JP2007057201A - 振動処理装置並びにこの装置を用いた粉粒体の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バイブレータユニット5は電動機51の回転軸52にアンバランスウェイト53を具えて成るものであり、バイブレータユニット5を二基並列に具え、且つこれらバイブレータユニット5の筐体1への取り付け態様を、平面視において、筐体1に形成された投入口15から排出口16に至る経路と、回転軸52とが平行になるようにしたことを特徴として成るものであり、二基のバイブレータユニット5の回転方向、回転速度を制御することにより、筐体1の横断面内に対して縦振動及び円振動の双方を選択的に与えることができ、処理室10内の被処理物の流動状態に適した振動を筐体1に付与することができる。
【選択図】図1
Description
そして投入口15′側から排出口16′側に至る経路を、排出口16′側が下降するように設定することによって、粉粒体Gの排出を図っている。すなわち粉粒体Gは、バイブレータユニット5′によって振動させられる処理室10′内において流動状態となり、この際、投入口15′側から排出口16′側に向かって下降する斜面に沿って進行してゆくものである。
また処理の済んだ粉粒体Gが全て排出されるまでに長時間(長いときで数時間)を要してしまっており、特に残り数パーセントの粉粒体Gは、排出口16′と処理室10′との間の段差を超えることなく投入口15′側に戻ってしまうこともあり、完全に排出するのには更に長時間を要してしまっている。
上記特許出願に係る発明は図9に示すように、回転軸52″が投入口15″から排出口16″に至る経路に対して直交するようにバイブレータユニット5″が具えられたものであり、バイブレータユニット5″によって生起される振動力を、平面視において投入口15″側から排出口16″側に向かう被処理物の移送方向に対して平行に作用させることにより筐体1″の横断面内において縦振動を与えるとともに、縦断面内において円振動を与え、被処理物の移動速度を高く設定することができ、上記問題を解消し得るものであった。
またこの発明は、二基のバイブレータユニット5″の回転方向を逆方向するとともに回転速度を同じにすることにより、筐体1″の縦断面内においても縦振動を与えることもできるものであるが、横断面内において円振動を与えることはできなかった。
具体的には、処理室10″の横断面内において粉粒体Gのホールドアップが大きい時には円振動よりも縦振動の方が混合度が高くなり、逆にホールドアップが小さい時には縦振動よりも円振動の方が混合度が高くなるというものである。
そしてこのことから、振動乾燥機D″によって粉粒体Gの乾燥を行う場合には乾燥の進行による粉粒体Gの性状変化に伴なって流動状態が変化するため、流動状態に応じた適切な振動を筐体1″に与えることにより、処理効率を向上させることができることが予測された。
しかしながら既存の装置は、円振動または縦振動のいずれか一方のみを筐体1′、1″の横断面内に与えるように設計されたものであり、粉粒体等の流動状態の変化に応じて、筐体1′、1″の横断面内に対して最適なモードの振動を選択的に与えることができるような構成は採られていなかった。
また既存の振動乾燥機D′、D″は、粉粒体Gを排出口16′、16″側に移動させるために排出口16′、16″側を投入口15′、15″側よりも下降させた状態で筐体1′、1″が具えられているものであり、粉粒体Gが傾斜の下方に移動することにより、投入口15′、15″側と排出口16′、16″側とではホールドアップが異なった状態となってしまい、筐体1′、1″の長手方向では場所によって最適な振動モードが異なってきてしまうことは避けられなかった。
この発明によれば、二基のバイブレータユニットの回転方向、回転速度を制御することにより、筐体の横断面内に対して縦振動及び円振動の双方を選択的に与えることができ、処理室内の被処理物の流動状態に適した振動を筐体に付与することができる。
この発明によれば、筐体の縦断面及び横断面における振動の方向を変化させ、これら断面内において二基のバイブレータユニットによって生起される振動を楕円振動とすることができる。
この発明によれば、筐体の縦断面及び横断面における振動の方向を変化させ、二基のバイブレータユニットによって生起される振動を、筐体の横断面内においては楕円振動とし、一方、筐体の縦断面内においては傾斜した縦振動とすることができる。
この発明によれば、処理操作中には筐体を水平状態とするとともにホールドアップの状態に応じて筐体の横断面内に与える振動を選択することにより、被処理物の混合状態を良好なものとすることができ、一方、排出時には筐体を傾斜させた状態で筐体の横断面及び縦断面に縦振動を与えて粉粒体の排出を迅速に行うことができ、処理効率を向上させることができる。
この発明によれば、処理操作中には筐体を水平状態とするとともにホールドアップの状態に応じて筐体の横断面内に与える振動を選択することにより、被処理物の混合状態を良好なものとすることができ、一方、排出時には筐体を傾斜させた状態で筐体の横断面及び縦断面に縦振動を与えて粉粒体の排出を迅速に行うことができ、処理効率を向上させることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
なお以下の説明では、振動処理装置の一例である振動乾燥機の構成について図示の実施例に基づいて説明し、その後この装置の作動態様と併せて粉粒体の処理方法について説明する。
まず前記基台Bについて説明すると、このものは一例として図1、2に示すように、鋼材を適宜組み合わせて構成されたものであり、この基台Bに対して四本の支持柱Cが立設される。
また前記弾性体2は、バネ、防振ゴム等の弾性部材によって形成された柱状部材であり、この実施例ではバネが使用される。
またこれら筐体1及び側板12の内側にはジャケット内板13が設けられ、更に熱媒ノズル14が取り付けられるとともに、この熱媒ノズル14に温水等の熱媒循環器7が接続される。
なお図3には回転軸52がケーシング50の両側部から突出するとともに回転軸52の両端にそれぞれアンバランスウェイト53を取り付けたタイプのユニットを示したが、アンバランスウェイト53を一基のみ具えるタイプのユニットを採用するようにしてもよい。
このような構成が採られることにより、この実施例でバイブレータユニット5によって生起される振動力のモードは、筐体1の横断面内においては、360°方向を変えるか、あるいは上下方向のみで方向を変え、一方、縦断面内においては、上下方向のみで方向を変えるものとなる。
以下これら振動モードについて詳しく説明するが、この説明に先立ってバイブレータユニット5の回転方向について定義しておくと、図2(a)に示す正面図において時計周りの回転を正回転とし、その反対すなわち反時計周りの回転を逆回転とする。
また粉粒体Gの移送方向については、投入口15側から排出口16側に向かう方向を正方向とし、その反対すなわち排出口16側から投入口15側に向かう方向を逆方向として定義する。
また図5(b)に示すようにバイブレータユニット5A、5Bのいずれか一方のみを起動した場合には、筐体1の横断面内において360°全方向に同量で向きを変える円振動が得られることとなる。またこのとき、筐体1の縦断面内における振動は、上下方向のみで向きを変える縦振動となる。もちろんこれら円振動及び縦振動の振幅は、バイブレータユニット5A、5Bを同じ方向で起動したときよりも小さくなる。
更にまた図5(c)(d)に示すようにバイブレータユニット5A、5B双方の回転速度を同じにするとともに回転方向を逆にした場合には、筐体1の横断面内、縦断面内ともに、上下方向のみで向きを変える縦振動が得られることとなる。
(1)装置のセッティング
まず振動乾燥機Dの運転操作に先立ち、側板12によって筐体1の両開口部を閉鎖するとともに、排出口16を蓋体16aによって閉鎖する。また被処理物たる粉粒体Gの形状、粒径、重量等に応じて、バイブレータユニット5の回転数を決定し、振動周期、振幅の設定を行う。この実施の形態では一例として回転数を1800rpmとした。
更に真空凝集装置6によって処理室10内の圧力を設定し、熱媒循環器7によって循環する熱媒の温度及び流量を設定する。
また傾斜機構4を機能させ、筐体1を、排出口16側が下降した傾斜状態とする(傾斜角度1〜2°)。
そして前記真空凝集装置6を起動して処理室10内を真空状態とし、また熱媒循環器7を起動して熱媒の循環供給を開始し、更にバイブレータユニット5を起動して筐体1を振動させる。
ここでは図5(c)または(d)に示したように、バイブレータユニット5A、5Bを逆方向に回転させるものであり、投入口15から投入された粉粒体Gはホッピングしながら速やかに処理室10内を正方向に進行し、長手方向広域に分布することとなる。もちろん粉粒体Gの性状によっては、図5(a)に示したように、バイブレータユニット5A、5Bを同方向に回転させ、ホールドアップさせながら分散させるようにしてもよい。
次いで傾斜機構4を機能させ、筐体1を水平傾斜状態とし、バイブレータユニット5を起動するものであるが、本発明によると、粉粒体Gの性状に応じて図5に示した種々の振動モードの中から適宜のものを選択することができる。
またこのとき、筐体1は水平状態であるため、粉粒体Gは全域で略同様のホールドアップ状態となり、筐体1の長手方向全域に亘って最適な振動モードが同一となって、良好な流動状態として乾燥を効率的に行うことができる。
更に乾燥の進行にともなって、最適な振動モードも変化することとなるが、本発明によれば筐体1の横断面内に対して、図5に示したように縦振動または円振動を選択的に与えることができ、処理室10内の粉粒体Gの流動状態に適した振動を、常時、筐体1に付与することができることとなる。
やがて粉粒体Gの水分値が所望のものとなったことを、温度センサ等によって検知した時点で、あるいは予め設定しておいた処理時間が経過した時点で、傾斜機構4を機能させ、筐体1を、排出口16側が下降する傾斜状態として(傾斜角度5〜10°)排出口16を開放する。そして図5(c)または(d)に示したように、バイブレータユニット5A、5Bを逆方向に回転させるものであり、粉粒体Gはホッピングしながら速やかに処理室10内を正方向に進行し排出口16から外部に排出されることとなる。
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示す実施例を採ることもできる。
このようなバイブレータユニット5の設置態様を採った場合には図6に示すように、筐体1の縦断面及び横断面における振動の方向を変化させ、二基のバイブレータユニット5A、5Bによって生起される振動を楕円振動とすることができる。
このため筐体1に付与することのできる振動のバリエーションを増やして、より効率的な処理を行うことが可能となる。
このようなバイブレータユニット5の設置態様を採った場合には、筐体1の縦断面内に対しては斜め方向の縦振動を付与し、一方、横断面内に対しては楕円振動を付与することができる。
このため筐体1に付与することのできる振動のバリエーションを増やして、より効率的な処理を行うことが可能となる。
1 筐体
10 処理室
11 固定脚
12 側板
13 ジャケット内板
14 熱媒ノズル
15 投入口
16 排出口
16a 蓋体
16b ダクト
16c ハンドル
17 排気口
18 測定口
19 ドレン口
2 弾性体
3 ベース
4 傾斜機構
40 シリンダ
5 バイブレータユニット
5A バイブレータユニット
5B バイブレータユニット
50 ケーシング
51 電動機
52 回転軸
53 アンバランスウェイト
54 カバー
55 台座
6 真空凝集装置
7 熱媒循環器
B 基台
C 支持柱
F フレキシブルパイプ
G 粉粒体
Claims (5)
- 内部空間を処理室とした筐体を、弾性体を介在させた状態で基台上に具え、この筐体をバイブレータユニットによって振動させることにより、前記処理室内に投入された被処理物を流動させながら、この被処理物の処理を行う装置において、前記バイブレータユニットは電動機の回転軸にアンバランスウェイトを具えて成るものであり、このバイブレータユニットを二基並列に具え、且つこれらバイブレータユニットの筐体への取り付け態様を、平面視において、筐体に形成された投入口から排出口に至る経路と、前記回転軸とが平行になるようにしたことを特徴とする振動処理装置。
- 内部空間を処理室とした筐体を、弾性体を介在させた状態で基台上に具え、この筐体をバイブレータユニットによって振動させることにより、前記処理室内に投入された被処理物を流動させながら、この被処理物の処理を行う装置において、前記バイブレータユニットは電動機の回転軸にアンバランスウェイトを具えて成るものであり、このバイブレータユニットを二基並列に具え、且つこれらバイブレータユニットの筐体への取り付け態様を、平面視において、筐体に形成された投入口から排出口に至る経路と、前記回転軸との間の角度αを調節可能としたことを特徴とする振動処理装置。
- 前記バイブレータユニットは、側面視において、筐体に形成された投入口から排出口に至る経路と、回転軸との間の角度βを調節可能に構成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の振動処理装置。
- 前記筐体は傾斜角度を調節可能に構成されたものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の振動処理装置。
- 前記請求項4記載の振動処理装置を用い、処理操作時には筐体を水平状態としてバイブレータユニットを駆動し、排出操作時には筐体を傾斜させた状態としてバイブレータユニットを駆動することを特徴とする粉粒体の処理方法。
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