JP2007056739A - ボイラスケール除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大量のスケール剥離が発生した場合であっても、スケールパージを促進してスケール除去に要する時間を短縮するとともに、費用を低減することが可能なボイラスケール除去方法を提供する。
【解決手段】 復水・蒸気系統120の途中で、バイパス路91を介してボイラ(火炉11a)と復水器61とを接続し、バイパス路91に切り換えられた復水・蒸気系統120内を循環する蒸気圧力を脈動(スイング)させて、スケールパージを促進する。蒸気圧力の脈動工程は、蒸気圧力差がそれぞれ異なる複数の脈動ステージからなり、複数の脈動ステージは、蒸気圧力の脈動工程の進行に伴い蒸気圧力差が徐々に増加する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ボイラスケール除去方法に関し、特に発電プラントの運転停止時に、復水・蒸気系統内に残留したスケールの除去を迅速に行うことが可能なボイラスケール除去方法に関する。
タービンを用いて発電機を駆動するようにした発電プラントでは、ボイラ内で微粉炭等の燃料を燃焼させることにより蒸気を発生させ、この蒸気によりタービンを回転させ、タービンの回転軸に駆動軸が接続された発電機を駆動して発電を行っている。
このような発電プラントでは、ボイラ内に配設された過熱器および再熱器で発生した蒸気をタービンに供給して発電を行い、タービンから排出された蒸気を復水器に導き凝縮して水に戻し、再び過熱器および再熱器へ循環させている。また、復水器には、海水循環ポンプで汲み上げられた海水が循環して流されており、排出蒸気を冷却凝縮して水に戻すようになっている。
復水・蒸気系統内には上述したように水または蒸気が循環しており、長時間の運転を行うと復水・蒸気系統内にスケールが蓄積する。そこで、定期的に発電プラントを停止させ、復水・蒸気系統内にヒドラジンやアンモニア等の薬液を注入して循環させることによりスケールを除去している。
従来より、発電プラントにおいて安全かつ効率的な運転を行う上で、スケール対策が重要な課題となっており、種々の技術が提案されている。
例えば、ボイラプラント起動時における再熱器の伝熱管の温度上昇を抑え、伝熱管からのスケール剥離を防止して低圧タービンの羽根の損傷を防止するためのボイラプラントにおける再熱器のスケール剥離防止方法及び装置が開示されている(特許文献1参照)。
この、特許文献1に記載されたボイラプラントにおける再熱器のスケール剥離防止方法及び装置は、過熱器からの主蒸気の一部を再熱器の伝熱管内へ導く蒸気導入ラインを設けたものである。そして、ボイラプラント起動時には、過熱器からの主蒸気の一部が再熱器の伝熱管内へ導かれるため、伝熱管はボイラの燃焼ガスにより過熱されるが、内部を流通する主蒸気によって温度の上昇が抑制されて伝熱管とスケールとの熱膨張の差によってスケールが剥がれ落ちることを防止している。
また、深夜起動停止時の運転コストの削減を図ることを目的とした発電設備の運転方法が開示されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に記載された発電設備の運転方法は、深夜起動停止時に、復水器の真空破壊を行うとともに、循環水ポンプ等の補機類の停止およびグランド蒸気の供給停止を行い、真空破壊後の真空上昇時に、復水器と復水処理装置との間で復水を循環させてクリーンアップを行うようになっている。
また、洗浄廃液から熱を回収して洗浄水の温度を高くし、これにより押出水洗効率を高めて押出水洗工程を短縮するとともに、次工程の過熱に要する熱量を少なくし、かつ洗浄廃液の温度を低くすることにより冷却水の量と廃液貯蔵の容量を減少させ、PDFによる冷却を不要として、洗浄時間を短縮するボイラの化学洗浄方法が開示されている(特許文献3参照)。
この特許文献3に記載されたボイラの化学洗浄方法は、ボイラに化学洗浄液を導入し、過熱した状態で循環して洗浄する洗浄工程と、ボイラに洗浄水を導入し、洗浄廃液を押し出すとともに水洗する押出水洗工程とを含み、押出水洗工程ではボイラから排出する洗浄廃液と、導入する洗浄水とを熱交換器に導入して熱交換し、洗浄廃液を冷却して排出するとともに洗浄水を加熱し、過熱状態の洗浄水で押出水洗を行うようにしたものである。
特開2000−74308号公報 特開2004−68646号公報 特開平11−141804号公報
ところで、上述した形態の発電プラントにおける復水器は、海水を冷却水として使用しているため、復水・蒸気系統内へ海水が侵入しないような構造を備えている。しかしながら、事前の安全対策を万全なものとするため、復水・蒸気系統内に海水が侵入する事態を想定して、予め適切な対処方法を考慮しておく必要がある。
このように、復水・蒸気系統内に海水が侵入した場合には、通常の運転時と比較して著しいスケール剥離が発生することが想定され、発生したスケールを迅速かつ適切に除去する必要がある。
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術はスケール剥離を防止するためのものであり、特許文献2、および特許文献3に記載された技術は、大量のスケール剥離が発生する事態を想定していない。したがって、これら従来の技術を用いてスケール除去を行ったのでは、スケール除去工程に長時間を要するだけではなく、これにともない大量の純水や薬品等が必要となるため、プラント停止期間が延びて運転再開が遅れるとともに、スケール除去に要する費用が嵩むという問題があった。
本発明は上述した事情に鑑み提案されたもので、大量のスケール剥離が発生した場合であっても、スケールパージを促進してスケール除去に要する時間を短縮するとともに、費用を低減することが可能なボイラスケール除去方法を提供することを目的とする。
本発明に係るボイラスケール除去方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を備えている。
すなわち、本発明に係るボイラスケール除去方法は、ボイラで発生した蒸気によりタービンを駆動して発電を行うとともに、タービンを駆動した後の蒸気を復水器により復水して再度ボイラへ循環させるようにした発電プラントの運転停止時に、復水・蒸気系統内に残留するスケールを除去するためのボイラスケール除去方法であって、前記復水・蒸気系統の途中で、バイパス路を介して前記ボイラと前記復水器とを接続する工程と、該バイパス路を含むように切り換えられた前記復水・蒸気系統内を循環する蒸気圧力を脈動させる工程とを行うことにより、スケールパージを促進させることを特徴とするものである。
また、前記蒸気圧力の脈動工程は、蒸気圧力差がそれぞれ異なる複数の脈動ステージからなることが好ましく、前記複数の脈動ステージは、前記蒸気圧力の脈動工程の進行に伴い蒸気圧力差が徐々に増加することが好ましい。この場合、前記パイパス路は、前記タービンをバイパスして前記ボイラと前記復水器とを接続するものであることが好ましい。
また、前記蒸気圧力の脈動工程は、前記復水・蒸気系統の途中に設けられたバイパス弁の開度を調整して行うことが可能であり、前記蒸気圧力の脈動工程は、例えば出力1000MW、主蒸気圧力25.4MPaの発電プラントの場合に、6.4MPaから8.5MPaの範囲で蒸気圧力を脈動させることが好ましい。
本発明に係るボイラスケール除去方法では、発電プラントの運転を停止して行うボイラスケール除去工程において、バイパス路を介してボイラと復水器とを接続し、復水・蒸気系統内を循環する蒸気圧力を脈動させることにより、復水・蒸気系統内の蒸気圧力が変動するので、一定の蒸気圧力によりスケール除去を行う場合と比較して、スケールパージを促進してスケール除去に要する時間を短縮するとともに、費用を低減することが可能となる。
また、蒸気圧力差がそれぞれ異なる複数の脈動ステージとすることにより、復水・蒸気系統内における蒸気圧力の変動状態が大きくなり、さらに一層、スケールパージを促進してスケール除去に要する時間を短縮するとともに、費用を低減することが可能となる。
また、蒸気圧力の脈動工程の進行に伴い蒸気圧力差が徐々に増加する脈動ステージとすることにより、スケールの残留量が多いスケール除去工程の初期段階では低圧力でスケール除去を行って、復水・蒸気系統を構成する機器に対する負荷を小さくすることができる。さらに、スケールの残留量が少なくなったスケール除去工程の最終段階では高圧力でスケール除去を行って、復水・蒸気系統内に残留したスケールをほぼ完全に除去することが可能となる。
また、復水・蒸気系統の途中に設けられたバイパス弁の開度を調整して蒸気圧力を脈動させることにより、既存の設備を利用してスケール除去を行うとともに、スケール除去における機器操作を簡便なものとすることが可能となる。
また、タービンをバイパスしてボイラと復水器とを接続するバイパス路に復水・蒸気を循環させてスケール除去を行うことにより、剥離したスケールがタービン内に侵入することがなく、設備の破損等の不都合を未然に防止することができる。
また、例えば出力1000MW、主蒸気圧力25.4MPaの発電プラントの場合に、6.4MPaから8.5MPaの範囲で蒸気圧力を脈動させることにより、復水・蒸気系統を構成する機器に対して過負荷を与えることなく、復水・蒸気系統内に残留したスケールをほぼ完全に除去することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るボイラスケール除去方法の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法を適用する発電プラントの概略構成を示す説明図である。
本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法を適用する発電プラント100は、ボイラ11内で燃料を燃焼させて水を加熱することにより蒸気を発生させ、発生した蒸気をタービン関係配管21,22,23,24,25を介してタービンケーシング内に送り、タービン(高圧タービン31、中圧タービン32、および低圧タービン33a,33b)を回転させることにより1次発電機41および2次発電機42を駆動して発電を行うようになっている。
この発電プラント100は、ボイラ11内で燃料を燃焼させるための燃焼系統110と、水を加熱することにより蒸気を発生させ、発生した蒸気によりタービン31,32,33a,33bを回転させるための復水・蒸気系統120と、両系統110,120の設備に冷却水を供給する冷却系統(図示せず)とに大別することができる。
以下、各系統について詳細に説明する。
燃焼系統110は、図1に示すように、ボイラ11および排ガス処理設備51を備えている。
ボイラ11は、燃料を燃焼させるための火炉11aと、火炉11a内の下部に設けられた燃焼バーナ12とを備えている。燃焼バーナ12には、微粉炭機13から微粉炭が供給されるとともに、押込送風機14から燃焼空気が供給され、微粉炭と燃焼空気とが混合されて火炉11a内で燃焼するようになっている。
火炉11aの内部上方には、復水器61から供給される水を加熱して蒸気を発生させるための過熱器15および再熱器16が配設されている。
また、火炉11aの下流側には、微粉炭の燃焼によって発生した排ガスを処理するための排ガス処理設備51が設けられている。この排ガス処理設備51は、排ガス中の窒素酸化物を除去するための脱硝装置51a、排ガス中のダストを除去するための集塵装置51b、排ガス中の硫黄酸化物を除去するための脱硫装置51c、および煙突51dからなる。脱硝装置51a、集塵装置51b、および脱硫装置51cを通過した排ガスは、煙突51dから大気中に放散される。
なお、集塵装置51bと脱硫装置51cとの間には誘引通風機(図示せず)が配設されるとともに、脱硫装置51cと煙突51dとの間には脱硫通風機(図示せず)が配設されており、誘引通風機および脱硫通風機の作用により排ガスが吸引されて煙突51dへ至るようになっている。
次に、復水・蒸気系統120について説明する。
復水・蒸気系統120は、タービン31,32,33a,33bと、タービン31,32,33a,33bから排出された蒸気を凝縮して水に戻す復水器61と、復水器61から供給された水を加熱して蒸気とする過熱器15および再熱器16とを備えている。過熱器15および再熱器16で発生した蒸気は、タービン関係配管21,22,23,24,25を介してタービン31,32,33a,33bへ供給される。このように、復水・蒸気系統120は循環系となっている。
タービン31,32,33a,33bは、過熱器15で発生した蒸気により回転する高圧タービン31と、高圧タービン31から排出された蒸気を再熱器16で加熱して得られた再加熱蒸気により回転する中圧タービン32と、中圧タービン32から排出された蒸気により回転する低圧タービン33a,33bとからなる。上述したように、復水・蒸気系統120は循環系となっており、低圧タービン33a,33bを回転させた排出蒸気は復水器61に戻される。
低圧タービン33a,33bは一対設けられており、各低圧タービン33a,33bに対して、中圧タービン32から排出された蒸気が供給される。また、過熱器15と高圧タービン31のケーシングとを繋ぐタービン関係配管21、高圧タービン31のケーシングと再熱器16とを繋ぐタービン関係配管22、再熱器16と中圧タービン32のケーシングとを繋ぐタービン関係配管23、中圧タービン32のケーシングと低圧タービン33a,33bのケーシングとを繋ぐタービン関係配管24、および低圧タービン33a,33bのケーシングと復水器61とを繋ぐタービン関係配管25が連通接続されており、上述したように蒸気が循環するようになっている。
高圧タービン31と中圧タービン32とは互いに同軸となるように連結されている。高圧タービン31および中圧タービン32の回転は、高圧タービン31と中圧タービン32に同軸に連結された1次発電機41に伝達され、1次発電機41が駆動されて発電が行われる。また、2台の低圧タービン33a,33b同士も互いに同軸に連結されており、低圧タービン33a,33bの回転は、低圧タービン33a,33bに同軸に連結された2次発電機42に伝達され、2次発電機42が駆動されて発電が行われる。
高圧タービン31、中圧タービン32、および低圧タービン33a,33bは、それぞれ、スラスト軸受けやメタル軸受け等の軸受け(図示せず)によって支持されて、各タービンケーシング内に収容されている。そして、タービン関係配管21,22,23,24,25を介して各タービンケーシングに蒸気が供給されることにより、高圧タービン31、中圧タービン32、および低圧タービン33a,33bが回転するようになっている。
復水器61は、気密容器となっており、復水器61の上部には、低圧タービン33a,33bから排出された蒸気を取り込むための蒸気取込口62が設けられている。この蒸気取込口62にはタービン関係配管25が連通接続されている。また、復水器61の略中央には、排出された蒸気を冷却凝縮して復水するための管巣63が設けられており、復水器61内の下部には、冷却凝縮された水を貯留するためのホットウエル64が設けられている。
管巣63は、複数の伝熱管から構成され、伝熱管内には海水循環ポンプ65によって汲み上げられた海水が循環して流され、排出された蒸気を冷却凝縮して水に戻すようになっている。また、冷却に供された海水は海中へ放流される。
ホットウエル64には、管巣63において冷却凝縮された水が貯留される。このホットウエル64の底部は、送水管26を介して過熱器15に連通接続しており、送水管26に設けられた復水ポンプ17を用いて、貯留された水を過熱器15へ供給するようになっている。
また、復水器61は、その内部を真空脱気するための排気管71および真空ポンプ72を備えており、真空脱気を行うことにより、復水器61内の水の溶存酸素量を減少させるようになっている。すなわち、水中の溶存酸素量が多い場合には、ボイラ11等の腐食を促進するため、発電プラント100が稼働している間は、復水器61内を高度の真空状態に維持している。ただし、発電プラント100を停止している間は、復水器61内の真空状態が解除(真空破壊)される。この真空破壊は、復水器61の内外を連通する空気導入管73に設けられた真空破壊弁74を開くことにより実現される。
過熱器15および再熱器16は、復水器61等から供給される水を蒸気にするための装置であり、ボイラ11の火炉11a内の上部に配設されている。過熱器15には復水器61から水が供給され、火炉11aの燃焼熱との間で熱交換が行われて蒸気となる。この蒸気は、タービン関係配管21を介して高圧タービン31に供給される。一方、再熱器16では、高圧タービン31からタービン関係配管22を介して排出された蒸気が再加熱され、発生した再加熱蒸気を、タービン関係配管23を介して中圧タービン32に供給する。
次に、図2を参照して、復水・蒸気系統120の配管を詳細に説明する。図2は、復水・蒸気系統120における配管の概略構成を示す説明図である。
復水・蒸気系統120では、図2に示すように、復水器61から下流側に向かって、復水ポンプ17、復水脱塩装置81、復水ブースターポンプ82、低圧ヒータ83、脱気器84、ボイラ給水ポンプ85、高圧ヒータ86、節炭器87、火炉11a、過熱器15、高圧タービン31、再熱器16、中圧タービン32、低圧タービン33a,33bが、この順に配設されており、低圧タービン33a,33bから排出された蒸気が復水器61へ戻る循環系を形成している。また、火炉11aの汽水分離器と節炭器87とは汽水分離ポンプ88を介して連通接続されている。
さらに、過熱器15と復水器61との間には、高圧タービン31、再熱器16、中圧タービン32、低圧タービン33a,33bをバイパスするバイパス路91が設けられており、バイパス路91の途中には、復水・蒸気系統120を、バイパス路91を通過する系統に切り換えるためのバイパス弁92が設けられている。本実施形態では、TB弁をバイパス弁92として機能させている。
次に、本実施形態の復水・蒸気系統120においてボイラスケール除去を行う手順を説明する。図3は、本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法の手順を示すフローチャートである。
本発明のボイラスケール除去方法は、復水・蒸気系統120内に海水が侵入する事態等を想定し、このような場合にボイラで発生したスケールを除去するために提案されたものである。このような状態では、海水が侵入した部位を補修するために発電プラントは停止した状態となっている。そして、海水が侵入した部位を補修した後に、まず復水系統から起動するが、この起動はいわゆるコールド起動、すなわちタービン冷機およびボイラ冷缶状態からの起動となっている。
コールド起動は、まず復水器ボトムブロー、復水クリーンアップブロー、低圧クリーンアップブロー、低圧クリーンアップ循環、高圧クリーンアップブロー、高圧クリーンアップ循環、ボイラーコールドクリーンアップブロー、ボイラーコールドクリーンアップ循環と、Fe濃度、導電率等の各基準をクリアーしながら進み、ボイラ点火・昇温操作に続く。そして、ボイラ点火により過熱器へ通水される。この状態では、ボイラ(火炉11a)で加熱された蒸気は、復水・蒸気系統120の途中に設けられたバイパス弁92から高圧タービン31をバイパスし、バイパス路91を介して復水器61へ導かれている。
本実施形態のボイラスケール除去方法では、図3に示すように、加熱蒸気がバイパス路91を介して復水器61へ導かれている状態(S1)で、第1ステージ、第2ステージ、第3ステージ、第4ステージの順に蒸気圧力を脈動(スイング)させて復水・蒸気系統120内に残留したスケールを除去するようになっている(S2〜S5)。
そして、各ステージを実行した後に、復水ポンプ17の出口におけるFe濃度が0.5mg/L未満であるとともに、火炉11aの下流側に設けた汽水分離器のドレン出口におけるFe濃度が0.1mg/L未満であるか否かを確認する(S6)。
ここで、復水ポンプ17の出口におけるFe濃度が0.5mg/L以上であるか、あるいは汽水分離器のドレン出口におけるFe濃度が0.1mg/L以上である場合には、第4ステージ(S5)を繰り返して行う。
一方、復水ポンプ17の出口におけるFe濃度が0.5mg/L未満であるとともに、汽水分離器のドレン出口におけるFe濃度が0.1mg/L未満となったことを確認すると、スケール除去作業を終了する。
なお、復水ポンプ17の出口におけるFe濃度の測定は、30分毎に行うものとする。
次に、図4を参照して、各ステージの具体的な態様について説明する。図4は、スケール除去工程の各ステージにおける蒸気圧力変動を示す説明図である。なお、図4では、バイパス弁92をTB弁と記している。また、図4に示す例は、出力1000MW、主蒸気圧力25.4MPaの発電プラントを想定したものである。
ステージ1では、開度変化率1分でバイパス弁92の開度を35%から50%に変化させて、主蒸気圧力を約8.0MPaに下降させる。続いて、開度変化率1分でバイパス弁92の開度を50%から35%に変化させて、主蒸気圧力を約8.3MPaに上昇させる。
ステージ2では、開度変化率2分でバイパス弁92の開度を35%から60%に変化させて、主蒸気圧力を約7.5MPaに下降させる。続いて、開度変化率5分でバイパス弁92の開度を60%から30%に変化させ、主蒸気圧力を約8.3MPaに上昇させる。
ステージ3では、開度変化率2分でバイパス弁92の開度を30%から70%に変化させて、主蒸気圧力を約7.0MPaに下降させる。続いて、開度変化率5分でバイパス弁92の開度を70%から30%に変化させ、主蒸気圧力を約8.3MPaに上昇させる。
ステージ4では、開度変化率2分でバイパス弁92の開度を30%から80%に変化させて、主蒸気圧力を約6.7MPaに下降させる。続いて、開度変化率10分でバイパス弁92の開度を80%から30%に変化させ、主蒸気圧力を約8.4MPaに上昇させる。
このように、スケール除去工程の進行に伴い蒸気圧力差が徐々に増加するように蒸気圧力を脈動(スイング)させることにより、スケールの残留量が多いスケール除去工程の初期段階では低圧力でスケール除去を行って、復水・蒸気系統120を構成する機器に対する負荷を小さくし、スケールの残留量が少なくなったスケール除去工程の最終段階では高圧力でスケール除去を行って、復水・蒸気系統120内に残留したスケールをほぼ完全に除去することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発電プラント100を構成する機器を適宜変更する等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明は、例えば、微粉炭を燃料として水を過熱することにより蒸気を発生させ、この蒸気によりタービン31,32,33a,33bを回転させて1次発電機41および2次発電機42を駆動するような発電プラント100におけるボイラスケール除去方法として利用することができるが、ボイラで発生した蒸気によりタービンを駆動するとともに、タービンを駆動した後の蒸気を復水器により復水して再度ボイラへ循環させるようにした設備であれば、どのような設備においても利用することができる。
本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法を適用する発電プラントの概略構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法を適用する発電プラントの復水・蒸気循環系における配管の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るボイラスケール除去方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るボイラスケール除去工程の各ステージにおける蒸気圧力変動を示す説明図である。
符号の説明
100 発電プラント
110 燃焼系統
120 復水・蒸気系統
11 ボイラ
11a 火炉
12 燃焼バーナ
13 微粉炭機
14 押込送風機
15 過熱器
16 再熱器
17 復水ポンプ
21〜25 タービン関係配管
26 送水管
31 高圧タービン
32 中圧タービン
33a,33b 低圧タービン
41 1次発電機
42 2次発電機
51 排ガス処理設備
51a 脱硝装置
51b 集塵装置
51c 脱硫装置
51d 煙突
61 復水器
62 蒸気取込口
63 管巣
64 ホットウエル
65 海水循環ポンプ
71 排気管
72 真空ポンプ
73 空気導入管
74 真空破壊弁
81 復水脱塩装置
82 復水ブースターポンプ
83 低圧ヒータ
84 脱気器
85 ボイラ給水ポンプ
86 高圧ヒータ
87 節炭器
88 汽水分離ポンプ
91 バイパス路
92 バイパス弁

Claims (6)

  1. ボイラで発生した蒸気によりタービンを駆動して発電を行うとともに、タービンを駆動した後の蒸気を復水器により復水して再度ボイラへ循環させるようにした発電プラントの運転停止時に、復水・蒸気系統内に残留するスケールを除去するためのボイラスケール除去方法であって、
    前記復水・蒸気系統の途中で、バイパス路を介して前記ボイラと前記復水器とを接続する工程と、
    該バイパス路を含むように切り換えられた前記復水・蒸気系統内を循環する蒸気圧力を脈動させる工程とを行うことにより、スケールパージを促進させることを特徴とするボイラスケール除去方法。
  2. 前記蒸気圧力の脈動工程は、蒸気圧力差がそれぞれ異なる複数の脈動ステージからなることを特徴とする請求項1に記載のボイラスケール除去方法。
  3. 前記複数の脈動ステージは、前記蒸気圧力の脈動工程の進行に伴い蒸気圧力差が徐々に増加することを特徴とする請求項1または2に記載のボイラスケール除去方法。
  4. 前記蒸気圧力の脈動工程は、前記復水・蒸気系統の途中に設けられたバイパス弁の開度を調整して行うことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のボイラスケール除去方法。
  5. 前記パイパス路は、前記タービンをバイパスして前記ボイラと前記復水器とを接続するものであることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のボイラスケール除去方法。
  6. 前記蒸気圧力の脈動工程は、6.4MPaから8.5MPaの範囲で蒸気圧力を脈動させることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のボイラスケール除去方法。
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