JP2007058329A - 預金管理方法、預金管理システム、及び預金管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 金融機関の口座での自動引落不能を回避しながら、できるだけ多くの資金を社内預金に預け入れることを可能として、社内預金制度を有効に活用することを課題とする。
【解決手段】 金融機関の口座における過去の取引の実績情報に基づいて将来の取引の予測情報を作成し、この予測情報と残高から将来の残高を計算し、その残高が予め設定した基準値を下回ることとなったときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、残高の不足額を前記口座に入金させるように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 金融機関の口座における過去の取引の実績情報に基づいて将来の取引の予測情報を作成し、この予測情報と残高から将来の残高を計算し、その残高が予め設定した基準値を下回ることとなったときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、残高の不足額を前記口座に入金させるように構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、社内預金システムと金融機関の口座とを連携させて預金管理を行う預金管理方法、預金管理システム、及び預金管理プログラムに関し、コンピュータを用いた資金管理技術の分野に属する。
一般に、会社に設けられる社内預金システムは、銀行や郵便局の預金や貯金等に比べて金利が高く設定されて、社員に対する福利厚生制度として活用されると共に、会社にとっては資金調達手段として利用されるものであり、したがって、社員が受給した給与や賞与等は、そのうちのできるだけ多くを社内預金に預け入れることが、社員及び会社にとって望ましいこととなる。
一方、社員は、一般の生活者として、銀行や郵便局等の金融機関に口座(以下、「銀行口座」又は単に「口座」という)を開設し、各種公共料金の自動支払いやクレジットカードの支払い、或いは年金の受け取り等に利用するのが通例であるが、公共料金やクレジットカード等の支払いに利用する場合は、その引落に十分な額の残高を常に確保しておくことが必要であり、これを怠って支払いに支障をきたした場合には信用を落とす結果となる。
しかし、前記のような支払いの額は月々異なるものが少なくなく、そのため、給与や賞与から銀行口座に支払い資金を入金する場合には、残高が不足しないように、最も支払いが多くなる場合を想定して多めに設定した額を入金することになる。その結果、給与や賞与から社内預金への入金額が必要以上に制限され、社内預金制度の前記のようなメリットが効果的に実現されないこととなる。
なお、特許文献1には、自動引落等に用いる口座を管理するためのシステムとして、1つ又は2つ以上の金融機関に複数の口座を有するユーザーを対象とし、これらの口座間での入金情報、出金情報、及び資金移動の指示情報等を一元的に管理することにより、ある口座において自動引落により残高が不足することになる場合に他の口座から資金を移動するといった処理を可能としたシステムが開示されている。これによれば、例えば引落不能といった事態を未然に回避することができるようになるなど、資金の管理が適切に行われることになる。
ところで、銀行口座の残高が不足しないようにするために社内預金への入金が制限されるという前記の問題に対しては、給与等から銀行口座への支払い資金の入金時に、次の入金時までの出金予定や入金予定を考慮して必要最小限の額を入金するようにして、その分、社内預金への入金額を多くすることが考えられる。
しかし、前述のように、各種料金等の支払い額は月々異なるものが少なくなく、また、入金についても隔月のものや不定期のものがあるので、銀行口座への支払い資金の入金額を必要最小限の額にその都度設定することはきわめて面倒であり、また、その入金額の設定が正しく行われないと、次の入金時までに残高不足を生じるおそれがある。
そこで、本発明は、過去の入出金取引の実績に基づいて銀行口座の将来の残高を予測し、給与等の受給時に、その予測残高に基づいて銀行口座への入金額を適切に設定することにより、社内預金への入金額を必要以上に制限することを回避すると共に、残高の不足が予測されたときには、社内預金から銀行口座への資金の移動処理を自動的に行うようにし、これにより、銀行口座における引落不能等の事態を確実に回避しながら、社内預金制度を最大限に利用可能とすることを課題とする。また、社内預金全体の今後一定期間の残高の推移を予測することにより、会社の資金利用計画に資することを課題とする。
なお、前記特許文献1に開示されたシステムは、銀行口座と社内預金とを連携させるものではなく、また、口座間の資金の移動をユーザーが指示して行わなければならない不便さがあり、前記課題を解決できるものではない。
本発明は、前記課題を解決するため、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、会社に設けられた社内預金システムと、社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理する方法に関するものであって、金融機関から提供される前記口座の取引の実績情報に基づいて将来の口座取引を予測すると共に、この予測した情報と金融機関から提供される前記口座の残高とから将来の口座残高を算出し、将来の残高が予め設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させると共に、不足額を前記口座に入金させるように指示することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の方法において、給与又は賞与の支給時には、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させるように指示することを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の方法において、社内預金システムから提供される社内預金の入出金の実績情報と、社内預金に対する指示に基づく入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金を予測すると共に、この予測した情報と社内預金システムから提供される各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出することを特徴とする。
一方、請求項4に記載の発明は、社内預金システムを有する会社に備えられ、コンピュータを用いて、前記社内預金システムと社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理するシステムに関するものであって、金融機関の口座に確保する残高の基準値を設定する基準残高設定手段と、金融機関から提供される口座残高と取引の実績情報とを取得する口座情報取得手段と、該取得手段で取得した実績情報に基づいて将来の口座取引の予測情報を作成する予測情報作成手段と、該予測情報作成手段で作成した予測情報と前記口座情報取得手段で取得した口座残高とから将来の口座残高を算出する口座残高算出手段と、該算出手段で算出した残高が前記基準残高設定手段で設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、不足額を前記口座に入金させる入出金指示手段とを有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載のシステムにおいて、金融機関から口座取引の予定が確定した確定情報を取得する確定情報取得手段を有し、口座残高算出手段は、同一の取引について前記予測情報作成手段で作成した予測情報と前記確定情報取得手段で取得した確定情報とが存在するときは確定情報のみを用い、いずれか一方の情報のみが存在するときはその情報を用いて口座残高を算出することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は請求項5に記載のシステムにおいて、入出金指示手段は、給与又は賞与の支給時には、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項4から請求項6のいずれかに記載のシステムにおいて、社内預金システムから各社員の社内預金の残高と入出金の実績情報とを取得する社内預金情報取得手段を有すると共に、前記予測情報作成手段は、該社内預金情報取得手段で取得した実績情報と、前記入出金指示手段により指示された社内預金に対する入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金予測情報を作成し、かつ、該予測情報作成手段で作成した各社員の社内預金の入出金予測情報と、前記社内預金情報取得手段で取得した各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出する社内預金全残高算出手段とを有することを特徴とする。
なお、上記請求項4〜7に係るシステムの各手段は、コンピュータの中央処理装置、入出力装置、記憶装置等のハードウエアと、これらに所定の動作をさせるソフトウエアとによって構成されるものである。
さらに、請求項8に記載の発明は、社内預金システムを有する会社に備えられ、該社内預金システムと社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理するプログラムに関するものであって、コンピュータを、金融機関の口座に確保する残高の基準値を設定する基準残高設定手段、金融機関から提供される口座残高と取引の実績情報とを取得する口座情報取得手段、該取得手段で取得した実績情報に基づいて将来の口座取引の予測情報を作成する予測情報作成手段、該予測情報作成手段で作成した予測情報と前記口座情報取得手段で取得した口座残高とから将来の口座残高を算出する口座残高算出手段、及び、該算出手段で算出した残高が前記基準残高設定手段で設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、不足額を前記口座に入金させる入出金指示手段として機能させることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、金融機関から口座取引の予定が確定した確定情報を取得する確定情報取得手段として機能させると共に、前記口座残高算出手段として機能させるときは、同一の取引について前記予測情報作成手段で作成した予測情報と前記確定情報取得手段で取得した確定情報とが存在するときは、確定情報のみを用い、いずれか一方の情報のみが存在するときはその情報を用いて口座残高を算出するように機能させることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項8又は請求項9に記載のプログラムにおいて、コンピュータを入出金指示手段として機能させるときは、給与又は賞与の支給時に、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させるように機能させることを特徴とする。
さらに、請求項11に記載の発明は、前記請求項8から請求項10のいずれかに記載のプログラムにおいて、コンピュータを、社内預金システムから各社員の社内預金の残高と入出金の実績情報とを取得する社内預金情報取得手段として機能させると共に、前記予測情報作成手段として機能させるときは、前記社内預金情報取得手段で取得した実績情報と、前記入出金指示手段により指示された社内預金に対する入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金予測情報を作成するように機能させ、かつ、コンピュータを、前記予測情報作成手段で作成した各社員の社内預金の入出金予測情報と、前記社内預金情報取得手段で取得した各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出する社内預金全残高算出手段として機能させること特徴とする。
前記の構成により、本願の各請求項の発明によれば,次の効果が得られる。
まず、請求項1の方法によれば、金融機関に開設した各社員の口座の将来の残高が予測されるので、必要以上に口座の残高を多くすることなく、該口座からの自動引落しに支障を生じることが確実に防止されることになる。
また、請求項2の方法によれば、前記の効果に加えて、給与等の支給時に、口座残高の不足を生じない範囲で、できるだけ多くの金額を金利等で有利な社内預金に預けることが可能となる。
さらに、請求項3の方法によれば、前記の効果に加えて、各社員の社内預金の将来の入出金も予測されるので、社内預金全体の将来の残高が予測されることになり、したがって、会社が社内預金の資金を利用しようとするときに、その計画を適切に設定することが可能となる。
一方、請求項4のシステムによれば、口座取引の過去の実績情報に基づいて将来の取引の予測情報が作成され、これに基づいて将来の口座残高が予測されるので、前記請求項1の方法と同様に、必要以上に口座残高を多くすることなく、口座からの自動引落しに支障を生じることが防止され、社内預金制度のメリットが効果的に発揮されることになる。
また、請求項5のシステムによれば、前記予測情報が確定したときなどに確定情報が作成され、これを用いて将来の残高が計算されるので、残高の予測が精度よく行われることになり、前記メリットがさらに効果的に実現されることになる。
また、請求項6のシステムによれば、給与や賞与の支給時に口座と社内預金への入金額が適切に設定され、或いは口座と社内預金の間での資金移動が適切に行われることになって、前記の場合と同様に、口座からの引落不能といった事態を回避しながら、社内預金制度が有効に活用されることになる。
そして、請求項7のシステムによれば、社内預金についても過去の実績に基づいて将来の入出金の予測情報が作成され、これに基づいて社内預金全体の将来の残高が予測されるので、前記請求項3の方法と同様に、社内預金の資金を利用しようとするときに、その計画を適切に設定することが可能となる。
一方、請求項8〜請求項11のプログラムは、これをコンピュータに搭載することによって請求項4〜請求項7のシステムと同様のシステムが構成されるものであるから、請求項4〜請求項7のシステムについての前記効果と同様の効果がそれぞれ実現されることになる。
以下、本発明の実施の形態に係る預金管理システムについて説明する。なお、このシステムは本発明に係る預金管理方法を実施するものであると共に、このシステムを構成するコンピュータ用のプログラムは本発明に係る預金管理プログラムの実施の形態を構成する。
図1は本実施の形態に係る預金管理システムの全体の構成を示すもので、このシステムは、社内預金制度を備えている会社の管理部門等に備えられたサーバーコンピュータ10を中心として構成されている。
このコンピュータ10には、当該預金管理システムの利用者である社員が取引契約をしている銀行Aやクレジットカード会社(以下、「カード会社」という)Bからの情報や、銀行Aに提供する情報等を記憶媒体21〜25を介して入出力すると共に、各種データの設定等に用いられる入出力装置11と、社内預金システムや給与管理システム等を構成する当該会社のホストコンピュータ30との間で社内イントラネット等の通信システム26を介して情報を送受信する通信装置12と、各種のデータやプログラムを記録した記憶装置13と、該記憶装置13に記録されているプログラムに従って動作し、入出力装置11から入力され或いは記憶装置13に記録されているデータを用いて当該コンピュータ10に所定の処理を実行させる中央処理装置14と、該中央処理装置14による処理動作中に必要に応じてデータを一時的に記録するメモリ15とが備えられている。
前記入出力装置11により、このサーバーコンピュータ10には、銀行Aから記憶媒体21〜23を介して、各社員名義の口座についての入金及び出金に関する取引明細データと、電力料金や放送受信料等の引落、クレジットカード使用料金の引落、或いは会費や授業料等の引落に関する口座引落データと、年金の振込やその他の振込に関する口座振込データとが提供され、また、カード会社Bからは、記憶媒体24を介して、カード請求データが提供されるようになっている。
また、このサーバーコンピュータ10に対しては、ホストコンピュータ30の社内預金システムから、通信システム26を介して、各社員名義の社内預金についての入金及び出金に関する社内預金入出金データが提供され、給与管理システムからは、給与及び賞与の支給に関する給与等支給データが提供されるようになっている。
さらに、このサーバーコンピュータ10の入出力装置11からは、銀行口座の残高管理や、銀行口座と社内預金との間の資金移動のために、銀行Aに対して、各社員名義の口座に対する入金指示情報及び出金指示情報が記憶媒体25を介して出力されると共に、通信装置12及び通信システム26を介して、ホストコンピュータ30の社内預金システムに対して、各社員名義の社内預金に対する入金指示情報及び出金指示情報が出力されるようになっている。
ここで、銀行から提供される取引明細データ、口座引落データ、及び口座振込データ、カード会社から提供されるカード請求データ、並びに社内のホストコンピュータ30から提供される社内預金入出金データ及び給与等支給データの内容について説明する。
まず、取引明細データは、各社員の口座ごとに入出金取引があった翌日に実績情報として提供されるもので、図2に示すように、口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等が記録されたヘッダーレコードと、その口座についての取引の日付、入出金の区分、現金取引、引落、振込等の取引種別、取引金額、引落依頼人又は振込依頼人のコード及び名前、並びに摘要等を各取引ごとに記録したデータレコードと、該データレコードに記録された取引の件数や合計金額、及び取引後の口座残高等を記録したトレーラレコードと、当該取引明細データの終了を示すエンドレコードとで構成されている。
また、口座引落データは、電力事業者や放送事業者、或いはカード会社等の各引落依頼人からの引落通知に基づき、各引落依頼人ごとに作成されて、引落予定日の1〜4営業日前に引落が確定した確定情報として提供されるものであり、図3に示すように、引落依頼人を特定するための依頼人コード及び依頼人名、引落予定日、依頼人の口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等が記録されたヘッダーレコードと、当該引落日に引き落しを予定している案件ごとに、引落口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号、及び引落金額等を記録したデータレコードと、該データレコードに記録された引落の件数や合計金額等を記録したトレーラレコードと、当該口座引落データの終了を示すエンドレコードとで構成されている。
また、口座振込データは、年金事業者等からの振込通知に基づき、各振込人ごとに作成されて、振込予定日の1〜4営業日前に振込が確定した確定情報として提供されるものであり、図4に示すように、振込依頼人を特定するための依頼人コード及び依頼人名、振込予定日、依頼人の口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等が記録されたヘッダーレコードと、当該振込日に振り込みを予定している案件ごとに、振込口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号、及び振込金額等を記録したデータレコードと、該データレコードに記録された振込の件数や合計金額等を記録したトレーラレコードと、当該口座振込データの終了を示すエンドレコードとで構成されている。
さらに、カード請求データは、口座からの引落日の10〜30日前に、カード利用者(社員)への請求書の発送と同時に引き落しが確定した確定情報として提供されるものであり、図5に示すように、請求カード会社を特定するためのカード会社番号、カードの種類、請求口座を特定するための銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号、カード利用日及び請求金額等が記録されている。
一方、ホストコンピュータ30の社内預金システムから提供される社内預金入出金データは、社員が社内預金カードを用いて行った社内預金に対する入出金の実績情報として、その都度、当該預金管理システムに提供されるものであり、図6に示すように、社員コードをキーとして、入出金日、入出金額、及び社内預金残高が記録されている。ここで、取引金額が正の値は入金を、負の値は出金をそれぞれ示す。また、社内預金残高は、前記社内預金カードによる入出金の他、給与や賞与からの入金、及び銀行口座との間での資金移動等の全ての入出金を含めて計算した結果の残高を示すものである。
さらに、ホストコンピュータ30の給与管理システムから提供される給与等支給データは、給与や賞与の支払日の1〜4営業日前に当該預金管理システムに提供されるものであり、図7に示すように、社員コードをキーとして、給与、賞与の区分、支給日、及び支給金額が記録されている。
なお、図1に示すシステムでは、サーバーコンピュータ10と銀行A及びカード会社Bとの間での情報の入出力を記憶媒体21〜25を用いて行うようになっているが、これに代えて、インターネットや専用回線等の通信システムを用いて行うようにしてもよい。また、ホストコンピュータ30との間の情報の入出力をイントラネット等の通信システム26を用いて行うようになっているが、これに代えて、記憶媒体を用いて行うようにしてもよい。
次に、サーバーコンピュータ10の記憶装置13について説明する。
図8に示すように、この記憶装置13には、プログラム記録部13aとデータ記録部13bとが設けられ、プログラム記録部13aには、所定の機能を実現するように中央処理装置14を作動させるプログラムがインストールされており、データ記録部13bには、システム管理用等の各種マスター、データ処理用の各種ワークテーブル、及び各種データテーブルが記録されている。
前記マスターとしては、口座マスターと、科目マスターと、変動マスターと、取引明細データ用、口座引落データ用、口座振込データ用、及びカード請求データ用の各科目照合マスターとが備えられている。また、これらの科目照合マスターにそれぞれ対応する取引明細データ用、口座引落データ用、口座振込データ用、及びカード請求データ用の各ワークテーブルが備えられ、さらに、データテーブルとして、口座残高情報テーブルと、社内預金残高情報テーブルと、取引予実情報テーブルとが備えられている。
まず、前記口座マスターは、各社員が銀行にそれぞれ開設している口座を登録したもので、図9に示すように、口座ごとに、口座IDをキーとして、社員コードと、口座を開設している銀行の銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号、及び口座名義と、社員によって予め設定される残高基準値とが記録されるようになっている。
また、前記科目マスターは、この預金管理システムで取り扱う銀行口座及び社内預金に関する科目を予め登録したもので、図10に示すように、科目ごとに、科目コードと、科目名称と、入金科目か出金科目かの区分と、取引日が予め定められている科目についての基準取引日及び年間取引回数とが登録されるようになっている。ここで、例えば基準取引日が「0420」で、年間取引回数が12回の場合、毎月20日が取引日となる。また、取引日が定められていない科目については、基準取引日及び年間取引回数の欄はブランクとなっている。
なお、この科目マスターでは、「電気代」、[新聞代」、「カード利用料金」等の対象となる事業者が複数存在する科目については、同種の事業であっても、事業者ごとに科目コードが設定されている。また、銀行口座に関する科目と社内預金に関する科目とを識別するために、前者の科目のコードは1桁目が「0」、後者の科目のコードは1桁目が「1」に設定されている。
また、前記変動マスターは、前記科目マスターに登録されている銀行口座に関する科目について、金額が固定されたものか変動するものかを、各社員がそれぞれ設定して予め登録しておくものであり、図11に示すように、社員コードをキーとして、科目コードごとに、固定、変動の区分が記録されるようになっている。例えば電気代は変動、放送受信料は固定、というように設定される。
一方、取引明細データ用、口座引落データ用、口座振込データ用、及びカード請求データ用の各ワークテーブルは、社員が口座を開設している銀行や契約しているカード会社からのデータ入手時の処理のためにデータを一時的に保管するためのものであり、また、取引明細データ用、口座引落データ用、口座振込データ用、及びカード請求データ用の各科目照合マスターは、前記ワークテーブルに保管された情報の各レコードがこのシステムで扱うどの科目に該当するかを照合するためのものである。
次に、これらのワークテーブル及び科目照合マスターについて、対応するものごとにまとめて説明する。
まず、取引明細ワークテーブルは、図2の取引明細データを処理するもので、図12に示すように、各取引案件ごとに、取引明細データのヘッダーレコードに記録された社員の口座に関する情報に基づいて図9の口座マスターから読み出した社員コードと、その口座の銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号と、データレコードから読み出した各取引についての取引日と、入出金区分と、取引種別と、取引金額と、引落依頼人又は振込依頼人のコード及び名前と、摘要とを記録するようになっている。
一方、このワークテーブルの記録内容から科目を照合する取引明細科目照合マスターには、図13に示すように、銀行口座の取引に関する各科目コードごとに、取引種別と、引落依頼人又は振込依頼人のコード及び名前と、摘要の各項目について、照合のために確認する情報の有無と、確認情報「有」の項目についての確認すべき情報の内容とが設定されている。また、確認情報の内容がテキストで表示される引落依頼人又は振込依頼人の名前及び摘要については、ワークテーブルの該当欄の何カラム目から何カラム目までの内容を確認すべきかが指定されている。
そして、確認情報「有」の項目についての確認情報の内容がワークテーブルに記録されたものと全て一致したときに、そのワークテーブルのデータに、科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードが付与されるようになっている。
また、口座引落ワークテーブルは、図3の口座引落データを処理するもので、図14に示すように、引落案件ごとに、口座引落データのデータレコードに記録された引落口座に関する情報に基づいて図9の口座マスターから読み出した社員コードと、該口座引落データのヘッダーレコードに記録された引落依頼人のコード及び名前と、引落日と、引落依頼人の口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号と、データレコードから読み出した各引落案件についての引落口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号と、引落金額とを記録するようになっている。
一方、このワークテーブルの記録内容から科目を照合する口座引落科目照合マスターには、図15に示すように、銀行口座からの引落に関する各科目コードごとに、引落依頼人のコード及び名前と、引落口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号の各項目について、照合のために確認する情報の有無と、確認情報「有」の項目についての確認すべき情報の内容とが設定されている。また、確認情報の内容がテキストで表示される引落依頼人の名前については、ワークテーブルの該当欄の何カラム目から何カラム目までの内容を確認すべきかが指定されている。
そして、この口座引落データについても、確認情報「有」の項目についての確認情報の内容がワークテーブルに記録されたものと全て一致したときに、そのワークテーブルのデータに、科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードが付与されるようになっている。
さらに、口座振込ワークテーブルは、図4の口座振込データを処理するもので、図16に示すように、振込案件ごとに、口座振込データのデータレコードに記録された振込口座に関する情報に基づいて図9の口座マスターから読み出した社員コードと、該口座振込データのヘッダーレコードに記録された振込依頼人のコード及び名前と、振込日と、振込依頼人の口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号と、データレコードから読み出した各振込案件についての振込口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号と、振込金額とを記録するようになっている。
一方、このワークテーブルの記録内容から科目を照合する口座振込科目照合マスターには、図17に示すように、銀行口座への振込に関する各科目コードごとに、振込依頼人のコード及び名前と、振込口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、及び口座番号の各項目について、照合のために確認する情報の有無と、確認情報「有」の項目についての確認すべき情報の内容とが設定されている。また、確認情報の内容がテキストで表示される振込依頼人の名前については、ワークテーブルの該当欄の何カラム目から何カラム目までの内容を確認すべきかが指定されている。
そして、この口座振込データについても、確認情報「有」の項目についての確認情報の内容がワークテーブルに記録されたものと全て一致したときに、そのワークテーブルのデータに、科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードが付与されるようになっている。
さらに、カード請求ワークテーブルは、図5のカード請求データを処理するもので、図18に示すように、カード請求データに記録された請求口座に関する情報に基づいて図9の口座マスターから読み出した社員コードと、該カード請求データに記録されたカード会社番号及びカード種類と、カード利用日と、請求金額とを記録するようになっている。
そして、このワークテーブルの記録内容から科目を照合するカード請求科目照合マスターには、図19に示すように、カード会社及びカード種類別に科目コードが設定されて登録されており、これらが一致したときに、ワークテーブルのデータに、その科目コードが付与されるようになっている。
また、前記記憶装置13に記憶されている口座残高テーブルは、図20に示すように、図9の口座マスターと共通の口座IDをキーとして、当該口座を所有する社員のコードと、図2の取引明細データによって銀行から連絡される口座残高(取引後残高)とを記録するようになっている。
さらに、社内預金残高テーブルは、図21に示すように、社員コードをキーとして、社内預金システムから提供される図6の社内預金入手金データに記録された社内預金残高と、その更新日とを記録するようになっている。
そして、取引予実情報テーブルは、図22に示すように、社員コードと科目コードとをキーとし、過去の実績から作成される取引の予測情報と、その予測情報が確定したときに作成され、或いは当初から確定した予定として作成される確定情報と、予測情報または確定情報が実際の取引として実行されたときに作成され、或いは予測情報または確定情報を作成することなく取引が実行されたときに作成される実績情報とが、それぞれ取引日及び取引金額を内容として、登録されるようになっている。
この取引予実情報テーブルは、将来の銀行口座及び社内預金の取引を予測し、その間における残高の変化を予測するのに用いられる。そして、当該預金管理システムでは、この残高の予測に従って、給与や賞与を銀行口座と社内預金へ振り分けて入金する際の金額や、銀行口座と社内預金の間で資金移動する金額などを決定するようになっている。
次に、この預金管理システムの動作について説明する。
まず、預金管理のための予測情報の作成処理について説明すると、この処理は過去の実績情報に基づいて今後1年間の取引の予測情報を作成するもので、サーバーコンピュータ10の中央処理装置14により、図23に示すフローチャートに従って次のように行われる。
まず、ステップS1で、図9の口座マスターからレコードを1つ取得する。そして、そのレコードに社員コードが記録されている1人の社員について、以下の処理を行う。
即ち、ステップS2で、図22の取引予実情報テーブルから処理対象期間と社員コードとが該当する実績情報を1レコード読み込む。ここで、処理対象期間とは、前回の処理日から本日までの期間であり、毎月月末にこの処理を行う場合は、その一月間の情報ということになる。
次に、ステップS3で、科目コードをキーとして図10の科目マスターを参照し、その科目についての基準取引日と年間取引回数とを読み取る。そして、読み取った基準取引日がブランクでない場合は、ステップS4からステップS5を実行し、科目コードと社員コードとをキーとして図11の変動マスターを参照し、ステップS2で読み込んだ実績情報の科目の変動固定区分を読み取る。
そして、変動固定区分が「固定」の場合は、ステップS6からステップS7を実行し、前記実績情報の金額を当該科目の今後1年間の取引金額とすると共に、前記基準取引日と年間取引回数とに基づいて翌月から1年間の取引予定日を設定し、この金額と取引予定日とを内容とする予測情報を作成する。
また、変動固定区分が「変動」の場合は、ステップS6からステップS8を実行し、前記の場合と同様に、基準取引日と年間取引回数とに基づいて翌月から1年間の取引予定日を設定すると共に、ステップS2で読み込んだ実績情報を含む当該科目の過去1年間の実績情報の合計金額を前記年間取引回数で平均して、その平均値をその科目の今後1年間の取引金額とし、この金額と取引予定日を内容とする予測情報を作成する。
一方、前記ステップS4で、科目マスターから読み取った基準取引日がブランクの場合、つまり、取引日が定まっていない科目の場合は、次にステップS9を実行し、ステップS2で読み込んだ実績情報を含む当該科目の過去1年間の実績情報の合計金額を12等分した平均値を求め、その平均値をその科目の今後1年間の毎月の取引金額とする。また、取引予定日は、翌月以降の毎月1日とし、その金額及び取引予定日を内容とする予測情報を作成する。
これにより、1つの社員コード及び1つの科目コードをキーとして、今後1年間の予測情報が作成され、次にステップS10で、その予測情報を取引予実情報テーブルに記録する。この場合、前回の処理により、社員コード及び科目コードが同一で、かつ取引日が対応する予測情報が既に作成されているときは、そのレコードを上書し、該当する予測情報がまだ作成されていないときは、新たなレコードを作成する。
以上により、1つの社員コードの1つの科目コードについての予測情報の作成が完了する。そして、ステップS2以下を繰り返し実行することにより、今回の処理対象期間に存在した実績情報の各科目コードについて、順次予測情報が作成されることになる。また、1つの社員コードについての以上の処理が完了すれば、ステップS1を再び実行して、口座マスターから次の社員コードを取得し、以下同様の処理を繰り返すことにより、全社員コードについての予測情報が作成される。
なお、図24に、銀行口座取引の「変動」科目である科目コード「0011」の「電気代」と、「固定」科目である科目コード「0031」の「放送受信料」と、取引日が定まっていない科目コード「1003」の「社内預金カードによる引き出し」とを例として、同図上欄の実績情報から下欄の予測情報を作成した状態を示す。
この例では、科目コード「0011」については、04年8月から05年7月までの実績情報の金額の平均値を取引金額とし、取引予定日を毎月20日として、05年8月から06年7月までの予測情報が作成されており、科目コード「0031」については、05年7月の実績情報の金額を取引金額とし、取引予定日を隔月の28日として、05年9月から06年7月までの予測情報が作成されており、さらに、科目コード「1003」は、04年8月から05年7月までの実績情報の金額の平均値を取引金額とし、取引予定日を毎月1日として、05年8月から06年7月までの予測情報が作成されている。
次に、社員が口座を開設している銀行から口座引落データ、口座振込データ及び取引明細データを入手したとき、並びにカード会社からカード請求データを入手したときの処理について説明する。
まず、口座引落データは、前述のように、電力事業者や放送事業者、或いはカード会社等の各引落依頼人から銀行への引落通知に基づき、引落が確定した確定情報として引落予定日の1〜4営業日前に提供されるもので、図1に示す記憶媒体22により、図3に示すフォーマットで、各銀行から通例複数の引落情報について一括して供給される。
預金管理システムのサーバーコンピュータ10は、この口座引落データを取得したときに、これを図25に示すフローチャートに従って次のように処理する。
即ち、まずステップS11で、口座引落データのデータレコードから引落案件が1件記録されたレコードを1つ読み込み、ステップS12で、そのレコードに記録されている引落口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の情報と、図9の口座マスターに記録されている各社員の銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の銀行口座に関する情報とを照合し、該当する口座を検索する。
そして、該当する口座が口座マスターに存在したときには、ステップS13からステップS14を実行し、口座マスターから読み出した社員コードを追加した上で、そのレコードの内容を口座引落ワークテーブルに保管する。
つまり、図14に示すように、社員コードをキーとして、引落依頼人のコード及び名前と、引落予定日と、引落依頼人の銀行口座に関する情報と、当該社員の銀行口座(引落口座)に関する情報と、引落金額とを記録する。
その場合に、口座引落データのデータレコードに記録されている引落口座が当該預金管理システムで取り扱わない口座であるときは、ステップS13で、その口座に関する情報が口座マスターに存在しないことが判定され、前記のワークテーブルへの保管は行われない。
そして、以上のステップS11〜S14の処理を、今回銀行から提供された口座引落データに含まれる複数のレコードについて順次実行し、また、複数の銀行から口座引落データが提供されているときには、各銀行からのデータについて同様の処理を繰り返し実行する。
以上により、口座引落データに記録されている各引落案件についての確定情報のワークテーブルへの保管が終了し、次にステップS15で、図15に示す口座引落科目照合マスターから1科目分のレコードを読み込み、次いでステップS16で、前記口座引落ワークテーブルから引落案件の1レコードを読み込む。
そして、ステップS17で、科目照合マスターの今回読み込んだレコードにおいて、確認有無が「有」となっている項目について、その確認情報の内容とワークテーブルに記録されている情報とを照合して一致するか否かを判定し、一致しない場合にはステップS16に戻り、ワークテーブルの次のレコードについて同様の照合作業を行う。
一方、確認有無「有」の項目の確認情報の内容が全て一致した場合には、次にステップS18を実行し、今回ワークテーブルから読み込んだ引落案件の情報に科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードを追加して、口座引落の確定情報を作成し、これを図22に示す取引予実情報テーブルに記録する。
その場合に、ステップS19で、取引予実情報テーブルに当該確定情報に該当する予測情報が記録されたレコードが存在するか否かを社員コード及び科目コードに基づいて判定し、存在するときは、ステップS20で、そのレコードに今回作成した確定情報を記録する(図24、符合ア参照)。また、取引予実情報テーブルに該当する情報が記録されたれコードが存在しないときは、ステップS21で、今回取得した内容を確定情報として記録した新たなレコードを作成する(同、符号イ参照)。
この処理を繰り返し実行することにより、ワークテーブルの全レコードのうち、今回ステップS15で読み込んだ科目照合マスターのレコードと合致するものについて、科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。
そして、次にステップS15を再び実行し、科目照合マスターから次の科目のレコードを読み込んだ上で、ワークテーブルの全レコードのうち、確認情報が全て一致するレコードについては、科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。以下、これを各科目コードについて繰り返し実行することにより、ワークテーブルに記録された全引落案件が取引予実情報テーブルに確定情報として記録されることになる。
次に、口座振込データを入手したときの処理について説明すると、このデータは、前述のように、年金事業者等の振込依頼人から銀行への振込通知に基づき、振込が確定した確定情報として振込予定日の1〜4営業日前に提供されるもので、図1に示す記憶媒体23により、図4に示すフォーマットで、各銀行から通例複数の振込情報について一括して提供される。
そして、前記口座引落データの処理とほぼ同様に、預金管理システムのサーバーコンピュータ10は、この口座振込データを取得したときに、これを図26に示すフローチャートに従って次のように処理する。
即ち、まずステップS31で、口座振込データのデータレコードから振込案件が1件記録されたレコードを1つ読み込み、ステップS32で、そのレコードに記録されている振込口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の情報と、図9の口座マスターに記録されている各社員の銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の銀行口座に関する情報とを照合し、該当する口座を検索する。
そして、該当する口座が口座マスターに存在したときには、ステップS33からステップS34を実行し、口座マスターから読み出した社員コードを追加した上で、そのレコードの内容を口座振込ワークテーブルに保管する。
つまり、図16に示すように、社員コードをキーとして、振込依頼人のコード及び名前と、振込予定日と、振込依頼人の銀行口座に関する情報と、当該社員の銀行口座(振込口座)に関する情報と、振込金額とを記録する。
その場合に、口座振込データのデータレコードに記録されている振込口座が当該預金管理システムで取り扱わない口座であるときは、ステップS33で、その口座に関する情報が口座マスターに存在しないことが判定され、前記のワークテーブルへの保管は行われない。
そして、以上のステップS31〜S34の処理を、今回銀行から提供された口座振込データに含まれる複数のレコードについて順次実行し、また、複数の銀行から口座振込データが提供されているときには、各銀行からのデータについて同様の処理を繰り返し実行する。
以上により、口座振込データに記録されている各振込案件についての確定情報のワークテーブルへの保管が終了し、次にステップS35で、図17に示す口座振込科目照合マスターから1科目分のレコードを読み込み、次いでステップS36で、前記口座振込ワークテーブルから振込案件の1レコードを読み込む。
そして、ステップS37で、科目照合マスターの今回読み込んだレコードにおいて、確認有無が「有」となっている項目について、その確認情報の内容とワークテーブルに記録されている情報とを照合して一致するか否かを判定し、一致しない場合にはステップS36に戻り、ワークテーブルの次のレコードについて同様の照合作業を行う。
一方、確認有無「有」の項目の確認情報の内容が全て一致した場合には、次にステップS38を実行し、今回ワークテーブルから読み込んだ振込案件に科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードを追加して口座振込の確定情報を作成し、これを図22に示す取引予実情報テーブルに記録する。
その場合に、前述の口座引落データの処理時と同様に、ステップS39で、取引予実情報テーブルに当該確定情報に該当する予測情報が記録されたレコードが存在するか否かを社員コード及び科目コードに基づいて判定し、存在するときは、ステップS40で、そのレコードに今回作成した確定情報を記録する。また、取引予実情報テーブルに該当する情報が記録されたれコードが存在しないときは、ステップS41で、今回取得した内容を確定情報として記録した新たなレコードを作成する。
この処理を繰り返し実行することにより、ワークテーブルの全レコードのうち、今回ステップS35で読み込んだ科目照合マスターのレコードと合致するものについて、科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。
そして、次にステップS35を再び実行し、科目照合マスターから次の科目のレコードを読み込んだ上で、ワークテーブルの全レコードのうち、確認情報が全て一致するレコードについては、科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。以下、これを各科目コードについて繰り返し実行することにより、ワークテーブルに記録された全振込案件が取引予実情報テーブルに確定情報として記録されることになる。
また、社員が契約しているカード会社からカード請求データを入手したときの処理について説明すると、このカード請求データは、カード会社から前記銀行への引落依頼と共に引落日の10〜30日前に預金管理システムに提供される確定情報であって、図1に示す記憶媒体24により、図5に示すフォーマットで、各カード会社から提供される。
このカード請求データを取得したとき、預金管理システムのサーバーコンピュータ10は、これを図27に示すフローチャートに従って次のように処理する。
まず、ステップS51で、カード請求データから請求案件が1件記録されたレコードを1つ読み込み、次にステップS52で、そのレコードに記録されている請求口座に関する銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の情報と、口座マスターに記録されている各社員の銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の口座に関する情報とを照合し、該当する口座を検索する。
そして、該当する口座が口座マスターに存在したときには、ステップS53からステップS54を実行し、口座マスターから読み出した社員コードを追加した上で、そのレコードの内容をカード請求ワークテーブルに保管する。
つまり、図18に示すように、社員コードをキーとして、カード会社の番号と、カード種類と、カード利用日と、請求金額とを記録する。その場合に、カード請求データに記録されている請求口座が当該預金管理システムで取り扱わない口座であるときは、ステップS53で、その口座に関する情報が口座マスターに存在しないことが判定され、ワークテーブルへの保管は行われない。
そして、以上のステップS51〜S54の処理を、今回カード会社から提供されたカード請求データに含まれる複数のレコードについて順次実行し、また、複数のカード会社からカード請求データが提供されているときには、各カード会社からのデータについて同様の処理を繰り返し実行する。
以上により、カード請求データに記録されている各請求案件についての確定情報のワークテーブルへの保管が終了する。そして、次にステップS55で、図19に示すカード請求科目照合マスターから、1科目分のレコードを読み込み、次いでステップS56で、前記カード請求ワークテーブルから請求案件の1レコードを読み込む。
次に、ステップS57で、科目照合マスターから今回読み込んだレコードに記録されているカード会社番号及びカード種類と、ワークテーブルから読み込んだレコードに記録されているカード会社番号及びカード種類とを照合して一致するか否かを判定し、一致しない場合にはステップS56に戻り、ワークテーブルの次のレコードについて同様の照合作業を行う。
そして、前記カード会社番号及びカード種類が一致した場合には、次にステップS58を実行し、今回ワークテーブルから読み込んだ情報に科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードを追加してカード請求データの確定情報を作成し、これを図22に示す取引予実情報テーブルに記録する。
その場合に、前述の口座引落データや口座振込データの処理時と同様に、ステップS59で、取引予実情報テーブルに当該確定情報に該当する予測情報が記録されたレコードが存在するか否かを社員コード及び科目コードに基づいて判定し、存在するときは、ステップS60で、その予測情報が記録されているレコードに今回作成した確定情報を記録する。また、取引予実情報テーブルに該当する情報が記録されたレコードが存在しないときは、ステップS61で、今回取得した内容を確定情報として記録した新たなレコードを作成する。
この処理を繰り返し実行することにより、ワークテーブルの全レコードのうち、今回ステップS55で読み込んだ科目照合マスターのレコードと内容が一致するものについて、科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。
そして、次にステップS56を再び実行し、科目照合マスターから次の科目のレコードを読み込んだ上で、ワークテーブルの全レコードのうち、カード会社番号及びカード種類が一致するレコードについては科目コードを追加して確定情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。以下、これを各科目コードについて繰り返し実行することにより、ワークテーブルに記録された全カード請求データが取引予実情報テーブルに確定情報として記録されることになる。
次に、社員が口座を開設している銀行から各社員の取引実績を示す取引明細データを入手したときの処理について説明すると、この取引明細データは、図1に示す記憶媒体21により、各銀行から図2に示すフォーマットで、通例、複数の口座分について一括して供給されるものであり、サーバーコンピュータ10は、図28に示すフローチャートに従ってこのデータを処理する。
即ち、まずステップS71で、取引明細データから1口座分のデータを読み込み、ステップS72で、そのデータのヘッダーレコードに記録されている銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の銀行口座に関する情報と、図9の口座マスターに記録されている各社員の同じく銀行番号、支店番号、預金種別、口座番号等の銀行口座に関する情報とを照合し、口座マスターから該当する口座を検索する。
そして、該当する口座が口座マスターに存在したときには、ステップS73からステップS74を実行し、口座マスターから読み出した社員コードを追加した上で、取引明細データの内容を図12に示す取引明細ワークテーブルに保管する。
つまり、社員コードをキーとして、その社員の銀行口座に関する情報と、取引明細データのデータレコードに記録されている取引日、入出金区分、取引種別、取引金額等の取引情報と、引落依頼人又は振込依頼人のコード及び名前と、摘要とを記録する。その場合、1口座分の取引明細データに複数のデータレコードが存在する場合は、同一の社員コードについて複数のレコードが作成されることになる。
また、このワークテーブルへの記録と同時に、ステップS75で、口座マスターから読み取った口座IDをキーとして図20の口座残高テーブルを検索し、該テーブルの口座IDが一致するレコードに、社員コードと、取引明細データのトレーラレコードに記録されている取引後残高(口座残高)とを記録する。
なお、銀行から提供された取引明細データに、例えば会社名義の口座など、当該預金管理システムで取り扱わない口座についてのデータが含まれているときには、ステップS73で、その口座に関する情報が口座マスターに存在しないことが判定され、前記のワークテーブルへの保管等の処理は行われない。
そして、以上のステップS71〜S75の処理を今回銀行から提供された取引明細データに含まれる複数の口座について順次実行し、また、複数の銀行から取引明細データが提供されているときには、各銀行からのデータについて同様の処理を繰り返し実行する。これにより、取引明細データに記録されている取引実績情報のワークテーブルへの保管、及び取引後残高の口座残高テーブルへの記録が終了する。
次に、ステップS76で、図13に示す取引明細科目照合マスターから1科目分のレコードを読み込み、次いでステップS77で、前記取引明細ワークテーブルから取引案件のレコードを1件読み込む。
そして、ステップS78で、科目照合マスターの今回読み込んだレコードの確認有無が「有」となっている項目について、その確認情報の内容とワークテーブルに記録されている情報とを照合して一致するか否かを判定し、一致しない場合にはステップS77に戻り、ワークテーブルの次のレコードについて同様の照合作業を行う。
一方、確認有無「有」の項目の確認情報の内容が全て一致した場合には、次にステップS79を実行し、今回ワークテーブルから読み込んだ取引案件に科目照合マスターの当該レコードに記録されている科目コードを追加して実績情報を作成し、これを図22に示す取引予実情報テーブルに実績情報として記録する。
その場合に、ステップS80で、取引予実情報テーブルに当該実績情報に該当する予測情報や確定情報が記録されたレコードが存在するか否かを、社員コード及び科目コードに基づいて判定し、存在するときは、ステップS81で、そのレコードに今回取得した内容の実績情報を記録する(図24、符号ウ参照)。また、取引予実情報テーブルに該当する情報が記録されたレコードが存在しないときは、ステップS82で、今回取得した内容の実績情報を記録した新たなレコードを作成する(同、符号エ参照)。
この処理を繰り返し実行することにより、ワークテーブルの全レコードのうち、今回ステップS76で読み込んだ科目照合マスターのレコードと合致するものについて、科目コードを追加して実績情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。
そして、次にステップS76を再び実行し、科目照合マスターから次の科目のレコードを読み込んだ上で、ワークテーブルの全レコードのうち、確認情報が全て一致するレコードについては科目コードを追加して実績情報を作成し、これを取引予実情報テーブルに記録する。以下、これを各科目コードについて繰り返し実行することにより、ワークテーブルに記録された全取引案件が取引予実情報テーブルに実績情報として記録されることになる。
さらに、当該会社のホストコンピュータ30によって管理されている社内預金システムから社内預金入出金データを入手したときの処理について説明する。
この社内預金入出金データは、社員が社内預金カードを用いて社内預金から出金し或いは入金した情報と、社内預金残高とを提供するもので、図1に示す通信システム26を介し、図6に示す内容で毎日の各社員の入出金のデータが一括して預金管理システムに提供される。そして、サーバーコンピュータ10は、このデータを図29に示すフローチャートに従って次のように処理する。
即ち、まずステップS91で、社内預金入出金データから入出金の案件を記録したレコードを1件読み取り、次いでステップS92で、そのレコードに記録されている取引金額の正負により、「社内預金カードによる預け入れ」か、「社内預金カードによる引き出し」かのいずれかの科目コードを付与する。
そして、ステップS93で、社員コード、科目コード及び取引日が該当する予測情報が記録されたレコードが取引予実情報テーブルに存在するか否かを判定する。取引日がいずれかの月の1日であれば、社員コード及び科目コードが同一の予測情報が予め作成されている可能性があるから、その場合は、ステップS94で、その予測情報が記録されているレコードに、その入出金情報を実績情報として記録し(図24、符号オ参照)、該当する予測情報が記録されたレコードが存在しない場合には、ステップS95で、当該入出金内容を示す実績情報を記録したレコードを新設する(同、符号カ参照)。
また、ステップS96で、社内預金入出金データから読み取った社内預金残高を、図21に示す社内預金残高テーブルに更新日と共に記録する。
以上のようにして、社内預金入出金データの1レコードの処理が終了すれば、ステップ91〜96を繰り返し実行し、該入出金データの全レコードについて、取引予実情報テーブルへの実績情報の記録、及び社内預金残高テーブルへの社内預金残高の記録を行う。
以上により、銀行、カード会社、及び社内預金システムから提供される情報に基づく取引予実情報テーブルへの予測情報、確定情報、及び実績情報の記録が終了する。次に、この取引予実情報テーブルを用いた預金管理処理について説明する。
この処理としては、給与及び賞与の支給時に行われる処理と、原則として毎日行われる処理とがあり、まず前者の処理は、図30に示すフローチャートに従って次のように行われる。
即ち、まずステップS101で、口座マスターから社員コードを1つ取得し、次いでステップS102で、給与等の支給時にホストコンピュータ30から提供される給与等支給データから、前記社員コードをキーとして給与等の支給額を取得する。さらに、ステップS103で、社内預金残高テーブルから社内預金の残高を読み取り、ステップS104で、口座残高テーブルから銀行口座の残高を読み取る。
また、ステップS105で、取引予実情報テーブルから、前記社員コードをキーとして今後1か月分の予測情報又は確定情報を読み込む。その場合に、同一レコードに予測情報と確定情報とが記録されている場合には、確定情報のみを読み込む。
そして、ステップS106で、口座残高をベースとし、これに前記予測情報又は確定情報に示された入金額を加算し或いは出金額を減算することにより、今後1ヶ月間の日々の口座残高を算出し、次いでステップS107で、その残高の最低値と、当該社員コードをキーとして口座マスターから読み出した残高基準値とを比較し、口座不足額、即ち、残高基準値−残高最低値を計算する。そして、この口座不足額に応じて以下の処理を実行する。
まず、口座不足額がマイナスの場合、即ち、残高最低値が残高基準値を上回っており、口座残高に余裕があるときは、ステップS108からステップS109の口座余裕額回収処理を実行する。
この処理は、図31に示すフローチャートに従って行われ、まず、ステップS121で、前記の残高最低値から残高基準値を減算した口座余裕額を銀行口座から出金するための口座出金指示情報を作成し、銀行に対して当該口座からの出金を指示すると共に、ステップS122で、社内預金に前記口座余裕額と給与等の全額を入金するための社内預金入金指示情報を作成し、ホストコンピュータ30の社内預金システムに対して入金を指示する。
これにより、銀行口座に今後予測される引落等に要する最低額の残高を残しながら、余分な口座残高が社内預金に移動されると共に、給与等の全額が社内預金に入金されることになり、社内預金制度のメリットが最大限に活用されることになる。
そして、ステップS123、S124で、取引予実情報テーブルに、当該社員コードをキーとして前記金額の口座出金の実績情報と社内預金入金の実績情報とを記録する。その場合に、過去の同様の処理による実績情報に基づいて、銀行口座からの出金の予測情報や社内預金への入金の予測情報が作成され、これを記録したレコードが存在するときは、そのレコードに今回作成した実績情報を記録し、存在しないときは、新たにレコードを作成して実績情報を記録する。
次に、図30のフローチャートのステップS107による計算の結果、口座不足額が生じるが、その額が今回支給される給与等の範囲内であるときは、ステップS108からステップS110を経てステップS111の給与等による口座不足額補充処理を実行する。
この処理は、図32に示すフローチャートに従って行われ、まず、ステップS131で、給与等から差し引いて前記の口座不足額を銀行口座に入金するための口座入金指示情報を作成し、銀行に対して当該口座への入金を指示する一方、ステップS132で、社内預金に給与等から前記口座不足額を差し引いた金額を入金するための社内預金入金指示情報を作成し、ホストコンピュータ30の社内預金システムに対して入金を指示する。
これにより、銀行口座に今後予測される引落等に要する最低額の残高を確保しながら、今回支給された給与等からできるだけ多くの金額が社内預金に入金されることになり、社内預金制度のメリットが効果的に活用されることになる。
そして、ステップS133、S134で、取引予実情報テーブルに、当該社員コードをキーとして前記金額の口座入金の実績情報と社内預金入金の実績情報とを新たに記録する。その場合に、対応する予測情報が記録されたレコードが存在するときは、そのレコードに今回作成した実績情報を記録し、存在しないときは、新たにレコードを作成して実績情報を記録する。
また、図30のフローチャートのステップS107による計算の結果、口座不足額が生じるが、その額が今回支給される給与等では補充しきれない金額であるときは、ステップS108からステップS110及びステップS112を経てステップS113の給与等及び社内預金による口座不足額補充処理を実行する。
この処理は、図33に示すフローチャートに従って行われ、まず、ステップS141で、口座不足額から給与等の額を減算し、給与等では補充しきれない額を計算し、その金額を社内預金から出金するための社内預金出金指示情報を作成し、社内預金システムに対して出金を指示すると共に、ステップS142で、社内預金から出金する金額と給与等の全額とを銀行口座に入金するための口座入金指示情報を作成し、銀行に対して当該口座への入金を指示する。
これにより、銀行口座に今後予測される引落等に要する最低額の残高が確保されることになり、社内預金から銀行口座へ必要以上に資金移動させることなく、銀行口座からの引落不能等の事態が回避されることになる。
そして、ステップS143、S144で、取引予実情報テーブルに、当該社員コードをキーとして前記金額の口座入金の実績情報と社内預金出金の実績情報とを新たに記録する。その場合に、対応する予測情報が記録されたレコードが存在するときは、そのレコードに今回作成した実績情報を記録し、存在しないときは、新たにレコードを作成して実績情報を記録する。
さらに、図30のフローチャートのステップS107による計算の結果、口座不足額が生じ、その額が今回支給される給与等の全額及び社内預金の残高では補充しきれない金額であるときは、ステップS108からステップS110及びステップS112を経てステップS114の警告処理を実行する。
この処理は、給与等の全額と社内預金残高の全額を銀行口座に入金しても引落不能となる可能性があることを当該社員に対して電話や電子メール等を用いて連絡するものであり、これに適切に対処することにより前記事態が未然に回避されることになる。
そして、図30のステップS101で口座マスターから社員コードを順次読み取ることにより、以上の処理が当該預金管理システムで管理対象者となっている全社員について行われる。
また、この預金管理システムは、取引予実情報テーブルを用いて日々の預金管理処理を行っており、次にこの処理について説明する。
この処理は、図34に示すフローチャートに従って行われ、まずステップS151で、口座マスターから社員コードを1つ取得し、次いでステップS152で、前記社員コードをキーとして社内預金残高テーブルから社内預金の残高を読み取り、ステップS153で、口座残高テーブルから銀行口座の残高を読み取る。
また、ステップS154で、取引予実情報テーブルから、前記社員コードをキーとして翌日の予測情報又は確定情報を読み込む。その場合に、同一レコードに予測情報と確定情報とが記録されている場合には、確定情報のみを読み込む。
そして、ステップS155で、前記口座残高をベースとし、これに前記予測情報又は確定情報に示された入金額を加算し或いは出金額を減算することにより、翌日の口座残高を算出し、次いでステップS156で、その残高と当該社員コードをキーとして口座マスターから読み出した残高基準値とを比較し、口座不足額を計算する。
この計算の結果、ステップS157で、口座不足額がマイナス、即ち口座残高に余裕があるときは、特に資金の移動等を必要としないから処理を終了する。
一方、口座不足額がプラスの場合、即ち、口座残高が不足することになる場合は、ステップS157からステップS158を実行し、その不足額が社内預金残高より少ないか否かを判定する。そして、少ない場合には、社内預金で口座不足額を補充する処理を行う。
即ち、ステップS159で、口座不足額を社内預金から出金するための社内預金出金指示情報を作成し、社内預金システムに対して出金を指示すると共に、ステップS160で、その不足額を銀行口座に入金するための口座入金指示情報を作成し、銀行に対して当該口座への入金を指示する。
これにより、社内預金から銀行口座に引落等に要する最低額の残高を確保するのに必要な資金が移動することになり、社内預金から銀行口座へ必要以上に資金移動させることなく、銀行口座からの引落不能等の事態が回避されることになる。
そして、ステップS161、S162で、取引予実情報テーブルに、当該社員コードをキーとして前記金額の口座入金の実績情報と社内預金出金の実績情報とを新たに記録する。その場合に、対応する予測情報が記録されたレコードが存在するときは、そのレコードに今回作成した実績情報を記録し、存在しないときは、新たにレコードを作成して実績情報を記録する。
さらに、前記ステップS158で、口座不足額が社内預金残高より多いと判定された場合には、社内預金でその不足額を補充することができないから、ステップS163の警告処理を実行し、社内預金残高の全額を銀行口座に入金しても引落不能となる可能性があることを当該社員に対して電話や電子メール等を用いて連絡する。これにより、前記事態が未然に回避されることになる。
そして、図34のステップS151で口座マスターから社員コードが順次読み取られることにより、以上の処理が当該預金管理システムで管理対象者となっている全社員について行われる。
以上により、この預金管理システムによれば、引落等に対して必要最小限の口座残高を確保しながら、余分な資金は社内預金で管理されることになり、これにより、社員は社内預金の有利な利回りを最大限に活用することが可能となると共に、会社側にとっても、資金として利用できる社内預金の残高が多くなるというメリットが得られる。
次に、会社側の資金利用計画のための社内預金の残高予測処理について説明する。
この処理は、図35に示すフローチャートに従って行われ、まず、ステップS171で、社内預金残高の予測を行う月数を示す変数Nをリセットする。この変数は、後述するように当該システムのオペレータによってサーバーコンピュータ10に入力された予測開始月から終了月までの月数で、最大12まで、即ち開始月を含めて12ヶ月間の予測が可能とされている。
次に、ステップS172で、社内預金残高テーブルに記録されている各社員の社内預金残高の合計額を計算し、次いで、ステップS173で、取引予実情報テーブルから、開始月から月数Nを加えた月までの社内預金に関する入出金の予測情報を取得する。ここで、最初はN=0であるから、予測開始月の情報を取得することになる。
次に、ステップS174で、取得した予測情報のうちの「社内預金カードによる預け入れ」、「給与入金」、「賞与入金」、「口座余裕額回収」等の入金情報の金額を合計し、ステップS175で、取得した予測情報のうちの「社内預金カードによる引き出し」、「口座不足額補充」等の出金情報の金額を合計し、ステップS176で、前記社内預金残高の合計額をベースとして、入金額合計を加算し、出金額合計を減算することにより、当月の社内預金の合計残高を計算する。
そして、ステップS177で、変数Nに1を加えた上で、前記ステップS173〜176を繰り返し、予測期間の月々の入金額合計、出金額合計、合計残高を計算する。ここで、ステップS176による残高の計算は、最初はステップS172で社内預金残高テーブルから読み取った値を用いるが、2回目以降は、前回ステップS176で算出された合計残高を用いて行うことになる。
以上により、指定された期間の月々の社内預金全体の残高が予測されることなる。
ここで、この処理の具体的動作を図36に示すサーバーコンピュータ10の画面を用いて説明すると、この画面上で、まず、予測期間を指定する。この期間は、現在の月から1年間、合計12ヶ月間を指定することができるようになっている。
そして、表示ボタンをクリックすれば、図34のフローチャートに従ってサーバーコンピュータ10の中央処理装置14が作動し、予測情報に基づいて各月の社内預金の入金額合計、出金額合計及び合計残高が計算されて画面に表示される。
また、この画面には、社内預金からの会社の月々の資金利用予定額を入力することができるようになっており、これを入力すれば、利用後の社内預金残高が表示されるようになっている。したがって、会社の担当者は、社内預金の将来の残高予測に基づいて資金利用計画を適切に設定することが可能となる。
なお、図37、38の画面は、サーバーコンピュータ10に接続されたクライアントコンピュータを用いて社員が当該預金管理システムを利用する場合の画面であって、図37の画面では、社員コード、取引期間、及び銀行口座か社内預金かの別を入力することにより、取引予実情報テーブルから該当する情報が読み出されて表示される。
その場合に、確定情報及び予測情報については、各項目がテキストボックス及びコンボボックスに表示され、その内容の変更が可能とされている。また、データ未表示のテキストボックス及びコンボボックスを用いて、新たな情報を作成することができ、その情報は、サーバーコンピュータ10の取引予実情報テーブルに、予測情報又は確定情報の新たなレコードとして記録される。これにより、社内預金の残高の予測の精度が向上することになる。
さらに、図37の画面の基準値設定ボタンをクリックすれば図38の画面が表示され、この画面に、指定した取引期間における銀行口座の残高の最高値、最低値、及び平均値が表示されるようになっている。そしてこれらの値を参考にして、銀行口座と社内預金との間の資金移動の基準となる残高基準値を入力することができるようになっている。この残高基準値は、図9の口座マスターの該当する社員コードのレコードに記録され、前述の口座残高の管理の処理に用いられる。
以上のように、本発明によれば、社内預金システムを有する会社で実施することにより、社員が開設している金融機関の口座において引落不能といった事態を未然に防止しながら、社内預金システムのメリットを最大限に実現することが可能となり、社内預金システムを採用する会社において、社員の福利向上の面及び会社の資金利用の面で、効果的に活用されることになる。
10 サーバーコンピュータ
13 記憶装置
13a プログラム記録部
13b データ記録部
14 中央処理装置
13 記憶装置
13a プログラム記録部
13b データ記録部
14 中央処理装置
Claims (11)
- 会社に設けられた社内預金システムと、社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理する方法であって、
金融機関から提供される前記口座の取引の実績情報に基づいて将来の口座取引を予測すると共に、
この予測した情報と金融機関から提供される前記口座の残高とから将来の口座残高を算出し、
将来の残高が予め設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させると共に、不足額を前記口座に入金させるように指示することを特徴とする預金管理方法。 - 前記請求項1に記載の預金管理方法において、
給与又は賞与の支給時には、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させるように指示することを特徴とする預金管理方法。 - 前記請求項1又は請求項2に記載の預金管理方法において、
社内預金システムから提供される社内預金の入出金の実績情報と、社内預金に対する指示に基づく入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金を予測すると共に、
この予測した情報と社内預金システムから提供される各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出することを特徴とする預金管理方法。 - 社内預金システムを有する会社に備えられ、コンピュータを用いて、前記社内預金システムと社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理するシステムであって、
金融機関の口座に確保する残高の基準値を設定する基準残高設定手段と、
金融機関から提供される口座残高と取引の実績情報とを取得する口座情報取得手段と、
該取得手段で取得した実績情報に基づいて将来の口座取引の予測情報を作成する予測情報作成手段と、
該予測情報作成手段で作成した予測情報と前記口座情報取得手段で取得した口座残高とから将来の口座残高を算出する口座残高算出手段と、
該算出手段で算出した残高が前記基準残高設定手段で設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、不足額を前記口座に入金させる入出金指示手段とを有することを特徴とする預金管理システム。 - 前記請求項4に記載の預金管理システムにおいて、
金融機関から口座取引の予定が確定した確定情報を取得する確定情報取得手段を有し、
口座残高算出手段は、同一の取引について前記予測情報作成手段で作成した予測情報と前記確定情報取得手段で取得した確定情報とが存在するときは確定情報のみを用い、いずれか一方の情報のみが存在するときはその情報を用いて口座残高を算出することを特徴とする預金管理システム。 - 前記請求項4又は請求項5に記載の預金管理システムにおいて、
入出金指示手段は、給与又は賞与の支給時には、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させることを特徴とする預金管理システム。 - 前記請求項4から請求項6のいずれかに記載の預金管理システムにおいて、
社内預金システムから各社員の社内預金の残高と入出金の実績情報とを取得する社内預金情報取得手段を有すると共に、
前記予測情報作成手段は、該社内預金情報取得手段で取得した実績情報と、前記入出金指示手段により指示された社内預金に対する入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金予測情報を作成し、かつ、
該予測情報作成手段で作成した各社員の社内預金の入出金予測情報と、前記社内預金情報取得手段で取得した各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出する社内預金全残高算出手段とを有することを特徴とする預金管理システム。 - 社内預金システムを有する会社に備えられ、該社内預金システムと社員が口座を開設している金融機関との間で情報を授受して預金を管理するプログラムであって、
コンピュータを、
金融機関の口座に確保する残高の基準値を設定する基準残高設定手段、
金融機関から提供される口座残高と取引の実績情報とを取得する口座情報取得手段、
該取得手段で取得した実績情報に基づいて将来の口座取引の予測情報を作成する予測情報作成手段、
該予測情報作成手段で作成した予測情報と前記口座情報取得手段で取得した口座残高とから将来の口座残高を算出する口座残高算出手段、及び、
該算出手段で算出した残高が前記基準残高設定手段で設定した基準残高に対して不足することとなるときに、社内預金システムに対して必要な金額を出金させ、不足額を前記口座に入金させる入出金指示手段として機能させることを特徴とする預金管理プログラム。 - 前記請求項8に記載の預金管理プログラムにおいて、
コンピュータを、金融機関から口座取引の予定が確定した確定情報を取得する確定情報取得手段として機能させると共に、
前記口座残高算出手段として機能させるときは、同一の取引について前記予測情報作成手段で作成した予測情報と前記確定情報取得手段で取得した確定情報とが存在するときは、確定情報のみを用い、いずれか一方の情報のみが存在するときはその情報を用いて口座残高を算出するように機能させることを特徴とする預金管理プログラム。 - 前記請求項8又は請求項9に記載の預金管理プログラムにおいて、
コンピュータを入出金指示手段として機能させるときは、給与又は賞与の支給時に、前記不足額が存在しないときは、該給与又は賞与の全額を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額の範囲内であるときは、該給与又は賞与から不足額を差し引いて前記口座に入金させると共に、残余の給与又は賞与を社内預金に入金させ、前記不足額が給与又は賞与の額を超えるときは、該給与又は賞与の額を超える金額を社内預金から出金させると共に、その金額と給与又は賞与の全額とを口座に入金させるように機能させることを特徴とする預金管理プログラム。 - 前記請求項8から請求項10のいずれかに記載の預金管理プログラムにおいて、
コンピュータを、社内預金システムから各社員の社内預金の残高と入出金の実績情報とを取得する社内預金情報取得手段として機能させると共に、
前記予測情報作成手段として機能させるときは、前記社内預金情報取得手段で取得した実績情報と、前記入出金指示手段により指示された社内預金に対する入出金の実績情報とに基づいて各社員の社内預金の将来の入出金予測情報を作成するように機能させ、かつ、
コンピュータを、前記予測情報作成手段で作成した各社員の社内預金の入出金予測情報と、前記社内預金情報取得手段で取得した各社員の社内預金の残高とから、将来の社内預金全体の残高を算出する社内預金全残高算出手段として機能させること特徴とする預金管理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005240189A JP2007058329A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 預金管理方法、預金管理システム、及び預金管理プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
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