本発明は、支払い金額の全額又はその一部の使い道(予算)を指定する、指定方法、指定システム、該指定方法を行うためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、該指定方法や指定システムを実現するために使用される装置および物品等、特に、それらを使用する支払方法や該指定方法や指定システムにより計算された金額についての支払方法に関するものである。
従来、支払は、その支払われた金額をどのように使用するかという予算指定なしに、行われてきた。つまり、一般に支払いは、支払いを行う側(クライアント:例えば、買い手、顧客、納税者、観客、入場者、乗客、支払者等)が、物品やサービス、税金等を、その物品、サービスに対する支払いを受領する側(支払受領者:例えば、販売者、製造者、サービス提供者、供給者、政府等)に、クライアントが支払う又は支払った金額をどのように使用するかという予算指定なしに行われてきた。これにより、支払受領者は、基本的に受け取った支払金額を自由に使用することができた。一方クライアントには、自分が支払受領者に支払った金額の使用について、自身の意思を反映させることが出来なかった。
支払者とクライアントが同一者でない場合、つまり、支払者に支払いを要求するクライアントがあり、支払者が支払受領者に支払いをする場合も、同様である。
解決しようする課題は、クライアントの意思を、支払受領者による支払金額の使用に反映させることができる支払い方法、支払いシステムを提供することである。特に、本発明は、支払い金額の全額又はその一部の使い道(予算)を指定する、指定方法、指定システム、該指定方法を行うためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、該指定方法や指定システムを実現するために使用される装置および物品等、特に、それらを使用する支払方法や該指定方法や指定システムにより計算された金額についての支払方法を提供することである。
本発明による予算指定方法は、処理部と、記憶部を備えるコンピュータを使用して、支払い受領者への支払いの少なくとも一部の使用について指定する予算指定方法であって、コンピュータへの、支払い受領者への支払いの金額に関する入力を受け付け、支払い受領者への支払いの金額に関する入力から、処理部により支払情報を作成する工程と、クライアントが選択可能な指定アイテムについての指定アイテム情報を、クライアントに提示する工程と、コンピュータへの、指定アイテム情報に含まれた指定アイテムから、被選択指定アイテムとして選択された指定アイテムに関する入力を受け付け、被選択指定アイテムに関する入力から処理部により被選択指定アイテム情報を作成する工程と、コンピュータへの、該被選択指定アイテムに対しての金額に関する指定に関する入力を受け付け、該被選択指定アイテムに対しての金額に関する指定に関する入力から、処理部により指定金額情報を作成する工程と、支払い情報と指定金額情報から、処理部により該被選択指定アイテムについての配分金額情報を、処理部により算出する工程と、配分金額情報を蓄積または合計することにより処理部により該被選択指定アイテムについての蓄積金額情報を算出する工程を含む。
上記構成により、クライアントの意思を、支払受領者による支払金額の使用に反映させることができる。特に、本発明は、従来の支払では、達成できなかった支払い金額の全額又はその一部の使い道(予算)を指定することを可能にする。
本発明の実施の形態および実施例を下記に説明する。なお、本発明は、下記の実施例および実施の形態により限定されるものではない。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1を説明する。図1は実施の形態1による支払いシステムの概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の支払いシステムには、コンピュータ10が備わっている。コンピュータ10には、入力部、処理部(制御部)、および記憶部が備えられている。コンピュータ10は、特に制限されず、どのようなコンピュータであってもよい。
クライアントは、物品やサービス等に対する支払いについての予算指定を行う者であり、通常、物品やサービス等を受ける側である。支払いをする者であるか否かについては、特に制限されないが、多くの場合、支払い者とクライアントは同一である。
本明細書においては、支払いをするものを、支払者と呼ぶ。クライアントは、支払者であることもあり、支払者に支払受領者(後述)に対する支払いを要求するものである。
支払受領者とは、支払者からの支払いを受けるものであり、多くの場合、物品やサービス等の提供者であるが、それに限定されない。
クライアントは、例えば、購入者、顧客、納税者、観客、入場者、乗客、支払者等である。支払受領者は、例えば、販売者、製造者、サービス提供者、供給者、政府等である。
背景技術で述べたように、物品、サービス、支払義務等に対する支払いは、従来、予算指定なしに行われており、従来の支払いにおいては物品、サービス、支払義務等に対して支払われた金額を、支払受領者は、クライアントの意思を考慮せずに、どのようにも使うことができた。
本発明においては、支払いは予算指定付きの支払いでる。予算指定とは、クライアントに、支払金額(これから支払われる金額、ルーティン的に支払っている金額、今現在支払う金額、または、過去に支払った金額)の一部ないし全部についての使い道を指定させることをさせる、または許すことである。
まず、予算指定において使用される情報について説明する。
(1)支払情報とは、クライアントまたは支払者が支払受領者に、将来支払う金額、ルーティン的に支払っている金額、今現在支払う金額、または、過去に支払った金額についての情報である。支払い金額であれば、物品やサービスに対する対価であっても、税金、罰金、利子等であってもよい。通貨についても制限はなく、同一通貨を使用する場合であっても、二つ以上の通貨を使用する場合であっても本発明を実施することができる。
(2)指定アイテム情報とは、指定アイテム(クライアントが選択できる、予算指定の目的物としての選択肢)についての情報である。(指定アイテムについては、後述する)
(3)被指定アイテム情報とは、選択(指定)された指定アイテム(被選択指定アイテム)についての情報である。(被選択指定アイテムがない場合も、被選択指定アイテムがないということが、被指定アイテム情報である。)
(4)指定金額情報とは、支払い金額のうちのどれだけ(額、割合、点数、票等)が、ある指定アイテム向けに配分するように指示されたかを示す情報である。金額や支払金額中の割合であってもよいし、票や点数等、金額を直接表さないものであってもよい。また、上記金額や割合については、上限や下限、範囲を設けてもよい。なお、指定金額も金額だけでなく、予算指定された、割合や票、または、点数を意味する。
(5)支払い認証情報とは、支払い件についての認証情報である。支払い件の認証を可能にするものであれば、どのようなものであってよく、例えば、製品番号、レシート番号、チケット番号であってもよいし、日付や席番号等の情報の組み合わせであってもよい。どのような形態であるかについても特に制限はなく、印刷されたID番号(数字、記号、文字、およびそれらの組み合わせ)、バーコード、QE(クイックリスポンス)コードであってもよいし、ICタグ等を使用した電子的形態であってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。
(6)クライアント認証情報とは、クライアントについての認証情報である。クライアントの認証を可能にするものであれば、どのようなものであってよく、例えば、通常、身分証明に使用する認証情報(ID番号、運転免許書番号、納税者番号、保険書番号、学生番号、等)であってもよく、そのほか、クライアントの識別を可能にする情報(電話番号、住所、Eメールアドレス、クレジットカード番号、バイオメトリック情報)やクライアント自身または第三者により設定された所謂ID番号やパスワードであってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。バイオメトリック情報としては、指紋、顔面、網膜、虹彩、音声、DNA、手のひら等の血管の成す形状、掌紋等を使用することができる。
(7)配分金額情報とは、どれだけの金額が、ある指定アイテムに配分されたかを示す情報である。
(8)蓄積金額情報とは、ある指定アイテムに配分された金額の合計を示す情報である。
ここで、指定アイテムとは、予算指定の目的物としての選択肢であり、クライアントが選択できるものである。どのようなものを指定アイテムとするかについては、特に制限がなく、支払受領者、支払者、クライアント、および/または第三者により適宜設定できるものであり、通常複数であるが、単数であってもよい。
実施の形態1は、支払い情報と被指定アイテム情報が、直接コンピュータ10に入力される場合について説明する。指定プロセスについてのフローチャートである図2を参照して、指定について下記に説明する。
まず、処理部(支払情報作成手段)により、支払い情報を作成する(ステップ1(これよりステップはSと省略する)。支払い情報は、入力された支払金額から作成されるが、支払い金額についてのデータをどのように入力するかについては、特に制限はない。本実施の形態では、入力部を介して金額についてのデータをコンピュータ10に入力する。
次に、指定アイテム情報を、クライアントに提示する(S2)。S2をどのように行うかについては、特に制限はない。例えば、表示装置や表示部の画面上に表示されてもよいし、紙などに印刷して示されてもよい。指定アイテム情報を参照して、クライアントは、一つ、複数、または全部の指定アイテムを選択する(または、全てを選択しない)。ここで、選択された指定アイテムを被選択指定アイテムと呼ぶ。さらに、クライアントは、支払い金額のどれだけ(一部、または、全て)を、被選択指定アイテムに配分するか決定する。金額や支払金額中の割合であってもよいし、票や点数等、金額を直接表さないものであってもよい。また、上記金額や割合については、上限や下限や範囲を設けてあってもよい。(もし、すべての指定アイテムが選択されなかった場合は、予算指定はないことになる。)
なお、S1とS2の順番は、これに限定されず、逆の順番でもよい。
次に、被選択指定アイテム情報と、指定金額情報を作成する(S3、S4)。選択指定アイテムと、指定された金額がコンピュータ10に入力され、その入力された選択指定アイテムと指定された金額より、処理部(被選択指定アイテム情報作成手段、指定金額情報作成手段)を使用して、被指定アイテム情報と、指定金額情報が作成されるが、選択指定アイテムと、指定された金額をどのように入力するかについては、特に制限はない。本実施の形態では、入力部を介して金額についてのデータをコンピュータ10に入力する。
支払い金額のどれだけが被選択指定アイテム向けに指定されているのかという情報(つまり、指定金額情報)は、実際の金額、割合や、金額を算出することが可能な様々な方法により、表現することができる。
支払い情報と指定金額情報により、どれだけの金額が各被選択指定アイテムに割り当てられたか(配分金額)を、処理部(配分金額情報作成手段)を使用して算出し、配分金額情報を作成する(S5)。下記に、配分金額情報の作成に使用される式の例を挙げるが、本発明は、下記の式に限定されるものではなく、支払い情報や指定金額情報の種類等により、適宜任意の式を使用して、配分金額情報を作成すればよい。
例えば、指定金額情報が、割合で示されている場合、下記の式から配分金額情報を作成することができる:
配分金額 = 支払い金額×割合 (式1)
また、例えば、指定金額情報が、金額で示されている場合、下記の式から配分金額情報を作成することができる:
配分金額 = 指定された金額 (式2)
指定金額情報は、例えば、点数や票など、直接的に金額を示さないが、クライアントの決定に基づき支払受領者が、配分金額を算出できる形態であってもよい。
また、指定金額の総額は、支払い受領者により設定されている、もしくは、将来設定され、クライアントに許されるのは、指定アイテムの選択のみという構成であってもよい。((それゆえ、指定金額情報の代わりに指定金額総額情報が使用される。この場合、S4は省略され、指定金額総額情報は、予めもしくは将来コンピュータ10の記憶部に記憶され、該指定金額総額情報を用いて、例えば上記式より、配分金額情報を作成する。)
指定金額情報が、点数(例えば、10点中の何点というような点数)であり、指定金額情報が、支払受領者により設定されている場合、例えば、下記のような計算式により、配分金額情報を作成することができる:
配分金額 = 指定金額総額 ×(点数÷総点数)(式3)
このようにして算出した配分金額を示す配分金額情報より、処理部(蓄積金額情報作成手段)は、指定アイテム毎に蓄積金額情報を作成し、記憶部に記憶させる(S6)。つまり、このようにして算出した配分金額を示す配分金額情報は、処理部(蓄積金額情報作成手段)と記憶部により、指定アイテム毎に蓄積(合計)される。
このようにして、ある特定の事柄および/または、特定の期間についての、指定アイテム毎の蓄積金額情報が作成される。蓄積金額情報によって示された金額に基づいた金額が、各指定アイテムに対して支払われる。
指定金額情報が、例えば、点数や票など、直接的に金額を示さないが、クライアントの決定に基づき支払受領者が、配分金額を算出できる構成では、上記のような計算のほか、下記のような計算であっても、最終的に蓄積金額情報を作成することができる。
例えば、指定金額情報が、点数であった場合を考える。クライアントが指定しうる点数は、支払い金額に応じて、増減するとする。この場合、支払い金額に指定アイテム毎の配分金額情報を作成するのではなく、指定アイテム全てに対しての予算の総額(指定アイテム予算総額情報と呼ぶ)、総点数、および各指定アイテムが得た点数により、例えば、下記の計算式から各指定アイテムの蓄積金額情報を作成することができる:
蓄積金額情報=指定アイテム予算総額 ×(点数÷総点数) (式4)
コンピュータ10には、特に制限はなく、パーソナルコンピュータであっても、メインフレーム等のさらに高機能なコンピュータであってもよい。サーバとして機能するものであってもよい。また、複数設けられて、処理を分担して行ってもよい。
入力部は、クライアント(ユーザ)の入力を受けることが可能なものであれば、どのようなものでもより、通常使用される入力装置であればよく、特に限定されない。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、スキャナ等であってもよい。
記憶部は、上記または他の実施の形態において説明される工程を実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、該プログラムを展開するRAM(Ran-dom Access Memory)等を備えていてもよいし、上記プログラムや各種情報を格納するメモリ等の記録装置(記録媒体)などを備えていてもよい。
各部および手段は、RAMやROMに格納された、または、ネットワークを介して供給されたプログラムのプログラムコードを処理部(例えばCPU;演算部、制御部)により実行することで実現される機能ブロックであってもよい。また、工程の処理一部を実行するハードウェアと、ハードウェアが行う処理以外の工程の処理とハードウェアの制御を実行する処理部(例えばCPU;演算部、制御部)の組み合わせた構成としても、本発明を実現できる。
次に、実施の形態1による具体例を説明する。本実施例では、野球の試合の場合を説明する。
ここで、クライアントは、野球の試合の観客であり、支払い者でもある。支払い受領者は、野球チームである。
チケット売り場には、コンピュータ10が備えられている。支払い受領者は、クライアントに野球の試合のチケットを、例えば、3000円で販売するとする。3000円という支払い金額が入力部を介してコンピュータ10に入力され、コンピュータ10の処理部により、支払い情報が作成される。コンピュータ10の表示部の画面には、複数の指定アイテムが表示される。本実施例では、指定アイテムは、両チームの選手の名前、監督の名前、勝利投手、ベストプレイ、補強、等である。クライアントは、一人の選手を被選択指定アイテムとして選択する(選手Aとする)。ここで、指定金額は、パーセントで示され、その上限は10%とする。クライアントは、10%を指定金額として選択する。被選択指定アイテムが選手Aであるということと、指定金額が10%であるということが、入力部を介してコンピュータ10に入力され、この入力から処理部が被選択指定アイテム情報(選手A)と指定金額情報(10%)を作成する。計算式(1)により、処理部は、配分金額が300円だと算出し、配分金額情報(選手A向けに300円)を作成し、記憶部に保持する。
該クライアント(クライアント1)のほかに、3人のクライアント(クライアント2ないし4)が選手Aを指定したとする(表1参照)。この他の3人のクライアントの指定についての配分金額情報も同様に作成され、記録部に記録される。処理部は、記録部から配分金額情報を読み出して合計し、選手Aについての蓄積金額情報を作成する。
ここで、他の3人のクライアントの中には、選手A以外の指定アイテムを指定したクライアントもおり、選手A以外の指定アイテムについても、同様に蓄積金額情報が作成される(表1参照)。
このようにして、クライアントによる、支払い受領者の予算についての指定が行われる。これにより、各クライアントは、自らの支払いにより深い満足を感じることができ、また、クライアントは部分的にではあるが、野球チームの運営に参加することができる。よって、その野球チームや選手に対してより愛着を感じることができる。また支払い受領者にとって、本発明は、ファンを獲得する手段として使用することも可能であり、例えば、予算指定に基づいた契約を選手と結ぶことも可能である。
〔実施の形態2〕
実施の形態2では、実施の形態1からの変形例を説明する。本実施の形態では、支払いについての認証が行われる。説明の簡略化のため、実施の形態1と同様の部材や工程については、同様の参照番号を付し、その説明は省略し、実施の形態1との違いについて説明する。
説明の簡略化のため、実施の形態1と同様の部材や工程については、同様の参照番号を付し、その説明は省略し、実施の形態1との違いについて説明する。
実施の形態2では、支払い情報が支払い認証情報と関連付けされた状態でコンピュータ10の記憶部に記憶されている(S1a)。支払い情報の入力は、実施の形態1と同様にして行なわれてもよいし、別の用途の支払金額についての情報を流用してもよい。支払い認証情報の入力も、同様である。支払い情報は、これから支払われる支払金額についてであっても、支払われた金額であってもよい。S1aは、下記のS2やS3、S4の後に行われてもよい。
S2やS3、S4は実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。S3aにおいて、支払い認証情報が、入力部を介して、コンピュータ10に入力される。
ステップA(SA)において、処理部(支払い認証部)により、入力された支払い認証情報と、記憶部に記憶された支払い認証情報との照合を行う。もし、入力された支払い認証情報と照合する支払い認証情報が記憶部に記憶されていないなら、処理部は、その旨を通知し、S3aをやり直すか指定プロセス自体を中止するか問う。(通知の方法や中止するか否かについての問い合わせは、例えば表示部を介して行う。)入力された支払い認証情報と照合する支払い認証情報が記憶部に記憶されているなら、処理部はこの支払い認証情報を参照して、支払い情報を記憶部より読み出す。S5やS6については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
ここで、支払い認証情報と関連づけて被選択指定アイテム情報や指定金額を記憶部に記憶してもよい。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、実施の形態1の変形例である。実施の形態2との違いは、支払い認証情報ではなく、クライアント認証情報が使用される点である。
説明の簡略化のため、実施の形態1や実施の形態2と同様の部材や工程については、同様の参照番号を付し、その説明は省略し、実施の形態1や実施の形態2との違いについて説明する。
実施の形態3においては、S1やS3、S4は実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
実施の形態3においては、被選択指定アイテムの入力は下記のようにして行う。ステップB1(SB1)において、被選択指定アイテムがコンピュータ10に入力され、被選択指定アイテム情報が処理部(被選択指定アイテム情報作成部)により、作成される。ステップB2(SB2)において指定金額がコンピュータ10に入力され、指定金額情報が、処理部(指定金額情報作成部)により、作成される。ステップB3(SB3)において、クライアント認証情報が入力される。本実施の形態では、上記入力操作は、入力部を介して、コンピュータ10に入力されるが、これに入力操作は、これに限定されない。また、実施の形態1で述べるたように、指定金額情報は、支払い受領者により設定されていてもよく(つまり、クライアントが指定金額情報を設定しない構成であってもよく)、その場合、SB2は省略される。
ステップCにおいて、被選択指定アイテム情報と指定金額情報、または被選択指定アイテム情報のみが、クライアント認証情報に関連付けして、コンピュータ10の記憶部に記憶される。
ステップD(SD)において、クライアント認証情報がコンピュータ10に入力され、処理部(支払い情報関連付け手段)によりS1において作成された支払い情報と関連付けされる。上記入力操作は、入力部を介して、コンピュータ10に入力されるが、これに入力操作は、これに限定されない。
ステップB1からステップB3までの工程は、この順番で行われなくてもよい。ステップB1からB4の工程は、S1やSDの工程の前に行われても後に行われてもよい。
ステップE(SE)において、処理部(クアイアント認証部)により、入力されたクライアント認証情報と、記憶部に記憶されたクライアント認証情報との照合を行う。もし、入力されたクライアント認証情報と照合するクライアント認証情報が記憶部に記憶されていないなら、処理部は、その旨を通知し、SB3をやり直すか指定プロセス自体を中止するか問う。(通知の方法や中止するか否かについての問い合わせは、例えば表示部を介して行う。)入力されたクライアント認証情報と照合するクライアント認証情報が記憶部に記憶されているなら、処理部はこのクライアント認証情報を参照して、被選択指定アイテム情報と指定金額情報、または被選択指定アイテム情報を記憶部より読み出す。S5やS6については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
〔変形例〕
ここで、各実施の形態の変形例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
情報の入力に関しては、各実施の形態は必要な入力は、入力部を介して直接コンピュータ10に入力することで行われる構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、必要な情報を外部記憶部に記憶させ、この記憶部より読み出すようにしてもよい。
また、必要な入力は、間接的にコンピュータ10に入力することで行われてもよい。例えば、コンピュータ10にネットワークを介して接続された(有線または無線接続された)端末20に対して入力し、該端末20からコンピュータ10に必要な情報を送信するような構成であってもよい。
端末20は、コンピュータ10との送受信を行う通信部、入力に使用される入力部、情報の処理や作成を行う処理部と、情報を記憶する記憶部を備えている。さらに、端末20は、情報を表示する表示部を備えていてもよい。また、端末20は、情報を読み取る読取部を備えていてもよい。
端末20は、例えば、携帯電話、コンピュータ(パーソナルコンピュータ等)、携帯情報端末、支払に使用される機器(例えば、キャッシャ、切符販売機、自動改札機、自動販売機等)や、コンピュータ1とネットワークを介して通信可能な機器(例えば、テレビ、ゲーム機等)であるが、これに限定されず、何らかの方法で入力可能で、コンピュータ1と通信可能であるものであればよい。
端末20により、情報作成に必要な事項の入力を、入力部を介して行い、処理部により、コンピュータ1の処理部同様に、情報を作成し、情報を、通信部を使用して、ネットワークを介して送信する。この場合、コンピュータ1も通信部を備えている。
また、配分金額情報作成までの指定プロセスを端末20により行い、このようにして作成した配分金額情報をコンピュータ1に送信し、コンピュータ1により、その後の工程を行い、蓄積金額情報を作成する構成としてもよい。(この場合の配分金額情報作成までの手順は、上記に説明したものと同様であるので、その説明は省略する。)
この場合、端末20は、それぞれ別の被選択指定アイテムに対する配分金額に関する複数の配分金額情報を作成し、それをコンピュータ1に送信するような構成であってもよい。
また、端子20は、ある指定アイテムについての、配分金額情報を小計する構成としてもよい。つまり、その端子20が関する、同一の指定アイテムについての配分金額情報を記憶部に記憶しておき、そのように記憶した複数の配分金額情報を、処理部(小計金額情報作成手段)を使用して、読み出し、小計し、その小計に関する情報(小計金額情報)を作成し、その小計金額情報を、通信部を使用して、ネットワークを介して、コンピュータ1に送信する構成としてもよい。この場合、コンピュータ1は、小計金額情報を、通信部を使用して受信し、配分金額情報同様の処理を行い、蓄積金額情報を作成する。
配分金額情報や小計金額情報を端末20において作成し、端末20よりコンピュータ1に送信する構成では、上記情報の算出に関する支払いの支払い情報も、支払い認証情報と関連付けされた状態で、また端末20よりコンピュータ1に送信するのがこの好ましい。これにより、どの支払いがこの配分金額情報や小計金額情報に関するのか、コンピュータ1側で知ることができる。この場合、コンピュータ1では、支払い認証情報と関連付けされた状態で記憶部に記憶されているか、支払い認証情報と関連付けされた状態で、別ルートで供給された支払い情報と、端末20より支払い認証情報と関連付けされた状態で送信された支払い情報の照合を行うこともできる。
情報の記憶は、外部の記憶装置や、記憶媒体、および/または他のコンピュータを使って行うこともできる。
配分金額情報や蓄積金額情報は、二つ以上のコンピュータを使用して算出することもできる。例えば、配分金額情報と蓄積金額情報の算出を別々のコンピュータで行うようにしてもよい。
情報の送受信において、情報は暗号化されていてもよい。この場合、端末20には、暗号化部(暗号化手段)が、コンピュータ10には複合化部(複合化手段)が設けられている。その他、通常の情報のリークを防止するいかなる方法を適応してもよい。
コンピュータ10は、各部(手段)を制御する制御部が設けられているとしてもよい。該制御部は、上記処理部であってもよい。また、端末20には、制御部が設けられているとしてもよい。該制御部は、上記処理部であってもよい。
コンピュータ10と端末20の接続は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、このような接続ではなく、記録媒体を使用して情報を送ることも可能である。
ネットワークとしては、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN,IDSN,VAN,CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網、専用回線、等であってもよい。伝送媒体についても特に限定されない。
実施例2では、野球の試合を例に挙げる。実施例2において、予算指定は、コンピュータ10と接続された端末20を使用して行われる。実施例2では、説明の簡略化のため、実施例1との違いのみを説明し、同様の構成については、その説明を省略する。
クライアント(野球の試合の観客は)チケットを購入している。該チケットは実施例1同様、3000円のチケットである、実施例2における支払い認証情報として使われるチケット番号を持つ。携帯電話2を使い、インターネットを介してコンピュータ10にアクセスし、指定アイテム情報を得る。
クライアントが選択した指定アイテム(被選択指定アイテム)とクライアントが3000円の内どれだけをこの被選択指定アイテム向けに予算指定するかを端末20の入力部を介して入力する。(ここでは、クライアントは選手Aを選択し、10%を予算指定するとする。予算指定の上限は10%とする。)この入力から、端末20の処理部は被選択指定アイテム情報と指定金額情報を作成する。また、チケット番号が、支払い認証情報として、端末20の入力部を介して入力される(ここでは、チケット番号は3000400とする)。
被選択指定アイテム情報と指定金額情報、および支払い認証情報が、それぞれの通信部を使って、端子20からコンピュータ10に送信される。
コンピュータ10において、支払い情報は予め支払い認証情報と関連付けられた状態で、例えば表2のように、記憶部に記憶されているものとする。(本発明はこれに限らず、支払い認証情報と関連付けられた支払い情報の記憶部への記憶は、被選択指定アイテム情報と指定金額情報、および支払い認証情報の送信の前、後、または同時であってもかまわない。また、例えば、他のコンピュータや外部記憶部等の支払い情報記憶手段に記憶されており、必要に応じて、コンピュータ10に送信される構成または、コンピュータ10が支払い認証情報を支払い情報記憶手段に送信し、支払い情報記憶手段において照合を行う構成であってもよい)
表2を参照し、コンピュータ10の処理部は、支払い認証情報(チケット番号3000400)に対応した支払い情報(3000円)を検索する。
この後の手順は実施例1と同様であり、その説明を省略する。
このようにして、クライアントによる、支払い受領者の予算についての指定が行われる。これにより、各クライアントは、自らの支払いにより深い満足を感じることができ、また、クライアントは部分的にではあるが、野球チームの運営に参加することができる。よって、その野球チームや選手に対してより愛着を感じることができる。また支払い受領者にとって、本発明は、ファンを獲得する手段として使用することも可能であり、例えば、予算指定に基づいた契約を選手と結ぶことも可能である。
実施例3は、納税(例えば、所得税、消費税等の支払い)に本発明を適応した場合について、説明する。ここで、クライアントは納税者であり、政府が支払い受領者である。クライアント認証情報は、納税者番号とする。
実施例のシステムの構成は、実施例2と同様であり、詳細な説明は省略する。コンピュータ10は支払い受領者である政府に属し、端末2は納税者であるクライアントに属する。
クライアントは、自身の税金のうちどれだけを自身が選択した指定アイテム向けに予算指定するか決定する。ここで、指定金額については、上限50%と仮定する。
例えば、クライアントは下記のように予算指定をする:教育に10%、福祉に20%、科学振興に10%、防衛費に5%、防犯対策に5%。
他の実施例同様、クライアントは、被選択指定アイテムと予算指定の割合を、入力部を介して端末20に入力する。この入力から、端末20の処理部は被指定アイテム情報と指定金額情報を作成する。通信部を介して、端末20の処理部は被選択指定アイテム情報と指定金額情報をコンピュータ10に送信する。クライアント認証情報(納税者番号)も同様に端末20に入力され、処理部により、コンピュータ10に送信される。
コンピュータ10において、被選択指定アイテム情報と指定金額情報は、クライアント認証情報と関連付けられた状態で、記憶部に記憶される。
ここで、クライアントには所得に掛けられる所得税(直接税)と消費に掛けられる消費税(間接税)の二種類の税金が掛けられているとするが、本発明はこれに限定されず、どのような税金でもよいし、例えば、罰金であってもよい。
まず、所得税の場合について説明する。所得税の納付の際に、クアイアント認証情報が政府に通知される。この通知されたクライアント認証情報により、コンピュータ10の処理部は、記憶部から被選択指定アイテム情報と指定金額情報を検索する。所得税の納付額が支払い情報であり、コンピュータ10に入力される。この被選択指定アイテム情報と指定金額情報および支払い情報により、配分金額情報と蓄積金額情報が、上記実施の形態において説明したように、算出される。
一方、消費税の場合には、物品の購入、役務に対する支払い等に際し、クライアントは自身のクライアント認証情報を、販売者、サービス提供者等に通知する。通知の方法については、特に限定はなく、例えば、販売者、サービス提供者等の端末30に手動で入力してもよいし、電子的に入力してもよい。端末30は例えば、キャッシャ、自動販売機、自動切符販売機、自動改札機、等の支払い受領に使用される機器である。電子的な入力では、例えば電子的な読取が可能なカード(例えば、クレジットカード)、ICを備えたカード(ICカード、電子マネーカード等)、や表示装置を備えた携帯電話等を使用してもよい。端末30には必要に応じてこれらからの読取を行う手段(読取部、読取手段)が備えられている。ここでは、キャッシャを例に説明する。端末30は、例えば、インターネットを介して、コンピュータ10と接続されている。
端末30は、通常行われる方法により、物品の購入等によって生じた、クライアントが支払う消費税を算出する。このようにして算出された消費税は、支払い情報として処理部により、端末30の通信部を介して、例えば、インターネットを介して、コンピュータ10に送信される。
端末30に入力されたクライアント認証情報は、処理部により、例えば、インターネットを介して、端末30の通信部を介して、コンピュータ10に送信される。
そして、このようにして送られてきたクライアント認証情報により、コンピュータ10の処理部は、記憶部から指定アイテム情報と指定金額情報を検索する。このようにして読み出した指定アイテム情報と指定金額情報により、コンピュータ10の処理部は、上記実施の形態のようにして、各指定アイテムについての、配分金額情報と蓄積金額情報を作成する。
政府は、この蓄積金額情報に基づいた予算を作成することができる。これにより納税者の意思がより強く反映した予算により政府の運営を行うことが出来る。また、従来、予算作成は政治的な意味合いが強いものであったが、本発明の構成によれば、予算作成はより民意に近いものになる。
実施例4では、物品の購入、役務に対する支払い等に本発明を適応した場合について説明する。ここで、物品の販売者または役務の提供者が支払い受領者であり、物品の購入者または役務の受領者がクライアントである。図11は、実施例4の概略構成を説明する説明図である。
ここでは、支払い受領者が提供する指定アイテムは、例えば、献金、テレビコマーシャルに出演している俳優、支払い受領者が運営するスポーツチーム、等とする。
クライアントは、支払い認証情報が付された物品または役務につき支払いをする。ここで、支払い認証情報は、例えば、製品番号、レシート番号等である。
ここで、端末20は、コンピュータとインターネットを介して接続されたコンピュータとする。クライアントは、上記実施の形態や他の実施例のように、被選択指定アイテムを端末20に、入力部を介して入力し、入力された被選択指定アイテムより、端末20の処理部が被選択指定アイテム情報を作成し、通信部を使い、インターネットを介して、コンピュータ10に送信する。クライアントは、同様に、支払い認証情報を、端末20に、入力部を介して入力し、端末20の処理部が支払い認証情報を、通信部を使い、インターネットを介して、コンピュータ10に送信する。ここでは、支払い受領者により、指定金額情報が設定されているとする。
コンピュータ10では、上記実施の形態や他の実施例のように、支払い認証情報に関連付けされた状態で支払い情報が、記憶部に記憶されている。コンピュータ10の処理部は、支払い認証情報により、記憶部を検索し、該支払い認証情報に対応する支払い情報を読み出す。このようにして読み出された支払い情報と、受信した被選択指定アイテム情報、支払い受領者により設定された指定金額情報から、コンピュータ10の処理部は配分金額情報と蓄積金額情報を作成(算出)する。このように算出された蓄積金額情報に基づき、各指定アイテムに対する支払いが行われる。
これにより、支払い受領者は、自身が販売する物品または提供する役務につき、顧客の更なる関心を集めることができる。特に献金や宣伝活動の効果を高めることができる。また、各指定アイテムに対する支払いが、実際の収入に基づいてなされるので、支払い受領者にとり、これらに対する支払いが容易になる。
本発明の予算指定方法は、処理部と、記憶部を備えるコンピュータを使用して、支払い受領者への支払いの少なくとも一部の使用について指定する予算指定方法であって、コンピュータへの、支払い受領者への支払いの金額に関する入力を受け付け、支払い受領者への支払いの金額に関する入力から、処理部により支払情報を作成する工程と、クライアントが選択可能な指定アイテムについての指定アイテム情報を、クライアントに提示する工程と、コンピュータへの、指定アイテム情報に含まれた指定アイテムから、被選択指定アイテムとして選択された指定アイテムに関する入力を受け付け、被選択指定アイテムに関する入力から処理部により被選択指定アイテム情報を作成する工程と、コンピュータへの、該被選択指定アイテムに対しての金額に関する指定に関する入力を受け付け、該被選択指定アイテムに対しての金額に関する指定に関する入力から、処理部により指定金額情報を作成する工程と、支払い情報と指定金額情報から、処理部により該被選択指定アイテムについての配分金額情報を、処理部により算出する工程と、配分金額情報を蓄積または合計することにより、処理部により該被選択指定アイテムについての蓄積金額情報を算出する工程を含む予算指定方法である。
本発明の予算指定方法は、上記構成において、コンピュータは入力部を備え、処理部により支払情報を作成する工程、被選択指定アイテム情報を作成する工程、および指定金額情報を作成する工程において、コンピュータへの入力は、入力部を介して行われるように構成されていてもよい。
本発明の予算指定方法は、上記構成において、コンピュータは通信部を備え、端末とネットワークを介して通信可能なように接続されており、処理部により支払情報を作成する工程、被選択指定アイテム情報を作成する工程、および指定金額情報を作成する工程において、コンピュータへの入力は、通信部を介して、端末より支払情報、被選択指定アイテム情報、および指定金額情報を送信することにより行われるように構成されていてもよい。
本発明の予算指定システムは、上記の予算指定方法のいずれかを行うことを可能にする構成となっている。
本発明のプログラムは、上記の予算指定方法のいずれかを行うことを可能にする構成となっている。
本発明のプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されていてもよい。上記記録媒体(および本明細書で記載した記録媒体)としては、例えば、磁気テープやカセットテープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R、光ディスク、ICカード(メモリーカードを含む)、光カード、マスクROM,EPROM,EEPROOM,フラッシュROM等の様々な記録媒体を使用することができる。
本発明の支払方法は、上記予算指定方法のいずれかの方法により算出した蓄積金額情報に少なくとも一部基づいて支払い金額を決定する支払い方法である。
本発明の物品の販売方法、またはサービスの提供方法は、上記予算指定方法のいずれかの方法において支払情報の検索を可能にする支払認証情報を物品またはサービスに付した構成である。該支払認証情報は、支払情報と関連付けられた状態でコンピュータに記録される。支払認証情報を物品またはサービスに付す方法には、特に限定はなく、直接であっても間接的に付してあっても(例えば、レシートに付してあっても)よい。
端末については、特に限定されず、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyp―hone System(登録商標))、PDA(Personal Digital Assistants)、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、テレビ放送受信機、ゲーム機などを端末として使用することができる。
尚、最良の形態の項においてなした具体的な実施の形態および実施例は、あくまでも、本発明の技術内容の理解を助けるために具体的に述べられているものであって、本発明は、これらにのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。本発明は、上記に説明された技術内容の本質的な内容および添付の特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
本発明の実施の形態1の概略構成を説明する説明図である。
本発明の実施の形態1の予算指定プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
10 コンピュータ
20 端末
30 端末