JP2007049040A - 接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ACF等の薄膜の接合材料を用いることなく、高速かつ高精細な実装を可能とする接合方法を提供する。
【解決手段】 TCPのバンプとLCDのアレイ配線とが近接あるいは接触した状態で保持される。レーザ光をアレイ配線に照射する。その際、アレイ配線(金属電極)が溶融温度を越えるまでレーザ光を照射する。そうすると、レーザ光からのエネルギーによりアレイ配線の金属電極は加熱されてアレイ配線の金属電極の表面付近が溶融し、上側の金属電極と接触状態となる。そして、接触状態となった場合、互いの金属電極において、各々の金属電極を構成する金属原子が接触状態となった金属電極に移動するいわゆる原子拡散現象が起きる。この原子拡散現象が生じれば互いの金属原子が混ざり合い合金が形成され、TCPのバンプとLCDのアレイ配線とが接合される。
【選択図】 図7
【解決手段】 TCPのバンプとLCDのアレイ配線とが近接あるいは接触した状態で保持される。レーザ光をアレイ配線に照射する。その際、アレイ配線(金属電極)が溶融温度を越えるまでレーザ光を照射する。そうすると、レーザ光からのエネルギーによりアレイ配線の金属電極は加熱されてアレイ配線の金属電極の表面付近が溶融し、上側の金属電極と接触状態となる。そして、接触状態となった場合、互いの金属電極において、各々の金属電極を構成する金属原子が接触状態となった金属電極に移動するいわゆる原子拡散現象が起きる。この原子拡散現象が生じれば互いの金属原子が混ざり合い合金が形成され、TCPのバンプとLCDのアレイ配線とが接合される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、液晶表示パネルと駆動回路基板とを接合するのに適した接合方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ、その他各種モニタ用の画像表示装置として、液晶表示装置が急速に普及してきている。
この種の液晶表示装置は、一般に液晶表示パネルの背面に照明用の面状光源であるバックライトを配設することにより、所定の広がりを有する液晶面を全体として均一な明るさに照射することで、液晶面に形成された画像を可視像化するように構成されている。
液晶表示装置は、液晶材料を2枚のガラス基板の間に封入して構成した液晶表示パネルと、液晶表示パネル上に実装された液晶材料を駆動するためのプリント回路基板と、液晶表示パネルの背面に液晶表示パネル保持フレームを介して配置されるバックライト・ユニットと、これらを覆う外枠フレームとを備えている。
液晶表示装置の中でTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)液晶表示装置の場合、液晶表示パネルを構成するガラス基板のうちの一方のガラス基板はアレイ基板を構成し、他の一方のガラス基板はカラーフィルタ基板を構成する。
アレイ基板には、液晶材料の駆動素子であるTFT、表示電極、信号線の他にプリント回路基板と電気的に接続するための引出電極などが形成されておりガラス基板上にTFTが規則的に配列されているためにアレイ基板とも称されている。
カラーフィルタ基板には、カラーフィルタの他にコモン電極、ブラックマトリックス、配向膜などが形成されている。
プリント回路基板は、アレイ基板に形成された引出電極とTAB(Tape Automated Bonding)テープキャリア(以下、単にTABとも称する)を介して接続(実装)されるのが一般的である。あるいはTAB技術によりテープフィルムにLSIチップを接続したパッケージ(すなわちテープキャリアパッケージ(以下、TCPとも称する))を実装することも行なわれている。また、TAB技術に限らず同一のパッケージ技術としてCOF(Chip on film/FPC)やSOF(System on Film)も挙げることができる。
そして、TABの入力リード導体はプリント回路基板の対応する導体に接続されることになる。一方、TABの出力リード導体はアレイ基板の対応する引出電極に接続される。その接続の際、すなわちTABの入力リード導体とプリント回路基板の対応する導体との接続の際には、たとえばはんだやACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)あるいはACP(Anisotropic Conductive Paste:異方性導電ペースト)の薄膜の接合材料が用いられている。あるいは、NCP(Non Conductive Particle/Paste)などの工法や材料が用いられている。なお、以下においてはACFあるいはACP、NCP等を単にACFとも称することとする。
ACFは、接着剤としての樹脂中に導電材料からなる粒子を分散させたものであり、熱可塑性樹脂を接着剤とする熱可塑型ACFと熱硬化型樹脂を接着剤とする熱硬化型ACFの2種類が存在する。熱可塑型ACFおよび熱硬化型ACFによる接合の手法は、加熱および加圧を伴う熱加圧を行なう点で一致しており、特開2002−249751号公報においては、ヒータツールおよび近赤外線ランプを照射して熱圧着する方式を開示している。
また、別の方式としては、特開2000−26127号公報においては、ガラス板と接着相手物との接着の際に、その間に設けられた薄膜にレーザ光を照射して2つの物体を溶着させる方式を開示している。
特開2002−249751号公報
特開2000−26127号公報
しかしながら、従来のACFを用いた熱圧着に基づく接合方法は、材料の熱膨張や収縮を考慮に入れた方法ではないために、狭ピッチや狭額縁が必要とされる大型の液晶表示パネルでは、特に熱膨張および収縮量が増大するため、さまざまな問題を有することとなる。
具体的には、ポリイミド等を基材として形成されるTAB、シリコンチップ等によって形成される実装物を実装した場合に接着剤であるACFに接するアレイ基板とTABまたはシリコンチップ等の熱膨張後の収縮量の違いによって実装むらが発生することがある。
この実装むらは、ACFの接合力が強力であるほど発生の程度が大きい。特にシリコンチップの実装では、TABと比較してチップの剛性が高いため、はっきりとしたむらになって現れてくることになる。これが、大型高精細液晶表示パネルの実装技術としてシリコンチップの実装が普及しない大きな要因ともなっている。
また、ACFに限らず、他の薄膜の接合材料を用いて接合する場合においても、同様の熱膨張や収縮を考慮する必要があるとともに、これら、狭ピッチや狭額縁が必要とされる大型の液晶表示パネルにおいては、接合の際の薄膜のアライメント調整等を精度よく実行する必要があり、プロセスが複雑になるととともに、接合材料自体のコストも掛かることになる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ACF等の薄膜の接合材料を用いることなく、高速かつ高精細な実装を可能とする接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る接合方法は、電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、第1の金属電極よりも融点の高い第2の金属電極とを接合する接合方法であって、第1の金属電極と第2の金属電極とは近接または接触した状態で、第1の金属電極に対してレーザを照射し、第1の部材を有する第1の金属電極と第2の部材の有する第2の金属電極とは近接または接触した状態で保持される。レーザは、第1の金属電極の温度が融点以上に達するまで照射されて第1の金属電極を溶融して第2の金属電極に接し、金属電極相互の原子拡散現象により接合する。
本発明に係る別の接合方法は、電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、第1の金属電極と同一の金属である第2の金属電極とを接合する接合方法であって、第1の金属電極と第2の金属電極とは近接または接触した状態で、第1および第2の金属電極の近接領域に対してレーザを照射し、第1の部材を有する第1の金属電極と第2の部材の有する第2の金属電極とは近接または接触した状態で保持される。レーザは、第1および第2の金属電極の温度が融点以上に達するまで照射されて、第1および第2の金属電極を溶融して互いに接し、金属電極相互の原子拡散現象により接合する。
好ましくは、第1の金属電極と第2の金属電極との接合後、レーザの照射を停止し、第1の部材の保持を解除する。
好ましくは、第1の金属電極は、第1の部材の表面にそれぞれ形成される配線電極である。第1の部材は、レーザを透過し、第1の金属電極は、レーザを吸収する。レーザは、第1の部材を透過して、第1の金属電極に照射される。第1および第2の金属電極の組は、第1および第2の部材において複数組設けられる。第1および第2の部材において、各組の対応する第1および第2の金属電極は、互いに近接又は接触した状態で接合されるようにパターン位置が形成される。複数組の各々において、対応する第1および第2の金属電極のパターン位置が略一致した状態でレーザが照射される。
ここで、「第1の部材は、レーザを透過」とは第1の部材は、レーザを透過させ、その際の吸収がわずかであるため吸収によって生じる熱変形は生じさせない程度の透過を意味するものとする。
また、「第1の金属電極はレーザを吸収」とは第1の金属電極は、第1の部材を透過したレーザを吸収して第1の第2の金属電極が接合される程度に温度が上昇するような吸収を意味するものとする。
また、「略一致」とは隣り合う複数の金属電極にずれたり、跨ったりすることなく、それぞれ対応する金属電極同士が電気的に接続されるように位置合わせされることを意味するものとする。
本発明に係るさらに別の接合方法は、電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、第1の金属電極の融点と同じもしくは融点の高い第2の金属電極とを接合する接合方法であって、第1の金属電極と第2の金属電極とは接触した状態で、第1の金属電極に対してレーザを照射する。加圧手段により第1の部材の第1の金属電極および第2の部材の第2の金属電極に加圧して密着させ、レーザ照射により第1の金属電極の温度が融点に近づくまで第1の金属電極の金属原子を加熱して、第2の金属電極との金属電極相互の原子拡散現象により接合する。
好ましくは、第1の金属電極の表面には、表面被膜として酸化膜が形成されており、レーザ照射によって、第1の金属電極は融点に近づく温度であり、かつ、少なくとも一部の酸化膜はレーザ照射されている時間内に第1の金属電極内部まで拡散される温度となるように制御され、この結果、第1の金属電極の金属原子と、第2の金属電極の金属原子との原子拡散現象により接合する。
好ましくは、第1の金属電極は、第1の部材の表面にそれぞれ形成される配線電極であり、第1の部材は、レーザを透過し、第1の金属電極は、レーザを吸収し、レーザは、第1の部材を透過して、第1の金属電極に照射され、第1および第2の金属電極の組は、第1および第2の部材において複数組設けられ、第1および第2の部材において、各組の対応する第1および第2の金属電極は、互いに近接又は接触した状態で接合されるようにパターン位置が形成され、複数組の各々において、対応する第1および第2の金属電極のパターン位置が略一致した状態でレーザが照射される。
好ましくは、レーザが照射された第1の金属電極もしくは第2の金属電極のいずれか一方よりも低い温度での不活性ガスを流入させて少なくとも一方の金属電極を冷却することにより温度制御を実行する。
好ましくは、第1の部材は、ガラス基板に相当し、第2の部材は、集積回路あるいはICパッケージ製品に相当する。
好ましくは、第2の金属電極の融点は、第1の金属電極の融点よりも高く、ガラス基板上に集積回路あるいはICパッケージ製品が互いの金属電極同士の位置を合わせて置かれ、レーザ照射時には保持されない。
特に、ガラス基板越しにレーザ照射を実行する。
好ましくは、レーザを第1の金属電極越しに第2の金属電極に収束して、第2の金属電極を溶融する。
好ましくは、レーザを第1の金属電極越しに第2の金属電極に収束して、第2の金属電極を溶融する。
本発明に係る接合方法は、レーザを照射して、金属電極相互の原子拡散現象により金属電極を接合する。したがって、ACF等の薄膜の接合材料を用いて金属電極の接合をすることなく、高速かつ高精細な実装を実現することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に従う液晶表示装置を説明する概略ブロック図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う液晶表示装置は、液晶表示パネル(以下、LCDとも称する)1と、LCD1の周辺に配設された周辺回路との接続配線が設けられたインターフェイス部4と、LCD上に実装された液晶材料を駆動するためのプリント回路基板3と、プリント回路基板3とLCD1との間に設けられ、液晶表示パネルの構成素子を駆動するためのドライバIC5を含むTCP2と、プリント回路基板3とインターフェイス部4とを電気的に接続するためのフレキシブル基板(以下、FPCとも称する)6とを備える。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う液晶表示装置は、液晶表示パネル(以下、LCDとも称する)1と、LCD1の周辺に配設された周辺回路との接続配線が設けられたインターフェイス部4と、LCD上に実装された液晶材料を駆動するためのプリント回路基板3と、プリント回路基板3とLCD1との間に設けられ、液晶表示パネルの構成素子を駆動するためのドライバIC5を含むTCP2と、プリント回路基板3とインターフェイス部4とを電気的に接続するためのフレキシブル基板(以下、FPCとも称する)6とを備える。
図2は、本発明の実施の形態に従うTCP2を説明する概念図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うTCP2は、ドライバIC5を含み、ドライバIC5から複数の入力および出力リード導体が設けられた構成となっている。
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うTCP2は、ドライバIC5を含み、ドライバIC5から複数の入力および出力リード導体が設けられた構成となっている。
以下においては、本発明の実施の形態に従う接合装置について、LCD1とプリント回路基板3との接続に用いられるドライブIC5を含むTCP2の接合方式について主に説明する。具体的には、このTCP2のリード導体とLCD1との接合方式すなわちTCP2のバンプ(金属電極)と、LCDのアレイ配線(金属電極)とをレーザ照射により接合する接合方式について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に従う接合装置100を説明する概念図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従う接合装置100は、単色光であるレーザを照射するレーザ部15と、LCDであるアレイ基板(ガラス基板)1を支持するための支持台16と、加圧ヘッド30と、シリンダ20と、レーザ部15と、バックアップガラス55と、接合装置100全体を制御する制御部70と、対象物を真空吸着するための真空吸着部75と、不活性ガスを供給することが可能な不活性ガス供給部80とを備える。そして、上下に摺動する加圧ヘッド30とアレイ基板1との間にTCP2が挿入される。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従う接合装置100は、単色光であるレーザを照射するレーザ部15と、LCDであるアレイ基板(ガラス基板)1を支持するための支持台16と、加圧ヘッド30と、シリンダ20と、レーザ部15と、バックアップガラス55と、接合装置100全体を制御する制御部70と、対象物を真空吸着するための真空吸着部75と、不活性ガスを供給することが可能な不活性ガス供給部80とを備える。そして、上下に摺動する加圧ヘッド30とアレイ基板1との間にTCP2が挿入される。
レーザ部15は、所定波長のレーザ光を照射する。
シリンダ20は、制御部70の指示に基づいて加圧ヘッド30を介してTCP2とアレイ基板1との接合において加圧するためのものであるが、制御部70の指示に基づいて加圧ヘッドの位置を調整して加圧ヘッドの状態位置を維持可能なように制御するものとする。
シリンダ20は、制御部70の指示に基づいて加圧ヘッド30を介してTCP2とアレイ基板1との接合において加圧するためのものであるが、制御部70の指示に基づいて加圧ヘッドの位置を調整して加圧ヘッドの状態位置を維持可能なように制御するものとする。
なお、加圧ヘッドとしては、平面精度の高い加工品であるいわゆるオプティカルフラットやオプティカルウィンドウを用いることが可能である。
真空吸着部75は、制御部70の指示に基づいて加圧ヘッドに設けられた吸引孔から対象物である本例においてはTCP2を真空チャックする。これにより、ACFとの接着の際の加圧により生じる可能性のあるアライメントずれを防止し、精度の高いアライメントが可能となる。また、真空チャックにより後述する金属電極同士の接合の際にTCP2の金属電極の位置を保持することが可能になる。
なお、図3においては、一例として加圧ヘッドを介して一つの吸引孔と真空吸着部75とが接続されている場合が示されているが、これに限られず複数の吸引孔を用いて真空チャックを行なうことも当然に可能である。
また、後述するが、不活性ガス供給部80は、窒素ガスあるいは二酸化炭素等の不活性ガスを制御部70の指示に基づいて加圧ヘッドに設けられた供給孔から対象物に対して吹きつける。
図4は、本発明の実施の形態に従うレーザ照射部15を説明する概略ブロック図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態に従うレーザ照射部15は、レーザ発信器200と、ビームエキスパンダ105と、ダイクロック110と、スリット115と、ビームサンプラー120,121と、レーザミラー125と、集光レンズ130,155と、レーザラインジェネレータ135と、アライメントレーザポインタ140と、パワーメータ145と、CCD150とを備える。
レーザ発振器200は、一例として波長λ=1064nm近傍のレーザ光を出射するYAGレーザ等の固体レーザを用いることができる。レーザ発振器200から出射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ105により所定幅の平行光線へと偏向される。そして、ダイクロック110を通過した後、スリット115によりスリット幅の光線に絞られる。スリット115通過後、サンプラー120により一部の光線が反射されてパワーメータ145に入射される。パワーメータ145は、入射された光線の受光強度を検出して、レーザ発振器200から所望の光強度のレーザ光が出射されているかどうかを判断し、図示しないがレーザ発振器200等を制御する制御部70を介してレーザ発振器200の出力を調整する。スリット115を通過したレーザ光は、レーザミラー125により反射されて集光レンズ130に入射される。集光レンズ130は、入射されたレーザ光を予め設計された焦点位置に集光する。
アライメントレーザポインタ140は、アライメント調整のためのレーザ光を発振するレーザ発振器であり、たとえば可視光である波長が選択される。たとえば、本例においては、690nmのレーザが用いられる。このアライメントレーザポインタ140から出射されたレーザ光は、レーザラインジェネレータ135により整形されてダイクロック110を介してレーザ発振器200から出射されたレーザ光と同様に対象物に照射される。このレーザ光は、アライメント調整すなわち位置合わせのためのレーザであり、このレーザ光を用いて位置決め制御が行なわれる。
また、一方、レーザ光を対象物に照射した場合の反射光は、集光レンズ130、レーザミラー125、サンプラー120、ダイクロック110と反射されて、サンプラー121においてさらに反射されて、集光レンズ155によりCCDに集光される。すなわち、CCCDは、反射光によりレーザ光を照射している対象物を画像処理によりモニタすることが可能となる。
なお、上記のレーザ照射部15においては、レーザの反射用素子としてレーザミラー125を用いた場合を説明したが、これに限られず、たとえば、レーザミラー125の代わりにレーザの反射角度の微調整が可能ないわゆるガルバノミラーあるいはポリゴンミラー等を用いることも当然に可能である。
図5は、本発明の実施の形態に従うレーザ照射部15#を説明する概略ブロック図である。
図5を参照して、ここでは、ガルバノミラーを用いたレーザ照射部15#が示されている。具体的には、レーザ照射部15#は、レーザ発振器100と、ガルバノミラー91,92と、ガルバノミラー91,92を矢印方向へ旋回させるガルバノメータスキャナ93,94と、ガルバノミラー91から到来するレーザ光を収束して、対象物に所定のスポット径をもって照射するfθレンズとを含む。ガルバノミラー91は、ガルバノメータスキャナ93の旋回に応答してガルバノミラー92から到来するレーザ光をX方向へ指向させる。ガルバノミラー92は、ガルバノメータスキャナ94の旋回に応答してレーザ発振器100から到来するレーザ光をY方向へ指向させる。なお、ここでは、図4で説明したアライメントレーザポインタ140、パワーメータ145、CCD150の構成については、図示していないが、図4と同様にレーザ光の光路にダイクロックあるいはサンプラーを配置することにより同様の構成とすることも当然に可能である。
図6は、本発明の実施の形態に従う接合装置によるアレイ基板(ガラス基板)とTCPの接合を説明する図である。
図6に示されるように、レーザ発振器100からの照射により、レーザミラー125により反射されてバックアップガラス55を介してアレイ基板(ガラス基板)1を透過し、直接レーザがピンポイントで照射されることになる。このレーザ照射部15は、いわゆるレーザマーカであり、レーザ照射としては、試料載置テーブルである支持台16上に位置決めされた所定の位置に任意の軌跡を描いてレーザ光を照射することが可能である。
一般的に、通常のレーザマーカはCADデータを用いて所定の位置に照射することができる。そのため、たとえばLCDのCADデータをそのまま用いて照射箇所の位置決め制御を行なうことができる。レーザ光の照射軌跡としては、十分に対象物を加熱するようにエネルギーを局部的に集中できるものが望ましい。なお、レーザ光の照射光量および/または照射軌跡を適宜に制御することにより対象物へエネルギー供給量を適切に調整することが可能であり、たとえば、いわゆるワブリング方式あるいは塗りつぶし方式を採用することも可能である。ワブリング方式による照射軌跡は照射スポットの中心を旋回させながら進めていくものである。一方、塗りつぶし方式とは多数の平行線により照射予定領域を埋め尽くすものである。当該技術については、一般的なものであるため本願明細書においてはその詳細な説明は省略する。
また、レーザ発振器100において、いわゆるQスイッチ210を用いることにより、Q値の非常に高いパルスビームを発振することが可能となる。すなわち、高エネルギー密度のレーザを照射することにより短時間での対象物を加熱することが可能となる。なお、本例においては、一例としてパルスビームを用いたレーザ照射を実行する場合について説明するがこれに限らずたとえば所定のエネルギー量を連続的に照射し続ける連続波ビーム(CWビーム)を照射することも当然に可能である。
なお、レーザ発振器としては、半導体レーザやYAGレーザあるいはYVO4等の結晶体を用いた固体レーザあるいはファイバーレーザを用いて所定のスポット径でかつ所定の操作軌跡で照射することも可能である。なお、波長の選択としては、ガラスのOH基(水酸基)の化学結合の吸収バンドばらつきに対応して選択する必要がある。たとえば、波長が2.7μm付近の透過率は、殆ど0に落ち込むことが解っている。また、一般的に4μm程度以上〜10μm程度の電磁波の透過率は著しく悪くかえってガラスに対して損傷を与えてしまう。したがって、材質等に基づく吸収バンド等を考慮して適切な波長の選択をすることが可能である。
以下においては、本発明の実施の形態に従うTCP2のバンプ(金属電極)と、LCDのアレイ配線(金属電極)との接合方式について説明する。
まず1つめの方式としては、レーザ照射により金属電極の一部を溶融して接合する方式(溶融拡散方式)について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に従うTCP2のバンプ(金属電極)と、LCDのアレイ配線(金属電極)との接合方式を説明する図である。なお、ここでは、TCP2のバンプとLCDのアレイ配線について1組の接合について以下において説明するが、図6に示されるようにTCP2とLCD1には、それぞれバンプおよびアレイ配線が複数組設けられており、対応するバンプとアレイ配線とが互いに近接又は接触した状態で接合されるようにパターン位置が形成されているものとする。また、各組において、対応するバンプおよびアレイ配線のパターン位置が略一致した状態でレーザ照射が実行されるものとする。
図7(a)を参照して、上側に凸型のTCP2のバンプ(金属電極)、下側に凸型のアレイ配線(金属電極)が示されている。なお、ここでは、バンプあるいはアレイ配線を形成する金属として金(Au)あるいはアルミニウム(Al)等が用いられるものとする。金(Al)と、アルミニウム(Al)の融点は、約900度、約660度であり金(Au)の方がアルミニウム(Al)よりも融点が高い。まず1つめの方式としては、レーザ照射により金属電極の一部を溶融して接合する方式(溶融拡散方式)について説明する。
ここでは、TCP2のバンプとLCD1のアレイ配線とが近接あるいは接触した状態で保持される。なお、ここでは、TCP2のバンプを形成する金属の方がLCD1のアレイ配線を形成する金属よりも融点が高いものとする。たとえば、上記に示したようにバンプが金(Au)で形成され、アレイ配線がアルミニウム(Al)で形成されているような場合について説明する。
そして、図6で示したようにバックアップガラス55を介してアレイ基板(ガラス基板)1を透過し、レーザ光をアレイ配線に照射する。その際、アレイ配線(金属電極)が溶融温度を越えるまでレーザ光を照射する。そうすると、レーザ光からのエネルギーによりアレイ配線の金属電極は加熱されてアレイ配線の金属電極の表面付近が溶融し、金属電極同士が近接状態である場合においても表面張力等の影響により上側の金属電極と接触状態となる。そして、接触状態となった場合、互いの金属電極において、各々の金属電極を構成する金属原子が接触状態となった金属電極に移動するいわゆる原子拡散現象が起きる。
この原子拡散現象が生じれば互いの金属原子が混ざり合い合金が形成され、図7(b)に示されるようにTCP2のバンプとLCDのアレイ配線とが接合される。なお、この方式においては、TCP2のバンプ位置とLCDのアレイ配線との位置は保持された状態で金属電極同士の接合が行われる。仮に、シリンダにより押圧した場合には、溶融しているアレイ配線(金属電極)の形状が物理的に著しく変化する可能性があるからである。これにより隣接するアレイ配線と接触してショートするあるいは電気的経路の断線となる可能性もあるため本方式においては、過剰な押圧を印加せずにアレイ配線と近接したTCP2のバンプ位置を保持することによりアレイ配線の形状を著しく変形させないようにしている。なお、接合後は、レーザ照射を停止してTCP2のバンプ位置の保持を解除する。また、過剰な押圧にならない場合には、上記TCP2のバンプ位置の保持を実行することなく、自重が上記金属電極間に掛かるようにすることも可能である。
なお、バンプ(金属電極)の表面のみを溶融させ、加圧させることなく、あるいはTCPの自重のみ、あるいは保持することなく補助的な圧力のみを加えて、アレイ配線とバンプとが近接または接触した状態においてレーザ光を照射して過熱すれば、金属原子の拡散現象によって互いに結びつき合い、セルフアライメントによって最適に位置決めされて対応する電極同士が接合され、さらに過度の圧力も加えないことから隣接する電極同士のショートも回避することが可能となる。さらに、アレイ基板(ガラス基板)1あるいはTCP2へのストレスを回避することができるため押圧による基板等の破損についても回避することが可能となる。
また、アレイ配線が溶融することにより表面張力等の影響により上側の金属電極と接触状態となるため複数のアレイ配線および複数のバンプが配列されて接合される場合、アレイ配線間あるいはバンプ間のギャップのばらつきが吸収されて接合させることも可能である。また、過剰な押圧が印加されないため上述したように他の金属電極とショートすることなく複数の金属電極の接合が可能である。なお、複数のアレイ配線および複数のバンプが配列されている場合、アレイ配線間あるいはバンプ間のばらつきを考慮して、その間隔のばらつき程度の距離を押し込む程度の加圧を行なうことも可能である。
なお、アレイ基板(ガラス基板)1を透過するレーザ光は、アレイ基板においてわずかに吸収されるが、熱変形は生じさせない程度透過するものである。一方、アレイ配線は、透過したレーザ光の照射を受けて吸収し、バンプとアレイ配線とが接合される程度に温度が上昇するようになる。なお、接合されるアレイ配線は、アレイ基板1とTCP2との間で挟まれるので、レーザ光を透過させるアレイ基板越しに照射することで効果的に接合される部分にレーザを照射することができる。また、TCP2のバンプ側は、アレイ配線側からエネルギーの供給を受けて接合されるすなわち直接レーザ光により溶融されないので厚みのある金属電極とすることも可能である。さらに、本方式においては、アレイ基板側からの透過したレーザ光がアレイ配線に照射されて、アレイ配線が溶融されバンプと接合する構成であり、例えばTCP2についてはレーザ光を透過させない遮光性の材質で形成することも可能である。
また、加熱する温度としては、アレイ配線(金属電極)が溶融温度以上ではあるが、バンプ(金属電極)の溶融温度までには達しないようにレーザ光の照射を制御する必要がある。たとえば、上述したようにアレイ配線がアルミニウム(Al)でバンプが金(Au)である場合、もし仮に金(Au)の溶融温度まで加熱するとすればアルミニウム(Al)で形成されたアレイ配線(金属電極)の形状の変化が著しく、上記したようにたとえば隣接するアレイ配線と接触してショートする可能性もあるためアレイ配線(金属電極)の凸型の形状を維持できる範囲内でレーザ光を照射して加熱することが可能である。
この点で、金属電極の温度を制御するために図3において説明したように不活性ガス供給部80を用いて、たとえば金(Au)の溶融温度まで上がりすぎないようにアルミニウム(Al)で形成された金属電極を冷却するために、一方の金属電極の溶融温度よりも低い不活性ガスを供給孔から接合部分等に吹き付けることにより温度制御を実行することが可能である。以下の方式においても同様である。
上記においては、アレイ配線にレーザ光を照射してバンプと接合される方式について説明したが、アレイ配線は配線電極であるため単純にレーザ光の照射を行い、温度を上昇し続ければ蒸発して消失し、電気的経路の断線となったり、金属電極が熔けて広がることによりショートする恐れがあるが、
一方で、金属電極には、その表面付近に酸化膜が成膜されるため、その酸化膜が金属電極同士の導通を阻害する要因となることが知られている。
一方で、金属電極には、その表面付近に酸化膜が成膜されるため、その酸化膜が金属電極同士の導通を阻害する要因となることが知られている。
図8は、TCP2のバンプおよびLCDのアレイ配線の表面に酸化膜が成膜している場合の接合について説明する図である。
図8を参照して、ここでは、上部のTCP2のバンプ2および対向するLCDのアレイ配線の表面に酸化膜が成膜している場合が示されている。通常、金属電極の表面に形成される酸化膜を除去するためには、削り取る方式あるいは化学反応により除去する方式が用いられるが、本願方式の如く、アレイ配線が溶融温度以上となるまで加熱されるためアレイ配線の表面に成膜している酸化膜は、アレイ配線に内部に溶け込んでいく逆拡散現象が生じることになる。
したがって、酸化膜を除去する特別な方式を用いることなく、簡易かつ高速に金属電極の原子拡散現象により互いに溶着して上述した図7(b)に示される如くバンプとアレイ配線とが結合する。
上記においては、TCP2のバンプを形成する金属と、LCD1のアレイ配線を形成する金属の材質が異なり、バンプを形成する金属の溶融温度がLCDのアレイ配線を形成する金属の溶融温度よりも高い場合について説明した。
一方、TCP2のバンプを形成する金属と、LCD1のアレイ配線を形成する金属の材質が同じ場合、すなわち、バンプを形成する金属の溶融温度とLCDのアレイ配線を形成する金属の溶融温度が同じ場合についても上記と同様の方式を採用することが可能であるが、同じ材質の場合、一方の金属電極のみならず両方の金属電極にレーザを照射することも可能である。
図9は、TCP2のバンプおよびLCD1のアレイ配線がともに同じ金属で形成されている場合に両者を接合する方式について説明する図である。
図9に示されるように、例えば、レーザ照射の収束点の位置をバンプ側となるように設定する。図7においては、LCD1のアレイ配線を加熱するようにレーザ照射の収束点の位置が設定されていたが、本例においては、アレイ配線越しTCP2のバンプにレーザが照射されるようにレーザ照射の収束点の位置をバンプ側に設定して、TCP2のバンプおよびLCD1のアレイ配線に対してレーザ光を照射する。具体的には、LCD1のアレイ配線越しにTCP2のバンプに対して溶融温度を越えるまでレーザ光が照射される。
そうすると、レーザ光からのエネルギーによりアレイ配線およびバンプの金属電極は加熱されてアレイ配線およびバンプの金属電極の表面付近が溶融し、接触状態となる。そして、接触状態となった場合、互いの金属電極において、各々の金属電極を構成する金属原子が接触状態となった金属電極に移動するいわゆる原子拡散現象が起きる。この原子拡散現象が生じれば互いの金属原子が混ざり合い合金が形成され接合される。
上記においては、レーザ照射により金属電極の一部を溶融して接合する方式(溶融拡散方式)について説明したが、次に、金属電極の一部を溶融せずに接合する方式(固相拡散方式)について説明する。
図10は、本発明の実施の形態に従うTCP2のバンプ(金属電極)と、LCDのアレイ配線(金属電極)との別の接合方式を説明する図である。
図10(a)を参照して、上側に凸型のTCP2のバンプ(金属電極)、下側に凸型のアレイ配線(金属電極)が示されており、上述したように互いに酸化膜を介して接触した状態であるものとする。したがって、TCP2のバンプとアレイ配線とは酸化膜により導通状態ではないものとする。
本例の方式としては、アレイ配線(金属電極)を照射するとともに、TCP2のバンプを押圧する。
まず、図6で示したようにバックアップガラス55を介してレーザ光をアレイ配線に照射する。その際、アレイ配線(金属電極)が溶融温度を越えない溶融温度付近までレーザ光を照射する。そうすると、レーザ光からのエネルギーによりアレイ配線(金属電極)は加熱されるが、溶融温度まで達しないようにレーザ光が照射されるためアレイ配線の金属電極は溶融しない。一方、上述したように金属電極の表面に付着した酸化膜の一部はアレイ配線が溶融温度付近まで加熱されるに従い、アレイ配線(金属電極)内部に溶け込む逆拡散現象が生じる。また、TCP2のバンプが押圧されるためアレイ配線およびバンプの表面に付着した酸化膜の膜厚が薄くなり結果的にバンプとアレイ配線の少なくとも一部の金属同士が直接接触することになる。そうすると、アレイ配線(金属電極)内部のエネルギーの増大した金属原子は、金属同士が直接接触した部分を介してバンプ(金属電極)の金属原子と原子拡散現象を引き起こす。これにより、図10(b)に示されるように上述したように互いの金属原子が混ざり合い合金が形成されて、バンプとアレイ配線とが接合されることになる。なお、固相拡散方式の場合には、金属電極は溶融して接合される方式ではないためたとえば上述したように隣接するアレイ配線と接触してショートするあるいは電気的経路の断線となる可能性がないため金属電極同士を安全に接合することが可能となる。また、アレイ配線の材質と加熱温度との関係によっては、上記の酸化膜について逆拡散現象が生じない場合も考えられるが、この場合には、TCP2のバンプを押圧することによりアレイ配線(金属電極)の表面に付着した酸化膜を機械的に破って金属を露出ささて、上述したように金属同士が直接接触した部分を介して上述した金属原子の原子拡散現象を引き起こすようにすることも可能である。
上述したように、本発明に従う接合方式は、金属電極を所定波長のレーザでレーザ照射することにより原子拡散現象により互いの金属電極の金属原子をピンポイントで反応させて金属電極同士を接合する。したがって、ACF等の薄膜材料を用いて金属電極を接合する必要は無く、金属電極同士の接合時間を短縮することができ、高速かつ高精細な実装が可能となる。
本発明の実施の形態においては、必要な時に必要なだけの効率的なレーザ照射により金属電極同士を接合させる方式であるため、実効的な消費電力の面においても十分な効果を期待することができる。
また、レーザ照射を用いることにおいて実装エネルギ−を極めて局所的に与えることができ、単色光線という特徴を使ってへのエネルギ−集中効率と位置精度のよい、精密実装が可能となる。
また、従来の方式においては実装時の吸熱によってTCPやドライバICやアレイ基板(ガラス基板)等が膨張するため予め縮小補正を入れて部品を設計する必要があるが、本発明の実施の形態に従う方式においては、極めて短時間の処理であるため理想的には縮小補正が不要となり、極めて高精度なアライメントを実現することが可能となる。
なお、上記においては、アレイ基板(ガラス基板)とTCPとの実装を実行する接合装置について主に説明したがこれに限られず、他の実装たとえばアレイ基板上にICシリコンチップ(以下、シリコンチップ)を接合するCOG(Chip On Glass)の実装技術やTAB/COF等の部品製造技術においても同様に適用可能である。
なお、上記においては、たとえばTCPのバンプとLCDのアレイ配線の金属電極同士をレーザ照射により接合して導通させる場合について主に説明したが、導通させる目的に限らずTCPとLCDとの接着あるいは接合強度を補強する目的でダミーのバンプおよびダミーのアレイ配線を設けて金属電極同士をレーザ照射により接合することによりTCPとLCDとの接着あるいは接合強度を補強することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 LCD、2 TCP、3 プリント回路基板、4 インターフェイス部、5 ドライバIC、6 FPC、15 レーザ照射部、16 支持台、20 シリンダ、30 加圧ヘッド、55 バックアップガラス、70 制御部、75 真空吸着部、80 不活性ガス供給部、100 接合装置。
Claims (12)
- 電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、前記第1の金属電極よりも融点の高い第2の金属電極とを接合する接合方法であって、
前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とは近接または接触した状態で、前記第1の金属電極に対してレーザを照射し、
前記第1の部材を有する前記第1の金属電極と前記第2の部材の有する前記第2の金属電極とは近接または接触した状態で保持され、
前記レーザは、前記第1の金属電極の温度が融点以上に達するまで照射されて前記第1の金属電極を溶融して前記第2の金属電極に接し、金属電極相互の原子拡散現象により接合する、接合方法。 - 電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、前記第1の金属電極と同一の金属である第2の金属電極とを接合する接合方法であって、
前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とは近接または接触した状態で、前記第1および第2の金属電極の近接領域に対してレーザを照射し、
前記第1の部材を有する前記第1の金属電極と前記第2の部材の有する前記第2の金属電極とは近接または接触した状態で保持され、
前記レーザは、前記第1および第2の金属電極の温度が融点以上に達するまで照射されて、前記第1および第2の金属電極を溶融して互いに接し、金属電極相互の原子拡散現象により接合する、接合方法。 - 前記第1の金属電極と前記第2の金属電極との接合後、前記レーザの照射を停止し、
前記第1の部材の保持を解除する、請求項1または2記載の接合方法。 - 前記第1の金属電極は、前記第1の部材の表面にそれぞれ形成される配線電極であり、
前記第1の部材は、前記レーザを透過し、前記第1の金属電極は、前記レーザを吸収し、
前記レーザは、前記第1の部材を透過して、前記第1の金属電極に照射され、
前記第1および第2の金属電極の組は、前記第1および第2の部材において複数組設けられ、
前記第1および第2の部材において、各前記組の対応する第1および第2の金属電極は、互いに近接又は接触した状態で接合されるようにパターン位置が形成され、
前記複数組の各々において、前記対応する第1および第2の金属電極のパターン位置が略一致した状態で前記レーザが照射される、請求項1または2記載の接合方法。 - 電気的な経路を形成するために被接合体として第1の部材の有する第1の金属電極と、第2の部材の有する、前記第1の金属電極の融点と同じもしくは融点の高い第2の金属電極とを接合する接合方法であって、
前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とは接触した状態で、前記第1の金属電極に対してレーザを照射し、
加圧手段により前記第1の部材の第1の金属電極および前記第2の部材の第2の金属電極に加圧して密着させ、
レーザ照射により前記第1の金属電極の温度が融点に近づくまで前記第1の金属電極の金属原子を加熱して、前記第2の金属電極との金属電極相互の原子拡散現象により接合する、接合方法。 - 前記第1の金属電極の表面には、表面被膜として酸化膜が形成されており、
前記レーザ照射によって、前記第1の金属電極は融点に近づく温度であり、かつ、少なくとも一部の前記酸化膜は前記レーザ照射されている時間内に前記第1の金属電極内部まで拡散される温度となるように制御され、この結果、前記第1の金属電極の金属原子と、前記第2の金属電極の金属原子との原子拡散現象により接合する、請求項5記載の接合方法。 - 前記第1の金属電極は、前記第1の部材の表面にそれぞれ形成される配線電極であり、
前記第1の部材は、前記レーザを透過し、前記第1の金属電極は、前記レーザを吸収し、
前記レーザは、前記第1の部材を透過して、前記第1の金属電極に照射され、
前記第1および第2の金属電極の組は、前記第1および第2の部材において複数組設けられ、
前記第1および第2の部材において、各前記組の対応する第1および第2の金属電極は、互いに近接又は接触した状態で接合されるようにパターン位置が形成され、
前記複数組の各々において、前記対応する第1および第2の金属電極のパターン位置が略一致した状態で前記レーザが照射される、請求項5記載の接合方法。 - 前記レーザが照射された前記第1の金属電極もしくは前記第2の金属電極のいずれか一方よりも低い温度での不活性ガスを流入させて前記少なくとも一方の金属電極を冷却することにより温度制御を実行する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接合方法。
- 前記第1の部材は、ガラス基板に相当し、
前記第2の部材は、集積回路あるいはICパッケージ製品に相当する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接合方法。 - 前記第2の金属電極の融点は、前記第1の金属電極の融点よりも高く、ガラス基板上に前記集積回路あるいはICパッケージ製品が互いの金属電極同士の位置を合わせて置かれ、レーザ照射時には保持されない、請求項9記載の接合方法。
- 前記ガラス基板越しに前記レーザ照射を実行する、請求項9記載の接合方法。
- 前記レーザを前記第1の金属電極越しに前記第2の金属電極に収束して、前記第2の金属電極を溶融する、請求項1または2記載の接合方法。
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