JP2007052113A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 両面印字モードにおいて縁無し印字を実施する際、二面目の画像形成時に記録用紙上に転写されず無駄に消費されるトナー量を少なく抑えることを目的とする画像形成装置の提供。
【解決手段】 同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成を実施する縁無し印字モードで、記録用紙に第一の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv1、横サイズをIh1とし、記録用紙に第一の画像を形成して定着した後、記録用紙を再搬送手段により再び画像形成部に搬送し、第二の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv2、横サイズをIh2とし、記録用紙の縦サイズをPv、横サイズをPhとした場合、Iv1≧Iv2>Pv、Ih1≧Ih2>Ph、となるように設定する。また、記録用紙の含有水分量や種類によりIv2、Ih2の値を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】 同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成を実施する縁無し印字モードで、記録用紙に第一の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv1、横サイズをIh1とし、記録用紙に第一の画像を形成して定着した後、記録用紙を再搬送手段により再び画像形成部に搬送し、第二の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv2、横サイズをIh2とし、記録用紙の縦サイズをPv、横サイズをPhとした場合、Iv1≧Iv2>Pv、Ih1≧Ih2>Ph、となるように設定する。また、記録用紙の含有水分量や種類によりIv2、Ih2の値を変更する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、記録用紙上への両面画像形成機能及び縁無し印字機能を有するプリンタや複写機やファクシミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
従来、インクジェット方式や電子写真方式の画像形成装置では、記録用紙の周縁部に余白マージンをとって画像を記録していた。しかしながら、画像形成装置のカラー化に伴い、銀塩写真のプリントと同様に記録用紙の全域に余白なく画像を記録できる、いわゆる縁無し印字への要求が高まっている。インクジェット方式の画像形成装置においては、縁無し印字可能な商品が既に市場に投入されており、電子写真方式の画像形成装置においても特許文献1のような提案がなされている。
例えば中間転写体方式を採用した電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、中間転写体上に形成されたトナー画像が転写装置によって記録用紙へと転写される。
図7(a)は中間転写体上に形成されるトナー画像のサイズを表しており、縦はIv、横はIhである。また、図7(b)は記録用紙のサイズを表しており、縦はPv、横はPhである。余白を有する縁有りの一般的な印字を行う場合、トナー画像のサイズと記録用紙のサイズの関係はIv<Pv、Ih<Phであり、図7(c)に示すように、記録用紙上に縁(余白)があるトナー画像が最終的に出力される。
一方、縁無し印字を行う場合には図8に示すように中間転写体上に記録用紙と同一サイズのトナー画像を形成すれば良い。つまり、トナー画像のサイズと記録用紙のサイズの関係がIv=Pv、Ih=Phとなるようにトナー画像のサイズを設定する。すると、記録用紙上に縁(余白)がないトナー画像が最終的に出力される。
特開2004−005559号公報
ところが、トナー画像のサイズと記録用紙のサイズが同一な場合、記録用紙の給紙タイミングが若干でも早いと記録用紙の上端部に余白が生じ、若干でも遅いと下端部に余白が生じてしまう。また、記録用紙が若干でも左右ずれて給紙されると、左端部または右端部に余白が生じてしまう。
図9(a)はタイミングが遅れ、かつ右にずれて給紙された場合を示しており、図9(b)に示すように記録用紙上には余白が生じて所望の縁無し画像が得られていない。記録用紙上に余白なくトナー画像を転写させるには、完璧な給紙精度が要求されるが、記録用紙の材質や吸湿状態、雰囲気の環境等の変化に対応して、完璧に給紙する事は困難である。
そこで、縁無し印字を行う場合には記録用紙よりも若干大きなトナー画像を中間転写体上に形成し、記録用紙が前後左右に少々ずれて給紙されても、記録用紙上のトナー画像が縁無し画像となるようにしている。すなわち、トナー画像のサイズと記録用紙のサイズの関係がIv>Pv、Ih>Phとなるようにトナー画像のサイズを設定する。
図10(a)はIv>Pv、Ih>Phとした場合のトナー画像のサイズと記録用紙のサイズの関係を示している。図10(b)に示すように記録用紙が前後左右に少々ずれて給紙されても、トナー画像サイズ内で収まるので、記録用紙に余白が生じることはない。
しかしながら、トナー画像のサイズが記録用紙のサイズより大きいため、記録用紙には転写されない残トナーが発生する。図11は記録用紙に転写されずに中間転写体上に残るトナー像を表している。この残トナーは無駄に消費されるトナーであり、残トナー増大により残トナーを収容する容器容量の問題も生じる。よって、残トナーを出来る限り少なくする手段を講じねばならない。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、両面印字モードにおいて縁無し印字を実施する際、二面目の画像形成時に記録用紙上に転写されず無駄に消費されるトナー量を少なく抑える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本出願に係る第一の発明は、画像形成装置に入力される入力画像情報を処理して像担持体上に画像形成するための画像形成情報を生成する画像処理手段と、前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成した画像を搬送手段により搬送された記録用紙に転写する転写手段と、前記記録用紙を加熱して前記画像を前記記録用紙上に定着する定着手段と、定着後の前記記録用紙を前記画像形成部に再び搬送する再搬送手段とを有し、同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成が可能な画像形成装置において、前記同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成を実施するモードで、前記記録用紙に第一の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv1、横サイズをIh1とし、前記記録用紙に第一の画像を形成して定着した後、前記記録用紙を再搬送手段により再び前記画像形成部に搬送し、第二の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv2、横サイズをIh2とし、前記記録用紙の縦サイズをPv、横サイズをPhとした場合、Iv1≧Iv2>Pv、Ih1≧Ih2>Ph、となる関係を満たすことを特徴とする。
また、本出願に係る第二の発明は、前記記録用紙の含有水分量を検知する水分量検知手段を有し、前記水分量検知結果に基づいて、前記Iv2、前記Ih2の値が変更することを特徴とする。
また、本出願に係る第三の発明は、前記記録用紙の種類を検知する記録用紙種類検知手段を有し、前記記録用紙種類検知結果に基づいて前記Iv2、前記Ih2の値が変更することを特徴とする。
また、本出願に係る第四の発明は、前記記録用紙種類検知手段が、前記記録用紙の表面に光を照射する光照射手段と、前記記録用紙の表面の前記光照射手段による光照射領域を映像として読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果から前記記録用紙表面の凹凸の深さを判断する深度演算手段と、前記記録用紙表面の凹凸の間隔を判断する間隔演算手段を有し、前記深度演算手段の演算結果と前記間隔演算手段の演算結果に基づいて、前記記録用紙の種類を判断することを特徴とする。
また、本出願に係る第五の発明は、前記水分量検知手段が、前記記録用紙の表面に光を照射する光照射手段と、前記記録用紙の表面からの前記光照射手段による照射光の反射光または前記記録用紙を透過した前記光照射手段による透過光を受光する複数の受光手段とを有し、前記複数の受光手段の受光結果から前記記録用紙の含有水分量を判断することを特徴とする。
また、本出願に係る第六の発明は、前記水分量検知手段が、雰囲気中の絶対水分量を検知する温湿度センサであり、前記温湿度センサの検知結果から前記記録用紙の含有水分量を判断することを特徴とする。
本発明によれば、同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成を実施するモードで、記録用紙に第一の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv1、横サイズをIh1とし、記録用紙に第一の画像を形成して定着した後、記録用紙を再搬送手段により再び画像形成部に搬送し、第二の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv2、横サイズをIh2とし、記録用紙の縦サイズをPv、横サイズをPhとした場合、Iv1≧Iv2>Pv、Ih1≧Ih2>Ph、となるように設定するため、定着後の記録用紙が熱及び乾燥によって収縮しても、第二の画像形成時に記録用紙上に転写されず無駄に消費されるトナー量を少なく抑えることができる。
また、記録用紙の含有水分量や種類によりIv2、Ih2の値を変更することで、第二の画像形成時に記録用紙上に転写されず無駄に消費されるトナー量を更に少なく抑えることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
図1に示すフルカラーの電子写真画像形成装置の概略断面図を用いて、本実施例の画像形成装置の構成を説明する。
ここでは、第一の像担持体として、第一色目:イエロー、第二色目:マゼンタ、第三色目:シアン、第四色目:ブラックの、それぞれの色トナーに対応した複数の感光体ドラム11a、11b、11c、11dと、第二の像担持体として、各感光体ドラム11a、11b、11c、11dにそれぞれの一次転写部で接触している中間転写ベルト1とを有する。
各感光体ドラムは中間転写ベルト1の移動方向に沿って、最上流に位置する第一色目(イエロー)の感光体ドラム11a、感光体ドラム11aの下流側の最近傍に位置する第二色目(マゼンタ)の感光体ドラム11b、感光体ドラム11bの下流側の最近傍に位置する第三色目(シアン)の感光体ドラム11c、感光体ドラム11cの下流側の最近傍に位置する第四色目(ブラック)の感光体ドラム11dの順番で配置されている。
本実施例に於ける感光体ドラム11a、11b、11c、11dは、外径30.0mmであり、アルミシリンダ上に感光材料を塗布した層を有している。
中間転写ベルト1には、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ナイロン(登録商標)系樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂フィルムや、これらの樹脂にカーボンや導電粉体を分散させ抵抗調整を行った樹脂フィルム、又はウレタンゴム、NBR等の基層シートのトナー担持体面側に、離型層として樹脂層を形成した複数層構造を有するエラストマシート等も用いることが出来る。
本実施例で使用されている中間転写体ベルト1は、ポリイミドにカーボンを分散して表面抵抗率ρs=1×1012Ωの中抵抗に調整することで、転写工程等にてベルト1に付加された電荷を、特別な除電機構を設けずに減衰させることが出来る。又、この中間転写ベルト1は周長1000mm、厚み100μmの単層無端状ベルトである。
表面抵抗率測定は、JIS−K6911に準拠し、導電性ゴムを電極とすることで電極とベルト表面の良好な接触性を得たうえで、超高抵抗抵抗計(アドバンテスト社製R8340)を用いて測定した。測定条件は、印加電圧=100V、電圧印加時間=30sとした。
中間転写ベルト1は図1に示すように、中間転写ベルト1に内包される駆動ローラ1a、支持ローラ1b、分離ローラ1cの3本のローラに懸架されている。尚、駆動ローラ1a、支持ローラ1b、分離ローラ1cは、電気的に接地されている。
駆動ローラ1a及び分離ローラ1cは、直径24.0mmのアルミ製芯金と層厚2.9mmのヒドリンゴム層とで構成される外径29.8mmのローラであり、ヒドリンゴムを抵抗調整することでローラ抵抗値を1×106Ωとしている。
支持ローラ1bは、直径29.8mmのアルミローラである。
ローラ抵抗値は、測定対象のローラを直径30mmのアルミ製シリンダーに当接させてアルミ製シリンダーに対して従動回転させながら、超高抵抗抵抗計(アドバンテスト社製R8340)を用いて測定した。測定条件は、印加電圧=100V、電圧印加時間=30s、当接力=9.8N、回転周速=117mm/sとした。
中間転写ベルト1は、矢印方向に不図示の駆動装置により、所定のプロセススピード(本実施形態では117.0mm/s)で回転している。また、各感光体ドラム11a、11b、11c、11dは、中間転写ベルト1の移動方向と同じ方向に、中間転写ベルト1の移動速度の99.0%(本実施形態では115.8mm/s)で不図示の駆動装置により回転している。各感光ドラム11a、11b、11c、11dと中間転写ベルト1の移動速度に速度差ΔVaをつけることで、一次転写効率を改善している。
ただし、各感光ドラム11a、11b、11c、11dと中間転写ベルト1の移動速度の速度差ΔVaが大きいほど、中間転写ベルト1との摺擦に起因して各感光ドラム11a、11b、11c、11dの磨耗や傷の発生が促進される。そこで、本実施例では、一次転写効率と感光ドラムの磨耗や傷の程度の両立から、速度差ΔVaをプロセススピードの1.5%(本実施例では1.8mm/s)に設定した。
各感光体ドラム11a、11b、11c、11dは、各接触帯電ローラ12a、12b、12c、12dにより一様に帯電され、露光情報信号により変調された各スキャナー13a、13b、13c、13dからのレーザー光で静電潜像を作成される。
ホストコンピュータから送られた画像情報信号は、コントローラにより所望サイズが得られるように処理され、露光情報信号に変換される。
レーザー光の強度及び照射スポット径は画像形成装置の解像度及び所望の画像濃度によって適正に設定されており、各感光体ドラム11a、11b、11c、11d上の静電潜像はレーザー光が照射された部分は明部電位VL(約−150V)に、そうでない部分は一次帯電器である各接触帯電ローラ12a、12b、12c、12dで帯電された暗部電位VD(約−650V)に保持されることによって形成される。
静電潜像は各感光体ドラム11a、11b、11c、11dの回転により、各々の現像器14a、14b、14c、14dとの対向部に達し、感光体ドラム表面と同一極性(本例ではマイナス極性)に帯電された現像剤(トナー)が供給されて顕像化され、現像剤像(トナー像)が形成される。
本件に於ける現像器14は、二成分現像方式を採用した現像装置である。又、本件に於ける現像バイアスは、DC成分=−400V、AC成分=1.5kVpp、周波数=3kHz、波形=矩形波、の直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスである。
各感光体ドラム11a、11b、11c、11d上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト1と感光体ドラム11a、11b、11c、11dとの近接又は当接部分である各々の一次転写ニップにおいて、中間転写ベルト1の背面に接している一次転写ローラ15a、15b、15c、15dに一次転写バイアス源16a、16b、16c、16dから印加される一次転写バイアス(本実施形態では+400Vの定電圧制御)により、中間転写ベルト1上に転写される。中間転写ベルト1が感光体ドラム11dとの一次転写ニップを通過した段階で、中間転写ベルト1上への4色画像の形成は終わり、一次転写行程は完了する。
一方、トナー像の一次転写を終えた各感光体ドラム11a、11b、11c、11dの表面は、ウレタンゴムブレードからなるドラムクリーニング装置17a、17b、17c、17dにより一次転写残トナー等を除去して清浄化され、次回の画像形成工程に備える。
次に、記録用紙カセット5から給紙手段6により記録用紙Pが1枚取り出され、中間転写ベルト1を挟持して分離ローラ1cと転写部材としての二次転写ローラ2との間の部分である二次転写ニップ部に挿通される。
この時、二次転写ローラ2にはトナーと逆極性であり、温湿度センサによって検知された画像形成装置内の温湿度に従って決定する最適なバイアス(本実施形態では15℃/10%R.H.時に+20μA、23℃/50%R.H.時に+30μA、30℃/80%R.H.時に+35μAの定電流制御)が二次転写バイアス源21により印加され、トナー像は中間転写ベルト1から記録用紙Pへと二次転写される。
本実施形態に於ける二次転写ローラ2は、直径14.0mmのアルミ製芯金と層厚4mmの発泡ヒドリンゴム層とで構成される外径22.0mmのローラであり、ヒドリンゴムを抵抗調整することでローラ抵抗値を1×108Ωとしている。又、二次転写ローラ2の硬度は35°(ASKER−C)である。
二次転写ローラ2を矢印方向に不図示の駆動装置により中間転写ベルト1と略等速で回転することで、中間転写ベルト1上のトナー量によらず記録用紙Pを所定のプロセススピード(本実施形態では117.0mm/s)で安定して搬送し、画像パターンに拠らずに中間転写ベルト1上に形成された画像寸法と等しい記録用紙上画像寸法を得ることを実現している。
二次転写ローラ2上に付着したトナーは、ウレタンゴムで作成されたクリーニングブレードを有する二次転写ローラクリーナ22によりクリーニングされ、記録用紙P裏面にトナーが付着することを防止する。
二次転写ニップ部を通過した未定着トナー像を載せた記録用紙Pは、定着装置3に到達し、加熱・加圧されて永久定着像が得られる。定着装置3から排出された記録用紙Pは、搬送手段7により装置外の排紙トレイ8に搬送される。
トナー像を記録用紙Pに転写し終えた中間転写ベルト1の表面は、ウレタンゴムで作成されたクリーニングブレードを有する中間転写体クリーナ4によって二次転写残トナーがクリーニングされる。
また、記録用紙Pの両面に画像形成をする場合は、1回目の画像形成工程を経て定着装置3から排出された記録用紙Pは、搬送手段7により再び給紙手段6に搬送されて、2回目の画像形成工程を経て定着装置3から排出された後、搬送手段7により装置外の排紙トレイ8に搬送される。
次に本発明における縁無し印字について説明する。本発明の特徴は、縁無し印字を両面に施す場合、定着装置で記録用紙の収縮が発生しても2面目における二次転写残トナー量が多くならないように、中間転写ベルト1上に形成するトナー画像の大きさが1面目より2面目の方が小さくなるように設定する点にある。
ホストコンピュータ上の画像ファイルに対して、ユーザーが縁無し印字を選択した場合、コントローラは選択されている記録用紙サイズに対して縁無し印字となるように画像をリサイズする。
図2(a)は中間転写体上に形成されるリサイズ後のトナー画像サイズを表しており、縦はIv、横はIhである。また、図2(b)は記録用紙のサイズを表しており、縦はPv、横はPhである。トナー画像と記録用紙のサイズ関係はPv<Iv、Ph<Ihとなるように設定される。つまり、記録用紙が前後左右に少々ずれて給紙されても、記録用紙に余白が生じることがないように、リサイズ後の画像サイズは選択されている記録用紙サイズより若干大きくなるように設定される。
中間転写ベルト2上には破線で示したIv×Ihサイズのトナー画像が形成され、二次転写部により実線で示したPv×Phサイズの記録用紙に二次転写される。よって、図2(d)に示すような額縁状のトナー画像が無駄に消費される二次転写残トナーとなる。トナー画像が形成された記録用紙は定着部により定着された後、裏面にトナー画像を形成するため、再度給紙部へ送られる。コントローラは裏面用画像に対しても、縁無し印字となるようにリサイズを実施する。しかしながら、定着部を通過した記録用紙は熱及び乾燥により収縮してサイズが小さくなっている。そこで、二次転写残トナー量が1面目となるべく同量となるように、リサイズ後の裏面用画像サイズはリサイズ後の表面画像サイズよりやや小さくなるように設定する。
2面目用画像サイズを決定するには、記録用紙がどの程度収縮するかを知る必要があるため、本発明者は各環境に放置した記録用紙について、定着装置を通過することでどの程度記録用紙が収縮するかを調べた。表1に、本発明者が測定した各種記録用紙の含有水分量W[%]、横方向収縮率αH、縦方向収縮率αVを挙げる。
各種記録用紙の測定は、15℃/10%R.H.23℃/50%R.H.30℃/80%R.H.の各各の環境に24時間放置した後に測定した。記録用紙の放置方法はJIS P811−1976に準じ、記録用紙のWの測定方法はJIS P8127−1979に拠った。
表1に示したように、記録用紙の収縮率は記録用紙種及び記録用紙の含有水分量によって変化することがわかった。
ここで、両面縁無し印字の2面目においても、記録用紙が前後左右に少々ずれて給紙されてもトナー画像サイズ内で収まり、記録用紙に余白が生じないようにする必要がある。よって、各通紙モード(普通紙モード、厚紙モード、コート紙モード、樹脂フィルムモード)において、コントローラが両面縁無し印字の2面目画像をリサイズする際、記録用紙の収縮率が1番小さい場合を想定してリサイズさせる。そうすることで、両面縁無し印字時において、記録用紙に余白が生じることなく、2面目における二次転写残トナー量を極力抑えることができる。
Iv―Pv=2mm、Ih―Ph=2mmとなるように設定し、23℃50%R.H.環境下にて、Xerox社製のPremiumMultipurose4024paper20lb.を用いて両面縁無し印字を実施した場合、従来と比較して約5%の廃トナー量低下が見られ、本実施例の効果が確認できた。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図3は実施例2における電子写真画像形成装置の概略断面図である。実施例1と同様な構成については、同符号を付与してその説明を省略する。
実施例1では、2面目の画像をリサイズする際、記録用紙の収縮が1番少ない状態を見積もっていた。しかしながら、給紙される記録用紙の種類及び含有水分量を測定する手段があれば、より正確に収縮率を求めることができるため、両面縁無し印字の2面目において記録用紙が前後左右に少々ずれて給紙されても記録用紙に余白が生じず、かつ二次転写残トナー量を更に少なく抑えることが可能となる。
そこで、本実施例では、給紙手段6に記録用紙種を検知する記録用紙種センサ61を設け、記録用紙カセット5に、記録用紙の含有水分量を検知する水分センサ51を設けることを特徴とする。
図4を用いて記録用紙種センサ61について説明する。
記録用紙種センサ61は、記録用紙の表面に光を照射するLED611と、記録用紙表面のLED611による光照射領域内を映像として読み取り出力するCMOSエリアセンサ612と、LED用レンズ613と、CMOSエリアセンサ用レンズ614と、記録用紙搬送ガイド615を有する。
LED611から照射された光はLED用レンズ613を介して記録用紙搬送ガイド615に沿って移動する記録用紙Pに対して斜めに照射される。記録用紙Pからの反射光はCMOSエリアセンサ用レンズ614を介し集光されてCMOSエリアセンサ612に結像することにより、記録用紙Pの表面画像を読み取る。LED611から照射された光が記録用紙Pに斜めに照射されることで、記録用紙P表面の凹凸に応じて影が出来るため、CMOSエリアセンサ612により読み取った画像の平均光量から記録用紙Pの光沢度と透過度を、CMOSエリアセンサ612により読み取った画像のコントラストの最大値と最小値の差から記録用紙P表面の凹凸の深度を、CMOSエリアセンサ612により読み取った画像を2値化した画像のエッジ数から記録用紙P表面の凹凸の間隔を検知することが可能になる。
記録用紙Pの光沢度と透過度と表面凹凸の深度と間隔を検知することで、表2に挙げる分類に従って、普通紙、ラフ紙、コート紙、OHT、樹脂フィルムといった多くの記録用紙種の検知が可能である。
記録用紙の含有水分量を測定する方法としては、一般に記録用紙の抵抗値を測定する方法や光学式等がある。本実施例においては、非接触で測定が可能であることから、水分子に吸収される特定波長の赤外線の記録用紙からの反射強度を測定することで記録用紙の含有水分量を測定する赤外線光学式の水分センサを、水分センサ51として用いた。光学式センサは非接触測定が可能であることで、画像形成を繰り返すことによる測定プローブの汚れなどに起因する測定のばらつきを、記録用紙の抵抗値を測定する方法等に比較して抑制できる。
図5を用いて水分センサ51について説明する。
水分センサ51は、記録用紙の表面に光を照射する白熱電球511と、記録用紙表面の白熱電球511による反射光を受光し反射光量を読み取り出力する二つのフォトダイオード512、513を有する。白熱電球511から出た光は記録用紙Pに対して照射される。記録用紙Pからの反射光はフォトダイオード512、513で受光される。二つのフォトダイオードは各各異なる特性を有する光学フィルタを設けられていることで検出する光の波長が異なっており、フォトダイオード512が水の吸収領域に相当する1.5μm付近及び1.9μm付近、フォトダイオード513が可視光領域(0.4μm〜1.0μm)の波長の反射光量を検知する。これら二つのフォトダイオードの検知光量情報を演算することにより、記録用紙の含有水分量を測定できる。
また、二つのフォトダイオード512、513は、白熱電球511からの照射光の記録用紙Pを透過した光を受光する構成を採用することでも、記録用紙の含有水分量を測定できる。
よって、本実施例2では、記録用紙種センサ61及び水分センサ51の検知結果と、表1に挙げた記録用紙種、W、αH、αVに従って、両面縁無し印字時における2面目画像サイズについて1面目の画像形成に対して横方向をαH倍、縦方向をαV倍することで、2面目における二次転写残トナー量を1面目と同量レベルに抑えることができる。
Iv―Pv=2mm、Ih―Ph=2mmとなるように設定し、23℃50%R.H.環境下にて、Xerox社製のPremiumMultipurose4024paper20lb.を用いて両面縁無し印字を実施した場合、従来と比較して約11%の廃トナー量低下が見られ、本実施例の効果が確認できた。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図6は実施例3における電子写真画像形成装置の概略断面図である。実施例1、実施例2と同様な構成については、同符号を付与してその説明を省略する。
本実施例2では、水分センサによって記録用紙の含有水分量を測定していたが、水分センサは高価であるため、コストアップはいなめない。そこで、水分センサの検知結果の代わりに、温湿度センサ52の検知結果を用いてαHとαVを決定する。記録用紙の含有水分量を厳密に検知するには水分センサが必要であるが、表1に見られるように、記録用紙の放置環境の温湿度と記録用紙の含有水分量には相関が認められるため、水分センサの検知結果の代わりに温湿度センサ52の検知結果を用いてαHとαVを決定しても、本発明のおおよその効果は得られる。
よって、本実施例3では、記録用紙種センサ61及び温湿度センサ52の検知結果と、表1に挙げた記録用紙種、W、αHとαVに従って、両面縁無し印字時における2面目画像サイズについて1面目の画像形成に対して横方向をαH倍、縦方向をαV倍することで、2面目における二次転写残トナー量を1面目とほぼ同量レベルに抑えることができる。
Iv―Pv=2mm、Ih―Ph=2mmとなるように設定し、23℃50%R.H.環境下にて、Xerox社製のPremiumMultipurose4024paper20lb.を用いて両面縁無し印字を実施した場合、従来と比較して約10%の廃トナー量低下が見られ、本実施例の効果が確認できた。
以上、中間転写ベルト方式を採用したカラー画像形成装置の場合で説明をおこなったが、中間転写ドラム方式、静電転写体方式、多重現像方式を採用したカラー画像形成装置、モノカラーの画像形成装置においても、両面モードで縁無し印字を行う場合には同様の効果が得られる。
1 中間転写ベルト
2 二次転写ローラ
5 記録用紙カセット
6 給紙手段
7 搬送手段
8 排紙トレイ
51 水分センサ
52 温湿度センサ
61 記録用紙種センサ
P 記録用紙
2 二次転写ローラ
5 記録用紙カセット
6 給紙手段
7 搬送手段
8 排紙トレイ
51 水分センサ
52 温湿度センサ
61 記録用紙種センサ
P 記録用紙
Claims (6)
- 画像形成装置に入力される入力画像情報を処理して像担持体上に画像形成するための画像形成情報を生成する画像処理手段と、前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成した画像を搬送手段により搬送された記録用紙に転写する転写手段と、前記記録用紙を加熱して前記画像を前記記録用紙上に定着する定着手段と、定着後の前記記録用紙を前記画像形成部に再び搬送する再搬送手段とを有し、同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成が可能な画像形成装置において、
前記同一の記録用紙の全域に対して複数回の画像形成を実施するモードで、前記記録用紙に第一の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv1、横サイズをIh1とし、前記記録用紙に第一の画像を形成して定着した後、前記記録用紙を再搬送手段により再び前記画像形成部に搬送し、第二の画像形成を実施する際の画像の縦サイズをIv2、横サイズをIh2とし、前記記録用紙の縦サイズをPv、横サイズをPhとした場合、
Iv1≧Iv2>Pv、Ih1≧Ih2>Ph、
となる関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記記録用紙の含有水分量を検知する水分量検知手段を有し、前記水分量検知結果に基づいて、前記Iv2、前記Ih2の値が変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記記録用紙の種類を検知する記録用紙種類検知手段を有し、前記記録用紙種類検知結果に基づいて前記Iv2、前記Ih2の値が変更することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記記録用紙種類検知手段が、前記記録用紙の表面に光を照射する光照射手段と、前記記録用紙の表面の前記光照射手段による光照射領域を映像として読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果から前記記録用紙表面の凹凸の深さを判断する深度演算手段と、前記記録用紙表面の凹凸の間隔を判断する間隔演算手段を有し、前記深度演算手段の演算結果と前記間隔演算手段の演算結果に基づいて、前記記録用紙の種類を判断することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記水分量検知手段が、前記記録用紙の表面に光を照射する光照射手段と、前記記録用紙の表面からの前記光照射手段による照射光の反射光または前記記録用紙を透過した前記光照射手段による透過光を受光する複数の受光手段とを有し、前記複数の受光手段の受光結果から前記記録用紙の含有水分量を判断することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記水分量検知手段が、雰囲気中の絶対水分量を検知する温湿度センサであり、前記温湿度センサの検知結果から前記記録用紙の含有水分量を判断することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005235840A JP2007052113A (ja) | 2005-08-16 | 2005-08-16 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005235840A JP2007052113A (ja) | 2005-08-16 | 2005-08-16 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2007052113A true JP2007052113A (ja) | 2007-03-01 |
Family
ID=37916620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005235840A Withdrawn JP2007052113A (ja) | 2005-08-16 | 2005-08-16 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007052113A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10591859B2 (en) | 2016-04-11 | 2020-03-17 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image forming device and image forming method |
-
2005
- 2005-08-16 JP JP2005235840A patent/JP2007052113A/ja not_active Withdrawn
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