JP2007048655A - 架橋性電解質膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜が得られる架橋性電解質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 スルホン酸基とケイ素−酸素結合からなる架橋構造とを有する架橋性電解質膜を製造する方法であって、メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)に対して、オゾンを接触させることにより、前記メルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸基とし、スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程、前記スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程、及び、前記膜状体を加熱することにより硬化させる工程を有する架橋性電解質膜の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 スルホン酸基とケイ素−酸素結合からなる架橋構造とを有する架橋性電解質膜を製造する方法であって、メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)に対して、オゾンを接触させることにより、前記メルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸基とし、スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程、前記スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程、及び、前記膜状体を加熱することにより硬化させる工程を有する架橋性電解質膜の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜が得られる架橋性電解質膜の製造方法に関する。
燃料電池は、発電効率が高くかつ環境特性に優れているため、近年、社会的に大きな課題となっている環境問題やエネルギー問題の解決に貢献できる次世代の発電装置として注目されている。燃料電池は、一般に電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、なかでも固体高分子形燃料電池(以下、PEFCともいう)は、他のタイプの燃料電池と比較して小型かつ高出力であり、例えば、車輌のパワーソース等の移動体用や、携帯用等の小規模オンサイト型の電源として次世代の主力とされており、実用化に向けた開発が盛んに行われている。
PEFCでは、通常、燃料として水素を用いる。水素は、アノード側に設置された触媒によりプロトン(水素イオン)と電子に分解される。分解により得られた電子は、外部に供給され電気として使用された後、カソード側へと循環される。一方、分解により得られたプロトンはプロトン伝導性膜(電解質膜)を通じてカソード側へと移動する。カソード側では、プロトン、循環されてきた電子、及び、外部から供給される酸素が触媒により反応して結合し水が生じる。即ち、PEFCは、水素と酸素とから水を作る際に電気を取り出すという、非常にクリーンなエネルギー源である。
燃料電池の燃料としては、上述のように水素を用いるのが主流であるが、アルコール、エーテル、炭化水素類等の水素以外の燃料を用い、触媒によりこれらの燃料からプロトンと電子とを取り出す燃料電池も検討されている。このような燃料電池としては、例えば、メタノール(通常、水溶液として用いる)を燃料とする直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCともいう)が挙げられる。
燃料電池の燃料としては、上述のように水素を用いるのが主流であるが、アルコール、エーテル、炭化水素類等の水素以外の燃料を用い、触媒によりこれらの燃料からプロトンと電子とを取り出す燃料電池も検討されている。このような燃料電池としては、例えば、メタノール(通常、水溶液として用いる)を燃料とする直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCともいう)が挙げられる。
PEFCやDMFC等の燃料電池において、プロトン伝導性膜は、アノード側で生じたプロトンをカソード側へ伝導する役目を持つ。このプロトンの伝導は、電子の流れと協奏的に起こるものである。従って、燃料電池において高い出力、即ち高い電流密度を得るためには、プロトン伝導性膜を介したプロトンの伝導を充分かつ高速に行う必要がある。このように、プロトン伝導性膜は、燃料電池の性能を決めてしまうキーマテリアルといっても過言ではない。
また、プロトン伝導性膜は、その他にもアノード側とカソード側との電気絶縁をする絶縁膜としての役割や、アノード側に供給される水素等の燃料がカソード側に漏れないようにする燃料バリア膜としての役割も併せ持つ。
また、プロトン伝導性膜は、その他にもアノード側とカソード側との電気絶縁をする絶縁膜としての役割や、アノード側に供給される水素等の燃料がカソード側に漏れないようにする燃料バリア膜としての役割も併せ持つ。
現在、PEFC等において用いられるプロトン伝導性膜としては、パーフルオロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基を有するスルホン化フッ素系樹脂膜が主流である。このようなプロトン伝導性膜は、非極性・撥水性の主鎖部分と、スルホン酸基を有し極性・親水性である側鎖部分とが相分離して、主鎖部分からなる海部にスルホン酸基が高濃度に集積した島部が分散する構造を示す。このスルホン酸基が高濃度に集積した島部がプロトン伝導経路として機能しているものと考えられている(非特許文献1参照)。このようなスルホン化フッ素系樹脂膜のうち市販されているものとしては、例えば、ナフィオン(Nafion(登録商標)膜(デュポン:DuPont社、特許文献1参照。))、ダウ(Dow膜(ダウケミカル:Dow Chemical社、特許文献2参照。))、アシプレックス(Aciplex(登録商標)膜(旭化成工業社、特許文献3参照。))、フレミオン(Flemion(登録商標)膜(旭硝子社))等が挙げられる。
しかし、これらのスルホン化フッ素樹脂膜は、メタノールとの親和性が極めて高いことから、PMFCに用いた場合、メタノールを吸収することにより大きく膨潤し、燃料バリアとしての機能が大幅に低下するという問題があった。また、メタノールを吸収して膨潤することにより、アノード側から供給されたメタノールがプロトンイオンに分解されずそのままカソード側へ達する、いわゆるメタノールクロスオーバーが発生し、燃料電池の出力が大きく低下したり、故障したりしてしまうという深刻な問題もあった。
また、DMFCでは、高出力化を目的として、燃料であるメタノールとして高濃度のものを用いることや、プロトン伝導性膜の厚みを薄くして膜抵抗を低下させることが一般に行われているが、メタノール濃度を高くすると、それに伴って膨潤性も向上し、膜厚を薄くすると、膨潤によって膜強度が低下することがあるため、高出力化が困難であった。
これに対して、特許文献4には、陽イオン交換基を有するポリマーにシリケートナノ粒子を分散させることにより、ポリマーの凝集力を高めた燃料電池用ナノ複合電解質膜が開示されており、特許文献5には、放射線架橋した酸基を含むフッ素材料に、主伝導材料となるスルホン化樹脂材料を充填した高分子電解質膜が開示されている。しかしながら、プロトン伝導性とメタノールクロスオーバー防止性とは相反するものであるため、プロトン伝導性を高めることを目的として、スルホン酸基等を含有する樹脂の組成を多くすると、プロトン伝導性は向上するものの、メタノールクロスオーバーの発生がより深刻なものとなっていた。
また、特許文献6には、スルホン酸基等のイオン性基を有する芳香族高分子と非架橋高分子との混合物からなる高分子固体電解質が開示されており、特許文献7には、剛直性多価芳香環及び屈曲性多価芳香環の全部又は一部にスルホン酸基等のアニオン性基を導入した高分子からなる高分子電解質が開示されている。これらの高分子電解質では、剛直な芳香族高分子を用いることによって、メタノールによる膨潤が起こりにくくなり、メタノールクロスオーバーの発生を若干低減できるが、一般に市販されているフッ素系樹脂を用いたものと同程度のプロトン伝導性を持たせた場合には、メタノールクロスオーバー防止効果に大きな向上は見られなかった。
更に、特許文献8には、メルカプト基含有アルコキシシランと、硼素酸化物と、他のアルコキシシリル化合物とを組み合わせた架橋体を形成し、その後メルカプト基を酸化することによりプロトン伝導性膜を製造する方法が開示されている。しかしながら、このような方法によって得られたプロトン伝導性膜は、塩酸水溶液等の触媒溶液を用いて架橋させているため、緻密な構造が形成されにくく、メタノールクロスオーバーの発生も効果的に防止することができなかった。
従って、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な高分子電解質膜及び高分子電解質膜の製造方法が求められていた。
米国特許4330654号公報
特開平4−366137号公報
特開平6−342665号公報
特開2004−193136号公報
特開2004−273298号公報
特開2004−363013号公報
特開2004−335237号公報
特開2002−184427号公報
ジャーナルオブポリマーサイエンス ポリマーフィジクス(J.Polymer Science、Polymer Physics、第19巻、第1687頁、1981)
従って、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な高分子電解質膜及び高分子電解質膜の製造方法が求められていた。
本発明は、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜が得られる架橋性電解質膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、スルホン酸基とケイ素−酸素結合からなる架橋構造とを有する架橋性電解質膜を製造する方法であって、メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)に対して、オゾンを接触させることにより、前記メルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸基とし、前記スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程、スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程、及び、前記膜状体を加熱することにより硬化させる工程を有する架橋性電解質膜の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、メルカプト基と、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する化合物を製膜し、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を加水分解、縮合させた後、膜中のメルカプト基を酸化してスルホン酸基とすることにより、耐熱性や温度変化によるプロトン導電性の変動の少ない架橋性電解質膜が得られる架橋性電解質膜の製造方法を見出した。
しかしながら、このよう方法では、メルカプト基と、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する化合物を架橋させるための触媒として、酸又はアルカリ水溶液や液状触媒を用いていたので、それらが占めていた空間が、架橋が完了した後も空隙として残存し、メタノールクロスオーバー防止性の大幅な低下を招いていた。
しかしながら、このよう方法では、メルカプト基と、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する化合物を架橋させるための触媒として、酸又はアルカリ水溶液や液状触媒を用いていたので、それらが占めていた空間が、架橋が完了した後も空隙として残存し、メタノールクロスオーバー防止性の大幅な低下を招いていた。
本発明者らは、更に鋭意研究した結果、下記の結果を見出した。即ち、上記メルカプト基と、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する化合物にオゾンを接触させることにより、メルカプト基をスルホン酸に酸化し、スルホン酸基含有化合物を得た後、これを用いて膜状体を作製したところスルホン酸基含有化合物が有するスルホン酸基が触媒となって架橋反応を起こすため、触媒溶液等に起因する空隙が発生することなく、緻密な構造を有し、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
図1に、本発明の製造方法によって得られる架橋性電解質膜の一例を示す。ここに示す架橋性電解質膜は、表面にスルホン酸基を有するケイ素−酸素架橋構造体微粒子(以下、単に微粒子ともいう)の連続体からなるものである。なお、微粒子の連続体とは、上記微粒子同士が互いに接触部分をもつように連続して存在する構造を意味する。
図1は、架橋性電解質膜の構造を示す模式図である。図1に示すように、架橋性電解質膜には、ケイ素−酸素架橋構造体からなる微粒子1が膜中に多数存在し、これが密集して連続的に存在している。微粒子間の結合は、微粒子の表面に存在する未反応のケイ素−酸素架橋基が相互に反応したケイ素−酸素結合であることが好ましい。このように金属―酸素架橋基が相互に反応した微粒子間結合をもつことにより、膜の強度が更に向上する。
図1は、架橋性電解質膜の構造を示す模式図である。図1に示すように、架橋性電解質膜には、ケイ素−酸素架橋構造体からなる微粒子1が膜中に多数存在し、これが密集して連続的に存在している。微粒子間の結合は、微粒子の表面に存在する未反応のケイ素−酸素架橋基が相互に反応したケイ素−酸素結合であることが好ましい。このように金属―酸素架橋基が相互に反応した微粒子間結合をもつことにより、膜の強度が更に向上する。
このような架橋性電解質膜では、微粒子同士が幾何学的に完全に密な構造をとることは困難であることから、図1に示したように微粒子間に間隙2が生じる。この間隙2は、膜全体として見たときには、膜に形成された細孔2と見ることができる。この細孔2の壁面(即ち微粒子と微粒子の間隙の境界部)には、多数のスルホン酸基があることから、細孔2は酸基が集積したプロトン伝導経路としての役割を果たし、極めて高いプロトン伝導性を安定して発揮することが可能となる。更にこの細孔2は、安定なケイ素−酸素架橋構造体微粒子同士の結合により形成されているものであることから、メタノール溶液に含浸した状態でも形状を保持し、安定したプロトン伝導を行うことができる。
また、細孔2の大きさや容積は、プロトン伝導性やメタノールクロスオーバー防止性に大きく影響する。即ち、細孔の孔径が大きく、容積が大きい場合には、含水性が高くなるが、一方で、メタノール燃料バリア膜としての役割を果たせなくなり、メタノールクロスオーバーが発生してしまう。従って、細孔2は充分なプロトン伝導性を発現できる範囲において、より緻密な構造を有することが好ましい。
本発明では、まず、メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)に対して、オゾンを接触させることにより、前記メルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸基とし、スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程を行う。
上記化合物(A)に対して、オゾンを接触させる方法としては特に限定されず、例えば、細泡化したオゾンを直接導入する方法等が挙げられる。
また、上記オゾンを接触させる際のオゾンの発生方法としては特に限定されず、例えば、放電により酸素をオゾン化する方法等が挙げられる。
また、上記オゾンを接触させる際のオゾンの発生方法としては特に限定されず、例えば、放電により酸素をオゾン化する方法等が挙げられる。
上記メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)としては、下記一般式(1)に示す構造を有するものを用いることが好ましい。
上記化合物(A)は、オリゴマーとして用いてもよい。オリゴマーとすることで、上記化合物(A)を単独で用いる場合よりも架橋制御が容易となり、更に安定的に膜中にスルホン酸基を存在させることができる。オリゴマーとして用いる場合は、下記一般式(2)に示す構造を有するものが好ましい。
また、上記化合物(A)として、スルフィド基を有するものを用いる場合は、下記一般式(3)に示す構造を有するものを用いることが好ましい。
上記化合物(A)中の上記メルカプト基及び/又はスルフィド基の含有量としては特に限定されないが、含有量を多くした場合は、得られるスルホン酸基の量も多くなり、プロトン伝導性の高いものとすることができる。一方、含有量を多くし過ぎると、上記化合物(A)の架橋基が減少し、硬化後に得られる架橋構造体の緻密性が低下し、メタノールクロスオーバー防止性が低下することがある。従って、上記メルカプト基及び/又はスルフィド基の含有量は、必要となる架橋性電解質膜の諸性能を確認した上で決定する必要がある。
本発明では、上述の工程を行うことにより、上記メルカプト基及び/又はスルフィド基が酸化されるが、オゾンを接触させた後の酸化比率の好ましい下限は、メルカプト基及び/又はスルフィド基の存在比率にもよるが、処理前のメルカプト基及び/又はスルフィド基に対して5%程度以上であることが好ましい。5%未満であると、架橋反応が遅くなったり、不完全になったりすることがある。また、膜化後に酸化工程を行わない場合には、プロトン伝導性が低下するという問題もある。なお、上限については、特に限定されないが、酸化比率が高いと反応が早くプロセスの制御が難しくなることがある。ただし、後述のように、スルホン酸基含有化合物(Aox)と化合物(A)とを混合した場合は反応制御が可能となる。
本発明の架橋性電解質膜の製造方法では、上述の工程を行った後、スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程を行う。
本発明では、上記膜状体作製工程において、スルホン酸基含有化合物(Aox)に加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(B)を加えてもよい。
上記化合物(B)を混合して、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)と化合物(B)とを有するオリゴマーとすることで、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)を単独で用いる場合よりも架橋制御が容易となり、更に安定的に膜中にスルホン酸基を存在させることができる。また、架橋基を自由に制御できることにより、架橋反応条件の自由度が格段に向上する。更に、オリゴマーの組成や重合度を調整することにより、反応速度、極性等も調整可能となる。
また、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)と化合物(A)とを混合した場合も同様の効果を得ることができる。
上記化合物(B)を混合して、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)と化合物(B)とを有するオリゴマーとすることで、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)を単独で用いる場合よりも架橋制御が容易となり、更に安定的に膜中にスルホン酸基を存在させることができる。また、架橋基を自由に制御できることにより、架橋反応条件の自由度が格段に向上する。更に、オリゴマーの組成や重合度を調整することにより、反応速度、極性等も調整可能となる。
また、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)と化合物(A)とを混合した場合も同様の効果を得ることができる。
上記加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(B)は、下記一般式(4)に示す構造を有することが好ましい。
スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程では、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)を離型性のあるフィルム上に流延する等の方法により単独で膜状体を形成してもよいが、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する溶液を多孔質膜に含浸させることにより、膜状体を作製することが好ましい。上記多孔質膜を用いることで、薄く、均一な厚みを有する膜状体を得ることができる。
上記多孔質膜にスルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する溶液を含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、プレス等によるスタンピングやロール処理等の方法が挙げられる。更に必要応じて、減圧等を行ってもよい。
上記多孔質膜にスルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する溶液を含浸させた後は、必要に応じて養生を行うことが好ましい。このような養生を行うことにより、上記スルホン酸基含有化合物(Aox)が空気中の水分によって徐々にゲル化し、半硬化状態となるため、次工程を行うことが容易となる。
上記養生を行う際の条件としては特に限定されず、例えば、常温−常湿度下で養生してもよく、加湿条件下で行ってもよい。また、上記養生を行う時間は、スルホン酸基の含有量、その他の化合物配合にもよるが、1分から100時間程度が好ましい。
上記養生を行う際の条件としては特に限定されず、例えば、常温−常湿度下で養生してもよく、加湿条件下で行ってもよい。また、上記養生を行う時間は、スルホン酸基の含有量、その他の化合物配合にもよるが、1分から100時間程度が好ましい。
上記多孔質膜としては、特に限定されず、例えば、フッ素樹脂材料、高分子量ポリエチレン材料、超高分子量ポリエチレン材料、環状ポリエチレン材料、シリコーン樹脂材料などからなる多孔質膜や、ガラス繊維、全芳香族ポリエステルからなる不織布等が挙げられる。特に、空隙率が高く、多様な口径をもつ膜が市販されているPTFE多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜が好適に用いられる。
更に、コロナ処理やプラズマ処理などの親水化処理を行っても良い。
更に、コロナ処理やプラズマ処理などの親水化処理を行っても良い。
特に、上記多孔質膜を構成する材料として、ガラス転移温度が硬化温度以下の熱可塑性樹脂からなるものを用いた場合、硬化工程において、スルホン酸基含有化合物(Aox)は、脱水、脱アルコール反応等によって収縮するが、硬化工程において、スルホン酸基含有化合物(Aox)の収縮に追従して多孔質膜も収縮するため、スルホン酸基含有化合物(Aox)との間に大きな空隙が生じることがない。
上記多孔質膜の厚みの好ましい下限は20μm、好ましい上限は100μmである。20μm未満であると、多孔質膜を用いることによる補強効果が低下することがあり、100μmを超えると、燃料電池に用いた場合にプロトン伝導性に対する膜抵抗が大きくなるため、発電性能が低下することがある。
本発明の架橋性電解質膜の製造方法では、次いで、上記膜状体を加熱することにより硬化させる工程を行う。この工程では、加熱を行うことにより、膜状体中の加水分解性シリル基の加水分解、縮合及び/又はシラノール基を縮合させ、スルホン酸基とケイ素−酸素結合からなる架橋構造とを有する架橋性電解質膜を形成する。
上記加熱を行う方法としては特に限定されず、例えば、フッ素樹脂製シートやガラス板等を用いて膜状体を挟み、加熱、加湿する方法等が挙げられる。
また、上記膜状体を加熱する際の温度は、140℃以下であることが好ましい。温度が高いほど、架橋反応が促進されるが、140℃を超えると、スルホン酸基が二酸化硫黄に分解されることがある。
また、上記膜状体を加熱する際の温度は、140℃以下であることが好ましい。温度が高いほど、架橋反応が促進されるが、140℃を超えると、スルホン酸基が二酸化硫黄に分解されることがある。
本発明の架橋性電解質膜の製造方法では、上記硬化工程を行った後、更に、過酢酸等の酸化剤に浸漬することにより、メルカプト基及び/又はスルフィド基を酸化する工程を行ってもよい。特に、スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程において、部分的に酸化を行った場合や、膜状体作製工程において、化合物(A)を混合した場合は、酸化されていないメルカプト基及び/又はスルフィド基が多く残存していることから、このような工程を行うことが好ましい。
本発明の架橋性電解質膜の製造方法を用いることにより、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜を得ることができる。また、このようにして得られた架橋性電解質膜をダイレクトメタノール方式の燃料電池に用いた場合、安定した性能を有する燃料電池を得ることができる。このような燃料電池は、エネルギー効率に優れ、高い出力密度を得ることができる。その結果、メタノール溶液の貯蔵タンクを小さくすることが可能となり、クリーンで高出力、連続運転性に優れたモバイル家電製品用電源として好適に用いることができる。
本発明の架橋性電解質膜の製造方法によれば、メルカプト基及び/又はスルフィド基と、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物にオゾンを接触させることによりメルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸に酸化し、スルホン酸基含有化合物が得られる。これを用いて膜状体を作製したところスルホン酸基含有化合物が有するスルホン酸基が触媒となって架橋反応を起こすため、触媒溶液等に起因する空隙が発生することなく、緻密な構造を有し、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜を得ることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン17.7g、テトラエトキシシラン168.7g及びメタノール28.5gをフラスコに計量し、0℃で10分攪拌した。そこに、0.1N塩酸14.6gとメタノール19.5gとを混合した溶液を添加し、0℃で1時間攪拌し、40℃に昇温後、更に2時間攪拌した。次いで、フッ化カリウム0.190gとメタノール28.5gとを混合した溶液を添加し、40℃で1時間攪拌し、80℃に昇温後、更に2時間攪拌した。混合溶液を0℃に冷却し、その後、40℃、真空にてアルコールを分留した。得られた溶液を0℃に冷却し、ジエチルエーテル200mLを加えて、0℃で10分攪拌した後、メンブレンフィルター(MILLIPORE社製、オムニポアメンブレン孔径0.2μm)を用いて濾過した。得られた濾液から40℃真空にてジエチルエーテルを分留し、メルカプト基含有シランオリゴマーAを得た。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン17.7g、テトラエトキシシラン168.7g及びメタノール28.5gをフラスコに計量し、0℃で10分攪拌した。そこに、0.1N塩酸14.6gとメタノール19.5gとを混合した溶液を添加し、0℃で1時間攪拌し、40℃に昇温後、更に2時間攪拌した。次いで、フッ化カリウム0.190gとメタノール28.5gとを混合した溶液を添加し、40℃で1時間攪拌し、80℃に昇温後、更に2時間攪拌した。混合溶液を0℃に冷却し、その後、40℃、真空にてアルコールを分留した。得られた溶液を0℃に冷却し、ジエチルエーテル200mLを加えて、0℃で10分攪拌した後、メンブレンフィルター(MILLIPORE社製、オムニポアメンブレン孔径0.2μm)を用いて濾過した。得られた濾液から40℃真空にてジエチルエーテルを分留し、メルカプト基含有シランオリゴマーAを得た。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン40.7g、テトラエトキシシラン144.2g及びメタノール26.5gをフラスコに計量し、0℃で10分攪拌した。そこに、0.1N塩酸15.6gとメタノール20.8gとを混合した溶液を添加し、0℃で1時間攪拌し、40℃に昇温後、更に2時間攪拌した。次いで、フッ化カリウム0.195gとメタノール29.7gとを混合した溶液を添加し、40℃で1時間攪拌し、80℃に昇温後、更に2時間攪拌した。混合溶液を0℃に冷却し、その後、40℃、真空にてアルコールを分留した。得られた溶液を0℃に冷却し、ジエチルエーテル200mLを加えて、0℃で10分攪拌した後、メンブレンフィルター(MILLIPORE社製、オムニポアメンブレン孔径0.2μm)を用いて濾過した。得られた濾液から40℃真空にてジエチルエーテルを分留し、メルカプト基含有シランオリゴマーBを得た。
メルカプト基含有シランオリゴマーB100gをフラスコに計量し、ガス吹込管からオゾンを導入しつつ常温で3時間攪拌し、部分スルホン酸化メルカプト基含有シランオリゴマーCを得た。オゾンは市販のオゾン発生装置(エコデザイン社製、ED−OGM−1)を用いて発生した。
シランオリゴマーA3.07gと、シランオリゴマーB1.0gを混合した液に、シランオリゴマーC1.0gを攪拌しながら滴下した。30秒程度攪拌した後、フッ素樹脂フィルム上でこの溶液を展開した。この溶液上に15cm角に切ったポリエチレン多孔質材料(帝人ソルフィル社製、7P03A)を被せて溶液を含浸させ、また、溶液が気泡等の影響で充分含浸されなかった部分では、ポリエチレン製のへらを用いて、溶液を多孔質材料中にムラがないように含浸させた。その後、フッ素樹脂フィルムを被せ、その上からアプリケーターで膜厚が50μmになるようレベリングした。フッ素樹脂フィルムを被せたまま室温で80時間養生した後、フッ素樹脂フィルムを剥がし、更に20時間養生した。養生後の膜をフッ素樹脂シートで挟み、更にそれらを2枚のガラス板で挟み、この状態でガラス製の容器に水500mLとともに入れギアオーブンを用いて80℃で24時間加熱硬化させた。
硬化後の膜を別のガラス製容器に移し替え、水に80℃で1時間浸漬し、未反応物及び副生成物を膜から抽出した。抽出液を除いた後、酢酸125mL、30%過酸化水素水100mLを混合して作製した過酢酸に膜を浸漬し、ホットプレートにて60℃で1時間加熱した。得られた溶液を過酢酸溶液から取り出し、80℃の水に1時間、浸漬して過酢酸溶液を充分に除いて、半透明の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。
得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約47μmであった。
得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約47μmであった。
(実施例2)
15cm角に切ったポリエチレン多孔質材料(帝人ソルフィル社製、7P07B)を用いた以外は、実施例1と同様にして半透明の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約47μmであった。
15cm角に切ったポリエチレン多孔質材料(帝人ソルフィル社製、7P07B)を用いた以外は、実施例1と同様にして半透明の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約47μmであった。
(実施例3)
15cm角に切ったポリエチレン多孔質材料(帝人ソルフィル社製、3P07)を用いた以外は、実施例1と同様にして半透明の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約20μmであった。
15cm角に切ったポリエチレン多孔質材料(帝人ソルフィル社製、3P07)を用いた以外は、実施例1と同様にして半透明の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が13cm、厚さが約20μmであった。
(実施例4)
15cm角に切った全芳香族ポリエステル不織布(クラレ社製、25KJ2)を酢酸125mL、30%過酸化水素水100mLを混合して作製した過酢酸溶液に60℃30分浸漬し、その後、水洗、乾燥させたものを多孔質膜として用いた。この多孔質膜に実施例1と同様にシランオリゴマーの混合物を含浸させた後、フッ素樹脂フィルムを被せ、その上からアプリケーターで膜厚が50μmになるようレベリングした。フッ素樹脂フィルムを被せたまま室温で40時間養生した後、フッ素樹脂フィルムを剥がし、更に10時間養生した。
15cm角に切った全芳香族ポリエステル不織布(クラレ社製、25KJ2)を酢酸125mL、30%過酸化水素水100mLを混合して作製した過酢酸溶液に60℃30分浸漬し、その後、水洗、乾燥させたものを多孔質膜として用いた。この多孔質膜に実施例1と同様にシランオリゴマーの混合物を含浸させた後、フッ素樹脂フィルムを被せ、その上からアプリケーターで膜厚が50μmになるようレベリングした。フッ素樹脂フィルムを被せたまま室温で40時間養生した後、フッ素樹脂フィルムを剥がし、更に10時間養生した。
シランオリゴマーA1.02gと、シランオリゴマーB0.33gとを混合した液に、シランオリゴマーC0.33gを攪拌しながら滴下した混合液を、得られた膜に含浸させ、その後、フッ素樹脂フィルムを被せ、その上からアプリケーターで膜厚が55μmになるようレベリングした。フッ素樹脂フィルムを被せたまま室温で80時間養生した後、フッ素樹脂フィルムを剥がし、更に20時間養生した。養生後の膜をフッ素樹脂シートで挟み、更にそれらを2枚のガラス板で挟み、この状態でガラス製の容器に水500mLとともに入れギアオーブンを用いて140℃で24時間加熱硬化させた。
硬化後の膜を別のガラス製容器に移し替え、水に80℃で1時間浸漬し、未反応物及び副生成物を膜から抽出した。抽出液を除いた後、酢酸125mL、30%過酸化水素水100mLを混合して作製した過酢酸に膜を浸漬し、ホットプレートにて60℃で1時間加熱した。得られた溶液を過酢酸溶液から取り出し、80℃の水に1時間、浸漬して過酢酸溶液を充分に除いて、淡黄色の膜を得た。これを複合化プロトン伝導性膜とした。
得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が14.5cm、厚さが約53μmであった。
得られた複合化プロトン伝導性膜は、1辺が14.5cm、厚さが約53μmであった。
(比較例1)
市販のNafion117(デュポン社製)をプロトン伝導性膜とした。
市販のNafion117(デュポン社製)をプロトン伝導性膜とした。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1で作製したプロトン伝導性膜について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1〜4及び比較例1で作製したプロトン伝導性膜について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)イオン交換容量評価
プロトン伝導性膜を1N塩酸水溶液に4時間浸漬し、蒸留水でよく洗浄した。pH試験紙を用いて充分に洗浄されたことを確認した後、室温にて24時間放置乾燥し、更に50℃の真空下にて6時間乾燥してから、試料の重量を測定した。次に、2mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に試料を浸漬し、6時間静置した。その後、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定を行い、その滴定量からイオン交換容量を算出した。
プロトン伝導性膜を1N塩酸水溶液に4時間浸漬し、蒸留水でよく洗浄した。pH試験紙を用いて充分に洗浄されたことを確認した後、室温にて24時間放置乾燥し、更に50℃の真空下にて6時間乾燥してから、試料の重量を測定した。次に、2mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に試料を浸漬し、6時間静置した。その後、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定を行い、その滴定量からイオン交換容量を算出した。
(2)メタノール透過性評価
直径2cmの円形の窓を有する円形セル2つを用い、窓の部分でゴムパッキンを介してプロトン伝導性膜を挟み込み、一方のセルに30wt%メタノールを、他方のセルに純水を入れ、25℃にて3時間、スターラーで攪拌した。その後、純水側に透過したメタノールX(wt%)をガスクロマトグラフィーにより測定し、下記式(1)によりメタノール透過性を算出した。
直径2cmの円形の窓を有する円形セル2つを用い、窓の部分でゴムパッキンを介してプロトン伝導性膜を挟み込み、一方のセルに30wt%メタノールを、他方のセルに純水を入れ、25℃にて3時間、スターラーで攪拌した。その後、純水側に透過したメタノールX(wt%)をガスクロマトグラフィーにより測定し、下記式(1)によりメタノール透過性を算出した。
(3)膨潤寸法変化率評価
プロトン伝導性膜を1辺が10cmの正方形に切断し、これを純メタノール中に浸漬して、25℃において24時間放置した。その後、プロトン伝導性膜を純メタノールから取り出し、表面の液体を取り除いた後、すばやく寸法を測定し、浸漬後寸法を浸漬前寸法で割った値の4辺の平均値を寸法膨潤率として表した。
プロトン伝導性膜を1辺が10cmの正方形に切断し、これを純メタノール中に浸漬して、25℃において24時間放置した。その後、プロトン伝導性膜を純メタノールから取り出し、表面の液体を取り除いた後、すばやく寸法を測定し、浸漬後寸法を浸漬前寸法で割った値の4辺の平均値を寸法膨潤率として表した。
(4)高温域におけるプロトン伝導性評価
プロトン伝導性膜を電気化学セル(特開2002−184427号公報中の図3に記載されたものと同一のもの)にセットし、プロトン伝導性膜と白金板とを密着させた。この白金板に、電気化学インピーダンス測定装置(ソーラトロン社製、1260型)を接続し、周波数0.1Hz〜100kHzの領域でインピーダンスを測定し、プロトン伝導性膜のプロトン伝導度を評価した。
測定では、試料を電気的に絶縁された密閉容器中に支持し、温度コントローラーによりセル温度を25℃とし、温度が90%RHについて、測定開始から24時間後の伝導度を求めた。
プロトン伝導性膜を電気化学セル(特開2002−184427号公報中の図3に記載されたものと同一のもの)にセットし、プロトン伝導性膜と白金板とを密着させた。この白金板に、電気化学インピーダンス測定装置(ソーラトロン社製、1260型)を接続し、周波数0.1Hz〜100kHzの領域でインピーダンスを測定し、プロトン伝導性膜のプロトン伝導度を評価した。
測定では、試料を電気的に絶縁された密閉容器中に支持し、温度コントローラーによりセル温度を25℃とし、温度が90%RHについて、測定開始から24時間後の伝導度を求めた。
本発明によれば、優れたプロトン伝導性を有し、かつ、メタノールクロスオーバーの発生を大幅に低減することが可能な架橋性電解質膜が得られる架橋性電解質膜の製造方法を提供することができる。
1 ケイ素−酸素架橋構造体からなる微粒子
2 間隙、細孔
2 間隙、細孔
Claims (7)
- スルホン酸基とケイ素−酸素結合からなる架橋構造とを有する架橋性電解質膜を製造する方法であって、
メルカプト基及び/又はスルフィド基、並びに、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(A)に対して、オゾンを接触させることにより、前記メルカプト基及び/又はスルフィド基をスルホン酸基とし、スルホン酸基含有化合物(Aox)を作製する工程、
前記スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程、及び、
前記膜状体を加熱することにより硬化させる工程を有する
ことを特徴とする架橋性電解質膜の製造方法。 - スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程において、スルホン酸基含有化合物(Aox)に加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(B)を加えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の架橋性電解質膜の製造方法。
- スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する膜状体を作製する工程は、スルホン酸基含有化合物(Aox)を含有する溶液を多孔質膜に含浸させることにより、膜状体を作製するものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の架橋性電解質膜の製造方法。
- 膜状体を加熱することにより硬化させる工程は、140℃以下の温度で膜状体を加熱するものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の架橋性電解質膜の製造方法。
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JP2005233144A JP2007048655A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 架橋性電解質膜の製造方法 |
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-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005233144A patent/JP2007048655A/ja active Pending
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