JP2005245244A - 米品種の識別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、近縁種の米品種を、検体数に関わらず、簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別が可能な米の品種識別方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 米の品種を識別する方法であって、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用し検出することを特徴とする米の品種識別方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 米の品種を識別する方法であって、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用し検出することを特徴とする米の品種識別方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、農業分野において有用な、米の品種に特徴的なDNA断片の検出によって米品種を識別する方法に関する。
従来、穀粒の価格は、穀粒の加工適性や食味に応じて決定され、良質の穀粒ほど高価格で取り引きされている。例えば、米において、平成12年度におけるわが国の作付け上位4品種である「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」及び「あきたこまち」に代表される良食味米は、消費者の良食味米志向を受けて高値で取り引きされている。
しかし、一部では、これらの良食味品種以外の米を混米しながら、表示を偽って販売されている不正混米が行われ、問題となっており、平成13年4月から施行された改正JAS法の下では、米の包装での品種、産地、産年の表示が義務づけられている。
このような状況下、穀物、特に米の内容と表示が一致しているかどうかを科学的に検査する技術の開発が必要とされている。
しかし、一部では、これらの良食味品種以外の米を混米しながら、表示を偽って販売されている不正混米が行われ、問題となっており、平成13年4月から施行された改正JAS法の下では、米の包装での品種、産地、産年の表示が義務づけられている。
このような状況下、穀物、特に米の内容と表示が一致しているかどうかを科学的に検査する技術の開発が必要とされている。
従来、米等の穀物の品種については、植物体の草型、穀粒の粒型、葉や米の酵素多型などによって識別されてきた。しかし、現在のように、わが国の米における「コシヒカリ」とその類縁系統が全体の7割を越えるような近縁系統の多い状況下では、前述の方法によって品種混合の有無を識別することは不可能である。
本発明者らは、これまでに、RAPD法やSTS化プライマー法等の、米ゲノムDNAとPCRを用いて品種を判別する技術を開発し、非特許文献1、並びに特許文献1及び2に開示してきた。
本発明者らは、これまでに、RAPD法やSTS化プライマー法等の、米ゲノムDNAとPCRを用いて品種を判別する技術を開発し、非特許文献1、並びに特許文献1及び2に開示してきた。
日本食品科学工学会誌46巻3号(p.117−122)
特許第3048149号公報
特開2001−95589号公報
しかし、前述の技術は、PCRにより得られる品種の識別に用いるDNA断片をその長さで同定しているため、近接した長さのDNA断片を識別に用いる場合、識別を誤る可能性がある。また、電気泳動写真を目視で確認しながらの判別では、複数のデータを基に品種を識別する場合、検体数が多いと検体データを取り違え識別を誤る可能性もある。
このような状況に鑑みて、本発明は、近縁種の米品種を、検体数に関わらず、簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別が可能な米の品種識別方法を提供することを目的とする。
このような状況に鑑みて、本発明は、近縁種の米品種を、検体数に関わらず、簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別が可能な米の品種識別方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、米品種の識別に用いることのできる米由来のDNAにおける特定の塩基配列を解析し、その情報を元に、該配列の存在を検出するために有用な単鎖ヌクレオチドを設計し、構築した。その結果、少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を用いることにより、米由来のDNAにおける特定の塩基配列を簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1記載の本発明は、米の品種を識別する方法であって、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用し検出することを特徴とする米の品種識別方法である。
請求項2記載の本発明は、特定の塩基配列が、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列若しくはその一部からなる塩基配列より選択されるものである請求項1記載の方法である。
請求項3記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち2つを、核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして使用することを特徴とする請求項1又は2記載の方法である。
請求項2記載の本発明は、特定の塩基配列が、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列若しくはその一部からなる塩基配列より選択されるものである請求項1記載の方法である。
請求項3記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち2つを、核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして使用することを特徴とする請求項1又は2記載の方法である。
請求項4記載の本発明は、核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチドが、配列表の配列番号19と配列番号20にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号22と配列番号23にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号25と配列番号26にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号28と配列番号29にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号31と配列番号32にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号34と配列番号35にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号37と配列番号38にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号40と配列番号41にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号42と配列番号43にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号44と配列番号45にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号46と配列番号47にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号48と配列番号49にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号50と配列番号51にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号52と配列番号53にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号54と配列番号55にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号56と配列番号57にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号58と配列番号59にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、及び、配列番号60と配列番号61にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチドからなる群から選択される、少なくとも1つの組み合わせである請求項3記載の方法である。
請求項5記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つを、核酸増幅法による増幅物の検出用プローブとして用いることを特徴とする請求項3記載の方法である。
請求項6記載の本発明は、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドが、米由来のDNAにおける特定の塩基配列もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能なものである請求項4又は5記載の方法である。
請求項6記載の本発明は、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドが、米由来のDNAにおける特定の塩基配列もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能なものである請求項4又は5記載の方法である。
請求項7記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが適当な担体上に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法である。
請求項8記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが、蛍光物質で修飾されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法である。
請求項8記載の本発明は、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが、蛍光物質で修飾されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法である。
請求項9記載の本発明は、配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群から選択される、少なくとも1つの単鎖ヌクレオチド群を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法である。
請求項10記載の本発明は、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列もしくはその一部からなる塩基配列を有するDNA断片を特異的に検出するためのヌクレオチド群であって、配列番号1〜18に示される塩基配列のいずれかもしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドを含むことを特徴とする単鎖ヌクレオチド群である。
請求項11記載の本発明は、配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群から選択される請求項10記載の単鎖ヌクレオチド群である。
請求項11記載の本発明は、配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群から選択される請求項10記載の単鎖ヌクレオチド群である。
請求項12記載の本発明は、配列表の配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、及び配列番号39にそれぞれ示される塩基配列からなる単鎖ヌクレオチドのうちから選ばれる少なくとも1つを増幅物の検出用プローブとして、適当な担体に固定させてなる米の品種識別用DNAチップである。
本発明によれば、米の品種を、検体数に関わらず簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別することができる。
従って、本発明を利用すれば、近縁系統が多い国内主要品種はもちろん、国内外に関わらず全ての種類の米品種の識別が可能である。
従って、本発明を利用すれば、近縁系統が多い国内主要品種はもちろん、国内外に関わらず全ての種類の米品種の識別が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とする米とは、食用とする種子(米粒)のほか、苗なども包含される。また種子としては、食用として市場に流通する、精米、玄米、などのほか、精米粉、玄米粉、更には、米飯、餅等なども包含される。
本発明が対象とする米とは、食用とする種子(米粒)のほか、苗なども包含される。また種子としては、食用として市場に流通する、精米、玄米、などのほか、精米粉、玄米粉、更には、米飯、餅等なども包含される。
本発明は、上述のような米の品種を識別する方法を提供する。すなわち、本発明の米の品種識別方法は、請求項1に記載するように、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用し検出することを特徴とする。
本発明の方法において、米由来のDNAを調製するにあたり、米粒自体を試料とすることができ、また、必要に応じて適当な粉砕機器、例えば超遠心粉砕機(レッチェ社製)、サイクロンミル(ユーディ社製)、ミルサー(イワタニ社製)、乳鉢等によって粉砕して得られる粉末を試料とすることもできる。また、葉からDNAを調製する場合は、葉自体のほか、液体窒素などで凍結後、乳鉢等によって粉砕して得られる粉末を試料としても良い。
上記試料からのゲノムDNAの抽出には、公知のDNA抽出法を適用することができ、例えばフェノール抽出法、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)などが挙げられる。また、適当な市販のDNA抽出キットを用いても良い。
また、試料が米飯や餅等の場合には、特許第3048149号公報に記載されているように、粉末試料を耐熱性アミラーゼによって処理した後にゲノム遺伝子を抽出する酵素法によって抽出することもできる。
また、試料が米飯や餅等の場合には、特許第3048149号公報に記載されているように、粉末試料を耐熱性アミラーゼによって処理した後にゲノム遺伝子を抽出する酵素法によって抽出することもできる。
DNAの抽出後、必要に応じてクロロホルム/イソアミルアルコール処理、イソプロパノール沈殿、フェノール/クロロホルムによる除蛋白、エタノール沈殿等の精製工程を加えても良い。これらの工程の中では、クロロホルム/イソアミルアルコール処理が好ましい。この処理は、例えばDNA抽出液にクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加えて攪拌、遠心分離して得られる上清に、DNA沈殿液を加えて更にDNAを沈殿させた後、遠心分離を行って得られたDNA沈殿物を1M NaClで抽出し、イソプロピルアルコール、エタノールによる洗浄、沈殿の後、TE緩衝液に溶解するもので、これによりDNA試料液を得ることができる。
本発明の方法においては、上記のようにして抽出した米由来のDNAにおける特定の塩基配列、すなわち、品種間の識別性の現れるDNA断片の存在、具体的には、請求項2に記載するように、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列若しくはその一部からなる塩基配列の存在を検出する。
、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列とは、M11(配列表の配列番号1参照)、G22(配列表の配列番号2参照)、B43(配列表の配列番号3参照)、S13(配列表の配列番号4参照)、F6(配列表の配列番号5参照)、E30(配列表の配列番号6参照)、WKA09(配列表の配列番号7参照)、G4(配列表の配列番号8参照)、A6(配列表の配列番号9参照)、B1(配列表の配列番号10参照)、G28(配列表の配列番号11参照)、G49(配列表の配列番号12参照)、M2CG(配列表の配列番号13参照)、B7(配列表の配列番号14参照)、A7(配列表の配列番号15参照)、P3(配列表の配列番号16参照)、P5(配列表の配列番号17参照)、及びT16(配列表の配列番号18参照)の各塩基配列を意味する。各塩基配列の由来品種名は、後述の表2に示す通りである。
、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列とは、M11(配列表の配列番号1参照)、G22(配列表の配列番号2参照)、B43(配列表の配列番号3参照)、S13(配列表の配列番号4参照)、F6(配列表の配列番号5参照)、E30(配列表の配列番号6参照)、WKA09(配列表の配列番号7参照)、G4(配列表の配列番号8参照)、A6(配列表の配列番号9参照)、B1(配列表の配列番号10参照)、G28(配列表の配列番号11参照)、G49(配列表の配列番号12参照)、M2CG(配列表の配列番号13参照)、B7(配列表の配列番号14参照)、A7(配列表の配列番号15参照)、P3(配列表の配列番号16参照)、P5(配列表の配列番号17参照)、及びT16(配列表の配列番号18参照)の各塩基配列を意味する。各塩基配列の由来品種名は、後述の表2に示す通りである。
本発明においては、上記特定の塩基配列の存在を検出するに当たり、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用する。
ここで、ヌクレオチドとは、ヌクレオシドの糖部分がリン酸とエステルを作っている化合物を意味する。核酸塩基が結合したデオキシリボヌクレオチドの重合体であるDNAや核酸塩基が結合したリボヌクレオチドの重合体であるRNAに特に限定されず、核酸塩基が結合したデオキシリボヌクレオチドと核酸塩基が結合したリボヌクレオチドの重合体であっても良く、また、適当な位置に蛍光物質が結合していても良い。機能の面から分類したヌクレオチドの例としては、PCR法やICAN法(WO00/56877号国際公開パンフレット参照)における増幅用の対合プライマーや、サザンハイブリダーゼーションにおける核酸検出用プローブなどが挙げられる。
そして、本発明において用いる単鎖ヌクレオチドとは、相補的な塩基配列を有する異なるヌクレオチド分子が核酸塩基間の水素結合により形成する2本鎖分子ではないことを意味する。
ここで、ヌクレオチドとは、ヌクレオシドの糖部分がリン酸とエステルを作っている化合物を意味する。核酸塩基が結合したデオキシリボヌクレオチドの重合体であるDNAや核酸塩基が結合したリボヌクレオチドの重合体であるRNAに特に限定されず、核酸塩基が結合したデオキシリボヌクレオチドと核酸塩基が結合したリボヌクレオチドの重合体であっても良く、また、適当な位置に蛍光物質が結合していても良い。機能の面から分類したヌクレオチドの例としては、PCR法やICAN法(WO00/56877号国際公開パンフレット参照)における増幅用の対合プライマーや、サザンハイブリダーゼーションにおける核酸検出用プローブなどが挙げられる。
そして、本発明において用いる単鎖ヌクレオチドとは、相補的な塩基配列を有する異なるヌクレオチド分子が核酸塩基間の水素結合により形成する2本鎖分子ではないことを意味する。
このような単鎖ヌクレオチド群を使用し米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を検出するには、例えば請求項3に記載するように、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち2つを、核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして使用することができる。
核酸増幅法の増幅用対合プライマーとは、米由来のDNAにおける特定の塩基配列、すなわち品種間の識別性の現れるDNA断片、具体的には配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列もしくはその一部を有するDNA断片を核酸増幅法により増幅させることができる1対のプライマーを意味する。
核酸増幅法については、特に限定はなく、検出しようとするDNA断片を増幅可能な種々の核酸増幅法を使用することができる。例えば、上記のPCR法やICANが本発明には好適である。
尚、PCR法の一種として、1度の反応に複数の対合プライマーを組み合わせて用いるマルチプレックスPCR法を用いても良い。この場合、組み合わせる対合プライマーは、互いにプライマーダイマーを生成したり、識別バンドが互いに干渉したり、重複したりすることがない、融解温度の近い複数の対合プライマー(8〜30量体)を選定して用いる。その結果、PCR回数を減らすことができ、更に、PCR増幅物をアガロースゲル電気泳動により検出する場合には、電気泳動・染色回数をも減らすことができる。
核酸増幅法については、特に限定はなく、検出しようとするDNA断片を増幅可能な種々の核酸増幅法を使用することができる。例えば、上記のPCR法やICANが本発明には好適である。
尚、PCR法の一種として、1度の反応に複数の対合プライマーを組み合わせて用いるマルチプレックスPCR法を用いても良い。この場合、組み合わせる対合プライマーは、互いにプライマーダイマーを生成したり、識別バンドが互いに干渉したり、重複したりすることがない、融解温度の近い複数の対合プライマー(8〜30量体)を選定して用いる。その結果、PCR回数を減らすことができ、更に、PCR増幅物をアガロースゲル電気泳動により検出する場合には、電気泳動・染色回数をも減らすことができる。
増幅用対合プライマーとして使用される単鎖ヌクレオチドとしては、前記のDNA断片にハイブリダイズ可能なヌクレオチドもしくは前記のDNA断片の相補鎖にハイブリダイズ可能なヌクレオチドが例示される。例えば前記DNA断片の塩基配列もしくはその相補鎖の塩基配列のうちの連続する8塩基以上、好ましくは12塩基以上、更に好ましくは15塩基以上からなる塩基配列を有するヌクレオチドを使用することができる。プライマーの鎖長には特に上限はないが、その合成のコストなどの観点から、通常は50塩基以下、例えば40塩基以下のものが本発明には好適である。
このような増幅用対合プライマーとして使用される単鎖ヌクレオチドは、増幅しようとするDNA断片、すなわち、米由来のDNAにおける特定の塩基配列、具体的には配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列もしくはその一部を有するDNA断片の塩基配列情報に基づいて任意に設計、作製することができる。
特に本発明を限定するものではないが、増幅用対合プライマーとして使用される単鎖ヌクレオチドの一例をあげると、請求項4に記載するように、配列表の配列番号19と配列番号20にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号22と配列番号23にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号25と配列番号26にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号28と配列番号29にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号31と配列番号32にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号34と配列番号35にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号37と配列番号38にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号40と配列番号41にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号42と配列番号43にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号44と配列番号45にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号46と配列番号47にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号48と配列番号49にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号50と配列番号51にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号52と配列番号53にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号54と配列番号55にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号56と配列番号57にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号58と配列番号59にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、及び、配列番号60と配列番号61にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、の各組み合わせを用いることができる。
前段で例示列挙した、増幅用対合プライマーとして使用される単鎖ヌクレオチドの組み合わせは、配列表の配列番号1〜18に記載された塩基配列で表されるDNA断片の全長を増幅させることができる対合プライマーであるが、塩基配列データを基に適当なプライマー設計ソフトを使用すれば、米由来のDNAにおける特定の塩基配列、すなわち品種間の識別性の現れるDNA断片、具体的には配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列全体ではなく、その一部を有する短い長さのDNA断片を増幅させることができる1対のプライマーを設計することも可能である。
このような単鎖ヌクレオチド群のうち2つを核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして使用して核酸増幅法による増幅を行った後、例えば請求項5に記載するように、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうちの1つを核酸増幅法による増幅物の検出用プローブとして用いることによって、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を検出することができる。
具体的には、請求項6に記載するように、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドとして、米由来のDNAにおける特定の塩基配列もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能なものを用いることにより、増幅断片とのハイブリダイゼーションによって米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を検出することができる。
具体的には、請求項6に記載するように、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドとして、米由来のDNAにおける特定の塩基配列もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能なものを用いることにより、増幅断片とのハイブリダイゼーションによって米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を検出することができる。
このような増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドとしては、検出しようとするDNA断片、例えば配列番号1〜18に記載された塩基配列もしくはその相補鎖とハイブリダイズ可能なものであれば良い。例えば配列番号1〜18に記載された塩基配列もしくはその相補鎖の塩基配列を有するヌクレオチド、又はそれらの一部を使用することができる。
例えば前記DNA断片の塩基配列もしくはその相補鎖の塩基配列のうちの連続する8塩基以上、好ましくは15塩基以上、更に好ましくは20塩基以上からなる塩基配列を有するヌクレオチドを使用することができる。また、100塩基以上の鎖長のヌクレオチド(ポリヌクレオチド)も本発明に使用することができる。
増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドは、前記のDNA断片を鋳型とした核酸増幅反応や、前記DNA断片を適当な制限酵素で消化した後、プローブとして使用できる断片を単離することによって調製することができる。
例えば前記DNA断片の塩基配列もしくはその相補鎖の塩基配列のうちの連続する8塩基以上、好ましくは15塩基以上、更に好ましくは20塩基以上からなる塩基配列を有するヌクレオチドを使用することができる。また、100塩基以上の鎖長のヌクレオチド(ポリヌクレオチド)も本発明に使用することができる。
増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドは、前記のDNA断片を鋳型とした核酸増幅反応や、前記DNA断片を適当な制限酵素で消化した後、プローブとして使用できる断片を単離することによって調製することができる。
増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドは、検出しようとするDNA断片、例えば配列番号1〜18に記載された塩基配列もしくはその相補鎖とハイブリダイズ可能なものを用いることができる。具体的には、前記プローブを固定化したDNAチップを検出に使用する場合、例えば2×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0を示す)中、55℃で、好ましくは65℃で検出しようとするDNA断片にハイブリダイズ可能なヌクレオチドが検出用プローブとして好適である。
このような増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドとしては、特に本発明を限定するものではないが、配列表の配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、及び配列番号39にそれぞれ示される塩基配列からなるものが例示される。
このような増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドとしては、特に本発明を限定するものではないが、配列表の配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、及び配列番号39にそれぞれ示される塩基配列からなるものが例示される。
増幅物の検出用プローブとして使用される単鎖ヌクレオチドは、検出しようとするDNAとハイブリダイズする際に単鎖ヌクレオチドの状態であれば良い。
従って、二本鎖を形成したヌクレオチド、例えばPCR法により増幅された二本鎖DNA断片であっても、目的のDNAが含まれている可能性のある試料と接触させる際に単鎖(一本鎖)の状態となるものであれば、本発明において使用される単鎖ヌクレオチドに包含される。
従って、二本鎖を形成したヌクレオチド、例えばPCR法により増幅された二本鎖DNA断片であっても、目的のDNAが含まれている可能性のある試料と接触させる際に単鎖(一本鎖)の状態となるものであれば、本発明において使用される単鎖ヌクレオチドに包含される。
核酸増幅法、例えばPCRにより得られる増幅DNA断片を、該DNA断片にハイブリダイズ可能な単鎖ヌクレオチドを用いて検出する方法としては、プローブとのハイブリダイゼーションに基づく種々のDNA検出手法を利用することができる。
例えば、適当な担体上に該増幅断片とハイブリダイズ可能なヌクレオチドを固定化したマイクロタイタープレート、メンブレン、スライドグラス等を使用する方法や、リアルタイム定量PCR法のような溶液中での検出反応系が挙げられる。硬質の担体表面にプローブ(ヌクレオチド)が高密度に固定化されたDNAチップ(DNAアレイ)は複数種のDNA断片を同時に検出可能な手法であり、微量のDNAを感度良く検出することができる。従って、本発明の方法にはDNAチップを使用することが特に好適である。
例えば、適当な担体上に該増幅断片とハイブリダイズ可能なヌクレオチドを固定化したマイクロタイタープレート、メンブレン、スライドグラス等を使用する方法や、リアルタイム定量PCR法のような溶液中での検出反応系が挙げられる。硬質の担体表面にプローブ(ヌクレオチド)が高密度に固定化されたDNAチップ(DNAアレイ)は複数種のDNA断片を同時に検出可能な手法であり、微量のDNAを感度良く検出することができる。従って、本発明の方法にはDNAチップを使用することが特に好適である。
DNAチップを使用して検出する場合は、請求項7に記載するように、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドの1つ、好ましくは増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチド(例えば、請求項12に記載するように、配列表の配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、及び配列番号39にそれぞれ示される塩基配列からなる単鎖ヌクレオチドの内から選ばれる少なくとも1つ)が適当な担体上に固定されている状態のDNAチップを用いることが好ましい。
適当な担体としては、例えばスライドグラスを挙げることができるが、ガラス製に限定されるものではなく、金属、プラスチック、セラミックス等、DNAチップの担体として使用可能な材質であれば良い。ヌクレオチドの固定化に適した表面処理がなされた担体は本発明に好適である。
適当な担体としては、例えばスライドグラスを挙げることができるが、ガラス製に限定されるものではなく、金属、プラスチック、セラミックス等、DNAチップの担体として使用可能な材質であれば良い。ヌクレオチドの固定化に適した表面処理がなされた担体は本発明に好適である。
単鎖ヌクレオチドの担体上への固定化の方法としては、静電結合を利用する方法、共有結合を介する方法等、公知の方法を利用できる。
増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドとして、前述したような二本鎖を形成したヌクレオチドを使用する場合、これをそのまま担体上に固定化し、検出(ハイブリダイゼーション)に先立ってヌクレオチドの一本鎖への変性(例えば熱変性、アルカリ変性)を施すことにより、本発明の方法を実施することができる。また、二本鎖ヌクレオチドを一本鎖に変性した後に担体への固定化を行っても良い。
尚、単鎖(一本鎖)ヌクレオチドを増幅物の検出用プローブとして用いる場合には上記のような固定化前、固定化後の変性操作は不要である。
増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドとして、前述したような二本鎖を形成したヌクレオチドを使用する場合、これをそのまま担体上に固定化し、検出(ハイブリダイゼーション)に先立ってヌクレオチドの一本鎖への変性(例えば熱変性、アルカリ変性)を施すことにより、本発明の方法を実施することができる。また、二本鎖ヌクレオチドを一本鎖に変性した後に担体への固定化を行っても良い。
尚、単鎖(一本鎖)ヌクレオチドを増幅物の検出用プローブとして用いる場合には上記のような固定化前、固定化後の変性操作は不要である。
ここで、請求項8に記載するように、単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが、蛍光物質で修飾されていることにより、増幅物がハイブリダイズしたか否かの判定を容易に行うことができる。
蛍光物質(例えば、Cy5等)による修飾は、増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチド側に行っても、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチド側に行っても良く、単鎖ヌクレオチドを適当な担体に固定してDNAチップとして検出する場合にも、固定されている方の単鎖ヌクレオチドでも、固定されていない方の単鎖ヌクレオチドでも良い。
蛍光物質(例えば、Cy5等)による修飾は、増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチド側に行っても、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチド側に行っても良く、単鎖ヌクレオチドを適当な担体に固定してDNAチップとして検出する場合にも、固定されている方の単鎖ヌクレオチドでも、固定されていない方の単鎖ヌクレオチドでも良い。
蛍光物質による修飾を、増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチドについて行う場合には、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドを設計する際に、増幅用対合プライマー領域を含まないように配慮すれば、未反応のPCR用対合プライマーによる陽性シグナルの発生を避けることができる。
増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドを適当な担体に固定して得られるDNAチップを使用した増幅物の検出の一例を挙げると、以下の通りである。
まず、増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチドの少なくとも一方を予め蛍光物質により修飾しておいたものを用意し、該対合プライマーを用いて、米由来のDNAを鋳型としたPCRを行う。次に、得られた増幅DNA断片と、検出したい米品種に対応する増幅物の検出用プローブが固定DNAチップとのハイブリダイゼーションを行ない、DNAチップ上の蛍光を検出する。その結果、チップに固定化された単鎖ヌクレオチドとPCR増幅断片がハイブリダイズしたか否か判定することができる。
尚、ハイブリダイズしたか否かの判定にあたり、蛍光物質による修飾の他にも、電気的検出など公知のDNAチップ検出原理を利用することが可能である。
増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドを適当な担体に固定して得られるDNAチップを使用した増幅物の検出の一例を挙げると、以下の通りである。
まず、増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチドの少なくとも一方を予め蛍光物質により修飾しておいたものを用意し、該対合プライマーを用いて、米由来のDNAを鋳型としたPCRを行う。次に、得られた増幅DNA断片と、検出したい米品種に対応する増幅物の検出用プローブが固定DNAチップとのハイブリダイゼーションを行ない、DNAチップ上の蛍光を検出する。その結果、チップに固定化された単鎖ヌクレオチドとPCR増幅断片がハイブリダイズしたか否か判定することができる。
尚、ハイブリダイズしたか否かの判定にあたり、蛍光物質による修飾の他にも、電気的検出など公知のDNAチップ検出原理を利用することが可能である。
一方、蛍光物質による修飾を、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドについて行う場合には、増幅DNA断片の検出原理として、TaqMan Chemistry、Hybri Probe法、Cycling Probe法、Scopeon Probe法などを利用することができる。このうち、Hybri Probe法は、検出に蛍光標識(修飾)したヌクレオチドを2種類用いるという特徴がある。
また、蛍光検出装置としては、リアルタイム定量PCR用装置を利用でき、例えば、Smart Cycler(タカラバイオ株式会社製)、Light Cycler(日本ロシュ社製)、ABI PRISMR7700(アプライドバイオシステムズ社製)などが挙げられる。
また、蛍光検出装置としては、リアルタイム定量PCR用装置を利用でき、例えば、Smart Cycler(タカラバイオ株式会社製)、Light Cycler(日本ロシュ社製)、ABI PRISMR7700(アプライドバイオシステムズ社製)などが挙げられる。
核酸増幅法としてマルチプレックスPCRを利用する場合に、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドを予め既知の位置に固定したDNAチップを用いて得られる増幅物を検出すれば、増幅物を修飾する蛍光色素が単一であっても、蛍光を検出するスポット位置からどのような塩基配列を有するDNA断片が増幅されたかを容易に確認することができる。
また、各対合プライマーの標識蛍光色素を変えておくことにより、蛍光色素種により、どのDNA断片が得られたか判断することもできる。
一方、複数の蛍光色素を分別して検出可能なリアルタイム定量PCR装置を用いれば、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチド種毎に蛍光色素の種類を変えて標識しておくことにより、蛍光色素の種類からどのPCR増幅物が得られたか、検出することが可能である。増幅物であるDNA断片の長さが近接していてアガロースゲル電気泳動では十分な分離ができず、どの特徴を有するDNA断片の判断が困難である場合であっても、上記手段により検出することにより明確に分析可能である。
また、各対合プライマーの標識蛍光色素を変えておくことにより、蛍光色素種により、どのDNA断片が得られたか判断することもできる。
一方、複数の蛍光色素を分別して検出可能なリアルタイム定量PCR装置を用いれば、増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチド種毎に蛍光色素の種類を変えて標識しておくことにより、蛍光色素の種類からどのPCR増幅物が得られたか、検出することが可能である。増幅物であるDNA断片の長さが近接していてアガロースゲル電気泳動では十分な分離ができず、どの特徴を有するDNA断片の判断が困難である場合であっても、上記手段により検出することにより明確に分析可能である。
本発明の方法における単鎖ヌクレオチド群は、判別の対象である米由来のDNAにおける特定の塩基配列、すなわち、請求項2、或いは請求項10に記載されるように、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列もしくはその一部からなる塩基配列を有するDNA断片を特異的に検出するためのヌクレオチド群であって、配列番号1〜18に示される塩基配列のいずれかもしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドを含むことを特徴とする単鎖ヌクレオチド群であり、中でも、判別の対象である米由来のDNAにおける特定の塩基配列から設計された増幅用対合プライマー2種と検出用プローブ1種から構成されることが好ましく、特に、前記した通り、検出用プローブが増幅用対合プライマー領域を含まないものであることが好ましい。
具体的には、請求項9或いは請求項11に記載するように、配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群が挙げられ、このうちから選択される、少なくとも1つの単鎖ヌクレオチド群を用いることが好ましい。
具体的には、請求項9或いは請求項11に記載するように、配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群が挙げられ、このうちから選択される、少なくとも1つの単鎖ヌクレオチド群を用いることが好ましい。
尚、加工度の高い食品の場合、検査に必要なDNAが低分子化されている可能性があり、長鎖長のDNAを増幅して検出する方法では品種の識別が不能となる場合もある。その場合は、より短い鎖長の増幅断片が得られるような単鎖ヌクレオチドを設計して調製し、増幅用対合プライマーとして用いれば良い。尚、特異性が高い試料の場合は、増幅用対合プライマー2種で得られる増幅断片をアガロースゲル電気泳動により分析することで品種識別を行うことも可能となる。
以上に記載した方法により、米の品種に特徴的な塩基配列のDNAの存在を確認し、米の品種識別を簡便かつ迅速に行うことが可能となる。
以上に記載した方法により、米の品種に特徴的な塩基配列のDNAの存在を確認し、米の品種識別を簡便かつ迅速に行うことが可能となる。
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例1〔米由来DNAの調製〕
「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「日本晴」、「ヒノヒカリ」、「きらら397」、「ほしのゆめ」、「はえぬき」、及び「つがるロマン」の8品種の精米試料をレッチェ社製超遠心粉砕機を用いて粉砕し、得られた粉末0.4gからCTAB法によってゲノムDNAを抽出した。
「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「日本晴」、「ヒノヒカリ」、「きらら397」、「ほしのゆめ」、「はえぬき」、及び「つがるロマン」の8品種の精米試料をレッチェ社製超遠心粉砕機を用いて粉砕し、得られた粉末0.4gからCTAB法によってゲノムDNAを抽出した。
すなわち、65℃の2%CTAB溶液(0.1M トリス塩酸、2mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム、1.4M NaCl、pH8.0)0.6mL及び滅菌蒸留水0.2mLを加えて攪拌し、65℃の恒温槽に入れ、30分間DNAを抽出した。
その後、DNA抽出液にクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を0.8mL加えて攪拌した後、遠心分離して最上層を新しいチューブに移した。次いで、、65℃の0.7MNaCl含有10% CTAB溶液を1/10容量、CIA(クロロホルム/イソアミルアルコール(24/1、v/v))を0.8mL加えて攪拌した後、遠心分離して上層を新しいチューブに移した。DNA沈澱液(1%CTAB、20mMトリス塩酸、10mM EDTA、pH8.0)を3倍量加えて4℃で60分間放置してDNAを沈澱させた。その後、遠心分離して得られたDNA沈澱物を1M NaCl/TE(10mM Tris−HCl、1mM EDTA,pH8.0)によって溶解し、イソプロピルアルコール200μLを加え、転倒混和し、15,000rpm、4℃、20分間の遠心を行った。
上清を除去し、−20℃冷却70%エタノール50μLにより沈殿を洗浄した。15,000rpm、4℃、10分間の遠心を行い、上清を除去した後、沈澱を自然乾燥させた。得られた沈殿をTE緩衝液(10mM トリス塩酸、1mM EDTA、pH8.0)200μLに溶解し、10mg/mLのRNaseA(QIAGEN社製)を1μL加え、55℃で60分間放置した。
その後、DNA抽出液にクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を0.8mL加えて攪拌した後、遠心分離して最上層を新しいチューブに移した。次いで、、65℃の0.7MNaCl含有10% CTAB溶液を1/10容量、CIA(クロロホルム/イソアミルアルコール(24/1、v/v))を0.8mL加えて攪拌した後、遠心分離して上層を新しいチューブに移した。DNA沈澱液(1%CTAB、20mMトリス塩酸、10mM EDTA、pH8.0)を3倍量加えて4℃で60分間放置してDNAを沈澱させた。その後、遠心分離して得られたDNA沈澱物を1M NaCl/TE(10mM Tris−HCl、1mM EDTA,pH8.0)によって溶解し、イソプロピルアルコール200μLを加え、転倒混和し、15,000rpm、4℃、20分間の遠心を行った。
上清を除去し、−20℃冷却70%エタノール50μLにより沈殿を洗浄した。15,000rpm、4℃、10分間の遠心を行い、上清を除去した後、沈澱を自然乾燥させた。得られた沈殿をTE緩衝液(10mM トリス塩酸、1mM EDTA、pH8.0)200μLに溶解し、10mg/mLのRNaseA(QIAGEN社製)を1μL加え、55℃で60分間放置した。
次いで、200μLの中性フェノール200μLを加え転倒混和後、15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上層を新しいチューブに移した。得られた上層にPCI(中性フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25/24/1,v/v/v))を加え転倒混和後、15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上層を新しいチューブに移した。
得られた上層に対し、1/25容量の5M NaCl及び、2.5倍容量の−20℃冷却エタノールを加え、転倒混和後、氷中に30分間放置した。15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上清を除去した後、−20℃冷却70%エタノールを50μL加え、沈殿の洗浄をおこなった。15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上清を除去した後、エタノール臭がしなくなるまで沈殿を自然乾燥させた。
得られた沈殿を1/10TE(1mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、pH8.0)を30μLにて溶解し、該溶液の260nm、280nmにおける吸光度を測定した。
得られた上層に対し、1/25容量の5M NaCl及び、2.5倍容量の−20℃冷却エタノールを加え、転倒混和後、氷中に30分間放置した。15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上清を除去した後、−20℃冷却70%エタノールを50μL加え、沈殿の洗浄をおこなった。15,000rpm、4℃、15分間の遠心を行い、上清を除去した後、エタノール臭がしなくなるまで沈殿を自然乾燥させた。
得られた沈殿を1/10TE(1mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、pH8.0)を30μLにて溶解し、該溶液の260nm、280nmにおける吸光度を測定した。
実施例2〔プローブクローンの作製〕
実施例1で調製した、8種の米由来ゲノムDNA、及び、TOPORXL PCR Cloning Kit (Invitrogen社製)を用い、プローブクローン(すなわち、米由来のDNAにおける特定の塩基配列を含むDNA断片)を作成した。
クローニング用PCR増幅物を得るための1反応あたりPCR反応液組成は、表1に示す通りである。
実施例1で調製した、8種の米由来ゲノムDNA、及び、TOPORXL PCR Cloning Kit (Invitrogen社製)を用い、プローブクローン(すなわち、米由来のDNAにおける特定の塩基配列を含むDNA断片)を作成した。
クローニング用PCR増幅物を得るための1反応あたりPCR反応液組成は、表1に示す通りである。
PCR Primer溶液は、Forward側プライマーとReverse側プライマーを等モルずつ混合した後、DNA量で0.2μg/μLとなるよう調整した。尚、ElongaseTMpolymerase mixについては、該成分を除く49μLからなる溶液を96℃で30秒間加温してから添加した。
Thermal Cyclerは、Thermal Cycler MP(タカラバイオ社製)を用いた。反応は、まず96℃で2分間過熱後、96℃で15秒間、50℃で30秒間、60℃で4分間の温度サイクルを25サイクル繰り返すことにより行った。
各増幅物を得るために使用した増幅用対合プライマー(Forward側及びReverse側)と、米由来ゲノムDNAの由来品種とを、表2に示す。
Thermal Cyclerは、Thermal Cycler MP(タカラバイオ社製)を用いた。反応は、まず96℃で2分間過熱後、96℃で15秒間、50℃で30秒間、60℃で4分間の温度サイクルを25サイクル繰り返すことにより行った。
各増幅物を得るために使用した増幅用対合プライマー(Forward側及びReverse側)と、米由来ゲノムDNAの由来品種とを、表2に示す。
アガロースゲル電気泳動による増幅物の分離には、Mupid−2電気泳動装置(コスモバイオ社製)を用いた。電気泳動緩衝液として1/10TAEを使用し、アガロースゲルとして2% Ultra−pure Agarose(サワディーテクノロジー社製)を使用した。尚、アガロースゲルにはTOPORXL PCR Cloning Kit添付のCrystal violetを終濃度1μg/mLとなるように添加した。
アガロースゲル電気泳動は、PCR反応終了液12.5μLに対し、TOPORXL PCR Cloning Kit添付の6×Crystal Violet Labeling Buffer 2.5μLを添加し、計15μLを1ウェルあたり注入して、50V定電圧で行った。
目的とする増幅物の分離を確認後、該増幅物を含む領域を切り出し、EASYTRAPTM Ver.2(タカラバイオ社製)を用い、増幅物を回収した。
上記操作で得られた各増幅物をTOPORXL PCR Cloning Kit添付のマニュアルに従い、各種形質転換体を得た。
アガロースゲル電気泳動は、PCR反応終了液12.5μLに対し、TOPORXL PCR Cloning Kit添付の6×Crystal Violet Labeling Buffer 2.5μLを添加し、計15μLを1ウェルあたり注入して、50V定電圧で行った。
目的とする増幅物の分離を確認後、該増幅物を含む領域を切り出し、EASYTRAPTM Ver.2(タカラバイオ社製)を用い、増幅物を回収した。
上記操作で得られた各増幅物をTOPORXL PCR Cloning Kit添付のマニュアルに従い、各種形質転換体を得た。
実施例3〔増幅物の塩基配列の決定〕
実施例2にて得られた各種形質転換体Sをそれぞれ培養し、集菌後、Miniprep DNA purification Kit(タカラバイオ社)を用いてプラスミドDNAを精製した。
続いて、プラスミドDNAのインサートの塩基配列を決定するために、シーケンスを行った。シーケンス反応には、Big Dye シークエンス試薬キット(アプライド バイオシステムズ社)を用いた。シーケンス装置はABI377オートシーケンサー(アプライド バイオシステムズ社)を使用し、当該シークエンサーの取扱説明書に従い操作を行った。尚、シークエンスは、1増幅物あたり、1〜5個のクローンについて行った。
上記操作で得られた増幅物(M11、G22、B43、S13、F6、E30、WAK09、G4、A6、B1、G28、G49、M2CG、B7、A7、P3、P5、T16)のDNA配列を、それぞれ配列表の配列番号1〜配列番号18に示す。
実施例2にて得られた各種形質転換体Sをそれぞれ培養し、集菌後、Miniprep DNA purification Kit(タカラバイオ社)を用いてプラスミドDNAを精製した。
続いて、プラスミドDNAのインサートの塩基配列を決定するために、シーケンスを行った。シーケンス反応には、Big Dye シークエンス試薬キット(アプライド バイオシステムズ社)を用いた。シーケンス装置はABI377オートシーケンサー(アプライド バイオシステムズ社)を使用し、当該シークエンサーの取扱説明書に従い操作を行った。尚、シークエンスは、1増幅物あたり、1〜5個のクローンについて行った。
上記操作で得られた増幅物(M11、G22、B43、S13、F6、E30、WAK09、G4、A6、B1、G28、G49、M2CG、B7、A7、P3、P5、T16)のDNA配列を、それぞれ配列表の配列番号1〜配列番号18に示す。
実施例4〔固定化用DNA断片の作製〕
DNAチップに固定するための固定化用DNA断片(すなわち、増幅物の検出用プローブとしての単鎖ヌクレオチド)を得るために、実施例2で得られた増幅物(クローン)のうちM11、G22、B43、S13、F6、E30、G4、及びWKA09を、PCR反応により増幅させた。一方、ポジティブコントロールとして、アクチン(Actin:Act1)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、ユビキチン(Ubiquitin:Ubi2)の増幅も行なった。
尚、ポジティブコントロールの増幅に関しては、鋳型として、後述の実施例7にて調製した米ゲノムDNAを用いた。
DNAチップに固定するための固定化用DNA断片(すなわち、増幅物の検出用プローブとしての単鎖ヌクレオチド)を得るために、実施例2で得られた増幅物(クローン)のうちM11、G22、B43、S13、F6、E30、G4、及びWKA09を、PCR反応により増幅させた。一方、ポジティブコントロールとして、アクチン(Actin:Act1)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、ユビキチン(Ubiquitin:Ubi2)の増幅も行なった。
尚、ポジティブコントロールの増幅に関しては、鋳型として、後述の実施例7にて調製した米ゲノムDNAを用いた。
(増幅プライマーの設計)
まず、前記した実施例3において得られた増幅物の塩基配列を基に、DNAチップに固定化する固定化用DNA断片の増幅用プライマーの設計を行なった。
プライマーの設計には、無償配布プライマー設計ソフト、Primer3を用いた。各増幅物の塩基配列を基に設計した増幅プライマーの名称と、配列表の配列番号の対応関係を、下記の表3に示す。
尚、増幅プライマーの名称中、Fはフォワードプライマーを、Rはリバースプライマーを示す。すなわち、例えば、プライマー、M11−F1−PCRは、M11由来の固定化用DNA断片を増幅するためのフォワードプライマーを示し、M11−R1−PCRは、M11由来の固定化用DNA断片を増幅するためのリバースプライマーであることを示す。
まず、前記した実施例3において得られた増幅物の塩基配列を基に、DNAチップに固定化する固定化用DNA断片の増幅用プライマーの設計を行なった。
プライマーの設計には、無償配布プライマー設計ソフト、Primer3を用いた。各増幅物の塩基配列を基に設計した増幅プライマーの名称と、配列表の配列番号の対応関係を、下記の表3に示す。
尚、増幅プライマーの名称中、Fはフォワードプライマーを、Rはリバースプライマーを示す。すなわち、例えば、プライマー、M11−F1−PCRは、M11由来の固定化用DNA断片を増幅するためのフォワードプライマーを示し、M11−R1−PCRは、M11由来の固定化用DNA断片を増幅するためのリバースプライマーであることを示す。
(プライマーの合成と調製)
増幅用プライマーの合成は、96穴ウェルプレート合成対応のDNA合成機、Marmaid(BioAutomation Corporation)を用いて行なった。合成されたプライマーは、その後、一律100μLの滅菌水にて溶解させた。これを測定用96穴マイクロタイタープレート(グライナー社)に分注し、96穴マイクロタイタープレート吸光度測定用プレートリーダー(テカン社)を用いて、254nmにおける紫外吸光度を測定し、DNA濃度を定量した。この定量値を元に、各ウェルのプライマー濃度が20pmoL/μLになるように滅菌水を添加した。
増幅用プライマーの合成は、96穴ウェルプレート合成対応のDNA合成機、Marmaid(BioAutomation Corporation)を用いて行なった。合成されたプライマーは、その後、一律100μLの滅菌水にて溶解させた。これを測定用96穴マイクロタイタープレート(グライナー社)に分注し、96穴マイクロタイタープレート吸光度測定用プレートリーダー(テカン社)を用いて、254nmにおける紫外吸光度を測定し、DNA濃度を定量した。この定量値を元に、各ウェルのプライマー濃度が20pmoL/μLになるように滅菌水を添加した。
(PCR増幅)
次に、PCR反応液を調製した。増幅の条件検討の結果、以下に示す条件により増幅をおこなった。
次に、PCR反応液を調製した。増幅の条件検討の結果、以下に示す条件により増幅をおこなった。
(1)鋳型DNAが、実施例3で得られたプラスミドクローン(すなわち、米由来ゲノムDNA:M11、G22、B43、S13、F6、E30、G4、WKA09)の場合
(2)鋳型DNAがゲノム(すなわち、ポジティブコントロールとしてのゲノム:Act1、GAPDH、Ubi2)の場合
上記表4及び5記載の組成の調製済みPCR反応液を、サーマルサイクラー(Thermal Cycler SP:タカラバイオ社)にセットした。反応は、まず96℃で2分間過熱後、94℃で1分間、62℃で1分間、72℃で2分間の温度サイクルを35サイクル繰り返した後、4℃にて反応を停止させた。
収量を確保するため、各サンプルごとに、鋳型DNAがプラスミドの場合は13ウェル分のPCR反応を、鋳型DNAがゲノムの場合には10ウェル分のPCR反応を行った。
収量を確保するため、各サンプルごとに、鋳型DNAがプラスミドの場合は13ウェル分のPCR反応を、鋳型DNAがゲノムの場合には10ウェル分のPCR反応を行った。
(DNA断片の精製とアレイ用サンプルの調製)
上述のPCR反応物(100μL)の各ウェルに、イソプロパノール100μLと、3M 酢酸ナトリウム溶液10μLを加えて良く攪拌し、室温で1時間放置した。これを15,000rpm、25℃で10分間遠心し、遠心終了後、沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた。ここに、80%エタノールを100μLを加え、15,000rpm、4℃で2分間遠心した。再度沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた後、滅菌蒸留水を適量加え、沈殿物を十分に溶解した。
この後、同じサンプルを同一のウェルにまとめた。上記作業後、96穴ウェルプレート対応吸光度測定器(テカン社)を用いて、254nmにおける紫外吸光度を測定し、DNA濃度を定量化した。この定量値を元に、各ウェルのDNA濃度が0.36μg/μLになるように滅菌水を添加した。
上述のPCR反応物(100μL)の各ウェルに、イソプロパノール100μLと、3M 酢酸ナトリウム溶液10μLを加えて良く攪拌し、室温で1時間放置した。これを15,000rpm、25℃で10分間遠心し、遠心終了後、沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた。ここに、80%エタノールを100μLを加え、15,000rpm、4℃で2分間遠心した。再度沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた後、滅菌蒸留水を適量加え、沈殿物を十分に溶解した。
この後、同じサンプルを同一のウェルにまとめた。上記作業後、96穴ウェルプレート対応吸光度測定器(テカン社)を用いて、254nmにおける紫外吸光度を測定し、DNA濃度を定量化した。この定量値を元に、各ウェルのDNA濃度が0.36μg/μLになるように滅菌水を添加した。
濃度調整したDNAサンプルは、Thermowell 96−well thin−wall polycarbonate plate(コーニング社)に、各ウェル 20μLずつ分注し、そこにSolution T(タカラバイオ社)を、4μLずつ加え、良く攪拌した。こうして得られた固定化用DNA断片(DNAチップ用サンプル)のうち、米由来ゲノムDNAから得られたものは、配列表の配列番号21、24、27、30、33、36、及び39にそれぞれ示される塩基配列からなる単鎖ヌクレオチドであったので、それぞれをM11プローブ、G22プローブ、B43プローブ、S13プローブ、F6プローブ、E30プローブ、及びWKA09プローブとして、これらの固定化用DNA断片について、後述の実施例5におけるDNAチップの作製を行うまでの間、−20℃で保管した。
実施例5〔DNAチップの作製(アレイヤーによるスポッティング)〕
DNAチップを作製するために、前記した実施例4にて調製した固定化用DNA断片(DNAチップ用サンプル)のプレートを、Affymetrix417Arrayer(アフィメトリクス社)にセットした。
この時、装置のパラメーターを、Dot Space X:300um Y:300um、Replica:2、Pattern:Array、Slide Position X0:9mm Y0:10mm、X1:9mm Y0:11.6mm、X1:9mm Y0:13.2mmに設定した。
上記の作業終了後、DNAチップ用スライドガラス(TaKaR Slide Glass:タカラバイオ社)を、アレイヤーにセットし、実施例4で調製した固定化用DNA断片の内、M11プローブ、G22プローブ、B43プローブ、S13プローブ、F6プローブ、E30プローブ、G4プローブ、WKA09プローブ、Act1、GAPDH、Ubi2の各断片について、スポットを開始した。尚、ポジションマーカーとして、ラムダDNA(lamda)を、ネガティブコントロールとして、pUC19プラスミドDNA(pUC19)(いずれもタカラバイオ社製)をスポットした。尚、各固定化用DNA断片のスポットポジションは、後述の表11に示す通りである。
DNAチップを作製するために、前記した実施例4にて調製した固定化用DNA断片(DNAチップ用サンプル)のプレートを、Affymetrix417Arrayer(アフィメトリクス社)にセットした。
この時、装置のパラメーターを、Dot Space X:300um Y:300um、Replica:2、Pattern:Array、Slide Position X0:9mm Y0:10mm、X1:9mm Y0:11.6mm、X1:9mm Y0:13.2mmに設定した。
上記の作業終了後、DNAチップ用スライドガラス(TaKaR Slide Glass:タカラバイオ社)を、アレイヤーにセットし、実施例4で調製した固定化用DNA断片の内、M11プローブ、G22プローブ、B43プローブ、S13プローブ、F6プローブ、E30プローブ、G4プローブ、WKA09プローブ、Act1、GAPDH、Ubi2の各断片について、スポットを開始した。尚、ポジションマーカーとして、ラムダDNA(lamda)を、ネガティブコントロールとして、pUC19プラスミドDNA(pUC19)(いずれもタカラバイオ社製)をスポットした。尚、各固定化用DNA断片のスポットポジションは、後述の表11に示す通りである。
(固定化処理)
アレイヤーでのスポット終了後、スライドガラスを恒温恒湿機(温度37℃、湿度90%)に入れ、1時間保温した。その後、UVクロスリンカー(フナコシ社 Funa−UV Crosslinker XL−1000)で、60mJoule/cm2の紫外線を照射し、スライドガラス上にDNA断片を共有結合させた。
上記操作後、0.2%SDS中で室温、2分間、続いて滅菌超純水で室温、2分間、2回洗浄した。次に、無水コハク酸溶液中(無水コハク酸5.5gを1−Methyl−2−pyrrolidinone 325mLに溶解し、1M ホウ酸ナトリウムを25mL加えて良く撹拌して調製したもの)で室温、20分間洗浄した後、滅菌超純水中で室温、2分間、2回洗浄した。更に、沸騰超純水中で2分間洗浄後、4℃の100%エタノール中に1分間浸して急冷した。
チップを冷却後、圧縮窒素ガスを勢い良く吹き付けることにより、水分を飛ばして乾燥させDNAチップを完成させた。尚、作製したDNAチップは使用するまで遮光下、デシケーター中で保存した。
アレイヤーでのスポット終了後、スライドガラスを恒温恒湿機(温度37℃、湿度90%)に入れ、1時間保温した。その後、UVクロスリンカー(フナコシ社 Funa−UV Crosslinker XL−1000)で、60mJoule/cm2の紫外線を照射し、スライドガラス上にDNA断片を共有結合させた。
上記操作後、0.2%SDS中で室温、2分間、続いて滅菌超純水で室温、2分間、2回洗浄した。次に、無水コハク酸溶液中(無水コハク酸5.5gを1−Methyl−2−pyrrolidinone 325mLに溶解し、1M ホウ酸ナトリウムを25mL加えて良く撹拌して調製したもの)で室温、20分間洗浄した後、滅菌超純水中で室温、2分間、2回洗浄した。更に、沸騰超純水中で2分間洗浄後、4℃の100%エタノール中に1分間浸して急冷した。
チップを冷却後、圧縮窒素ガスを勢い良く吹き付けることにより、水分を飛ばして乾燥させDNAチップを完成させた。尚、作製したDNAチップは使用するまで遮光下、デシケーター中で保存した。
実施例6〔判別用プライマーの作製〕
実施例5で作製したDNAチップを用いた品種判別を実施するため、検体のDNAを特異的に増幅するプライマー(以下、判別用プライマーという。)を設計した。判別用プライマーは、バックグラウンド軽減のために、DNAチップに固定したDNA断片の外側に位置するようにデザインした。
本実施例においては、実施例2においてプローブクローン作成のための増幅反応に使用されたプライマーを判別用プライマーとして使用した。検出対象であるDNA断片の名称と、これに対応する2つの判別用プライマーの名称と、配列表の配列番号との対応関係を表6に示す。尚、判別用プライマーには、検出のためフォワード、リバースどちらかのプライマーにCy5標識が導入されているため、Cy5標識したプライマーはプライマー名を(プライマー名)−Cy5と表記してある。
実施例5で作製したDNAチップを用いた品種判別を実施するため、検体のDNAを特異的に増幅するプライマー(以下、判別用プライマーという。)を設計した。判別用プライマーは、バックグラウンド軽減のために、DNAチップに固定したDNA断片の外側に位置するようにデザインした。
本実施例においては、実施例2においてプローブクローン作成のための増幅反応に使用されたプライマーを判別用プライマーとして使用した。検出対象であるDNA断片の名称と、これに対応する2つの判別用プライマーの名称と、配列表の配列番号との対応関係を表6に示す。尚、判別用プライマーには、検出のためフォワード、リバースどちらかのプライマーにCy5標識が導入されているため、Cy5標識したプライマーはプライマー名を(プライマー名)−Cy5と表記してある。
判別用プライマーの合成は、96穴ウェルプレート合成対応のDNA合成機、Marmaid(BioAutomation Corporation社)を用いて行なった。プライマー合成後、一律100μLの滅菌水にて溶解した。これを測定用96穴マイクロタイタープレート(グライナー社)に分注し、96穴マイクロタイタープレート吸光度測定用プレートリーダー(テカン社)を用いて、254nmにおける紫外吸光度を測定し、DNA濃度を定量した。この定量値を元に、各ウェルのプライマー濃度が20pmoL/μLになるように滅菌水を添加した。
実施例7〔マルチプレックスPCR法によるサンプルDNAの増幅〕
まず、マルチプレックスPCRの実施のために、実施例6で設計・合成した判別用プライマーを表7〜10に示す容量で混合し、4種のプライマーミックスを作製した。
まず、マルチプレックスPCRの実施のために、実施例6で設計・合成した判別用プライマーを表7〜10に示す容量で混合し、4種のプライマーミックスを作製した。
次に、下記方法により、検出対象であるゲノムDNAを、「コシヒカリ」、「ヒノヒカリ」、及び「あきたこまち」よりそれぞれ調製した。
すなわち、まず、精米粉約1gを14mL容量の丸底チューブに量り採り、該米粉を65℃で10分間保温後、65℃に温めたAP1(QIAGEN社製)4mLを添加し、Vortexにて混和した。
次いで、100mg/mLのRNaseA溶液(QIAGEN社製)40μLを添加しVortexにて混和後、10分毎に2〜3回転倒混和しながら65℃で30分間放置した。その後、20mg/mLのProteinaseK(タカラバイオ社製)を100μL添加し、20分毎に2〜3回転倒混和しながら60℃で60分間放置した。
すなわち、まず、精米粉約1gを14mL容量の丸底チューブに量り採り、該米粉を65℃で10分間保温後、65℃に温めたAP1(QIAGEN社製)4mLを添加し、Vortexにて混和した。
次いで、100mg/mLのRNaseA溶液(QIAGEN社製)40μLを添加しVortexにて混和後、10分毎に2〜3回転倒混和しながら65℃で30分間放置した。その後、20mg/mLのProteinaseK(タカラバイオ社製)を100μL添加し、20分毎に2〜3回転倒混和しながら60℃で60分間放置した。
該液に1450μLのAP2(QIAGEN社製)を添加し、Vortexにて混和後、氷中で十分に液が冷却されるまで放置した。続いて、ローター11150(QIAGEN社製)で4000rpm、5分間遠心後、上清をMaxi QIA Shredder(QIAGEN社製)に添加した。ローターTS−7(TOMY社製)で3000rpm、3分間遠心することにより濾液を得た。該濾液を更に、ローターTA−23(TOMY社製)で4900G、5分間遠心し、得られた上清を新しい50mL遠沈菅に移した。
該上清に1.5倍量のAP3/EtOH(QIAGEN社製)を添加、転倒混和後、Maxi QIA Column(QIAGEN社製)に添加した。ローターTS−7で3000rpm、1分間遠心後、更にローターTA−23で4900G、5分間遠心した。
該上清に1.5倍量のAP3/EtOH(QIAGEN社製)を添加、転倒混和後、Maxi QIA Column(QIAGEN社製)に添加した。ローターTS−7で3000rpm、1分間遠心後、更にローターTA−23で4900G、5分間遠心した。
次いで、Maxi QIA Columnに12mLのAW(QIAGEN社製)を添加し、ローターTS−7で3000rpm、3分間遠心後、更にローターTA−23で4900G、7分間遠心した。Maxi QIA Columnを新しいチューブに移した後、70℃に温めた10mM Tris−HCl(pH8.0)750μLを添加し、室温で5分間放置した。ローターTA−23で4900G、5分間遠心後、再度70℃に温めた10mM Tris−HCl(pH8.0)750μLをMaxi QIA Columnに添加した。室温で5分間放置後、ローターTA−23で4900G、5分間遠心し、溶出液を回収した。
得られた溶出液に100mg/mLのRNaseA溶液1μLを添加し、混和後、65℃にて10分間放置した。室温冷却後、0.2M NaCl含有10mM Tris−HCl(pH8.0)緩衝液にて100mg/mLとなるように溶解したα−Amylase(SIGMA社製)溶液を50μL添加し、37℃で60分間放置した。
得られた溶出液に100mg/mLのRNaseA溶液1μLを添加し、混和後、65℃にて10分間放置した。室温冷却後、0.2M NaCl含有10mM Tris−HCl(pH8.0)緩衝液にて100mg/mLとなるように溶解したα−Amylase(SIGMA社製)溶液を50μL添加し、37℃で60分間放置した。
前記処理液を750μLずつ2mLの鍵付チューブに2本に移した後、各チューブに750μLのTE飽和フェノールを添加した。15rpmで15分間転倒混和した後、ローターTMA−24(TOMY社製)で12,000rpm、5分間の遠心を行った。中間層を吸わないように得られた上層を新しい2mLチューブに移した後、PCI750μLを添加し、15rpm、5分間転倒混和した。ローターTMA−24で12,000rpm、5分間の遠心を行った後、得られた上層を新しい2mLチューブに移した。
続いて、CIA750μLを添加後、15rpm、5分間転倒混和した。ローターTMA−24で12,000rpm、5分間の遠心を行った後、得られた上層を新しい2mLチューブに移し、再度、750μLのCIA処理を行った。
続いて、CIA750μLを添加後、15rpm、5分間転倒混和した。ローターTMA−24で12,000rpm、5分間の遠心を行った後、得られた上層を新しい2mLチューブに移し、再度、750μLのCIA処理を行った。
得られた上層を1まとめにして50mLの遠沈菅に移し、上層に対し1/10容量の5M NaCl、2.5倍容量の−20℃冷却エタノールを添加、充分に混和後、−20℃にて1時間以上、放置した。ローターTA−23で4900G、10分間遠心後、上清を除去し、次いで、冷却エタノールと等量の−20℃冷却70%エタノールを添加した。軽く混和後、ローターTA−23で4900G、10分間遠心し、上清を除去した。エタノール臭がなくなるまで室温にて放置後、150μLの1/10TE(1mM Tris−HCl、0.1mM EDTA(pH8.0))にて沈殿を溶解した。本溶解液について260nm、280nm、320nmの紫外吸光度を測定し、該吸光度値を基に10ng/μLとなるように各溶解液を稀釈した。
こうして調製された検出対象であるゲノムDNAについて、上記した各プライマーミックスを用いたマルチプレックスPCRを、以下の条件及び手順により行った。
すなわち、各ゲノムDNA(10ng/μL)1μLに、10xExTaq Buffer(タカラバイオ社)10μL、dNTP Mixture(各2.5mM)8μL、ExTaq(5U/μL)0.5μLを加えた後、(i)すべてのプライマーによるマルチプレックスPCRの場合 All Primer Mix(表7参照)を2μL加え、(ii)Posi Kit PrimerによるマルチプレックスPCRの場合、Posi Kit Primer Mix(表8参照)を6.5μLとControl Primer mix(表10参照)を4μL加え、(iii)Nega Kit Primerによるマルチプレックス PCRの場合、Nega Kit Primer Mix(表9参照)を11.9μLとControl Primer mix(表10参照)を4μL加え、最終的に全体の液量が100μLになるように滅菌蒸留水で調整した。
調製した反応溶液は、サーマルサイクラー(Thermal Cycler SP:タカラバイオ社)にセットし、まず96℃で2分間過熱後、94℃で1分間、62℃で1分間、72℃で2分間の温度サイクルを35サイクル繰り返した後、4℃にて反応を停止させた。
すなわち、各ゲノムDNA(10ng/μL)1μLに、10xExTaq Buffer(タカラバイオ社)10μL、dNTP Mixture(各2.5mM)8μL、ExTaq(5U/μL)0.5μLを加えた後、(i)すべてのプライマーによるマルチプレックスPCRの場合 All Primer Mix(表7参照)を2μL加え、(ii)Posi Kit PrimerによるマルチプレックスPCRの場合、Posi Kit Primer Mix(表8参照)を6.5μLとControl Primer mix(表10参照)を4μL加え、(iii)Nega Kit Primerによるマルチプレックス PCRの場合、Nega Kit Primer Mix(表9参照)を11.9μLとControl Primer mix(表10参照)を4μL加え、最終的に全体の液量が100μLになるように滅菌蒸留水で調整した。
調製した反応溶液は、サーマルサイクラー(Thermal Cycler SP:タカラバイオ社)にセットし、まず96℃で2分間過熱後、94℃で1分間、62℃で1分間、72℃で2分間の温度サイクルを35サイクル繰り返した後、4℃にて反応を停止させた。
上述のマルチプレックスPCR反応後、反応の成否を確認するために、アガロース電気泳動にて確認した。
アガロース電気泳動の方法は以下に示す通りである。まず、マルチプレックスPCR反応後の反応液から5μLを抜き取り、ここに5xLoading Buffer(滅菌蒸留水245g、BPB0.1g、SDS5g、グリセロール250gを良く混合して作製したもの)を1μLを加え、電気泳動用サンプルを調製した。
次に、この調製サンプルを、緩衝液として1xTAE(0.05M EDTAを含む0.04M Tris酢酸緩衝液(pH8.0)を用いた3%アガロース(タカラバイオ社)ゲルに注入し、1xTAE緩衝液中にて、3V/cmにてBPBが約5cm移動するまで電気泳動をおこなった。
泳動後、ゲルを取り出し、エチジウムブロマイド液(1μg/mL)に室温で10分間浸漬した。染色終了後ゲルを取り出し、紫外線照射下でゲルを観察し、目的とする増幅物と同等の長さのバンドが検出されることを確認した。
こうして得られた増幅物を、下記の実施例8に示すようにDNAチップを用いた品種判別に供した。
アガロース電気泳動の方法は以下に示す通りである。まず、マルチプレックスPCR反応後の反応液から5μLを抜き取り、ここに5xLoading Buffer(滅菌蒸留水245g、BPB0.1g、SDS5g、グリセロール250gを良く混合して作製したもの)を1μLを加え、電気泳動用サンプルを調製した。
次に、この調製サンプルを、緩衝液として1xTAE(0.05M EDTAを含む0.04M Tris酢酸緩衝液(pH8.0)を用いた3%アガロース(タカラバイオ社)ゲルに注入し、1xTAE緩衝液中にて、3V/cmにてBPBが約5cm移動するまで電気泳動をおこなった。
泳動後、ゲルを取り出し、エチジウムブロマイド液(1μg/mL)に室温で10分間浸漬した。染色終了後ゲルを取り出し、紫外線照射下でゲルを観察し、目的とする増幅物と同等の長さのバンドが検出されることを確認した。
こうして得られた増幅物を、下記の実施例8に示すようにDNAチップを用いた品種判別に供した。
実施例8〔DNAチップによる品種判別〕
(ターゲットDNAの調製)
前記した実施例7において判別用プライマーを用いて調製した増幅物について、以下の操作を行い精製した後、前記した実施例5において作製したDNAチップ用のターゲットDNAとして調製した。
まず、Centri sepカラム(ミリポア社)の上蓋をはずし、800μLの100mM NaClを加えて再度ふたをし、軽く攪拌した後、室温にて30分間樹脂の膨潤を行なった。ここで、膨潤したカラム中の気泡をぬいた後、カラムの上下蓋をはずし、2mLマイクロチューブにセットして、750xgにて2分間遠心した。この操作ののち、カラムを新しい1.5mLマイクロチューブにセットしなおし、実施例7で調製した増幅物の反応液(各100μL)をカラムの中央部に1滴ずつ全量滴下し、750xgにて2分間遠心してDNAをマイクロチューブ回収した。
(ターゲットDNAの調製)
前記した実施例7において判別用プライマーを用いて調製した増幅物について、以下の操作を行い精製した後、前記した実施例5において作製したDNAチップ用のターゲットDNAとして調製した。
まず、Centri sepカラム(ミリポア社)の上蓋をはずし、800μLの100mM NaClを加えて再度ふたをし、軽く攪拌した後、室温にて30分間樹脂の膨潤を行なった。ここで、膨潤したカラム中の気泡をぬいた後、カラムの上下蓋をはずし、2mLマイクロチューブにセットして、750xgにて2分間遠心した。この操作ののち、カラムを新しい1.5mLマイクロチューブにセットしなおし、実施例7で調製した増幅物の反応液(各100μL)をカラムの中央部に1滴ずつ全量滴下し、750xgにて2分間遠心してDNAをマイクロチューブ回収した。
次に、回収したサンプル(100μL)に、クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)100μLを加え、10秒間攪拌後、15,000rpm、4℃で10分間遠心し、上清を回収した。
回収した上清に、3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)10μLと冷100%エタノール300μLを加え、室温で20分間放置した後、15,000rpm、4℃で10分間遠心を行った。沈殿を確認後、注意深く上清を取り除き、冷却70%エタノール300μLを加え、15,000rpm、4℃で2分間遠心した。再度沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた後、滅菌蒸留水3μLを加え、十分に溶解した。
回収した上清に、3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)10μLと冷100%エタノール300μLを加え、室温で20分間放置した後、15,000rpm、4℃で10分間遠心を行った。沈殿を確認後、注意深く上清を取り除き、冷却70%エタノール300μLを加え、15,000rpm、4℃で2分間遠心した。再度沈殿を確認し、注意深く上清を取り除いた後、滅菌蒸留水3μLを加え、十分に溶解した。
上記サンプル0.5μLに、Cy5−lambdaA(λControl Template&Primer Set‐A :タカラバイオ社) を用いて、PCR増幅した産物を、LabelIT Cy5 labeling Kit (タカラバイオ社)にて、Cy5標識しておいたもの)を濃度50ng/μLに調整して1μL加え、そこに滅菌蒸留水3μLを添加し、合計4.5μLに調整した。
ここに、D1 Solution(LabelIT Cy5 labeling Kit:タカラバイオ社)を0.45μL加え、室温で5分放置した後、N1 Solution(タカラバイオ社)を0.45μL加え、室温で5分間放置した。最後にNH Buffer(6xSSC,0.2%SDS,5xDenhardt’s溶液,0.1mg/mL denatured salmon sperm DNA;0.22μmフィルターろ過済み)を5.4μL加えて、良く攪拌し、ターゲットDNA標品溶液を調製した。
ここに、D1 Solution(LabelIT Cy5 labeling Kit:タカラバイオ社)を0.45μL加え、室温で5分放置した後、N1 Solution(タカラバイオ社)を0.45μL加え、室温で5分間放置した。最後にNH Buffer(6xSSC,0.2%SDS,5xDenhardt’s溶液,0.1mg/mL denatured salmon sperm DNA;0.22μmフィルターろ過済み)を5.4μL加えて、良く攪拌し、ターゲットDNA標品溶液を調製した。
(DNAチップへのハイブリダイゼーション)
まず、調製したターゲットDNA標品溶液を、95℃で2分間加熱し変性させた後、室温に放置して冷却後、15,000rpm、25℃で10分間遠心し、不溶物を除去した。
次に、ハイブリダイゼーションカセット(TaKaRa Hybridization Chamber:タカラバイオ社)の蓋を開け、使用するスライドセッティングエリアのくぼみに、必要量の2xSSCを入れた後、DNAチップのDNAがスポットされている面を上にして、スライドセッティングエリアに置き、その上にカバーガラス(TaKaRa Spaced Cover Glass S:タカラバイオ社)を注意深くセットした。
まず、調製したターゲットDNA標品溶液を、95℃で2分間加熱し変性させた後、室温に放置して冷却後、15,000rpm、25℃で10分間遠心し、不溶物を除去した。
次に、ハイブリダイゼーションカセット(TaKaRa Hybridization Chamber:タカラバイオ社)の蓋を開け、使用するスライドセッティングエリアのくぼみに、必要量の2xSSCを入れた後、DNAチップのDNAがスポットされている面を上にして、スライドセッティングエリアに置き、その上にカバーガラス(TaKaRa Spaced Cover Glass S:タカラバイオ社)を注意深くセットした。
ここで、先ほど準備したターゲットDNA標品溶液10μLを、マイクロピペットを用いてカバーガラスとDNAチップとの隙間に展開した後、カセットの蓋を閉じ、ネジを締めたのち、65℃の恒温水槽にて12〜16時間保温し、ハイブリダイゼーションを行った。
上述のハイブリダイゼーション終了後、DNAチップを55℃の2xSSC/0.2%SDSにて5分間の洗浄を3回繰り返した。洗浄操作終了後、室温の0.05xSSCでリンスし、圧縮窒素ガスを勢い良く吹き付けることにより、水分を飛ばしてDNAチップを乾燥させた。
上述のハイブリダイゼーション終了後、DNAチップを55℃の2xSSC/0.2%SDSにて5分間の洗浄を3回繰り返した。洗浄操作終了後、室温の0.05xSSCでリンスし、圧縮窒素ガスを勢い良く吹き付けることにより、水分を飛ばしてDNAチップを乾燥させた。
(スキャナーによる検出)
検出は、418アレイスキャナー(アフィメトリクス社)にて行なった。
洗浄、乾燥後のDNAチップの上側を手前にし、アレイ面を上にして、スキャナーのステージにセットし、レーザー出力及びPMTゲインを設定した後、読み取り範囲パラメーターを入力し、スキャニングを行なった。
スキャン後、データをTif形式で保存し、画像解析に供した。解析にはDNAチップ解析用ソフトウェア、ImaGene(バイオディスカバリー社)を用いた。
検出は、418アレイスキャナー(アフィメトリクス社)にて行なった。
洗浄、乾燥後のDNAチップの上側を手前にし、アレイ面を上にして、スキャナーのステージにセットし、レーザー出力及びPMTゲインを設定した後、読み取り範囲パラメーターを入力し、スキャニングを行なった。
スキャン後、データをTif形式で保存し、画像解析に供した。解析にはDNAチップ解析用ソフトウェア、ImaGene(バイオディスカバリー社)を用いた。
(結果)
前記実施例7において調製したサンプルDNAのうち、「コシヒカリ」より調製したゲノムDNAを鋳型として用いてPosi Kit PrimerによるマルチプレックスPCRを行なって得られる増幅物をハイブリダイズさせた後のDNAチップの表面を、図1に示すと共に、図1に示したチップ上の各スポットに固定化されているDNA断片の名称を表11に示す。尚、図1においては、各固定化用断片について、縦方向に3つずつスポット(3連スポット)されている
前記実施例7において調製したサンプルDNAのうち、「コシヒカリ」より調製したゲノムDNAを鋳型として用いてPosi Kit PrimerによるマルチプレックスPCRを行なって得られる増幅物をハイブリダイズさせた後のDNAチップの表面を、図1に示すと共に、図1に示したチップ上の各スポットに固定化されているDNA断片の名称を表11に示す。尚、図1においては、各固定化用断片について、縦方向に3つずつスポット(3連スポット)されている
図1ではやや不明瞭であるが、ポジションマーカーとして使用したラムダDNAのスポットは、いずれのチップにおいても明瞭なシグナルを示し、ポジションマーカーとして有効であることが示された。
一方、ポジティブコントロールとして使用したアクチン、GAPDH、ユビキチンのうち、アクチン、GAPDHのシグナルは非常に弱く、ポジティブコントロールとしては不適切であった。一方、ユビキチンのスポットは有効なシグナルを示し、ポジティブコントロールとして有効であった。
また、ネガティブコントロールとして使用したpUC19のシグナルは、ポジティブコントロールとして使用したユビキチンのシグナルに比べ十分弱かったことから、pUC19がネガティブコントロールとして有効であることが示された。
以上の結果より、本実施例においては、ハイブリダイゼーションの成否をラムダDNAのシグナルの有無で判定し、PCR反応の成否をユビキチンのシグナルの有無で判断し、シグナルの有効性をpUC19のシグナルとの比較で判断する、という検定方法がもっとも有効であることが示された。
一方、ポジティブコントロールとして使用したアクチン、GAPDH、ユビキチンのうち、アクチン、GAPDHのシグナルは非常に弱く、ポジティブコントロールとしては不適切であった。一方、ユビキチンのスポットは有効なシグナルを示し、ポジティブコントロールとして有効であった。
また、ネガティブコントロールとして使用したpUC19のシグナルは、ポジティブコントロールとして使用したユビキチンのシグナルに比べ十分弱かったことから、pUC19がネガティブコントロールとして有効であることが示された。
以上の結果より、本実施例においては、ハイブリダイゼーションの成否をラムダDNAのシグナルの有無で判定し、PCR反応の成否をユビキチンのシグナルの有無で判断し、シグナルの有効性をpUC19のシグナルとの比較で判断する、という検定方法がもっとも有効であることが示された。
また、「コシヒカリ」より調製したゲノムDNAを検体とした場合の画像データをImaGeneにより解析し、各スポットのシグナル強度を数値化した結果を表12及び13に示す。
尚、表12及び13中の数値は、3連のスポットにおけるシグナル強度の平均値を示している。
尚、表12及び13中の数値は、3連のスポットにおけるシグナル強度の平均値を示している。
表13に示すように、各スポットシグナルとpUC19のシグナルの差分をとることにより、データの評価を明確に行うことができた。すなわち、M11、G22、B43、及びWKA09の4種を増幅ターゲットとしたPosi Kit PrimerによるマルチプレックスPCRにおいては、「コシヒカリ」のゲノムDNAを鋳型にしたB43、M11、G22が陽性で、WKA09が陰性である、ということが表13より一目瞭然となった。
このことから、本発明によれば、従来のPCRとアガロース電気泳動との組み合わせに比べ、精度の高い識別が可能であることが示された。
このことから、本発明によれば、従来のPCRとアガロース電気泳動との組み合わせに比べ、精度の高い識別が可能であることが示された。
実施例9〔50種類の米品種の判別〕
前記した実施例4で作製したM11、G22、B43、S13、F6、E30、及びWKA09に対応する7種類の固定化用DNA断片に加え、実施例4と同様の方法により作製したM2CG、B1、P3、G28、B7、T16、及びA6に対応する7種類の固定化用断片を合わせた14種類の固定化用DNA断片(表14参照)を、前述の実施例5に示した方法によりスライドガラスに固定化してDNAチップを作製した。
前記した実施例4で作製したM11、G22、B43、S13、F6、E30、及びWKA09に対応する7種類の固定化用DNA断片に加え、実施例4と同様の方法により作製したM2CG、B1、P3、G28、B7、T16、及びA6に対応する7種類の固定化用断片を合わせた14種類の固定化用DNA断片(表14参照)を、前述の実施例5に示した方法によりスライドガラスに固定化してDNAチップを作製した。
一方、前記した実施例6と同様に、M11、G22、B43、S13、F6、E30、及びWKA09に対応する判別用プライマーを作製し、これらの判別用プライマーについて、前述の実施例7に示した方法により4種のマルチプレックスプライマーミックスを調製した。
さらに、前記した表2に示すM2CG、B1、P3、G28、B7、T16、及びA6に対応する7種類の増幅用対合プライマーについても、前述の実施例7に示した方法により4種のマルチプレックスプライマーミックスを調製した。
さらに、前記した表2に示すM2CG、B1、P3、G28、B7、T16、及びA6に対応する7種類の増幅用対合プライマーについても、前述の実施例7に示した方法により4種のマルチプレックスプライマーミックスを調製した。
前記した実施例7と同様の方法により、検出対象であるゲノムDNAを、「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」、「ヒノヒカリ」等、表13に示す50種類の主要な品種の精米よりそれぞれ調製した。こうして調製された検出対象であるゲノムDNAについて、前述の実施例7に示した方法により、上記の各プライマーミックスを用いたマルチプレックスPCRを行った。
前記した実施例8と同様の方法により、PCRによる増幅物を精製してターゲットDNAとし、上記のDNAチップにハイブリダイズさせて洗浄し乾燥した後、スキャナーによってスポットシグナルの検出を行った。スポットシグナル値とネガティブコントロールのシグナル値との差が30000以上のものを陽性(+)と判定した。
結果を表14に示す。
前記した実施例8と同様の方法により、PCRによる増幅物を精製してターゲットDNAとし、上記のDNAチップにハイブリダイズさせて洗浄し乾燥した後、スキャナーによってスポットシグナルの検出を行った。スポットシグナル値とネガティブコントロールのシグナル値との差が30000以上のものを陽性(+)と判定した。
結果を表14に示す。
表14に示すように、それぞれの品種についてスポットシグナルの有無は多種多様であったことから、本発明により、国内の主要な50品種の米を、簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別することが可能であることが示された。
本発明によれば、米の品種を、検体数に関わらず簡単な操作で、迅速に、且つ正確に識別することができる。
従って、本発明を利用すれば、近縁系統が多い国内主要品種はもちろん、国内外に関わらず全ての種類の米品種の識別が可能である。
従って、本発明を利用すれば、近縁系統が多い国内主要品種はもちろん、国内外に関わらず全ての種類の米品種の識別が可能である。
Claims (12)
- 米の品種を識別する方法であって、米由来のDNAにおける特定の塩基配列の存在を、該配列もしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群を使用し検出することを特徴とする米の品種識別方法。
- 特定の塩基配列が、配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列若しくはその一部からなる塩基配列より選択されるものである請求項1記載の方法。
- 単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち2つを、核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして使用することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 核酸増幅法の増幅用対合プライマーとして用いられる単鎖ヌクレオチドが、配列表の配列番号19と配列番号20にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号22と配列番号23にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号25と配列番号26にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号28と配列番号29にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号31と配列番号32にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号34と配列番号35にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号37と配列番号38にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号40と配列番号41にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号42と配列番号43にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号44と配列番号45にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号46と配列番号47にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号48と配列番号49にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号50と配列番号51にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号52と配列番号53にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号54と配列番号55にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号56と配列番号57にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、配列番号58と配列番号59にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチド、及び、配列番号60と配列番号61にそれぞれ記載される塩基配列からなる2本の単鎖ヌクレオチドからなる群から選択される、少なくとも1つの組み合わせである請求項3記載の方法。
- 単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つを、核酸増幅法による増幅物の検出用プローブとして用いることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 増幅物の検出用プローブとして用いられる単鎖ヌクレオチドが、米由来のDNAにおける特定の塩基配列もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能なものである請求項4又は5記載の方法。
- 単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが適当な担体上に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 単鎖ヌクレオチド群を構成する単鎖ヌクレオチドのうち1つが、蛍光物質で修飾されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群から選択される、少なくとも1つの単鎖ヌクレオチド群を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 配列表の配列番号1〜18に示される塩基配列もしくはその一部からなる塩基配列を有するDNA断片を特異的に検出するためのヌクレオチド群であって、配列番号1〜18に示される塩基配列のいずれかもしくはその相補鎖のうちの連続する8塩基以上の配列を有する少なくとも3つの単鎖ヌクレオチドを含むことを特徴とする単鎖ヌクレオチド群。
- 配列表の配列番号19〜21にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号22〜24にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号25〜27にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号28〜30にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号31〜33にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、配列番号34〜36にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群、及び、配列番号37〜39にそれぞれ記載される塩基配列からなる3つの単鎖ヌクレオチドからなる単鎖ヌクレオチド群から選択される請求項10記載の単鎖ヌクレオチド群。
- 配列表の配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、及び配列番号39にそれぞれ示される塩基配列からなる単鎖ヌクレオチドのうちから選ばれる少なくとも1つを増幅物の検出用プローブとして、適当な担体に固定させてなる米の品種識別用DNAチップ。
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JP2007061027A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | National Agriculture & Food Research Organization | いもち病抵抗性の稲品種をdna判別法によって識別するためのプライマーおよび該プライマーを複数組み合わせたプライマーセット |
JP2008259469A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Japan Tobacco Inc | 米品種判別用プライマー及びそれを用いた米品種判別方法 |
JP2009045063A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-03-05 | National Agriculture & Food Research Organization | 米の品種識別方法 |
-
2004
- 2004-03-02 JP JP2004057537A patent/JP2005245244A/ja active Pending
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JP4756334B2 (ja) * | 2005-09-01 | 2011-08-24 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | いもち病抵抗性の稲品種をdna判別法によって識別するためのプライマーおよび該プライマーを複数組み合わせたプライマーセット |
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