JP2007056636A - 壁材 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で耐火性に優れ、高い断熱効果を有するとともに、万が一火災が発生した場合でも、有害物質の排出が極めて少ない安全な壁材の提供。
【解決手段】建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台1の表面全体に不燃性あるいは難燃性の塗料2を塗布し、または、不燃性あるいは難燃性の表層材3を貼り付けた構造の壁材。
【選択図】図1
【解決手段】建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台1の表面全体に不燃性あるいは難燃性の塗料2を塗布し、または、不燃性あるいは難燃性の表層材3を貼り付けた構造の壁材。
【選択図】図1
Description
本発明は発泡スチロール材の表面に、不燃焼あるいは難燃焼の塗料または表層部を有する壁材に関するものである。
人間の生活の基幹である「衣食住」の住宅は、人間の生涯の中で高価な買い物であり、自然環境、社会動向、個人生活様式などの要求に対応するために、いろいろな技術が取入れられている。また、安定したゆとりのある住生活の確保や高齢者に配慮した生活環境の形成などを背景にして、これからの住宅はさらに技術が入り込んでくることが予想される。このような背景に基づき、建築用の壁材については、特に防音・断熱・安全性といった生活に欠かせない重要な機能が要求される。また、同時に建築部材としての耐力や非燃焼性を有していることも必要不可欠である。
また、従来から、防音・断熱技術は、壁材の材質に関するものとして、表面材、芯材、コア、内面材、下地材などが種々開発されており、その中でも表面材に関するものは多い。さらに、基台の空間部や接合部の技術に関するものとして、中空、空間、空洞部、リブ、仲介物、接合部、シール、間柱等の接合部品、部材に工夫がされているものもある。またさらに、パネル構造全体で防音、断熱性向上を狙ったものや、干渉効果によって消音のための制御を行う技術などのようなユニークな技術がみられている。なお、従来、前記空間部またはコア部等に発泡スチロールが用いられていなかった理由としては、燃焼によるダイオキシンの発生が懸念されていたものと考えられる。
さらに、壁材等に使用される従来の有機系塗料材料は、人の生活や産業活動に欠かすことの出来ない物質として、様々な場所で使われてきたが、土壌環境、大気汚染、海洋汚染に対して、重大な悪影響を与えてきているのも事実である。有機系塗料(アクリル・ウレタン)は永久的に分解処理を不可能とし、リサイクルし難い物質として蓄積を続けている。有機系塗料は物質自体の組成が燃焼性を持っている為に、建物の火災発生時に有毒ガスを発生し、環境破壊はもとより、人間の生命までも奪うという問題がある。
さらにまた、壁材の素材や塗料技術が進む一方で、建設産業に用いられる木材、土、石といった天然良質材料の枯渇、熟練工不足といった深刻な問題も抱えている。また、木材等の資源は可燃性物質であり火災に弱く、土や石は時間経過による劣化が激しいという問題がある。さらに、火災時の燃焼に伴う有毒物質の排出問題も生じ得るなど、まだまだ多くの問題が解決されていない。
これらの問題を解決することを目的として、例えば、接着剤が塗布された基台の表面に、多角形(特に、矩形)および/または円形状あるいは異形の木材細片が撒布付着されて成る表面化粧材の発明がある(特開閉08−080506)。しかし、表層部に使用されるのは木材細片であるため、可燃焼物質であり、火災に対する問題を解決できない。さらに、発泡スチロール廃材を溶融して形成したインゴットを破砕して得た粒状物を板状体に半溶融させ一体的に形成した壁材が存在する(特開2002−113787)。しかし、成形過程が複雑であり、コストがかかるという欠点を有し、結局、上記問題点を解決するには至っていない。
特開閉08−080506
特開平2002−113787
そこで、上記問題点に鑑み、本発明は、軽量で耐火性に優れ、高い断熱効果を有するとともに、万が一火災が発生した場合でも、有害物質の排出が極めて少ない安全な壁材を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明は、建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台の表面全体に不燃性あるいは難燃性の塗料を塗布した構成となっている。
また、本発明は、建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台の表面全体に不燃性あるいは難燃性の表層材を貼り付けた構成を採用することもできる。
さらに、本発明は、前記難燃性発泡スチロールからなる基台の裏面に、接着層を設けた備えた構成とすることもできる。
本発明にかかる壁材によれば、基台が発泡スチロール製であるため、極めて軽量であり、施工時における作業者の労力を軽減でき、同時に柱や梁への負担を減少させることができるので、建築構造物等の歪の発生を抑制できるという優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる壁材によれば、基台は発泡スチロールであるためダイオキシンの問題が生じない。すなわち、ダイオキシンは炭素、水素、塩素が反応して生成される物質であり、発泡スチロールは炭素と水素のみで、塩素を含まない物質なので、単独で燃やせば理論的にはダイオキシンは発生しない。確かに他の物質中に含まれる塩分と反応して生成する可能性はあるものの、その量は極めて少なく、実証炉においても、わが国の定める燃焼条件で、微量の塩分が付着した使用済み発泡スチロールを燃焼した結果は、規制値の3/1000という極めて低い値である。したがって、本発明にかかる壁材によれば、ダイオキシンの生成による生態系への影響という問題を極めて低く抑えつつ、安心して使用できるという効果を奏する。
さらに、本発明にかかる壁材によれば、難燃性発泡スチロールの表面全体に不燃性あるいは難燃性の塗料を塗布、または、難燃性の表層材を貼り付けているため、延焼しにくく、熱に強い。したがって、密集した木造家屋が多いわが国においては、失火による火災発生の減少を図ることが可能となる点において、優れた効果を発揮する。また、万が一火災によって燃焼した場合でも、発泡スチロールの成分は炭素と水素なので完全燃焼すると全て炭酸ガスと水になり、有害ガスは発生しない。なお、発泡スチロールは燃える時に木質系のものに比べて多量の空気を必要とするため、空気不足による黒煙(スス)を発生することがあるが、黒煙自体は炭素の微粒子であり、特に有害な物質でなく安全である。
またさらに、建設産業には上述のとおり、熟練工不足や、木材・土・石といった天然良質材料の枯渇といった深刻な問題がある。しかし、本発明にかかる壁材によれば、施工後の吹咐を要しないため、施工が容易であって吹き付け技術といった熟練を要しない。また、発泡スチロールは、98%が空気であって、原料比率2%という環境的にも優れた素材であり、天然良質材料の枯渇が問題となる昨今において極めて優れた効果を有している。
そして、本発明にかかる壁材によれば、発泡スチロールをパネル材に用いることにより、発泡スチロールの有する保温性・保冷性が高い特性を利用して、壁材として最も要求される断熱効果を高めることができる。かかる断熱効果により、ストーブに使用する化石燃料の消費及び、エアコン等の電気使用量等を抑えることが可能となる。これは各家庭毎の光熱費削減という効果のみならず、火力発電にもまだ頼らなければならないわが国においては、発電所から排出される二酸化炭素の量を大幅に減少させることができ、地球温暖化現象の抑制を図ることができるという極めて有利な効果も併せて奏することとなる。
そしてまた、本発明にかかる壁材によれば、難燃性発泡スチロールの裏面に、接着層を設けることで、軽量な利点との相乗効果により、従来と比して、施工作業者の労力が大きく軽減されるという効果も有することが可能となる。
本発明は、難燃性発泡スチロールからなる基台1の表面全体に、不燃性あるいは難燃性の塗料2を塗布し、又は、不燃性あるいは難燃性の表層材3を貼り付けることにより、施工性と耐火性を兼ね備えた発泡スチロール製の安全な壁材としたことを最大の特徴とする。以下、本発明にかかる壁材の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる壁材を示す斜視図であり、図2は、本発明にかかる壁材を示す断面図である。該壁材は、難燃性発泡スチロールからなる基台1の表面全体に、不燃性あるいは難燃性の塗料2を塗布し、又は、不燃性あるいは難燃性の表層材3を貼り付けたものである。難燃性発泡スチロールとしては、発泡したスチレンビーズと、この表面に形成されたホウ酸系無機物を含むコーティング被膜とからなる発泡スチロール等の超難燃性発泡スチロールを用いることが考えられる。
基台1の表面全体に塗布する不燃性あるいは難燃性の塗料2としては、現存する塗料の中では、セラミック系塗料やシリコン系塗料等が考えられる。無機物質を主たる原料として用いることで、火災発生時に物質自体の組成が燃焼性を持たないようにし、有毒ガスを発生させないためである。
また、基台の表面全体に貼り付けられる不燃性あるいは難燃性の表層材3としては、例えば、難燃材料、不燃材料としてのGRCを用いることが考えられる。GRCとは、セメント又はセメントモルタルを耐アルカリ性ガラス繊維で強化したガラス繊維補強セメントのことで、耐久性・不燃及び耐火性・強度・対候性に優れている。また、難燃性FRPも表層材として使用可能である。FRPとは、ガラス繊維強化プラスティックのことで、ガラス繊維で補強した樹脂であり、元は石油からできているので燃焼し、ガスが発生する。したがって、建築基準法上における難燃材料、不燃材料とはいえないが、建築、建材とは無関係に、運輸省や通産省あるいはプラスティック工業会などで「準不燃性」「難燃性」とされている製品を用いることで、上述の効果を発揮することが可能となる。
尚、基台1裏面に、接着層4を設ける構成も考えうる。図2(b)は、かかる構成を採用した場合の断面図である。かかる構成を採用することで、本発明にかかる壁材を使用しての実際の壁面施工において、施工面5と壁材との間に接着剤を塗布する等の手間を不要とし、作業効率の向上に資する。かかる接着剤については、特に限定はないが、表層シールをはがして接着層を露出させて、施工面5に貼り付けるものや、少々の水分をなじませることで接着可能となる等、簡単なものを採用することが考えうる。
次に、上述した壁材を、実際に使用する場合の使用態様について説明する。
図3は、本発明にかかる壁材を実際に使用する場合の実施例を示す斜視図である。まず、本発明にかかる壁材の表面に接着剤を塗布して接着可能状態とする。あらかじめ接着層4が設けられている場合は、該接着層を接着可能状態とする。次に、施工壁面5に順序良く並べながら貼付していく。施工壁面5全体に敷き詰めが完了すれば、作業が終了する。尚、隅の方など、壁材をそのまま使用できないスペースしかない場合には、基台が発砲スチロールという性質上、該壁材を任意に形状にその場で簡単に加工することができる。以上のように、ごく簡単な作業で施工を行うことができ、熟練を要せず、誰でも綺麗に仕上げることが可能である。また、図面では建物の内壁面についての使用態様を示しているが、外壁その他さまざまな場所に対して施工可能である。
上述の通りであって、本発明にかかる壁材は、加工性・施工性・耐火性・軽量性をすべて備える優れた壁材であり、施工場所を選ばず、その利用可能性は非常に大である。
1 基台
2 塗料
3 表層材
4 接着層
5 施工面
2 塗料
3 表層材
4 接着層
5 施工面
Claims (3)
- 建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台の表面全体に不燃性あるいは難燃性の塗料を塗布したことを特徴とする壁材。
- 建物の壁面を被覆する壁材であって、難燃性発泡スチロールからなる基台の表面全体に不燃性あるいは難燃性の表層材を貼り付けたことを特徴とする壁材。
- 前記難燃性発泡スチロールからなる基台の裏面に、接着層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005246757A JP2007056636A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 壁材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005246757A JP2007056636A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 壁材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=37920351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005246757A Pending JP2007056636A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 壁材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN102767243A (zh) * | 2012-07-13 | 2012-11-07 | 张玉洪 | 一种防火外墙保温板的制作工艺 |
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CN103243823A (zh) * | 2013-04-27 | 2013-08-14 | 天津市裕华玻璃钢有限公司 | 聚合板及其制造方法 |
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JP7201957B1 (ja) | 2022-08-30 | 2023-01-11 | 株式会社室内高所 | 屋内作業用の足場部材およびそれを用いた足場 |
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2005
- 2005-08-26 JP JP2005246757A patent/JP2007056636A/ja active Pending
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