JP2007061027A - いもち病抵抗性の稲品種をdna判別法によって識別するためのプライマーおよび該プライマーを複数組み合わせたプライマーセット - Google Patents

いもち病抵抗性の稲品種をdna判別法によって識別するためのプライマーおよび該プライマーを複数組み合わせたプライマーセット Download PDF

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Abstract

【課題】いもち病抵抗性遺伝子の近傍に位置するDNAマーカーによって、それぞれのいもち病抵抗性ごとに、交配組み合わせとは無関係に、識別性の共通するDNAマーカーを提供する。
【解決手段】開示する二つの塩基配列からそれぞれ選択された12〜50個の塩基のプライマーからなる対合プライマー9種で構成されるプライマー群のうち、1種類のプライマーあるいは2種類以上のプライマー群である、いもち病抵抗性の稲品種をDNA判別法によって識別するためのプライマーあるいはプライマー群。
【選択図】なし

Description

本発明は、稲の主要な病害であるいもち病に対する抵抗性品種・系統を、そのDNA配列上の特徴に基づいて識別あるいは選抜するためのプライマー、プライマーセットあるいは該プライマーを貼り付けたDNAチップに関する。
いもち病は稲の最も重要な病害であり、いもち病菌が稲の葉あるいは穂で繁殖することによって植物体の生育を阻害し、収穫を激減させることで知られている。いもち病菌には多くの種類があり、稲のいもち病菌に対する抵抗性は、それらの異なる種類の菌ごとに異なっている。そのため、世界各地において、異なるいもち病菌に対する抵抗性品種・系統を選抜・育成し、それらの抵抗性の異なる抵抗性品種・系統を複数配合して栽培することによっていもち病による被害を軽減させる試みがなされている。
いもち病抵抗性品種・系統の選抜・育成には、抵抗性の対象とするいもち病菌を稲植物体に付与して生じる病斑の多寡による方法が用いられてきた。しかし、この方法では、植物体を栽培し、いもち病菌を付与し、病斑の多寡を判別するために多くの労力と試験用水田を必要とし、判別に時間がかかるという問題があった。
そこで、近年、いもち病抵抗性に関係するDNAの特徴に基づいて判別するためのDNAマーカーの開発が行われるようになってきた。DNA判別の場合には、判別に多くの労力と時間を要しないという特徴があり、本発明者らもすでに数種類のDNAマーカーを開発して特許出願している(特許文献1)。
特開2004−141079号公報
しかし、特定の交配組み合わせ結果であるいもち病抵抗性品種の罹病性親品種との識別性のみに基づいて開発されたDNAマーカーの場合には、いもち病抵抗性関連遺伝子の近傍に存在しない場合があり、そうしたマーカーは、同一の抵抗性品種の場合でも別の交配組み合わせの結果である抵抗性品種の識別には適用できないという問題があった。
さらに、対象とした特定の交配組み合わせの場合においてさえ、いもち病抵抗性遺伝子にきわめて近い部分の配列に基づくDNAマーカーでない場合は、栽培特性や食味特性などを改良するための罹病性親品種、たとえば通常のコシヒカリを戻し交配する過程において、相違点としたDNAマーカーが消失してしまうという問題があった。
さらに、個別のDNAマーカーごとにDNA判別を行う場合には、抵抗性品種・系統の識別及び選抜という主目的は達成されるものの、個別のDNAマーカーごとにPCR及び電気泳動を行う必要があるために、識別及び選抜に時間と労力、さらにコストがかかるという問題があった。
本発明の目的は、いもち病抵抗性遺伝子の近傍に位置するDNAマーカーを開発することによって、それぞれのいもち病抵抗性、たとえばPii、Pia、Pita-2、Pik、Pik-m、Piz、Piz-tなどの抵抗性ごとに、交配組み合わせとは無関係に、識別性の共通するDNAマーカーを開発して提供することである。
本発明の第2の目的は、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、戻し交配においても消失しない、遺伝的持続性のあるDNAマーカーを提供することである。
本発明の第3の目的は、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、さらに、識別に要する時間と労力の低減とコストの低下につながるプライマーセットを提供することである。
本発明の第1の特徴は、配列表の配列番号1に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL49Fと配列番号2に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL49Rからなる対合プライマー(NFRIBL49)、配列表の配列番号3に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL81Fと配列番号4に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL81Rからなる対合プライマー(NFRIBL81)、配列表の配列番号5に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL9Fと配列番号6に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL9Rからなる対合プライマー(NFRIBL9)、配列表の配列番号7に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL4Fと配列番号8に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL4Rからなる対合プライマー(NFRIBL4)、配列表の配列番号9に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基からなるプライマーNFRIBL33Fと配列番号10に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL33Rからなる対合プライマー(NFRIBL33)、配列表の配列番号11に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL65Fと配列番号12に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL65Rからなる対合プライマー(NFRIBL65)、配列表の配列番号13に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL42Fと配列番号14に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL42Rからなる対合プライマー(NFRIBL42)、配列表の配列番号15から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL332Fと配列番号16に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL332Rからなる対合プライマー(NFRIBL332)、および配列表の配列番号17に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL6Fと配列番号18に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL6Rからなる対合プライマー(NFRIBL6)より成るプライマー群のうちの1種類のプライマーあるいは2種類以上のプライマー群である、いもち病抵抗性の稲品種をDNA判別法によって識別するためのプライマーあるいはプライマー群である。
本発明の第2の特徴は、NFRIBL49、NFRIBL81、NFRIBL9、NFRIBL4、NFRIBL33、NFRIBL65、NFRIBL42、NFRIBL332、NFRIBL6から成る群の対合プライマーの2種類以上を混合したプライマーセットである。
本発明の第3の特徴は、NFRIBL49、NFRIBL81、NFRIBL9、NFRIBL4、NFRIBL33、NFRIBL65、NFRIBL42、NFRIBL332、NFRIBL6から成る群の対合プライマーの1種類あるいは2種類以上を用いるDNAチップである。
(1)本発明により、それぞれのいもち病抵抗性、たとえば、Pii、Pia、Pita-2、Pik、Pik-m、Piz、Piz-tなどの抵抗性ごとに、交配組み合わせとは無関係に、識別性の共通するDNAマーカーが開発され、対象品種は異なっていても、たとえば、Piiを有する「ひとめぼれBL」や、Piaを有する「日本晴BL」などを識別することが可能となる。
また、本発明により、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、戻し交配においても消失しない、遺伝的持続性のあるDNAマーカーを提供することができる。
しかも、本発明により、複数のプライマーを組み合わせたプライマーセットが提供されるので、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、さらに、識別に要する時間と労力の低減とコストの低下が可能となり、実用面の利点が大きい。
さらに、本発明により、1種類あるいは2種類以上のプライマーを張り付けたDNAチップが提供されるので、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、識別に要する時間と労力の低減とコストの低下が可能となり、実用面の利点が大きい。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明における配列番号とは、DNAを構成する核酸塩基の配列を規定する番号を指す。対合となっているのは、いもち病抵抗性品種の識別のためのPCRを行うに際し、AとT、GとCという特定の結合によって抵抗性遺伝子あるいはその近傍の塩基と本発明のプライマーとが結合する際の、センス側の5’側から結合するプライマーとアンチセンス側の5’側から結合するプライマーの対をなす2種類の組み合わせを指す。
この2種類のプライマーを添加することにより、両者の配列と結合する塩基配列に挟まれた部分のDNAが増幅され、識別マーカーとなる。
本発明におけるプライマーとは、DNAの断片を指す。PCR反応において、増幅しようとする対象DNAの2重ラセンを高温で1本の鎖に分離した後、増幅しようとするDNA部分に対応するDNA塩基配列のATGCに対してそれぞれTACGの配列をもつDNA断片を反応系に添加することにより、2本鎖を形成させ、共存するDNAポリメラーゼの作用によって目的とするDNA部分の伸長と増幅を行うことができる。
本発明における量体とは、プライマーとするDNA断片の塩基の数を示す。前述のように、プライマーが目的とする稲のDNA部分に結合するに際し、12量体より小さい場合には、4億3千万対ある稲ゲノムの中に存在する共通のDNA配列の数が多くなるため、増幅DNAが多くなりすぎて識別性を損なうので不適当である。一方、量体数が50量体を超えると、稲ゲノム中の共通配列は少ないので識別性が向上するが、量体数が多すぎてPCR反応のアニーリング過程(プライマーの結合過程)における特異的結合が弱くなり、増幅DNAが少なくなるので不適当である。したがって、本発明では、それぞれ12量体〜50量体のプライマー(フォワードプライマーとリバースプライマー)の対が用いられる。
本発明におけるプライマーセットとは、PCR反応に共存させる複数の対合プライマーの組み合わせを指す。PCR反応に1種類の対合プライマーのみを存在させる場合は、得られる情報が対象とするDNAの増幅の有無という1種類の情報のみとなるため、多数存在するいもち病抵抗性品種を相互に識別するためには、識別に要するプライマーの数だけPCRおよび電気泳動を行う必要があり、効率が悪い。
そこで、識別に用いる対合プライマーのうちで、PCRを相互に妨害しないプライマーの組み合わせを選択して併用することによってPCRおよび電気泳動の回数を減少させることが可能となる。この目的で組み合わせた識別用プライマーの組み合わせをプライマーセットと呼ぶ。
本発明におけるDNAチップとは、前述のプライマーを張り付けたガラス板やプラスチック素材を指す。識別対象の稲から抽出したDNAを供与して当該チップ上のプライマーと特異的に結合させ、識別用DNAとプライマーとの特異的結合の有無を蛍光検出等の手段で検出することにより、プライマーと対象稲のDNAとの特異的結合の有無を効率よく検出する素材を指す。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
(試料米、試料調製)
「コシヒカリ」試料米として、旧食糧庁消費改善課品質管理室より提供された平成13年産の全国30県産の原種あるいは原々種を使用した。30産地とは、岡山、高知、山梨、佐賀、滋賀、千葉、三重、徳島、鳥取、長野、愛知、群馬、島根、山形、石川、埼玉、福井、岐阜、広島、兵庫、京都、栃木、福岡、福島、山口、新潟、熊本、富山、茨城、宮崎である。また、コシヒカリの年次間差の検討を行うため、平成12年産米についても同様に原種あるいは原々種の提供を受けて試料とした。同質遺伝子系統品種である「ササニシキBL1号〜8号」、「日本晴関東BL1号〜6号」、「コシヒカリ富山BL1号〜4号」は、種苗管理センターより提供されたものを使用した。
公表遺伝子型が明確な「コシヒカリ」以外の試料米としては、平成11年産の農水省農業試験場の稲育種研究室および育成地より提供を受けた「ひとめぼれ」、「まなむすめ」、「キヌヒカリ」、「ななつぼし」、「こいむすび」、「たきたて」、「ゆめさんさ」、「かけはし」、「たかねみのり」、「月の光」、「ササニシキ」、「ゆきひかり」、「彩」、「ヤマビコ」、「こがねもち」、「アキヒカリ」、「キヨニシキ」、「あきたこまち」、「ミネアサヒ」、「ヒノヒカリ」、「つがるロマン」、「はなぶさ」、「ゆめあかり」、「ちゅらひかり」(平成16年産)、「はえぬき」、「ハナエチゼン」、「日本晴」、「きらら397」、「あきほ」、「ほしのゆめ」、「ゆきまる」、「ほしたろう」、「マンゲツモチ」、「新潟早生」、「ナツヒカリ」、「ヤマヒカリ」、「レイホウ」、「サイワイモチ」、「おくのむらさき」、「ふくひびき」の40品種を使用した。
作付け上位50品種として、「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」、「あきたこまち」、「きらら397」、「キヌヒカリ」、「ほしのゆめ」、「はえぬき」、「むつほまれ」、「日本晴」、「ササニシキ」、「つがるロマン」、「ハナエチゼン」、「夢つくし」、「ハツシモ」、「朝の光」、「月の光」、「あいちのかおり」、「祭り晴」、「あきほ」、「ゆきまる」、「むつかおり」、「まなむすめ」、「かけはし」、「キヨニシキ」、「どまんなか」、「越路早生」、「ゆきの精」、「ほほほの穂」、「ゆめあかり」、「能登ひかり」、「アキツホ」、「アケボノ」、「朝日」、「ヤマホウシ」、「ヤマヒカリ」、「黄金錦」、「コガネマサリ」、「レイホウ」、「ミネアサヒ」、「ふさおとめ」、「かりの舞」、「どんとこい」、「アキニシキ」、「ながのほまれ」、「フクヒカリ」、「ゴロピカリ」、「初星」、「中生新千本」、「森のくまさん」を使用した。
籾試料をケット科学研究所製の試験用籾摺り器で籾摺りし、ケット科学研究所製の試験用精米機(パーレスト)を用いて精米歩留まり90%の精米試料を得た。この精米試料をイワタニ製のミルサー(IFM-100)を用いて粉砕し、粉末試料とした。
(DNAの調製)
実施例1のように調製した精米粉末試料0.4gを2×CTAB液(2%セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、20mMエチレンジアミン4酢酸(EDTA)、1.4M NaCl、0.1M トリスヒドロキシルアミノメタン・塩酸緩衝液(トリス緩衝液、pH 8.0))0.6mLに滅菌水0.2mLを加えた水溶液により、65℃で30分間抽出し、同液に等量のクロロホルム−イソアミルアルコール(24:1、v/v)を加え、ローテーターで15分間精製した。次いで、遠心して得られた上清に、同量のクロロホルム−イソアミルアルコールと10%CTAB液を加え再び精製し、遠心後の上清に約2.5倍容の沈殿用緩衝液(50mM トリス緩衝液、pH 8.0、10mM EDTA、1% CTAB)を加えて−80℃で5分間冷却し、沈殿を生成させた。遠心で沈殿を回収し、1M NaClを含むトリス・EDTA緩衝液(TE)0.5mlに溶解し、等量のイソプロピルアルコールを添加した。転倒混和した後、遠心して得た沈殿をTEに溶解して55℃で30分間RNase処理を行った。これに等量の中性フェノールを加え精製し、遠心後得た上清に0.2MのNaClと2.5倍容の氷冷エタノールを加えてDNAを沈殿させ、70%エタノールで洗浄後、TEに溶解し、鋳型DNAとした。
(RAPD法)
RAPD法によるDNAの増幅を行った。すなわち、滅菌水10.8μL、Taq Polymerase (5U/μL)0.2μL、反応用緩衝液2.0μL、25mMのMgCl2.0μL、鋳型DNA(400ng/μL)1μL、dNTPs2μLを混合して調製し、和光純薬工業(株)(12量体)の市販ランダムプライマー(5pmol/μL)2μLを加えて液量を20μLとしPCRを行った。PCR条件は、変性を96℃で1分間、アニーリングを36℃で1分間、伸長を72℃で2分間行い、これを40回反復した。本実施例において、同質遺伝子系統品種間の識別マーカーを発見するために、1回目のRAPDで得られたSTS化プライマーを用いてアニーリング温度を45℃〜55℃に設定し直し、2回目のRAPDを行う方法(STS化RAPD法)を開発した。
(識別用DNAの切り出しとクローニング)
RAPD法で得られた識別性のあるバンドのDNAをアガロースゲルから切り出し、ヨウ化ナトリウムによりDNAを溶出した後、ガラスビーズ(タカラバイオ(株)製、EASY TRAPTM Ver.2)に吸着させて精製した。得られたDNAをInvitrogen社製TOP XL Cloning Kitによりクローニングした。
(クローニングしたDNAの塩基配列の決定とSTS化)
プラスミドDNAを得るために、アルカリミニプレップ(QIAGEN QIAprep Spin Miniprep Kit)し、得られたプラスミドDNAを制限酵素(EcorRIタカラバイオ(株)12unit/μl)0.5μl を加え37℃、30分間処理しインサートを確認した。得られたDNAをABI社のBig Dye Termination VI.ICycle Sequencing KitによりPCRをかけ、Applied Biosystems 社製 ABI PRISM 310により塩基を決定した。得られた塩基配列に基づいて、各種の12〜55量体のSTS化プライマーを設計した。
(STS化プライマーを用いるPCR)
実施例29で得られた各種のSTS化対合プライマーを用いて実施例3で述べたRAPD法と同様の方法でPCRを行った。ただし、アニーリング温度は各種のプライマーのTmに合わせて62℃〜72℃に設定した。
(通常の新潟コシヒカリおよび各種の新潟コシヒカリBLの相互識別)
配列表の配列番号19のフォワードプライマーと配列番号20のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(A)中のa)、配列表の配列番号21のフォワードプライマーと配列番号22のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(B)中のb)、配列表の配列番号23のフォワードプライマーと配列番号24のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(C)中のc)、配列表の配列番号25のフォワードプライマーと配列番号26のリバースプライマー)からなる対合プライマー(図1(D)中のd)、配列表の配列番号27のフォワードプライマーと配列番号28のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(E)中のe)、配列表の配列番号29のフォワードプライマーと配列番号30のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(F)中のf)、配列表の配列番号31のフォワードプライマーと配列番号32のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(G)中のg)、配列表の配列番号33のフォワードプライマーと配列番号34のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(H)中のh)、配列表の配列番号35のフォワードプライマーと配列番号36のリバースプライマーからなる対合プライマー(図1(I)中のi)であるSTS化プライマーを用い、下記のPCR条件で、「新潟コシヒカリ」および「コシヒカリ新潟BL1号〜BL6号」の品種をPCRおよび電気泳動を行った結果を図1(A)〜(I)に示す。
変性:94℃、2分間
アニーリング:62℃、1分間
伸長:72℃、1分間
サイクル数:35サイクル
図中のaのプライマーでPCRを行った結果、1.5Kbps付近にいもち病抵抗性遺伝子Piaをもつ「コシヒカリ新潟BL1号」のみバンドが現れた。なお、レーンSは従来の「新潟コシヒカリ」、1は「コシヒカリ新潟BL1号」(Pia)、2は「コシヒカリ新潟BL2号」(Pii)、3は「コシヒカリ新潟BL3号」(Pita-2)、4は「コシヒカリ新潟BL4号」(Piz)、5は「コシヒカリ新潟BL5号」(Pik)、6は「コシヒカリ新潟BL6号」(Pik-m)を、それぞれ示す。
プライマーは、和光純薬工業(株)(12量体)の市販のランダムプライマーG49を使用し、北海道産の代表品種である「きらら397」と北海道産の新品種である「ほしのゆめ」、「ほしたろう」、「ななつぼし」、を判別するためにSTS化RAPD法により僅かの塩基差をSTS化プライマーに合成したもので、「きらら397」には識別バンドは出現せず、「ほしのゆめ」、「ほしたろう」、「ななつぼし」、「あきほ」、「ゆきまる」にはバンドが現れた。「きらら397」の公表遺伝子型はPii,Pikであるのに対し、「ほしのゆめ」、「ほしたろう」、「ななつぼし」、「あきほ」、「ゆきまる」の公表遺伝子型はPii,Pia,Pikであるためaのプライマーは、「コシヒカリ新潟BL1号」(Pia)にのみ出現したことも加え、Piaに関与していると推定される。同様にbのプライマーを用いPCRを行った結果、1.6Kbps付近にいもち病抵抗性遺伝子Piiをもつ「コシヒカリ新潟BL2号」のみ識別バンドが現れた。
また、図中のbのプライマーは「米のPCR品種判別におけるコシヒカリ用判別プライマーセットの開発」、 大坪研一・中村澄子・今村太郎;日本農芸化学会誌, 76, 388-397, 2002)で既に報告したSTS化プライマーであり、和光純薬工業(株)(12量体)の市販のランダムプライマーA09を使用し、主に「コシヒカリ」と「ひとめぼれ」を識別するため開発したもので「コシヒカリ」にはバンドが出現せず、「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」、「あきたこまち」、「きらら397」、「キヌヒカリ」、「はえぬき」等にはバンドが現れるように合成したものである。上記文献で報告した塩基はフォワード側、リバース側ともに20merであったのに対し、フォワード側43mer、リバース側42merと約2倍長くしたもので、識別性の高いPCR結果が得られるようになった。
次に、上記と同様にcのプライマーを用いPCRを行った結果、「コシヒカリ新潟BL3号」のみ870bps付近に識別バンドが出現した。cのプライマーは、いもち病抵抗性遺伝子Pita-2に由来するSTS化プライマーである。前項と同様にdのプライマーを用いPCRを行った結果、860bps付近に「コシヒカリ新潟BL3号」のみ識別バンドが現れた。このプライマーは、和光純薬工業(株)(12量体)の市販のランダムプライマーG81を使用しSTS化したもので、日本DNAデータバンクDDBJにアクセスして塩基配列の相同性検索を行った結果、Accesion number AF207842内の配列に100%の相同性で一致し、Pita遺伝子由来のSTS化プライマーであることを確認した。
前項と同様にeのプライマーを用いPCRを行った結果、400bps付近に「コシヒカリ新潟BL3号」のみに識別バンドが現れた。このプライマーは、いもち病抵抗性遺伝子Pita-2に由来し、STS化RAPD法によりプライマーを合成したものである。前項と同様にfのプライマーを用いPCRを行った結果、270bps付近に「コシヒカリ新潟BL1号」、「コシヒカリ新潟BL2号」、「コシヒカリ新潟4号」、「コシヒカリ新潟5号」に識別バンドが現れた。このプライマーは、いもち病抵抗性遺伝子PizのSNPマーカーをSTS化したもので、PCRの結果、270bps付近に「新潟コシヒカリ」は淡く、「コシヒカリ新潟BL4号」は濃く識別バンドが現れたため、この「新潟コシヒカリ」と「コシヒカリ新潟BL4号」に現れたバンドをクローンングし、塩基配列を決定した。
前項と同様にgのプライマーを用いPCRを行った結果、870bps付近に「コシヒカリ新潟BL6号」(Pik-m)のみに識別バンドが現れた。このプライマーは、市販のランダムプライマーを使用しSTS化したものである。前項と同様にhのプライマーを用いPCRを行った結果、310bps付近に「コシヒカリ新潟BL4号」(Piz)に識別バンドが現れた。このプライマーは、いもち病抵抗性遺伝子Piz-tに由来し、STS化RAPD法により塩基配列を決定しプライマーを合成したものである。
また、iのプライマーを用いPCRを行った結果、870bps付近に「新潟コシヒカリ」、「コシヒカリ新潟BL1号」(Pia)、「コシヒカリ新潟BL2号」(Pii)、「コシヒカリ新潟BL3号」(Pita-2)、「コシヒカリ新潟BL4号」(Piz)、「コシヒカリ新潟BL5号」(Pik)、に識別バンドが現れた。このプライマーはPikに由来する劣性マーカーであり、PCRをかけ「新潟コシヒカリ」の識別バンドをクローニングし塩基配列を決定してSTS化対合プライマーを合成したものである。
(全国30県産のコシヒカリのPCR結果)
全国30県産のコシヒカリを実施例7に示したPCR条件と図1のプライマーaおよびiを用いてPCRを行った結果を図2の(a)および(b)に示す。aのプライマーによるPCR結果は図2の(a)のようになり、30県産コシヒカリには識別バンドは現れなかった。この結果、aのプライマーにより、全国コシヒカリ30県産と「コシヒカリ新潟BL1号」から「コシヒカリ新潟6号」までを識別することが可能となった。なお、iのプライマーによるPCR結果は図2の(b)のようになり、30県産コシヒカリ全てに識別バンドが現れた。iのプライマーはPik遺伝子の劣性マーカーのため識別バンドが見られないことがPik遺伝子の存在を示すため、全国30県産のコシヒカリはPik遺伝子を持たないことが確認された。この結果、プライマーiによっても、「コシヒカリ新潟BL6号」と30県産コシヒカリを識別することが可能となった。
(18品種の同質遺伝子系統によるPCR結果)
同質遺伝子系統品種である「ササニシキBL」、「日本晴関東BL」、「コシヒカリ富山BL」の19品種を実施例7に示したPCR条件で図1のプライマーを用いてPCRを行った結果を図3に示す。図中のレーン1は、ササニシキBL8号(Pii,Pia)、2は、ササニシキBL1号(Pik,Pia)、3は、ササニシキBL2号(Pik-m,Pia)、4は、ササニシキBL3号(Piz.Pia)、5は、ササニシキBL6号(Pita,Pia)、6は、ササニシキBL5号(Pita-2,Pia)、7は、ササニシキBL4号(Piz-t,Pia)、8は、ササニシキBL7号(Pib,Pia)、9は、日本晴関東BL1号(Piz)、10は、日本晴関東BL2号(Pii)、11は、日本晴関東BL3号(Piz-t)、12は、日本晴関東BL4号(Pita-2)、13は、日本晴関東BL5号(Pik)、14は、日本晴関東BL6号(Pib)、15は、コシヒカリ富山BL1号(Piz-t)、16は、コシヒカリ富山BL2号(Pita-2,Pii)、17は、コシヒカリ富山BL3号(Pib)、18はコシヒカリ富山BL4号(Pik-p)を示す。
図1で示したaのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Piaを持つ「ササニシキBL1号」から「サニシキBL8号」までの全ての品種に識別バンドが確認された。「日本晴関東BL4号」に識別バンドが現れたが、Piaの遺伝子を持たない他品種には識別バンドは現れなかった。この結果、aのプライマーはPia の遺伝子に関連していると推定された。
同様に、図1で示したbのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Piiをもつ品種である「ササニシキBL8号」、「日本晴関東BL2号」、「コシヒカリ富山BL2号」のみ識別バンドが現れ、Piiの遺伝子を持たない他品種には識別バンドは現れなかった。この結果、bのプライマーはPiiの遺伝子に関連していることが確認できた。
同様に、図1で示したcのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Pita-2をもつ品種である「ササニシキBL5号」、「日本晴関東BL4号」、「コシヒカリ富山BL2号」のみ識別バンドが現れ、Pita-2の遺伝子を持たない他品種には識別バンドが現れなかった。この結果、cのプライマーは前項(3)よりPita-2の遺伝子由来のもので、PCRにより確実にPita-2の品種を識別できることが確認できた。
さらに、同様にして、図1で示したdのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Pita-2をもつ品種である「ササニシキBL5号」、「日本晴関東BL4号」、「コシヒカリ富山BL2号」とPitaを持つ「ササニシキBL6号」にのみ識別バンドが現れた。このdのプライマーは前項(3)よりPita由来のマーカーであり、Pita-2を持つ品種と、Pitaを持つ品種を識別できる可能性が推定された。
同様に、図1で示したeのプライマーはPita由来のマーカーであり、PCRを行った結果、公表遺伝子型Pita-2をもつ品種である「ササニシキBL5号」、「コシヒカリ富山BL2号」とPitaを持つ「ササニシキBL6号」に識別バンドが現れ、cとd のプライマーでは識別バンドが現れた[日本晴関東BL4号]に識別バンドが現れなかった。
同様に、図1で示したfのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Pizをもつ品種である「ササニシキBL3号」、「日本晴関東BL1号」にのみ識別バンドが現れた。前項(3)よりfのプライマーはPiz由来のマーカーであり、Pizの品種をPCRにより識別できると推定された。前項と同様に、gのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Pik-mをもつ品種である「ササニシキBL2号」、のみに識別バンドが現れた。この結果、gのプライマーはPik-mの遺伝子に関連していることが確認された。
また、前項と同様に、図1で示したhのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Piz-tをもつ品種「日本晴関東BL3号」、「コシヒカリ富山BL1号」とPizをもつ品種「日本晴関東BL1号」に識別バンドが現れ、Pibの遺伝子を持つ「日本晴関東BL6号」にも薄くバンドが確認された。hのプライマーはPiz-t由来のマーカーであり、Piz-tとPizとPibを持つ品種に識別バンドが確認できた。
同様に、図1で示したiのプライマーを用いPCRを行った結果、公表遺伝子型Pikを持つ品種「ササニシキBL1号」、「日本晴関東BL5号」、Pik-mを持つ品種「ササニシキBL2号」、Pik-pを持つ品種「コシヒカリ富山BL4号」に識別バンドが現れず、劣性マーカーのためPik、 Pik-m 、Pik-pの遺伝子の存在を示した。この結果、iのプライマーはPCRにおいてPik、 Pik-m 、Pik-p 遺伝子を持つ品種を識別できることが確認できた。
以上の結果、図1で示したa、b、c、d、e、f、g、iの各プライマーにおけるPCRの判定と、公表されているいもち病抵抗性遺伝子型の適合性が高いことが確認できた。さらに、hのプライマーはPiz-t由来のマーカーで、Piz-t遺伝子がPiz遺伝子と連鎖しているため、Piz遺伝子を持つ品種も識別バンドが現れる傾向があると推定された。また、「コシヒカリ新潟BL1号」から「コシヒカリ新潟BL6号」までの各品種と、「コシヒカリ富山BL1号」から「コシヒカリ富山BL4号」までの各品種との識別が可能になった。
(作付け上位40品種によるPCR結果)
公表されているいもち病抵抗性遺伝子型とDNAマーカー判定の適合性を検討するために、実施例7に示したPCR条件で図1のプライマーを用いてPCRを行った結果を図4−1及び図4−2に示す。レーン1は、「ひとめぼれ(Pii)」、2は、「まなむすめ(Pii)」、3は、「キヌヒカリ(Pii)」、4は、「ななつぼし(Pii)」、5は、「こいむすび(Pii)」、6は、「たきたて(Pii)」、7は、「ゆめさんさ(Pii)」、8は、「かけはし(Pii)」、9は、「たかねみのり(Pii)」、10は、「月の光(Pii)」、11は、「ササニシキ(Pia)」、12は、「ゆきひかり(Pia)」、13は、「彩(Pia)」、14は、「ヤマビコ(Pia)」、15は、「こがねもち(Pia)」、16は、「アキヒカリ(Pia)」、17は、「キヨニシキ(Pia)」、18は、「あきたこまち(Pia,Pii)」、19は、「ミネアサヒ(Pia,Pii)」、20は、「ヒノヒカリ(Pia,Pii)」、21は、「つがるロマン(Pia,Pii)」、22は、「はなぶさ(Pia,Pii)」、23は、「ゆめあかり(Pia,Pii)」、24は、「ちゅらひかり(Pia,Pii)」、25は、「はえぬき(Pia,Pii)」、26は、「ハナエチゼン(Piz)」、27は、「日本晴(Pik-s,Pia)」、28は、「きらら397(Pii,Pik)」、29は、「あきほ(Pii,Pia.Pik)」、30は、「ほしのゆめ(Pii,Pia.Pik)」、31は、「ゆきまる(Pii,Pia.Pik)」、32は、「ほしたろう(Pii,Pia.Pik)」、33は、「マンゲツモチ(Pik)」、34は、「新潟早生(Piz)」、35は、「ナツヒカリ(Piz)」、36は、「ヤマヒカリ(Pita-2)」、37は、「レイホウ(Pita-2)」、38は、「サイワイモチ(Pita-2)」、39は、「おくのむらさき(Pib)」、40は、「ふくひびき(Pib)」を示す。
図1で示したaのプライマーは、Pia遺伝子を持つ品種を識別するためのマーカーで、PCRの結果、40品種中、Pia遺伝子を持つ品種が20品種あったのに対し、19品種の適合性が確認された。図1で示したbのプライマーは、Pii遺伝子を持つ品種を識別するためのマーカーで、PCRの結果、40品種中、Pii遺伝子を持つ品種が23品種あったのに対し、19品種の適合性が確認された。図1で示したcとdとeのプライマーは、Pita-2遺伝子を持つ品種を識別するためのマーカーで、PCRの結果、40品種中、Pita-2遺伝子を持つ品種が3品種あったのに対し、cとdのプライマーでは3品種の適合性が確認され、eのプライマーでは1品種の適合性が確認された。図1で示したfのプライマーは、Piz遺伝子を持つ品種を識別するためのマーカーで、PCRの結果、40品種中、Piz遺伝子を持つ品種が3品種あったのに対し、3品種の適合性が確認された。図1で示したgのプライマーは、Pik-m遺伝子を持つ品種を識別するためのマーカーで、PCRの結果、40品種中、Pik遺伝子を持つ品種が7品種あったのに対し、3品種の適合性が確認された。図1で示したhのプライマーは、Piz-t由来のマーカーであり、40品種中、Piz-tの遺伝子を持つ品種がなかったため、適合性の確認はできなかった。図1で示したiのプライマーは、Pik遺伝子の劣性マーカーであり、40品種中、Pik遺伝子を持つ品種が7品種あるのに対し、7品種の適合性が確認された。
(コシヒカリ新潟BL品種と他県産コシヒカリおよびコシヒカリ以外の品種との識別)
「コシヒカリポジキット」でPCRを行った結果を図5の (a)に示す。レーンSは、「新潟コシヒカリ」、レーン1は、「コシヒカリ新潟BL1号」、2は、「コシヒカリ新潟BL2号」、3は、「コシヒカリ新潟BL3号」、4は、「コシヒカリ新潟BL4号」、5は、「コシヒカリ新潟BL5号」、6は、「コシヒカリ新潟BL6号」を示す。33産地のコシヒカリは、「新潟コシヒカリ」、「コシヒカリ新潟BL1号」、「コシヒカリ新潟BL4号」、「コシヒカリ新潟BL5号」、「コシヒカリ新潟BL6号」と同様に3本バンドを現す。他県産コシヒカリと「コシヒカリBL1号」の識別には、プライマーaで、「コシヒカリBL4号」の識別には、プライマーhで、「コシヒカリBL5号」の識別には、プライマーa、b、f、hで、「コシヒカリ新潟BL6号」の識別には、プライマーg、iで識別が可能になる。
一方、コシヒカリ新潟BL品種とコシヒカリ以外の作付け上位49品種との識別では、「新潟コシヒカリBL2号」と「同3号」以外のBLが3本バンドを示すのに対し、コシヒカリ以外の品種は全て3本バンド以外のバンドパターンを示すために識別可能となる。「コシヒカリBL2号」は3本バンドのパターンではなく、同じパターンを示す品種は「ヒノヒカリ」、「ふさおとめ」、「森のくまさん」である。これらの品種を識別するために、実施例7に示したPCR条件で、プライマーfを用いPCRを行うと、「ヒノヒカリ」、「ふさおとめ」、「森のくまさん」は識別バンドが現れず、「コシヒカリBL2号」には出現するため識別が可能になった。また、「コシヒカリBL3号」は3本バンドの高分子側にバンドが1本淡く現れるが、上位50品種内には同じパターンの品種はなかったが、識別バンドがやや淡いため、Pita-2由来の識別プライマーであるcかdでPCRを行った結果、50品種のうち「ヤマヒカリ」、「レイホウ」のみに識別バンドが現れた。「ヤマヒカリ」、「レイホウ」とも「コシヒカリポジキット」のパターンが3本バンドでないため識別が可能になった。また、Pita-2の識別プライマーc、d、e、によるPCRの結果、識別バンドの現れた「サイワイモチ」も「コシヒカリポジキット」のパターンが異なるため識別が可能となった。
図5の(b)に、作付け上位50品種のうちコシヒカリ以外の品種では何らかのバンドが現れる「コシヒカリネガキット」を用いてPCRを行った結果を示す。「コシヒカリ新潟BL2号」のみ、1.6kbp付近にバンドが現れた。これと同じパターンの品種は「ヒノヒカリ」、「あきたこまち」、「はえぬき」、「ハナエチゼン」、[夢つくし」、「あきほ」、「ゆきまる」、「まなむすめ」、「どまんなか」、「ほほほの穂」、「ゆめあかり」、「ふさおとめ」、「どんとこい」、「ながのほまれ」、「ゴロピカリ」、「初星」、「森のくまさん」であるが、「コシヒカリポジキット」のパターンが、「ヒノヒカリ」、「ふさおとめ」、「森のくまさん」以外は全て異なるため識別が可能となり、前項に示したように「ヒノヒカリ」、「ふさおとめ」、「森のくまさん」は、fのプライマーにより識別が可能である。
図5の(c)に、STS化プライマーを3種類混合したマルチプレックスPCRの結果を示す。Piaを識別するaプライマーと、Piiを識別するbプライマーと、Pita-2を識別するdプライマーを6:5:1の比率で混合し、アニーリング温度64℃でPCRを行ったものである。この結果、1回のPCRで3品種の識別を可能にした。この結果、上位50品種中に識別バンドの3本を現す品種はなかった。図5の(d)は「コシヒカリ新潟BL1号」から「コシヒカリ新潟BL4号」までをマルチライン化した試料0.2gよりCTAB法で抽出したDNAを用い、前項のマルチプレックスPCRを行ったもので、識別バンドの3本が出現した。つまり、「コシヒカリ新潟BL」の混合品種(マルチライン)である場合は、3本バンドになり、いもち病抵抗性でない通常のコシヒカリおよび他品種との識別が可能になった。
(プライマーの適正量体数の試験)
配列番号11と12に示すNFRIBL65の10量体の対合プライマーを用い、アニーリングを36℃にしたPCRでは、対照の一般コシヒカリからBL1〜BL6まで、全てに増幅バンドが出現し、識別が不可能となってしまったので不適当である。一方、同じ配列番号のフォワード側にatgta、リバース側にtttgtを付加した55量体の対合プライマーを用い、アニーリングを72℃としてPCRを行ったところ、増幅バンドは出現しなかった。
これに対して、同じ配列番号で27量体の対合プライマーを用い、アニーリング温度を68℃にしてPCRを行った結果、新潟コシヒカリBL6号のみに増幅バンドが出現し、識別マーカーとして適当であることが証明された。この結果を図6に示す。
他の8種類のプライマーについても、上記と同様に、10量体および55量体を調製して行ったPCRではBLの識別という目的が達成されず、12量体〜50量体という適正な範囲内の量体数のプライマーの場合のみ識別が可能であった。この結果を表1?に示す。
本発明は、(1)それぞれのいもち病抵抗性、たとえばPiiやPiaなどの抵抗性ごとに、交配組み合わせとは無関係に、識別性の共通するDNAマーカーが開発され、対象品種は異なっていても、たとえばPiiを有するひとめぼれBLや、Piaを有する日本晴BLを識別することが可能となるため、育種分野でのいもち病抵抗性品種・系統の選抜や、流通・検査段階でのいもち病抵抗性品種の検査などの産業上の利用可能性がきわめて高い。
また、本発明により、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、戻し交配においても消失しない、遺伝的持続性のあるDNAマーカーを提供することができるため、育成段階においても、流通・検査段階においても、長期間にわたって産業的に利用される可能性がきわめて高い。
さらに、本発明により、複数のプライマーを組み合わせたプライマーセットが提供されるので、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながらも、識別に要する時間と労力の低減とコストの低下が可能となり、実用面の利点が大きい。したがって産業的に利用される可能性がきわめて高い。
また、本発明により、1種類あるいは2種類以上のプライマーを張り付けたDNAチップが提供されるので、DNAの配列に基づく識別という特徴を保持しながら、識別に要する時間と労力の低減とコストの低下が可能となり、実用面の利点が大きい。したがって本発明は産業的に利用される可能性がきわめて高い。
実施例7において「新潟コシヒカリ」および「コシヒカリ新潟BL1号〜BL6号」の品種をPCRおよび電気泳動を行った結果を示す。各図で用いたSTS化プライマー対は次の通り。(A)のa:配列表の配列番号19、20;(B)のb:配列番号21、22;(C)のc:配列番号23、24;(D)のd:配列番号25、26;(E)のe:配列番号27、28;(F)のf:配列番号29、30;(G)のg:配列番号31、32;(H)のh:配列番号33、34;(I)のi:配列番号35、36 実施例8において、全国30県産のコシヒカリを実施例7に示したPCR条件とプライマーを用いてPCRを行った結果を示す。各図で用いたSTS化プライマー対は次の通り。(a):配列表の配列番号19、20;(b):配列番号35、36 実施例9において、「ササニシキBL」、「日本晴関東BL」、「コシヒカリ富山BL」の19品種について図1のプライマーを用いてPCRを行った結果を示す。(a)〜(i)の各図は、図1の(A)〜(I)に対応している。 実施例10において、いもち病抵抗性イネ40品種について、図1のプライマーを用いてPCRを行った結果を示す。(a)〜(e)の各図は、図1の(A)〜(E)に対応している。 実施例10において、いもち病抵抗性イネ40品種について、図1のプライマーを用いてPCRを行った結果を示す。(f)〜(i)の各図は、図1の(F)〜(I)に対応している。 実施例11において、コシヒカリ新潟BL品種と他県産コシヒカリおよびコシヒカリ以外の品種について、プライマー「コシヒカリポジキット」(タカラバイオ製米判別キットI)を用いてPCRを行った結果を(a)に示す。レーンSは新潟コシヒカリ(対照)、レーン1は新潟コシヒカリBL1、レーン2は新潟コシヒカリBL2、レーン3は新潟コシヒカリBL3、レーン4は新潟コシヒカリBL4、レーン5は新潟コシヒカリBL5、レーン6は新潟コシヒカリBL6を示す。 (b)は、同品種についてプライマー「コシヒカリネガキット」(タカラバイオ製米判別キットII)を用いてPCRを行った結果を示す。レーンSは新潟コシヒカリ(対照)、レーン1は新潟コシヒカリBL1、レーン2は新潟コシヒカリBL2、レーン3は新潟コシヒカリBL3、レーン4は新潟コシヒカリBL4、レーン5は新潟コシヒカリBL5、レーン6は新潟コシヒカリBL6を示す。 (c)は、同品種についてのSTS化プライマーを3種類混合したマルチプレックスPCRの結果を示す。レーンSは新潟コシヒカリ(対照)、レーン1は新潟コシヒカリBL1、レーン2は新潟コシヒカリBL2、レーン3は新潟コシヒカリBL3、レーン4は新潟コシヒカリBL4、レーン5は新潟コシヒカリBL5、レーン6は新潟コシヒカリBL6を示す。(d)は、「コシヒカリ新潟BL1号」から「コシヒカリ新潟BL4号」までをマルチライン化した試料よりCTAB法で抽出したDNAを用い、マルチプレックスPCRを行った結果を示す。 実施例12において、配列番号11、12に示す27量体の対合プライマーを用い、アニーリング温度を68℃にしてPCRを行った結果を示す。レーンSは新潟コシヒカリ(対照)、レーン1は新潟コシヒカリBL1,レーン2は新潟コシヒカリBL2、レーン3は新潟コシヒカリBL3、レーン4は新潟コシヒカリBL4、レーン5は新潟コシヒカリBL5、レーン6は新潟コシヒカリBL6、レーン7は新潟コシヒカリBL7、レーン8は新潟コシヒカリBL8を示す。 図の(1)は55量体のプライマーを用いたのでプライマーが結合せず、増幅DNAバンドが出現しない。(2)は27量体のプライマーであり、適切な範囲にあるプライマーなので、識別性のある増幅DNAバンドのみが出現している。(3)は10量体のプライマーを用いた場合であり、識別性が低いため、多くのレーンで増幅DNAバンドが出現し、BK同士の識別が不可能であるので不適当である。

Claims (3)

  1. 配列表の配列番号1に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL49Fと配列番号2に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL49Rからなる対合プライマー(NFRIBL49)、配列表の配列番号3に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL81Fと配列番号4に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL81Rからなる対合プライマー(NFRIBL81)、配列表の配列番号5に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL9Fと配列番号6に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL9Rからなる対合プライマー(NFRIBL9)、配列表の配列番号7に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL4Fと配列番号8に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL4Rからなる対合プライマー(NFRIBL4)、配列表の配列番号9に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL33Fと配列番号10に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL33Rからなる対合プライマー(NFRIBL33)、配列表の配列番号11に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL65Fと配列番号12に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL65Rからなる対合プライマー(NFRIBL65)、配列表の配列番号13に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL42Fと配列番号14に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL42Rからなる対合プライマー(NFRIBL42)、配列表の配列番号15から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL332Fと配列番号16に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL332Rからなる対合プライマー(NFRIBL332)、および配列表の配列番号17に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL6Fと配列番号18に示す塩基配列から選択された12〜50個の塩基よりなるプライマーNFRIBL6Rからなる対合プライマー(NFRIBL6)より成るプライマー群のうちの1種類のプライマーあるいは2種類以上のプライマー群である、いもち病抵抗性の稲品種をDNA判別法によって識別するためのプライマーあるいはプライマー群。
  2. NFRIBL49、NFRIBL81、NFRIBL9、NFRIBL4、NFRIBL33、NFRIBL65、 NFRIBL42、NFRIBL332、およびNFRIBL6から成る群の対合プライマーの2種類以上を混合したプライマーセット。
  3. NFRIBL49、NFRIBL81、NFRIBL9、NFRIBL4、NFRIBL33、NFRIBL65、NFRIBL42、NFRIBL332、およびNFRIBL6から成る群の対合プライマーの1種類あるいは2種類以上を用いるDNAチップ。

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