JP2007048613A - 画像表示装置とその製造方法 - Google Patents

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Yasushi Sano
靖 佐野
Takuo Tamura
太久夫 田村
Masakazu Sagawa
雅一 佐川
Hideyuki Shintani
英之 新谷
Kazufumi Miyata
一史 宮田
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Abstract

【課題】 効率のよい電子放出を実現し、高輝度かつ輝度むらを抑制した画像表示装置を提供する。
【解決手段】 第1絶縁基板10の主面に下部電極11を形成して、当該下部電極11の表面に陽極酸化により該表面凹凸の最大高さを略23nm乃至25nmとした電子加速層12を形成する。このとき、陽極酸化のための化成電流密度を10μA/cm2以下の低電流密度とする
【選択図】 図5

Description

本発明は、画像表示装置とその製造方法に関し、特に、マトリクス配列された薄膜型電子源から放出される電子で蛍光体を発光させて画像を生成するフラットパネル型の画像表示装置に好適なものである。
この種の画像表示装置は、薄膜型電子源を備えた背面パネルとカラーフィルタと加速電極を備えた前面パネルを貼り合わせた表示パネルで構成される。薄膜型電子源は、上部電極−電子加速層−下部電極の3種の薄膜を積層した構造を基本とし、上部電極−下部電極の間に電圧を印加して、上部電極の表面から真空中に電子を放出させるものである。例えば、金属−絶縁体−金属を積層したMIM(Metal−Insulator−Metal)型、金属―絶縁体―半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型、金属―絶縁体―半導体−金属型等がある。MIM型については例えば特許文献1に、金属―絶縁体―半導体型についてはMOS型が非特許文献1に、金属―絶縁体―半導体−金属型ではHEED型が非特許文献2などに記載、EL型(Electroluminescence)は非特許文献3に、ポーラスシリコン型は非特許文献4に報告されている。
MIM-FEDでは、上部電極−電子加速層−下部電極の3種の薄膜を積層した構造を電子源の基本とし、上部電極−下部電極の間に電圧を印加して上部電極の表面から真空中に電子を放出させるものである。
このような薄膜型電子源においては、複数本の上部電極と複数本の下部電極を直交させてマトリクスを形成すると、任意の場所から電子線を発生させることが可能となり、二次元のフラットパネル方式の画像表示装置等の電子源に用いることができる。
特開平7‐65710号公報 特開2001−35357号公報 特開2004−127783号公報 J. Vac. Sci. Techonol. B11 (2) P.429−432 (1993) high−efficiency−electro−emission DEVICE、Jpn.J.Appl.Phys.vol 36 、P L939 応用物理第63巻、第6号、592頁などに記載 応用物理第66巻、第5号、437頁などに記載
MIM型などの薄膜型電子源の電子放出特性は、電子放出部の電子加速層に用いられる薄膜陽極化成膜(トンネルAO膜)の成膜条件に依存する。上部電極を積層する電子加速層は、下部電極として用いられるアルミニウム又はアルミニウム‐ネオジム合金(Al−Nd)を陽極酸化処理(AO)で形成される。この陽極酸化により形成される電子加速層となるトンネルAO膜は、このAO成膜条件に依存する。電子加速層の成膜状態は膜緻密性、表面状態(凹凸:モフォロジ―)で表現される。そして、トンネルAO膜の上層に成膜される上部電極はこのトンネルAO膜の表面状態に依存する。膜緻密性は薄膜型電子源のダイオード特性(漏れ電流特性や閾値の変動)に直接影響する。
また、上部電極のパターニングは、ホトリソグラフィー工程(単に、ホト工程とも称する)で行われる。このホト工程で上部電極に有機物等が汚染物質として残留すると、電子放出効果が低下する。特許文献2では、トンネルAO膜の表面に付着した汚染物質に起因する電子放出効果の低下を回避するため、電子描画法で上部電極をパターニングする技術が開示されている。さらに、特許文献3では、トンネルAO膜やその上層の上部電極の表面平坦性を得るため、また下部電極・絶縁性薄膜・トンネル絶縁膜を連続一体の構造物としたものが開示されている。
しかし、これらの文献の何れにも、トンネルAO膜等の電子加速層の表面粗さと電子放出特性、信頼性との関連について考慮がなされていない。
本発明の目的は、トンネルAO膜等で形成された電子加速層の表面粗さに着目し、その値を特定することによって、効率のよい電子放出を実現し、高輝度かつ輝度むらを抑制した画像表示装置とその製造方法を提供することにある。
MIM−FEDの電子放出部の電子加速層に用いられる絶縁膜(通常は、アルミニウムの陽極化成膜(トンネルAO膜)、単にトンネル膜とも称する)は成膜条件により、膜緻密性が変化する。試作の結果,膜緻密性はダイオード特性(漏れ電流特性、閾値変動等)に直接影響する。また膜緻密性は表面状態(凹凸:モフォロジー)と相関あることが判明した。表面凹凸が一定以下となる成膜条件でダイオード特性を改善出来、MIM-FEDのパネル寿命も改善出来ることが分かった。
本発明では、電子加速層に用いられる絶縁膜としてのAl23の表面粗さ(表面凹凸の高さ)の最大値Rzが23nm〜25nm、二乗平均値rmsで2.7〜3.0nmとした。この表面粗さを得るためには、陽極化成条件を10μA/cm2以下の低電流密度で陽極化成する。この電流密度の下限は、製造プロセスのタクトタイムを考慮して決める。
絶縁膜としてのAl23の形成方法は必ずしもAO(陽極酸化)による必要はないが、ここでは最もポピュラーな方法である陽極酸化を用いるものとして説明する。本発明の代表的な構成を記述すれば次のとおりである。
(1)本発明の画像表示装置は、第1絶縁基板の平坦な主面の表示領域にマトリクス配列された多数の電子源を有する背面パネルと、第2絶縁基板の平坦な主面に前記電子源のそれぞれに対応した蛍光体と前記電子源から放射される電子束を加速して前記蛍光体に射突させる陽極を有する前面パネルと、前記背面パネルと前記前面パネルの周縁に介在して当該背面パネル及び前面パネルと共に真空容器を形成する封止枠と、前記背面パネルと前記前面パネルの間に植立されて、両パネルの間隔を所定値に保持するスペーサとを備えた表示パネルで構成される。
前記背面パネルを構成する第1絶縁基板は、前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けられ前記電子源とを有する。
そして、前記電子源は、下部電極と電子加速層および上部電極とで構成され、前記下部電極は前記画像信号配線であり、前記電子加速層は前記画像信号配線の表面を陽極化成して形成された絶縁層で、その表面の凹凸の最大高さが23乃至25であり、前記上部電極は前記走査信号配線に接続された金属薄膜であることを特徴とし、前記下部電極はアルミニウム又はアルミニウムとネオジムの合金の何れかとする。
(2)本発明の画像表示装置の製造方法は、前記第1絶縁基板の主面に下部電極を形成して、当該下部電極の表面に陽極酸化により該表面凹凸の最大高さを略23nm乃至25nmとした電子加速層を形成する工程を含むことを特徴とし、前記陽極酸化のための化成電流密度を10μA/cm2以下の低電流密度とする。
本発明は、上記構成および後述する実施の形態で説明する構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変形が可能である。
本発明により、効率のよい電子放出が実現し、高輝度かつ輝度むらを抑制した画像表示装置をえることができる。
以下、本発明の最良の実施例の形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、薄膜型電子源の動作原理をMIM型を例として説明する図である。図1において、上部電極13と下部電極11との間に駆動電圧Vdを印加して、電子加速層12内の電界を1〜10MV/cm程度にすると、下部電極11中のフェルミ準位近傍の電子はトンネル現象により障壁を透過し、電子加速層12、上部電極13の伝導帯へ注入されホットエレクトロンとなる。これらのホットエレクトロンは電子加速層12中、上部電極13中で散乱されエネルギーを損失するが、上部電極13の仕事関数φ以上のエネルギーを有する一部のホットエレクトロンは、真空20中に放出される。
他の薄膜型電子源も、電子を加速し、薄い上部電極13を通して電子を放出する点で共通している。このような薄膜型電子源は複数本の上部電極13と、複数本の下部電極11を直交させてマトリクスを形成すると、任意の場所から電子線を発生させることができるので、画像表示装置等の電子源に用いることができる。
これまで、Au−Al23−Al構造のMIM(Metal−Insulator−Metal)構造などから電子放出が観測されている。薄膜型電子源アレイは、薄い上部電極を用いるため、画像表示装置などに適用するためには、通常給電線となる上部バス電極を付加する。
図2乃至図10は、本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図である。なお、図2乃至図10の(a)は平面を、(b)は(a)のA−A’線に沿った断面を、(c)は(a)のB−B’線に沿った断面を示す。始めに、ガラスを好適とする絶縁性の基板(背面基板)10上に電子源を構成する下部電極用の金属膜11’を成膜する。下部電極用の金属膜11’の材料としてはアルミニウム(Al)やアルミニウム合金を用いる。AlやAl合金を用いたのは、陽極酸化により良質の絶縁膜を形成できるからである。ここでは、ネオジム(Nd)を2原子量%ドープしたAl−Nd合金を用いた。この成膜には、例えば、スパッタリング法を用いる。膜厚は300nmとする(図2)。
金属膜11’の成膜後、ホト工程、エッチング工程によりストライプ形状の下部電極11を形成する。エッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウェットエッチングを用いる(図3)。
次に、電子放出部を制限すると共に下部電極エッジへの電界集中を防止する第1の保護絶縁層14と、電子加速層12を形成する。まず下部電極11上の電子放出部となる部分をレジスト膜25でマスクし、その他の部分を選択的に厚く陽極酸化して第1の保護絶縁層14とする(図4)。
次に、レジスト膜25を除去し、残りの下部電極11の表面を陽極酸化して電子加速層12とする(図5)。このとき、陽極酸化のための化成電流密度を10μA/cm2以下の低電流密度とする。これにより、電子加速層12となる陽極酸化膜の表面凹凸の最大高さ(谷―山)が23nm乃至25nm程度が得られる。二乗平均値(rms)で表せば2.7乃至3.0程度となる。
第1の保護絶縁層14と電子加速層12の陽極酸化膜は図14に示すように一定電流(化成電流Io)を加え、所定電圧(化成電圧Vo)まで上昇させる定電流区間T1と、一定時間化成電圧Voを印加し続ける定電圧区間T2の2つの工程を組み合わせて形成される。例えば、第1の保護絶縁層14は化成電圧を100Vとして厚さ約136nmの膜厚を形成する。一方、電子加速層12は化成電圧を6Vとして厚さ約10nmの膜厚を形成する。
次に、上部電極の給電線となる上部バス電極膜とその下に形成する第2の保護絶縁層15、第1の金属層(上部バス電極)26、第2の金属層27を例えばスパッタリング法等で成膜する(図6)。第2の保護絶縁層15としては、Si窒化物を用い、膜厚は100nmとした。この第2の保護絶縁層15は、陽極酸化で形成する第1の保護絶縁層14にピンホールがあった場合、その欠陥を埋め、下部電極11と上部バス電極間の絶縁を保つ役割を果たす。
第1の金属層(上部バス電極)26の材料としてCrを、第2の金属層27の材料としてAl−Nd合金を用いた。第1の金属層26としては、他にMo、W、Ti、Nbなど、第2の金属層27としては他にAl、Cu、CrやCr合金等が適用可能である。膜厚は、第1の金属層26を数10nm、第2の金属層27を数μm成膜する。
続いて、ホトエッチング工程により第1の金属層26と第2の金属層(上部バス電極)27を下部電極11とは直交するように加工して形成する。エッチングに使用するエッチャントは、第1の金属層26のCrは硝酸アンモニウムセリウム水溶液等、第2の金属層27のAl−Nd合金は、燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液等を用いる(図7、図8)。次に、第2の保護絶縁層15のSiNをドライエッチングし、電子放出部を開口する(図9)。
最後に、上部電極13膜の成膜を行う。この上部電極13の成膜法としては、例えばスパッタ成膜を用いる。上部電極13の材料は、例えばIr、Pt,Auの積層膜を用い、その膜厚は数nmとする。ここでは、5nmとした。成膜された薄い上部電極13は、第1の金属層26のCr膜、および第2の金属層27のAl−Nd膜と接触して給電される構造となる(図10)。
図11は、本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための前面パネルに設けるカラーフィルタの製造方法を説明する図である。前面パネルは、透明ガラス基板を好適とする前面基板110の主面にブラックマトリクス、カラーフィルタ、メタルバックを形成して構成される。
まず、表示画像のコントラストを上げるためのブラックマトリクス120を形成する。ブラックマトリクス120は、PVA(ポリビニルアルコール)と重クロム酸ナトリウムとを混合した溶液を前面基板110に塗布し、ブラックマトリクス120を形成したい部分以外に紫外線を照射して感光させた後、未感光部分を除去し、そこに黒鉛粉末を溶かした溶液を塗布し、PVAをリフトオフすることにより形成する。
次に、赤色蛍光体111を形成する。蛍光体粒子にPVA(ポリビニルアルコール)と重クロム酸アンモニウムとを混合した水溶液を前面基板110上に塗布する。その後、蛍光体を形成する部分に紫外線を照射して感光させ、未感光部分を流水等で除去する。このようにして赤色蛍光体(R)111をブラックマトリクスの開口内にパターン化する。このパターンは図11に示したようなストライプ状である。同様にして、緑色蛍光体(G)112と青色蛍光体(B)113を形成する。蛍光体としては,例えば赤色にY22S:Eu(P22−R),緑色にZnS:Cu,Al(P22−G),青色にZnS:Ag,Cl(P22−B)を用いることができる。
次いで、図示しないニトロセルロースなどで全面をフィルミングして平滑化した後、前面基板110全体にアルミニウム(Al)を膜厚75nm程度に蒸着してメタルバック114とする。このメタルバック114は加速電極(陽極)として働く。その後、前面基板110を大気中400℃程度に加熱してフィルミングの膜やPVAなどの有機物を加熱分解する。このようにして、表示側パネルである前面パネルが完成する。
図12は、前面パネルと背面パネルを貼り合わせて画像表示パネルとして一体化した状態を説明する断面図である。図12(a)は図11の緑色蛍光体の長手方向に沿って切断した断面を示し、図12(b)は図12(a)と直交する方向に沿って切断した断面を示す。
図11で説明した前面パネルと前記した電子源を設けた背面パネルとをスペーサ40を介し、周囲の枠(封止枠)116をフリットガラス115を用いて封着する。この封着は、フリットガラスペースト中に含まれる有機物のバインダを飛ばすため、およびガス置換などの設備、手間を省き低コスト化するため、大気中で行うのが好ましい。
前面パネルと背面パネル間の距離は1〜3mm程度になるようにスペーサ40の高さを設定する。図12(b)では、説明のために、R(赤),G(緑),B(青)に発光するドット毎に全てスペーサ40を植立しているが,実際は機械強度が耐える範囲で,スペーサ40の枚数(設置密度)を減らし、大体1cmおきに立てればよい。封着したパネルは,10-7Torr程度の真空に排気して封じ切る。
封じ切り後、ゲッターを活性化し、パネル内の真空を維持する。例えば、Baを主成分とするゲッター材の場合、高周波誘導加熱等によりゲッター膜を形成できる。又、Zrを主成分とする非蒸発型ゲッターを用いてもよい。
このように本実施例では、前面パネルと背面パネル間の距離は1〜3mm程度と長いので、メタルバック114に印加する加速電圧を3〜6KVと高電圧に出来る。したがって、上述のように、蛍光体には陰極線管(CRT)用の蛍光体を使用できる。
図13は、本発明の画像表示装置を構成する表示パネルの製造プロセスをまとめて示した流れ図である。
図15は、本発明の実施例1で作製した電子源であるMIMダイオードの一般的な電流密度−電圧曲線(I−V曲線)の説明図である。ダイオード電圧が閾値電圧Vt以下での電流を漏れ電流と定義する。閾値電圧以上での電流値はトンネル電流と定義する。漏れ電流は電子加速層(酸化膜)の閾値電圧以下の絶縁性を示すものであり低いほど良い。トンネル電流は閾値電圧以上での電子流通の容易性を示すものであり高いほど良い。
図16は、化成電流密度を変化させて作製したMIMダイオードの電子加速層表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察して得られた表面凹凸情報の説明図である。電子加速層を形成する下部電極はAl−Ndである。図16より、化成電流密度5μA/cm2(低電流密度)で化成した膜は15μA/cm2(高電流密度)で化成した膜と比較して表面凹凸の最大高さ(谷―山)Rz、二乗平均粗さRqは共に小さいことが分かる。
図17は、図16で作製したMIMダイオードの初期のI−V特性を説明する図である。図17によれば、高電流密度化成では漏れ電流値が半桁ほど高くなることが分かる。このことより、高電流密度化成膜は絶縁性が低いことが分かる。
図18は、高電流密度化成膜を用いたMIMダイオードを実駆動条件で1000時間程度駆動の前後でのI−V特性を説明する図である。図18より、長時間駆動後に閾値が変化量ΔVt1ほどシフトしたことが分かる。
図19は、低電流密度化成膜を用いたMIMダイオードを実駆動条件で1000時間程度駆動の前後でのI−V特性を説明する図である。図19より、長時間駆動後に閾値が変化量ΔVt2シフトしたことが分かる。
図18、図19の比較より、高電流密度化成膜は閾値の変動が大きいことが分かる。閾値の変動により、例えばダイオード電圧8Vでの電流値は0.2A/cm2程度低下する。MIMダイオードの電流値低下は電子放出量の減少に直結し、最終的にはFEDの輝度低下として現れる。
電子源として求められるMIMダイオードの電子放出特性は、許容できる輝度低下を考慮すると、その電子放出量の減少が画像表示装置の実駆動10万時間の条件下で30%以下であることが必要である。このことから、電子加速層を形成する下部電極(Al−Nd)を陽極酸化するための化成電流密度は10μA/cm2程度以下として、形成される電子加速層の表面凹凸の最大高さ(山―谷)Rzが23乃至25、二乗平均粗さRqが2.7乃至3.0となるようにする。これにより、効率のよい電子放出が実現され、高輝度かつ輝度むらを抑制した画像表示装置が実現できる。
なお、電子加速層の表面凹凸は、その下地膜となる下部電極(Al−Ndのスパッタ膜)の表面の形状に依存し、また当該下部電極の陽極酸化(電子加速層の形成)における化成電流密度を少なくするほど小さくなる。このため、電子加速層の表面凹凸の最小高さは、画像表示装置(その背面板)の製造プロセスのタクトタイムに応じた下部電極(スパッタ膜)の表面の平坦性(その実現し得る限界値)と、その陽極酸化における化成電流密度(電子加速層の形成に照らして許容されるその最小値)とで決まる。
図20は、本発明の画像表示装置の全体構造の一例を具体的に説明する一部破断して示す斜視図である。また、図21は、図20のA−A’線に沿って切断した断面図である。繰り返しの説明になるが、背面パネル100を構成する背面基板10の内面には信号線(電子源の下部電極を構成)11と走査線(電子源の上部電極を構成)13を有し、信号線11と走査線13の交差部近傍に電子源(図示せず)が形成されている。信号線11の端部には信号線引出線11Tが形成され、走査線13の端部には走査線引出線13Tが形成されている。
また、前記したように、前面パネル200を構成する前面基板110の内面にはブラックマトリクス120、陽極(メタルバック)114、蛍光体層111(112,113)が形成されている。背面パネル100を構成する背面基板10と前面パネル200を構成する前面基板110とは、その周縁に封止枠116を介在させて貼り合わされる。この貼り合わせた間隙を所定値に保持するため、背面パネル100と前面パネル200の間にガラス板あるいはセラミックス板を好適とするスペーサ40を植立させている。図21はこのスペーサ40に沿った断面を示す。図21には、走査線13の上に当該走査線13に沿って3枚のスペーサを示してあるが、これはあくまで一例である。
なお、背面パネル100と前面パネル200および枠ガラス116で密封された内部空間は、背面パネル100の一部に設けた排気管300から排気して所定の真空状態に維持される。このような表示パネルに駆動回路等を組み合わせて画像表示装置が構成される。
薄膜型電子源の動作原理をMIM型を例として説明する図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図2に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図3に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図4に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図5に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図6に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図7に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図8に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための背面パネルに設ける薄膜型電子源の製造方法を説明する図9に続く図である。 本発明の画像表示装置の実施例1を説明するための前面パネルに設けるカラーフィルタの製造方法を説明する図である。 前面パネルと背面パネルを貼り合わせて画像表示パネルとして一体化した状態を説明する断面図である。 本発明の画像表示装置を構成する表示パネルの製造プロセスをまとめて示した流れ図である。 陽極酸化膜を形成するための化成電流と電圧の関係を説明する図である。 本発明の実施例1で作製した電子源であるMIMダイオードの一般的な電流密度−電圧曲線(I−V曲線)の説明図である。 化成電流密度を変化させて作製したMIMダイオードの電子加速層表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察して得られた表面凹凸情報の説明図である。 図16で作製したMIMダイオードの初期のI−V特性を説明する図である。 高電流密度化成膜を用いたMIMダイオードを実駆動条件で1000時間程度駆動の前後でのI−V特性を説明する図である。 低電流密度化成膜を用いたMIMダイオードを実駆動条件で1000時間程度駆動の前後でのI−V特性を説明する図である。 本発明の画像表示装置の全体構造の一例を具体的に説明する一部破断して示す斜視図である。 図20のA−A’線に沿って切断した断面図である。
符号の説明
100・・・背面パネル、200・・・前面パネル、10・・・背面基板、110・・・前面基板、11・・・下部電極、12・・・電子加速層、13・・・上部電極、14・・・第1の保護絶縁層、15・・・第2の保護絶縁層、114・・・陽極、120・・・ブラックマトリクス、111,112,113・・・蛍光体、40・・・スペーサ。

Claims (4)

  1. 第1絶縁基板の平坦な主面の表示領域にマトリクス配列された多数の電子源を有する背面パネルと、
    第2絶縁基板の平坦な主面に前記電子源のそれぞれに対応した蛍光体と前記電子源から放射される電子束を加速して前記蛍光体に射突させる陽極を有する前面パネルと、
    前記背面パネルと前記前面パネルの周縁に介在して当該背面パネル及び前面パネルと共に真空容器を形成する封止枠と、
    前記背面パネルと前記前面パネルの間に植立されて、両パネルの間隔を所定値に保持するスペーサと、
    を備えた表示パネルで構成され、
    前記背面パネルを構成する第1絶縁基板は、
    前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、
    一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、
    前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けら前記電子源とを有し、
    前記電子源は、下部電極と電子加速層および上部電極とで構成され、
    前記下部電極は前記画像信号配線であり、前記電子加速層は前記画像信号配線の表面を陽極化成して形成された絶縁層で、その表面の凹凸の最大高さが23乃至25であり、前記上部電極は前記走査信号配線に接続された金属薄膜であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記下部電極はアルミニウム又はアルミニウムとネオジムの合金の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 第1絶縁基板の平坦な主面の表示領域にマトリクス配列された多数の電子源を有する背面パネルと、第2絶縁基板の平坦な主面に前記電子源のそれぞれに対応した蛍光体と前記電子源から放射される電子束を加速して前記蛍光体に射突させる陽極を有する前面パネルとを有し、
    前記第1絶縁基板に有する前記電子源が、下部電極と電子加速層および上部電極とで構成される画像表示装置の製造方法であって、
    前記第1絶縁基板の主面に下部電極を形成して、当該下部電極の表面に陽極酸化により該表面凹凸の最大高さを略23nm乃至25nmとした電子加速層を形成する工程を含むことを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  4. 前記陽極酸化のための化成電流密度を10μA/cm2以下の低電流密度とすることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016175251A1 (ja) * 2015-04-28 2016-11-03 株式会社Uacj 発振素子及び発振装置

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