JP2007058666A - 無線通信装置、アンテナ装置および紙葉類処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合においても、無線通信装置を構成するアンテナ装置の紙葉類の搬送路に対する組み込みを容易にする無線通信装置を提供する。
【解決手段】電磁波を利用して無線タグや非接触ICカード等の無線通信媒体との通信を行なう無線タグリーダや非接触ICカードリーダ等の無線通信装置において、アンテナ装置を、無線通信媒体が組み込まれた紙葉類を搬送する搬送ベルト4b,5bを導電性部材で構成し、この搬送ベルト4b,5bの一方の端に非接触型の信号伝送部61から非接触で電力伝送するとともに、搬送ベルト4b,5bの他方の端を非接触型の終端部62で終端することで、これら搬送ベルト4b,5bの中間部分に搬送面に対して水平な方向の電界と搬送面に対して垂直な方向の磁界をそれぞれ発生させ、これら搬送ベルト4b,5b間を無線通信媒体が移動することで当該無線通信媒体との通信を行なう構成とした。
【選択図】 図6
【解決手段】電磁波を利用して無線タグや非接触ICカード等の無線通信媒体との通信を行なう無線タグリーダや非接触ICカードリーダ等の無線通信装置において、アンテナ装置を、無線通信媒体が組み込まれた紙葉類を搬送する搬送ベルト4b,5bを導電性部材で構成し、この搬送ベルト4b,5bの一方の端に非接触型の信号伝送部61から非接触で電力伝送するとともに、搬送ベルト4b,5bの他方の端を非接触型の終端部62で終端することで、これら搬送ベルト4b,5bの中間部分に搬送面に対して水平な方向の電界と搬送面に対して垂直な方向の磁界をそれぞれ発生させ、これら搬送ベルト4b,5b間を無線通信媒体が移動することで当該無線通信媒体との通信を行なう構成とした。
【選択図】 図6
Description
本発明は、たとえば、電磁波を利用して無線タグや非接触ICカード等の無線通信媒体との通信を行なう無線タグリーダや非接触ICカードリーダ等の無線通信装置に係り、例示するならば無線通信媒体が有価証券や郵便物あるいは通行券等の紙葉類に組み込まれ固体識別される形態において、当該紙葉類が連続的にかつ高速で処理される紙葉類処理装置等に適用される無線通信装置、および、この無線通信装置に用いられるアンテナ装置に関する。
また、本発明は、上記無線通信装置およびアンテナ装置を用いた有価証券や郵便物あるいは通行券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
また、本発明は、上記無線通信装置およびアンテナ装置を用いた有価証券や郵便物あるいは通行券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
図8に、従来の紙葉類処理装置(たとえば、特許文献1参照)に適用される無線タグリーダ等の無線通信装置を概略的に示している。無線通信媒体(無線タグ等)10(実際には紙葉類に組み込まれている。本明細書中は紙葉類に組み込まれたものを含めた意味で表現する)は、搬送路7により図示矢印a方向に速度v[m/s]で搬送される。搬送路7の途中には、無線通信装置20の通信用のアンテナ装置21が設置されている。
搬送路7を搬送される無線通信媒体10は、無線通信装置20の通信エリア8内に進入すると、アンテナ装置21から放射される電磁波により動作用の電力を供給され、当該無線通信媒体10の動作電源電圧に到達すると、無線通信装置20からのポーリングコマンド受付可能状態となる。
無線通信装置20は、図9に示すように、一定周期でポーリングコマンド(無線通信信号)を送出しており、それを受信した無線通信媒体10からの応答を受信したら通信完了となり、再度ポーリングコマンド送出状態となる。
無線通信装置20は、図9に示すように、一定周期でポーリングコマンド(無線通信信号)を送出しており、それを受信した無線通信媒体10からの応答を受信したら通信完了となり、再度ポーリングコマンド送出状態となる。
従来、このような無線通信装置を、無線通信媒体が組み込まれた紙葉類を連続的にかつ高速で処理する紙葉類処理装置等に適用して、無線通信媒体に格納されたデータ等を読取る場合、無線通信装置のアンテナ装置を大型化する、あるいは、複数のアンテナ装置を紙葉類の移動方向に並設して紙葉類の通信エリアへの進入に合せてアンテナ装置を順次切換えて通信を行なう等により対応している(たとえば、特許文献2,3参照)。
特開2003−296786号公報
特開2000−105800号公報
特開2002−216092号公報
しかしながら、上記した従来の技術によれば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速で連続的に処理する場合において、紙葉類の搬送経路に沿って無線通信装置を組み込む際に、特に、今後普及が予想される微小なアンテナを持つ超小型無線通信媒体と通信を行なう際に、無線通信装置のアンテナ装置を従来のようなプリント基板等で構成する場合、紙葉類の搬送路が搬送ベルトやローラ等からなる複雑な構成のため、搬送路への無線通信装置のアンテナ装置の組み込みが困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、たとえば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合においても、無線通信装置を構成するアンテナ装置の紙葉類の搬送路に対する組み込みを容易にする無線通信装置、アンテナ装置および紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置は、無線通信媒体の搬送方向に沿って平行に配設され、当該無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの隣り合う搬送ベルトに所定の位相角をシフトさせた信号を与える信号伝送手段と、この信号伝送手段により所定の位相角シフトしている信号が与えられた前記複数の搬送ベルトをアンテナとして、前記複数の搬送ベルトで搬送される前記無線通信媒体と信号を送受信する通信手段とを具備している。
また、本発明のアンテナ装置は、無線通信媒体の搬送方向に沿って平行に配設され、当該無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、前記複数の搬送ベルトに対して、前記無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生させるための信号を与える信号伝送手段とを具備している。
さらに、本発明の紙葉類処理装置は、紙葉類の識別情報を記憶する無線通信媒体が取り付けられている紙葉類を搬送し、これら紙葉類を仕分けあるいは検査する紙葉類処理装置において、紙葉類の搬送経路の所定区間に対して紙葉類の搬送方向に沿って平行に配設され、前記紙葉類を搬送するもので、当該紙葉類の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの隣り合う搬送ベルトに所定の位相角をシフトさせた信号を与える信号伝送手段と、この信号伝送手段により所定の位相角シフトしている信号が与えられた前記複数の搬送ベルトをアンテナとして、前記複数の搬送ベルトで搬送される前記紙葉類の無線通信媒体と信号を送受信する通信手段と、この通信手段を介して受信した前記無線通信媒体に記憶される識別情報にしたがって、当該無線通信媒体が取り付けられた紙葉類を搬送処理する搬送処理手段とを具備している。
本発明によれば、たとえば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合においても、無線通信装置を構成するアンテナ装置の紙葉類の搬送路に対する組み込みを容易にする無線通信装置、アンテナ装置および紙葉類処理装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、たとえば、2.45GHz帯を使用した無線通信媒体が内蔵電池を持たず無線通信装置からの電磁波によりその電力の供給を受け通信処理を行なう形態のものについて説明する。
なお、本実施の形態では、たとえば、2.45GHz帯を使用した無線通信媒体が内蔵電池を持たず無線通信装置からの電磁波によりその電力の供給を受け通信処理を行なう形態のものについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信媒体、無線通信装置、アンテナ装置および紙葉類処理装置の構成を概略的に示すものである。なお、紙葉類処理装置の搬送経路に対する無線通信装置とアンテナ装置の設置状態は図8と同様であるので、その説明は省略し、同一部分には同一符号を付して説明する。
まず、無線通信媒体10について説明する。無線通信媒体10は、通信用アンテナ11、変調部12、整流・復調部13およびメモリ部14によって構成されていて、これらのうち変調部12、整流・復調部13およびメモリ部14は1つのICチップ15により形成されている。
無線通信媒体10としては、たとえば、図2(a)に示すように、アンテナ11として微小ループアンテナを内蔵し、必要な磁界Hの方向(必要磁場方向)がアンテナ平面に対して垂直方向となる無線タグタイプのものと、図2(b)に示すように、アンテナ11が外付けされた無線タグタイプのものとがあるが、本実施の形態では図2(a)の無線タグタイプのものを用いた場合について説明する。なお、図2内の破線矢印は、アンテナ11に対する必要磁界の方向を示している。
無線通信媒体10においては、搬送されながら無線通信装置20の通信エリア8内に進入すると、無線通信装置20のアンテナ装置21からの電磁波がアンテナ11で受信され、その受信電波は整流・復調部13で整流されて直流電源に変換され、当該無線通信媒体10の動作電源となる。
無線通信媒体10は、この生成された直流電源により動作可能状態となり、無線通信装置20からのポーリングコマンド(無線通信信号。本例では、このポーリングコマンドが無線通信媒体に対しての記憶データ送信コマンドとして定義されているものとする)を受信し、内部メモリ部14からあらかじめ設定されたデータ(たとえば、当該無線通信媒体が取り付けられた紙葉類を識別する識別情報等)を送出する。この送信データは変調部12で変調処理される。変調部12は、ダイオードスイッチなどで構成されており、送信データの状態に応じてオン/オフと切換る。データが“1”のときオンとなり、アンテナ11はアンテナインピーダンスで終端され、その結果、無線通信装置20からの電磁波は吸収される。データが“0”のときはオフとなり、つまりダイオードスイッチはオープン状態になり、アンテナ11の終端もオープン状態になり、その結果、無線通信装置20からの電磁波は反射される。
無線通信媒体10は、以上のようなバックスキャッタ方式により無線通信装置20へデータを送信する。
無線通信媒体10は、以上のようなバックスキャッタ方式により無線通信装置20へデータを送信する。
次に、無線通信装置20について説明する。無線通信装置20は、アンテナ装置21、サーキュレータ22、ミキサ23,24、発振器25、復調部26、ベースバンド処理部27、上位インタフェイス部28および通信制御部29によって構成されている。
無線通信装置20においては、無線通信媒体10への送信方向では、紙葉類処理装置300の制御装置、ホストコンピュータなどの上位装置30からの読出し指示により、上位インタフェイス部28を介して通信制御部29へ通知され、ベースバンド処理部27に読出しコマンドが発行される。
ベースバンド処理部27では、その読出しコマンドに基づき送信データとしての編集、フィルタリングが行なわれ、その送信データはベースバンド信号としてミキサ24に送られ、ASK変調(振幅偏移変調)される。ASK変調された信号は、サーキュレータ22を介してアンテナ装置21から電磁波として放射され、無線通信媒体10へ送信される。
この送信電波は、前述のように無線通信媒体10にてバックスキャッタ方式にて反射され、その信号がアンテナ装置21で受信され、送信時と同一ローカル周波数が入力されているミキサ23に入力され、ミキサ23から無線通信媒体10での変調信号が抽出される。
復調部26では、その抽出信号から“1”、“0”のデータへの復調が行なわれ、ベースバンド処理部27へ送られ、データが抽出される。抽出されたデータは、上位インタフェイス部28を介して上位装置30へ送信される。
無線通信装置20は、以上のようにして無線通信媒体10のメモリ部14に記憶されているデータを非接触で読出すことが可能となる。
無線通信装置20は、以上のようにして無線通信媒体10のメモリ部14に記憶されているデータを非接触で読出すことが可能となる。
紙葉類処理装置300は、無線通信装置20により読出した無線通信媒体10に記憶されたデータ(識別情報)にしたがって(利用して)、当該無線通信媒体10が取り付けられた紙葉類の搬送処理を制御する。
以下、本発明に係る無線通信装置20のアンテナ装置21の原理について説明する。
図3(a)はアンテナ装置21の構成を模式的に示し、図3(b)はアンテナ装置21の構成を示すブロック図である。すなわち、たとえば、誘電体で構成されたベースとなる基板41上に銅箔パターン等により複数の伝送路としての2本の平行伝送路421,422が無線通信媒体10(紙葉類)の搬送経路の所定区間に対して、その搬送方向に沿って平行に形成されている。
また、平行伝送路421,422は、図4に示すように、無線通信媒体10の必要磁界H方向に磁場を発生するように、無線通信媒体10の平面に対して平行面に、無線通信媒体10を間にして位置するように配置される。
図3(a)はアンテナ装置21の構成を模式的に示し、図3(b)はアンテナ装置21の構成を示すブロック図である。すなわち、たとえば、誘電体で構成されたベースとなる基板41上に銅箔パターン等により複数の伝送路としての2本の平行伝送路421,422が無線通信媒体10(紙葉類)の搬送経路の所定区間に対して、その搬送方向に沿って平行に形成されている。
また、平行伝送路421,422は、図4に示すように、無線通信媒体10の必要磁界H方向に磁場を発生するように、無線通信媒体10の平面に対して平行面に、無線通信媒体10を間にして位置するように配置される。
そして、サーキュレータ22からの入力信号を信号分配回路としての等分配器(たとえば、ウィルキンソンディバイダ等)43にて2つに等分配し、一方の信号はそのまま一方の平行伝送路421に供給し、他方の信号のみに対し位相シフト回路としての位相シフト部44で位相を180度シフトして他方の平行伝送路422に供給する。また、平行伝送路421,422の信号入力端に対する遠端に当該平行伝送路421,422の特性インピーダンス値と同等の抵抗値を持つ終端回路としての終端部45を接続する。
以上のような構成により、平行伝送路421,422の中間部分には、図3(a)および図4に示すようなアンテナ面(基板41の面)に対して水平な方向の電界Eと、アンテナ面(基板41の面)に対し垂直な方向の磁界Hがそれぞれ発生する。この場合、平行伝送路421,422のインピーダンス整合がとれていることにより、平行伝送路421,422に供給された信号は進行波となり、信号の入力側から終端側までの間で均一な磁界が形成される。
このような平行伝送路421,422の間を、搬送路7で搬送される無線通信媒体10が当該平行伝送路421,422に沿って移動することによって、当該無線通信媒体10は無線通信装置20から一定な電力の供給を受け、無線通信装置20のアンテナ装置21上を通過中に通信処理を行なえる(所定の通信が正常に実行、終了できる)。
このような構成は、特に無線通信装置20のアンテナ装置21近傍において無線通信媒体10と誘導結合による電力供給で通信を行なう場合や、無線通信媒体10が微小ループアンテナを持つようなアンテナ内蔵型無線タグに電力供給する場合に適する。
なお、平行伝送路421,422の間隔により、平行伝送路421,422間に発生する磁界強度が変動するので、必要とされる磁界強度に応じて平行伝送路421,422の間隔を決定する。
また、平行伝送路421,422の長さL[m]は、搬送路7の搬送速度、すなわち、無線通信媒体10の搬送速度(移動速度)v[m/s]と無線通信装置20と無線通信媒体10との通信処理に要する時間t[s]とにより、
L=v×t
の長さ以上が必要となる。
L=v×t
の長さ以上が必要となる。
また、無線通信媒体10と無線通信装置20との通信データ量の増加による処理時間の延長や、無線通信媒体10の搬送速度の高速化に対応する場合は、平行伝送路421,422の長さLをそのまま延長することで容易に対応可能である。
次に、本発明の実施の形態に係る無線通信装置20のアンテナ装置21とそれに関連する部分について詳細に説明する。
図5および図6は、アンテナ装置21とそれに関連する部分の構成を模式的に示している。すなわち、まず、図5(a)に示すように、搬送路7を平行に配設された2対の搬送ベルト4a,4b、5a,5bとこれを支持する複数のローラ6で構成し、これら2対の搬送ベルト4a,4b、5a,5bにより無線通信媒体10が組み込まれた紙葉類を挟持搬送するように構成する。
図5および図6は、アンテナ装置21とそれに関連する部分の構成を模式的に示している。すなわち、まず、図5(a)に示すように、搬送路7を平行に配設された2対の搬送ベルト4a,4b、5a,5bとこれを支持する複数のローラ6で構成し、これら2対の搬送ベルト4a,4b、5a,5bにより無線通信媒体10が組み込まれた紙葉類を挟持搬送するように構成する。
そして、図5(b)に示すように、2対の搬送ベルト4a,4b、5a,5bの各他方の搬送ベルト4b,5bを導電性の部材(たとえば、スチールベルト等)で形成し、これら導電性の搬送ベルト4b,5bを前記平行伝送路421,422として使用する。ここに、搬送ベルト4b(4a),5b(5a)の間隔は、その中間部分を通過する無線通信媒体10が必要とする磁界強度を発生する間隔S[mm]に設定され(2本の搬送ベルト間隔が小さいほどその中間には強い磁界が発生する)、また、搬送ベルト4b(4a),5b(5a)の幅はd[mm]に設定されているものとする。
次に、図6に示すように、導電性の搬送ベルト4b,5bの搬入端において、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように、搬送ベルト4b,5bの隣り合う搬送ベルトに所定の位相角をシフトさせた信号を与える信号伝送手段としての非接触型の信号伝送部61を非接触状態で近接して配設する。
ここに、搬送ベルト4b,5bの搬入端において信号伝送部61と重なる部分の長さは、たとえば、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さに設定される。なお、ここでは伝送信号の周波数が2.45GHzであるので、1波長は12.24cmであり、1/4波長は3.06cmとなる。
また、導電性の搬送ベルト4b,5bの搬入端に対する搬出端において、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように、搬送ベルト4b,5bの搬出端を接続する終端手段としての非接触型の終端部62を非接触状態で近接して配設する。
ここに、搬送ベルト4b,5bの搬出端において終端部62と重なる部分の長さは、信号伝送部61と同様に、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さ(3.06cm)に設定される。
信号伝送部61は、たとえば、図7(a)に示すように、サーキュレータ22からの信号伝送ラインと接続されるコネクタ46、コネクタ46から入力される信号を導電性の搬送ベルト4b,5bに対しそれぞれ分配する等分配器(信号分配器)43、等分配器43により分配され搬送ベルト4b,5bに供給される信号に対し隣り合う搬送ベルトの位相を180度シフトさせる位相シフト部44、位相シフト部44から出力される各信号を前記複数の搬送ベルトに伝達するもので、複数の搬送ベルト4b,5bと同一の間隔S[mm]で、かつ、搬送ベルト4b,5bと同一の幅d[mm]を有し、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さを有する2つの導電体(たとえば、印刷による導電パターン)48a,48bからなる誘導結合部48から構成されている。
なお、誘導結合部48の導電体48a,48bと位相シフト部44のラインとはインピーダンスが異なるため、両者の間にはインピーダンス変換部47が接続されている。
なお、誘導結合部48の導電体48a,48bと位相シフト部44のラインとはインピーダンスが異なるため、両者の間にはインピーダンス変換部47が接続されている。
ここに、誘導結合部48の導電体48a,48bの長さは、前記信号伝送部61および終端部62と同様に、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さ(3.06cm)に設定される。
誘導結合部48の導電体48a,48bは、図6(b)に示すように、搬送ベルト4b,5bの搬入端において、搬送ベルト4b,5bとそれぞれ非接触状態で相対応して配設される。この場合、搬送ベルト4b,5bと導電体48a,48bとの間隔は、信号伝送部61と搬送ベルト4b,5bとの間の結合作用により信号伝送部61から搬送ベルト4b,5bへ最大電力が伝達される所定の間隔(ここでは、たとえば1mm)に設定される。
終端部62は、たとえば、図7(b)に示すように、複数の搬送ベルト4b,5bと同一の間隔S[mm]で、かつ、搬送ベルト4b,5bと同一の幅d[mm]を有し、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さを有する2つの導電体(たとえば、印刷による導電パターン)49a,49bからなる誘導結合部49、誘導結合部49の導電体49a,49bにそれぞれ接続され、搬送ベルト4b,5bが有するインピーダンス値と同等の抵抗値を有する抵抗体50から構成されている。
ここに、誘導結合部49の導電体49a,49bの長さは、前記誘導結合部48の導電体48a,48bと同様に、搬送ベルト4b,5bに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さ(3.06cm)に設定される。
誘導結合部49の導電体49a,49bは、図6(b)に示すように、搬送ベルト4b,5bの搬出端において、搬送ベルト4b,5bとそれぞれ非接触状態で相対応して配設される。この場合、搬送ベルト4b,5bと導電体49a,49bとの間隔は、前記誘導結合部48の導電体48a,48bと同様に、所定の間隔(ここでは、たとえば1mm)に設定される。
このような構成において、サーキュレータ22からの入力信号は等分配器43にて2つに等分配され、分配された一方の信号はそのままインピーダンス変換部47および一方の導電体48aを介して一方の搬送ベルト4bの一端に供給され、分配された他方の信号のみに対し位相シフト部44で位相を180度シフトした後、インピーダンス変換部47および他方の導電体48bを介して他方の搬送ベルト5bの一端に供給される。
この場合、前述したように、非接触型の信号伝送部61内の伝送信号の周波数の1/4波長の長さに設定された導電体48a,48bからなる誘導結合部48と搬送ベルト4b,5bの搬入端の伝送信号の周波数の1/4波長の長さ部分とが所定の間隔(ここでは1mm)にて配置されている。この配置により、信号伝送部61と搬送ベルト4b,5bとの間の結合作用により信号伝送部61から搬送ベルト4b,5bへ最大電力が伝達される。
同様に、導電性の搬送ベルト4b,5bが形成する伝送路上の定在波の発生を防ぐ目的で伝送路を終端するための非接触型の終端部62において、伝送信号の周波数の1/4波長の長さに設定された導電体49a,49bからなる誘導結合部49と搬送ベルト4b,5bの搬出端の伝送信号の周波数の1/4波長の長さ部分とが所定の間隔(ここでは1mm)にて配置されている。
この配置により、終端部62と搬送ベルト4b,5bとの間の結合作用により搬送ベルト4b,5bから終端部62へ最大電力が伝達され、終端部62の抵抗体50にて伝達された電力が吸収される。その結果として、終端部62が搬送ベルト4b,5bの伝送路終端として作用し、伝送路が終端される。
以上のような構成により、搬送ベルト4b,5bは紙葉類搬送のため高速回転しながら無線通信装置20の信号伝送部61から非接触で電力供給を受けて平行伝送路が形成され、前述の通り2本の搬送ベルト4b,5bの中間部分に搬送面に対して垂直方向に磁界が形成され、紙葉類に組み込まれた無線通信媒体10が2本の搬送ベルト4b,5bの中間部分を通過することにより、当該無線通信媒体10は電力供給を受け、無線通信装置20との通信処理を行なう。
以上説明したように、上記実施の形態によれば、無線通信媒体10が組み込まれた紙葉類を搬送する搬送ベルト4b,5bを導電性部材で構成し、この導電性の搬送ベルト4b,5bに対し信号伝送部61から非接触で電力伝送することが可能となる。
また、搬送ベルト4b,5bと信号伝送部61の誘導結合部48との重なる部分の長さを伝送信号の周波数の波長の4分の1の長さとすることにより、常に最大電力供給することが可能となる。
これにより、無線通信装置20を構成するアンテナ装置21の紙葉類の搬送路に対する組み込みが極めて容易となる。
また、搬送ベルト4b,5bと信号伝送部61の誘導結合部48との重なる部分の長さを伝送信号の周波数の波長の4分の1の長さとすることにより、常に最大電力供給することが可能となる。
これにより、無線通信装置20を構成するアンテナ装置21の紙葉類の搬送路に対する組み込みが極めて容易となる。
また、搬送ベルト4b,5bと信号伝送部61の誘導結合部48とを非接触で近接して配置し、かつ、搬送ベルト4b,5bと終端部62とを非接触で近接して配置することにより、導電性の搬送ベルト4b,5bに対し電力を伝送し、かつ、終端部62により終端された搬送ベルト4b,5bが形成する電磁界が当該搬送ベルト4b,5bの近傍にて均一となる構成としたので、搬送ベルト4b,5bが高速で回転しても、信号伝送部61と終端部62が非接触型であるため、搬送ベルト4b,5bと信号伝送部61、また搬送ベルト4b,5bと終端部62との間の接点劣化の発生を防ぐことができ、その結果として無線通信媒体10との間で常に安定した無線通信を行なうことができる。
なお、前記実施の形態では、搬送ベルト4b,5bと信号伝送部61の誘導結合部48との重なる部分の長さを伝送信号の周波数の波長の4分の1の長さとした場合について説明したが、信号伝送部61の配置する位置により重なる部分の長さを、上記1/4波長の長さに対し長くする、あるいは、短くする手段を設けることにより、電力伝送量を可変することが可能である。この構成により、搬送ベルト4b,5bが形成する磁界強度を調整することができ、無線通信媒体10との通信距離の調整や無線通信装置20からの不要輻射の防止等の効果が得られる。
また、同様に、信号伝送部61の配置する位置により、搬送ベルト4b,5bと重なる部分の間隔を大きくする、あるいは、小さくする手段を設けることにより、電力伝送量を可変することが可能である。この構成により、搬送ベルト4b,5bが形成する磁界強度を調整することができ、無線通信媒体10との通信距離の調整や無線通信装置20からの不要輻射の防止等の効果が得られる。
また、前記実施の形態では、紙葉類の搬送ベルトを2つ(2対)とした場合について説明したが、搬送ベルトが3つ(3対)以上の複数個で構成した場合についても同様に適用可能である。
さらに、前記実施の形態にて説明した紙葉類には、前記説明で例示した有価証券(銀行券、紙幣等を含む)の他に、銀行カードやクレジットカードなどのカード媒体も含まれるものとする。
4a,5a…搬送ベルト、4b,5b…導電性の搬送ベルト、6…ローラ、7…搬送路、8…通信エリア、10…無線通信媒体、11…通信用アンテナ、12…変調部、13…整流・復調部、14…メモリ部、15…ICチップ、20…無線通信装置、21…アンテナ装置、22…サーキュレータ、23,24…ミキサ、25…発振器、26…復調部、27…ベースバンド処理部、28…上位インタフェイス部、29…通信制御部、30…上位装置、41…基板、421,422,423…平行伝送路(伝送路)、43…等分配器(信号分配器)、44…位相シフト部、45…終端部、46…コネクタ、47…インピーダンス変換部、48a,48a…導電体、48…誘導結合部、49a,49b…導電体、49…誘導結合部、50…抵抗体、61…非接触型の信号伝送部、62…非接触型の終端部。
Claims (18)
- 無線通信媒体の搬送方向に沿って平行に配設され、当該無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、
この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの隣り合う搬送ベルトに所定の位相角をシフトさせた信号を与える信号伝送手段と、
この信号伝送手段により所定の位相角シフトしている信号が与えられた前記複数の搬送ベルトをアンテナとして、前記複数の搬送ベルトで搬送される前記無線通信媒体と信号を送受信する通信手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。 - 前記複数の搬送ベルトの一方の端において前記信号伝送手段と重なる部分の長さは、前記複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さであることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
- 前記信号伝送手段は、
入力される信号を前記複数の搬送ベルトに対しそれぞれ分配する信号分配器と、
この信号分配器により分配され前記複数の搬送ベルトにそれぞれ供給される複数の信号に対し、隣り合う搬送ベルトの位相を所定の角度シフトさせる位相シフト部と、
この位相シフト部から出力される各信号を前記複数の搬送ベルトに伝達するもので、複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。 - 前記信号伝送手段は、前記位相シフト部と前記誘導結合部の各導電体との間に接続されたインピーダンス変換部をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載の無線通信装置。
- 前記複数の搬送ベルトの一方の端に対する他方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの他方の端を接続する終端手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
- 前記終端手段は、
前記複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、かつ、当該複数の搬送ベルトと同一の幅および前記複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
この誘導結合部の各導電体にそれぞれ接続され、前記複数の搬送ベルトが有するインピーダンス値と同等の抵抗値を有する抵抗体と、
を具備したことを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。 - 前記誘導結合部の各導電体の重なり長さは、前記複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さであることを特徴とする請求項3または請求項6記載の無線通信装置。
- 無線通信媒体の搬送方向に沿って平行に配設され、当該無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、
この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、前記複数の搬送ベルトに対して、前記無線通信媒体の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生させるための信号を与える信号伝送手段と、
を具備したことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記複数の搬送ベルトの一方の端において前記信号伝送手段と重なる部分の長さは、前記複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さであることを特徴とする請求項8記載のアンテナ装置。
- 前記信号伝送手段は、
入力される信号を前記複数の搬送ベルトに対しそれぞれ分配する信号分配器と、
この信号分配器により分配され前記複数の搬送ベルトにそれぞれ供給される複数の信号に対し、隣り合う搬送ベルトの位相を所定の角度シフトさせる位相シフト部と、
この位相シフト部から出力される各信号を前記複数の搬送ベルトに伝達するもので、複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
を具備したことを特徴とする請求項8記載のアンテナ装置。 - 前記信号伝送手段は、前記位相シフト部と前記誘導結合部の各導電体との間に接続されたインピーダンス変換部をさらに具備したことを特徴とする請求項10記載のアンテナ装置。
- 前記複数の搬送ベルトの一方の端に対する他方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの他方の端を接続する終端手段をさらに具備したことを特徴とする請求項8記載のアンテナ装置。
- 前記終端手段は、
前記複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
この誘導結合部の各導電体にそれぞれ接続され、前記複数の搬送ベルトが有するインピーダンス値と同等の抵抗値を有する抵抗体と、
を具備したことを特徴とする請求項12記載のアンテナ装置。 - 前記誘導結合部の各導電体の重なり長さは、前記複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数の波長の4分の1の長さであることを特徴とする請求項13記載のアンテナ装置。
- 紙葉類の識別情報を記憶する無線通信媒体が取り付けられている紙葉類を搬送し、これら紙葉類を仕分けあるいは検査する紙葉類処理装置において、
紙葉類の搬送経路の所定区間に対して紙葉類の搬送方向に沿って平行に配設され、前記紙葉類を搬送するもので、当該紙葉類の搬送面に対して垂直方向の磁場を発生してアンテナとして機能する導電性を有する部材で形成された複数の搬送ベルトと、
この複数の搬送ベルトの一方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの隣り合う搬送ベルトに所定の位相角をシフトさせた信号を与える信号伝送手段と、
この信号伝送手段により所定の位相角シフトしている信号が与えられた前記複数の搬送ベルトをアンテナとして、前記複数の搬送ベルトで搬送される前記紙葉類の無線通信媒体と信号を送受信する通信手段と、
この通信手段を介して受信した前記無線通信媒体に記憶される識別情報にしたがって、当該無線通信媒体が取り付けられた紙葉類を搬送処理する搬送処理手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類処理装置。 - 前記信号伝送手段は、
入力される信号を前記複数の搬送ベルトに対しそれぞれ分配する信号分配器と、
この信号分配器により分配され前記複数の搬送ベルトにそれぞれ供給される複数の信号に対し、隣り合う搬送ベルトの位相を所定の角度シフトさせる位相シフト部と、
この位相シフト部から出力される各信号を前記複数の搬送ベルトに伝達するもので、複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
を具備したことを特徴とする請求項15記載の紙葉類処理装置。 - 前記複数の搬送ベルトの一方の端に対する他方の端において、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の長さ重なるように非接触状態で近接して配設され、当該複数の搬送ベルトの他方の端を接続する終端手段をさらに具備したことを特徴とする請求項15記載の紙葉類処理装置。
- 前記終端手段は、
前記複数の搬送ベルトに対して平行かつ非接触状態で配設され、当該複数の搬送ベルトに与えられる信号の周波数によって決定される所定の重なり長さを有する複数の導電体からなる誘導結合部と、
この誘導結合部の各導電体にそれぞれ接続され、前記複数の搬送ベルトが有するインピーダンス値と同等の抵抗値を有する抵抗体と、
を具備したことを特徴とする請求項17記載の紙葉類処理装置。
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AT06004647T ATE393973T1 (de) | 2005-06-07 | 2006-03-07 | Funkübertragungssystem, antennenvorrichtung und verfahren zur bogenbearbeitung |
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