JP2007057380A - 非接触温度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
測定試料の微小な領域の温度を高い精度で測定しようするものである。
【解決手段】
水を含む測定対象である微小領域の測定試料を顕微鏡本体部によって拡大すると共に、微小領域を透過した検体光と参照光のスペクトルを求めると共に、特定の波長の光強度を用いて測定試料の吸光度差を求め、当該吸光度差に基づいて検体の温度変化を求めるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は非接触温度測定装置に関し、特に測定試料の一部又は全体でなる微小領域の温度を測定する場合に適用して好適なものである。
従来、非接触温度測定方法として、水の光吸収スペクトルが温度によって変化する(温度依存性を有する)ことを利用して、測定対象である水を主成分とする流体に光を照射してその吸光度に基づいて温度変化を測定するようにしたものが、特許文献1によって提案されている。
特開2004−251766
ところが、特許文献1に開示されている温度測定方法は流路を流れる液体の温度を測定するもので、水の吸収スペクトルの温度依存性を利用して例えば培養細胞などの微小生体組織領域や、水溶液などの測定試料の一部を構成する微小領域の温度を、測定できるようにすれば、その有用性を一段と拡大できると考えられる。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、微小測定対象を観察する顕微鏡の光学系を利用して、当該測定対象の温度を測定できるようにした非接触温度測定装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、水を含む検体を有する測定試料17を拡大して観察できる顕微鏡本体部2と、顕微鏡本体部2において、検体の微小領域を透過して得られる検体光LA11を導出する測定光導出部3と、検体光LA11の光吸収スペクトル成分K1のうちの1つ又は複数の特定の波長の光吸収スペクトル成分の第1の光強度に基づいて検体の温度変化を求める温度判定部5とを設けるようにする。
本発明によれば、顕微鏡本体によって拡大した測定試料透過光のうち、水を含む検体を透過して得られる検体像光の光吸収スペクトル成分を求め、当該光吸収スペクトル成分のうち、水が顕著な温度依存性をもっている近赤外光域の特定の波長の光吸収スペクトル成分の光強度を用いて検体の温度変化を求めるようにしたことにより、検体に対してダメージを与えることなく、検体の温度変化を高い精度で測定することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)全体構成
図1において、1は全体として非接触温度測定装置を示し、顕微鏡本体部2から得られた測定光を測定光導出部3から導出して光ファイバでなる測定光伝達路4を介して温度判定部5に与える。
顕微鏡本体部2は、顕微鏡筐体11の基盤部に設けられている光源レンズ系12のハロゲンランプでなる顕微鏡光源13から射出された光源光LA1をフィルタ14Aを透過させた後反射鏡14Bによって上方に折り曲げて集光レンズ系15を介して試料ステージ16上に配置された測定試料17に照射する。
この実施の形態の場合、フィルタ14Aは、1300〜2000〔nm〕の近赤外光域の光スペクトル成分を透過させることにより、2000〔nm〕以上の長波長成分をカットして測定試料17の生体組織に対してダメージを極力与えないようにすると共に、測定に必要な特定の波長の光スペクトル成分を測定試料17に照射できるようにする。
測定試料17を透過した測定試料透過光LA2は対物レンズ系18を通って光分岐部19に入射され、分岐された観察用分岐光LA3が接眼レンズ系20に伝達されることにより、非接触温度測定装置1のユーザが、測定試料17の拡大像を接眼レンズ系20によって観察できるようになされている。
この実施の形態の場合、測定試料17は、図7に示すように、厚さが500〔μm〕の石英セル17A内に水でなる保持液に水を含む生体組織である培養細胞を測定対象の検体として入れた試料本体17Bを保持したものを用いており、この石英セル17Aを遮温室17Cによって外気から遮温して試料ステージ16上に位置決めしている。
これに加えて、光分岐部19によって測定試料透過光LA2から分岐して得られる測定用分岐光LA4が測定光導出部3に伝達され、この測定用分岐光LA4が測定光伝達路4に導出される。
かかる顕微鏡光源13から測定光伝達路4に至るまでの光学系は、図2に示すように構成されている。
すなわち、顕微鏡光源13から射出された光源光LA1は、光源レンズ系12に設けられた集光レンズ12Aによって集光された後、視野絞り12Bによって所定の視野に絞られると共に開口絞り12Cによって開口率が決められ、その後、集光レンズ系15のコンデンサレンズ15Aに入射される。
かくしてコンデンサレンズ15Aから得られる光源光LA1は、試料ステージ16において視野絞り像16A内に置かれた測定試料17に照射され、その透過光が測定試料透過光LA2として対物レンズ系18の対物レンズ18Aによって光分岐部19の測定用分岐光LA4として測定光導出部3の結像面3A上に入射して視野絞り像3B内に測定試料17の拡大像3Cを結像する。
測定光導出部3の結像面3Aには、測定光伝達路4を構成する測定光伝達用光ファイバ4Aの受光面4Bが位置決めされ、これにより結像面3A上に結像された測定試料17の拡大像3Cを表す測定用分岐光LA4が受光面4Bを通って測定光伝達用光ファイバ4Aに送り出される。
測定光伝達用光ファイバ4Aは、図3(A)及び(B)に示すように、測定試料17の拡大像3Bのうち、測定試料17の中央部分にある微小領域の結像(すなわち測定対象としての検体光)を受光する1本の光ファイバ部材で構成される検体光光ファイバ4Cと、その外側を取り囲むように配設された複数の光ファイバ部材で構成され検体像の周囲の結像(すなわち保持液の像)を受光する参照光光ファイバ4Dとを保護管4Eで保護した構成を有し、これにより、検体光光ファイバ4Cによって検体及び保持液を透過して得られる検体光LA11を測定用分岐光LA4として伝達することに加えて、当該検体像の周囲の保持液を透過して得られる参照光LA12を測定用分岐光LA4として参照光光ファイバ4Dによって伝達できるようになされている。
ここで、測定試料17は水でなる保持液中に検体として水を含む生体組織である培養細胞を保持した構成を有するものであるので、検体光LA11は光源光LA1が測定試料17の中央部分の微小領域において保持液と検体及び含んでいる水とを透過した結果得られるのに対して、参照光LA12は光源光LA1が、中央部分の微小領域近傍の微小領域において、保持液だけを透過した結果得られる。
この実施の形態の場合、顕微鏡本体部2は10倍の拡大率を有し、これにより直径40〔μm〕の検体を直径400〔μm〕の検体像として検体光光ファイバ4C上に結像し、その周囲の直径80〔μm〕の保持液を直径800〔μm〕の保持液像として参照光光ファイバ4D上に結像する。
かくして測定光伝達路4の検体光光ファイバ4C及び参照光光ファイバ4Dによって測定光導出部3から導出された測定用分岐光LA4は、温度判定部5の光分離ユニット21(図1)に伝達される(実際上、検体光光ファイバ4C及び参照光光ファイバ4Dは、測定光伝達路4の途中で、又は光分離ユニット21内において、保護管4Eから引き離されて別々に次段に接続される)。
光分離ユニット21は、図4(A)及び(B)に示すように、筐体21A内に駆動モータ22によって回転駆動されるチョッパ板23を有する。
チョッパ板23は回転駆動軸23Aを中心として、所定の角度範囲に順次交互に扇形状に光透過部23B及び光反射部23Cを形成し、これにより回転駆動軸23Aから偏心した光投射位置P1に光が投射したとき、当該光投射位置P1を光透過部23Bが通過しているタイミングにおいて当該投射光をチョッパ板23の厚みを通るように透過させるのに対して、光投射位置P1を光反射部23Cが通過しているタイミングにおいて投射光を当該光反射部23Cによって反射させるようになされている。
光分離ユニット21の筐体21Aの一端部には検体光光ファイバ4Cを接続する光コネクタ24Aが設けられている。
これに対して、チョッパ板23の光投射位置P1を間に挟んで光コネクタ24Aと対向する筐体21Aの端部に分岐光伝達用光ファイバ25を接続する光コネクタ24Bが設けられている。
かくして光コネクタ24Aに検体光光ファイバ4Cから伝達されてきた検体光LA11が入射されたとき、この検体光LA11をコリメータレンズ26Aによって平行光に変換してチョッパ板23の光投射位置P1に投射し、これにより光投射位置P1を光透過部23Bが通過しているタイミングで検体光LA11が光透過部23Bを透過して直進することによって選択された後、コリメータレンズ26Bによって光コネクタ24Bに集光され、これが分岐光LA13として分岐光伝達用光ファイバ25に送り出される。
これに対して筐体21Aの光コネクタ24Bが設けられている側の端部に参照光光ファイバ4Dを接続する光コネクタ24Cが設けられ、参照光光ファイバ4Dから伝達されてきた参照光LA12をコリメータレンズ26Cによって平行光に変換してチョッパ板23の光投射位置P1に投射するようになされている。
かくして光投射位置P1に投射された参照光LA12は、当該光投射位置P1を光反射部23Cが通過しているタイミングで当該光反射部23によって反射されることによって選択されてコリメータレンズ26Bを介して光コネクタ24Bに分岐光LA13として射出される。
チョッパ板23の駆動モータ22は、温度判定部5に設けられたパーソナルコンピュータ構成の測定処理部31(図1)から光分離ユニット21のモータ制御回路32に光選択制御信号S1が与えられたとき、これに応動するようにモータ制御回路32から与えられる駆動出力S2によって駆動され、これによりチョッパ板23の回転位相が光選択制御信号S1によって制御されることにより、分岐光LA13として検体光LA11を射出するタイミングと、参照光LA12を射出するタイミングとを制御する。
かくして測定処理部31は、分岐光LA13として、予め決められたタイミングで検体光LA11と参照光LA13とを順次交互に選択して分岐光伝達用光ファイバ25を介して分光計41に取り込ませる。
分光計41は測定処理部31との間で測定情報S3をやりとりすることにより、分岐光LA13として検体光LA11又は参照光LA12が送り込まれたとき、近赤外領域の波長成分の光強度を検出して測定情報S3として測定処理部31のデータメモリ42に蓄積する。
測定処理部31は、検体光LA11及び参照光LA12に基づいて測定試料17の温度変化を測定するもので、図5の時点t1からt2までの光強度測定サイクルTの間に、露光時間Δtの時間だけ交互に検体光LA11及び参照光LA12についての測定を2N回繰り返すことにより、検体光LA11について近赤外光スペクトル成分のうち、特定の波長、例えば1490〔nm〕のスペクトル成分の光強度データIS1、IS2、……、ISNを得ると共に、参照光LA12について同様に当該特定の波長のスペクトル成分の光強度データIR1、IR2、……、IRNを、それぞれ検体データ及び参照データとして得る。
測定処理部31は、検体光LA11の光強度データIS1、IS2、……、ISNを用いて次式、
Figure 2007057380
のような積算平均演算を実行することにより、検体光強度Iを求めると共に、参照光LA12の光強度データIR1、IR2、……、IRNについて次式、
Figure 2007057380
のような積算平均演算を実行することにより、参照光強度Iを求める。
ここで、検体光LA11及び参照光LA12は、受光面4Bにおける受光面積や、光経路が互いに異なることに基づく光強度の差を含んでいるので、測定処理部31は光強度の検出処理サイクルT(=2NΔt)(図5)を実行する前に、前以って光強度の検出処理を実行することにより補償用の検体光強度ISO及び参照光強度IROを求め、その後の検出処理サイクルの検体光強度Iに補償係数IRO/ISOを掛けたものを補償後の検体光強度I及び参照光強度Iとして用いて以下の処理を行う。
測定処理部31は、この演算の結果得られる検体光強度I及び参照光強度Iに基づいて、次式、
Figure 2007057380
のような演算を実行することにより、吸光度差ΔAを求める。
一般に、測定対象及び参照対象への入射光の光強度Iに対して、測定対象及び参照対象の透過光の光強度がI及びIであったとき、測定対象の吸光度Aは、
Figure 2007057380
であり、参照対象の吸光度Aは、
Figure 2007057380
である。両者間の吸光度差ΔAは、
Figure 2007057380
として、(3)式の関係が得られる。
かくして測定処理部31は、図6に示すように、光強度測定サイクルT(=2NΔt)ごとに、吸光度差ΔA1、ΔA2、ΔA3、……を求めることができ、この吸光度差ΔA1、ΔA2、ΔA3、……の順次隣り合う吸光度差の時間変化分データA(=ΔA2−ΔA1、ΔA3−ΔA2、ΔA4−ΔA3、……)を求め、これを測定試料17の温度の変化に対応するデータとして求める。
(2)測定試料の温度変化検出動作
以上の構成において、測定試料17の温度変化の測定を行う際に、ユーザは顕微鏡本体部2の接眼レンズ系20によって測定試料17を観察しながら(図1)、試料ステージ16上に測定試料17(図7)を設定する。
このとき、ユーザは、石英セル17A内の試料本体17Bのうち、保持液中にある微小面積で水を含む測定対象である培養細胞を検体として対物レンズ系18の光軸上に位置合せさせることにより、測定試料透過光LA2の中心像を検体光LA11として測定光導出部3の検体光光ファイバ4Cに取り込ませる(図3)と共に、測定試料透過光LA2のうち検体の周囲の保持液を透過した光を参照光LA12として参照光光ファイバ4Dに取り込ませるようにする。
かくして測定試料17のうち保持液である水と、水を含む微小検体である培養細胞とを通った検体光LA11が検体光光ファイバ4Cを通って光分離ユニット21に伝達されると共に、当該微小検体の周囲の保持液である水を通った参照光LA12が参照光光ファイバ4Dを通って光分離ユニット21に供給される。
光分離ユニット21は検体光LA11及び参照光LA12を露光時間Δt(図5)ごとに交互に分岐光LA13として選択して分光計41に送り込む(図1)。
分光計41は露光時間Δtごとに分岐光LA13として供給される検体光LA11及び参照光LA12の光強度スペクトルを分析して、各波長の光強度スペクトル成分を測定情報S3として、測定処理部31のデータメモリ42に取り込ませる。
測定処理部31はデータメモリ42の測定情報に基づいて、1つの特定の波長(この実施の形態の場合1490〔nm〕)における光強度を、光強度測定サイクルT(=2NΔt)においてそれぞれ積算回数N回ずつ実行する(図5)。
1回の光強度測定サイクルT(=2NΔt)の測定が終わると、測定処理部31は、上述の(1)式及び(2)式の演算を実行することにより検体光強度I及び参照光強度Iを求める演算を実行し、その後上記(3)式によって検体と保持液との吸光度差ΔAの演算を実行する。
かくして測定処理部31は光強度測定サイクルT(=2NΔt)ごとに吸光度差ΔA(=ΔA1、ΔA2、ΔA3、……)を温度検出情報として得ることができ(図6)、この吸光度差ΔA(=ΔA1、ΔA2、ΔA3、……)は、測定試料17の検体の温度変化ADを表している。
一般に、測定試料17において保持液として用いられている水は、近赤外光域(1300〜2000〔nm〕まで)の透過光に対して特定の波長、1450〔nm〕及び1900〔nm〕付近においてピークをもつような光吸収特性を示し、しかもこのピーク部分の光吸収スペクトルは、水の温度が変化すると水の分子結合状態が変化するために、温度が上昇すれば、短波長側にシフトするような顕著な変化を示す。
この現象を水の吸光度によって表わせば、その吸光度スペクトルK1は、図8のように水の温度の変化(26〔°C〕〜37〔°C〕)に応じてピーク部が変化しており、例えばその1450〔nm〕付近のピーク部を拡大して図9に示せば、温度の上昇に応じてピーク部にシフトが生じていることが分かる。
そこで、図8(図9)の複数の温度についての吸光度スペクトルK1に基づいて、そのうちの1つを基準温度(例えば26〔°C〕)として当該基準温度との光吸収スペクトルとの差分を演算すれば図10に示すように、基準温度を中心として他の温度との吸光度差を表す吸光度差スペクトルK2が得られる。
この吸光度差スペクトルK2において、透過光の1つの波長、例えば1490〔nm〕を特定したときの各温度の吸光度差スペクトルの値は、各温度の基準温度との間の吸光度の差分を表わしている。
この関係を利用して、温度が未知の測定試料を透過した透過光について、特定の波長の光強度を時間の経過に従って順次検出して行けば、当該検出結果の吸光度と基準温度時の吸光度(予め求めておく)との吸光度差を知れば、測定試料の温度の変化を特定できることになる。
かくするにつき、上記特定波長として、吸光度差スペクトルK2(図10)のうち、各温度相互間の吸光度差が顕著に大きくなる波長、例えば1490〔nm〕を選定すれば測定試料の温度を高い精度で測定できる。
かくして、図6の温度変化の検出処理動作結果によれば、順次続く光強度測定サイクルT(=2NΔt)ごとに求めた吸光度差ΔA(=ΔA1、ΔA2、ΔA3……)において、互いに隣り合う吸光度値の差の値が測定試料17の温度変化を測定できる。
以上の構成によれば、近赤外光域(1300〜2000〔nm〕)において水に対する光吸収スペクトルが温度によって顕著な変化を示すことを利用して測定試料の温度変化を高い精度で検出することができる。
実験によれば、厚さ500〔μm〕及び100〔μm〕の純水の温度変化を約0.1〔°C〕の精度で測定できることを確認できた。
また、近赤外光は波長全体として生体組織に対する透過性が高く、従って生体組織へのダメージをほとんど与えない特徴をもっており、その結果検体として微小な培養細胞を用いた場合においても、検体にダメージを与えることなく高い精度で温度を検出することができる。
さらに、測定試料として保持液である水の中に水を含む検体を保持したものを用いることにより、保持液と検体とを透過する透過光成分でなる検体光が水及び検体の温度情報を運ぶのに対して、保持液を透過する透過光成分でなる参照光が検体周囲の水の温度情報を運ぶことになるので、保持液それ自体に外乱が生じたり、照射光に光強度の乱れが生じたりした場合においても、検体光の当該外乱や乱れを参照光によって補償することができ、これにより安定した温度検出結果を得ることができる。
(3)他の実施の形態
(a)図7の測定試料17は、石英セル17Aに水でなる保持液中に水を含む検体を保持した試料本体17Bを入れたものを適用し、この測定試料17に対して上方に離間して配設した対物レンズ系18によって測定試料透過光LA2を得るようにしたが、適用できる測定試料はこれに限らず他の構成のものを用いてもよい。
例えば図11に示すように、試料ステージ16上に皿型の試料容器17J内に保持液中に検体を保持した試料本体17Kを入れたものを測定試料17として設定し、当該試料本体17Kの水内に対物レンズ系18を上方から差し入れるようにした構成のものを適用できる。
図11の構成によれば、対物レンズ系18の先端が保持液としての水内に差し込むことができるので、当該試料本体17Kに対する対物レンズ系18の上下方向の位置を調整することにより試料本体17Kを光源光LA1が透過する際の厚みを必要に応じて厚くしたり、薄くしたり、調整することができる。
かくして、試料本体17K内の検体の種類に応じて適正な厚さでその温度の測定をすることができる。
(b)図12(A)及び(B)は光分離ユニット21の他の実施の形態を示すもので、図4との対応部分に同一符号を付して示すように、駆動モータ22によって回転駆動されるチョッパ板23Xによって検体光LA11がコリメータレンズ26A、26Bを通って分岐光LA13として分岐光伝達用光ファイバ25に直進するのに対して、当該直進光路に直交するように設けられ、これによりチョッパ板23Xの下側部分に検体光LA11の光投射位置P1を設定する。
これに対して、チョッパ板23Xの上側部分の光投射位置P12と直交するように参照光光ファイバ4Dの参照光LA12をコリメータレンズ26Cを介して入射させる。
チョッパ板23Xは、図12(B)に示すように、回転駆動軸23AXを中心として、その周囲に順次交互に扇形状の光透過部23BX及び光遮断部23CXが配設され、光透過部23BXが検体光LA11の光投射位置P1を通過したとき、光遮断部23CXが参照光LA12の光投射位置P12を通過するような位置関係に配置されていると共に、光遮断部23CXが検体光LA11の光投射位置P1を通過したとき、参照光LA12の光投射位置P12を光透過部23BXが通過するように配置されている。
かくして、チョッパ板23Xは、検体光LA11を光投射位置P1において透過させているとき、参照光LA12を光遮断部23CXによって遮光し、これにより検体光LA11を分岐光LA13として分岐光伝達用光ファイバ25に送出する。
これに対して、検体光LA11の光投射位置P1に光遮断部23CXが通過しているとき参照光LA12の光投射位置P12に光透過部23BXが通過していることにより、参照光LA12が当該光透過部23BXを透過して反射鏡27Aによって下方に折り曲げられた後、検体光LA11の直進光路に設けられた半透鏡27Bによって反射されて分岐光LA13として分岐光伝達用光ファイバ25に送出される。
図12の構成によれば、検体光光ファイバ4Cによって伝達されて来る検体光LA11と、参照光光ファイバ4Dによって伝達されて来る参照光LA12とを、チョッパ板23Xによって交互に分岐光LA13として分岐光伝達用光ファイバ25に選択して送出することができる。
(c)図13は、測定光導出部3の他の実施の形態を示すもので、図3との対応部分に同一符号を付して示すように、測定光伝達用光ファイバ4Aは、受光面4Bにおいて検体光光ファイバ4CXと参照光光ファイバ4DXとが互いに横に並ぶような位置関係を保つように保護管4Eによって保持される構成を有する。
図13の構成において、ユーザは試料ステージ16上に測定試料17を配設する際に、測定試料17内にある検体を透過した光が測定光伝達用光ファイバ4Aの検体光光ファイバ4CXに入射するように測定試料17を位置合わせする。
かくして測定試料17を透過した測定試料透過光LA2のうち検体を透過した光が検体光光ファイバ4CXを通って検体光LA11として光分離ユニット21(図4)に供給されると共に、検体の周囲の水を通った光が参照光光ファイバ4DXを通って光分離ユニット21に参照光LA12として供給される。
かくして図13の測定光導出部3を用いた場合も、図3について上述と同様にして検体光LA11と参照光LA13とをそれぞれ光分離ユニット21に供給して分岐されることにより検体及びその周りの水についての吸光度スペクトルを分光計41において得るような処理を行うことができる。
(d)上述の実施の形態においては、水の近赤外光域における吸光度スペクトルが波長1450〔nm〕帯で、吸収度のピークが温度に依存して変化を示すことを利用して検体の温度を測定するようにした場合について述べたが、近赤外光域には、図14に示すように、波長1900〔nm〕帯において、波長1450〔nm〕と比較して吸光度が大きくかつ温度による変化量が大きい特性があるので、吸収が大きい1900〔nm〕帯の波長について吸光度差を演算することにより検体の温度変化を検出するようにしても良い。
この実施の形態によれば、波長1450〔nm〕帯では測定できないような薄い測定試料でも、吸収量が大きい分波長1900〔nm〕帯によって測定することができる。
この場合波長1450〔nm〕帯の測定結果と波長1900〔nm〕帯の温度測定結果とを得て、そのいずれかを採用するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
(e)図15は、本発明による非接触温度測定装置の他の実施の形態を示すもので、図1との対応部分に同一符号を付して示すように、測定光導出部3から測定光伝達路4として導出される検体光光ファイバ4C及び参照光光ファイバ4Dを、それぞれ検体光分光計41A及び参照光分光計41Bに接続する。
検体光分光計41A及び参照光分光計41Bは、それぞれ、検体光光ファイバ4C及び参照光光ファイバ4Dから与えられる検体光LA11及び参照光LA12の光強度スペクトルを分析して、各波長の光強度スペクトル成分を測定情報S3として、測定処理部31のデータメモリ42に取り込ませる。
以上の構成によれば、測定光導出部3から得られる検体光LA11及び参照光LA12を分離処理することなく直接検体光分光計41A及び参照光分光計41Bに与えることができることにより、光情報のロスを一段と低減させることができ、その結果一段と高い精度で測定試料17の温度変化を測定することができる。
(f)上述の実施の形態においては、近赤外光域の特定の1つの波長について測定試料の温度変化を判定するようにしたが、温度変化の測定に用いる波長としては、これに限らず、複数の波長成分を用いるようにしても良い。
因に、測定試料17として、水以外の他の成分が含まれる場合には、吸光度スペクトルK1(図8、図9)を構成する各温度の特性曲線に変化が生ずることがあり、この場合には、複数の波長を特定して複数の温度検出結果を得、当該温度検出結果から測定温度を判定する。
(g)上述の実施の形態においては、測定光導出部3から導出された測定用分岐光LA4を、光ファイバを用いた測定光伝達路4を介して、温度判定部5の分光計に伝達するようにした場合について述べたが、これに代え、測定光導出部3らか導出された測定用分岐光LAを、測定光導出部3の鏡筒部に設置した受光素子に直接供給することにより、光情報の損失を低減させるようにしても良い。
本発明は培養細胞の温度変化の測定による、腫瘍などの異常細胞の検出や、ティシュエンジニアリングでの培養・移植組織の評価や、MEMSチップ内の液体の温度変化の検出などに利用できる。
本発明の一実施の形態による非接触温度測定装置を示す略線的ブロック図である。 図1の顕微鏡本体部の光学系の説明に供する略線図である。 (A)及び(B)は測定光導出部の測定光伝達用光ファイバの構成を示す側面図及び正面図である。 (A)及び(B)は光選択ユニットの詳細構成を示す略線的系統図及びチョッパ板の正面図である。 分光計の光強度検出動作の説明に供する信号波形図である。 吸光度検出結果から得られる吸光度差の説明に供する信号波形図である。 測定試料の構成を示す略線的縦断面図である。 測定処理部において得られる吸光度スペクトルの説明に供する特性曲線図である。 図8の一部を拡大して示す特性曲線図である。 吸光度検出結果に基づいて求める吸光度差スペクトルを示す特性曲線図である。 測定試料の他の実施の形態を示す略線的縦断面図である。 (A)及び(B)は光選択ユニットの他の実施の形態を示す略線的系統図及びチョッパ板の正面図である。 (A)及び(B)は測定光導出部の測定光伝達用光ファイバの他の実施の形態を示す側面図及び正面図である。 水の吸光度差スペクトルの特性に基づく他の実施の形態の説明に供する特性曲線図である。 本発明の他の実施の形態よる非接触温度測定装置を示す略線的ブロック図である。
符号の説明
1……非接触温度測定装置、2……顕微鏡本体部、3……測定光導出部、3A……結像面、3B……拡大像、4……測定光伝達路、4A……測定光伝達用光ファイバ、4B……受光面、4C……検体光光ファイバ、4D……参照光光ファイバ、4E……保護管、5……温度判定部、11……顕微鏡筐体、12……光源レンズ系、12A……集光レンズ、13……顕微鏡光源、14……反射鏡、15……集光レンズ系、16……試料ステージ、17……測定試料、18……対物レンズ系、19……光分岐部、19……接眼レンズ系、21……光分離ユニット21A……筐体、22……駆動モータ、23、23X……チョッパ板、24A〜24C……光コネクタ、26A〜26C……コリメータレンズ、31……測定処理部、32……モータ制御回路、41、41A、41B、……分光計、42データメモリ、42S……検体データメモリ、42R……参照データメモリ。

Claims (3)

  1. 水を含む検体を有する測定試料を拡大して観察できる顕微鏡本体部と、
    上記顕微鏡本体部において、上記検体の第1の微小領域を透過して得られる検体像光を導出する測定光導出部と、
    上記検体像光の光スペトクル成分のうちの1つ又は複数の特定の波長の光スペクトル成分の第1の光強度に基づいて上記検体の温度変化を求める温度判定部と
    を具えることを特徴とする非接触温度測定装置。
  2. 上記測定光導出部は、上記測定試料の上記第1の微小領域の近傍にある第2の微小領域を透過して得られる参照光を導出し、
    上記温度判定部は、上記参照光の光スペクトル成分のうちの上記特定の光スペクトル成分の第2の光強度と、上記第1の光強度との比でなる吸光度差を求め、当該吸光度差に基づいて上記検体の温度変化を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触温度測定装置。
  3. 水を含む検体を有する測定試料を拡大して観察できる顕微鏡本体部から、上記検体の微小領域を透過する検体像光を測定光導出部によって導出して温度測定部に供給し、
    上記温度判定部は、上記検体像光の光スペクトルを測定して当該検体像光の光スペクトル成分のうち1つ又は複数の特定の波長の光スペクトル成分の第1の光強度に基づいて上記検体の温度変化を求める
    ことを特徴とする非接触温度測定方法。
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