JP2007048625A - 真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置 - Google Patents

真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】気密性の高い真空容器を安価に製造することが可能な真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2種類の部材11、12の封着部に結晶性の低融点ガラス19、21を配置して封着層を形成する。実質的に非酸化性の雰囲気中に少なくとも2種類の部材を配置して加熱し、低融点ガラスの結晶を析出させる。この状態で低融点ガラスにより部材同士を封着して真空容器10を形成する。低融点ガラスの結晶が析出した後、部材の加熱状態を維持した状態で、真空容器内部を排気する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、少なくとも2種類の部材を接合して形成した真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置に関し、特に、複数の電子放出素子が形成された背面基板と、電子放出素子から放出された電子ビームにより発光する蛍光体スクリーンが形成された前面基板とを有した表示装置を構成する真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置に関する。
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な表示装置が開発されている。このような表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などがある。
例えばFEDでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器(真空容器)を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体に電子放出素子から放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
このようなFEDでは、表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
上述のようなFEDにおいて、真空容器を構成する前面基板および背面基板を矩形枠状の側壁を介して接合するために様々な製造方法が検討されている。例えば、真空装置内において、前面基板と背面基板を十分に離した状態で両基板をべーキングしながら真空装置全体を高真空になるまで排気し、所定の温度および真空度に到達したときに前面基板と背面基板を、側壁を介して接合する方法が検討されている。この方法では、通常、ゲッタの吸着能力を低下させないように、シール材として比較的低温で封着が可能なインジウム等の低融点金属封着材が用いられる。
類似の方法として、基板間にインジウム等の低融点金属封着材を充填し、この封着材に通電し、そのジュール熱により封着材自身を発熱、溶解させ、基板同志を結合する方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、低融点金属封着材のみを高温にし、ゲッタ形成領域は低温のまま保つことができる。そのため、ゲッタの吸着能力低下を防止することができる。また、基板の加熱、冷却に膨大な時間を費やす必要がなく、短時間で基板を接合し外囲器を形成する事が可能となる。
しかしながら、上述の方法では基板の大きさに対応して大型の真空装置を用いる必要がある。そのため、製造装置のコストが非常に高く、結果として表示装置も高価になる問題が存在している。
そこで、従来、真空装置を用いることなく、真空容器内を排気する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。この方法では、背面基板に排気孔または排気管を設け、大気中、乾燥雰囲気中、非酸化性雰囲気中などで前面基板および背面基板を矩形枠状の側壁を介してフリットガラスにより接合する。そして、フリットガラスが溶融状態のとき、接合した基板全体を加熱したままで排気孔または排気管を介して表示装置内部を排気する。
特開2002−319346号 特開昭50−03570号公報
しかしながら、この方法では、容器内の排気を開始して基板内外の圧力差が生じた際、基板外部の圧力により、溶融したフリットガラスが押されて接合部が破られてしまう。この場合、基板同士を気密に封着することができず、真空度の高い真空容器を得ることが困難となる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、大型で効果な真空装置を用いることなく、気密性の高い真空容器を安価に製造することが可能な真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置を提供するものである。
この発明の態様に係る真空容器の製造方法は、少なくとも2種類の部材を封着して形成する真空容器の製造方法において、前記部材の封着部に結晶性の低融点ガラスを配置して封着層を形成し、実質的に非酸化性の雰囲気中に前記少なくとも2種類の部材を配置して加熱し、前記低融点ガラスの結晶を析出させた状態で前記低融点ガラスにより前記部材同士を封着して真空容器を形成し、前記低融点ガラスの結晶が析出した後、前記部材の加熱状態を維持した状態で前記真空容器内部を排気することを特徴としている。
この発明の態様に係る真空容器は、前記部材の封着部に結晶性の低融点ガラスを配置して封着層を形成し、実質的に非酸化性の雰囲気中に少なくとも2種類の部材を配置して加熱し、前記低融点ガラスの結晶を析出させた状態で前記低融点ガラスにより前記部材同士を封着して真空容器を形成し、前記低融点ガラスの結晶が析出した後、前記部材の加熱状態を維持した状態で前記真空容器内部を排気して形成したことを特徴としている。
この発明の態様に係る真空容器の製造装置は、少なくとも2種類の部材を封着して形成する真空容器の製造装置において、それぞれ独立して温度制御可能な複数の領域を有した加熱炉と、前記少なくとも2種類の部材を支持した状態で、前記加熱炉内を移動する移動台車と、を備え、前記移動台車は、前記部材を支持する支持部と、前記部材内部を排気する排気ポンプと、前記封着層を局所的に加熱するヒータと、を有している。
本発明の態様によれば、高価な大型の真空装置を用いる必要がなく、安価なバッチ式電気炉またはインライン型連続炉などを用いて真空容器を製造することができ、また、排気時に容器内外の圧力差が生じても封着部が破られることはなく、気密性の高い真空容器を安価に製造することが可能な真空容器の製造方法、真空容器、および真空容器の製造装置を提供することができる。
以下図面を参照しながら、この発明に係る真空容器をFEDに適用した実施形態について説明する。
図1ないし図3に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は所定の間隔で対向配置されている。背面基板12は前面基板11よりも大きな寸法に形成されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された偏平な矩形状の外囲器10を構成している。この外囲器10は、真空容器を構成している。背面基板12と側壁18、および前面基板11と側壁18は、それぞれ鉛を含有しないリン酸スズ系の結晶性の低融点ガラス19、21で形成された封着層により封着され、互いに接合されている。
外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、外囲器10の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。
図3ないし図5に示すように、前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、外囲器10の上記一辺と平行な方向に延在しているとともに、この一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。非発光部である黒色光吸収層20上には、チタン、ゲルマニウム、バナジウム等の材料からなる非蒸発型ゲッタ23が形成されている。蛍光体スクリーン16上には、アルミニウムからなるメタルバック層17が形成されている。
図3に示すように、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。導電性カソード層24およびゲート電極28は、それぞれ直交する方向にストライプ状に形成され、背面基板12の周縁部には、これら導電性カソード層およびゲート電極に電位を供給する多数本の配線27が形成されている。これらの電子放出素子22から放出された電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
図3に示すように、背面基板12のコーナー部には排気工程において外囲器内部を排気するための排気孔29が貫通形成されている。排気孔29は、蛍光体スクリーン16から外れた位置、つまり、有効表示領域から外れた位置に設けられている。排気孔29は蓋部材30によって気密に封着されている。
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成する。この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスとを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーン16を形成する。
この後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック層17を蒸着形成し、さらにスクリーン印刷により非蒸発型ゲッタ23が、黒色光吸収層20に重なるように印刷形成される。
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。まず、導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
続いて、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。その後、背面基板表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。
次に、背面基板12の内面外周部に沿ってリン酸系の結晶性の低融点ガラス19を矩形枠状に塗布し封着層を形成する。これは、リン酸系ガラスの粉体に有機溶剤と樹脂を混合してペースト状にしたものをディスペンサによる充填あるいはスクリーン印刷することによりなされる。この背面基板12を大気中で仮焼成して低融点ガラス19中の有機溶剤と樹脂を除去する。続いて、低融点ガラス19からなる封着層上に側壁18を位置合わせした後、大気中で低融点ガラス19の結晶析出温度まで昇温してその温度を保持することにより側壁18を背面基板12に封着する。この後、電子放出素子22の活性化を行う。
次いで、複数の支持部材14を背面基板12に対して位置合わせし、その端部をアロンセラミックで背面基板に固着する。
一方、前面基板11の内面外周部に沿ってリン酸系の結晶性の低融点ガラス21を矩形枠状に塗布して封着層を形成する。結晶性の低融点ガラス21の塗布は、背面基板12側の低融点ガラス19と同様の方法により行う。続いて、大気中で低融点ガラス21を仮焼成して有機溶剤と樹脂を除去しておく。
これら一対の背面基板12、前面基板11を対向配置し、図6に示すように、排気カート50上に設置する。移動台車として機能する排気カート50は、外囲器10が載置される支持部57、背面基板12の排気孔29に接続される排気ライン51、この排気ラインを介して外囲器10の内部を排気する本引き用ポンプ52および粗引き用ポンプ53、および排気ラインに設けられた複数の電磁弁54等を備えている。排気カート50の構造は、公知のものを使用することができ、詳細な説明は省略する。
背面基板12は排気カート50上に載置され、その排気孔29に排気ライン51が接続される。その後、排気カート50をインライン型の連続炉60に投入する。
図7に示すように、インライン型の連続炉60は、連続して並んだ複数、例えば16のゾーン(領域)60aと、一端に設けられた投入室61と、他端に設けられた排出室62とを備えている。連続炉60は、ゾーン60a毎に温度制御および雰囲気制御ができるように構成されている。外囲器10を支持した排気カート50は、投入室61に投入され、連続炉60内を所定の速度で移動した後、排出室62から外部に搬出される。この間、排気カート50に載置された外囲器10は、連続炉60内を移動しながら加熱、封着され、更に、加熱温度を保ったまま内部が排気される。降温後、外囲器10は、その排気孔29が蓋部材30で封着され、排出室62から排出される。
より詳細に述べると、背面基板12、前面基板11は連続炉60の第1〜3ゾーンを移動しながら400℃まで加熱される。図7におけるグラフは、排気カート50の移動に合わせた温度変化を示している。第1〜7ゾーンにおいては、電子放出素子および非蒸発型ゲッタの酸化を防ぐため、非酸化性雰囲気としてアルゴンが導入され循環されている。
第1〜7ゾーンの内、第2〜6ゾーンは酸素濃度が所定の割合以下となるように制御されている。第1ゾーンおよび第7ゾーンは、大気ゾーンに面しているためアルゴン雰囲気の純度が第2〜6ゾーンと比較して良くない。しかし、第1ゾーンではまだ背面基板12、前面基板11の温度が低く、また、第7ゾーンでは既に外囲器10の封着が完了し、排気が始まっているため、これらは問題にはならない。
第3ゾーンの後半から低融点ガラス19、21の溶融が始まる。第4〜6ゾーンでは、30分をかけてアルゴン雰囲気にて約400℃に温度が保持され、低融点ガラス19、21が溶融するとともに結晶析出が始まる。また、第3ゾーン以降では外囲器10が高温に加熱されるため、前面基板および背面基板の表面に吸着していた水分等の不所望なガス成分が効率的に脱離される。第6ゾーンの後半では、低融点ガラス19、21の結晶析出がほぼ完了し、背面基板12、前面基板11が低融点ガラス19,21により側壁18を介して互いに封着される。
そこで、第6ゾーンの後半から排気カート50の本引き用ポンプ52および粗引き用ポンプ53を作動させて外囲器10内部の排気を開始する。第7〜12ゾーンでは、400℃の加熱温度を維持したまま所定の速度で外囲器10を移動させながら排気を継続する。これにより、基板表面から脱離したガス成分が外囲器10から外部へ排出され、外囲器10内部は清浄な真空状態に維持される。
また、第7〜12ゾーンでは、蛍光体スクリーン16に形成された非蒸発型ゲッタ23の活性化が開始され、外囲器10内、特に表示駆動時のガス排気能力が発現する。昇温中、封着中では、非蒸発型ゲッタ23は、アルゴン雰囲気に接しているため酸化されることはほとんどない。これにより、第7〜12ゾーンで活性化されたゲッタ23は、排気能力がほぼ劣化することなく動作状態となる。また、これと同様に、電子放出素子22も非酸化性雰囲気で加熱されるため、酸化されることなく動作させることができる。
第13〜16ゾーンでは外囲器10を降温する。第16ゾーンで、排気カート50の排気ライン51内部に予め設置しておいた蓋部材30により、外囲器10の排気孔29を気密に封止する。これにより、外囲器10が完成する。蓋部材30の封止は、インジウム等の低融点金属による封着、局所加熱による溶着など公知の技術を用いて行うことができる。完成した外囲器10は、排出室62から取り出される。以上の工程によりFEDが完成する。
以上のように構成された製造方法によれば、高価な大型の真空装置を使用することなく、安価な連続炉を用いて外囲器を製造することができる。従って、FEDを構成する外囲器10を安価に製造することが可能となる。加熱炉内を非酸化性の雰囲気として封着を行うことにより、非蒸発型ゲッタおよび電子放出素子の酸化による劣化を防ぐことができ、その能力をほとんど落とすことなく動作状態にすることが可能になる。また、封着後、低融点ガラスの結晶が析出する加熱温度を保った状態で排気工程を行うことにより、冷却および再加熱工程を省いて工程時間と使用エネルギーを節約し、外囲器のコストダウンに寄与することができる。同時に、不所望なガス成分を基板表面から効率的に脱離させ、外囲器10内部を高真空に維持することが可能となる。
更に、封着材としての結晶性の低融点ガラス19、21を加熱し結晶が析出した後、加熱状態を維持した状態で外囲器10の内部を排気することにより、外囲器内外の圧力差が生じても封着部が破られることはなく、外囲器の接合部を気密に封着することができる。低融点ガラスとして、鉛成分を実質的に含有しないリン酸スズ系の低融点ガラスを使用することで環境に配慮した外囲器を構成することができる。
加熱温度や加熱時間などは上記実施形態に限られるものではなく、基板の大きさやゲッタの特性などに合わせて適宜設定することができる。低融点ガラスは、リン酸スズ系に限られるものではなく、リン酸銅系、ホウ酸ビスマス系など種々選択することができ、適用温度によっては鉛成分を含んでいても特に問題ない。
ホウ酸ビスマス系の低融点ガラスは封着適用温度が430〜500℃であり、電子放出素子の構成によっては耐熱が問題になる場合がある。そのような場合には、低融点ガラスの加熱温度に対して電子放出素子22が設けられている領域の温度を30℃程度低くするとともに、排気温度を若干下げることにより、加熱による電子放出素子の劣化を抑えることができる。
次に、ホウ酸ビスマス系の低融点ガラスを用いてFEDを製造する第2の実施形態について説明する。図8は本発明の第2の実施形態に係る製造方法に用いる排気カート50を示している。第2の実施形態において、排気カート50の上部には、矩形枠状に形成された局所加熱用のランプヒータ55が設けられ、支持枠56によって支持されている。ランプヒータ55は、排気カート50上に載置された外囲器10の上方に配置され、側壁18と対向して位置している。排気カート50の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
製造工程において、背面基板12と側壁18とは、ホウ酸ビスマス系の低融点ガラス19により予め封着され、また、前面基板11の内面外周部には同じホウ酸ビスマス系の低融点ガラス21が充填され仮焼成されている。これらの背面基板12および前面基板11を排気カート50上に載置し、排気孔29に排気ライン51を接続する。更に、排気カート50上に支持枠56を載置し、外囲器10の上方にランプヒータ55を配置し側壁18に対向させる。
その後、図9に示すように、外囲器10が載置された排気カート50は、投入室61に投入され、連続炉60内を所定の速度で移動した後、排出室62から外部に搬出される。詳細には、排気カート50に載置された外囲器10は、連続炉60の第1〜3ゾーンを移動しながら430℃まで加熱される。連続炉60の第1〜7ゾーンにおいては、電子放出素子22および非蒸発型ゲッタ23の酸化を防ぐため、非酸化性雰囲気として窒素が導入され循環されている。第2〜6ゾーンは酸素濃度が所定の割合以下になるように制御されている。本実施形態に示すように、非酸化性雰囲気としては、アルゴン以外に窒素を用いることができ、あるいはその他希ガスなどを使用することができる。
第3ゾーンの後半から低融点ガラス19、21の溶融が始まる。第4〜6ゾーンではランプヒータ55を動作させ、低融点ガラス19、21が充填されている接合部を局所的に加熱して460℃に保持する。この状態で30分かけて窒素雰囲気中で低融点ガラス19、21を結晶析出させ、前面基板11と背面基板12とを封着する。局所加熱を行うと、前面基板および背面基板は不均一に熱膨張した状態で封着される。そのため、冷却後、封着部分には応力が残留し、機械強度が低下する。よって、このような機械強度の低下を抑えるため、局所加熱を行う接合部と他の部分との温度差は30℃以内とすることが望ましい。
第6ゾーンの後半では、低融点ガラス19、21の結晶析出がほぼ完了し背面基板12、前面基板11が側壁18を介して互いに封着される。そこで、第6ゾーンの後半で排気カート50の本引き用ポンプ52および粗引き用ポンプ53を作動させて外囲器10内部の排気を開始する。
その後、第7ゾーンでランプヒータ55の動作を停止させるとともに外囲器全体の温度を400℃まで低下させる。第7ゾーンから第12ゾーンまで400℃の加熱温度を維持した状態で、排気カート50を所定の速度で移動させながら外囲器10内部の排気を継続する。このように排気温度を封着加熱温度(430℃)よりも下げることにより、電子放出素子22の熱による劣化を防止し、表示装置の駆動時における能力低下を最小限に抑えることができる。ただし、排気温度を下げすぎると基板表面からの不所望なガスの脱離効率が悪くなるため、温度低下は100℃以内にすることが望ましい。
排気工程において、基板表面から脱離したガス成分は外囲器10外部へ排出され、外囲器は内部が清浄な真空状態に維持される。また、このゾーンでは蛍光体スクリーン面に形成していた非蒸発型ゲッタ23の活性化が開始されており、外囲器10内、特に表示駆動時のガス排気能力が発現する。また、昇温中、封着中には非蒸発型ゲッタ23が面している雰囲気を窒素雰囲気としていたため、ゲッタが酸化されることはほとんどない。
そのため、第7〜12ゾーンで活性化されたゲッタ23は、排気能力がほぼ劣化することなく動作状態となる。同様に、電子放出素子22も非酸化性雰囲気で加熱されるため、酸化されることなく動作させることができる。
この後、第1の実施形態と同様に外囲器10を冷却して排気孔29を封じることにより外囲器が完成する。
上述のような封着方法によれば、第1の実施形態と同様に、前面基板および背面基板を封着する際、高価な大型の真空装置を使用することなく、安価な連続炉を用いて外囲器を製造することができる。従って、外囲器10を備えたFEDを安価に製造することが可能となる。炉内を窒素雰囲気として封着を行うことにより、非蒸発型ゲッタおよび電子放出素子の酸化による劣化を防ぐことができ、その能力をほとんど落とすことなく動作状態にすることが可能になる。封着時に、封着部を局所的に加熱し、電子放出素子が設けられている領域を比較的低い温度に保つことにより、電子放出素子の熱劣化を抑えることができる。
更に、封着材として結晶性の低融点ガラス19、21を加熱し結晶が析出した後、加熱状態を維持した状態で外囲器10の内部を排気することにより、外囲器内外の圧力差が生じても封着接合が破られることはなく、外囲器に接合部を気密に封着することができる。低融点ガラスとして、鉛成分を実質的に含有しないホウ酸ビスマス系の低融点ガラスを使用することで環境に配慮した外囲器を構成することができる。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、排気孔の構造は前述した実施形態に限られるものではなく、排気管をあらかじめ封着しておき、排気管を通して外囲器内部を排気した後、バーナーにより排気管をチップオフする構成としてもよい。また、排気孔の数や位置は、基板の大きさ等に合わせて適宜選択することができる。排気カートは、1枚の外囲器に1台のカートを対応させた図を示しているが、1台の排気カートに複数の外囲器を載置する構成としてもよく、また、外囲器の載置方向は、横向き載置でなく縦向き載置としてもよい。
封着排気炉は、インライン型連続炉だけでなくループ式のものであってもよく、またバッチ式の電気炉であってもよい。
外囲器の側壁は、予め背面基板あるいは前面基板と共に一体的に成形された構成としてもよい。外囲器の外形状や支持部材の構成は、前述した実施形態に限られるものでないことはいうまでもない。マトリックス型の黒色光吸収層と蛍光体層を形成し、柱状支持部材を黒色光吸収層に対して位置決めして封着する構成としてもよい。電子放出素子は、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等を用いてもよい。
更に、この発明は、FEDに限定されることなく、SEDやPDP等の他の表示装置を構成する真空容器および表示装置以外の真空容器に対しても適用することができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るFEDを示す斜視図。 図2は、前記FEDの内部構成を示す斜視図。 図3は、図1の線A−Aに沿ったFEDの断面図。 図4は、前記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。 図5は、図4の線B−Bに沿った前面基板の断面図。 図6は、前記FEDの製造に用いる排気カートを模式的に示す断面図。 図7は、前記FEDの製造に用いる連続炉および連続炉の温度変化を示す図。 図8は、FEDの製造に用いるこの発明の第2の実施形態に係る排気カートを模式的に示す断面図。 図9は、この発明の第2の実施形態における連続炉および連続炉の温度変化を示す図。
符号の説明
10…外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、
14…支持部材、 16…蛍光体スクリーン、 18…側壁、
19、21…低融点ガラス、 22…電子放出素子、
29…排気孔、 50…排気カート、 52…本引き用ポンプ52、
53…粗引き用ポンプ、 60…連続炉、 60a…ゾーン

Claims (11)

  1. 少なくとも2種類の部材を封着して形成する真空容器の製造方法において、
    前記部材の封着部に結晶性の低融点ガラスを配置して封着層を形成し、
    実質的に非酸化性の雰囲気中に前記少なくとも2種類の部材を配置して加熱し、前記低融点ガラスの結晶を析出させた状態で前記低融点ガラスにより前記部材同士を封着して真空容器を形成し、
    前記低融点ガラスの結晶が析出した後、前記部材の加熱状態を維持した状態で前記真空容器内部を排気する真空容器の製造方法。
  2. 前記部材を均一に加熱するとともに、前記真空容器内部を排気する際の温度を、前記低融点ガラスの結晶を析出する温度と同温度、または低融点ガラスの結晶を析出する温度より低くかつ結晶を析出する温度より100℃を下回らない温度とする請求項1に記載の真空容器の製造方法。
  3. 前記低融点ガラスの結晶を析出する際、前記封着層の温度と、前記部材の前記封着層以外の領域の温度との差が30℃を超えない範囲で、前記封着層を局所的に加熱する請求項1に記載の真空容器の製造方法。
  4. 前記非酸化性の雰囲気は、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の真空容器の製造方法。
  5. 前記低融点ガラスは、実質的に鉛を含まないガラスである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の真空容器の製造方法。
  6. 前記低融点ガラスは、リン酸スズ系のガラスである請求項5に記載の真空容器の製造方法。
  7. 少なくとも2種類の部材を接合して形成した真空容器において、
    前記部材の封着部に結晶性の低融点ガラスを配置して封着層を形成し、実質的に非酸化性の雰囲気中に前記少なくとも2種類の部材を配置して加熱し、前記低融点ガラスの結晶を析出させた状態で前記低融点ガラスにより前記部材同士を封着して真空容器を形成し、前記低融点ガラスの結晶が析出した後、前記部材の加熱状態を維持した状態で前記真空容器内部を排気して形成した真空容器。
  8. 前記低融点ガラスは、実質的に鉛を含まないガラスである請求項7に記載の真空容器。
  9. 前記低融点ガラスは、リン酸スズ系のガラスである請求項8に記載の真空容器。
  10. 前記少なくとも2種類の部材は、複数の電子放出素子が形成された背面基板と、前記電子放出素子から放出された電子ビームにより発光する蛍光体スクリーンが形成された前面基板とを含み、前記蛍光体スクリーンの非発光部に非蒸発型ゲッタが形成されている請求項7ないし9のいずれか1項に記載の真空容器。
  11. 少なくとも2種類の部材を封着して形成する真空容器の製造装置において、
    それぞれ独立して温度制御可能な複数の領域を有した加熱炉と、
    前記少なくとも2種類の部材を支持した状態で、前記加熱炉内を移動する移動台車と、を備え、
    前記移動台車は、前記部材を支持する支持部と、前記部材内部を排気するポンプと、前記封着層を局所的に加熱するヒータと、を有している真空容器の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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