JP2007057911A - 液体現像剤用の現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤用の現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚みが均一な現像液膜を現像部に供給し、厚みムラの無い均一な液膜(乃至はトナー薄膜)からなる顕像を生成できるようにする。
【解決手段】 アニロックスローラ550を用いて不揮発性液体現像剤Dを現像ローラ510表面上に塗布する液体現像剤用の現像装置及び該現像装置を搭載した画像形成装置において、現像ローラ510表面上の現像ローラ510とアニロックスローラ550とのニップ部の回転方向下流で現像ニップの上流側に当接する板状の当接部材520を設けると共に、板状の当接部材520を加振して振動させる加振部材を設け、板状の当接部材520を加振部材により、現像ローラ510表面上に塗布された不揮発性液体現像剤Dの液膜に対して振動を与える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アニロックスローラを用いて不揮発性液体現像剤を現像ローラ表面上に塗布する液体現像剤用の現像装置及び画像形成装置に関する。
従来、液体溶媒中に固体成分からなるトナーが分散された液体現像剤(以下、現像液という)を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する画像形成装置が種々提案されている。現像液を用いた画像形成装置は、感光体表面を帯電手段で均一に帯電してから書込手段により画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成して、液体現像装置で可視化する。液体現像に供する現像液は、不揮発性オイル等の絶縁性液体からなる現像液溶媒中に、樹脂及び顔料からなる固形分を分散した顕像化粒子として機能するトナーや、トナー分散剤等、が分散された比較的高粘度の混合物であり、貯蔵タンク等に貯蔵されて、現像ローラや現像ベルト等の現像剤担持体上に均一な厚さで供給、塗布される。現像ローラや現像ベルト等の現像剤担持体上に塗布された現像液の薄膜層が感光体に近接して現像領域を通るとき、現像液薄膜層中の帯電したトナーにより、感光体の静電潜像を現像してトナー像を形成する。帯電トナーは、現像電界中で、絶縁性液体中を静電気力によって移動して感光体上に静電潜像を現像する。感光体に形成されたトナー像は、転写紙に転写され、転写紙に転写したトナー像を定着して画像を形成する。現像或いは転写工程終了後の現像ローラ或いは感光体に残留したトナーはクリーニング手段で除去して画像形成工程を終了する。
現像電界中で、絶縁性液体中を静電気力によって移動するトナーの移動距離が短いほど現像効率が向上し、現像速度、現像分解能も向上する。そのために、現像ローラ等の現像剤担持体上に塗布される現像液膜は、数ミクロン程度の均一な厚みからなる薄膜層とし、この薄膜層化された現像液を感光体に接触させて現像することが望ましい。現像液の薄膜層を形成するための手段としては、表面に規則的な彫刻がなされたアニロックスローラからなる塗布ローラを用い、アニロックスローラに規制ブレードを接触させることで、現像液量を計量して現像ローラ等へ転写塗布して均一な現像液の薄膜層を形成している(例えば、特許文献1参照)。貯蔵タンク内の、現像液貯留部に溜まっている現像液を、現像搬送スクリューで攪拌搬送しながら、塗布ローラで汲み上げ、現像ローラ表面に現像液膜を塗布する。塗布ローラは表面にアニロックスパターンを有し、規制ブレードによって、塗布される現像液の量を計量し、膜厚を規制する。特許文献1の実施例においては、塗布ローラ表面の移動方向が、現像ローラ表面の移動方向とは異なり、現像液を現像ローラに擦りつけるように塗布している。
特開2002−72695号公報
高粘性の現像液を用いた現像装置では、現像部で液膜が現像され顕像化される際に、顕像部において均一な液薄膜(乃至はトナー薄膜)からなる顕像を現像できず、筋目状のムラ、波状のムラ等の、液膜の厚みムラや、更に液膜の抜け落ちが発生することがある。現像部に至る膜表面に残存する液膜の乱れは、現像時に引き継がれて、現像にムラが生ずる為に、目視できるムラが顕像として再生される。これら現像時に発生するムラは、現像以降の処理で改善することができずに、そのまま紙面などへ印刷されてしまうことがある。現像部において均一な液薄膜からなる顕像を再生する為には、現像液を、均一な液膜として現像部に供給することが重要である。
均一な液膜とは、現像分解能に対して、物理的に、化学的に、或いは電気的に、液膜が充分に均一、同質であることを指す。例えば、現像分解能1000dpiの仕様を満足させるには、1000dpiに相当する程度のムラ、或いは25.4ミクロン程度以上の長さに渡るムラがあってはならない。現像分解能2000dpiの仕様を満足させるには、2000dpiに相当する程度のムラ、或いは12.5ミクロン程度以上の長さに渡るムラがあってはならない。現像部に供給する液膜のムラの大きな要因の一つに、現像液膜の物理的な厚みムラに起因した色ムラが挙げられる。
液膜自体が有するレオロジーに起因して、液膜の供給部材(例えば塗布ローラ)と被供給部材(例えば現像ローラ、或いは現像ベルト等)の双方の部材表面と、液膜との間で相互作用が発生する。相互作用は、部材表面エネルギー、部材表面形状、液膜表面エネルギー、液膜組成材料の物理的、化学的、電気的特性に起因する液膜自体のレオロジーに依存すると考えられる。双方の部材表面が接触開始状態から接触離反状態に移行することによって、供給部材表面に形成されていた液膜は、供給部材表面から剥がれて、被供給部材表面に移動する。前記相互作用によって、供給部材表面から液膜が剥がされる際に、液膜の一部は被供給部材表面へ転写されるが、転写された液膜は、均一な液膜状態を維持できるわけではなく、膜状態が乱されて、厚み方向に様々な乱れを生ずる。供給部材と被供給部材との移動方向が、双方の接触面で同方向、或いは逆方向に移動するような、供給、転写の構成をした場合は、各部材表面と液膜との相互作用の影響は、それぞれ異なり、被供給部材表面に形成される液膜表面の乱れ方も異なる。ローラ表面の相互移動方向を逆向きにすると、更に別の問題を発生することがある。
このような乱れは、溝形状のアニロックスパターンを形成したアニロックスローラを現像剤供給ローラとして用いて現像液を現像ローラ等へ転写塗布する現像装置において顕著に現れる。アニロックスローラは、一般に金属からなり、アニロックスローラと、ゴム硬度30〜80の現像ローラとを、それぞれローラ表面が逆方向に移動するように回転した場合、ローラ表面が摩擦することにより、現像ローラは磨耗を繰り返し、劣化が進行する。磨耗劣化によって、経時的に表面特性が変化し、表面エネルギーが変わると共に、表面形状も変わり、初期設定値からずれることによって、前記表面エネルギーの相関関係がくずれ、また液膜のレオロジーに影響される供給、転写直後の膜表面乱れ状態も経時的に変化してしまう。この理由から、両ローラを摩擦回転するような方式は、実用的な長期使用に耐えられず、ローラ交換などの保守作業が頻繁に発生する。
特許文献1の例にあるように、供給部材表面に、計量用アニロックスパターンなどの溝加工が施されている場合には、供給液膜は周期的な膜厚の不均一性を持ち、この周期的不均一性は被供給部材表面に供給、転写される液膜に引き継がれる。ローラに形成されているアニロックスパターンの溝内に、現像液が計量、保有されることにより、ローラ上に保有される液膜自体は、膜厚自体が一定ではないからである。アニロックスローラと現像ローラを、接触部が同一方向に接触回転させる場合には、アニロックスのパターンに依存した液膜の周期的の膜厚ムラが、直接的に、現像ローラ上に転写されてしまう。この結果、塗布ローラ上に保持された液膜を、現像ローラ上に塗布転写する際は、アニロックスの溝パターン部分が厚い液膜として塗布される。特許文献1においては、供給ローラ表面移動方向を、現像ローラ表面移動方向に対し、逆方向に設定していることで、アニロックスの厚みムラを直接転写しないようにしているが、この場合でも、両ローラの離反時において、アニロックスパターンに依存した液膜厚みムラが、現像ローラに転写されてしまうことがある。
本発明は、現像部へ供給する現像液膜を、ムラの無い均一な液膜として供給することにより、目標仕様の分解能を有する均一な顕像を再生することを課題としている。本発明が解決しようとする課題は、特許文献1のような高粘性の現像液を用いた液体現像装置において、現像液をアニロックスローラなどの塗布手段によって、現像部へ均一な液膜として供給しようとする際に、様々な要因によって厚みムラが発生することを排除することである。厚みムラ発生要因としては、現像液膜を供給する部材間で、現像液膜の受け渡しに伴って生ずる、膜厚と膜表面性の乱れ等がある。更には、画像を現像液膜により顕像化する際に、厚みムラの無い均一な液膜(乃至はトナー薄膜)からなる顕像を生成できる画像形成装置を提供することである。
そのために本発明は、アニロックスローラを用いて不揮発性液体現像剤を現像ローラ表面上に塗布する液体現像剤用の現像装置及び該現像装置を搭載した画像形成装置において、前記現像ローラ表面上の前記現像ローラと前記アニロックスローラとのニップ部の回転方向下流で現像ニップの上流側に当接する板状の当接部材を設けると共に、前記板状の当接部材を加振して振動させる加振部材を設け、前記板状の当接部材を前記加振部材により加振して振動させることにより、前記現像ローラ表面上に塗布された不揮発性液体現像剤の液膜に振動を与えるようにしたことを特徴とする。さらに、前記加振部材は、前記板状の当接部材が前記現像ローラ表面上に当接する位置近傍に配置し前記板状の当接部材を押圧しつつ加振することを特徴とし、前記加振部材は、前記不揮発性液体現像剤の液膜の厚さに相当する振幅で加振することを特徴とし、前記加振部材は、前記不揮発性液体現像剤の液膜上に形成される周期的厚みムラの周期の数分の1乃至数十分の1に相当する周波数で加振することを特徴とし、前記加振部材は、圧電振動子であることを特徴とする。
本発明によれば、現像ローラ上に高濃度・高粘性の不揮発性液体現像剤を塗布した後に、その高濃度・高粘性の不揮発性液体現像剤により形成される液膜の動的粘性を積極的に下げる機能を提供することで、液膜自体が、自己の粘性に基づいて膜厚の乱れを緩和する方向に速やかに移動し易くし、また、液膜全体に圧力を加えておくことで、前記不均一な膜厚の緩和を促進、均一化させ、平坦化を促進し、平坦化にかかる時間を短縮することができる。したがって、現像剤供給ローラとしてアニロックスローラを用いることにより、現像ローラや現像ベルト等の現像ローラ上に塗布された不揮発性液体現像剤により形成される液膜にアニロックスパターン等が受け継がれても、そのアニロックスパターン等に基づく膜厚の周期的うねり、或いは、現像ローラ表面に液膜が転写される際に、アニロックスローラから液膜の一部又は全部が剥がれることによって、現像ローラ表面に塗布したトナー液膜の表面に生ずる不規則な乱れ、或いは更に、現像液自体に含まれる固形物トナー粒子の不均一性やトナー粒子同士の凝集等に起因する膜厚の不均一性を解消することができ、これらを解消することにより、現像時に充分均一な液膜(乃至はトナー薄膜)からなる顕像が形成できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る液体現像剤用の現像装置の実施の形態を示す図、図2は現像剤供給ローラの表面を表した斜視概念図、図3は現像剤供給ローラの表面に設けられた溝の形状の例を示す断面図、図4は当接部材と加振部材の配置関係の例を示す図、図5は板状の当接部材の構成例を示す図である。図中、20は感光体、50は現像ユニット、510は現像ローラ、520は板状の当接部材、530は現像剤収容部、540は現像剤汲み上げローラ、550は現像剤供給ローラ、560は規制ブレード、562は規制ブレード支持部材、570は現像ローラクリーニングユニット、571は現像ローラクリーニングブレード、Dは現像剤を示す。
現像ユニット50は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ510と、現像剤収容部530と、現像剤汲み上げローラ540と、現像ローラ510に現像剤を供給し塗布する現像剤供給部材の一例としての現像剤供給ローラ550と、規制部材の一例としての規制ブレード560と、現像ローラクリーニングユニット570とを有している。
現像剤収容部530は、感光体20に形成された潜像を現像するための現像液Dを収容する。この現像剤収容部530に収容されている現像液Dは、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本実施の形態に係る液体現像剤Dは、シリコーンオイル等の不揮発性かつ絶縁性キャリア液中に、平均粒径0.1〜5μm程度の樹脂、顔料等からなるトナー粒子を高濃度(5〜40wt%程度)に分散させた高粘度(100〜10000mPa・s程度)の現像液Dである。
現像剤汲み上げローラ540は、現像剤収容部530に収容されている現像液Dを汲み上げて現像剤供給ローラ550へ搬送する。この現像剤汲み上げローラ540は、その下部が現像剤収容部530に収容された現像液Dに浸されており、また、現像剤供給ローラ550から、約1mmの幅を持って離間している。
さらに、現像剤汲み上げローラ540は、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、現像剤供給ローラ550の回転中心軸よりも下方にある。また、現像剤汲み上げローラ540は、現像剤供給ローラ550の回転方向(図1において時計方向)と同じ方向(図1において時計方向)に回転する。なお、現像剤汲み上げローラ540は、現像剤収容部530に収容された現像液Dを汲み上げて現像剤供給ローラ550へ搬送する機能を有するとともに、現像液Dを適正な状態に維持するために現像液Dを撹拌する機能をも有している。
現像剤供給ローラ550は、現像剤収容部530から現像剤汲み上げローラ540により搬送された現像液Dを現像ローラ510へ供給し塗布する塗布ローラである。この現像剤供給ローラ550には、鉄等金属性のローラの表面に例えば図2に示すような凹部の微細な溝550aを均一かつ螺旋状に形成して、ニッケルメッキを施したアニロックスローラが用いられ、その直径は約25mmである。本実施の形態における現像剤供給ローラ550は、当該溝550aとして、図3(A)に示すような台形の断面形状を有する溝を備えている。また、溝550aは、図3(B)に示すような逆三角形の断面形状を有するものであってもよいし、図3(C)に示すような半円形の断面形状を有するものであってもよい。なお、本実施の形態における現像剤供給ローラ550の溝寸法は、例えば図3(A)に示すとおり、溝ピッチ約170μm、山幅約45μm、谷幅約30μm、溝深さ約50μmである。また、アニロックスローラは、ローラの表面にワイヤを巻回することにより上記と同様、表面に凹部の微細な溝550aを均一かつ螺旋状に形成したものであってもよい。
さらに、現像剤供給ローラ550は、当該現像剤供給ローラ550上の現像液Dを現像ローラ510に適切に転写して塗布するために、その表面が、当該現像ローラ510の後述する弾性体の層に圧接している。また、現像剤供給ローラ550は、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、現像剤供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図1において反時計方向)と逆の方向(図1において時計方向)に回転する。
規制ブレード560は、現像剤供給ローラ550の表面に当接して、現像剤供給ローラ上の現像液Dの量を規制する。すなわち、当該規制ブレード560は、現像剤供給ローラ550上の余剰現像液を掻き取って、現像ローラ510に供給する現像剤供給ローラ550上の現像液D、を計量する役割を果たす。この規制ブレード560は、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材562より支持されている。なお、規制ブレード560のゴム硬度は、JIS−Aで約62度であり、規制ブレード560の、現像剤供給ローラ550表面への当接部、の硬度(約62度)は、後述する現像ローラ510の弾性体の層の、現像剤供給ローラ550表面への圧接部、の硬度(約85度)よりも低くなっている。また、規制ブレード560は、その先端が現像剤供給ローラ550の回転方向の下流側に向くように配置されており、いわゆるトレール規制を行う。トレール角度は約10度である。
このようにアニロックスローラを現像剤供給ローラ550に用いることにより、アニロックスローラの表面に形成された溝550aに現像液Dを担持するとともに、溝550aの容積によって現像液Dを計量して、被塗布物である現像ローラ510への塗布量を一定に調整する。そして、規制ブレード560は、溝550aから溢れた現像液Dの余剰分をアニロックスローラ上から除去するためその表面に当接させて使用される。これにより、溝550aから溢れた現像液Dは規制ブレード560によって摺り切られることで計量され、現像ローラ510への塗布量を安定化させることができる。
現像ローラ510は、感光体20に担持された潜像を現像液Dにより現像するために、現像液Dを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する現像剤担持体である。この現像ローラ510は、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性部の一例としての弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラ510は、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で現像剤供給ローラ550及び感光体20のそれぞれに圧接している。
また、現像ローラ510は、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、感光体20の回転中心軸よりも下方にある。また、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図1において時計方向)と逆の方向(図1において反時計方向)に回転する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に電界が形成される。
板状の当接部材520は、現像ローラ510が担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する現像液Dに対して垂直方向に、その液膜上に形成される周期的厚みムラの周期の数分の1から数十分の1以下に相当する周波数、ほぼ液膜の厚みに相当する振幅で、液膜の有効幅にわたって機械的な微振動を加えるものである。そのため、板状の当接部材520は、現像ローラ510の表面上の、現像ローラ510と現像剤供給ローラ550とのニップ部の回転方向下流で、感光体20と現像ローラ510との現像ニップの上流側に当接して配置され、図4に示すように支持部522により現像装置等の固定された筐体の一部に支持固定され、加振部材524により加振して振動させる。加振部材524には、高周波電圧を電極間に印加して振動させる圧電振動子(ピエゾ素子)が用いられ、現像ローラ510の表面移動速度に応じて、例えばその表面移動速度が1000mm/sec〜1400mm/secとなる、20枚/分(A4、A3)の印刷の場合には、140kHz以上、さらには50枚/分の高速印刷の場合には、350kHz以上の周波数で振動させることで、少なくとも画像において目視でも無視できる0.1mm以下にムラを低減することができる。
現像ローラクリーニングユニット570は、現像ローラ510の表面に当接されたゴム製の現像ローラクリーニングブレード571を有し、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラ510上に残存する現像液Dを現像ローラクリーニングブレード571により掻き落として除去するための装置である。
このような構成の現像ユニット50における現像剤の現像位置までの供給、回収は次のように行われる。まず、現像剤汲み上げローラ540が、その中心軸回りに回転することによって、現像剤収容部530に収容されている現像液Dを汲み上げて現像剤供給ローラ550へ搬送する。
アニロックスローラを用いた現像剤供給ローラ550の溝550aで計量されて搬送された現像液Dは、現像剤供給ローラ550の回転によって、規制ブレード560の当接位置に至る。そして、当該当接位置を通過する際に、現像液Dの余剰分が規制ブレード560によって掻き取られ、現像ローラ510に供給される現像液Dの現像剤量が計量される。すなわち、アニロックスローラを用いた現像剤供給ローラ550には、前述したとおり、溝550aが設けられているから、現像剤供給ローラ550に当接する規制ブレード560は、現像剤供給ローラ550上の現像液Dを溝550aに保持された現像液Dを残して掻き取ることとなる。また、現像ローラ510に供給される現像液Dの現像剤量が適正な量になるように溝550aの寸法が決められているので、規制ブレード560が現像剤供給ローラ550上の現像液Dを掻き取った際には、溝550aによって適正な量に計量された現像液Dが溝550aに残存することとなる。
アニロックスローラを用いた現像剤供給ローラ550の溝550aに保持され計量された現像液Dは、現像剤供給ローラ550のさらなる回転によって、現像ローラ510との圧接位置に至る。当該圧接位置に至った現像液Dは、現像剤供給ローラ550と現像ローラ510が圧接することにより生ずる圧力の作用より、現像剤供給ローラ550から現像ローラ510へ転写され、現像ローラ510上には現像液Dの薄膜が形成される。
このようにして現像ローラ510の表面上に形成された現像液Dの薄膜は、現像ローラ510の回転によって、板状の当接部材520の当接位置に至ると、当該当接位置を通過する際に、現像液Dの薄膜に対して機械的振動が加えられることにより、塗布された厚みムラのある液膜が均一な厚みになると共に、液膜内にあり現像ローラ510の表面にめり込んだり貼りついたりしているトナーの各粒子が離反する。しかる後に、感光体20に対向する現像位置(すなわち、感光体20との圧接位置)に至り、該現像位置にて所定の大きさの電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像位置を通過した現像ローラ510上の現像液Dは、現像ローラ510のさらなる回転によって、現像ローラクリーニングブレード571の当接位置に至る。そして、当該当接位置を通過する際に、現像ローラクリーニングブレード571によって、現像ローラ510の表面に付着している現像液Dが掻き落とされ、掻き落とされた現像液Dは、現像ローラクリーニングユニット570が備える残存現像剤回収部に回収される。
本実施の形態では、上記のように現像剤供給ローラ550から現像ローラ510上に現像液膜を塗布した後の段階で、且つ潜像を形成した感光体20によって現像を行なう現像部に現像ローラ510上の液膜が到達する前の段階で、物理的作用を加える部材、つまり板状の当接部材520により、現像ローラ510上に塗布された液膜に、液膜の厚みの乱れが均一になるように機械的に微振動を加える。具体的には、現像ローラ510上の現像液膜に対して前記した段階で、液膜の進行方向に対して略直交方向即ち、現像ローラ510の中心方向(径方向、液膜の厚み方向)に、現像に供する液膜の有効幅にわたって物理的作用を加える。この物理的作用は、現像に供する液膜の有効幅の全域にわたって、静的には比較的均一な圧力分布を有しながら、動的には圧力変動を生じさせることをさす。
本実施の形態において、前記物理的作用を加える部材、つまり板状の当接部材520に対し、これを加振して振動させる加振部材524は、図4(A)に示すように板状の当接部材520が現像ローラ510に当接する位置の近傍に配置される。つまり板状の当接部材520は、一端が支持部522により支持固定され、ほぼ現像ローラ510の軸と板状の当接部材520との当接位置を通る線上に加振部材524が配置される。また、板状の当接部材520が現像ローラ510に当接する位置に対して、図4(B)に示すように加振部材524を支持部522と反対側、つまり板状の当接部材520の自由端側に配置してもよいし、図4(C)に示すように加振部材524を支持部522との間に配置してもよい。或いは、図4(D)に示すように板状の当接部材520を支持固定する支持部522との間に加振部材524を配置してもよい。
また、板状の当接部材520には、図4及び図5(A)に示すような平板状に形成されたものが用いられるが、図5(B)に示すように円筒ループ状に形成されたものを用いてもよい。このような円筒ループ状の板状の当接部材520を用いる場合には、支持部522を現像装置等の固定された筐体の一部に支持固定して、そのループ状反対側を現像ローラ510に当接させ、その当接位置の裏側に加振部材524を配置して当接位置で板状の当接部材520を加振して振動させるように構成される。これら板状のものに代えてローラ部材を当接部材として用いて現像ローラ510に当接させその軸側から加振部材により加振して振動させるようにしてもよい。また、図4(D)や図5(B)に示す構成、ローラ部材を用いて現像ローラ510に当接させる構成の場合には、その当接する接線方向や現像ローラ510の軸方向、それらの方向に対して所定の角度を有する方向を当接部材の振動方向とすることもできる。
加振部材524を構成する圧電振動子は、様々な分野に加振手段や微細領域の走査手段などとして採用されよく知られいてるが、以下に本実施の形態で採用される圧電振動子の例を説明する。図6は圧電振動子の構造を説明する外観図であり、524a、524cは電極膜、524bは電歪素子、524dは基板を示す。
圧電振動子は、図6に示すように第1の電極膜524a、電歪素子524b、第2の電極膜524cからなり、電歪素子524を第1の電極膜524aと第2の電極膜524cで挟んで構成するものである。圧電振動子は、基板524d上に直接形成され、或いは別途形成された圧電振動子を基板524dに接着その他の手段で固定されている。基板524dは、当接部材520を兼ね、或いは当接部材520を電圧印加手段として第2の電極膜524cと兼ねることもできる。電歪素子524bを挟む第1の電極524aと第2の電極524cに電圧を印加する時、電歪素子524bは分極し、分極して発生したクーロン力によって電歪素子を厚み方向に歪ませる効果がある。電歪素子を挟む両電極に加える電界を周期的に変化させることによって、圧電素子は厚み方向に伸び縮みを繰り返し、加えられる電界の周波数に応じて振動する。勿論、圧電振動子の構成は、図6の例以外にも様々な構成が可能である。
電歪素子524bを構成する物質として、大きな圧電性を持つチタン酸バリウム(BaTiO3 )やチタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zi,Ti)O3 、その他の圧電セラミクス(多結晶体)が利用できる。チタン酸バリウム(BaTiO3 )の結晶は、常温で正方晶だが、Ti4+イオンが体心から少しずれていて、そのTi4+イオンの変位によって電気双極子を生じ、自発分極する。これら圧電セラミクスの圧電効果には、圧電縦効果(分極方向に電気信号を加え、それと平行方向に歪み、応力を生じさせる)、圧電横効果(分極方向に電気信号を加え、それと垂直方向に歪み、応力を生じさせる)、圧電厚みすべり効果(分極方向と垂直に電気信号を加え、分極軸と信号軸を含む面内に歪み、応力を生じさせる)などがあり、それぞれの効果共に振動に有効である。実際に加振部材524に適した圧電効果の方式やその構造は、例えば加振部材524を図4(A)〜(D)に示すようにそれぞれ異なる配置をさせた場合に、これら加振部材の構成や配置、加振の方向に依存して変わる。また、加振部材の構成や配置、加振の方向に応じて発生させるべき振動量、振動方向、或いは振動周波数の適値も変わり得る。
圧電振動子には、積層圧電型やバイモルフ型があり、積層圧電型は、図6に示す第1の電極膜524a、電歪素子524b、第2の電極膜524cからなる圧電振動子を複数重ねて積層状に構成するものである。歪みの効果が積層した総数に比例して大きくなることから、全体として大きな振動を得易いことが知られている。この場合、1枚1枚は厚み方向の分極が逆になるように交互に積層固着した圧電振動子とすると、電極の引き出しは分極の+同士、−同士を並列接続することにより印加電圧の向きに対し、全圧電セラミクスの分極の向きが同じになり、積層方向に圧電縦効果により変位する。1枚の厚さを薄くすることにより低電圧化を可能とし、また積層することにより厚み方向の変位量を増大させることができる。
また、バイモルフ型は、圧電セラミクスの薄板を2枚貼り合わせて圧電横効果を利用し、1枚を伸ばし1枚を縮めて屈曲変位を得るものとして知られている。この場合には、圧電セラミクスの薄板にそれぞれ電極で挟んで電界を加え、電極に挟まれた2枚の圧電振動子を基板に固定しておくと、基板は振動板となる。2枚貼り合わせた圧電セラミクスの薄板の一方に加える電界と他方に加える電界の方向を逆方向にすると、一方が縮む方向に圧電横効果を発生するとき、他方は伸びる方向に圧電横効果が発生する。電界を逆極性にすると、伸縮が逆になり、この作用を繰り返す時、圧電振動子は上下に撓み、圧電振動子が固定された振動板は上下に撓み振動をする。バイモルフ型は、前記積層型に比べて圧電振動子の撓み変位量を大きく取れる。その代わりに発生力は前記積層型に比べて小さい。
また、圧電振動子は、その構造的な制約によって、得られ易い振動周波数領域が異なることが知られている。傾向的には、前記バイモルフ型の屈曲振動では、数百Hzから数十kHzの振動が得られ易く、前記厚み縦振動では数十MHzまでの振動が得られ易いとされている。また、長さ方向縦振動では、数十kHzから数百kHzの振動周波数が得られ易く、厚みすべり振動では、数百kHzからMHzの振動周波数が得られ易い、とされている(例えば、電子材料工業会「圧電セラミックスとその応用」電波新聞社1974、「アコースティックエミッション総合コンファレンス論文集」(社)日本非破壊検査協会、技術資料BZ−TEJ001−0021「圧電セラミックス」FDK株式会社の記載を参照)。
図7は加振による液膜の乱れの改善効果を説明する現像液膜表面の写真、図8は加振によるトナー粒子の浮き上がり効果を説明する図である。
現像剤供給ローラ550と現像ローラ510の表面が同方向に移動するように設定した際に観察された現像ローラ510上の現像液膜の写真を、図7(A)、図7(B)、図7(C)に示す。図7(A)は、現像ローラ510上に供給された現像液膜表面の写真の例であり、不規則な波状のうねりが観察される。このうねりは、現像剤供給ローラ550から現像ローラ510へ現像液膜が供給され、現像剤供給ローラ550から現像液膜が離反する際に生ずる剥がれに起因した現像液膜表面の乱れによるものである。現像剤供給ローラ550として計量のための溝加工を表面に施したアニロックスローラを用いて、図7(A)の場合とは異なる条件で現像液膜を現像ローラ510上に供給塗布した場合の、現像ローラ510上の現像液膜表面の写真の例を、図7(B)に示す。表面には周期的なうねりが観察された。このうねりは、アニロックスの溝パターンに対応した比較的規則性のあるうねりである。
これら図7(A)或いは図7(B)に示された、不均一なうねりのある表面性を有する現像液膜が形成されている現像ローラ510を使って現像を行った時、現像部で顕像化された後の現像液膜上にもこの不均一性が濃厚に反映された。現像液膜表面の乱れは、現像ローラ510からそのまま現像後の顕像上にも受け継がれ、感光体20上で観測された。現像液膜の表面に発生する不規則なムラ、或いは規則的なうねり状のムラ、即ち現像液膜の厚みムラが少ないほど、感光体20上の顕像も、更には紙面などへの印刷結果もムラが無いことになる。
現像装置に現像液を供給する前の現像液にあっては、現像液を構成する溶媒に対して、トナー粒子が均一濃度で分散している状態が望ましいが、トナー粒子の均一分散を維持或いは形成するために、必要に応じて攪拌などの処理が行われることがある。これは、現像部に供給される現像液膜が、現像領域全域に渡って、トナー粒子が均一濃度で分散していることが望ましいからである。しかしながら、現像ローラ510上に塗布された、数ミクロン程度の膜厚からなる現像液膜中においては、現像液膜を構成する溶媒とトナー粒子とが、均一な状態が維持されているわけではない。現像液膜が現像剤供給ローラ550から現像ローラ510へ供給される際に加えられる圧力や、摩擦力によって、トナー粒子が現像ローラ510へ押し付けられることにより、図8(A)に示すように一部のトナー粒子T1が部分的に現像ローラ510にめり込んだり、張り付いたりすることがある。また、アニロックスローラのような溝つきの現像剤供給ローラ550を用いる場合、現像ローラ510上に溝パターンがそのまま転写され、このパターンを消すために、現像ローラ510上に均し部材を備えたとしても、高濃度・高粘度の液体現像剤では、この均し部材により現像ローラ510にトナーが強く押しつけられることにより、溝パターンは消えるもののトナーが現像ローラ510上に図8(A)に示すようにフィルミングしたり、現像効率が下がったりする欠点がある。
現像剤供給ローラ550による現像ローラ510への現像液膜の塗布工程以降で、図8(A)に示すように一部のトナー粒子T1が現像ローラ510表面に、めり込んだり張り付いたりする場合は、これらトナー粒子T1の現像ローラ510への付着強度が他のトナー粒子T2よりも強いために、現像時において、所定の現像が得られない原因になり、現像のムラの要因になることがある。更には、現像後の工程で、現像ローラ510上に残留する現像液膜をクリーニングして、新たな現像液膜を塗布する際に、クリーニングの工程で充分クリーニングできずに現像ローラ510表面にトナー粒子T1がめり込み張り付いたまま残って、次のサイクルに悪影響を与える原因となることがある。
本実施形態にあっては、現像ローラ510上の現像液膜に対して、超音波機械振動を加えることにより、塗布された厚みムラがある現像液膜を均一な厚みに修正する一方で、更に、現像ローラ510の軸方向の現像液膜に加えられた超音波機械振動が、現像液膜内にあるトナーの各粒子に、溶媒を介して伝達されることにより、トナー粒子が現像液膜を構成する溶媒中で振動する。この結果、図8(B)に示すように前記した現像ローラ510表面にめり込んだり張り付いたりしているトナー粒子T1′が、現像ローラ510の表面から離反して溶媒中へ浮き上がり、相対的に現像液膜の中央部へ寄せられる。従って、現像ローラ510の表面へのトナー粒子のめり込みや張り付きが解消され、現像時のムラ要因が解消される。また、前記した現像ローラクリーニングブレード571による現像ローラクリーニング工程でのクリーニング不良要因も解消される。
次に、液膜に振動を与えた場合と振動を与えない場合における溝パターンの見えなくなる現像剤の膜圧と規制ブレードの線圧の関係を示す。図9は現像剤別の溝パターンの見えなくなる現像剤の膜圧と規制ブレードの当接圧の関係を示す図であり、加振部材により当接部材を加振させる周波数を400kHzとして、加振させた場合を○、比較例として加振させない場合を×で示し溝パターンの見えなくなる膜厚とブレード線圧の関係を求めたものである。
図9(A)は次の現像剤Aを用いたときの膜厚とブレード線圧の関係を示す。現像剤Aは、「樹脂:テレフタル酸とトリメリット酸の酸混合物と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物との重縮合架橋ポリエステル(重量平均分子量23,400、Mw/Mn=9.0、酸価27mgKOH/g)・・・50重量部」、「顔料:Pigment Blue 15:3・・・5重量部」をヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した後、3本ロールで混練し、直径2mmになるまで粗粉砕した。
次に、得られた混合物の20重量部をシリコーンオイル(動粘度100mm2 /s、信越化学工業製KF96−100cs)の77重量部、分散剤ソルスパース31845の2重量部、ステアリン酸アルミニウムの1重量部と混合して、更に分散装置(ヒーズミルドライスヴェルケ社製 AdvantisV15)を使用し、ビーズ直径1.0mm、流量20kg/hの条件で循環して分散した。負荷動力は3.5kWで一定とした。
得られた現像剤中の粒子成分の粒径をレーザ回折・分散式粒度分布測定装置(日機装製 マイクロトラックUPA150 modelNo.9340)によって測定したところ、個数平均粒子径は1.3μmであった。固形分率(全体に対する樹脂−顔料混練物の値)は20%である。
図9(B)は次の現像剤Bを用いたときの膜厚とブレード線圧の関係を示す。現像剤Bは、現像剤Aにおいて使用するオイルをシリコーンオイル(動粘度50mm2 /s、信越化学工業製KF96−50cs)に変えた他は同様に現像剤を作成した。個数平均粒子径は1.5μmであった。固形分率は20%である。
図9(C)は次の現像剤Cを用いたときの膜厚とブレード線圧の関係を示す。現像剤Cは、現像剤Aにおいて混合物を30重量部、オイルを67重量部に変えたほかは同様に現像剤を作成した。個数平均粒子径は1.6μmであった。固形分率は30%である。
本実施の形態で説明したように当接部材を加振部材により加振させ、現像ローラ510上の現像液膜に対して、その表面に機械的に振動を加え、固形分(トナー粒子)を振動させることで、図9のそれぞれの現像剤に対して○で示すように×で示した比較例より低いブレード線圧で均一な厚みの現像液膜を達成できる。ブレード線圧を低くできることは、それだけ装置を小型化できることになる。また、ブレード線圧を固定した場合には、膜厚を薄くしても均一な厚みの現像液膜を達成でき、現像効率を上げることができる。
上記のように本実施形態によれば、現像ローラ上へ転写される際の、液膜上に形成される周期的厚みムラの周期の数分の1から数十分の1以下に相当する周波数、液膜の厚み近傍の振幅の機械的振動を加えることにより、液膜に動的粘性を下げる効果を与える。更に機械的振動を加える機構が、同時に液膜を圧迫することにより、平坦化が促進される。さらには、トナー粒子の振動によるめり込みや張り付きの解消、薄膜化、現像効率の向上を図ることができる。現像部に供給する現像液の薄膜に、経時的に変動する機械的圧力を加えることにより、現像液膜を積極的に緩和させて液膜の厚み不均一性を解消する。液膜に加える機械的圧力変動の振動周波数成分として、現像速度で換算される現像分解能の周波数に比較して同等程度かそれ以上の成分を含ませることにより、更に有効な不均一性の解消ができる。
また、当接部材は、高周波機械振動を、液膜との接触面に亘って、伝えられるだけの機械強度を有する程度の可撓性の薄板を使用することで、加振に要する投入エネルギーは、印刷装置に使用される全エネルギーに対比して、微弱な値であり、従ってまた、発生するエネルギーに基づいて発生する温度上昇は、印刷動作中は勿論のこと、現像ローラ非動作時であって機械的に熱分散が起きない状態でも、高粘性液体の粘性を大きく変えるほどの変化をもたらさない。特に、当接部材が、可撓性の薄板で構成することにより、液膜上に加えられる振動量が現像ローラの基体と液膜の粘性値によってほぼ規定され安定する為、印加エネルギーの調整幅に余裕をもつことができる。
圧電振動子(加振部材自体)は、可撓性の薄板上の非固定部分即ち自由振動領域に設置することにより、機械的疲労が発生しずらい為、振動子以外の外部要因による強制機械劣化から開放され長期にわたって、投入エネルギーと発生機械振幅エネルギーに対し同じ振動効果を持続させることができる。
次に、本発明に係る現像装置を搭載した画像形成装置の実施の形態についてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要を説明する。言うまでもなく、本実施形態の画像形成装置はレーザープリンタに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を複数併せ持った複合機等にも適用可能である。図10は本発明に係る現像装置を搭載した画像形成装置の実施の形態を説明する図であり、プリンタ10を構成する主要構成要素を示している。なお、図10には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、プリンタ10の下部に配置されており、中間転写ベルト70は、プリンタ10の上部に配置されている。
本実施の形態に係るプリンタ10は、図10に示すように、4つの現像部15Y、15M、15C、15K、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80を有し、さらに、不図示の定着ユニット、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニットを有している。制御ユニットは、メインコントローラと、ユニットコントローラとで構成され、メインコントローラには画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラが前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
現像部15Y、15M、15C、15Kは、それぞれ、イエロー(Y)現像剤、マゼンタ(M)現像剤、シアン(C)現像剤、ブラック(K)現像剤で潜像を現像する機能を有している。イエロー(Y)現像剤、マゼンタ(M)現像剤、シアン(C)現像剤、ブラック(K)の各現像剤は、液体キャリアに各色のトナーを分散させたものが用いられる。現像部15Y、15M、15C、15Kの構成は同様であるので、以下、現像部15Yについて説明する。
現像部15Yは、図10に示すように、像担持体の一例としての感光体20Yの回転方向に沿って、帯電ユニット30Y、露光ユニット40Y、現像装置の一例としての現像ユニット50Y、一次転写ユニット60Y、除電ユニット73Y、感光体クリーニングユニット75Yを有している。
感光体20Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図10中の矢印で示すように時計回りに回転する。帯電ユニット30Yは、感光体20Yを帯電するための装置である。不図示の露光ユニットからは、光路40Yでレーザを照射することによって帯電された感光体20Y上に潜像を形成する。露光ユニット30Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20Y上に照射する。現像ユニット50Yは、図1に示す先に説明した構成を有し、感光体20Y上に形成された潜像を、イエロー(Y)現像剤を用いて現像するための装置である。
一次転写ユニット60Yは、感光体20Yに形成されたイエロー現像剤像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kにより、4色の現像剤が順次重ねて転写された場合には、中間転写ベルト70にフルカラー現像剤像が形成される。感光体クリーニングユニット75Yは、感光体20Yの表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード76Yを有し、一次転写ユニット60Yによって中間転写ベルト70上に現像剤像が転写された後に、感光体20Y上に残存する現像剤を感光体クリーニングブレード76Yにより掻き落として除去するための装置である。除電ユニット73Yは、一次転写ユニット60Yによって中間転写ベルト70上に現像剤像が転写された後に、感光体20Y上の残留電荷を除去する装置である。
中間転写ベルト70は、複数の支持ローラに張架されたエンドレスのベルトであり、感光体20Y、20M、20C、20Kと当接しながら回転駆動される。二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70上に形成された単色現像剤像やフルカラー現像剤像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。不図示の定着ユニットは、媒体上に転写された単色現像剤像やフルカラー現像剤像を紙等の媒体に融着させて永久像とするための装置である。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について、他の構成要素にも言及しつつ説明する。まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)を介してプリンタ10のメインコントローラに入力されると、このメインコントローラからの指令に基づくユニットコントローラの制御により感光体20Y、20M、20C、20K、現像ユニット50Y、50M、50C、50Kに備えられた後述する現像ローラ、及び、中間転写ベルト70等が回転する。感光体20Y、20M、20C、20Kは、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30Y、30M、30C、30Kにより順次帯電される。
感光体20Y、20M、20C、20Kの帯電された領域は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40Y、40M、40C、40Kによって、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された潜像は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って現像位置に至り、現像ユニット50Y、50M、50C、50Kによって現像される。これにより、感光体20Y、20M、20C、20K上に現像剤像が形成される。
感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された現像剤像は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kによって、中間転写ベルト70に転写される。この際、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kには、現像剤の帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。この結果、各々の感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された4色の現像剤像は、中間転写ベルト70に重なり合って転写され、中間転写ベルト70上にはフルカラー現像剤像が形成される。中間転写ベルト70内周にはローラが設けられており、中間転写ベルト70は、不図示のモータ等の駆動力がこのローラを介して伝達されることによって駆動される。
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラー現像剤像は、中間転写ベルト70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体に転写される。なお、このような記録媒体は、不図示の給紙トレイから、各種ローラを介して二次転写ユニット80へ搬送される(図10中の矢印は、媒体の搬送方向を表している)。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写ベルト70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
フルカラー現像剤像が二次転写ユニット80によって記録媒体に転写された後、中間転写ベルト70はさらに反時計回りに回転して、中間転写ベルト70表面に残留した液体キャリアとトナーとを、中間転写ベルトクリーニングブレード11によって除去する。中間転写ベルトクリーニングブレード11は、ゴム製のブレードであり、硬度JIS−A70°のウレタンゴムが用いられる。中間転写ベルト70の幅324mmに対して、中間転写ベルトクリーニングブレード11の幅は317mmであり、中間転写ベルトクリーニングブレード11は中間転写ベルト70に対して50gf/cmの線圧で当接させる。なお、必要に応じてこの中間転写ベルトクリーニングブレード11を離間させるような機構を設けておくこともできる。記録媒体に転写されたフルカラー現像剤像は、定着ユニットによって加熱加圧されて媒体に融着される。
一方、感光体20Y、20M、20C、20Kは一次転写位置を経過した後に、除電ユニット73Y、73M、73C、73Kによって除電され、さらに、感光体クリーニングユニット75Y、75M、75C、75Kに支持された感光体クリーニングブレード76Y、76M、76C、76Kによって、その表面に付着している現像剤が掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされた現像剤は、感光体クリーニングユニット75Y、75M、75C、75Kが備える残存現像剤回収部に回収される。
本発明に係る液体現像剤用の現像装置の実施の形態を示す図である。 現像剤供給ローラの表面を表した斜視概念図である。 現像剤供給ローラの表面に設けられた溝の形状の例を示す断面図である。 当接部材と加振部材の配置関係の例を示す図である。 板状の当接部材の構成例を示す図である。 圧電振動子の構造を説明する外観図である。 加振による液膜の乱れの改善効果を説明する現像液膜表面の写真である。 加振によるトナー粒子の浮き上がり効果を説明する図である。 加振による現像液膜の薄膜化の効果を説明する図である。 本発明に係る現像装置を搭載した画像形成装置の実施の形態を説明する図である。
符号の説明
20…感光体、50…現像ユニット、510…現像ローラ、520…板状の当接部材、530…現像剤収容部、540…現像剤汲み上げローラ、550…現像剤供給ローラ、560…規制ブレード、562…規制ブレード支持部材、570…現像ローラクリーニングユニット、571…現像ローラクリーニングブレード、D…現像剤

Claims (7)

  1. アニロックスローラを用いて不揮発性液体現像剤を現像ローラ表面上に塗布する液体現像剤用の現像装置において、前記現像ローラ表面上の前記現像ローラと前記アニロックスローラとのニップ部の回転方向下流で現像ニップの上流側に当接する板状の当接部材を設けると共に、前記板状の当接部材を加振して振動させる加振部材を設け、前記板状の当接部材を前記加振部材により加振して振動させることにより、前記現像ローラ表面上に塗布された不揮発性液体現像剤の液膜に対して振動を与えるようにしたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記加振部材は、前記板状の当接部材が前記現像ローラ表面上に当接する位置近傍に配置し前記板状の当接部材を押圧しつつ加振することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記加振部材は、前記不揮発性液体現像剤の液膜の厚さに相当する振幅で加振することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  4. 前記加振部材は、前記不揮発性液体現像剤の液膜上に形成される周期的厚みムラの周期の数分の1乃至数十分の1に相当する周波数で加振することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  5. 前記加振部材は、圧電振動子であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  6. 前記板状の当接部材は、電圧印加手段を兼ねるものであることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
  7. 請求項1乃至6に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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WO2008108275A1 (ja) 2007-03-07 2008-09-12 Nec Corporation タッチパネル機能つき表示端末装置及びキャリブレーション方法

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