JP2007053298A - 研磨用組成物 - Google Patents

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裕之 中野
Tadashi Teramoto
匡志 寺本
Yoshitaka Morioka
善隆 森岡
Yoshikazu Nishida
芳和 西田
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Abstract

【課題】ウエハーの口径が大口径になるにつれてウエハ周縁部のロールオフ(縁だれ)が、チップの取れ率に与える影響が深刻になり、シリコンウエハの製造メーカにとって縁だれの低減が大きな課題となっている。一次研磨において要求される研磨速度を確保するために化学成分を最適化することによりロールオフを改善する。
【解決手段】シリコンウエハの研磨に使用される研磨用組成物であって、少なくとも砥粒と含窒素塩基性化合物とを含み、前記砥粒濃度を、1重量%以上10重量%以下としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンウエハの一次研磨に用いる研磨用組成物に係り、特に一次研磨に際してシリコンウエハのロールオフ(縁だれ)を低減することができるようにした研磨用組成物(研磨用スラリー)に関する。
一般に、半導体集積回路等のデバイスを作製するためのシリコンウエハは、シリコン単結晶インゴットを薄円板状にスライスする工程と、該スライス工程によって得られたウエハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、この面取りされたウエハを平面化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウエハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、このエッチングされたウエハ表面を鏡面化する工程と、研磨されたウエハを洗浄してこれに付着した研磨剤や異物を除去する工程とを経て製造される。
1枚のウエハから取れるチップの収率を上げるために、ウエハの口径は年を追うごとに大きくなり、現在では300ミリのウエハが主流となりつつある。ウエハの口径が大口径になるにつれてウエハ周縁部のロールオフ(縁だれ)が、チップの取れ率に与える影響が深刻となり、シリコンウエハの製造メーカーにとって縁だれの低減が大きな課題となっている。
上記の研磨工程において、一次研磨は、一般的にコロイダルシリカを砥粒とするスラリーと発泡ポリウレタンパッドや不織布タイプの研磨パッドとの組合せによって行われている。この方法は、高い研磨速度が得られかつ平坦性に優れているが、ウエハのエッジの部分が他の部分に比べて多く研磨され、外周ダレ現象(ロールオフ)が発生し、ウエハの品質向上のためにロールオフの低減が大きな課題となっている。
近年、ウエハの面積を最大限に活用するためエッジイクスクルージョン(外周除外幅)をできるだけ少なくすることが強く求められており、その為、上記ロールオフを極力低減することができる研磨が望まれている。
特開2000−246343号公報
従来の技術においては、シリコンウエハのロールオフの低減及び防止策として研磨パッドの改善や研磨条件の調整により行われてきた。一例として、研磨布の圧縮率と表面粗さの関係をある一定の値に保つことにより外周ダレを効果的に防止できることが報告されている。しかしこの方法は、経験則的な面が強く、研磨条件の最適化が難しい面がある。また研磨パッドは、高分子化合物からなるため物性制御が難しく、ある一定の圧縮率や粗さを持つパッドを選別する必要があるため研磨パッドの生産の歩留まりが悪化する等の問題もある。
一方、スラリーの面から見ると従来の例では、一定の研磨速度の確保が必要なことから研磨砥粒の研磨用組成物全量に対する含有比率が40重量%から50重量%とされ、ロールオフの発生を防止できないという問題があった。また研磨砥粒の研磨組成物全量に対する含有比率を低く抑えると、系の安定性が悪くなり、研磨速度が不安定になる欠点があった。
そこで本発明においては、研磨用組成物の面からその中の砥粒の含有量を低く抑えるとともに、要求される研磨速度を確保するために化学成分を最適化することによりロールオフの改善が達成できることを見出した。
シリコンウエハの研磨用組成物は、一般に、シリカ砥粒とシリコンに対してエッチング効果を有する化学薬品などにより構成されている。砥粒の種類、粒子径及び濃度、また化学薬品の濃度やこれらの組合せを変化させることにより研磨液の性能を制御することができる。
そこで本発明においては、砥粒と含窒素塩基性化合物とを含み、砥粒の濃度を研磨用組成物全量に対して、1重量%以上10重量%以下の範囲とした。好ましくは、これに含窒素塩基性化合物を研磨組成物全量に対して、1重量%以上10重量%以下、好ましくは2重量%以上8重量%以下、より好ましくは4重量%以上6重量%以下の範囲で添加することにより、研磨速度をほぼ従来のレベルに維持しながらロールオフを著しく低減することができることを見出した。
砥粒の濃度が、1重量%未満の濃度では要求される研磨速度が得られず、10重量%を超える濃度では、エッジ部分の研磨が過剰となり、ロールオフが悪化することとなるため好ましくない。
また、含窒素塩基性化合物が1重量%未満の濃度ではシリコンに対するエッチング力が弱くなり要求される研磨レートが得られない。また、10重量%を超える濃度では、エッチング作用が過剰となるためウエハの表面が荒れるという問題点が発生し、それに加えて添加量に見合うだけの研磨レートの向上も認められず好ましくない。
砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニアなどを始め、公知の種々の砥粒が使用できるが、要求される研磨特性などを考慮すると、シリカ、特にコロイダルシリカ、繭型コロイダルシリカ等が好ましい。
含窒素塩基性化合物としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アミノエチルエタノール、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、ヒロキシエチルピペラジン、N-メチルピペラジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ピペラジン及びその誘導体またはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等が特に好ましい。
砥粒、好ましくはコロイダルシリカと含窒素塩基性化合物との濃度比率は、コロイダルシリカによるシリコンウエハ表面の物理的除去作用よりも含窒素塩基性化合物によるシリコンウエハ表面の化学的エッチング作用が優勢となるように設定されていることが好ましい。即ち、コロイダルシリカと含窒素塩基性化合物との濃度比率が10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは2:1〜1:2である。
上記以外の添加物としてpH緩衝剤、アルコール類、キレート剤を用いることも妨げない。
pH緩衝剤は、クエン酸及びその誘導体から選択され、研磨組成物全量に対して0.01から5重量%の範囲で添加されるのが好ましい。
アルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2-メチル-2-プロパノオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、0.1から5重量%の範囲で添加されるのが好ましい。
キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含み、0.01から1重量%の範囲で添加されるのが好ましい。
本発明によれば研磨速度を従来のレベルに維持しながら、ロールオフを低減できるシリコンウエハ研磨用組成物を提供することができる。
下記の実施例1〜3の研磨スラリーを調製し、また、比較例1,2として、市販の研磨スラリーNalco2350,Nalco2398を用いて、後述の研磨条件で研磨を行って研磨レートおよびロールオフの測定評価を行った。
砥粒であるコロイダルシリカ3.0重量%、含窒素塩基性化合物である無水ピペラジン5.0重量%、pH緩衝剤0.2重量%、アルコール0.95重量%、に水を加えて全体で100重量%のスラリーを調製した。コロイダルシリカ濃度と含窒素塩基性化合物との濃度の比は3:5であった。
コロイダルシリカの濃度を6.0重量%とした以外は実施例1と同じ組成、すなわち、コロイダルシリカ6.0重量%、含窒素塩基性化合物である無水ピペラジン5.0重量%、pH緩衝剤0.2重量%、アルコール0.95重量%、に水を加えて全体で100重量%のスラリーを調製して実施例2とした。コロイダルシリカ濃度と含窒素塩基性化合物の濃度の比は6:5であった。
コロイダルシリカの濃度を10重量%とした以外は実施例1と同じ組成、すなわち、コロイダルシリカ10重量%、含窒素塩基性化合物である無水ピペラジン5.0重量%、pH緩衝剤0.2重量%、アルコール0.95重量%、に水を加えて全体で100重量%のスラリーを調製して実施例3とした。コロイダルシリカ濃度と含窒素塩基性化合物の濃度の比は2:1であった。
上記実施例1〜3および比較例1,2の研磨スラリーを用いて、次の条件で研磨を行って研磨レートおよびロールオフの測定評価を行った。
研磨機は、Strausbou 6CAを使用し、下定盤に、研磨パッドを貼着し、該研磨パッドに上部ヘッドに保持した6インチシリコンウエハを押し付けながらその接触面に上記研磨組成物を供給しつつ研磨を行った。研磨条件は、下定盤回転数115rpm、ヘッド回転数100rpm、スラリー流量300ml/min、面圧300g/cm2、研磨時間25minとした。
研磨パッドについては、ニッタ・ハース社製発泡ポリウレタンパッドMH N15Aと、同じくニッタ・ハース社製不織布パッドSuba800とをそれぞれを用いて研磨を行い、それぞれ測定評価を行なった。
また、比較例1,2の各研磨スラリーは、それぞれ推奨希釈倍率、具体的には、研磨時濃度(use of point)を2.5%とし、実施例1〜3については、研磨時濃度を0.3%とした。
ロールオフの測定は、Tencor社製P−12接触式プロファイラを使用して行った。ロールオフの評価方法としてはM.Kimura(Kimuraら、Jpn.J.Apply Phys.Vol.38(1999) Pt.1,No.1A)らによって提案されている方法に従った。
図1にその測定部位を示す。図1では、ウエハ外周端面から中心点に向かって6000μmの部分の点を起点として外周方向に長さ5000オmに亘って接触針を走査させることにより平坦度を計測する。この時、起点及び起点から3000μmの地点をレべリング処理により同一水準とし、この2点を通る水平線を基準線とする。この時、5000μm地点(終点)における基準線とウエハの表面との距離をロールオフ(Roll-off)値とした。
図2および図3は、研磨レートおよびロールオフの測定結果を示すものであり、図2は、研磨パッドとして発泡ポリウレタンパッドMH N15Aを用いた場合の結果を示し、図3は、研磨パッドとして不織布パッドSuba800を用いた場合の結果を示している。
また、各図(a)〜(c)が、上述の実施例1〜3にそれぞれ対応しており、比較例1,2の結果を併せて示している。各図において、左縦軸は研磨レート(RR:μm/min)、右縦軸はロールオフ(Å)を示している。
図2に示すように、比較例1,2の各研磨レートは0.50,0.62、ロールオフ2100,2200であるのに対して、図2(a)に示される実施例1では、研磨レート0.56、ロールオフ1300であり、図2(b)に示される実施例2では、研磨レート0.59、ロールオフ1400であり、図2(c)に示される実施例3では、研磨レート0.60、ロールオフ1750であり、実施例1〜3によれば、研磨レートがそれほど低下しない割にはロールオフが大幅に改善したことが分かる。
また、図3に示すように、比較例1,2の各研磨レートは0.515,0.675、ロールオフ3500,3400であるのに対して、図3(a)に示される実施例1では、研磨レート0.63、ロールオフ2200であり、図3(b)に示される実施例2では、研磨レートは0.655、ロールオフ2500であり、図3(c)に示される実施例3では、研磨レートは0.66、ロールオフ2950であり、比較例1,2に比べて、研磨レートがそれほど低下しない割にはロールオフが大幅に改善したことが分かる。
以上のように砥粒濃度を3重量%、6重量%、10重量%として調製(その他の成分の濃度は全て同じ)た実施例1〜3の結果に示されるように、砥粒濃度を多くした場合、研磨レートの向上が認められるが、それに伴ないロールオフの値が悪化した。また砥粒濃度を少なくした場合はロールオフの値が良くなるが、研磨レートが低下した。従って、本研磨用組成物においては、砥粒濃度を1重量%未満にすると研磨レートが低くなり過ぎ、また10重量%を超えるとロールオフが大きくなり好ましくない。
ロールオフ測定部位の説明に供する図である。 ニッタ・ハース社製発泡ポリウレタンパッドMH N15Aを用いて各市販研磨スラリーと本実施の形態の研磨スラリーとによる研磨レートとロールオフとを示す図である。 ニッタ・ハース社製不織布パッドSuba800を用いて各市販研磨スラリーと本実施の形態の研磨スラリーとによる研磨レートとロールオフとを示す図である。

Claims (6)

  1. シリコンウエハの研磨に使用される研磨用組成物であって、少なくとも砥粒と含窒素塩基性化合物とを含み、前記砥粒濃度が、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする研磨用組成物。
  2. 前記含窒素塩基性化合物の濃度が、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記砥粒がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨用組成物
  4. 前記含窒素塩基性化合物が、ピペラジンまたはその誘導体、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミンからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. シリコンウエハの研磨に使用される研磨用組成物であって、少なくとも砥粒と含窒素塩基性化合物とを含み、前記砥粒濃度と含窒素塩基性化合物の濃度との濃度比が、10:1〜1:10の範囲であることを特徴とする研磨用組成物。
  6. 前記含窒素塩基性化合物の濃度が、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項5に記載の研磨用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10600634B2 (en) 2015-12-21 2020-03-24 Globalwafers Co., Ltd. Semiconductor substrate polishing methods with dynamic control
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