JP2007058974A - 半導体集積回路及びその検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 データの消去を電気的に行う不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路において、不揮発性メモリの検査のために必要となるメモリ領域をあまり大きくせずに、効率的で間違いのない検査を可能とする。
【解決手段】 この半導体集積回路は、2次元アレイ状に配置された複数のメモリセルと、複数のメモリセルの内から少なくとも1つのメモリセルを選択する選択回路と、選択回路によって選択された少なくとも1つのメモリセルに対して、少なくとも1つのビットラインを介してデータを書き込み、又は、データを読み出す書込み/読出し回路とを具備し、複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域が、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域601と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を含む検査情報を格納した検査情報領域602とを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、データの消去を電気的に行う不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路、及び、そのような半導体集積回路の検査方法に関する。
例えば、液晶パネルのドライバICにおいては、EEPROM(エレクトロニカリー・イレーサブル・プログラマブル・リードオンリーメモリ)等の不揮発性メモリを内蔵して、従来は外付けメモリに書き込んでいた情報を、内蔵の不揮発性メモリに書き込むことが行われている。これにより、外付けメモリの削減や、液晶モジュールの低価格化が実現される。
このような液晶ドライバICを用いて携帯電話等の製品を製造するセットメーカーにおいては、工場における製品の初期設定の際に、製品の出荷管理用仕向け先IDや液晶パネル調整用データ等の情報が、液晶ドライバICに内蔵されている不揮発性メモリに予め書き込まれる。一方、半導体メーカーは、セットメーカーに対して、不揮発性メモリにおける書き換え可能回数を保証しなければならない。
ところで、半導体メーカーにおいては、液晶ドライバICに内蔵されている不揮発性メモリの検査が行われるが、不揮発性メモリにおける書き換え可能回数には限度があるので、予め定められた回数以上の書き換えを行うことは避けたい。そのために、効率的で間違いのない検査方法が要求される。
一般に、不揮発性メモリの検査は、ソート1工程→ベーク工程→ソート2工程という手順で行われる。まず、ソート1工程において、不揮発性メモリの書き換え試験を行ってデータが正常に書き換えられることを確認し、データが正常に書き換えられていることが確認できたら、リテンション試験を行うために、不揮発性メモリにテスト用データを書き込む。ここで、リテンション試験とは、ベーク前において不揮発性メモリに書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定する試験である。
次に、ベーク工程において、不揮発性メモリを、例えば、250℃程度の恒温槽に数時間投入する。その後、ソート2工程において、リテンション試験を行い、リテンション試験にパスしたら、不揮発性メモリの書き換え試験を行ってデータが正常に書き換えられることを確認し、データが正常に書き換えられていることが確認できたら、検査は終了となる。
しかしながら、従来の検査方法によれば、検査用プローブやLSIテスタ等の検査装置の不調が原因で測定がうまく出来ない場合には、不揮発性メモリの書き換え試験が繰り返し行われて、予定されている回数以上の書き換えが行われる可能性がある。その場合には、セットメーカーに対して保証できる書き換え可能回数が減少してしまう。
また、ソート2工程において、書き換え試験に失敗すると、リテンション試験におけるデータが書き換えられてしまうので、どの検査工程までが正常に行われていたかを知ることができなかった。従って、書き換え試験に失敗した場合には、ソート1工程→ベーク工程→ソート2工程という手順を繰り返さなくてはならなかった。
関連する技術として、下記の特許文献1には、フラッシュメモリのデータを変更することなく、フラッシュメモリの診断を可能とするコンピュータシステムが開示されている。これによれば、CPUと、CPUに接続されるフラッシュメモリ部とを備えたコンピュータシステムにおいて、フラッシュメモリ部に、情報書込み領域と、バックアップ領域とを備え、情報書込み領域の一部にテストプログラム領域を備え、そのテストプログラム領域に、情報書込み領域の情報をバックアップ領域にバックアップするように指示を行うバックアップ手段と、バックアップが行われた情報書込み領域の領域診断を実施させる診断指示手段と、領域診断後にバックアップ領域にバックアップされた情報を情報書込み領域の元の領域に戻す指示を行う戻し手段とを備えている。
しかしながら、フラッシュメモリ部に、テストプログラム領域と、運用ソフトウェア領域と、バックアップ領域とを備え、テストプログラム領域及び運用ソフトウェア領域に書き込まれているデータを一旦バックアップ領域に移し、検査後に元に戻すので、検査のために必要となるメモリ領域が大幅に増加してしまう。また、バックアップすべき情報が多いので、バックアップ及び戻しの処理に時間がかかるという問題がある。
特開2004−151901号公報(第1、4頁、図1)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、データの消去を電気的に行う不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路において、不揮発性メモリの検査のために必要となるメモリ領域をあまり大きくせずに、効率的で間違いのない検査を可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る半導体集積回路は、データの消去を電気的に行う不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路であって、2次元アレイ状に配置された複数のメモリセルと、複数のメモリセルの内から少なくとも1つのメモリセルを選択する選択回路と、選択回路によって選択された少なくとも1つのメモリセルに対して、少なくとも1つのビットラインを介してデータを書き込み、又は、データを読み出す書込み/読出し回路とを具備し、複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域が、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を含む検査情報を格納した検査情報領域とを含む。
ここで、検査情報が、ベーク前においてユーザ使用領域に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験の結果を表す情報をさらに含んでも良い。また、選択回路が、複数のメモリセルにおける少なくとも1つの行を選択するための行選択信号をワードラインに出力する行選択回路と、複数のメモリセルにおける少なくとも1つの列を選択するための列選択信号をカラムラインに出力する列選択回路と、列選択回路から出力される列選択信号に従って、複数のメモリセルにおける少なくとも1つの列のメモリセルを、ビットラインを介して書込み/読出し回路に接続するカラム選択スイッチとを含んでも良い。
本発明の1つの観点に係る半導体集積回路の検査方法は、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を格納する検査情報領域とを含むメモリ領域を有する不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路を、検査装置を用いて検査する方法であって、ユーザ使用領域にテスト用データを書き込み、テスト用データの読出しが正常に行われるか否かを判定する書き換え試験を行うと共に、ベーク前における書込み回数を検査情報領域に書き込むステップ(a)と、ステップ(a)において所定数の半導体集積回路について連続して読出しが正常に行われなかったときに、検査装置を点検して、それらの半導体集積回路についてステップ(a)を繰り返すステップ(b)と、ステップ(a)に先立って、ある半導体集積回路のユーザ使用領域に対するベーク前における書込み回数が第1の設定回数以上となったときに、その半導体集積回路を排除するステップ(c)と、書き換え試験を通過した半導体集積回路について、ユーザ使用領域にテスト用データを書き込むと共に、書換え回数をインクリメントして検査情報領域に書き込むステップ(d)と、ステップ(d)を通過した半導体集積回路に対してベークを行うステップ(e)と、ステップ(d)においてユーザ使用領域に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験を行うと共に、リテンション試験の結果を表す情報を検査情報領域に書き込むステップ(f)と、ステップ(f)において読出しが正常に行われたときに、書き換え試験を行うと共に、ベーク後における書込み回数を検査情報領域に書き込むステップ(g)と、所定数の半導体集積回路が連続してリテンション試験又は書き換え試験を通過できなかったときに、検査装置を点検し、それらの半導体集積回路についてステップ(f)又はステップ(g)を繰り返すステップ(h)と、ステップ(f)又はステップ(g)に先立って、ある半導体集積回路のユーザ使用領域に対するベーク後における書込み回数が第2の設定回数以上となったときに、その半導体集積回路を排除するステップ(i)とを具備する。
ここで、ステップ(f)に先立って、検査情報領域からリテンション試験の結果を表す情報の読出しを行うステップ(j)をさらに設け、ステップ(h)が、ステップ(j)において読み出されたリテンション試験の結果を表す情報に基づいて、ステップ(f)において読出しが正常に行われていなかった場合にはステップ(f)を繰り返し、ステップ(f)において読出しが正常に行われていた場合にはステップ(g)を繰り返すようにしても良い。
本発明によれば、複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域において、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を含む検査情報を格納した検査情報領域とを設けることにより、半導体集積回路の検査のために必要となるメモリ領域をあまり大きくせずに、効率的で間違いのない検査が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路に内蔵されている不揮発性メモリの構成を示すブロック図である。不揮発性メモリとしては、電気的に記憶内容を消去できるEEPROMが用いられる。
図1に示すように、半導体集積回路1は、コントロール回路10と、Yプリデコーダ20と、カラムドライバ30と、Xプリデコーダ40と、WLデコーダ50と、メモリセルアレイ60と、プログラムドライバ71と、センスアンプ72と、データ入力回路81と、データ出力回路82と、電源切換回路90とを有している。メモリセルアレイ60には、複数組のワードラインWL及びWLバー、複数のビットラインBL、複数組のカラムラインCL及びCLバーが接続されており、メモリセルアレイ60において、データの消去、書込み、読出しが行われる複数のメモリセルが、2次元アレイ状に配置されている。
コントロール回路10は、メモリセルアレイ60におけるデータの消去、書込み、読出しを制御するための各種のコントロール信号を受信して、不揮発性メモリの各部を制御する。Yプリデコーダ20は、コントロール回路10の制御の下で、指定されたメモリセルの列を表す信号を生成してカラムドライバ30に出力する。カラムドライバ30は、この信号に基づいて1組の列選択信号を生成し、1組のカラムラインCL及びCLバーを介してメモリセルアレイ60に供給する。
同様に、Xプリデコーダ40は、コントロール回路10の制御の下で、指定されたメモリセルの行を表す信号を生成してWLデコーダ50に出力する。WLデコーダ50は、この信号に基づいて1組の行選択信号を生成し、1組のワードラインWLを介してメモリセルアレイ60に供給する。
プログラムドライバ71及びセンスアンプ72は、複数のビットラインを介してメモリセルアレイ60に接続され、選択されたメモリセルに対してデータの書込み又は読出しを行う。データ入力回路81は、選択されたメモリセルに書き込まれるデータを外部から入力し、データ出力回路82は、選択されたメモリセルから読み出されたデータを外部に出力する。
電源切換回路90は、コントロール回路10の制御の下で、供給される複数種類の電源電圧を、カラムドライバ30、WLデコーダ50、メモリセルアレイ60、プログラムドライバ71、センスアンプ72、及び、その他の回路に選択的に供給する。特に、電源切換回路90は、VERスイッチ91と、VPSスイッチ92とを含んでいる。
ERスイッチ91は、メモリセルアレイ60におけるデータ消去のために用いられる消去電圧VER(本実施形態においては、20Vとする)を外部から供給され、消去動作において20Vを選択的に出力し、それ以外の動作において0Vを選択的に出力する。
また、VPSスイッチ92は、メモリセルアレイ60におけるデータ書込みのために用いられる書込み用電源電圧VPP(本実施形態においては、8Vとする)と通常の電源電圧VDD(本実施形態においては、3Vとする)とを外部から供給され、内部電源電圧VPSとして、書込み動作において8Vを選択的に出力し、それ以外の動作において3Vを選択的に出力する。
図2は、図1に示すメモリセルアレイの内部構造を示すブロック図である。図2に示すように、メモリセルアレイ60においては、複数組のワードライン(WL0/WL0バー、・・・、WLn/WLnバー)及び複数のビットライン(BL0、・・・、BLk)に接続された複数のメモリセル61が、2次元アレイ状に設置されている。以下においては、データのビット数が8ビットであるとする(k=7)。
各列のメモリセルに接続されているビットラインは、1組のカラムラインCL及びCLバーを介して供給される列選択信号によって制御されるカラム選択スイッチ62を介して、プログラムドライバ71及びセンスアンプ72(図1)に選択的に接続される。カラム選択スイッチ62としては、一般的に、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとによって構成されるアナログスイッチ(トランスミッションゲート)が用いられる。
次に、図1及び図2を参照しながら、半導体集積回路1に内蔵されている不揮発性メモリの動作について説明する。
データの消去、書込み、読出しを行う際には、コントロール回路10が、コントロール信号に従って、不揮発性メモリの各部を制御する。コントロール回路10は、コントロール信号によって指定されたメモリセルの列を指定する列アドレス信号をYプリデコーダ20に出力し、該メモリセルの行を指定する行アドレス信号をXプリデコーダ40に出力する。
コントロール回路10から列アドレス信号を受信したYプリデコーダ20は、列アドレス信号をデコードすることにより、指定されたメモリセルの列を表す信号を生成し、この信号をカラムドライバ30に出力する。カラムドライバ30は、この信号に基づいて1組の列選択信号を生成し、図2に示すカラムラインCL0/CL0バー、・・・、CLm/CLmバーの内の少なくとも1組に列選択信号を出力する。
同様に、コントロール回路10から行アドレス信号を受信したXプリデコーダ40は、行アドレス信号をデコードすることにより、指定されたメモリセルの行を表す信号を生成してWLデコーダ50に出力する。WLデコーダ50は、この信号に基づいて1組の行選択信号を生成し、図2に示すワードラインWL0/WL0バー、・・・、WLn/WLnバーの内の少なくとも1組に行選択信号を出力する。
図2に示すカラム選択スイッチ62は、カラムドライバ30から1組のカラムラインを介して1組の列選択信号が入力されるとオンして、上記ワードライン及び当該カラム選択スイッチに接続されている8個のメモリセルを選択状態とする。
データの消去を行う場合には、コントロール回路10の制御の下で、VERスイッチ91が20Vの消去電圧VERを出力することにより、メモリセルアレイ60に20Vの消去電圧VERが印加され、メモリセルアレイ60に含まれている複数のメモリセルにおいてデータの消去が行われる。
また、データの書込みを行う場合には、コントロール回路10の制御の下で、VPSスイッチ92が8Vの内部電源電圧VPSを出力することにより、メモリセルアレイ60に8Vのコントロールゲート電圧VCGが印加される。データ入力回路81は、入力された8ビットのデータをプログラムドライバ71に出力する。プログラムドライバ71が、入力された8ビットのデータに応じた書込み電圧をビットラインに印加すると、選択された8個のメモリセルに8ビットのデータが書き込まれる。
一方、データの読出しを行う場合には、コントロール回路10の制御の下で、VPSスイッチ92が3Vの内部電源電圧VPSを出力する。これに基づいて、センスアンプ72が、例えば1Vの電圧をビットラインに印加して、流れる電流を検出することにより、選択された8個のメモリセルから8ビットのデータを読み出す。また、センスアンプ72は、読み出された8ビットのデータをデータ出力回路82に出力し、データ出力回路82は、入力された8ビットのデータを外部に出力する。
図3は、図2に示すメモリセルの構成を示す回路図である。情報を記憶するためのNチャネルMOSトランジスタQN10と、消去動作において用いられるPチャネルMOSトランジスタQP11と、コントロールゲートとして用いられるNチャネルMOSトランジスタQN11とは、共通のゲート(フローティングゲート)を有している。トランジスタQN10のソースは接地されており、ドレインは、PチャネルMOSトランジスタQP12とNチャネルMOSトランジスタQN12とによって構成されるアナログスイッチ(トランスミッションゲート)を介して、ビットラインBLに接続されている。
トランジスタQP11のソースとドレインとは互いに接続されており、消去動作において、消去電圧VER(20V)が印加される。これにより、トランジスタQP11は、フローティングゲートとチャネルとの間にFNトンネル電流を流すための消去素子として機能する。また、トランジスタQN11のソースとドレインとは互いに接続されてコントロールゲートとして機能し、書込み動作において、コントロールゲート電圧VCGとして8Vがコントロールゲートに印加される。
アナログスイッチを構成するトランジスタQP12及びQN12のゲートには、ワードラインWLバー及びWLがそれぞれ接続されている。このメモリセル61に対してデータの書込み又は読出しを行う際には、ワードラインWLバーにローレベルの行選択信号が供給されると共に、ワードラインWLにハイレベルの行選択信号が供給されて、アナログスイッチがオンすることにより、トランジスタQN10のドレインがビットラインに接続される。また、1組の列選択信号が供給されることによって、図2に示す該当するカラム選択スイッチ62がオンする。これにより、このメモリセル61は選択状態となり、それ以外の場合には、メモリセルは非選択状態となる。
図4は、本発明の一実施形態において複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域を模式的に示す図である。複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域は、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域601と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を含む検査情報を格納した検査情報領域602とを含んでいる。例えば、ユーザ使用領域601は、液晶ドライバICを用いて携帯電話等の製品を製造するセットメーカー(ユーザ)が、製品の出荷管理用仕向け先IDや液晶パネル調整用データ等を格納するために用いるための領域であり、検査情報領域602は、半導体メーカーが、液晶ドライバICの検査において検査情報を格納するために用いるための領域である。なお、検査情報領域602は、通常のアドレス空間でなく、特別に設定されたアドレス空間に設けるようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路の検査方法を説明する。
図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路の検査方法を示すフローチャートである。検査工程は、大きく分けると、ソート(SORT)1工程と、ベーク工程と、ソート(SORT)2工程とに分けられる。
まず、ソート1工程において、不揮発性メモリの書き換え試験を行ってデータが正常に書き換えられることを確認し、データが正常に書き換えられていることが確認できたら、ベーク前においてユーザ使用領域601に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験を行うために、ユーザ使用領域601にテスト用データを書き込む。
次に、ベーク工程において、不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路を、例えば、250℃程度の恒温槽に数時間投入する。その後、ソート2工程において、リテンション試験を行い、リテンション試験にパスしたら、不揮発性メモリの書き換え試験を行ってデータが正常に書き換えられることを確認し、データが正常に書き換えられていることが確認できたら、検査は終了となる。
不揮発性メモリに対してデータの書込みや読出しを行う際には、不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路の複数の入力端子又は出力端子(ピンやパッド)に、プローブカードに取り付けられた複数の検査用プローブを接触させることにより、LSIテスタとの接続を行う。
しかしながら、検査用プローブの汚れによる接触不良やLSIテスタの設定ミス等により、測定がうまく出来ない場合もある。そのような場合に、不揮発性メモリの書き換え試験を繰り返して行うと、予定されている回数以上の書き換えが行われて、ユーザに対して保証できる書き換え可能回数が減少してしまう。
そこで、本実施形態においては、不揮発性メモリの検査情報領域602に、ユーザ使用領域601の書換え回数を含む検査情報を格納することにより、半導体メーカーによって実施される半導体集積回路の検査における書換え回数の上限を設定しておき、ユーザに対して保証できる書き換え可能回数を確保している。例えば、ユーザに対して保証できる書き換え可能回数を5回とするために、半導体メーカーにおいて、ソート1工程及びソート2工程の各々における書換え回数の上限が3回に設定される。
図5を参照すると、ステップS1において、検査装置が、不揮発性メモリの検査情報領域602から、ユーザ使用領域601のソート1工程における書換え回数Nの読出しを行う。書換えが行われていない場合には、書換え回数Nを読み出すことはできないが、書換えが1回以上行われている場合には、書換え回数Nとして自然数が読み出される。
ステップS2において、検査装置が、読み出された書換え回数Nが予め設定された回数N未満であるか否かを判定する。本実施形態においては、N=3とする。ソート1工程において再測が行われている場合には、検査情報領域602に再測による書換え回数Nが書き込まれており、書換え回数Nが設定回数N以上である場合には、ステップS3において、その半導体集積回路が検査から除外されて、その半導体集積回路についての検査が終了する。
書換え回数Nが設定回数N未満である場合には、ステップS4において、検査装置が、不揮発性メモリのユーザ使用領域601にテスト用データを書き込み、テスト用データの読出しが正常に行われるか否かを判定することにより、書換え試験を行う。さらに、ステップS5において、検査装置が、不揮発性メモリの検査情報領域602に、書換え回数Nを書き込む。書換え回数が2回以上の場合には、検査情報領域602に書き込まれている書換え回数Nがインクリメントされて検査情報領域602に再度書き込まれる。
ステップS4で行われた書き換え試験の結果について、ステップS6において、書き込まれたテスト用データが正常に読み出されなかった場合には、その半導体集積回路が不良である(FAIL)と判定され、ステップS7において、その半導体集積回路が検査から除外されて、その半導体集積回路についての検査が終了する。
また、ステップS6において、所定数の半導体集積回路がK回(本実施形態では、K=5)連続してFAILと判定された場合には、検査用プローブの汚れによる接触不良やLSIテスタの設定ミス等が原因と考えられるので、検査装置を点検して、これらの半導体集積回路についてステップS2から再測を行う。
ステップS6において、書き込まれたテスト用データが正常に読み出された場合には、その半導体集積回路が書換え試験を通過した良品である(PASS)と判定され、処理がステップS8に移行する。ステップS8において、検査装置が、リテンション試験のために、ベーク投入前のテスト用データをユーザ情報領域601に書き込むと共に、書込み回数Nをインクリメントして検査情報領域602に書き込む。さらに、ステップS9において、データ保持特性を温度により加速して試験するために、半導体集積回路のベークが行われる。
図6を参照すると、ベーク終了後に、ステップS10において、検査装置が、不揮発性メモリの検査情報領域602から検査情報を読み出す。検査情報には、ユーザ使用領域601のソート1工程における書換え回数N、及び、ソート2工程における書換え回数Mの他に、リテンション試験が既に行われている場合には、リテンション試験の結果を表す情報(リテンションPASS/FAIL情報)が含まれている。
ソート2工程において書換えが行われていない場合には、書換え回数Mを読み出すことはできないが、ソート2工程において書換えが1回以上行われている場合には、書換え回数Mとして自然数が読み出される。また、一度もリテンション試験が行われていない場合には、検査情報にはリテンションPASS/FAIL情報が含まれていない。
ステップS11において、検査装置が、読み出された書換え回数Mが予め設定された回数M未満であるか否かを判定する。本実施形態においては、M=3とする。ソート2工程において再測が行われている場合には、検査情報領域602に再測による書換え回数Mが書き込まれており、書換え回数Mが設定回数M以上である場合には、ステップS12において、その半導体集積回路が検査から除外されて、その半導体集積回路についての検査が終了する。
ステップS13において、検査装置が、読み出されたリテンションPASS/FAIL情報に基づいて、半導体集積回路がリテンション試験を通過(PASS)しているか否かを判定する。リテンションPASS/FAIL情報が書き込まれていない場合、又は、リテンション試験の結果が不良(FAIL)であることを表す情報が書き込まれている場合には、処理がステップS14に移行する。一方、リテンション試験の結果が良品(PASS)であることを表す情報が書き込まれている場合には、処理がステップS18に移行する。
ステップS14において、検査装置が、ステップS8においてユーザ使用領域601に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験を行う。さらに、ステップS15において、ステップS14のリテンション試験の結果を、ステップS8において書き込まれたデータが正常に読み出されたならば良品(PASS)とし、正常に読み出せなかったならば不良(FAIL)として、検査情報領域602に書き込む。
ステップS14で行われたリテンション試験の結果について、ステップS16において、書き込まれたテスト用データが正常に読み出されなかった場合には、その半導体集積回路が不良(FAIL)と判定され、ステップS17において、その半導体集積回路が検査から除外されて、その半導体集積回路についての検査が終了する。
ステップS16において、書き込まれたテスト用データが正常に読み出された場合には、その半導体集積回路が良品(PASS)と判定され、処理がステップS18に移行する。ステップS18において、検査装置が、不揮発性メモリのユーザ使用領域601にテスト用データを書き込み、テスト用データの読出しが正常に行われるか否かを判定することにより、書換え試験を行う。さらに、ステップS19において、検査情報領域602に格納されている書込み回数Mをインクリメントして、インクリメントされた書込み回数を検査情報領域602に再び書き込む。
ステップS18で行われた書き換え試験の結果について、ステップS20において、書き込まれたテスト用データが正常に読み出されなかった場合には、その半導体集積回路が不良(FAIL)と判定され、ステップS21において、その半導体集積回路が検査から除外されて、その半導体集積回路についての検査が終了する。一方、書き込まれたテスト用データが正常に読み出された場合には、その半導体集積回路が良品(PASS)と判定され、その半導体集積回路についての検査が終了する。
また、ステップS16又はS20において、所定数の半導体集積回路がK回(本実施形態では、K=5)連続してFAILと判定された場合には、検査用プローブの汚れによる接触不良やLSIテスタの設定ミス等が原因と考えられるので、検査装置を点検して、これらの半導体集積回路についてステップS10から再測を行う。ステップS10において読み出されたリテンションPASS/FAIL情報に基づいてステップS13において判定が行われ、リテンション試験の結果が不良(FAIL)であれば処理がステップS14に移行し、リテンション試験の結果が良品(PASS)であれば処理がステップS18に移行する。
このように、ソート1工程及びソート2工程の各々において書換え回数を不揮発性メモリに格納して管理することにより、設定された回数以上にデータの書換えを行うことを防ぐことができる。その結果、書換え保証回数を満たさない不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路が市場に流出してしまうことを防止できる。
また、従来は、リテンション試験後に再び書換え試験を行うと、ユーザ使用領域に格納されていたデータが書き換えられてしまうので、リテンション試験を通過したか否かが分らなくなって、ソート1工程→ベーク工程→ソート2工程の手順を繰り返さなければならなかったが、不揮発性メモリにリテンション試験のPASS/FAIL情報を格納しておくことにより、リテンション試験を通過している場合には、ソート2工程のみを再測すれば良くなる。
さらに、半導体集積回路の検査において不揮発性メモリに格納される検査情報は、書換え回数及びリテンション試験の結果を表す情報のみなので、大きなメモリ容量を必要とせず、検査情報の書込み及び読出し時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態における不揮発性メモリの構成を示すブロック図。 図1に示すメモリセルアレイの内部構造を示すブロック図。 図2に示すメモリセルの構成を示す回路図。 本発明の一実施形態におけるメモリ領域を模式的に示す図。 本発明の一実施形態に係る検査方法を示すフローチャート(前半)。 本発明の一実施形態に係る検査方法を示すフローチャート(後半)。
符号の説明
1 半導体集積回路、 10 コントロール部、 20 Yプリデコーダ、 30 カラムドライバ、 40 Xプリデコーダ、 50 WLデコーダ、 60 メモリセルアレイ、 61 メモリセル、 62 カラム選択スイッチ、 71 プログラムドライバ、 72 センスアンプ、 81 データ入力回路、 82 データ出力回路、 90 電源切換回路、 91 VERスイッチ、 92 VPSスイッチ、 601 ユーザ使用領域、 602 検査情報領域、 QP11〜QP12 PチャネルMOSトランジスタ、 QN10〜QN12 NチャネルMOSトランジスタ

Claims (5)

  1. データの消去を電気的に行う不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路であって、
    2次元アレイ状に配置された複数のメモリセルと、
    前記複数のメモリセルの内から少なくとも1つのメモリセルを選択する選択回路と、
    前記選択回路によって選択された少なくとも1つのメモリセルに対して、少なくとも1つのビットラインを介してデータを書き込み、又は、データを読み出す書込み/読出し回路と、
    を具備し、前記複数のメモリセルによって構成されるメモリ領域が、ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を含む検査情報を格納した検査情報領域とを含む、半導体集積回路。
  2. 前記検査情報が、ベーク前においてユーザ使用領域に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験の結果を表す情報をさらに含む、請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記選択回路が、
    前記複数のメモリセルにおける少なくとも1つの行を選択するための行選択信号をワードラインに出力する行選択回路と、
    前記複数のメモリセルにおける少なくとも1つの列を選択するための列選択信号をカラムラインに出力する列選択回路と、
    前記列選択回路から出力される列選択信号に従って、前記複数のメモリセルにおける少なくとも1つの列のメモリセルを、ビットラインを介して前記書込み/読出し回路に接続するカラム選択スイッチと、
    を含む、請求項1又は2記載の半導体集積回路。
  4. ユーザがデータを格納するために使用するユーザ使用領域と、半導体集積回路の検査におけるユーザ使用領域の書換え回数を格納する検査情報領域とを含むメモリ領域を有する不揮発性メモリを内蔵した半導体集積回路を、検査装置を用いて検査する方法であって、
    ユーザ使用領域にテスト用データを書き込み、テスト用データの読出しが正常に行われるか否かを判定する書き換え試験を行うと共に、ベーク前における書込み回数を検査情報領域に書き込むステップ(a)と、
    ステップ(a)において所定数の半導体集積回路について連続して読出しが正常に行われなかったときに、検査装置を点検して、それらの半導体集積回路についてステップ(a)を繰り返すステップ(b)と、
    ステップ(a)に先立って、ある半導体集積回路のユーザ使用領域に対するベーク前における書込み回数が第1の設定回数以上となったときに、その半導体集積回路を排除するステップ(c)と、
    書き換え試験を通過した半導体集積回路について、ユーザ使用領域にテスト用データを書き込むと共に、書換え回数をインクリメントして検査情報領域に書き込むステップ(d)と、
    ステップ(d)を通過した半導体集積回路に対してベークを行うステップ(e)と、
    ステップ(d)においてユーザ使用領域に書き込まれたテスト用データがベーク後において正常に読み出されるか否かを判定するリテンション試験を行うと共に、リテンション試験の結果を表す情報を検査情報領域に書き込むステップ(f)と、
    ステップ(f)において読出しが正常に行われたときに、書き換え試験を行うと共に、ベーク後における書込み回数を検査情報領域に書き込むステップ(g)と、
    所定数の半導体集積回路が連続してリテンション試験又は書き換え試験を通過できなかったときに、検査装置を点検し、それらの半導体集積回路についてステップ(f)又はステップ(g)を繰り返すステップ(h)と、
    ステップ(f)又はステップ(g)に先立って、ある半導体集積回路のユーザ使用領域に対するベーク後における書込み回数が第2の設定回数以上となったときに、その半導体集積回路を排除するステップ(i)と、
    を具備する検査方法。
  5. ステップ(f)に先立って、検査情報領域からリテンション試験の結果を表す情報の読出しを行うステップ(j)をさらに具備し、
    ステップ(h)が、ステップ(j)において読み出されたリテンション試験の結果を表す情報に基づいて、ステップ(f)において読出しが正常に行われていなかった場合にはステップ(f)を繰り返し、ステップ(f)において読出しが正常に行われていた場合にはステップ(g)を繰り返すことを含む、請求項4記載の検査方法。
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