JP2007059383A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、露光装置および画像形成装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、露光装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層、陽極、ガラス基板の内部に閉じ込められた迷光が画素規制部の端部にて角度変換を受け外部に出射され、実質的な発光領域が本来の発光領域よりも拡大してしまう。このような有機エレクトロルミネッセンス素子を露光装置に用いた場合、解像度の実質的な低下を引き起こす。
【解決手段】正孔を注入する陽極3と、発光層6と、電子を注入する陰極7と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層6の発光領域LAを規制する画素規制部8とを有し、この画素規制部8の少なくとも発光領域LAを規制する側の端部P0の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子、この素子を列状に配置して露光光源として用いた露光装置およびこの露光装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
エレクトロルミネッセンス素子とは固体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであり、現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクトロルミネッセンス素子が実用化され、液晶ディスプレイのバックライトやフラットディスプレイ等への応用展開が一部で図られている。しかし無機エレクトロルミネッセンス素子は発光させるために必要な電圧が100V以上と高くしかも青色発光が難しいため、RGBの三原色によるフルカラー化が困難である。また無機エレクトロルミネッセンス素子は発光体として用いる材料の屈折率が非常に大きいため、界面での全反射等の影響を強く受け、実際の発光に対する空気中への光の取り出し効率が10〜20%程度と低く高効率化が困難である。
一方、有機材料を用いたエレクトロルミネッセンス素子に関する研究も古くから注目され様々な検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから本格的な実用化研究へは進展しなかった。
しかし1987年にコダック社のC.W.Tang氏らにより、発光層を構成する有機材料を正孔輸送層と発光層の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され、10V以下の低電圧にもかかわらず1000cd/m2以上の高い発光輝度が得られることが明らかとなった(非特許文献1参照)。これ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が俄然注目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子についての研究が盛んに行われており、特に有機エレクトロルミネッセンス素子の実用化のためには不可欠である高効率化・長寿命化についても十分検討がなされており、近年有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイ等が実現されるようになった。
図12は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す断面図である。
以降、従来の一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子の構造について図12を用いて説明する。
図12に示すように有機エレクトロルミネッセンス素子11は、例えばガラス基板12上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成された100ナノメートル〜500ナノメートルのITO等の透明な導電性膜からなる陽極13と、陽極13上に同じく抵抗加熱蒸着法等により形成されたN,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1、1'−ジフェニル−4,4'−ジアミン(以下、TPDと略称する。)等からなる正孔輸送層14と、正孔輸送層14上に抵抗加熱蒸着法等により形成された8−Hydroxyquinoline Aluminum(以下Alq3と略称する)等からなる有機材料層15と、有機材料層15上に抵抗加熱蒸着法等により形成された50ナノメートル〜500ナノメートル程度の厚みの金属膜からなる陰極17とを備えている。
なお正孔輸送層14と有機材料層15は便宜上一括して単に発光層16と呼称される。なお発光層16は10ナノメートル〜500ナノメートル程度に形成される。この場合発光層16には正孔輸送層14、有機材料層15の他に図示しない正孔注入層、電子注入層、電子輸送層、電子ブロック層(ともに図示せず)などが含まれていてもよい。以下の説明についてもこの例に倣う。
上記構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子11の陽極13をプラス極として、また陰極17をマイナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽極13から正孔輸送層14を介して有機材料層15に正孔が注入され、陰極17から有機材料層15に電子が注入される。発光層16を構成する有機材料層15では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
そしてこのような有機エレクトロルミネッセンス素子11において、通常有機材料層15中の蛍光体から出射される光は蛍光体を中心とした全方位に出射され、正孔輸送層14、陽極13、ガラス基板12を経由して光取り出し方向(ガラス基板12の方向)から空気中へ出射される。あるいは一旦光取り出し方向とは逆方向へ向かい、陰極17で反射され発光層16、陽極13、ガラス基板12を経由して、空気中へ出射される。
更に従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11については例えば(特許文献1)、(特許文献2)に開示される構造が知られている。
図13は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11の構造例を示す断面図である。まず(特許文献1)に記載された従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11の構造を図13を用いて説明する。
図13において、18は画素規制部であり、陽極13に接して形成された厚み100ナノメートル〜5マイクロメートルのポリイミド等からなる絶縁膜であり層として形成されている。この画素規制部18によって陽極13の上面に開口部が設けられ、画素規制部18によって電荷の供給が制御される結果、発光層16のうち発光領域LAのみが発光する。
(特許文献1)ではこのように陽極13上に画素規制部18を設けることで、有機エレクトロルミネッセンス素子11の製造工程における蒸着の回り込みによるパターン形成精度の低下を回避することができるとしている。またこの画素規制部18を黒色または濃色とすることで有機エレクトロルミネッセンス素子11のコントラストが向上し、更に画素規制部18と陽極13が接する部位にて画素規制部18をテーパー状に形成することで画素規制部18の段差による電気的断線を防止できるとしている。
図14は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11の構造例を示す断面図である。次に(特許文献2)に記載された従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を図14を用いて説明する。
図14において、画素規制部18は例えば黒色に着色された樹脂材料(カラーレジスト等)によってテーパー状に形成されており、この画素規制部18によって図示しない駆動回路であるTFT(Thin Film Transistor)に発光層16にて生起された光が直接的に到達するのを防止し、TFTのリーク電流が増大するのを抑制できるとしている。この画素規制部18(特許文献2においては平滑化絶縁膜と呼称)の厚みについては(特許文献2)に明確な記載はないが、カラーレジスト等の樹脂材料を用いていること、TFT(図示せず)等の構造物による段差を平滑化する機能があること、光を遮断する効果を得る必要があること、などを考慮すると画素規制部18は少なくとも数マイクロメートル程度の厚みを必要とすると考えてよい。
特許第2734464号公報 特開2000−172198号公報 タン(C.W.Tang)、ヴァンスリク(S.A.Vanslyke),「アプライドフィジックスレター(Appl.Phys.Lett.)」(米国),第51巻,1987年,p.913
図15は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11における画素規制部18の周辺を示す断面図である。以降図15を用いて従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11における課題について詳細に説明する。
以降の説明では、画素規制部18において発光領域LAを規制する側の端部(図15において示すP1)を「画素規制部18の端部P1」と呼称する(後にする他の図面を用いた説明についても同じ。)。
先にも述べたように有機エレクトロルミネッセンス素子11は陽極13および陰極17から注入された電荷が発光層16中で再結合し、その結果光が出射されるため、発光層16中の蛍光体から出射される光は蛍光体を中心とした全方位に向けて出射される。
ここで発光層16の屈折率は約1.6、陽極13の屈折率は陽極13がITOである場合は約2.0、ガラス基板12の屈折率は約1.5前後であるから、発光層16から出射された光のうち特定の角度成分を有する光は、陽極13とガラス基板12の屈折率差によって陽極13とガラス基板12の界面で全反射し、さらにこの全反射された光は陰極17によって反射される。即ち発光層16で生起した光の一部は陽極13と陰極17の間に閉じ込められていわゆる迷光となる(例えば図15に示すL0)。
また空気の屈折率は1.0であるから、発光層16から出射された光のうち、ガラス基板12の光取り出し側に空気の屈折率との屈折率差に基づく臨界角を超える角度で入射した光は全反射し、さらに画素規制部18が光を透過する場合は光は画素規制部18を透過し、実質的に反射膜を構成する陰極17によって反射される。即ちこの場合も、発光層16で生起した光の一部はガラス基板12と陰極17の間に閉じ込められて迷光となる(例えば図15に示すL1、L2)。
さて画素規制部18の端部P1は陽極13およびガラス基板12に対して角度θ1を有しているが、迷光が画素規制部18の端部P1に到達すると、迷光は角度変換を受けて例えばLXに示すようにガラス基板12の外部に出射されてしまうことがある。迷光は陽極13とガラス基板12、またはガラス基板12と空気の屈折率に依存した臨界角以上のあらゆる角度、方向で発光層16、陽極13およびガラス基板12の内部に存在するから、この現象は基本的には角度θ1=0度でない限り発生しうる。画素規制部18は本来的には発光層16の発光領域LAを規制し、発光領域LA以外から光が出射されないようにするものだが、迷光が存在する場合はこの画素規制部18の端部P1から本来出射されてはならない光LXが出射されてしまう(以降この現象により出射される光を「エッジ光」と呼称する)。上述のごとく迷光はあらゆる角度成分を有するため、この現象は上記角度θ1=90度、即ち画素規制部18の端部P1が陽極13に対して垂直に構成されている場合(即ち特許文献1に記載された構造)にも観測される。ただしこの場合、図15に示すエッジ光LXの出射角度は図15に図示するものとは異なることとなる。
図16は画素規制部18が着色されている場合における迷光の状態を示す説明図である。
図16は(特許文献2)に記載された構造における迷光の状態を示している。
この場合陽極13とガラス基板12の界面、ガラス基板12と空気の界面にて臨界角を超える角度で入射した光は全反射するものの、画素規制部18を例えば黒色に着色した材料で構成し十分な光遮断効果(すなわち光を遮断するのに十分な高い濃度)を付与すれば、迷光が画素規制部18の端部P1において反射しエッジ光LXとして観測されることはない。しかしながら画素規制部18を着色して発光領域LA以外の領域におけるエッジ光LXを防止しようとすると、光を遮断する効果を確保せねばならないため画素規制部18には前述したようにある数マイクロメートルの厚みが必要となる。
さて有機エレクトロルミネッセンス素子11はいわゆる面光源であるため、陽極13および陰極17に挟まれた領域、即ち画素規制部18によって規制された発光領域LAの全領域において、発光層16の厚みを均一に形成することができれば発光領域LAにおける発光輝度の均一性が高くなる。しかしながら従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11をスピンコート法などに代表される塗布工程を含むプロセスで形成する場合において、陽極13と陰極17の間に発光領域LAを規制する画素規制部18を設けるにあたり、図16に示すように陽極13と接して画素規制部18を設けると、画素規制部18の端部P1では毛細管現象や表面張力の影響を受けて、一般に画素規制部18の端部P1における発光層16の厚み(図16におけるZ1)は発光領域LAの中央部における発光層16の厚みより厚くなる。これに伴う電流密度の差異によって発光領域LAにおける発光輝度の分布は均一にならず、一般に電流密度が低い画素規制部18の端部P1の発光輝度は発光領域LAの中央部の発光輝度と比較して低くなってしまう。
即ち従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11においては、エッジ光LXを防止するために着色された画素規制部18を設けたとしても、結果的に画素規制部18の厚みが厚くなり、光の出射方向における発光輝度が均一にならないという課題がある。この問題は画素規制部18の端部P1の形状を単純にテーパー状にすれば解決するというものではない。
図17は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAにおける発光輝度の分布を示す説明図である。これまでに説明したように従来の有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAにおける発光輝度の分布(面内分布)は、図17において面内分布Oに示すごとく発光領域LAの中央部から画素規制部18の端部P1に向かうほど発光輝度が低くなり、更に画素規制部18になんらかの迷光防止措置が図られていない場合には、画素規制部18の端部P1におけるエッジ光LXの存在により本来の発光領域LAの外側に発光輝度が高くなるような分布を持つ。即ち個々の有機エレクトロルミネッセンス素子11における発光輝度の分布は不均一な状態となっているのである。
さて有機エレクトロルミネッセンス素子11を応用した、例えば一般的なディスプレイ装置など明視の距離において人間の視覚に直接的に作用するデバイスでは、これまで個々の有機エレクトロルミネッセンス素子11を素子間で等しい光量(トータル光量)で発光させることが課題とされ、例えば発光領域LAを画素規制部18の等方的な構造で規制する等により実用レベルに到達することができるため、エッジ光LXの存在や個々の有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAにおける発光輝度の均一性は殆ど問題とされてこなかった。しかしながらエッジ光LXの出射角度や強度は画素規制部18の端部P1における画素規制部18の微妙な角度に影響を受けるため、画素規制部18の形成精度によってはディスプレイ装置などにおいても発光光量がばらつくなどの弊害が現れる。
更に例えば電子写真装置などの画像形成装置に搭載される露光装置の光源として有機エレクトロルミネッセンス素子11の応用を考えた場合、画像形成装置では1画素単位に所望の形状、電位分布の静電潜像を形成することが必要であり、そのために個々の有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAは全ての画素について等しい大きさでなければならない。しかし発光領域LA以外の領域におけるエッジ光LXによって実質的に発光領域の幅が大きくなるような場合は、感光体上に形成される光スポットのサイズが大きくなり実質的に解像度の低下を招くことになる。
更に迷光は陽極13と陰極およびガラス基板12と陰極17の間にあらゆる角度成分として存在するから、極端な場合にはエッジ光LXが隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子11(図示せず)の画素規制部18の端部P1から射出されるような現象が発生する。発光させていない有機エレクトロルミネッセンス素子11の一部が、隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子の影響を受けて発光するわけであるから、この現象はいわゆる光学的なクロストークとなり忠実な表示や画像形成が困難となる。
更に有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAにおける発光輝度が均一でない場合、即ち個々の有機エレクトロルミネッセンス素子11の発光領域LAの内部に明暗の領域があると、所定の露光量を得ようとした場合に相対的に明るい領域が早く劣化してしまう。有機エレクトロルミネッセンス素子11の寿命は最も劣化が激しい部分に支配されるため、発光輝度が均一でない場合は発光輝度が均一である場合と比較して有機エレクトロルミネッセンス素子11の寿命が実質的に短くなってしまう。
更に発光層16の厚みが不均一である場合は発光層16の厚みが薄い部分に電流が集中するため、発光初期に発光輝度が不均一となるのみならず、電流が多く流れる部分の輝度低下によって暗かった部分が後に相対的に明るくなるなど長期的には発光領域LAにおける発光輝度の分布が変化する。このことは有機エレクトロルミネッセンス素子11を露光装置に応用した場合に、露光装置が形成する潜像の形状、面積が経時的に変化することを意味し、長期的に安定した画像を得ることが困難となる。
また特に露光装置においては、有機エレクトロルミネッセンス素子11の劣化に伴う露光光量不足に対処するためには光量補正が必須である。光量補正の過程では各有機エレクトロルミネッセンス素子11の輝度を後に説明する受光手段で計測し、その計測結果に基づき有機エレクトロルミネッセンス素子11を駆動する電流値などを制御するが、これによって有機エレクトロルミネッセンス素子11の全体としての露光光量は回復させることができるが、前述のごとく発光層16のミクロな領域毎に劣化程度が異なっている場合は、もとの発光輝度の分布を回復させることは困難である。このため光量補正を実行しても画像形成装置によって形成される個々の画素サイズが変化してしまい、例えば印字結果に縦スジなどの不具合が出現する場合があった。
そこで本発明はエッジ光がなく、更にエッジ光を防止した場合であっても発光領域における発光輝度の均一性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子、すなわち図17において面内分布Nで示す発光輝度の分布を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、更にこの有機エレクトロルミネッセンス素子を用いることにより所望のサイズおよび形状の静電潜像が得られる露光装置、更にこの露光装置を搭載した高画質の画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は上記課題に鑑みてなされたもので、正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを5020ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。
これによって有機エレクトロルミネッセンス素子のエッジ光を防止することが可能になるとともに、画素規制部によって規制された発光領域における発光輝度の均一化が図られる。即ち個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域から出射される光の発光輝度の面内分布(光量プロファイル)はほぼ矩形を呈するようになり、この有機エレクトロルミネッセンス素子を光源として用いた露光装置は所望の形状、電位分布の静電潜像を形成できるため、画像形成装置の高画質化を実現することができる。
更に個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域のあらゆる領域で劣化が均一になることから、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を実質的に長くすることができる。
更に光量プロファイルが矩形であるため発光領域の劣化による発光輝度の低下は均一に進行し、劣化を補償するために駆動電流を増加させた場合でも発光輝度の面内分布(光量プロファイル)の形状は変化せず、常に安定した静電潜像を形成することが可能となる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化シリコン、酸化アルミニウムのいずれかで構成したものである。これらの材料は絶縁性、画素規制精度などの点に優れており、画素規制部を薄層化してエッジ光の発生を有効に抑制した場合であっても高い絶縁性を維持し本来の画素規制部としての機能を発揮することができる。またこれらの材料は簡易な加工によって発光層を構成する発光材料を溶解する溶媒、あるいは発光材料を溶解した溶液に対し高い濡れ性が得られるため、いわゆる塗りのプロセスにて発光層を形成する際に発光層の厚みが均一に形成され発光領域における発光輝度を均一にすることができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を金属材料で構成したものである。これによって画素規制部の光透過率をほぼゼロにすることができ、発光領域以外の領域におけるエッジ光を確実に防止することができ、更に画素規制部の厚みを薄く構成できるため、画素規制部の段差に基づく発光層の厚みの不均一性をなくすことができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において金属によって構成された画素規制部の仕事関数をWF1、陽極の仕事関数をWF2とするとき、画素規制部を仕事関数WF1が2.0[eV]<WF1<WF2を満たす金属材料で構成したものである。これによって画素規制部の光透過率をほぼゼロにすることができ、発光領域以外の領域におけるエッジ光を確実に防止することができ、更に画素規制部の厚みを薄く構成できるため、画素規制部の段差に基づく発光層の厚みの不均一性をなくすことができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を端部以外の領域で端部よりも厚く構成したものである。これによって陽極、陰極間の絶縁性の向上を図ることができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を少なくとも発光層から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成したものである。これによって発光領域以外の領域におけるエッジ光を確実に防止することができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部をスパッタ法によって形成したものである。これによって緻密な膜により画素規制部を形成することができるため、容易に画素規制部の発光領域を規制する側の端部の厚みが薄く、かつ、電流漏れのない画素規制部を形成することができる。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を、陽極または陰極に接して形成された第1の画素規制部と、この第1の画素規制部に接して形成され陽極または陰極の一部を被覆する第2の画素規制部から構成したものである。これによって二つの画素規制層で機能分担を図り、より確実にエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において画素規制部を、陽極または陰極に接して形成された第2の画素規制部と、この第2の画素規制部に接して形成され第2の画素規制部の一部を被覆する第1の画素規制部から構成したものである。これによって二つの画素規制層で機能分担を図り、より確実にエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。
また本発明は、第1の画素規制部と第2の画素規制部の少なくとも一方を、少なくとも発光層から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成したものである。これによって発光領域以外の領域におけるエッジ光を確実に防止することができる。
また本発明は、複数の層からなる画素規制部のうち、少なくとも1つの層をスパッタ法によって形成したものである。これによって緻密な膜により画素規制部を形成することができるため、容易に画素規制部の発光領域を規制する側の端部の厚みが薄く、かつ、電流漏れのない画素規制部を形成することができる。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。
また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを発光層の厚みの2倍以下に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを発光層の厚みの2倍以下で、かつ画素規制部の厚みを20ナノメートル以上に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを発光層の厚みの2倍以下で、かつ画素規制部の厚みを50ナノメートル以上に構成したものである。これによってエッジ光を防止するとともに、発光領域から出射される光の発光輝度の分布(光量プロファイル)を均一にすることができ、更に有機エレクトロルミネッセンス素子中を流れる電流分布が均一となり長期に渡って均一な発光を得ることができる。また所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる部分が不要となるため有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を延ばすことが可能となる。
また本発明は、画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを発光層の厚みの2倍以下とし、かつこの画素規制部をスパッタ法によって形成するようにしたものである。これによって緻密な膜により画素規制部を形成することができるため、容易に画素規制部の発光領域を規制する側の端部の厚みが薄く、かつ、電流漏れのない画素規制部を形成することができる。
また本発明は、上述の有機エレクトロルミネッセンス素子を列状に配置し、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子を独立して点灯/消灯制御可能に構成した露光装置である。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光領域以外の領域におけるエッジ光がなく、さらに発光層の厚みが均一で発光領域における発光輝度がほぼ均一であるから、これを応用した露光装置は、所望のサイズ、電位分布の静電潜像を形成することができる。更に有機エレクトロルミネッセンス素子を流れる電流分布が均一であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域の劣化が均一であり、露光装置の製品寿命を長くできるとともに、長期に渡って安定した潜像を形成可能な露光装置を提供することができる。更に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は発光領域が均一に発光するため、所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる必要がなく消費電力の小さな露光装置を実現することができる。
また本発明は、上記露光装置と、露光装置によって静電潜像が形成される感光体と、感光体上に形成された静電潜像を顕画化する現像手段を有する画像形成装置である。本発明の露光装置を応用した画像形成装置においては、長期に渡って安定に潜像が形成されるため長寿命の画像形成装置を実現することができる。また簡単な工法により露光装置を得られるため画像形成装置を低価格に提供することができる。さらに本発明の露光装置を用いた画像形成装置においては、所望の静電潜像が得られるために常に高画質の画像を形成することができる。また光源として有機エレクトロルミネッセンス素子を採用することによって露光装置のサイズを小さくすることができ、この露光装置を搭載することでコンパクトな画像形成装置を実現することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例1における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造を示す説明図である。以降図1を用いて実施例1における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造を詳細に説明する。
図1において、1は本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子である。簡単のために例えば陽極を駆動する駆動回路などは図から省略している。有機エレクトロルミネッセンス素子1を駆動する回路構成などについては後に詳細に説明する。
2は無色透明なガラス基板である。ガラス基板2としては、例えば透明または半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス等の無機ガラスを用いることができる。
その他の材料をガラス基板2として採用することも可能であり、例えば透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂ポリシロキサン、ポリシラン等のポリマー材料を用いた高分子フィルム等、或いは透明または半透明のAs23、As4010、S40Ge10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb2O、Ta25、SiO、Si34、HfO2、TiO2等の金属酸化物および窒化物等の材料、或いは発光領域から出射される光を基板を介さずに取り出す場合には、不透明のシリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体材料、或いは顔料等を含んだ前述の透明基板材料、表面に絶縁処理を施した金属材料等から適宜選択して用いることができ、複数の基板材料を積層した積層基板を用いることもできる。
またガラス基板2の表面あるいは基板内部には、後述するように有機エレクトロルミネッセンス素子1を駆動するための抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ等からなる回路を形成しても良い。
さらに用途によっては特定波長のみを透過する材料、光−光変換機能をもった特定の波長の光へ変換する材料などであってもよい。また基板は絶縁性であることが望ましいが、特に限定されるものではなく、有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動を妨げない範囲或いは用途によって導電性を有していても良い。
3は例えばITO(インジウム錫酸化物)によって構成された陽極である。陽極3としてはITOの他にIZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ATO(SbをドープしたSnO2)、AZO(AlをドープしたZnO)、ZnO、SnO2、In23等を用いる
ことができる。陽極3は蒸着法等によっても形成できるがスパッタ法により形成することが望ましい。なお実施例1では陽極としてITOを用い、その厚みは150ナノメートルとしている。
6は発光層である。実施例1では工程がシンプルで低コスト化が可能ないわゆる塗りプロセスを採用して発光層6を形成している。具体的には以降詳細に説明する高分子系、あるいは低分子系の有機発光材料をトルエンやキシレンなどの溶媒に溶解した溶液をスピンコート法によって塗布する工程を経て発光層6を形成している。
発光層6を構成する高分子系の有機発光材料としては、可視領域で蛍光または燐光特性を有しかつ製膜性の良いものが望ましく、例えばポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン等のポリマー発光材料等を用いることができる。
また発光層6には低分子系の有機発光材料を上述した溶媒に溶解させたものを用いてもよく、これらの有機発光材料としてはAlq3やBe−ベンゾキノリノール(BeBq2)の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4'−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4'−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5−ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4'−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキサイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2,2'−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系等の蛍光増白剤や、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ〔f〕−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用いられる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いることもできる。
また実施例1では従来例に倣い、発光層6を便宜上単一の層として記述しているが、発光層6を陽極3の側から順に正孔輸送層/電子ブロック層/上述した有機発光材料層(ともに図示せず)の3層構造としてもよいし、発光層6を陰極7の側から順に電子輸送層/有機発光材料層(ともに図示せず)の2層構造、あるいは陽極3の側から順に正孔輸送層/有機発光材料層の2層構造(ともに図示せず)、あるいは陽極3の側から順に正孔注入層/正孔輸送層/電子ブロック層/有機発光材料層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層のごとく7層構造(ともに図示せず)としてもよい。またはより単純に発光層6が上述した有機発光材料のみからなる単層構造であってもよい。このように実施例1において発光層6と呼称する場合は、発光層6が正孔輸送層、電子ブロック層、電子輸送層などの機能層を有する多層構造である場合も含んでいる。後に説明する他の実施例についても同様である。
上述した機能層における正孔輸送層としては、正孔移動度が高く、透明で製膜性の良いものが望ましく73PDの他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4',4''−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N',N'−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)−2−2'−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N',N'−テトラフェニル−4,4'−ジアミノビフェニル、N、N'−ジフェニル−N、N'−ジ−m−トリル−4、4'−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4'−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ−3,4エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、テトラジヘクシルフルオレニルビフェニル(TFB)あるいはポリ3−メチルチオフェン(PMeT)といったポリチオフェン誘導体等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散系の正孔輸送層も用いられる。またMoO3、V25、WO3、TiO2、SiO、MgO等の無機酸化物を用いることもある。またこれらの正孔輸送材料は電子ブロック材料として用いることもできる。
上述した機能層における電子輸送層としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、シロール誘導体からなるポリマー材料等、あるいは、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−(パラ−フェニルフェノレート)アルミニウム(BAlq)、バソフプロイン(BCP)等が用いられる。またこれらの電子輸送層を構成可能な材料は正孔ブロック材料として用いることもできる。なお実施例1では発光層6の厚みは約130ナノメートル(機能層を含む)としている。
7は例えばAl等の金属を蒸着法等によって形成した陰極である。有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極7としては仕事関数の低い金属もしくは合金、例えばAg、Al、In、Mg、Ti等の金属や、Mg−Ag合金、Mg−In合金等のMg合金や、Al−Li合金、Al−Sr合金、Al−Ba合金等のAl合金等が用いられる。あるいは、Ba、Ca、Mg、Li、Cs等の金属、あるいは、LiF、CaOといったこれら金属のフッ化物や酸化物からなる有機物層に接触する第1の電極層と、その上に形成されるAg、Al、Ag、In等の金属材料からなる第2の電極とからなる金属の積層構造を用いることもできる。なお実施例1では陰極7としてBa、Agの積層構造を用い、その厚みは約150ナノメートルとしている。
8は陽極3に接して形成された画素規制部である。実施例1において、画素規制部8は少なくとも前記発光領域を規制する側の端部、即ち画素規制部8の端部P0の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成している。
画素規制部8としては絶縁性が高く、絶縁破壊に対して強く、かつ製膜性が良くパターニング性が高いものが望ましいが、実施例1では画素規制部8を構成する材料として、窒化シリコン、窒化アルミニウムを用いている。これらの材料は絶縁性、画素規制精度などの点で優れており採用するメリットが大きいが、これらは画素規制部8を構成する材料として無色透明であるので、特に陽極3と陰極7の間に閉じ込められた迷光は、画素規制部8の端部P0の最先端部で角度変換を受け、発光領域LA以外の領域においてエッジ光が発生する。しかしながら少なくとも画素規制部8の端部P0の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成することで、角度変換が行われる領域が小さくなるため、実験の上ではエッジ光は殆ど観測されなくなる。
(表1)は上記材料によって画素規制部8を構成し、この厚みを変えた場合の実験結果を示すものである。
Figure 2007059383
(表1)において、エッジ光割合Leb_b/Leb_aは図17に示す面内分布Oにおけるエッジ光の割合を示すものである。(表1)に示すように画素規制部8の厚みを減じるほどエッジ光の割合は減少し、画素規制部8の厚みを100ナノメートルにするとエッジ光の割合を1%程度まで低減することができる。エッジ光の発生を1%未満とする必要がある場合は、画素規制部8の厚みを例えば90ナノメートル程度となるように例えば蒸着時間などを制御すればよい。
また画素規制部8の厚みを50ナノメートル以上、100ナノメートル以下とすることで仮にエッジ光が発生しても、後述する露光装置にとってはエッジ光を実質的に無視することが可能となる。
以下にその理由を説明する。実施例1では後に詳細に説明するように有機エレクトロルミネッセンス素子1を600dpi(dot/inch)の解像度で配置している。この場合は各素子の配列ピッチは42.3マイクロメートルとなり、このピッチのうち約10マイクロメートルを画素規制部8が占めるとすれば、発光領域LAの幅は実質的には30マイクロメートル程度となる。ここで画素規制部8の厚み(即ち段差)を50ナノメートルとし、仮にこの50ナノメートルの幅でエッジ光が発生したと仮定すると、発光領域LAの幅に対するエッジ光の幅の割合は300:0.5となる。従ってエッジ光によって増加した実質的な発光領域と正規の発光領域LAの面積比は(300.52−3002)/3002=0.33%となる。後述のように実施例1では露光装置において光量補正を行っており、その精度は8ビット即ち1/256=0.39%であるから、画素規制部8の厚みを50ナノメートルとした場合は、仮に個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1がランダムにエッジ光を出射したりしなかったりする状況であっても、その影響は補正精度の1ステップ未満とすることができる。
同様に画素規制部8の厚み(即ち段差)が100ナノメートルの場合は、発光領域LAの幅に対するエッジ光の幅の割合は300:1であり、エッジ光によって増加した発光領域と正規の発光領域LAの面積比は(3012−3002)/3002=0.67%となる。この場合は補正精度として7ビット(1/128=0.78)に相当するから、画素規制部8の厚みを100ナノメートルとした場合は、仮に個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1がランダムにエッジ光を出射したりしなかったりする状況であっても、その影響は7ビットの補正精度の1ステップ未満とすることができる。
また、実施例1におけるエッジ光あるいは発光輝度分布(発光プロファイル)の均一性は、画素規制部8の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下とするだけでなく、画素規制部8の端部の厚みと発光層6の膜厚との関係によっても制御することができる。発光層6の厚みの均一性は、発光層6の厚みと画素規制部8の端部の厚みとの関係により決定される。つまり、発光層6の厚みが厚い場合、画素規制部8の端部の厚みが厚くなったとしても、その画素規制部8の端部厚みが発光層6の厚みと相似の関係を維持して厚くなる場合においては、発光層6の厚みの均一性を確保することができる。
これによって良好な発光均一性が得られ、エッジ光の抑制あるいは発光輝度分布の均一化を果たすことができる。
(表1)において、その発光層6の厚みは50ナノメートルであり、この画素規制部8の発光領域を規制する側の端部の厚みを発光層6の厚みの2倍以下とすることで、均一な発光が得られる。また発光層の厚みを薄くした場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
さて実施例1で採用した窒化シリコン、窒化アルミニウムは画素規制部8を形成した後に十分な洗浄処理、紫外線照射処理、熱処理、プラズマ処理などを適宜行うことで画素規制部8の端部P0における溶媒あるいは溶液との接触角を小さく(例えば45度以下)することができる。画素規制部8を構成する材料としては酸化シリコン、酸化アルミニウムを用いることも可能である。これによって画素規制部8の表面における濡れ性が改善され、毛細管現象や表面張力の影響を受けにくくなることで発光領域LAにおける発光層6の厚みが均一になり、結果的に発光輝度を均一にすることが可能となる。
また画素規制部8はパターンニング性がよくかつ発光層6に正孔が注入されにくい金属、即ち画素規制部8の仕事関数をWF1、陽極の仕事関数をWF2とするとき、画素規制部8を仕事関数WF1が2.0[eV]<WF1<WF2を満たす金属材料で構成してもよい。
例えば陽極3としてITO(仕事関数WF2=5.0[eV])を用いた場合にあっては、仕事関数が2.0[eV]より大きくかつ5.0[eV]未満の数値範囲にある例えばCr(4.5[eV])、Al(4.2[eV])、Ag(4.2[eV])、Mg(3.7[eV])などを用いて画素規制層8を構成すればよい。仕事関数の値の上ではLi(2.9[eV])、Na(2.8[eV])、Ba(2.7[eV])、K(2.3[eV])、Cs(2.1[eV])の金属を選択することが理想的であるが、これらの金属は水や酸素に対する反応性が高いため有機エレクトロルミネッセンス素子1の製造工程においては脱水、脱酸素など雰囲気を十分に管理する必要がある。またこれらの金属材料または他の金属材料を用いて画素規制部8を複数層に形成していてもよい。ただし発光層6と接する側の仕事関数の値が重要であるから、画素規制部8において上述した金属材料が発光層6と接する側に配置されていることが望ましい。
画素規制部8は例えばこれらの金属材料を蒸着法やスパッタ法により一様形成し、その後にフォトマスクを用いてパターンニング、現像、エッチングによって形成される。またマスクを介してスパッタ法にて形成してもよい。
画素規制部8として金属材料を用いた場合は金属材料が不透明であることから、従来例にて説明したように迷光に基づくエッジ光が生じることはないが、これらの金属によって構成される画素規制部8の厚みも50ナノメートル以上100ナノメートル以下とするとよい。
画素規制部8の厚みについては、画素規制部8の材料が上述した窒化シリコン、窒化アルミニウム、仕事関数に基づき選択された金属を問わず、薄く形成することで発光領域LAにおける発光輝度の均一化に寄与する。
しかしながら画素規制部8の厚みが50ナノメートルを下回ると膜に欠陥が生じて本来発光すべきところでない部分が発光する確率が高くなる。即ち画素規制部に本来求められる絶縁機能を確保できなくなる。一方画素規制部8の厚みが100ナノメートルを上回ると発光領域LAにおける発光層6の厚みのばらつきが発光層6の厚みの平均値に対して10%を超えるようになる。実施例1では画素規制部8の厚みを100ナノメートル以下とすることで、発光層6の厚みのばらつきを発光層6の厚みの平均値に対して10%以下に抑えるようにしたが、このように発光層6の厚みのばらつきを低減することで、発光領域LAにおける発光輝度をほぼ均一にすることができる。
さてここで言う「発光輝度をほぼ均一にする」とは発光領域LAにおける発光輝度の分布(面内分布)の形状を矩形に近づけることである(図17に示す面内分布Nを参照)。理想的には発光領域LAにおける発光輝度の分布の形状は完全な矩形とすることが望ましいが、実際は画素規制部8を厚みゼロで形成することは困難であり発光領域LAの両端部で発光輝度は低下する。また発光層6を形成する際に上述した溶媒、溶液の塗布ムラもゼロにはならないため発光領域LAの全領域における完全な均一発光は困難であり、面内分布Nの形状は完全な矩形とはならない。この「発光輝度をほぼ均一にする」の目安については、発光領域LAにおいて発光輝度の分布が発光領域LAの中央部にて略平坦部を有し、この平坦部が発光領域LAの幅のおよそ4/5程度を占めていれば、輝度の分布が有機エレクトロルミネッセンス素子1の寿命に与える影響もほとんどなく、後述する露光装置などの光源として問題なく採用することができる。
以降、より詳細に説明を続ける。有機エレクトロルミネッセンス素子1の陽極3とまた陰極7との間に直流電圧又は直流電流を印加すると陽極3から発光層6に正孔が注入され、陰極7から発光層6に電子が注入される。その結果発光層6では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こり、この発光が陽極3、ガラス基板2等を経由して空気中へ出射される。このとき画素規制部8が形成されている領域(図1におけるLA以外の領域)においては、発光層6へ電荷の注入は行われず光は出射されない。
通常有機エレクトロルミネッセンス素子1において光が出射される領域いわゆる発光領域LAは、陽極3と陰極7とに挟まれた領域とすることで規制される。しかしながら陽極3と陰極7の位置関係のみによって発光領域LAを規制しようとする場合、発光領域LAとして例えば円形や六角形など複雑な形状を構成するのが困難であること、陽極3と陰極7の位置合わせの精度が悪いと発光領域LAの大きさにばらつきが生じるなどの不都合が生じるため、実施例1に示すような画素規制部8により発光領域LAを規制する構成が用いられる。
しかしながら従来例を用いて説明したように、有機エレクトロルミネッセンス素子1をスピンコート法などに代表される塗布工程を含むプロセスで形成する場合において、陽極3と陰極7の間に発光領域LAを規制する画素規制部8を設けるにあたり、画素規制部8の端部P0において段差が生じるため、毛細管現象や表面張力の影響を受けて画素規制部8の端部P0における発光層6の厚みと発光領域LAの中央部における発光層6の厚みが異なってしまう。これに伴う電流密度の差異によって発光領域LAにおける発光輝度の分布は均一にならず、一般に電流密度が低い画素規制部8の端部P0の発光輝度は発光領域LAの中央部の発光輝度と比較して低くなってしまう。発光領域LAにおける発光輝度を均一化するには、少なくとも発光領域LAにおける発光層6の厚みを均一に形成する必要がある。
また従来の画素規制部8は一般にポリイミドなどの透明材料で構成されるため、発光層6で生成された光は画素規制部8を透過して出射される。このことも発光領域LAにおける発光輝度が均一にならない要因の一つとなっている。
更に発光層6の厚みが不均一である場合は発光層6の厚みが薄い部分に電流が集中するため、発光初期に発光輝度が不均一となるのみならず、電流が多く流れる部分の輝度低下によって暗かった部分が後に相対的に明るくなるなど長期的には発光領域LAにおける発光輝度の分布が変化する。
発光領域LAにおける発光層6の厚みを均一とすることで、有機エレクトロルミネッセンス素子1中を流れる電流分布が均一となり、長期に渡って均一な発光を得ることができる。また発光輝度の分布が均一でない場合、発光領域LAのあるゆる部位で所定量以上の輝度を得ようとすると本来必要な明るさ以上の輝度で発光させる領域が生じ、有機エレクトロルミネッセンス素子1の寿命を短くしてしまうが、実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子1においては、発光領域LAを均一に発光させることができるため、所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる必要がなく、長期に渡って有機エレクトロルミネッセンス素子1を安定して発光させることができる。
さて前述のごとく画素規制部8の端部P0の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下とすることで、エッジ光の発生を防止、あるいは実質的にエッジ光の影響を無視でき、更に画素規制部8の端部P0における段差等の構造を小さくすることができるため、容易に発光領域LAにおける発光層6の厚みが均一である有機エレクトロルミネッセンス素子1を実現することができ、発光領域LAから出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができるようになる。
なお実施例1では有機エレクトロルミネッセンス素子1において、ガラス基板2上に形成された陽極3に対して画素規制部8を設けて発光領域LAを規制する場合について説明したが、ガラス基板2上に形成された陰極7に対して画素規制部8を設けて発光領域LAを規制する構造についても、実施例1の技術的思想を同様に適用できることは言うまでもない。
図2は本発明の実施例1における露光装置の構成図である。以降露光装置の構造について図2を用いて詳細に説明する。
図2において、33は画像形成装置に搭載された露光装置であり、感光体28の表面に静電潜像を形成する部材である。なお画像形成装置の構成および動作については後に詳細に説明する。
2は既に説明したガラス基板であり、ガラス基板2の面Aには発光素子即ち露光光源として有機エレクトロルミネッセンス素子1が図面と垂直な方向(主走査方向)に600dpi(dot/inch)の解像度で形成されている。
71はプラスティックまたはガラスで構成される棒レンズ(図示せず)を列状に配置したレンズアレイであり、ガラス基板2の面Aに形成された有機エレクトロルミネッセンス素子1の出射光を正立等倍の像として、潜像が形成される感光体28の表面に導く。レンズアレイ71の一方の焦点はガラス基板2の面Aであり、もう一方の焦点は感光体28の表面となるようにガラス基板2、レンズアレイ71、感光体28の位置関係が調整されている。即ち面Aからレンズアレイ71の近い方の面までの距離L1と、レンズアレイ71の他方の面と感光体28の表面までの距離L2とするとき、L1=L2となるように設定される。
72は例えばガラスエポキシ基板を用いた中継基板である。73aはコネクタA、73bはコネクタBであり、中継基板72には少なくともコネクタA73aおよびコネクタB73bが実装されている。中継基板72は例えばフレキシブルフラットケーブルなどのケーブル76によって露光装置33に外部から供給される画像データや光量補正データ、及びその他の制御信号をコネクタB73bを介して一旦中継し、これらの信号をガラス基板2に渡す。
ガラス基板2の表面にコネクタを直接実装することは接合強度や、露光装置33が置かれる多様な環境における信頼性を考慮すると困難であるため、実施例1では中継基板72のコネクタA73aとガラス基板2との接続手段としてFPC(フレキシブルプリント回路)を採用し(図示せず。詳細は後述する)、ガラス基板2とFPCの接合は例えばACF(異方性導電フィルム)を用いて、予めガラス基板2上に形成された例えばITO(インジウム錫酸化物)電極に直接接続する構成としている。
一方コネクタB73bは、露光装置33を外部と接続するためのコネクタである。一般的にACF等による接続は接合強度が問題となる場合が多いが、このように中継基板72上にユーザが露光装置33を接続するためのコネクタB73bを設けることで、ユーザが直接アクセスするインタフェースに十分な強度を確保することができる。
74aは筐体Aであり金属板を例えば折り曲げ加工により成型したものである。筐体A74aの感光体28に対向する側にはL字状部位75が形成されており、L字状部位75に沿ってガラス基板2およびレンズアレイ71が配設されている。筐体A74aの感光体28側の端面とレンズアレイ71の端面を同一面に合わせ、更に筐体A74aによってガラス基板2の一端部を支持する構造とすることで、L字状部位75の成型精度を確保すれば、ガラス基板2とレンズアレイ71の成す位置関係を精度よく合わせ込むことが可能となる。このように筐体A74aは寸法精度を要求されるため、金属にて構成することが望ましい。また筐体A74aを金属製とすることで、ガラス基板2上に形成される制御回路およびガラス基板2上に表面実装されるICチップ等の電子部品へのノイズの影響を抑制することが可能である。
74bは樹脂を成型して得られる筐体Bである。筐体B74bのコネクタB73bの近傍には切欠き部(図示せず)が設けられており、ユーザはこの切欠き部からコネクタB73bにアクセスが可能となっている。コネクタB73bに接続されたケーブル76を介して露光装置33の外部から露光装置33に画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号等の制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電源などが供給される。
図3(a)は本発明の実施例1の露光装置33に係るガラス基板2の上面図であり、図3(b)は同要部拡大図である。以降図3に図2を併用して実施例1におけるガラス基板2の構成について詳細に説明する。
図3において、ガラス基板2は厚みが約0.7mmの、少なくとも長辺と短辺を有する長方形形状の基板であり、その長辺方向(主走査方向)には発光素子である複数の有機エレクトロルミネッセンス素子1が列状に形成されている。実施例1ではガラス基板2の長辺方向には少なくともA4サイズ(210mm)の露光に必要な発光素子が配置され、ガラス基板2の長辺方向は後述する駆動制御部78の配置スペースを含め250mmとしている。また実施例1では簡単のためにガラス基板2を長方形として説明するが、ガラス基板2を筐体A74aに取り付ける際の位置決め用などのために、ガラス基板2の一部に
切り欠きを設けるような変形を伴っていてもよい。
78はガラス基板2の外部から供給される制御信号(発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子1を駆動するための信号)を受け取り、この制御信号に基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動を制御する駆動制御部であり、後述するように制御信号をガラス基板2の外部から受け取るインタフェース手段とインタフェース手段を介して受け取った制御信号に基づき発光素子の駆動を制御するICチップ(ソースドライバ)を含んでいる。
80は中継基板72のコネクタA73aとガラス基板2とを接続するインタフェース手段としてのFPC(フレキシブルプリント回路)であり、コネクタ等を介さずガラス基板2に設けられた図示しない回路パターンに直接接続されている。既に説明したように、露光装置33に外部から供給された、画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号等の制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動電源は、図2に示す中継基板72を一旦経由した後にFPC80を介してガラス基板2に供給される。
実施例1では露光装置33の光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子1は、主走査方向に600dpiの解像度で5120個が列状に形成されており、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1はそれぞれ独立に後述のTFT回路によって点灯/消灯を制御される。
81は有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動を制御するICチップとして供給されるソースドライバであり、ガラス基板2上にフリップチップ実装されている。ガラス面へ表面実装を行うことを考慮しソースドライバ81はベアチップ品を採用している。ソースドライバ81には露光装置33の外部からFPC80を介して、電源、クロック信号、ライン同期信号等の制御関連信号および光量補正データ(例えば8ビットの多値データ)が供給される。ソースドライバ81は後に詳細に説明するように、有機エレクトロルミネッセンス素子1に対する駆動パラメータ設定手段であり、より具体的にはFPC80を介して受け渡された光量補正データに基づき個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動電流値を設定するためのものである。
ガラス基板2においてFPC80の接合部とソースドライバ81は、例えば表面にメタルを形成したITOの回路パターン(図示せず)を介して接続されており、駆動パラメータ設定手段たるソースドライバ81にはFPC80を介して光量補正データ、クロック信号、ライン同期信号等の制御信号が入力される。このようにインタフェース手段としてのFPC80および駆動パラメータ設定手段としてのソースドライバ81は駆動制御部78を構成している。
82はガラス基板2上に形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路である。TFT回路82はシフトレジスタ、データラッチ部など、発光素子の点灯/消灯のタイミングを制御するゲートコントローラ、および個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1に駆動電流を供給する駆動回路(以降ピクセル回路と呼称する)とを含んでいる。ピクセル回路は各有機エレクトロルミネッセンス素子1に対して1つずつ設けられ、有機エレクトロルミネッセンス素子1が形成する発光素子列と並列に配置されている。後に詳述するように駆動パラメータ設定手段であるソースドライバ81によって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1を駆動するための駆動電流値がピクセル回路に設定される。
TFT回路82には露光装置33の外部からFPC80を介して、電源、クロック信号、ライン同期信号等の制御信号および画像データ(1ビットの2値データ)が供給され、TFT回路82はこれらの電源および信号に基づいて個々の発光素子の点灯/消灯タイミングを制御する。
84は封止ガラスである。有機エレクトロルミネッセンス素子1は水分の影響を受けると発光領域が経時的に収縮(シュリンキング)したり、発光領域内の微小な非発光部位(ダークスポット)が拡大する等して発光特性が極端に劣化するため、水分を遮断するための封止が必要である。実施例1ではガラス基板2に接着剤を介して封止ガラス84を貼り付けるベタ封止法を採用しているが、封止領域における水分を吸着するため、封止ガラス84とガラス基板2の間に図示しない乾燥剤を配置してもよい。封止領域は一般に有機エレクトロルミネッセンス素子1が構成する発光素子列から副走査方向に数ミリメートルから数センチメートル必要とされており、実施例1では封止しろとして2000マイクロメートルを確保している。
77はアモルファスシリコンなどで構成される複数の光量センサをガラス基板2に沿って主走査方向に配置した光量センサユニットである。光量センサユニット77によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光量が計測される。光量センサユニット77の出力は図示しない配線によって一旦TFT回路82に取り込まれ図示しない信号処理手段によって増幅、アナログ−ディジタル変換などの信号処理を経た後、FPC80、中継基板72(図2参照)、ケーブル76(図2参照)を介して露光装置33の外部に出力される。
この信号は後述のコントローラ61(図4参照)にて受信・処理されて光量補正データ(例えば8ビット)が生成されるが、光量センサユニット77によって計測されるのは個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1のトータルの発光光量であって、発光領域の発光輝度分布ではない。従って光量補正データに基づく補正によって有機エレクトロルミネッセンス素子1のトータルの発光光量は回復させることができるが、発光領域における発光輝度の分布を回復させることは困難である。
実施例1においては既に述べたように有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光領域以外の領域におけるエッジ光の発生を抑制し(仮に存在したとしても、光量補正の精度の1ステップ以内)、更に発光領域における発光輝度は均一となっているため、有機エレクトロルミネッセンス素子1の劣化は均一に発生し、劣化が生じた場合でも発光領域における発光輝度の分布は変化しない。
このため実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子1を用いた露光装置33は、上述したように光量センサユニット77によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光量を計測し、計測した発光光量に基づいて例えば有機エレクトロルミネッセンス素子1を駆動する駆動電流を再設定するだけで、有機エレクトロルミネッセンス素子1のトータルの発光光量と発光領域における発光輝度の分布の双方を確実に回復させることができるという極めて顕著な効果を奏する。
さて実施例1では駆動制御部78を構成するインタフェース手段たるFPC80、および駆動パラメータ設定手段たるソースドライバ81を、有機エレクトロルミネッセンス素子1が形成する発光素子列の延長線上(EL_dir)の位置に設けるようにした。
このような配置とすると、ガラス基板2の長辺方向(主走査方向)の任意位置において、駆動制御部78は発光素子列とオーバーラップしない位置に配置されることとなる。同時にこの構成では、ガラス基板2の長辺方向(主走査方向)の任意位置において、駆動制御部78は発光素子列と並列に形成されたTFT回路82(ピクセル回路を含む)ともオーバーラップしない位置に配置されることとなる。このような配置によってガラス基板2のサイズを小さくすることが可能となる。
図4は本発明の実施例1の露光装置33に係る回路図である。以降図4を用いてTFT回路82およびソースドライバ81による点灯制御についてより詳細に説明する。
図4において、61は画像形成装置に組み込まれたコントローラであり、図示しないコンピュータ等からの画像データを受信しプリント可能な画像データを生成するとともに、上述したように露光装置33に組み込まれた光量センサユニット77(図3参照)の出力に基づいて光量補正データを生成する。
85はイメージメモリであり、図示しないコンピュータ等から転送されたコマンド等に基づきコントローラ61によって生成された2値の画像データが格納されている。86は光量補正データを格納した光量補正データメモリである。光量補正データメモリ86は例えばEEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリである。露光装置33の製造工程には、個々の露光装置33に対して全ての有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光量および発光輝度分布を計測し、これらの計測結果に基づいて各有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光量を均一にするための光量補正データを生成する工程が含まれており、光量補正データメモリ86には、この光量補正データの値が格納されている。
コントローラ61はこの光量補正データを、上述した光量センサユニット77(図3参照)の出力に基づいて新たに生成した光量補正データに更新することができる。
87はタイミング生成部であり、露光装置33を駆動するためのタイミングに係る制御信号を生成する。イメージメモリ85に格納されている画像データ、および光量補正データメモリ86に格納(あるいは図示しない他の高速メモリに事前に複製)された光量補正データは、タイミング生成部87が生成するクロック信号、ライン同期信号等の信号に基づいてケーブル76、コネクタB73b、中継基板72、コネクタA73a、FPC80を介してガラス基板2の端部から供給される。
更にガラス基板2に供給された画像データとタイミング信号は、ガラス基板2上に形成された例えばITO上にメタル層を形成した配線によってTFT回路82に供給されると共に、光量補正データとタイミング信号も同様にソースドライバ81に供給される。
さてTFT回路82はピクセル回路89とゲートコントローラ88とに大別されている。ピクセル回路89は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1に対して一つずつ設けられており、有機エレクトロルミネッセンス素子1のM画素分を一つのグループとして、ガラス基板2上にNグループ設けられている。実施例1においては一つのグループを8画素(即ちM=8)とし、このグループを640個としている。従って全画素数は、8×640=5120画素となる。各ピクセル回路89は有機エレクトロルミネッセンス素子1に電流を供給して駆動するドライバ部90と、有機エレクトロルミネッセンス素子1を点灯制御するにあたってドライバが供給する電流値(即ち有機エレクトロルミネッセンス素子1の駆動電流値)を内部に含むコンデンサに記憶させる、いわゆる電流プログラム部91を有しており、予め所定のタイミングでプログラムされた駆動電流値に従って有機エレクトロルミネッセンス素子1を定電流駆動することができる。
ゲートコントローラ88は入力された2値の画像データを順次シフトするシフトレジスタと、シフトレジスタと並列に設けられシフトレジスタに所定の画素数の入力が完了した後にこれらを一括して保持するラッチ部と、これらの動作タイミングを制御する制御部からなる(共に図示せず)。更にゲートコントローラ88は図4に示すSCAN_AおよびSCAN_B信号を出力し、これによってピクセル回路89に接続された有機エレクトロルミネッセンス素子1の点灯/消灯を行う期間および、駆動電流を設定する電流プログラム期間のタイミングを制御する。
一方ソースドライバ81は内部に有機エレクトロルミネッセンス素子1のグループ数Nに相当する数(実施例1では640個)のD/Aコンバータ92を有しており(後述する)、ソースドライバ81はFPC80を介して供給された光量補正データ(例えば8ビット)に基づいて、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1に対する駆動電流を設定することで各有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光量が等しくなるように制御する。このとき実施例1の露光装置では、既に述べたように各有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光領域における発光輝度もほぼ均一な状態を保つことができる。
図5は本発明の実施例1の露光装置33に係る有機エレクトロルミネッセンス素子1および駆動回路の断面図である。以降図5を用いて実施例1における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構成を詳細に説明する。
図5において、2は既に詳細に説明したガラス基板である。
101はガラス基板2上の面A(図2の面Aに対応)に形成されたベースコート層であり、例えばSiNとSiO2を積層することで構成される。ベースコート層101の上には多結晶シリコン(ポリシリコン)から成るTFT102が形成されている。実施例1においてはTFT102として多結晶シリコンを用いているが、非結晶シリコン(アモルファスシリコン)を用いてもよい。非結晶シリコンの場合、デザインルールや駆動周波数の点で多結晶シリコンと比べて不利になるが、製造プロセスが安価でありコストメリットがある。
103は例えばSiO2からなるゲート絶縁層であり、TFT102とMoなどの金属で構成されたゲート電極104を所定の間隔で離間、絶縁する。105は例えばSiO2およびSiNを積層することで構成される中間層である。中間層105はゲート電極104を被うとともに、この表面に沿ってAlなどの金属で構成されるソース電極106およびドレイン電極107を支持している。ソース電極106およびドレイン電極107は中間層105およびゲート絶縁層103に設けられたコンタクトホールを介してTFT102に接続されており、ソース電極106とドレイン電極107の間に所定の電位差を付与した状態でゲート電極104に所定の電位を付与することで、TFT102はスイッチングトランジスタとして動作する。
108はSiN等で構成された保護層であり、ソース電極106を完全に被うと共に、ドレイン電極107の一部にコンタクトホール109を形成する。
3は保護層108上に形成された陽極であり、実施例1ではITO(インジウム錫酸化物)を用いている。陽極3としてはITOの他にIZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ATO(SbをドープしたSnO2)、AZO(AlをドープしたZnO)、ZnO、SnO2、In23等を用いることができる。陽極3は蒸着法等によっても形成できるがスパッタ法あるいはCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)により形成することが望ましい。この陽極3はコンタクトホール109にてドレイン電極107と接続されている。
陽極3の表面には既に説明したように画素規制部8が形成され、陽極3および画素規制部8の全体と接して発光層6が例えばスピンコート法などに代表される塗布工程を含むプロセスによって形成されている。更に発光層6と接して陰極7が蒸着法によって形成されている。
以上説明した構造、工程によってガラス基板2に有機エレクトロルミネッセンス素子1が形成される。TFT102は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1に対して1:1の関係で形成されており電気的には所謂アクティブマトリクス回路を構成する。ソース電極106を正極とし、ソース電極106と陰極7間に所定の電位差を設け、更にゲート電極104を所定の電位に制御することで、正孔がソース電極106、TFT102、ドレイン電極107、陽極3を経て発光層6に注入され、一方陰極7から発光層6に電子が注入される。発光層6では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
発光層6から放出された光は陽極3、中間層105、ゲート絶縁層103、ベースコート層101およびガラス基板2を透過し、面Aとは反対の面から射出され図示しない感光体を露光する。このように発光層6が形成された面Aと反対側の基板面から光を取り出す構成(ボトムエミッション)とすることで発光層6の封止が容易になる。99は配線パターンであり、例えば図4に示すソースドライバ81から出力される光量補正データのアナログ信号などは、中間層105の上に設けられた配線パターン99を利用してピクセル回路89に接続されている。
以上詳細に説明したように、実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子1は発光領域LA以外の領域においてエッジ光が発生せず、発光領域LAにおける発光輝度が均一であるため、これを光源に用いた露光装置は所望の形状の静電潜像を得ることができる。
また実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子1は発光層6の厚みが均一であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子1を流れる電流分布が均一となる。従って有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光領域LAの劣化が均一になるため、有機エレクトロルミネッセンス素子1を用いた露光装置は製品寿命が実質的に長くなり、かつ長期に渡って安定した潜像を形成することが可能となる。更に所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる必要がなく、露光装置33の消費電力を低減することができる。
なお露光装置33においては、有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造は全て同一であってもよいし相互に異なる構造であってもよい。
図6は本発明の実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子1を応用した露光装置33を搭載した画像形成装置の構成図である。
図6において、画像形成装置21は装置内にイエロー現像ステーション22Y、マゼンタ現像ステーション22M、シアン現像ステーション22C、ブラック現像ステーション22Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙23が収容される給紙トレイ24を配設すると共に、各現像ステーション22Y〜22Kに対応した箇所には給紙トレイ24から供給された記録紙23の搬送路となる記録紙搬送路25を上方から下方の縦方向に配置したものである。
現像ステーション22Y〜22Kは、記録紙搬送路25の上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、イエロー現像ステーション22Yは感光体28Y、マゼンタ現像ステーション22Mには感光体28M、シアン現像ステーション22Cには感光体28C、ブラック現像ステーション22Kには感光体28Kが含まれ、更に各現像ステーション22Y〜22Kには図示しない現像スリーブ、帯電器等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材が含まれている。
更に各現像ステーション22Y〜22Kの下部には感光体28Y〜28Kの表面を露光して静電潜像を形成するための露光装置33Y、33M、33C、33Kが配置されている。
さて現像ステーション22Y〜22Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるため、以降の説明を簡単にするため特に必要がある場合を除いて現像ステーション22、感光体28、露光装置33のごとく特定の色を明示せずに説明する。
図7は本発明の実施例1の画像形成装置21における現像ステーション22の周辺を示す構成図である。図7において、現像ステーション22の内部にはキャリアとトナーを混合物である現像剤26が充填されている。27a、27bは現像剤26を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル27aと27bの回転によって現像剤26中のトナーはキャリアとの摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像ステーション22の内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。感光体28は図示しない駆動源によって方向D3に回転する。29は帯電器であり感光体28の表面を所定の電位に帯電する。30は現像スリーブ、31は薄層化ブレードである。現像スリーブ30は内部に複数の磁極が形成されたマグロール32を有している。薄層化ブレード31によって現像スリーブ30の表面に供給される現像剤26の層厚が規制されると共に、現像スリーブ30は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグロール32の磁極の作用によって現像剤26は現像スリーブ30の表面に供給され、後述する露光装置によって感光体28に形成された静電潜像を現像するとともに、感光体28に転写されなかった現像剤26は現像ステーション22の内部に回収される。
33は既に説明した露光装置である。実施例1の露光装置33を応用した画像形成装置21は、既に述べたように露光装置33が長期に渡って安定に潜像を形成できるため、製品寿命が長く、さらに実施例1の露光装置33は所望の形状の静電潜像を長期にわたって得られるために常に高画質の画像を形成することができる。
さて実施例1における露光装置33は有機エレクトロルミネッセンス素子を600dpi(dot/inch)の解像度で直線状に配置したもので、帯電器29によって所定の電位に帯電した感光体28に対し、画像データに応じて選択的に有機エレクトロルミネッセンス素子をON/OFFすることで、最大A4サイズの静電潜像を形成する。この静電潜像部分に現像スリーブ30の表面に供給された現像剤26のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
感光体28に対し記録紙搬送路25と対向する位置には転写ローラ36が設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ36には所定の転写バイアスが印加されており、感光体28上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路25を搬送されてきた記録紙に転写する。
以降図6に戻って説明を続ける。
これまで説明してきたように、実施例1における画像形成装置21は複数の現像ステーション22Y〜22Kを縦方向に階段状に配列したタンデム型のカラー画像形成装置であり、カラーインクジェットプリンタと同等クラスのサイズを目指すものである。現像ステーション22Y〜22Kは複数のユニットが配置されるため、画像形成装置21の小型化を図るためには現像ステーション22Y〜22Kそのものの小型化と共に、現像ステーション22Y〜22Kの周辺に配置される作像プロセスに関与する部材を小さくし、現像ステーション22Y〜22Kの配置ピッチを極力小さくする必要がある。
オフィス等においてデスクトップに画像形成装置21を設置した際のユーザの使い勝手、特に給紙時や排紙時の記録紙23へのアクセス性を考慮すると、画像形成装置21の底面から給紙口65までの高さは250mm以下にすることが望ましい。これを実現するためには画像形成装置21の全体の構成の中で現像ステーション22Y〜22K全体の高さを100mm程度に抑える必要がある。
しかしながら既存の例えばLEDヘッドは厚みが15mm程度あり、これを現像ステーション22Y〜22K間に配置すると目標を達成することが困難である。本発明者等の検討結果によれば露光装置33の厚みを7mm以下とすると、現像ステーション22Y〜22K間の隙間に露光装置33Y〜33Kを配置しても現像ステーション全体の高さを100mm以下に抑えることが可能である。
37はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル37から各現像ステーション22Y〜22Kには、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、各現像ステーション22Y〜22Kにトナーを供給している。
38は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ24に装填された記録紙23を記録紙搬送路25に送り出す。
給紙ローラ38と最上流のイエロー現像ステーション22Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路25には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ39、ピンチローラ40対が設けられている。レジストローラ39、ピンチローラ40対は、給紙ローラ38により搬送された記録紙23を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション22Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙23の先端がレジストローラ39、ピンチローラ40対の軸方向と平行に規制され、記録紙23の斜行を防止する。
41は記録紙通過検出センサである。記録紙通過検出センサ41は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙23の先端および後端を検出する。
さてレジストローラ39の回転を開始すると(図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、回転ON/OFFを行う)記録紙23は記録紙搬送路25に沿ってイエロー現像ステーション22Yの方向に搬送されるが、レジストローラ39の回転開始のタイミングを起点として、各現像ステーション22Y〜22Kの近傍に配置された露光装置33Y〜33Kによる静電潜像の書き込みタイミングが独立して制御される。
最下流のブラック現像ステーション22Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路25には出口側のニップ搬送手段として定着器43が設けられている。定着器43は加熱ローラ44と加圧ローラ45から構成されている。加熱ローラ44は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30マイクロメートルのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ44に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170マイクロメートルのシリコンゴムで構成され、加圧ローラ45に適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
46は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア46の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを加熱ローラ44の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ44の両端部において、加熱ローラ44の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア46と加熱ローラ44の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ44の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ44の表面が発熱する。
47は加熱ローラ44の温度を検出するための温度センサである。温度センサ47は金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して接触した対象物の温度を計測することができる。温度センサ47の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置は温度センサ47の出力に基づいて背面コア46内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ44の表面温度が約170℃となるように制御する。
この温度制御がなされた加熱ローラ44と加圧ローラ45によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙23が通紙されると、記録紙23上のトナー像は加熱ローラ44と加圧ローラ45によって加熱および加圧され、トナー像が記録紙23上に定着される。
48は記録紙後端検出センサであり、記録紙23の排出状況を監視するものである。52はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ52は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙23の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ52は画像濃度のみならず、画像形成位置も検出できるため、実施例1における画像形成装置21ではトナー像検出センサ52を画像形成装置21の幅方向に2ヶ所設け、記録紙23上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき、画像形成タイミングを制御している。
53は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム53は表面を200マイクロメートル程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙23は記録紙搬送ドラム53に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙23は記録紙搬送ドラム53によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって記録紙全面に高濃度の画像を形成した場合などに発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙23は蹴り出しローラ55によって方向D6に搬送され、排紙トレイ59に排出される。
54はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部54は支持部材56を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部54を開放状態にすると、記録紙23は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部54は閉状態では記録紙搬送ドラム53と共に記録紙23の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ57が形成されている。
58は駆動源であり、実施例1ではステッピングモータを採用している。駆動源58によって、給紙ローラ38、レジストローラ39、ピンチローラ40、感光体(28Y〜28K)、および転写ローラ(36Y〜36K)を含む各現像ステーション22Y〜22Kの周辺部、定着器43、記録紙搬送ドラム53、蹴り出しローラ55の駆動を行っている。
61はコントローラであり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを展開、生成する。
62はエンジン制御部である。エンジン制御部62は画像形成装置21のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ61から転送された画像データに基づいて記録紙23にカラー画像を形成すると共に、画像形成装置21の制御全般を行っている。
63は電源部である。電源部63は、露光装置33Y〜33K、駆動源58、コントローラ61、エンジン制御部62へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器43の加熱ローラ44への電力供給を行っている。また感光体28の表面の帯電、現像スリーブ(図7における符号30を参照)に印加する現像バイアス、転写ローラ36に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源系もこの電源部に含まれている。
また電源部63には電源監視部64が含まれ、少なくともエンジン制御部62に供給される電源電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部62おいて検出され、電源スイッチのオフや停電等の際に発生する電源電圧の低下を検出している。
以上の説明においては本発明をカラー画像形成装置に適用した場合について説明したが、たとえばブラックなど単色の画像形成装置に適用することもできる。また、カラー画像形成装置に適用した場合、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではない。
(実施例2)
図8は本発明の実施例2における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造を示す断面図である。以降図8を用いて実施例2における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造について詳細に説明するが、有機エレクトロルミネッセンス素子1を応用した露光装置およびこの露光装置を搭載した画像形成装置については、構成や動作に差異がないため説明を省略する。
実施例2では、少なくとも画素規制部8の端部P0を実施例1で説明したように50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成するとともに、画素規制部8の端部P0以外の領域において、画素規制部8の厚みを端部よりも厚く構成し、本発明の目的であるエッジ光の防止と発光領域LAにおける発光輝度の均一性を確保しつつ、画素規制部8の本来機能としての絶縁性をより改善したものである。
実施例2では、少なくとも画素規制部8の端部P0を実施例1で詳細に説明した有機発光材料を溶解するトルエンやキシレンなどの溶媒、あるいは有機発光材料を溶解した溶液に対して高い濡れ性を示す材料である主鎖としてビニル基、吸水性シリコン、イソシアネート、ポリエステルポリマー、ポリアミド、フッ素含有ポリマー、エポキシ基、あるいは末端にビニル基、グリシジル基、アリール基等を持ったポリマー材料、あるいはポリイミド等の撥水性材料の表面を紫外線照射処理あるいはプラズマ処理して上記溶媒あるいは溶液に対して濡れ性を高くした表面をもつ材料で構成している。
また単に材料面の選定のみならず画素規制部8の端部P0にプラズマ処理、エッチング処理を施して画素規制部8の端部P0の表面粗さRaを5ナノメートル程度に荒らすことが望ましい。このように画素規制部8の材質の選定および表面処理を施すことによって、画素規制部8の端部P0において発光層6に対する濡れ性を改善することができる。実施例2では画素規制部8の材料の選定および前述の表面処理によって、濡れ性の程度として画素規制部8の端部P0における上記溶媒あるいは溶液との接触角を45度以下としている。さてこの表面処理によって画素規制部8の表面は平滑面ではなくなるため、画素規制部8の表面には光散乱面が形成される。既に説明したようにエッジ光は迷光が画素規制部8によって特定の角度変換を受けることで発生するから、画素規制部8の表面を光散乱面とするとエッジ光そのものは存在してもこれが特定の角度をもって出射されることはなく、実質的にエッジ光を抑制することができる。このように画素規制部8の表面を意図的に荒らすことは、画素規制部8に有機発光材料を溶解するトルエンやキシレンなどの溶媒、あるいは有機発光材料を溶解した溶液に対する高い濡れ性を付与して発光層6の厚みを均一にする効果と、光散乱によってエッジ光を防止する効果を同時に得ることができる。
更に実施例2においては図8に示すように、有機エレクトロルミネッセンス素子1を構成する陽極3の表面とこれに接する画素規制部8とのなす角度θ1を、エッジ光の発生を防止するとともに発光領域LAにおける発光輝度をほぼ均一にするように構成したものであり、この角度θ1は後述のごとく3度以上10度以下とすることが望ましい。
画素規制部8において画素規制部8の端部P0を特定角度を有するテーパー状、あるいは任意形状の曲面に形成するためには、エッチングにより形成する場合はエッチングガスあるいはエッチング液の種類およびエッチング時間、エッチングマスクを適宜選択したエッチング方法を適用することで容易にテーパー形状とその角度θ1を調整することができる。また感光性材料を用いた現像により形成する場合は、露光時間、露光マスク、現像時間などを適宜選択して容易にテーパー形状と角度θ1を調整することができる。
特に複数のマスクを用いてエッチング領域を徐々に拡大するとともに、エッチング時間を調整してエッチングにより除去される厚みを制御することで、画素規制部8の端部P0における陽極3の表面とこれに接する画素規制部8とのなす角度θ1および形状を精度よく調整できる。これによって図8に示すように画素規制部8の端部P0において、発光領域LAを規制する最先端の部分に平坦部を設けることが可能である。
さて既に述べたようにエッジ光は迷光が画素規制部8によって特定の角度変換を受けることで発生するが、迷光のトータル量は有限であるから角度変換に寄与する面積が大きくなるほどエッジ光の単位面積あたりの強度は低下する。角度θ1を小さくすることは、画素規制部8の端部P0における傾斜部分の面積拡大に寄与するため、エッジ光の低減に効果がある。一方で陽極3の表面に接する画素規制部8とのなす角度θ1を3度より小さく設定すると、露光装置の600dpiという有機エレクトロルミネッセンス素子1の配置ピッチでは画素規制部8の膜厚が十分確保できなくなる場合があり、絶縁性改善の効果が低くなる。
更に発明者等の知見によれば、前述のごとく画素規制部8の端部P0における上記溶媒あるいは溶液との接触角を45度以下に設定し、画素規制部8の端部P0における最端部分の段差を50ナノメートル以上100ナノメートル以下に設定し、陽極3の表面とこれに接する画素規制部8とのなす角度θ1を変化させた場合、この角度θ1を45度に構成すると発光領域LAにおける発光層6の厚みのばらつきは25%程度となり、更に陽極3の表面とこれに接する画素規制部8とのなす角度θ1を10度に構成すると同10%以下に抑制することが可能であった。このように発光層6の厚みのばらつきを低減することは、発光領域LAにおける発光輝度の均一化に直結し、発光領域LAにおける発光輝度の分布を矩形に近づけることができる。
以上説明してきたような構成によってエッジ光の発生を防止するとともに、発光領域LAにおける発光層6の厚みが均一化され、発光領域LAから出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができる。
図9は本発明の実施例2における画素規制部8の端部P0の形状を例示する断面図である。以降図9を用いて実施例2が適用可能な画素規制部8の端部P0における画素規制部8の形状について説明する。
図9において、(a)は図8を用いて既に説明した形状であり、画素規制部8の端部P0において画素規制部8の発光領域を規制する最先端部が50ナノメートル以上100ナノメートル以下の厚みを有し、画素規制部8の端部P0における最先端部から所定の長さの平坦部を有するとともに、同最先端部から更に離間する領域にテーパー形状を有するものである。
(b)は画素規制部8の端部P0における最先端部が50ナノメートル以上100ナノメートル以下の厚みを有し、同最先端部から離間するに従ってテーパー形状を有するものであり、画素規制部8の形状を例えばエッチング時間のみ制御して形成できる等製造プロセスの簡略化にメリットがある。(a)と(b)については既に述べたようにエッジ光の発生を防止する観点、発光領域LAにおける発光輝度を均一にする観点から、テーパー形状の形成する角度は3度以上10度以下とすることが望ましい。
(c)は(a)と比較して画素規制部8を単純なテーパー形状ではなく、陽極3に対して凸形状を呈するように加工したものであり、特定の角度成分を持たないためエッジ光の発生を抑制することでできる点にメリットがある。
(d)は(b)と比較して画素規制部8を単純なテーパー形状ではなく、陽極3に対して凸形状を呈するように加工したものであり、特定の角度成分を持たないためエッジ光の発生を抑制することでできるとともに、画素規制部8の端部P0における最先端部の近傍から画素規制部8の厚みが急峻に厚くなるため、画素規制部8を含め有機エレクトロルミネッセンス素子1のサイズを小さくできるとともにトータルの絶縁性を確保可能な点にメリットがある。
図9におけるこれらの例示では、画素規制部8の端部P0の最先端部の形状は簡単のために陽極3に対して垂直をなすように描かれているが、実際はこの最先端部は陽極3に対して完全な垂直をなすわけではなく、通常は曲面形状となる。しかしながら画素規制部8を形成する場合のプロセス条件を、この最先端部を50ナノメートル以上100ナノメートル以下として形成するように選択することで本発明のメリットを享受することができる。即ち画素規制部8の端部P0の最先端部のミクロな形状については任意形状であってもよく、最先端部を50ナノメートル以上100ナノメートル以下とする意図をもって画素規制部8の端部P0を形成することが、本発明の技術的思想に含まれることはいうまでもない。
さて以上の例は画素規制部8が透明材料から構成される前提で説明したが、画素規制部8を少なくとも発光層6から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成すると、エッジ光の発生を確実に防止できる。有機エレクトロルミネッセンス素子1を露光装置の光源として用いる場合は、実施例1で既に説明した感光体28の感度と整合を取るため、有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光は例えば波長λ=660nmより長波長とするが、この波長に対して吸収スペクトルを有する染料(上記の波長に対してはシアン色を呈する染料)を混入した画素規制部8とすることで、上述の抵抗値の低下を回避することができ、画素規制部8の厚みをより薄くすることができる。また黒色を呈する素材として例えばカーボンの微粒子を画素規制部8に混入してもよい。
なお実施例2では有機エレクトロルミネッセンス素子1においてガラス基板2上に形成された陽極3に対して画素規制部8を設けて、発光領域LAを規制する場合について説明したが、ガラス基板2上に形成された陰極7に対して画素規制部8を設けて発光領域LAを規制する構造についても、実施例2の技術的思想を同様に適用できることは言うまでもない。
(実施例3)
図10は本発明の実施例3における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造を示す断面図である。以降図10を用いて実施例3における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造について詳細に説明するが、有機エレクトロルミネッセンス素子1を応用した露光装置およびこの露光装置を搭載した画像形成装置については、構成や動作に差異がないため説明を省略する。
実施例3における有機エレクトロルミネッセンス素子1は正孔を注入する陽極3と、発光層6と、電子を注入する陰極7と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層6の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。
実施例3の有機エレクトロルミネッセンス素子1の更なる構造上の特徴は、画素規制部を、陽極3に接して形成された第1の画素規制部8aと、この第1の画素規制部8aに接して形成され陽極3の一部を被覆する第2の画素規制部8bから構成し、この第2の画素規制部の少なくとも発光領域LAを規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことである。
図10において、詳細に示すように、第1の画素規制部8aは主に陽極3と陰極7の間の全体的な絶縁性を確保する機能を有する。第2の画素規制部8bは主に発光領域LAを規制するための機能を有する。この場合、第1の画素規制部8aには陽極3と陰極7の間を絶縁性良く覆う材料を用い、第2の画素規制部8bには薄さや精細さなどの精度が得られる材料を用いることが望ましい。このように第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bにそれぞれ異なる材料を用いることで、機能分離の効果をより高めることが可能となる。
以降図10を用いて実施例3における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造について詳細に説明する。なお以降の説明では簡単のために第1の画素規制部8aにおいて画素規制部8bと接触し、かつ発光領域LA側の端部を「第1の画素規制部8aの端部P1」と呼称する(図10中のP0を参照)。
まず第1の画素規制部8aの端部P0の構造について説明する。
第1の画素規制部8aの端部P0において、陽極3と接して形成された第2の画素規制装置8bの表面に接する第1の画素規制部8aとのなす角度θ2は、3度以上10度以下とすることが望ましい。実施例3においては第1の画素規制部8aは直接的には発光領域LAを規制することはないが、第1の画素規制部8aは第2の画素規制部8bの周辺に形成されるため、発光層6を形成するにあたって発光領域LAにおける発光層6の厚みに与える影響はゼロではなく、第1の画素規制部8aに対しても実施例2で示した条件を適用することが望ましいのである。ただし上述のごとく第1の画素規制部8aは直接的に発行領域LAを規制しないために、条件的には実施例2の場合より緩く設定することが可能であり、陽極3と接して形成された第2の画素規制装置8bの表面と、これに接する第1の画素規制部8aとのなす角度θ2は3度以上45度以下であってもよい。ただし第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bがともに透明材料から構成されている場合は、実施例2で述べたようにエッジ光の発生を防止する観点から、第1の画素規制部8aの端部P0において、陽極3と接して形成された第2の画素規制装置8bの表面に接する第1の画素規制部8aとのなす角度θ2は、3度以上10度以下とすることが望ましい。
実施例3においても、少なくとも第1の画素規制部8aの端部P0を実施例1で詳細に説明した有機発光材料を溶解するトルエンやキシレンなどの溶媒、あるいは有機発光材料を溶解した溶液に対して高い濡れ性を示す材料である主鎖としてビニル基、吸水性シリコン、イソシアネート、ポリエステルポリマー、ポリアミド、フッ素含有ポリマー、エポキシ基、あるいは末端にビニル基、グリシジル基、アリール基等を持ったポリマー材料、あるいはポリイミド等の撥水性材料の表面に紫外線照射処理あるいはプラズマ処理して上記溶媒あるいは溶液に対して濡れ性を高くした表面をもつ構成とすることが望ましい。また第1の画素規制部8aの端部P0にプラズマ処理、エッチング処理を施して第1の画素規制部8aの端部P0の表面粗さRaを5ナノメートル程度に荒らすことが望ましい。このように第1の画素規制部8aの材質の選定および表面処理を施すことによって、第1の画素規制部8aの端部P0において発光層6に対する濡れ性を改善することができる。実施例3では画素規制部8の材料の選定および前述の表面処理によって、濡れ性の程度として画素規制部8の端部P0における上記溶媒あるいは溶液との接触角を45度以下としている。
第1の画素規制部8aの端部P0をテーパー状に形成するためには、エッチングにより形成する場合はエッチングガスあるいはエッチング液の種類およびエッチング時間、エッチングマスクを適宜選択したエッチング方法を適用することで容易にテーパー形状を調整することができる。また感光性材料を用いた現像により形成する場合は、露光時間、露光マスク、現像時間などを適宜選択して容易にテーパー形状を調整することができる。特に複数のマスクを用いてエッチング領域を徐々に拡大するとともに、エッチング時間を調整してエッチングにより除去される厚みを制御することで角度θ2を精度よく調整できる。なお実施例3においても実施例2で示したのと同様に第1の画素規制部8aの端部P0を曲面で構成してもよい。
また既に実施例2で説明したように画素規制部を構成する材料は不透明材料が有利である。第1の画素規制部8aまたは第2の画素規制部8bのうち少なくとも一方を、発光層6から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成すれば、陽極3やガラス基板2に閉じ込められた迷光が角度変換されることはなく、エッジ光の発生を確実に防止できる。有機エレクトロルミネッセンス素子1を露光装置の光源として用いる場合は、実施例1で既に説明した感光体28の感度と整合を取るため、有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光は例えば波長λ=660nmより長波長とするが、例えば第1の画素規制部8aをこの波長に対して吸収スペクトルを有する染料(上記の波長に対してはシアン色を呈する染料)を混入した材料で構成すれば、エッジ光の発生を防止することができる。また黒色を呈する素材として例えばカーボンの微粒子を混入した材料によって第1の画素規制部8aを構成してもよい。
実施例3では第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bは機能分離されているため、第1の画素規制部8aの厚みを5マイクロメートル程度と比較的に厚く設定し、かつ第1の画素規制部8aをカーボン粒子の分散量を比較的低く制御したポリイミドなどの有機物で構成することで、第1の画素規制部8aに求められる絶縁性と低い光透過率を両立することが可能となる。もっとも後述するように第2の画素規制部8bを金属材料で構成した場合は、第2の画素規制部8bによって迷光が遮断されエッジ光の発生が防止されるため、第1の画素規制部8aを不透明材料で構成する必要はない。
次に第2の画素規制部8bについて詳細に説明する。
第2の画素規制部8bは主に発光領域LAを規制するための機能を担うものであり、既に他の実施例で説明したように発光層6に対する濡れ性を確保することが必要である。この要求を満たすために、第2の画素規制部8bは例えばSiNあるいはAlNから構成することが望ましい。これらの材料は絶縁性、画素規制精度などの点、更に材料そのものとしても上記溶媒あるいは溶液との濡れ性に優れており採用するメリットが大きい。濡れ性の確保については画素規制部8を形成した後に十分な洗浄処理、紫外線照射処理、熱処理、プラズマ処理などを行うことで上記溶媒あるいは溶液との接触角を45度以下にすることができるため、発光層6に対して十分な濡れ性を確保することができる。ただし第2の画素規制部8bを上述のSiN、AlNなどの窒化物で構成する場合、これらは透明な材料であるから、第1の画素規制部8aに起因するエッジ光が発生する可能性がある。このとき上述のように第1の画素規制部8aとして不透明材料を用いない場合には第1の画素規制部8aに対し実施例2で説明したような形状、表面処理などを施すようにするとよい。
既に実施例1において説明したのと同様の理由から、陽極3と第2の画素規制部8bとの段差は50ナノメートル以上100ナノメートル以下とするのが望ましい。この段差の条件を満たすことで、迷光に起因するエッジ光の発生を防止することができる。これに対し第1の画素規制部8bの厚みは例えば最大5マイクロメートル程度とし、絶縁性を確実に確保することが望ましい。即ち第1の画素規制部8aの厚みと第2の画素規制部8bの厚みを、「第1の画素規制部の厚み8a>第2の画素規制部の厚み8b」の関係を満たすように構成することが望ましい。
また第2の画素規制部8bを金属で構成してもよい。第2の画素規制部8bを金属で構成した場合は、既に実施例1で説明したように光透過率を実質的にゼロにできるため、エッジ光の発生を確実に防止することができる。さて実施例3では第1の画素規制部8aは陽極3と陰極7の間の絶縁性を担うべく絶縁材料で構成されているため、第2の画素規制部8bは実施例1で要求された「発光層6に正孔が注入されにくい金属」という条件を満たす必要はない。従って実施例4においてはパターンニング性を満たす限りあらゆる金属材料を使用することができる。もちろんこの場合もエッジ光の発生は確実に防止される。
ただし図10では第2の画素規制部8bは個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1内で独立して設けられているが、第2の画素規制部8bが複数の有機エレクトロルミネッセンス素子1に跨って(即ち一旦ベタ状態で形成され、陽極3の所定位置に開口部を形成したような構成で)形成されている場合は、隣接画素に駆動電流がリークするために抵抗値の低い金属材料を採用するとことはできない。この場合は第2の画素規制部8bを例えば金属酸化物や窒化物など所定の抵抗値を有する導電性材料を用いることが望ましい。具体的には金属酸化物であればMoO3、窒化物であればSiNなどを用いることができる。またこの場合の面方向の導電性は1メガオーム以上とすればリーク電流を防止することが可能である。リーク電流の抑制効果を更に向上するためには、この面方向の導電性については更に10メガオーム以上とすることが望ましい。
さて図10に示す構造を得るためのプロセスとしては、(I)発光領域LAおよび図中第2の画素規制部8bとして示す両部分に後工程にて第2の規制層8bとなる例えばSiN、Crなどの材料を一面にあるいはマスクを用いて選択的に蒸着し、(II)その後第1の画素規制部8aとなる感光性樹脂を一面に塗布し、(III)第1の画素規制部8aの形状のフォトマスクを用いて露光、現像することで第1の画素規制部8aを形成し、(IV)その後にこの第1の画素規制部8aでマスクを代用してエッチング処理することで第2の画素規制部8bを形成することが可能である。
この場合(IV)のエッチング処理においては、発光領域LAの中央部から第2の画素規制部8bが除去されていくため、エッチング処理の時間を制御することで、第2の画素規制部8bを第1の画素規制部8aの端部P1から発光領域LA側に突出した形状にて形成できる。
このようにパターンニングされた感光性樹脂(後に第1の画素規制部8aとなる)を介して他の材料からなる第2の画素規制部8bをパターンニングすることで、位置合わせなどの複雑な工程を経ることなく、容易に複数の材料からなる第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bを実現できる。なお感光性樹脂は一般に高い絶縁性を持つため、第1の画素規制部8aの材料としては適している。更に感光性樹脂のパターンニング、あるいは他材料のパターンニングの条件を調整することにより、一方の大きさを他方の大きさより大きくするなどの複雑な形状も実現することができる。
またこのとき第1の画素規制部8aとなる材料には、上述のごとく有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光光の波長に対して吸収スペクトルを有する染料を混入した材料で構成すれば、エッジ光の発生を防止することができる。また黒色を呈する素材として例えばカーボンの微粒子を混入した材料を用いてもよい。
以上説明してきたような構成によって、発光領域LA以外の領域におけるエッジ光の発生を防止できるとともに、発光領域LAにおける発光層6の厚みが均一化され、発光領域LAから出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができる。
なお実施例3では有機エレクトロルミネッセンス素子1においてガラス基板2上に形成された陽極3に対して画素規制部8aおよび画素規制部8bを設けて、発光領域LAを規制する場合について説明したが、ガラス基板2上に形成された陰極7に対して画素規制部8aおよび画素規制部8bを設けて発光領域LAを規制する構造についても、実施例3の技術的思想を同様に適用できることは言うまでもない。
(実施例4)
図11は本発明の実施例4における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造を示す断面図である。以降図11を用いて実施例4における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造について詳細に説明するが、有機エレクトロルミネッセンス素子1を応用した露光装置およびこの露光装置を搭載した画像形成装置については、構成や動作に差異がないため説明を省略する。
実施例4における有機エレクトロルミネッセンス素子1は正孔を注入する陽極3と、発光層6と、電子を注入する陰極7と、正孔または電子のうち少なくとも一方の注入を制御して発光層6の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したものである。
実施例4の有機エレクトロルミネッセンス素子1の更なる構造上の特徴は、画素規制部を、陽極3に接して形成された第2の画素規制部8bと、この第2の画素規制部8bに接して形成され第2の画素規制部8bの一部を被覆する第1の画素規制部8aから構成し、この第2の画素規制部8bの少なくとも発光領域LAを規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことである。
図11において、詳細に示すように第1の画素規制部8aは主に陽極3と陰極7の間の全体的な絶縁性を確保する機能を有する。第2の画素規制部8bは主に発光領域LAを規制するための機能を有する。この場合、第1の画素規制部8aには陽極3と陰極7の間を絶縁性良く覆う材料を用い、第2の画素規制部8bには薄さや精細さなどの精度が得られる材料を用いることが望ましい。このように第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bに、それぞれ異なる材料を用いることで機能分離の効果をより高めることが可能となる。
以降図11を用いて実施例4における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造について詳細に説明する。
まず第1の画素規制部8aの端部P0の構造について説明する。
さて実施例3では第2の画素規制部8bを光を透過しない材料などで構成すれば、第1の画素規制部8aの光透過性は問題にする必要はなかったが、実施例4では第2の画素規制部8bが第1の画素規制部8aを覆う構造であるため、第1の画素規制部8a側にもエッジ光の発生を防止する措置が必要となる。このためには実施例2で説明したのと同様に第1の画素規制部8aの端部P0において、陽極3の表面と陽極3と接して形成された第1の画素規制部8aとのなす角度θ3は3度以上10度以下とすることが望ましい。
また実施例4においては第2の画素規制部8bは第1の画素規制部8aと発光層6に挟まれた位置に配置されるため、実施例2で詳細に説明したように角度θ3は直接的に発光層6の厚みの均一性に影響する。ただし実施例4では第1の画素規制部8aを第2の画素規制部8bが被覆するため、第1の画素規制部8aは必ずしも有機発光材料を溶解するトルエンやキシレンなどの溶媒、あるいは有機発光材料を溶解した溶液に対して高い濡れ性を示す材料で構成する必要はなく、またその表面に対して上記溶媒あるいは溶液の接触角を所定の範囲に維持するための処理は必要とされない。
第1の画素規制部8aの端部P0をテーパー状に形成するためには、エッチングにより形成する場合はエッチングガスあるいはエッチング液の種類およびエッチング時間、エッチングマスクを適宜選択したエッチング方法を適用することで容易にテーパー形状を調整することができる。また感光性材料を用いた現像により形成する場合は、露光時間、露光マスク、現像時間などを適宜選択して容易にテーパー形状を調整することができる。特に複数のマスクを用いてエッチング領域を徐々に拡大するとともに、エッチング時間を調整してエッチングにより除去される厚みを制御することで角度θ3を精度よく調整できる。なお実施例4においても実施例2で示したのと同様に第1の画素規制部8aの端部P0を曲面で構成してもよい。
また既に実施例2で説明したように画素規制部を構成する材料は不透明材料が有利である。実施例4の場合は第1の画素規制部8aを、発光層6から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成すれば、陽極3やガラス基板2に閉じ込められた迷光が角度変換されることはなく、エッジ光の発生を確実に防止できる。
実施例4においても実施例3と同様に第1の画素規制部8aと第2の画素規制部8bは機能分離されているため、第1の画素規制部8aの厚みを最大5マイクロメートル程度と比較的に厚く設定し、かつ第1の画素規制部8aをカーボン粒子の分散量を比較的低く制御したポリイミドなどの有機物で構成することで、第1の画素規制部8aに求められる絶縁性と低光透過率を両立することが可能となる。
次に第2の画素規制部8bについて詳細に説明する。
第2の画素規制部8bは主に発光領域LAを規制するための機能を担うものであり、既に他の実施例で説明したように、エッジ光の発生の防止と発光層6に対する濡れ性を確保することが必要である。この要求を満たすために、第2の画素規制部8bは例えばSiNあるいはAlNから構成することが望ましい。これらの材料は絶縁性、画素規制精度などの点、更に材料そのものとしても上記溶媒あるいは溶液との濡れ性に優れており採用するメリットが大きい。画素規制部8を形成した後に十分な洗浄処理、紫外線照射処理、熱処理、プラズマ処理などを行うことで第2の画素規制部8bの端部P0における上記溶媒あるいは溶液との接触角を45度以下にすることができるため、発光層6に対して十分な濡れ性を確保することができる。
既に実施例1において説明したのと同様の理由から、陽極3と第2の画素規制部8bとの段差は50ナノメートル以上100ナノメートル以下が望ましい。この段差の条件を満たすことで、迷光に起因するエッジ光の発生を防止することができる。これに対し第1の画素規制部8bの厚みは例えば5マイクロメートル程度とし、絶縁性を確実に確保することが望ましい。即ち第1の画素規制部8aの厚みと第2の画素規制部8bの厚みを、「第1の画素規制部の厚み8a>第2の画素規制部の厚み8b」の関係を満たすように構成することが望ましい。
さて実施例4では第1の画素規制部8aは陽極3と陰極7の間の絶縁性を担うべく絶縁材料で構成されているため、実施例1で要求された「発光層6に正孔が注入されにくい金属」という条件を満たす必要はない。従って実施例5においてはパターンニング性を満たす限りあらゆる金属材料を使用することができる。
ただし図11に示すように第2の画素規制部8bは個々の有機エレクトロルミネッセンス素子1内で独立して設けられているが、第2の画素規制部8bが複数の有機エレクトロルミネッセンス素子1に跨って(即ち一旦ベタ状態で形成され、陽極3の所定位置に開口部を設けるように)形成されている場合は、隣接画素に駆動電流がリークするために抵抗値の低い金属材料を採用するとことはできない。この場合は第2の画素規制部8bとして金属酸化物や窒化物など所定の抵抗値を有する導電性材料を用いることが望ましい。具体的には金属酸化物であればMoO3、窒化物であればSiNなどを用いることができる。またこの場合の面方向の導電性は1メガオーム以上とすればリーク電流を防止することが可能である。リーク電流の抑制効果を更に向上するためには、この面方向の導電性については更に10メガオーム以上とすることが望ましい。
以上説明してきたような構成によって、発光領域LA以外の領域におけるエッジ光の発生を防止できるとともに、発光領域LAにおける発光層6の厚みが均一化され、発光領域LAから出射される光の発光輝度の分布を均一にすることができる。
なお実施例4では有機エレクトロルミネッセンス素子1においてガラス基板2上に形成された陽極3に対して画素規制部8aおよび画素規制部8bを設けて、発光領域LAを規制する場合について説明したが、ガラス基板2上に形成された陰極7に対して画素規制部8aおよび画素規制部8bを設けて発光領域LAを規制する構造についても、実施例4の技術的思想を同様に適用できることは言うまでもない。
以上複数の実施例に基づき説明してきたように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子1は画素規制部8の端部P0におけるエッジ光が発生せず、更に画素規制部8により規制された発光領域LAにおける発光輝度をほぼ均一にすることができる。従って本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子1を光源に用いた露光装置は所望の形状の静電潜像を得ることができる。
また本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子1は画素規制部8によって規制された発光領域における発光層6の厚みのばらつきが、発光領域における発光層の厚みを平均した値の10%以下であり、発光層6の厚みが均一であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子1を流れる電流分布が均一となる。従って有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光領域LAの劣化が均一になるため、有機エレクトロルミネッセンス素子1の寿命が実質的に長くなり、かつ長期に渡って安定した潜像を形成可能な露光装置を提供できる。更に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子1は発光領域LAが均一に発光するため、所望の発光輝度を得るために無駄に明るく発光させる必要がなく、消費電力の小さな露光装置を実現することができる。
本発明の露光装置を応用した画像形成装置においては、露光装置が長期に渡って安定に潜像を形成するため、長寿命の画像形成装置を実現できる。また簡単な工法により露光装置を得られるため画像形成装置を低価格に提供できる。さらに本発明の露光装置を用いた画像形成装置においては、所望の静電潜像が得られるために常に高画質の画像を形成することができる。また光源として有機エレクトロルミネッセンス素子1を採用することによって露光装置のサイズを小さくすることができ、この露光装置を搭載することでコンパクトな画像形成装置を実現することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子1の発光領域LAにおいて発光層6の厚みを均一に形成することで、安定に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子1を実現することができるが、この効果は少なくとも発光層6の一部を高分子材料によって構成した有機エレクトロルミネッセンス素子1、あるいは少なくとも発光層6の一部を溶媒に可溶な材料によって構成した有機エレクトロルミネッセンス素子1において顕著である。これらの材料を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する場合、蒸着などの工法を用いず溶媒に溶かした状態で製膜する工法が用いられるが、蒸着時の蒸着材料の不均一分布による発光層6の厚みの不均一性よりも、有機発光材料を溶解するトルエンやキシレンなどの溶媒、あるいは有機発光材料を溶解した溶液に対する濡れ性や構造物による毛細管現象や表面張力などによる厚みの不均一性が高いため、より顕著に本発明の効果が得られる。
また発光層の製膜工法について、インクジェット法などは表面張力や画素規制部8の撥水性などを積極的に利用して形成するのに対し、スピンコート法、ギャップ法、フラッドプリント法(インクジェットを使った一様塗布法)、スクリーン印刷法などの一様塗布型の工法では一様に発光層等の材料を塗布するため、本発明の効果がより顕著に現れる。これらの工法は、発光層の塗り分けを必要としない単色発光層の場合に多く用いられ、これらの工法あるいは構造を用いる場合に本発明はより有効な効果を奏するものである。
また以上の説明において露光装置において有機エレクトロルミネッセンス素子1は直流電源による駆動を前提として説明したが、交流電源あるいはパルス電源で駆動してもよい。
なお、実施例1〜4において、画素規制部8は蒸着法あるいは感光性樹脂をフォトリソグラフィー法によりパターニングして形成した構成について説明したが、このような材料を用いて画素規制部8を形成する場合、その厚さを50ナノメートル以下とすると、発光領域における発光の輝度分布(発光プロファイル)は均一にできるものの、本来画素規制部8により発光させない領域において、画素規制部8の微小なピンホール等が発生することにより、電極(陽極3)から画素規制部8を介しての電流漏れ(いわゆるリーク)が生じ、結果として本来の発光部とは異なる部分において発光が生じる、あるいは、電流漏れによる発光効率が低下する等の影響が生じる。
しかしながら、例えばスパッタ法等によって画素規制部8を形成すると、緻密な膜をパターニングすることが可能となり、画素規制部8の厚みを十分に薄くしても微小なピンホール等の発生による電流漏れが発生しなくなる。従って、少なくともスパッタ法によって画素規制部8を形成することによって、発光領域を規制する側の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下とすることができる。
(表2)は上記材料によって画素規制部8を構成し、この厚みを変えた場合の実験結果を示すものである。
Figure 2007059383
(表2)において、エッジ光判定は、(表1)の場合と同様、エッジ光割合Leb_b/Leb_aは図17に示す面内分布Oにおけるエッジ光の割合について判定してものである。
(表2)に示すように画素規制部8が蒸着法あるいはスパッタ法のいずれの方法により形成されていても、画素規制部8の厚みを減じるほどエッジ光の割合は減少し、画素規制部8の厚みを100ナノメートル以下にするとエッジ光の割合を1%以下のレベルに低減することができる。
一方、ピンホール判定については、本来発光すべき発光領域以外の領域における発光が明確に観察された場合は×、発光領域以外の領域における発光がわずかに観察されるあるいは発光領域における発光効率が低下した場合は△、それ以外の場合を○で判定しているが、(表2)に示すように画素規制部8の厚みを増やす程ピンホール等の発生程度は減少する。
例えば画素規制部8を蒸着法により形成する場合、画素規制部8の厚みを50ナノメートル以上にすることでピンホール等の発生を抑制することができ、さらに、画素規制部8をスパッタ法による緻密な膜により形成する場合、画素規制部8の厚みは20ナノメートル以上とすることでピンホール等の発生を抑制することができる。またいずれの場合も、画素規制部8の厚みを100ナノメートル以下にすることで、エッジ光がなく(即ち発光輝度分布の均一性が良好で)かつ所望の領域のみ発光させることが可能となる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子、露光装置および画像形成装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子における発光領域の発光輝度の均一性あるいは長期にわたる安定な発光を得ることが必要な種々の装置において利用でき、例えば複写機、マルチファンクションプリンタ、プリンタ、ファクシミリなどに適用が可能である。また有機エレクトロルミネッセンス素子は有機発光材料の選定によってRed、Green、Blueの三原色を得ることができるから、例えばRGBそれぞれの色にて露光する露光装置を用いれば、印画紙を直接露光するタイプの画像形成装置に適用することもできる。
本発明の実施例1における有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す説明図 本発明の実施例1における露光装置の構成図 (a)本発明の実施例1の露光装置に係るガラス基板の上面図、(b)本発明の要部拡大図 本発明の実施例1の露光装置に係る回路図 本発明の実施例1の露光装置に係る有機エレクトロルミネッセンス素子および駆動回路の断面図 本発明の実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子を応用した露光装置を搭載した画像形成装置の構成図 本発明の実施例1の画像形成装置における現像ステーションの周辺を示す構成図 本発明の実施例2における有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す断面図 本発明の実施例2における画素規制部の端部の形状を例示する説明図 本発明の実施例3における有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す断面図 本発明の実施例4における有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す断面図 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を示す断面図 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構造例を示す断面図 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構造例を示す断面図 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子における画素規制部の周辺を示す断面図 画素規制部が着色されている場合における迷光の状態を示す説明図 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域における発光輝度の分布を示す説明図
符号の説明
1 有機エレクトロルミネッセンス素子
2 ガラス基板
3 陽極
6 発光層
7 陰極
8,8a,8b 画素規制部
11 有機エレクトロルミネッセンス素子
12 ガラス基板
13 陽極
14 正孔輸送層
15 有機材料層
16 発光層
17 陰極
18 画素規制部
21 画像形成装置
22,22Y,22M,22C,22K 現像ステーション
28,28Y,28M,28C,28K 感光体
33,33Y,33M,33C,33K 露光装置
61 コントローラ
71 レンズアレイ
77 光量センサユニット
81 ソースドライバ
82 TFT回路
84 封止ガラス
86 光量補正データメモリ
102 TFT

Claims (20)

  1. 正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して前記発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも前記発光領域を規制する側の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して前記発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも前記発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記画素規制部を窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化シリコン、酸化アルミニウムのいずれかで構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記画素規制部を金属材料で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記画素規制部の仕事関数をWF1、前記陽極の仕事関数をWF2とするとき、前記画素規制部を仕事関数WF1が2.0[eV]<WF1<WF2を満たす金属材料で構成したことを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記画素規制部を前記端部以外の領域で前記端部より厚く構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記画素規制部を少なくとも前記発光層から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成したことを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記画素規制部をスパッタ法によって形成したことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して前記発光層の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも前記発光領域を規制する側の端部の厚みを20ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して前記発光層の発光領域を規制する複数の層からなる画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも前記発光領域を規制する側の端部の厚みを50ナノメートル以上100ナノメートル以下に構成したことを特徴とする請求項9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記画素規制部を、前記陽極または前記陰極に接して形成された第1の画素規制部と、この第1の画素規制部に接して形成され前記陽極または前記陰極の一部を被覆する第2の画素規制部から構成し、前記第2の画素規制部によって前記発光領域を規制するようにしたことを特徴とする請求項9または請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記画素規制部を、前記陽極または前記陰極に接して形成された第2の画素規制部と、この第2の画素規制部に接して形成され前記第2の画素規制部の一部を被覆する第1の画素規制部から構成し、前記第2の画素規制部によって前記発光領域を規制するようにしたことを特徴とする請求項9または請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記第1の画素規制部と前記第2の画素規制部の少なくとも一方を、少なくとも前記発光層から出射される発光波長の光を透過しない材料で構成したことを特徴とする請求項11または請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記複数の層からなる画素規制部のうち、少なくとも1つの層をスパッタ法によって形成したことを特徴とする請求項9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 正孔を注入する陽極と、発光層と、電子を注入する陰極と、前記正孔または前記電子のうち少なくとも一方の注入を制御して前記発光層の発光領域を規制する画素規制部とを有し、この画素規制部の少なくとも前記発光領域を規制する側の端部の厚みを前記発光層の厚みの2倍以下に構成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記画素規制部の厚みを20ナノメートル以上に構成したことを特徴とする請求項15記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記画素規制部の厚みを50ナノメートル以上に構成したことを特徴とする請求項15記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記画素規制部をスパッタ法によって形成したことを特徴とする請求項16記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 請求項1〜請求項18いずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を列状に配置し、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子を独立して点灯/消灯制御可能に構成したことを特徴とする露光装置。
  20. 少なくとも請求項19記載の露光装置と、前記露光装置によって静電潜像が形成される感光体と、前記感光体上に形成された静電潜像を顕画化する現像手段を有する画像形成装置。
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