図柄dに対して7図柄を含む装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定される。そのため、本実施形態では、7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、当該図柄揃いに係る大当り遊技のラウンド数を正確に判断することができないようになっている。一方、7図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、当該図柄揃いに係る大当り遊技のラウンド数が10であることを遊技者が判断可能となる。
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中の演出の内容を決定する。なお、大当り遊技中の演出には、大当り開始デモ期間であることを特定可能な大当り開始演出、ラウンド期間中であることを特定可能なラウンド演出、および大当り終了デモ期間であることを特定可能な大当り終了演出が存在する。
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出の内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。さらに、読み出した演出データに音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて音響に関する音声制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
また、通常演出制御手段220は、RAMクリア処理の実行を伴って復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、RAMクリア処理の実行を伴わずに復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、RAMクリア処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
なお、通常演出制御手段220は、上述したコンプリート機能に関連する報知として、事前報知、遊技停止報知、および停止予告報知を実行し、これらの報知の詳細については後述する。
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー報知パターンを決定し、当該エラー報知パターンに従ってエラー報知を実行するための演出データを読み出す。
なお、エラー報知は、図柄変動に係る変動演出よりも優先して実行される。ここで、エラー報知が優先して実行されるとは、エラー報知の実行に係るデバイスと変動演出の実行に係るデバイスが同一のデバイスである場合に、当該デバイスにおいてエラー報知のみが実行される(エラー報知の実行によって変動演出の実行が規制される)場合に限らず、当該デバイスにおいてエラー報知が変動演出よりも認識され易い態様で実行されることを含む。
また、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー報知を実行する演出データを読み出すようにしてもよい。
ランプ制御手段240は、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、例えば、通常演出制御手段220によって読み出された演出データにランプに対応する演出データがある場合には、ランプ制御手段240は、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを実行対象のランプへ送信する。
可動役物制御手段245は、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてROM202から可動装飾体22やサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22やサブ表示部82へ送信し、可動装飾体22やサブ表示部82の可動を制御する。
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させる、また、サブコマンド管理手段270は、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。さらに、サブコマンド管理手段270は、当該格納領域に音声制御コマンドが記憶されている場合には、これらのコマンドを音声制御基板310に向けて送信される。なお、これらのコマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
以上説明した通り、本実施形態に係る遊技機10は、アウト玉およびセーフ玉を用いて差玉数を導出し、導出された差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止状態とするコンプリート機能を有している。これは、遊技の射幸性を抑えることに寄与するが、当該機能が従来になかった機能であるため、既存の遊技機が有する機能との絡みで種々の問題が生じる。
これに対して、本発明では、既存の遊技機に対してコンプリート機能を搭載した際に生じる問題の一部を解決する機能を有しており、以下、当該機能の詳細を説明する。
<コンプリート機能に係る処理について>
まず、図13および図14を用いて、コンプリート機能を実現するためにコンプリート機能制御手段190によって実行される処理である、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理、およびコンプリート機能に係る遊技停止処理の詳細を説明する。
図13は、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理のフローであり、当該処理は、主制御部のタイマ割込み処理において実行される処理であり、後述する遊技停止フラグがOFFである場合に実行される一方、遊技停止フラグがONである場合には実行されない。
図14は、コンプリート機能に係る遊技停止処理のフローであり、当該処理は、遊技停止フラグの状態に関わらず実行され、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理が実行される場合には、主制御部のタイマ割込み処理において当該処理から続けて実行される。
図13に示す通り、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理の最初のステップであるステップS102では、アウト玉およびセーフ玉を取得する。
なお、上述した通り、アウト玉は、アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を指し、アウト玉は、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電によって初期値(本実施形態では、0)が設定される。
一方、セーフ玉は、上述の入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を指し、セーフ玉は、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電によって初期値(本実施形態では、5000個)が設定される。
ステップS104では、取得したアウト玉およびセーフ玉を用いて差玉数を導出する。
具体的には、当該処理では、セーフ玉からアウト玉を引いた値が差玉数として導出され、当該導出結果がマイナスになる場合には差玉数が零となる。
なお、差玉数の導出方法は、本実施形態に記載の導出方法に限らず、導出結果が一致する方法であれば、いずれの導出方法を採用してもよい。
ステップS106では、差玉数が100000個以上であるか否か(差玉数が100000個に到達したか否か)を判定し、当該条件が充足された場合にはステップS108に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS110に進む。
ステップS108では、遊技停止フラグをONに設定する。
なお、本実施形態では、一度遊技停止フラグがONに設定された場合には、RAMクリア処理の実行を伴う電源投入によってのみクリアされ(OFFに設定され)、RAMクリア処理の実行を伴わない電源投入ではクリアされない。そのため、不正に遊技停止フラグがクリアされることを抑止することができる。
ステップS110では、コンプリート機能関連コマンドの送信準備を行い、その後にコンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理を終了する。
具体的には、当該処理では、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域にコンプリート機能関連コマンドを記憶させるものであり、当該処理の実行によってコンプリート機能関連コマンドが第1副制御基板200に向けて送信されることになる。なお、本実施形態において、コンプリート機能関連コマンドには、アウト玉、セーフ玉、差玉数、および遊技停止フラグの状態を特定可能な情報が含まれる。さらに、今回のコンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理においてセーフ玉が更新された場合には、コンプリート機能関連コマンドに当該更新の契機となった入賞口の種類を特定可能な情報も含まれる。
続いて、図14に示す通り、コンプリート機能に係る遊技停止処理における最初のステップであるステップS202では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS204に進み、当該条件が充足されなかった場合にはコンプリート機能に係る遊技停止処理を終了する。
ステップS204では、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS206に進み、当該条件が充足された場合にはコンプリート機能に係る遊技停止処理を終了する。
ステップS206では、遊技停止状態を設定する。
ステップS208では、セキュリティ信号をONに設定し、その後にコンプリート機能に係る遊技停止処理を終了する。これにより、上述した遊技機外の機器が、遊技停止フラグがONとなったこと、すなわち、コンプリート機能が発動されたことを特定可能となる。
このように、本実施形態では、アウト玉およびセーフ玉を用いて導出された差玉数が特定閾値(100000個)以上となった場合には、大当り遊技中や小当り遊技中を除いて即座に遊技停止状態が設定される。一方、当該場合が大当り遊技中や小当り遊技中であれば、これらの当り遊技が終了した時点で遊技停止状態が設定されることになる。
特に、本実施形態では、差玉数のマイナス値を持たないが、セーフ玉の初期値が5000個であるため、実質的に差玉数がマイナス5000個までの値を持つと言える。当該初期値については、遊技機の性能に応じて任意の一の値(遊技機ごとに定まる値)を設定してよい。
ただし、セーフ玉の初期値は、アウト玉の初期値と同様に、零としてもよい。これによれば、遊技中に遊技球が最も減少した時点からの遊技球の増加分(いわゆるMY)よって遊技停止状態を設定することができる。
<コンプリート機能に関連する報知の種類とその概要について>
上述した通り、本実施形態では、コンプリート機能に関連する報知として、事前報知、遊技停止報知、および停止予告報知を実行可能に構成されており、図15~図23を用いて、これらの報知の詳細を説明する。
図15は、コンプリート機能に関連する報知が実行される大まかな流れを示す図である。
図16は、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合におけるコンプリート機能に関連する報知が実行される流れを示す図である。
図17は、事前報知実行処理のフローであり、当該処理は、コンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図18(a)~図18(f)は、差玉数に応じた事前報知の報知態様の変化を示す図である。
図19は、事前報知終了処理のフローであり、当該処理は、事前報知の実行中のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図15に示す通り、事前報知および遊技停止報知は、メイン表示部81を用いて実行される。
より具体的には、事前報知は、例えば、メイン表示部81に係る表示領域に通常事前報知画像jg1が表示されることで実現され、その開始条件や報知態様の詳細は後述するが、遊技停止報知の実行に先立って開始される(図15の上段左端のシーンから上段真ん中のシーンへの流れ)。
遊技停止報知は、例えば、「お疲れさまでした 本日の遊技は終了です」との文字を含む通常遊技停止画像tg1がメイン表示部81に係る表示領域に表示されることで実現され、当該報知は、遊技停止フラグがONとなったことに基づいて開始される(図15の上段右端のシーンから下段左端のシーンへの流れ)。
なお、本実施形態では、後述する停止予告報知も含めて、コンプリート機能に関連する報知の報知態様が、当該報知の開始契機となった入賞口の種類や開始時の遊技状態に応じて変化し、これらの詳細については後述する。
続いて、図16に示す通り、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合には、当該遊技停止フラグのONによる当該大当り遊技終了後の遊技停止状態の設定に先立ち、メイン表示部81を用いて停止予告報知が実行され得る。
より具体的には、停止予告報知は、例えば、「この大当り遊技終了後に本日の遊技が終了します」との文字を含む通常停止予告画像yg1が表示されることで実現される(図16の左端シーンから真ん中のシーンへの流れ)。このとき、事前報知は継続して実行されている。
なお、図示は省略するが、本実施形態では、小当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合には、当該タイミングで停止予告報知は開始されず、当該小当り遊技において生起される大当り遊技が開始されたタイミング、すなわち、小当り遊技の終了タイミングで停止予告報知が開始される。
その後の大当り遊技終了時には、実行されていた停止予告報知が終了して遊技停止報知に切り替わる(図16の真ん中のシーンから右端のシーンへの流れ)。このとき、停止予告報知の終了に合わせて事前報知も終了する。
続いて、事前報知の実行に係る制御を行う事前報知実行処理の詳細を説明する。
図17に示す通り、事前報知実行処理の最初のステップであるステップS302では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には事前報知実行処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS304に進む、
ステップS304では、事前報知の実行中であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS310に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS306に進む。
ステップS306では、差玉数が95000個以上であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS308に進み、当該条件が充足されなかった場合には事前報知実行処理を終了する。
ステップS308では、事前報知を開始させ、その後に事前報知実行処理を終了する。なお、上述の通り、開始される事前報知の報知態様は、当該事前報知の開始契機となった入賞口の種類や開始時の遊技状態に応じて変化する。
ステップS310では、実行中の事前報知に係る報知態様を差玉数に応じたものに更新し、その後に事前報知実行処理を終了する。
これにより、事前報知に係る報知態様の更新が必要な場合には、事前報知に相当する通常事前報知画像jg1の表示態様が、図18(a)~図18(f)で示す表示態様のいずれかに変更される。
具体的には、差玉数が95000個~95999個である場合、すなわち、差玉数が特定閾値(100000個)に到達するのに必要な差玉数の増分が4001個~5000個である場合には、通常事前報知画像jg1が、図18(a)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域のいずれに対してもハッチングがなされた表示態様となる。
差玉数が96000個~96999個である場合、すなわち、差玉数が閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が3001個~4000個である場合の通常事前報知画像jg1は、図18(b)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、および3000~4000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が97000個~97999個である場合、すなわち、差玉数が特定閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が2001個~3000個である場合の通常事前報知画像jg1は、図18(c)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、および2000~3000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が98000個~98999個である場合、すなわち、差玉数が特定閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が1001個~2000個である場合の通常事前報知画像jg1は、図18(d)に示されるように、0~1000に対応する領域、および1000~2000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が99000個~99999個である場合、すなわち、差玉数が特定閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が1個~1000個である場合の通常事前報知画像jg1は、図18(e)に示されるように、0~1000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
遊技停止フラグがONである場合、すなわち、差玉数が100000個以上である場合の通常事前報知画像jg1は、図18(f)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域のいずれに対してもハッチングがなされない表示態様となる。ただし、本実施形態において、当該表示態様の通常事前報知画像jg1は、停止予告報知の実行中(大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなってから当該大当り遊技が終了するまでの期間)に表示され得るものである。
このように、本実施形態において、事前報知は、遊技停止フラグがONになるまで(差玉数が100000個以上になるまで)の残りの差玉数を特定個数(本実施形態では、1000個)区切りで特定可能となるように構成されている。そして、これは、後述する事前報知の開始条件、すなわち、事前報知の開始契機となった入賞口の種類や開始時の遊技状態によらない。
また、後述する通り、本実施形態では、差玉数が95000個を下回った場合であっても、少なくとも差玉数が90000個を下回るまで事前報知が継続され、この場合における通常事前報知画像jg1は、図18(a)に示す表示態様となる。
よって、遊技機10において、特定報知(事前報知)は、当該特定報知が開始されてから少なくとも差玉数が特定閾値(100000個)以上となるまで継続して実行され得るものであって、差玉数の値に応じて報知態様が変化し、所定遊技状態(特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、または特図変動パターン導出状態PC)における第一入賞口(第1始動口57)への遊技球の入賞で開始された特定報知、および所定遊技状態における第二入賞口(第2始動口59)への遊技球の入賞で開始された特定報知のいずれにおいても、差玉数の値に応じた報知態様の変化条件が同一である、と換言できる。
なお、本実施形態では、上述した事前報知の報知態様の変化(特に、差玉数が特定閾値に到達するのに必要な差玉数の増分がより少ない報知態様への変化)は、入賞口への遊技球の入賞を契機に(入賞口への遊技球の入賞が発生したタイミングで)で実行される。
これによれば、事前報知の開始を除き、現在が大当り遊技中ではなくても、事前報知態様の変化をリアルタイムで認識させることができる。
続いて、事前報知の終了を制御する事前報知終了処理の詳細を説明する。
図19に示す通り、事前報知終了処理の最初のステップであるステップS402では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS404に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS408に進む。
ステップS404では、大当り遊技であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には事前報知終了処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS406に進む。
ステップS406では、事前報知を終了させ、その後に事前報知終了処理を終了する。
ステップS408では、差玉数が90000個を下回っているか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS410に進み、当該条件が充足されなかった場合には事前報知終了処理を終了する。
ステップS410では、現在が特図変動パターン導出状態PAであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS412に進み、当該条件が充足されなかった場合には事前報知終了処理を終了する。
ステップS412では、事前報知を終了させ、その後に事前報知終了処理を終了する。
このように、本実施形態において、事前報知は、大当り遊技中において遊技停止フラグがONとなった場合には当該大当り遊技が終了した時点で終了し、大当り遊技中以外で遊技停止フラグがONとなった場合にはその時点で終了する(ステップS402からステップS406の流れ)。
また、ステップS408からステップS412の流れに示される通り、差玉数が90000個を下回った場合にも事前報知が終了し得る。
具体的には、本実施形態では、差玉数が90000個を下回ったことに加え、現在が特図変動パターン導出状態PAである場合に、事前報知が終了する。一方、現在が特図変動パターン導出状態PA以外の遊技状態(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、大当り遊技、または小当り遊技)である場合には、差玉数が90000個を下回ったとしても、事前報知が終了しない(この場合には、差玉数が90000個を下回りかつ特図変動パターン導出状態PAとなった時点で事前報知が終了する)。
これによれば、差玉数が90000個を下回ったとしても相対的に有利な遊技状態では事前報知を維持することで、当該遊技状態において差玉数が特定閾値に近づいていることを認識させつつも、相対的に不利な遊技状態では事前報知を終了させることで、当該遊技状態において遊技意欲を高めることができる。
なお、当該効果を奏するにあたり、特図変動パターン導出状態PA以外の遊技状態には、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、大当り遊技、および小当り遊技が対応するが、これらの遊技状態のうちの一部を特図変動パターン導出状態PAと同様に扱って事前報知の終了を制御し、残りの遊技状態を特図変動パターン導出状態PA以外の遊技状態と同様に扱って事前報知の終了を制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、差玉数が当該開始条件となる閾値以上となって事前報知が開始された直後に、差玉数が減少して当該事前報知が終了する事象が発生しないようにするために、事前報知の終了条件となる閾値(90000個)を、事前報知の開始条件となる閾値(95000個)よりも小さい値としている。その上で、本実施形態では、事前報知の開始に係る差玉数の閾値(95000個)と事前報知の終了に係る差玉数の閾値(90000個)との差(5000個)を、最大ラウンド数(本実施形態では、10)の大当り遊技において大入賞口55への遊技球の入賞によって付与される遊技球の総数(各ラウンドで特別電動役物65が閉鎖状態となるまでに許容される大入賞口55への入賞個数である10個に、大入賞口55に対応する賞球数である15を乗算した数である、1500個)よりも大きくなるように構成している。
これによれば、一度事前報知が終了し、その後に大当り遊技(いわゆる初当り)が生起された場合に、差玉数が事前報知の開始に係る差玉数の閾値以上となり難くすることで、当該大当り遊技における遊技意欲向上の効果を害さないようにすることができる。
ここで、上記遊技球の総数(1500個)は、賞球数の合計であって遊技球の増加分には当たらないが、賞球数の合計と遊技球の増加分には大きな乖離が生じない(特に、賞球数の合計は常に遊技球の増加分よりも大きい値になる)。そのため、上述した効果を奏するにあたっては、賞球数の合計を用いて上述した数値の大小関係性を満たせばよい。これは、後述するモードTYと差玉数の閾値との差を比較するにあたっても同様である。
よって、遊技機10において、特定閾値(100000個)と第一閾値(95000個)との差は、一回の大当り遊技において大入賞口(大入賞口55)への遊技球の入賞によって付与される遊技球の総数(1500個)よりも大きい、と換言できる。
また、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAよりも有利な図柄変動を実行可能な遊技状態には、特図変動パターン導出状態PBに加え、特図変動パターン導出状態PBよりも有利度が高い特図変動パターン導出状態PCがある。そして、より有利度が高い特図変動パターン導出状態PCにおけるモードTYは、上述した事前報知の開始に係る差玉数の閾値と事前報知の終了に係る差玉数の閾値との差よりも大きくなるように構成されている。
これによれば、特図変動パターン導出状態PAにおいて一度事前報知が終了し、その後当該特図変動パターン導出状態PAで初当りが生起された場合に、その後に差玉数が95000個以上となり難く(事前報知が開始され難くする)ことで、当該初当り後に遊技意欲を減退させ難くすることができる。
ここで、モードTYとは、対象の有利な遊技状態(この例では、特図変動パターン導出状態PC)に遷移した際に、当該遷移に係る大当り遊技において獲得可能な賞球数を含めてその後に特図変動パターン導出状態PAに遷移されるまでに獲得される賞球数の期待値を指す。
さらに、上述の通り、本実施形態では、事前報知の報知態様は、差玉数が95000個以上の範囲では、差玉数の値に応じて(1000個区切りで)変化する一方、差玉数が90000個以上95000個未満の範囲では、報知態様が変化しない(図18(a)に示す表示態様が維持される)。
これによれば、差玉数が95000個以上の範囲では、差玉数が100000個に到達するまでの差玉数の多少を認識させ易くしつつも、差玉数が95000個未満の範囲では、遊技球の減少を認識させ難くすることができる。
さらに、本実施形態では、事前報知の報知態様を切り替える区切りとなる上記特定個数(1000個)は、事前報知の開始に係る差玉数の閾値(95000個)と事前報知の終了に係る差玉数の閾値(90000個)との差よりも小さい。
これによれば、差玉数が95000個未満の範囲において遊技球の減少を認識させ難くする効果を高めることができる。
<停止予告報知および遊技停止報知の開始に係る制御について>
次に、図20および図21を用いて、停止予告報知の開始を制御する停止予告報知開始処理、および遊技停止報知の開始を制御する遊技停止報知開始処理の詳細を説明する。
図20は、停止予告報知開始処理のフローであり、当該処理は、大当り遊技中のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図21は、遊技停止報知開始処理のフローであり、当該処理は、遊技可能状態のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図20に示す通り、停止予告報知開始処理の最初のステップであるステップS702では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS704に進み、当該条件が充足されなかった場合には停止予告報知開始処理を終了する。
ステップS704では、大当り遊技中の中盤期間であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS706に進み、当該条件が充足されなかった場合には停止予告報知開始処理を終了する。
ここで、中盤期間とは、大当り遊技を、序盤期間、中盤期間、および終盤期間に分けた際の真ん中の期間を指す。
特に、本実施形態では、ラウンド数が10回の大当り遊技では、大当り遊技の開始から2回目のラウンド遊技が終了するまでを序盤期間、2回目のラウンド遊技が終了してから8回目のラウンド遊技が終了するまでを中盤期間、8回目のラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの期間を終盤期間としている。さらに、ラウンド数が4回の大当り遊技では、大当り遊技の開始から1回目のラウンド遊技が終了するまでを序盤期間、1回目のラウンド遊技が終了してから3回目のラウンド遊技が終了するまでを中盤期間、3回目のラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの期間を終盤期間としている。
なお、序盤期間、中盤期間、および終盤期間は、あらかじめ定められた区切り方で区切られる期間であれば、その区切り方は問わず、これらのうちの少なくとも一つの期間にラウンド遊技が含まれなくてもよい。
ステップS706では、停止予告報知を開始させ、その後に停止予告報知開始処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当り遊技の中盤期間で遊技停止フラグがONとなった時点、または大当り遊技の序盤期間で遊技停止フラグがONとなりかつ当該序盤期間が終了して中盤期間となった時点で、停止予告報知が開始される。そのため、本実施形態において、停止予告報知の実行期間と事前報知の実行期間とが重複し得る。
なお、大当り遊技の終盤期間で遊技停止フラグがONとなった場合には、停止予告報知は実行されず、後述する通り、その後に遊技停止報知が開始される。
これによれば、その後に開始される遊技停止報知を認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、当該場合に停止予告報知が実行されないようにすることが好ましいが、終盤期間で遊技停止フラグがONとなったことを契機に後述する特殊な報知態様で停止予告報知を開始させてもよく、このようにしても、停止予告報知に注目させてその後の遊技停止報知を認識させ易くすることができる。
また、本実施形態では、上述した停止予告報知の開始条件が充足されれば、事前報知が実行されているか否かに関わらず、停止予告報知が開始される。
また、図示は省略するが、停止予告報知は、大当り遊技の終了に合わせて終了する。そのため、本実施形態では、停止予告報知の実行期間と遊技停止報知の実行期間とが重ならないように構成されている。
続いて、図21に示す通り、遊技停止報知開始処理の最初のステップであるステップS802では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS804に進み、当該条件が充足されなかった場合には遊技停止報知開始処理を終了する。
ステップS804では、大当り遊技中であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には遊技停止報知開始処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS806に進む。
ステップS806では、遊技停止報知を開始させ、その後に遊技停止報知開始処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当り遊技中を除き、遊技停止フラグがONとなっている時点で遊技停止報知が開始される。特に、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合には、当該大当り遊技の終了に基づいて遊技停止報知が開始される。
<事前報知開始時の報知態様について>
上述の通り、本実施形態では、コンプリート機能に関連する報知(事前報知、停止予告報知、遊技停止報知)の報知態様が、当該報知の開始契機となった入賞口の種類や開始時の遊技状態に応じて変化する。
まず、図22および図23を用いて、事前報知開始時における当該報知の報知態様について、その詳細を説明する。
図22は、事前報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の遊技状態との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表であり、図23(a)および図23(b)は、事前報知の報知態様の具体例を示す図である。
図22に示す通り、特図変動パターン導出状態PAでは、事前報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合には、開始される事前報知の報知態様が報知態様JAとなり、事前報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合には、開始される事前報知の報知態様が報知態様JBとなる。なお、事前報知の開始契機に係る入賞口とは、当該開始契機となった際のコンプリート機能関連コマンドによって特定される入賞口の種類を指し、これは、後述する停止予告報知および遊技停止報知についても同様である。
一方、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCでは、事前報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合には、開始される事前報知の報知態様が報知態様JBとなり、事前報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合には、開始される事前報知の報知態様が報知態様JAとなる。
ここで、報知態様JAの事前報知とは、図23(a)に示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、通常事前報知画像jg1が表示される報知態様である。一方、報知態様JBの事前報知とは、図23(b)の左側のシーンに示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、通常事前報知画像jg1が表示されるとともに、当該画像に重ねてその手前に「もうすぐ遊技が終了します」との文字を含む特殊事前報知画像jg2が表示される報知態様である。これは、本発明における「報知態様が異なる」の一例である。
このように、本実施形態では、図柄変動を実行可能な一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、または特図変動パターン導出状態PC)において、事前報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合の当該事前報知の報知態様と、事前報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合の当該事前報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、事前報知の報知態様の違いにより、事前報知の開始契機に係る入賞口を認識させ易くすることで、事前報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、事前報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合の当該事前報知の報知態様と、事前報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合の当該事前報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ入賞口として、第1始動口57と第2始動口59とを挙げたが、対象となる入賞口の種類は問わない。ただし、対象となる入賞口の組合せは、本実施形態のように、第1流路Xに向けて発射された遊技球が入賞し易い入賞口と、第2流路Yに向けて発射された遊技球が入賞し易い入賞口と、の組み合わせであることが好ましい。
また、本実施形態では、事前報知の開始契機に係る一の入賞口(第1始動口57または第2始動口59)について、当該開始契機が発生した遊技状態(図柄変動を実行可能なもの)が特図変動パターン導出状態PAである場合の事前報知の報知態様と、当該開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCである場合の事前報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、事前報知の報知態様の違いにより、事前報知の開始契機が発生した遊技状態を認識させ易くすることで、事前報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、事前報知の開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PAである場合の当該事前報知の報知態様と、事前報知の開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCである場合の当該事前報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ遊技状態(図柄変動を実行可能なもの)として、特図変動パターン導出状態PAと、特図変動パターン導出状態PB(または特図変動パターン導出状態PC)とを挙げたが、対象となる遊技状態の種類は問わない。ただし、対象となる遊技状態の入賞口の組合せは、本実施形態のように、推奨される遊技球の打ち出し方向が異なる遊技状態の組み合わせであることが好ましい。
よって、遊技機10において、入賞口には、第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)があり、図柄変動を実行可能な遊技状態として、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)と、第一遊技状態とは有利度が異なる第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)と、を有し、報知制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、差玉数が特定閾値(100000個)よりも小さい所定閾値(95000個)以上となった入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知(事前報知)を開始させることが可能であり、第一遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様と、第二遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様と、が異なり得る、と換言できる。
図23(b)に示す通り、本実施形態では、報知態様JBに係る事前報知は、時間経過によって特殊事前報知画像jg2が非表示となり(図23(b)の右側のシーン)、当該事前報知の報知態様が報知態様JAとなる。そして、これは、報知態様JAの事前報知と、報知態様JBの事前報知とが、時間経過によって同一の報知態様となること指す。ここで、時間経過とは、事前報知の開始タイミングを基準とした時間であり、これは後述する停止予告報知や遊技停止報知でも同様である。
これによれば、最終的な事前報知の報知態様を共通化することで、上述した二つの報知態様を異ならせる効果を奏しつつも、事前報知自体を認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、時間経過によって同一となる報知態様の内容は問わない。ただし、当該効果を高める観点においては、本実施形態のように、いずれか一方の報知態様と一致する報知態様であることが好ましい。
よって、遊技機10において、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)への遊技球の入賞で開始された特定報知(事前報知)の第一時間経過した後の報知態様と、第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)における第一入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第一時間経過した後の報知態様と、が同一である、と換言できる。
さらに、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)への遊技球の入賞で開始された特定報知(事前報知)の第一時間経過した後の報知態様、および第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)における第一入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第一時間経過した後の報知態様のいずれか一方は、当該第一時間経過するまでの報知態様と同一である、と換言できる。
なお、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて、第1始動口57への遊技球の入賞で開始された事前報知の報知態様(報知態様JA)および第2始動口59への遊技球の入賞で開始された事前報知の報知態様(報知態様JB)が同一の報知態様となるまでの時間と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて、第1始動口57への遊技球の入賞で開始された事前報知の報知態様(報知態様JB)および第2始動口59への遊技球の入賞で開始された事前報知の報知態様(報知態様JA)が同一の報知態様となるまでの時間とが、異なるように構成されている。
これによれば、報知態様が同一となるまでの時間の違いによっていずれの遊技状態において事前報知が開始されたことを認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、前者の時間を後者の時間よりも長くすることが好ましく、これによれば、遊技者が不信感を感じ易い相対的に不利な遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において、報知態様が同一となるまでの事前報知の報知態様を認識させ易くすることができる。そして、これは、事前報知の報知態様の変化を認識させ易くすることに寄与する。
また、図22に示す通り、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様と、が同一(報知態様JB)となる。
これによれば、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口への遊技球の入賞によって開始される事前報知の報知態様をこれらの遊技状態間で共通化することで、事前報知の存在自体を認識させ易くすることができる。
なお、本実施形態とは異なるが、当該効果を奏するにあたっては、特図変動パターン導出状態PAにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様、および特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様を、報知態様JAおよび報知態様JBのいずれとも異なる報知態様とすることが好ましい。
また、本実施形態では、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口であって報知態様JBの事前報知の開始契機となる入賞口として、大入賞口55を挙げたが、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口であれば、その種類は問わず、一般入賞口67を対象としてもよい。
よって、遊技機10において、入賞口には、第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)とは異なる第二入賞口(大入賞口55)があり、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第二入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知(事前報知)の報知態様と、第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)における第二入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様と、が同一である、と換言できる。
さらに、遊技機10において、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第二入賞口(大入賞口55)への遊技球の入賞で開始される特定報知(事前報知)の報知態様、および第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)における第二入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様は、第一遊技状態における第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様、および第二遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始される特定報知の報知態様のいずれとも異なる、と換言できる。
また、特図変動パターン導出状態PAにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合、および特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様(報知態様JB)についても、図23(b)に示す通り、時間経過で報知態様JAとなる。
これによれば、最終的な報知態様を共通化することで、事前報知が開始されたこと自体を認識させ易くすることができる。
よって、遊技機10において、第一遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第一入賞口(第1始動口57または第2始動口59)への遊技球の入賞で開始された特定報知(事前報知)の第一時間経過した後の報知態様と、第二遊技状態(特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PC)における第一入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第一時間経過した後の報知態様と、が同一であり、第一遊技状態における第二入賞口(大入賞口55)への遊技球の入賞で開始された特定報知の第二時間経過した後の報知態様、および第二遊技状態における第二入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第二時間経過した後の報知態様は、いずれも、第一遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第一時間経過した後の報知態様、および第二遊技状態における第一入賞口への遊技球の入賞で開始された特定報知の第一時間経過した後の報知態様と同一である、と換言できる。
なお、上述した最終的な報知態様を共通化する作用を奏するにあたっては、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様(報知態様JB)が報知態様JAになるまでの時間と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて事前報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該事前報知の報知態様(報知態様JB)が報知態様JAとなるまでの時間と、が同一であることが好ましい。
さらに、これらの時間は、他の状況(第1始動口57や第2始動口59への遊技球の入賞を契機に事前報知が開始される場合)で報知態様JBが報知態様JAになるまでの時間のいずれよりも長いことが好ましい。
また、図22に示す通り、一般入賞口67(左一般入賞口67a、右一般入賞口67b)への遊技球の入賞を契機に事前報知が開始される場合には、遊技状態に関わらず報知態様JAの事前報知が開始される。
さらに、本実施形態では、大当り遊技または小当り遊技において、第1始動口57または第2始動口59への遊技球の入賞を契機に事前報知が開始される場合には、報知態様JBの事前報知が開始され、大当り遊技または小当り遊技において、大入賞口55への遊技球の入賞を契機に事前報知が開始される場合には、報知態様JAの事前報知が開始される。
<停止予告報知開始時の報知態様について>
次に、図24および図25を用いて、停止予告報知開始時における当該報知の報知態様について、その詳細を説明する。
図24は、停止予告報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の大当り遊技との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表であり、図25(a)および図25(b)は、停止予告報知の報知態様の具体例を示す図である。
図24に示す通り、10R大当りに係る大当り遊技では、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が右一般入賞口67bである場合には、開始される停止予告報知の報知態様が報知態様YAとなり、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合には、開始される停止予告報知の報知態様が報知態様YBとなる。
ここで、報知態様YAの停止予告報知とは、図25(a)に示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、「この大当り遊技終了後に本日の遊技が終了します」との文字を含む通常停止予告画像yg1が表示される報知態様である。一方、報知態様YBの停止予告報知とは、図25(b)の左側のシーンに示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、「お疲れさまでした この大当り遊技終了後に本日の遊技が終了します」との文字を含む特殊停止予告画像yg2が表示される報知態様である。これは、本発明における「報知態様が異なる」の一例である。
このように、本実施形態では、10R大当りに係る大当り遊技において、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が右一般入賞口67bである場合の当該停止予告報知の報知態様と、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該停止予告報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、停止予告報知の報知態様の違いにより、停止予告報知の開始契機に係る入賞口を認識させ易くすることで、停止予告報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が右一般入賞口67bである場合の当該停止予告報知の報知態様と、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該停止予告報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ入賞口として、右一般入賞口67bと大入賞口55とを挙げたが、対象となる入賞口の種類は問わない。ただし、対象となる入賞口の組合せは、本実施形態のように、大当り遊技において発射が推奨される流路(第2流路Y)に向けて発射された遊技球が入賞し易い入賞口の組み合わせであることが好ましい。
特に、本実施形態では、右一般入賞口67bへの遊技球の入賞に対応する賞球数(4個)と、大入賞口55への遊技球の入賞に対応する賞球数(15個)と、が異なる。
このような関係性にあれば、停止予告報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることの効果がより高まる。
よって、遊技機10において、第一入賞口(右一般入賞口67b)への遊技球の入賞が発生した場合に付与される遊技球の数と、第二入賞口(大入賞口55)への遊技球の入賞が発生した場合に付与される遊技球の数と、が異なる、と換言できる。
また、本実施形態では、停止予告報知の開始契機に係る一の入賞口(大入賞口55)について、当該開始契機が発生した大当り遊技(遊技状態の一種であり、図柄変動を実行不可能なもの)が4R大当りに係る大当り遊技である場合の停止予告報知の報知態様と、当該開始契機が発生した大当り遊技が10R大当りに係る大当り遊技である場合の停止予告報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、停止予告報知の報知態様の違いにより、停止予告報知の開始契機が発生した大当り遊技の種類を認識させ易くすることで、停止予告報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、停止予告報知の開始契機が発生した大当り遊技が4R大当りに係る大当り遊技である場合の当該停止予告報知の報知態様と、停止予告報知の開始契機が発生した大当り遊技が10R大当りに係る大当り遊技である場合の当該停止予告報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ大当り遊技として、4R大当りに係る大当り遊技と10R大当りに係る大当り遊技と(互いにラウンド数が異なる大当り遊技)を挙げたが、対象となる大当り遊技の種類は問わない。さらに、これらの大当り遊技の有利度を異ならせる要因についても、本実施形態のようなラウンド数の多少以外に、大当り遊技終了後の遊技状態(図柄変動を実行可能なもの)の有利度の違い等、いずれのものを採用してもよい。
図25(b)に示す通り、本実施形態では、報知態様YBに係る停止予告報知は、報知態様YAとなる(図25(b)の右側のシーン)。そして、これは、報知態様YAの停止予告報知と、報知態様YBの停止予告報知とが、時間経過によって同一の報知態様となること指す。
これによれば、最終的な停止予告報知の報知態様を共通化することで、上述した二つの報知態様を異ならせる効果を奏しつつも、停止予告報知自体を認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、時間経過によって同一となる報知態様の内容は問わない。ただし、当該効果を高める観点においては、本実施形態のように、いずれか一方の報知態様と一致する報知態様であることが好ましい。
また、図24に示す通り、本実施形態では、例えば、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57や左一般入賞口67aである場合の当該報知の報知態様は、大当り遊技の種類によらず同一である。
これによれば、大当り遊技の種類によらず停止予告報知の報知態様を共通化することで、大当り遊技において遊技停止となる条件が充足されたことを遊技者に認識させ易くすることができる。
なお、本実施形態とは異なるが、当該効果を奏するにあたっては、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57や左一般入賞口67aである場合の当該停止予告報知の報知態様は、報知態様YAおよび報知態様YBのいずれとも異なる報知態様とすることが好ましい。
また、上述の通り、停止予告報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57や左一般入賞口67aである場合の当該停止予告報知の報知態様は、報知態様YAおよび報知態様YBのいずれとも異なる報知態様とする場合には、図25(b)に示した例と同様に、時間経過によって停止予告報知の報知態様を報知態様YAとすることが好ましい。
これによれば、最終的な停止予告報知の報知態様を共通化することで、遊技停止がなされることを認識させ易くすることができる。
特に、当該効果を奏するにあたっては、この場合の停止予告報知の報知態様が報知態様YAとなるまでの時間は、上述した報知態様YBが報知態様YAとなるまでの時間よりも長くすることが好ましい。
<停止予告報知開始時の報知態様について>
まず、図26および図27を用いて、遊技停止報知開始時における当該報知の報知態様について、その詳細を説明する。
図26は、遊技停止報知の開始契機となった入賞口の種類と当該報知開始時の遊技状態等との組み合わせと、当該報知の報知態様を整理した表であり、図27(a)および図27(b)は、遊技停止報知の報知態様の具体例を示す図である。
図26に示す通り、特図変動パターン導出状態PAでは、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合には、開始される遊技停止報知の報知態様が報知態様TAとなり、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合には、開始される遊技停止報知の報知態様が報知態様TBとなる。
一方、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCでは、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合には、開始される遊技停止報知の報知態様が報知態様TBとなり、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合には、開始される遊技停止報知の報知態様が報知態様TAとなる。
ここで、報知態様TAの遊技停止報知とは、図27(a)に示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、「お疲れさまでした 本日の遊技は終了です」との文字を含む通常遊技停止画像tg1が表示される報知態様である。
一方、報知態様TBの遊技停止報知とは、図27(b)の左側のシーンに示す通り、メイン表示部81に係る表示領域に、「差玉数が上限に到達しました 本日の遊技は終了です」との文字を含む特殊遊技停止報知画像tg2が表示される報知態様である。
このように、本実施形態では、図柄変動を実行可能な一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、または特図変動パターン導出状態PC)において、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、遊技停止報知の報知態様の違いにより、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口を認識させ易くすることで、遊技停止報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第1始動口57である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が第2始動口59である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ入賞口として、第1始動口57と第2始動口59とを挙げたが、対象となる入賞口の種類は問わない。ただし、対象となる入賞口の組合せは、上述した事前報知と同様に、第1流路Xに向けて発射された遊技球が入賞し易い入賞口と、第2流路Yに向けて発射された遊技球が入賞し易い入賞口と、の組み合わせであることが好ましい。
また、本実施形態では、遊技停止報知の開始契機に係る一の入賞口(第1始動口57または第2始動口59)について、当該開始契機が発生した遊技状態(図柄変動を実行可能なもの)が特図変動パターン導出状態PAである場合の遊技停止報知の報知態様と、当該開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCである場合の遊技停止報知の報知態様と、が異なる。
これによれば、遊技停止報知の報知態様の違いにより、遊技停止報知の開始契機が発生した遊技状態を認識させ易くすることで、遊技停止報知が開始された際に遊技者に不信感を与え難くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、遊技停止報知の開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PAである場合の当該遊技停止報知の報知態様と、遊技停止報知の開始契機が発生した遊技状態が特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCである場合の当該遊技停止報知の報知態様と、が必ず異なることに限らず、いずれか一方の報知態様が他方の報知態様と同一とならないことを前提に、当該他方の報知態様が当該いずれか一方の報知態様と同一となることを許容する。すなわち、これらの報知態様が異なり得るものであればよい。
また、本実施形態では、報知態様を異ならせる二つ遊技状態(図柄変動を実行可能なもの)として、特図変動パターン導出状態PAと、特図変動パターン導出状態PB(または特図変動パターン導出状態PC)とを挙げたが、対象となる遊技状態の種類は問わない。ただし、対象となる遊技状態の入賞口の組合せは、上述した事前報知と同様に、推奨される遊技球の打ち出し方向が異なる遊技状態の組み合わせであることが好ましい。
図27(b)に示す通り、本実施形態では、報知態様TBに係る遊技停止報知は、時間経過によって特殊遊技停止報知画像tg2から通常遊技停止画像tg1に切り替わり(図27(b)の右側のシーン)、当該遊技停止報知の報知態様が報知態様TAとなる。そして、これは、報知態様TAの遊技停止報知と、報知態様TBの遊技停止報知とが、時間経過によって同一の報知態様となることを指す。
これによれば、最終的な遊技停止報知の報知態様を共通化することで、上述した二つの報知態様を異ならせる効果を奏しつつも、遊技停止報知自体を認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、時間経過によって同一となる報知態様の内容は問わない。ただし、当該効果を高める観点においては、本実施形態のように、いずれか一方の報知態様と一致する報知態様であることが好ましい。
なお、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて、第1始動口57への遊技球の入賞で開始された遊技停止報知の報知態様(報知態様TA)および第2始動口59への遊技球の入賞で開始された遊技停止報知の報知態様(報知態様TB)が同一の報知態様となるまでの時間と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて、第1始動口57への遊技球の入賞で開始された遊技停止報知の報知態様(報知態様TB)および第2始動口59への遊技球の入賞で開始された遊技停止報知の報知態様(報知態様TA)が同一の報知態様となるまでの時間とが、異なるように構成されている。
これによれば、報知態様が同一となるまでの時間の違いによっていずれの遊技状態においても遊技停止報知が開始されたことを認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、前者の時間を後者の時間よりも長くすることが好ましく、これによれば、遊技者が不信感を感じ易い相対的に不利な遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において、報知態様が同一となるまでの遊技停止報知の報知態様を認識させ易くすることができる。そして、これは、遊技停止報知の報知態様の変化を認識させ易くすることに寄与する。
また、図26に示す通り、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様と、が同一(報知態様TB)となる。
これによれば、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口への遊技球の入賞によって開始される遊技停止報知の報知態様をこれらの遊技状態間で共通化することで、遊技停止報知の存在自体を認識させ易くすることができる。
なお、本実施形態とは異なるが、当該効果を奏するにあたっては、特図変動パターン導出状態PAにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様、および特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様を、報知態様TAおよび報知態様TBのいずれとも異なる報知態様とすることが好ましい。
また、本実施形態では、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口であって報知態様TBの遊技停止報知の開始契機となる入賞口として、大入賞口55を挙げたが、第1始動口57や第2始動口59とは異なる入賞口であれば、その種類は問わず、一般入賞口67を対象としてもよい。
また、特図変動パターン導出状態PAにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合、および特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様(報知態様TB)についても、図27(b)に示す通り、時間経過で報知態様TAとなる。
これによれば、最終的な報知態様を共通化することで、遊技停止報知が開始されたこと自体を認識させ易くすることができる。
なお、上述した最終的な報知態様を共通化する作用を奏するにあたっては、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様(報知態様TB)が報知態様TAになるまでの時間と、特図変動パターン導出状態PBまたは特図変動パターン導出状態PCにおいて遊技停止報知の開始契機に係る入賞口が大入賞口55である場合の当該遊技停止報知の報知態様(報知態様TB)が報知態様TAとなるまでの時間と、が同一であることが好ましい。
さらに、これらの時間は、他の状況(第1始動口57や第2始動口59への遊技球の入賞を契機に遊技停止報知が開始される場合)で報知態様TBが報知態様JAになるまでの時間のいずれよりも長いことが好ましい。
また、図26に示す通り、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合、すなわち、大当り遊技中に停止予告報知が開始された場合には、これらの契機に係る入賞口の種類やこれらの契機が発生した大当り遊技の種類によらず、当該大当り遊技終了を契機に開始される遊技停止報知の報知態様は同一(報知態様TA)となる。
これによれば、いずれの場合も遊技停止がなされたことを認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、すべての場合で遊技停止報知の報知態様が同一となる必要はなく、その一部で遊技停止報知の報知態様が同一となればよい。
<コンプリート機能に係る各報知の実行中における電断復電発生時の挙動について>
次に、図28~図32を用いて、コンプリート機能に係る各報知(事前報知、停止予告報知、遊技停止報知)の実行中における電断復電(RAMクリア処理なし)発生時の挙動について、詳細を説明する。
図28は、事前報知と停止予告報知が並行して実行されている期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。
図29は、遊技停止フラグがONとなった後の序盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。
図30は、終盤期間の手前で遊技停止フラグがONとなりかつ当該終盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。
図31は、遊技停止報知の実行中に電断復電が発生した場合の各報知の挙動を示すタイミングチャートである。
図32(a)は、停止予告報知の復帰時の報知態様を示す図であり、図32(b)は、遊技停止報知の復帰時の報知態様を示す図である。
なお、図28~図31で示すタイミングチャートでは、説明の便宜上、電断復電(電断が発生しその後に電源投入が行われること)の実行に要する期間を縦線のみ(電断と電源投入が同時)で示しているが、いわゆる瞬停を除き、当該期間はある程度の時間を要する。
図28に示す通り、本実施形態では、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、当該復電後に当該電断前の停止予告報知の報知態様(例えば、通常停止予告画像yg1の表示)とは異なる復帰時の報知態様で停止予告報知が再開される。ただし、停止予告報知の実行中においてRAMクリア処理の実行を伴う電断復電が発生した場合には、上述した通り、遊技停止フラグがOFFになるため、当然のことながら、当該場合に停止予告報知は再開されない。
ここで、停止予告報知に係る復帰時の報知態様とは、図32(a)に示す報知態様であり、当該報知態様では、「右打ちを継続してください この大当り遊技終了後に本日の遊技が終了します」との復帰停止予告画像yg3がメイン表示部81に係る表示領域に表示される。
これによれば、停止予告報知の実行中(遊技停止フラグがONの状態)においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したことを認識させ易くすることができる。そして、これは、例えば、停止予告報知の実行中に遊技停止フラグをOFFにするための電断復電(RAMクリア処理の実行を伴うもの)をミスした場合(RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電がなされてしまった場合)に、当該ミスの発生を認識させ易くすることに寄与する。
なお、当該効果を奏するにあたっては、停止予告報知の実行中においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の全部で復帰時の報知態様で停止予告報知が再開される必要は必ずしもなく、当該場合の一部で復帰時の報知態様で停止予告報知が再開されるようにしてもよい。
さらに、これは、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が実行される際には、電断前の停止予告報知の開始契機となった入賞口の種類によらず、停止予告報知に係る復帰時の報知態様が同一(いずれの場合も、復帰停止予告画像yg3の表示)となると言うこともできる。
同様に、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が実行される際には、電断前の停止予告報知の開始契機となった入賞が発生した大当り遊技の種類によらず、停止予告報知に係る復帰時の報知態様が同一となるということもできる。
特に、本実施形態では、復帰停止予告画像yg3の表示によって実現される停止予告報知は、上述した報知態様YAおよび報知態様YBのいずれとも異なる。
これによれば、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したことを認識させ易くする効果を高めることができる。
また、図28に示す通り、本実施形態では、事前報知と停止予告報知が並行して実行されている期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、停止予告報知は再開される一方、事前報知は再開されない。
これによれば、これらの報知を並行して実行することで事前報知から停止予告報知への繋がりを認識させ易くしつつも、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したことを認識させ易くすることができる。
続いて、図29に示す通り、本実施形態では、遊技停止フラグがONとなった後の序盤期間(事前報知は実行されているが、停止予告報知は開始されない)においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、事前報知は再開されずに、当該序盤期間が終了したタイミングで停止予告報知が開始される。
これによれば、当該電断復電以降に実行される停止予告報知を認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたり、停止予告報知が開始されるタイミングは、当該電断復電後の序盤期間の終了時(中盤期間の開始時)であることが好ましいが、当該タイミングは、当該序盤期間の終了後の任意のタイミングであってもよく、これは、当該電断復電がない場合も同様である。
特に、本実施形態では、遊技停止フラグがONとなった後の序盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合に開始される停止予告報知は、上述した復帰時の報知態様となる。
これによれば、RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したことを認識させ易くすることができる。
続いて、図30に示す通り、本実施形態では、終盤期間の手前(大当り遊技の序盤期間または中盤期間のいずれであってもよいが、この例では中盤期間)で遊技停止フラグがONとなり、その後に終盤期間においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、事前報知に加え、停止予告報知も再開されず、当該大当り遊技の終了後に遊技停止報知が開始される。
これによれば、終盤期間にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したときに、遊技停止報知を認識させ易くすることができる。
続いて、図31に示す通り、本実施形態では、遊技停止報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、当該復電後に当該電断前の遊技停止報知の報知態様(通常遊技停止画像tg1の表示)とは異なる復帰時の報知態様で遊技停止報知が再開される。ただし、遊技停止報知の実行中においてRAMクリア処理の実行を伴う電断復電が発生した場合には、上述した通り、遊技停止フラグがOFFになるため、当然のことながら、当該場合に遊技停止報知は再開されない。
ここで、遊技停止報知に係る復帰の報知態様とは、図32(b)に示す報知態様であり、当該報知態様では、「コンプリート機能による遊技停止中です RAMクリアして下さい」との復帰遊技停止画像tg3がメイン表示部81に係る表示領域に表示される。
これによれば、遊技停止報知の実行中(遊技停止状態)においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生したことを認識させ易くすることができる。そして、これは、例えば、遊技停止報知の実行中に遊技停止フラグをOFFにするための電断復電(RAMクリア処理の実行を伴うもの)をミスした場合(RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電がなされてしまった場合)に、当該ミスの発生を認識させ易くすることに寄与する。
なお、当該効果を奏するにあたっては、遊技停止報知の実行中においてRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合の全部で復帰時の報知態様で遊技停止報知が再開される必要は必ずしもなく、当該場合の一部で復帰時の報知態様で遊技停止報知が再開されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図28に示す通り、停止予告報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、当該復電のタイミングよりも後のタイミング(具体的には、当該復電から時間t1が経過したタイミング)で停止予告報知が再開される。一方、図31に示す通り、遊技停止報知の実行中にRAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、当該復電のタイミング(意図せぬ処理遅延による遅れは許容したタイミング)で遊技停止報知が再開される。
これによれば、復電のタイミングを基準としたこれらの報知の再開タイミングを異ならせることで、これらの報知の違いを認識させ易くすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、停止予告報知の再開タイミングを復電のタイミングとし、遊技停止報知の再開タイミングを復電のタイミングよりも後のタイミングとしてもよい。
また、上述した再開タイミングの違いは、必ず生じさせる必要はなく、一部で当該違いが生じるように構成されていればよい。さらに、上述した復電のタイミングよりも後のタイミングとは、当該復電のタイミングからの時間経過によって定まるタイミングに限らず、例えば、新たなラウンド遊技の開始(停止予告報知が当該後のタイミングで再開される場合に対応)や、予定していた賞球がすべて払出されたタイミング(遊技停止報知が当該後のタイミングで再開される場合に対応)等、当該復電のタイミングよりも後に遊技の進行に係る任意の条件が充足されたタイミングとしてもよい。
特に、本実施形態では、上述した停止予告報知の再開タイミングが復電のタイミングよりも後のタイミングであり、かつ遊技停止報知の再開タイミングが復電のタイミングである。
これによれば、無駄な遊技操作(操作ハンドル31に対する操作)を抑制することができる。
また、上述した通り、停止予告報知は、大当り遊技の終了に合わせて終了する。そのため、本実施形態では、停止予告報知の実行期間と遊技停止報知の実行期間とが重ならないように構成されている。すなわち、本実施形態では、停止予告報知の実行が終了した以後に遊技停止報知が開始される。
これによれば、停止予告報知および遊技停止報知のそれぞれを認識させ易くすることができる。
特に、本実施形態では、図28~図31に示す通り、停止予告報知が終了してから(大当り遊技が終了してから)時間t2が経過した後に遊技停止報知が開始される。
これによれば、上述した停止予告報知および遊技停止報知のそれぞれを認識させ易くする効果をより高めることができる。
なお、当該効果を奏するにあたり、停止予告報知が終了してから遊技停止報知が開始されるまでの期間は、時間経過によって定義される必要はなく、停止予告報知の終了タイミングと予定していた賞球がすべて払出されたタイミングとによって定義される等、あらかじめ定められた条件によって定義されれば、その内容は問わない。
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
まず、本発明における「報知態様が異なる」とは、上述した本実施形態のように、報知自体や報知の組合せの報知態様が異なることに限らず、対象報知が開始されるのと同時に開始される他の報知との組み合わせで、当該対象報知の認識のし易さが変化することを含む。さらに、当該他の報知および当該対象報知は、同一のデバイスで実行されることが好ましいが、これらの報知が別のデバイスで実行されることも許容する。
また、上述したコンプリート機能に関連する閾値は、本実施形態で説明した大小関係を維持していれば、いずれの値を採用してもよい。
また、本実施形態において、アウト玉およびセーフ玉は、いずれも、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電によって初期値が設定され、RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電では初期値が設定されずに現在の値が維持されるが、アウト玉およびセーフ玉のいずれも、RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電によって初期値が設定されるようにしてもよい。この場合には、上述した所定報知に対して停止予告報知を当て嵌めることができる。
また、本実施形態において、コンプリート機能を制御するコンプリート機能制御手段190は、主制御基板100が有する機能構成であったが、当該コンプリート機能を制御する機能構成の一部または全部を主制御基板100とは別に設けた別基板(遊技機10に内蔵されていない基板も含む)で実現してもよい。この場合の当該別基板から第1副制御基板200への情報伝達には、当該別基板と主制御基板100とを接続して当該主制御基板から第1副制御基板200へ情報伝達可能としてもよいし、当該別基板と第1副制御基板200を直接接続するように構成してもよい。
また、上述した事前報知、停止予告報知、および遊技停止報知等は、いずれも、画像表示装置(本実施形態では、メイン表示部81)によって実現されるものとして説明したが、これらの報知の一部または全部を、ランプやスピーカ等の画像表示装置とは異なるデバイスで実現するようにしてもよいし、異なる複数のデバイスで実行されるようにしてもよい。
また、上述した本実施形態は、遊技停止フラグがONとなっても序盤期間では停止予告報知が開始されずに、当該序盤期間から続く中盤期間において停止予告報知が開始されるように構成されているが、これに限らず、上述した各発明を阻害しない範囲で、序盤期間において停止予告報知が開始されるようにしてもよい。
また、上述した本実施形態は、終盤期間において遊技停止フラグがONとなった場合に、当該終盤期間において停止予告報知が開始されないように構成されているが、これに限らず、上述した各発明を損害しない範囲で、終盤期間において遊技停止フラグがONとなった場合に、当該終盤期間において停止予告報知が開始されるようにしてもよい。
また、上述した復帰時の報知態様の停止予告報知が開始された場合には、所定期間(時間経過によって定義される期間等、当該期間の終了条件は問わない)の経過後に報知態様をさらに変化させるようにしてもよく、当該変化後の報知態様は通常の報知態様(報知態様YA)であってもよい。
これによれば、停止予告報知を認識させ易くすることができる。特に、当該変化後の報知態様を当該通常の報知態様とすることで、停止予告報知として当該通常の報知態様を意識している遊技者に停止予告報知が実行されていることを理解させ易くすることができる。
同様に、上述した復帰時の報知態様の遊技停止報知が開始された場合には、所定期間の経過後に報知態様をさらに変化させるようにしてもよく、当該変化後の報知態様は通常の報知態様(報知態様TA)であってもよい。
これによれば、遊技停止報知を認識させ易くすることができる。特に、当該変化後の報知態様を当該通常の報知態様とすることで、遊技停止報知として当該通常の報知態様を意識している遊技者に遊技停止報知が実行されていることを理解させ易くすることができる。
また、上記コンプリート機能による遊技停止状態の設定時には、図柄表示装置90を構成するLEDの全部または一部(例えば、第1特別図柄表示装置91および第2特別図柄表示装置92のみ)を消灯または全点灯(電源投入時を除いて通常の遊技ではいずれの態様も発生しない)させてもよく、これによれば、主制御基板100と第1副制御基板200との通信に異常が発生する等の事由によって第1副制御基板200で実行が管理される遊技停止報知が実行されない場合であっても、遊技停止状態が設定されたことを認識させることができる。
また、本実施形態における事前報知は、差玉数が95000個以上となった以後は、少なくとも差玉数が100000個に到達するまで実行が継続するが、常時実行されている必要は必ずしもない。
具体的には、図柄変動および大当り遊技のいずれも実行されていない、いわゆる待機デモ中の少なくとも一部の期間では実行されないようにしてもよい。
これによれば、差玉数が95000個に到達しておらず事前報知が実行されていない状態よりも遊技がなされない可能性が高い事前報知が実行されている状態(待機デモに移行している可能性が高い状態)において、通常事前報知画像jg1の表示に起因した焼き付けを抑えることができる。
さらに、待機デモが、当該待機デモに移行する前に停止表示されていた装飾図柄の組合せが表示されている状態(いわゆる、図柄デモ)と、当該装飾図柄の組合せが表示されておらず、機種紹介等のムービーが流されている状態(いわゆる、ムービーデモ)と、で構成されることを前提とすれば、遊技者に事前報知を認識させ易くする観点で、前者の状態では通常事前報知画像jg1が表示される一方、後者の状態では通常事前報知画像jg1が表示されないようにすることが好ましい。
また、本実施形態に係る遊技機10には、特図当否判定において大当りおよび大当り遊技を生起可能な小当りの双方を導出可能ないわゆる一種二種混合機を採用しているが、これに限らず、いわゆる二種当りのみを導出可能なものを採用してもよい。
また、各特図変動パターン導出状態では、図9~図11で示した特図変動パターン抽選テーブルを用いて特図変動パターンが決定される場合があれば、他の特図変動パターン抽選テーブルを用いて特図変動パターンが決定される場合があってもよいし、特図変動パターン抽選テーブルを用いることなく(抽選を行うことなく)特図変動パターンが決定される場合があってもよい。ただし、各特図変動パターン導出状態では、当該特図変動パターン導出状態が継続する期間の半分以上の期間において、図9~図11で示した特図変動パターン抽選テーブルを用いた特図変動パターンの決定がなされることが好ましい。
また、本実施形態における確率、割合、頻度の高低や、回数の多少は、各関係性が担保されていれば、値の小さい方が0であってもよいし、値の大きい方が最大値であってもよい。特に、上述した各割合の高低については、現象面が担保されていれば、各割合の高低を実現するための制御は問わない。
また、本実施形態において図示した抽選テーブルにおける各抽選値は一例であって、抽選テーブル同士の大小関係が維持されていれば、各抽選値は当該範囲において任意の値を採用してもよい。
また、上述の説明では、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43のON状態の時間が規定時間(例えば、3s)を超えるか否かを参照するようにしてもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
また、上述の説明では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、前記当否判定によって特定結果が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、
報知手段と、
前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備え、
前記入賞口には、第一入賞口があり、
図柄変動を実行可能な遊技状態として、第一遊技状態と、前記第一遊技状態とは有利度が異なる第二遊技状態と、を有し、
前記報知制御手段は、前記差玉数が前記特定閾値よりも小さい所定閾値以上となった前記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知を開始させることが可能であり、
前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、が異なり得、
前記特定報知は、
当該特定報知が開始されてから少なくとも前記差玉数が前記特定閾値以上となるまで継続して実行され得るものであって、
前記差玉数の値に応じて報知態様が変化し、
前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知、および前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知のいずれにおいても、前記差玉数の値に応じた報知態様の変化条件が同一である、
ことを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知の第一時間経過した後の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知の前記第一時間経過した後の報知態様と、が同一である、
ことを特徴とする遊技機。
(3)
上記(1)又は(2)に記載の遊技機であって、
前記入賞口には、前記第一入賞口とは異なる第二入賞口があり、
前記第一遊技状態における前記第二入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第二入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、が同一である、
ことを特徴とする遊技機。
10 遊技機
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 枠ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38 カーソルボタン
38a 上カーソルボタン
38b 下カーソルボタン
38c 左カーソルボタン
38d 右カーソルボタン
38e 中カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
43 RAMクリアスイッチ
45 開閉カバー
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
54 保護部材
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
67a 左一般入賞口
67b 右一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
75 アウト球センサ
76 中枠開扉センサ
77 前枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
190 コンプリート機能制御手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
245 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
310 音声制御基板
311 CPU
312 ROM
313 RAM
314 I/Oポート
400 払出制御基板
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
811 表示領域
812 表示領域
813 表示領域
X 第1流路
Y 第2流路
jg1 通常事前報知画像
jg2 特殊事前報知画像
yg1 通常停止予告画像
yg2 特殊停止予告画像
yg3 復帰停止予告画像
tg1 通常遊技停止画像
tg2 特殊遊技停止画像
tg3 復帰遊技停止画像

Claims (3)

  1. 図柄変動の開始に伴って当否判定を実行し、前記当否判定によって特定結果が導出された場合には、当該当否判定が実行された図柄変動の終了後に大当り遊技を生起可能であり、入賞口への遊技球の入賞が発生した場合に当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が特定閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、
    報知手段と、
    前記報知手段を制御する報知制御手段と、
    を備え、
    前記入賞口には、第一入賞口があり、
    図柄変動を実行可能な遊技状態として、第一遊技状態と、前記第一遊技状態とは有利度が異なる第二遊技状態と、を有し、
    前記報知制御手段は、前記差玉数が前記特定閾値よりも小さい所定閾値以上となった前記入賞口への遊技球の入賞に基づいて特定報知を開始させることが可能であり、
    前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、が異なり得、
    前記特定報知は、
    当該特定報知が開始されてから少なくとも前記差玉数が前記特定閾値以上となるまで継続して実行され得るものであって、
    前記差玉数の値に応じて報知態様が変化し、
    前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知、および前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知のいずれにおいても、前記差玉数の値に応じた報知態様の変化条件が同一である、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記第一遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知の第一時間経過した後の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第一入賞口への遊技球の入賞で開始された前記特定報知の前記第一時間経過した後の報知態様と、が同一である、
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は2に記載の遊技機であって、
    前記入賞口には、前記第一入賞口とは異なる第二入賞口があり、
    前記第一遊技状態における前記第二入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、前記第二遊技状態における前記第二入賞口への遊技球の入賞で開始される前記特定報知の報知態様と、が同一である、
    ことを特徴とする遊技機。
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