JP2007053277A - エア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】
拡張時の摩擦力を低くするとともに均一に拡張できるようにして拡張特性を向上させたエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダを提供する。
【解決手段】
ステージ部102の側面、内側拡張リング107およびフィルムシート11により密閉空間111が形成される。この密閉空間111に加圧エアを供給して加圧エアがフィルムシート11を押し上げるエア吹き上げを行い、内側拡張リング107からフィルムシート11を浮上させて接触箇所を低摩擦にしつつフィルムシート11を拡張するため、フィルムシート11の全面で拡張率を一定にしつつダイシング済みのウェハーをチップに分割するようなエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000とした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、半導体製造工程で用いられ、ダイシング済みのウェハーを角形小片であるチップへ分離するエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダに関する。
半導体製造工程では、棒状のシリコン単結晶がスライシングされて薄い円板状のウェハーが切り出される。このウェハーは、表面が研磨されて鏡面状に仕上げられた後、薄膜形成、リソグラフィ、エッチング、不純物導入、洗浄、熱処理等が施され、VLSI・CMOS等のチップが格子状に複数割り付けられたウェハーとなる。
このウェハー上で格子状に割り付けられた複数のチップから一片のチップへ分割するために、専用のカッターにより一片のチップに切り離されるダイシングが行われる。これら一片のチップがダイボンディング・ワイヤボンディング・パッケージングされ、ICチップが製造されることとなる。
さて、上記した半導体製造工程で、ウェハーに対して、薄膜形成、リソグラフィ、エッチング、不純物導入、洗浄、熱処理等を行う場合に、直に触ることが許されないウェハーの取り扱いを容易にするため、製造工程途中のウェハーは、ウェハーリングと呼ばれる治具上に取り付けられた上で取り扱われている。作業員・製造装置はこのウェハーリングを把持・握持することでウェハーに触れることなくウェハーを取り扱うことができる。
このウェハーリングについて説明する。図7はウェハーリングの構成図であり、図7(a)は表面図、図7(b)はA−A線側断面図、図7(c)は裏面図である。図7(a),図7(c)で示すように、ウェハーリング10は、一部切り欠き(図7(a)では上側)を有する環状の板であり、中央孔には伸縮性を有するフィルムシート11が張り渡されている。このフィルムシート11には、図7(a)で示される側のみに接着剤が塗布されており、皺等がないように張り渡された状態でウェハーリング10に貼り付けられる。さらに、このフィルムシート11の中央部にはウェハー12が配置・固着される。
このような取り付けを実現するため、図示しないが専用のマウンティング装置が開発されており、ウェハーリング10・フィルムシート11・ウェハー12の位置決めを行いつつ接着することが可能になされている。このようなウェハー12ではウェハーリング10を把持して搬送などが行われるため、換言すればウェハー12に直接接触することがなくなり、ウェハー12に対して塵埃の付着・過度な力が掛かるという事態の発生を回避している。
さて、半導体製造工程が進み、このウェハーリング10のウェハー12がチップとして切り出されるダイシングが行われる。そしてダイシング終了後にはチップを取り出すこととなるが、この場合、あるチップと隣接する他のチップとの境界面が接していない状態として一片のチップの側部を摘んで取り出す必要がある。そこで、フィルムシート11を拡張することでフィルムシート11の上にあるダイシング済みのウェハー12も併せて移動・分離するという手法を採る。
このフィルムシートの拡張について概略説明する。図8はフィルムシート拡張を説明する説明図であり、図8(a)は拡張前のフィルムシート上のダイシング済みのウェハーを示す図、図8(b)は拡張後のフィルムシート上のチップ群を示す図である。図8(a)で示すようなダイシング済みのウェハー12が貼り付けられているフィルムシート11に対し、図8(a)で示す矢印方向(放射方向)の力が加わると、ウェハー12は分離開始し、最終的には図8(b)で示すようにチップ13が整然と配列した状態を維持しつつ間隔を開けるものである(以下、このような作業を単にフィルムシート拡張作業という)。
このようなフィルムシートの拡張作業に係る従来技術として、例えば、特許文献1(特開2003−243332号公報)に記載された「低拡張率エキスパンダおよび拡張フィルムシート固定方法」に係る発明が知られている。具体的には昇降装置により上昇する拡張ステージがフィルムシートを押し上げつつ拡張し、所定の拡張率に到達した場合に真空吸着によりフィルムシートを拡張ステージに固定し、拡張リングに移し取る低拡張率エキスパンダとしている。従来技術はこのようなものである。
特開2003−243332号公報 (段落番号0020〜0038,図1〜図7)
拡張ステージがフィルムシートを押し上げる際に、フィルムシートが拡張ステージの上面外周・側面と接触したり、または、拡張リングの上面外周・側面に接触したりする場合、これら接触箇所では狭い領域で集中して接することから強い力が加わってフィルムシートが密着して移動できなくなっており、その拡張リングや拡張ステージの内側となるフィルムシートの中央部では張力減少により拡張が行われない、という問題があった。
そこで、摩擦力の低減が好ましく、拡張リング自体にフッ素樹脂を塗布する等して摩擦を低減するといった工夫をしている。
さらには、拡張ステージによりフィルムシートを押し上げる速度が摩擦力に影響を与える点も考慮されている。
摩擦力には、2個の面が静止から動き出すときに発生する静止摩擦力と動いているときに生じる動摩擦力の2種類がある。
静止摩擦力f≦静止摩擦係数μ×垂直抗力N
動摩擦力f=動摩擦係数μ×垂直抗力N
そして、静止摩擦力が動摩擦力よりも大きいことを考慮し、摩擦力を小さくするためには、相対的な上下速度を上げて動摩擦として、摩擦力を減少させる方法も考えられる。しかしながら、チップの分割を伴う拡張であるため、単純に高速化できないという問題があった。さりとて、拡張をゆっくり行う場合には静止摩擦力の影響で抵抗力が大きいまま拡張されるため、同じ高さで拡張しても、微妙に「拡張後の形状」や「拡張率」が違うという問題もあった。
これらのような問題は、特許文献1に記載の「低拡張率エキスパンダおよび拡張フィルムシート固定方法」でも同様に起こりうるものであった。
本発明は上記問題点を解決するためのものであり、その目的は、拡張時の摩擦力を低くするとともに均一に拡張できるようにして拡張特性を向上させたエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダを提供することにある。
本発明の請求項1に係るエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダは、
ウェハーリングを保持固定するためのクランプ部と、
クランプ部で支持されるウェハーリングのフィルムシートに対しウェハーが載置された面の裏面とステージ部のステージ面と、を当接させてフィルムシートを拡張するための拡張ステージと、
ステージ部のステージ面に設けられる真空吸着部と、
ステージ部の側面に設けられる給気孔と、
拡張ステージを昇降させる昇降装置と、
拡張ステージのステージ部の周囲に設けられる拡張固定部と、
を備え、ウェハーリングの円開口に張り渡されたフィルムシートを引き延ばし、このフィルムシート上に固着されたダイシング済みのウェハーを複数片のチップに分離するためのフィルムシート用エキスパンダであって、
昇降装置が拡張ステージを上昇させるとともに給気孔から加圧エアを供給し、フィルムシート、拡張固定部およびステージ部の側面で形成される密閉空間を膨張させて接触箇所の浮上により低摩擦にするとともに外部および真空吸着部へ加圧エアを排気する吹き上げを行ってフィルムシートを拡張し、ダイシング済みのウェハーをチップに分割することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダは、
請求項1に記載のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダにおいて、
給気孔から供給される加圧エアは、
前記昇降装置が上昇させる拡張ステージの高さに応じて増加させることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダは、
請求項1または請求項2に記載のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダにおいて、
給気孔から供給される加圧エアは断続的に供給されることを特徴とする。
以上、本発明によれば、拡張時に摩擦力を低くするとともに均一に拡張できるようにして拡張特性を向上させたエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダを提供することができる。
続いて、本発明のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダを実施するための最良の形態について、図に基づいて説明する。図1は本形態のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000の構造図である。なお、これら図は、図面の見やすさを特に優先し、簡略な図面としている。また、ウェハーリング10については従来技術と同じであるため、従来技術の説明と同じ符号を用いて説明する。
本形態のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000では、図1で示すように、拡張ステージ100、昇降装置200、エア供給装置300、エア排気装置400、制御装置500、ロウアークランプ600、アッパークランプ700を備えている。
以下各部について説明する。
この拡張ステージ100は、昇降装置200により上下方向に昇降できるようになされている。後述するが、この上昇によりフィルムシート11が拡張されてダイシング済みのウェハー12を角形小片であるチップ13へ分離する。
エア供給装置300は、拡張ステージ100の給気流路110(図2参照)とチューブ等を介して接続されており、拡張ステージ100へエアを供給する。なお、このエア供給装置300は集合配管、電磁弁、減圧弁を経て圧力源に接続されている。
また、エア排気装置400は、拡張ステージ100の排気流路109(図2参照)とチューブ等を介して接続されており、拡張ステージ100からエアを排気する。なお、このエア排気装置400は、集合配管、真空発生器、減圧弁を経て圧力源に接続されている。
制御装置500は、昇降装置200、エア供給装置300(の電磁弁)、エア排気装置400(の真空発生器)と制御線を介して接続されており、これら装置の制御を行う。制御手順については後述する。
ロウアークランプ600には摩擦体600aが取り付けられている。このロウアークランプ600は、例えば、断面凹字状である水盤のような構成を有している。この摩擦体600aは、例えば、弾性体であるOリングなどである。
アッパークランプ700にも摩擦体700aが取り付けられている。このアッパークランプ700も、例えば、円環板状の構成を有している。この摩擦体700aも、例えば、弾性体であるOリングなどである。
なお、ロウアークランプ600およびアッパークランプ700は、本発明のクランプ部の一具体例であり、本実施形態以外にもウェハーリング10を把持・固定できる各種の構成を採用することができる。
これらロウアークランプ600およびアッパークランプ700により、ウェハーリング10が上下方向から挟まれて挟持固定(クランプ)される。この場合、ロウアークランプ600の摩擦体600a、および、アッパークランプ700の摩擦体700aは、変形するとともにウェハーリング10を強固に把持・固定する。
続いて、拡張ステージ100の個々の構成について説明する。図2は拡張ステージの構造図であり、図2(a)は平面図、図2(b)はB−B線側断面図である。
拡張ステージ100は、詳しくは、図2(a),(b)で示すように、ベース101、
ステージ部102、ステージ面103、支持部104、ヒータ105、温度センサ106、内側拡張リング107、真空吸着部108、排気流路109、給気流路110、給気孔110aを備えている。
ベース101は、例えば平板円板であり、昇降する全体の基となるステージベースとなる。このベース101には、昇降装置200の昇降部と連結され、昇降装置200による昇降に応じて昇降する。
ステージ部102は、断面ハット形部材であって上側の最上面がステージ面103となる。このステージ面103は、梨地(なしぢ)仕上になされており、ステージ面103に接触するフィルムシート11は、空気の存在により密着することなく滑らかに摺動するようになされている。また、ステージ面103にフッ素樹脂を塗布する等の摩擦低減の工夫をしても良い。
支持部104は、ベース101に立設された三本の柱状体であり、その上部にてステージ部102を支持する。ベース101の板面と、ステージ部102のステージ面103と、は略平行に形成される。なお、支持部104はステージ部102とベース101とを断熱する機能も有し、ヒータ105がステージ部102のみ熱するようにして不要な加熱をなくして、加熱の高速化・電力低減も実現している。
ヒータ105は、ステージ部102の裏側に配置されて、ステージ部102に対して加温する機能を有している。ステージ部102を加熱するため特にステージ部102に接するフィルムシート11で拡張しやすいようにして補助している。
温度センサ106は、ステージ部102のステージ面103の裏面に設置されている。そして、温度センサ106はステージ部102の温度を計測し、図示しない信号線により制御装置500に対して検出信号を出力する。
内側拡張リング107は、環状に形成された部材であって、フィルムシート11の保持に用いられる。内側拡張リング107は、詳しくは図6(a),(b)で示す外側拡張リング112が取り付けられるように構成されており、内側拡張リング107と外側拡張リング112とで拡張リング113を構成する。
真空吸着部108は、図2(a)で示すように、ステージ部102のステージ面103に形成されたものであって平面から見て円状の溝となっており、図2(b)で示すように溝である真空吸着部108内に、排気流路109が連通している。この真空吸着部108の真空吸着機能については後述する。なお、排気流路109は上から見て45度毎に8個設けられる。
排気流路109は、ベース101に形成された流路であり、真空吸着部108と、チューブ等を介して接続されるエア排気装置400と連通する。
給気流路110は、ベース101に形成された流路であり、ステージ部102の側面に設けられる給気孔110aと、チューブ等を介して接続されるエア給気装置300と連通する。なお、給気流路110や給気孔110aは上から見て45度毎に8個設けられる。また、これら8個の給気孔110aは、8ヶ所の給気流路110と同じ半径方向線上に設けられる。
続いて、エア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000によるチップ分割動作について説明する。図3は拡張ステージ100を上昇させたエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダの構造図である。図4はフィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図4(a)は密閉空間形成箇所の説明図、図4(b)は密閉空間形成の説明図である。図5はフィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図5(a)は密閉空間加圧の説明図、図5(b)はエア吹き上げの説明図である。図6はフィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図6(a)は拡張リング形成の説明図、図6(b)は拡張リング取り外しの説明図である。
まず、準備として、ステージ部102の上昇前では図1,図4(a)等でも明らかなように、ステージ部101の外側フランジ部には内側拡張リング107のみ取付けられている。このステージ部101の外側フランジ部には、図6(b)で示すように内側拡張リング配置部114が形成されており、内側拡張リング107は、この内側拡張リング配置部114に嵌め込んで配置する形状であって、このステージ部101に対し、内側拡張リング107は容易に取り外し自在となるように配置されている。なお、図4(a)で示すように内側拡張リング107が配置された場合、内側拡張リング107の上面とステージ部101の上面であるステージ面103とに高低差が形成される。高低差は内側拡張リング107の「外径と内径の半径差」程度とする。
次に分割動作を開始する。開始時には、給気孔110aからのエア給気は行わない。まず、フィルムシート11にダイシング済みのウェハー12が載置されているウェハーリング10をロウアークランプ600の上に配置し、その後に、図示しないクランパ用昇降装置を操作してアッパークランプ700を下降させ、ウェハーリング10を上下方向から押圧しつつ把持固定し、図1で示すような状態とする。この際、摩擦体600a,700aは変形するとともに、ウェハーリング10が移動しないような強固な摩擦力・押圧力を付与する。
続いて、図2で示したヒータ104が駆動される。温度センサ106はステージ部102の温度を検出して検出信号として出力し、制御装置500が検出信号に基づいてフィードバック制御して、ステージ部102は所定温度に維持されて加熱状態となり、フィルムシート11を柔らかくして拡張しやすい状態とする。
続いて、制御装置500の制御駆動により、昇降装置200が拡張ステージ100を上昇させ、図3で示すように、フィルムシート11を押し上げていく。この場合、フィルムシート11はステージ部102の上側にある円板状のステージ面103により張り渡されるとともに半径方向へ沿って拡張しつつ移動する。
そしてさらなる上昇に伴い、内側拡張リング107の上面外周とフィルムシート11とが接触する高さになると、図4(b)で示すように、ステージ面103の外周と内側拡張リング107の上面外周及びフィルムシート11による断面形状三角形の密閉空間111(図4(b)参照)が形成される。半径差と高低差とが一致しており、断面形状は略直角二等辺三角形形状となっている。このような密閉空間111の頂角部には摩擦により接触抵抗力が加わっているが形成当初ではさほど大きくない。しかしながら、上昇を続けるとステージ面103の外周と内側拡張リング107の上面外周部にフィルムシート11からのフィルム収縮力の増加に伴って摩擦による接触抵抗が増大していき、ステージ面103によるフィルムシート11の拡張の妨げとなる。
そこで、これらステージ面103の外周と内側拡張リング107の上面外周部による摩擦力を低減させる吹き上げを開始する。
制御装置500の制御駆動により、エア排気装置400(の真空発生器)を稼働させて排気流路109を介して真空吸着部108とフィルムシート11内で形成される空間からエアを排気し、また、エア供給装置300(の電磁弁)を稼働させて給気流路110を介して給気孔110aからエアが供給される。これにより、ステージ面103の真空吸着部108でフィルムシート11を真空吸着させ(図5(a)参照)、さらに密閉空間111に加圧された供給エアを供給する(図5(b)参照)。
この図5(b)の状態では、密閉空間111へ送られる、加圧された供給エアは瞬間的な噴出力でフィルムシート11を押し上げるが、一方は内側拡張リング107の上面外周を経て拡張ステージ100の下部側面に排出され、他方はステージ面103の外周を経てステージ面103に回り込むが真空吸着部108が加圧エアを速やかに排気している。これによりステージ面103の外周と内側拡張リング107の上面外周部に空気の層が介在するため、押し上げられたフィルムシート11は接触抵抗から開放され、フィルムシート11の収縮力の小さなステージ面103と、収縮力の大きなステージ面103の外周端部の応力が平均化され、結果的に拡張ステージ上面部分が拡張されて拡張率を均一にすることができる。また、真空吸着部108から内周側へは空気が回らないため、チップ飛びの原因となるフィルムシート11の膨らみを防止する。この吹き上げは所定期間にわたって行われ、さらに吹き上げは断続的に行われる。
なお、吹き上げの期間は、(1)拡張ステージ100の上昇速度、および、(2)拡張ステージ100の真空吸着部108からの排気速度の影響を受けるため拡張機に調節機能を設ける。
例えば拡張ステージ100の停止位置が高くなるほど、摩擦力は大きくなっていくため、密閉空間111への圧力を大きくする必要があり吹き上げ期間を長くしたり、また、断続周期を速めるなどの加圧エアが増えるように調整する。
また、フィルムシート11の浮き上がりを防ぐ真空排気に対しては排気速度を優先させ、真空到達度を低く抑えて噴出圧力を高めたり、噴出時間を長くしたり、また、断続周期を速めるなどの加圧エアが増えるように調整してフィルムシート11に不要な力を与えることなく拡張していく。
このような吹き上げによりフィルムシート11のうちダイシング済みのウェハー12が搭載されたステージ部102上の搭載領域(真空吸着部108より内側の領域)とその他の領域(真空吸着部108より外側の領域)との拡張率を同じに近づける。このような状態で上昇させて、フィルムシート11の全領域を拡張率をほぼ均一にしつつ拡張することとなる。このフィルムシート11が拡張しつつ移動する際、図8(a)で示すようにウェハー12を外側へ拡げて行き、所定の拡張率となったとき、図8(b)で示すように、チップ13に分割される。
拡張ステージ100が所定の高さになってフィルムシート11が所定の拡張率となったとき、昇降装置200は昇降を一時停止する。
このようなステージ部102が上昇してフィルムシートが所定拡張率になった場合、図6(a)で示すように、フィルムシート11を挟みつつ外側拡張リング112を内側拡張リング107に嵌め込んで拡張リング113とする。挟み込みによる押圧力に加え、フィルムシート11の接着力により強固に固定される。そして、真空吸着部18での吸着を終了して図6(b)で示すように拡張リング113ごと取り外す。
以上、本形態のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000について説明した。エア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ1000では、ウェハー付のフィルムシート11を拡張する際に、拡張ステージ100のステージ部102の側部とフィルムシート11との間の密閉空間111に断続的にエアを供給し、拡張の妨げとなる拡張リング上面周辺部の摩擦力を減少させる。
エア吹き上げにより内側拡張リング106上面周辺部および側面の摩擦力を減少させるものであり、さらに以下のような利点を有する。
(1)拡張リングの上面と拡張ステージの上面とに高低差を設け、拡張時にフィルムによる密閉空間を形成し、加圧エアを供給する。その結果、フィルムシートが浮き上がり、拡張リング上面の摩擦力が減少しフィルムシート内の応力が平均化されることで拡張リング内側や真空吸着部内側の拡張率を上げる。
(2)全周の摩擦抵抗が減少し、フィルムシートの均一性が良くなる。
(3)供給する加圧エアを断続することにより、以下の効果がある。
(a)加圧エア消費量が少ない。
(b)加圧エアの突出時の衝撃がフィルムシートの浮き上がりを容易にする。
(c)加圧エア消費量が少なくなったため、拡張ステージ上面への回り込み分の、排気が容易になる。
(d)エア消費量が少なくなったため、排気エアとともに外部へ温度が流出しないようになり、拡張ステージの加熱温度の低下を防ぐ。
(3)拡張機側で対応するため、現在使用中の拡張リングにフッ素樹脂などのコーティングを行うことなく、ステージ面をそのまま使用して摩擦による拡張ロスを低減させることができる。
(4)拡張ステージ上面の真空排気でチップ剥離を誘発するフィルムの膨らみを防ぐ。
本発明を実施するための最良の形態のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダの構造図である。 拡張ステージの構造図であり、図2(a)は平面図、図2(b)はB−B線側断面図である。 拡張ステージを上昇させたエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダの構造図である。 フィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図4(a)は密閉空間形成箇所の説明図、図4(b)は密閉空間形成の説明図である。 フィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図5(a)は密閉空間加圧の説明図、図5(b)はエア吹き上げの説明図である。 フィルムシートの拡張動作を説明する説明図であり、図6(a)は拡張リング形成の説明図、図6(b)は拡張リング取り外しの説明図である。 ウェハーリングの構成図であり、図7(a)は表面図、図7(b)はA−A線側断面図、図7(c)は裏面図である。 フィルムシート拡張を説明する説明図であり、図8(a)は拡張前のフィルムシート上のダイシング済みのウェハーを示す図、図8(b)は拡張後のフィルムシート上のチップ群を示す図である。
符号の説明
1000:エア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ
100:拡張ステージ
101:ベース
102:ステージ部
103:ステージ面
104:支持部
105:ヒータ
106:温度センサ
107:内側拡張リング
108:真空吸着部
109:排気流路
110:給気流路
110a:給気孔
111:密閉空間
112:外側拡張リング
113:拡張リング
114:内側拡張リング配置部
200:昇降装置
300:エア供給装置
400:エア排気装置
500:制御装置
600:ロウアークランプ
600a:摩擦体
700:アッパークランプ
700a:摩擦体
10:ウェハーリング
11:フィルムシート
12:ウェハー
13:チップ

Claims (3)

  1. ウェハーリングを保持固定するためのクランプ部と、
    クランプ部で支持されるウェハーリングのフィルムシートに対しウェハーが載置された面の裏面とステージ部のステージ面と、を当接させてフィルムシートを拡張するための拡張ステージと、
    ステージ部のステージ面に設けられる真空吸着部と、
    ステージ部の側面に設けられる給気孔と、
    拡張ステージを昇降させる昇降装置と、
    拡張ステージのステージ部の周囲に設けられる拡張固定部と、
    を備え、ウェハーリングの円開口に張り渡されたフィルムシートを引き延ばし、このフィルムシート上に固着されたダイシング済みのウェハーを複数片のチップに分離するためのフィルムシート用エキスパンダであって、
    昇降装置が拡張ステージを上昇させるとともに給気孔から加圧エアを供給し、フィルムシート、拡張固定部およびステージ部の側面で形成される密閉空間を膨張させて接触箇所の浮上により低摩擦にするとともに外部および真空吸着部へ加圧エアを排気する吹き上げを行ってフィルムシートを拡張し、ダイシング済みのウェハーをチップに分割することを特徴とするエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ。
  2. 請求項1に記載のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダにおいて、
    給気孔から供給される加圧エアは、
    前記昇降装置が上昇させる拡張ステージの高さに応じて増加させることを特徴とするエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダにおいて、
    給気孔から供給される加圧エアは断続的に供給されることを特徴とするエア吹き上げ式フィルムシート用エキスパンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011124279A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Apic Yamada Corp 搬送治具及び切削装置
CN111063653A (zh) * 2018-10-16 2020-04-24 先进装配系统有限责任两合公司 用于促进布置在保持膜片上的部件脱离的顶脱器装置和方法

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