JP2007046512A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷機始動時の冷却ファンの連れ回りと、粘性流体の高熱化による劣化を防止し得る内燃機関の冷却装置を提供する。
【解決手段】従動プーリ1と、ファンカップリング機構2と、従動プーリの回転速度を減速して駆動軸に伝達可能な減速機構4とを備えている。減速機構は、従動プーリから回転力が伝達される遊星歯車装置15と、該遊星歯車装置15のサンギア18の回転速度を制御する電磁クラッチ17とを備え、冷機始動時に遊星歯車装置を介して駆動軸の回転速度を減速させて、作動室内の残留シリコンオイルによる冷却ファンの連れ回りを防止する。一方、機関が所定回転以上になった際にも、遊星歯車装置によって駆動軸を減速制御して、シリコンオイルの熱的劣化を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車用内燃機関の冷却装置、とりわけ、内燃機関を冷却ファンやファンカップリング機構を介して冷却する冷却装置に関する。
この種の従来の自動車用内燃機関の冷却装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この従来の冷却装置は、自動車のエンジンルームの前端側に設けられたラジエータを冷却するファンカップリング機構を備え、このファンカップリング機構は、内燃機関のクランク軸で回転駆動される駆動軸と、該駆動軸にベアリングを介して相対回転自在に支承されたハウジングと、前記ハウジング内を貯留室と作動室とに隔成すると共に、これら貯留室と作動室を連通する連通孔を有する仕切板と、前記作動室内に配置されて、前記駆動軸に固着されたロータと、前記ロータの前後に2つ配置形成され、該ロータの回転を前記ハウジングに伝達するラビリンス状のトルク伝達部と、前記連通孔をハウジング周囲の雰囲気温度に応じて開閉して、前記貯留室から作動室に流入するシリコン粘性流体などの粘性流体の流量を調整するバルブ機構とを備えている。
したがって、前記ハウジング周囲の雰囲気温度が低い場合には、前記バルブ機構により、前記連通孔を塞いで粘性流体が貯留室から作動室へ流入するのをカットし、これによって前記各トルク伝達部への粘性流体の供給を規制し、ロータからハウジング側への伝達トルク量を低下させて、冷却ファンを停止あるいは低速で回転させるようになっている。
一方、ハウジング周囲の雰囲気温度が高い場合には、前記バルブ機構により、前記連通孔を開いて、多量の粘性流体を貯留室から作動室に供給し、ここからさらにトルク伝達部に供給して、ロータからハウジング側への伝達トルク量を増大させて、冷却ファンを高速で回転させて、前記ラジエータを十分に冷却するようになっている。
特開2002−115547号公報
前記従来の冷却装置は、前述のように、冷却ファンの回転を粘性流体のトルク伝達部への流量だけで制御して粘性流体の粘度に応じて制御するようになっていることから、場合によって不必要となる冷却ファンの無駄な回転を防止することが困難である。
本発明は、前記従来の内燃機関の冷却装置の技術的課題に鑑みて案出されたものであって、請求項1に記載の発明は、内燃機関から回転力が伝達される従動部材と、雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を電気的に減速制御可能な減速機構と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、内燃機関から伝達された回転力に対して冷却ファンを回転させる必要がない場合には、前記ファンカップリング機構内の粘性流体の粘性に拘わらず、減速機構によってファンカップリング機構から冷却ファンへの回転を電気的に減速制御する。
このため、冷却ファンの不必要な回転を十分に防止することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、内燃機関から回転駆動力が伝達される従動部材と、雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記内燃機関の始動時に前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を減速する減速機構と、を備えたことを特徴としている。
例えば内燃機関の冷機始動時に、ファンカップリング機構内のトルク伝達部に残留した粘性流体によって冷却ファンが連れ回りを起こすおそれがあるが、この発明では、かかる連れ回りを起こすような状態時には、減速機構によって従動部材からファンカップリング機構への回転伝達量を小さくすることが可能になる。
これによって、ファンカップリング機構が減速回転することから、トルク伝達部に粘性流体が残留していても、冷却ファンの連れ回りを十分に防止することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、内燃機関から回転駆動力が伝達される従動部材と、雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記内燃機関の高回転時に前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を減速する減速機構と、を備えたことを特徴としている。
ファンカップリング機構内の粘性流体の粘度によって回転力を冷却ファンに伝達する場合に、該粘性流体のせん断力は所定以上に大きくなることはなく自ずと限界があるので、内燃機関の高回転時には、そのまま冷却ファンには所定以上の回転力が伝達されにくくなる。したがって、従動部材と冷却ファンとの間において互いの相対回転量が多くなって、かかる相対回転した分が粘性流体の摩擦による熱エネルギーに変換されてしまい、この熱エネルギーによって前記粘性流体が熱劣化を起こしやすくなる。
そこで、本発明によれば、減速機構によって前記従動部材と冷却ファンとの相対回転量を減少させることが可能になるため、摩擦による熱エネルギーの発生を十分に抑制することができる。
これによって、前記粘性流体の熱的劣化を極力防止することが可能になる。この結果、粘性流体によるトルク伝達効率の低下を防止できる。
以下、本発明に係る内燃機関の冷却装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示し、この冷却装置は、内燃機関のクランク軸で回転駆動される従動部材である従動プーリ1と、内部を流動する粘性流体であるシリコンオイルOを介して前記従動プーリ1の回転を冷却ファン3に伝達するファンカップリング機構2と、前記従動プーリ1とファンカップリング機構2への回転伝達速度を電気的に減速可能な減速機構4とを備えている。
前記従動プーリ1は、ほぼ円筒状に形成されて、内周側に円筒部1aを有すると共に、外周にクランク軸から回転駆動力が伝達されるタイミングベルトが巻回される巻回部1bを有している。また、軸方向の内端側には円板状のプレッシャプレート1cが一体に設けられている。また、この従動プーリ1は、後述する電磁クラッチ17の外周にボールベアリング16を介して回転自在に支持されている。
前記ファンカップリング機構2は、図1に示すように、前記減速機構4に連結された回転入力部である駆動軸5と、該駆動軸5にベアリング6を介して相対回転自在に支承されたハウジング7と、該ハウジング7内を貯留室8と作動室9とに隔成しかつ外周側に貯留室8と作動室9を連通するほぼL字形の連通孔10が貫通形成された円板状のドリブンホィール11と、前記作動室9内に配置されて、前記従動プーリ1に固着された駆動ロータ12と、該駆動ロータ12とドリブンホイール11の各外周部の前後に配置形成され、該駆動ロータ12の回転を前記ハウジング7に伝達するラビリンス状のトルク伝達部13と、前記連通孔10をハウジング7周囲の雰囲気温度に応じて開閉して、前記貯留室8から作動室9に流入するシリコンオイルOの流量を調整するバルブ機構14とを備えている。
前記ハウジング7は、前記ベアリング6によって駆動軸5に支承されたハウジング本体7aと、該ハウジング本体7aの前面側にボルトによって取付けられたカバー部材7bとから構成されている。
前記カバー部材7bは、内周側に前記貯留室8を構成するための円形状の凹部を有し、該凹部の外周側に有するフランジ部に、前記作動室9から貯留室8にシリコンオイルOを戻す図外の戻し通路が設けられている。
前記トルク伝達部13は、図1に示すように、前記作動室8内において前記ドリブンホィール11の外周部及びカバー部材7bの外周部一側(作動室9側)に設けられた同心円状の複数の環状凸部13aと、該複数の環状凸部13a間の複数の円環状ラビリンス溝内に噛合させた状態で前記駆動ロータ12に設けられた同心円状の複数の環状凸部13bとによって構成されている。また、このトルク伝達部13は、少なくともその一部が前記貯留室8の内周面よりも内周側に位置するように配置されている。
前記バルブ機構14は、前記連通孔10を開閉するバルブプレート14aと、該バルブプレート14aを駆動する渦巻状のバイメタル14bとから構成されている。このバイメタル14bは、カバー部材7bの前面中央部に取り付けられて、回転軸14cを介してバルブプレート14aと連結されている。
そして、ハウジング7の周囲の雰囲気温度が上昇するとバイメタル14bが伸長して、回転軸14cを介してバルブプレート14aを一方向に回動させて連通孔10を開成してシリコンオイルOを作動室9内に流入させる一方、雰囲気温度が低下すると、バルブプレート14aを他方向に回動させて連通孔10を閉成するようになっている。
前記減速機構4は、前記従動プーリ1の円筒部1aの内部に配置された遊星歯車装置15と、内燃機関のシリンダブロックBに固定された電磁クラッチ17とを備えている。
前記遊星歯車装置15は、中央に位置したサンギア18と、キャリア20に支持されつつ外周の歯部が前記サンギア18に噛合した3つのプラネタリギア19と、該各プラネタリギア19の外周側から噛合したリングギア21とを備えている。
前記サンギア18は、後述する電磁クラッチ17のヨーク24に有する環状突起の内周面にボールベアリング26により回転自在に支持されていると共に、該ボールベアリング26を介して軸方向へ僅かに移動可能になっている。
前記各プラネタリギア19は、前記キャリア20の一端部を介して前記フランジ部5aに連結されており、このキャリア20の他端部には、円盤状のスプリングリテーナ22が設けられている。
前記リングギア21は、一端側が前記スプリングリテーナ22に弾持された3つの圧縮スプリング23のばね力によって前記従動プーリ1のプレッシャプレート1cの内周部に軸方向から圧接されて連係している。
前記電磁クラッチ17は、前記シリンダブロックBに固定されたヨーク24と、該ヨーク24の内部に保持された電磁コイル25とを備え、該電磁コイル25に図外の電子コントローラからの出力された制御電流を通電することによってヨーク24を励磁して、前記サンギア18を吸引することにより、該サンギア18の回転力にブレーキ力を作用させるようになっていると共に、スプリングリテーナ22もヨーク24によって吸引されることにより、スプリング23の押付け方向のばね力が低下してリングギア21とキャリア20との間に相対速度が発生する。これによって、駆動軸5には、従動プーリ1の回転力が各プラネタリギア19によって所定の比率で減速されて伝達されるようになっている。
一方、前記電磁コイル25への通電が遮断されてヨーク24が消磁された場合には、前記サンギア18の自由な回転が許容され、かつスプリング23のばね力によりリングギア21とキャリア20が固定されて、リングギア21とキャリア20が同一速度で回転して、前記駆動軸5に前記従動プーリー1の回転が1:1の割合で伝達されるようになっている。
前記電子コントローラは、機関回転数や吸入空気量、スロットルバルブ開度、冷却水温、エンジンオイルの油温などの各情報信号を入力して、前記電磁コイル25に通電し、あるいは通電を遮断するようになっている。
すなわち、内燃機関の冷却水の温度が低温状態(冷機状態)での始動時などの場合は、電磁コイル25に通電して、サンギア18を吸引して回転制動を行う一方、エンジンオイルの温度が所定以上の高温になると、電磁コイル25への通電を遮断してサンギア18に対する吸引を解除して回転制動を解除するようになっている。
また、内燃機関の回転速度が所定以上になった場合には、前述と同じく前記電磁コイル25に通電してサンギア18を吸引して回転制動を行い、駆動軸5の回転速度を減速する制御を行うようになっている。
以下、本実施形態の作用について説明する。まず、前述のように、機関の冷機始動時には、電子コントローラからの通電によって電磁クラッチ17が作動してサンギア18を吸引すると、該サンギア18が前記ボールベアリング26に対するスラスト力によって摩擦抵抗が発生して回転速度が減速される。
このため、駆動軸5は、遊星歯車装置15によって回転速度が減速される。つまり、従来では従動プーリ1からの回転力が駆動軸5にダイレクトに同一回転比率で伝達されるが、本実施形態では、遊星歯車装置15によって、駆動軸5自体の回転速度が大きく減速される。
このため、ファンカップリング機構2の作動室9内の残留シリコンオイルOによるトルク伝達部13でのトルク伝達が低減されることから、ハウジング7及び冷却ファン3の連れ回りが十分に抑制できる。
この結果、かかる冷機始動時における冷却ファン3の無用な回転が防止されると共に、機関の暖機性能の低下を防止することが可能になる。
一方、車両の通常運転になり、内燃機関の冷却水温度とエンジンオイルの温度が所定以上になった場合には、電子コントローラから電磁コイル25への通電が遮断されて、サンギア18の吸引を解除する。このため、駆動軸5は、遊星歯車装置15を介して従動プーリ1の回転と同一比率で高速回転する。と同時に、ファンカップリング機構2のハウジング7の雰囲気温度の上昇に伴ってバイメタル14bを介してバルブプレート14aが作動して、連通孔10を開成する。これによって、貯留室8内のシリコンオイルOが作動室9内に流入して、該シリコンオイルOによるトルク伝達部13でのトルク伝達が行われ、ハウジング7を介して冷却ファン3が高回転してラジエータを効果的に冷却する。
さらに、内燃機関の回転速度が所定以上の高回転になった場合は、前記冷機始動時と同じく電磁コイル25に通電され、これによってサンギア15を介して従動プーリ1から伝達された駆動軸5の回転速度が減速される。このため、前記ファンカップリング機構2のシリコンオイルOの温度を低減させて、過度な温度上昇を抑制することが可能になる。
すなわち、従来のように、従動プーリ1の回転力が駆動軸5へダイレクトに伝達される場合には、駆動軸5の回転速度(図2のa線)に対する冷却ファン3の回転速度(b線)は、所定回転数(Q)までは同一比率となるが、駆動軸5が所定回転以上になると、シリコンオイルOによるトルク伝達部13での滑り、つまりスリップ現象によって冷却ファン3はそれ以上追随することなく一定の回転数となり、回転伝達力が一定になる。
このため、前記トルク伝達部13でのシリコンオイルOの摩擦熱によって、該シリコンオイルOが図2のc線で示すように発熱上昇して、温度限界線Xよりも高い温度(X1)になってしまう。この結果、シリコンオイルOが熱劣化を起こして、トルク伝達効率の低下を招いてしまうおそれがある。
つまり、前記シリコンオイルOのせん断力は所定以上に大きくなることはなく自ずと限界があるので、内燃機関の高回転時には、そのまま冷却ファン3には所定以上の回転力が伝達されにくくなる。したがって、従動プーリ1と冷却ファン3との間において互いの相対回転量が多くなって、かかる相対回転した分がシリコンオイルOの摩擦による熱エネルギーに変換されてしまい、この熱エネルギーによって前記粘性流体が熱劣化を起こしやすくなる。
これに対して、本実施形態では、従動プーリ1が所定回転以上になると、前述のように、前記遊星歯車機構15によって駆動軸5の回転が減速されることから、トルク伝達部13でのシリコンオイルOを介したスリップによる大きな摩擦力の発生が抑制される。このため、熱エネルギーの上昇が抑制されて、発熱量は図2の斜線で示す領域のみとなる。このため、シリコンオイルOの温度は、図2のc線で示すように、温度限界線Xよりも十分に低い温度(X2)となる。
この結果、シリコンオイルOの熱劣化の発生が防止されて、トルク伝達効率の向上が図れる。
図3は本発明の第2の実施形態を示し、従動プーリ1によって回転駆動される伝達シャフト30と前記駆動軸5との間に、ワックスを用いた減速機構31が設けられている。
この減速機構31は、ほぼ円筒状のハウジング32と、ハウジング32内に充填され、加熱すると自身の粘性が変化するワックス33と、ハウジング32内に設けられて、ワックス33を電気的に加熱する加熱機構34とから構成されている。
前記ハウジング32は、一端開口がリアカバー32aによって閉塞されていると共に、他端開口が駆動軸5の端部に有するフランジ部5aによって閉塞されている。また、前記リアカバー32aのほぼ中央に、前記伝達シャフト30の先端部30aをハウジング32内に挿通配置する挿通孔32bが穿設されている。
前記ワックス33は、加熱されると粘度が低下し、非加熱状態で粘度が高くなる性質を有し、その粘度によって伝達シャフト30から駆動軸5への回転力を伝達し、あるいは回転伝達を減速する機能を発揮するようになっている。
前記加熱機構34は、ハウジング32の内部に伝達シャフト30の先端部30aを所定隙間をおいて取り囲むように配置された円環状のヒータ部34aと、図外のスリップリングを介して前記ヒータ部34aと電子コントローラとを電気的に接続するハーネス34bとから構成されている。
前記電子コントローラは、第1の実施形態のものと同様な構成であって、機関水温が所定以下の場合には、ヒータ部34aへ通電してワックス33を加熱して、この粘性を低下させる一方、機関の通常運転時には、ヒータ部34aへの通電を遮断してワックス33の加熱を停止させ、これによって粘性を高くするようになっている。
また、機関が所定回転以上になると、前記ヒータ部34aへ通電してワックス33の粘度を低下させるようになっている。
したがって、この実施形態では、前記第1の実施形態と同様に、例えば冷機始動時には、ヒータ部34aに通電されてワックス33を加熱することにより、該ワックス33の粘性を低下させる。このため、従動プーリ1、つまり伝達シャフト30から駆動軸5への回転速度が減少して、ファンカップリング機構2の作動室9内のシリコンオイルOによるハウジング7の連れ回りを十分に抑制することが可能になる。
これにより、冷却ファン3の無用な回転が防止されて、機関の暖機性能の低下を防止できる。
一方、機関の暖機運転が完了して、通常の運転域に移行して冷却水温度が高くなると共に、ハウジング7の雰囲気温度が高くなると、電子コントローラからヒータ部34aへの通電が遮断される。このため、ワックス33の粘度が高くなる。これによって、伝達シャフト30から駆動軸5への回転力がほぼ同一比率で伝達される。
と同時に、ファンカップリング機構2のバルブプレート14aがバイメタル14bを介して開作動して、貯留室8内のシリコンオイルOを作動室9内に流入させるため、トルク伝達部13によって駆動軸5の回転力がハウジング7に伝達されて、冷却ファン3を高回転で回転させる。これによって、ラジエータを介して機関を効果的に冷却する。
また、伝達シャフト30が所定回転以上になると、前述のように、ヒータ部34aに通電されてワックス33の粘度が低下して駆動軸5の回転が減速されることから、トルク伝達部13でのシリコンオイルOを介したスリップによる大きな摩擦力の発生が抑制される。このため、熱エネルギーの上昇が抑制されて、シリコンオイルOの温度は、図2のc線で示すように、温度限界線Xよりも十分に低い温度(X2)となる。
この結果、シリコンオイルOの熱的劣化の発生が防止されて、トルク効率の低下を防止できる。
また、他の実施形態としては、内燃機関の始動前であってイグニッションスイッチがオンされた時に、前記減速機構4によって前記従動プーリ1から駆動軸5への回転伝達量を減少させる制御を行うことも可能である。
このように、イグニッションスイッチをオンさせてスターターモータを始動させた時点では、減速機構4が従動プーリ1からファンカップリング機構2の駆動軸5への回転伝達量を減少させる制御を行うため、冷却ファン3の連れ回りを確実に防止することが可能になる。
また、前記各実施形態では、内燃機関の回転数を制御条件として用いることにより、ファンカップリング機構2内の粘性流体の温度を所定以下に抑制することが可能になる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、冷機始動時には、ワックス33を介して駆動軸5への回転伝達をほぼ零状態にすることも可能であり、また、駆動軸3への回転伝達制御を機関の運転状態に応じてさらに多種に変化させることも可能である。
また、減速機構としては、前記遊星歯車装置15やワックス33を媒体するもの以外の機構によって構成することも可能である。
さらに、前記第2実施形態のワックス33に代えて電磁力によって粘性を変化させる磁性流体などを用いることが可能である。
また、前記各実施形態では、減速機構4,31による回転減速制御を冷機始動時と機関の所定以上の回転時の両方のときに行うようになっているが、必ずしも両方である必要がなく、一方の場合のみの減速制御を行うようにしてもよい。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1) 前記減速機構は、前記従動部材からファンカップリング機構の回転入力部への回転伝達量を小さくした状態と、前記従動部材とファンカップリング機構の回転入力部とを連結した状態とを切り換えるように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置。
請求項(2) 前記減速機構は、前記従動部材からファンカップリング機構の回転入力部へ回転伝達しない状態と、前記従動部材とファンカップリング機構の回転入力部とを連結した状態とを切り換えるように制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の冷却装置。
例えば、内燃機関の冷機始動時には、冷却ファンを回転させる必要がないので、減速機構によって内燃機関の回転力をファンカップリング機構から冷却ファンに伝達しない制御を行う。これによって、機関冷機始動時の冷却ファンの連れ回りを防止することができる。
請求項(3) 前記減速機構は、内燃機関の低温時に前記従動部材からファンカップリング機構の回転入力部への回転伝達量を小さくなるように制御し、内燃機関の高温時に前記従動部材とファンカップリング機構の回転入力部とを連結するように制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
この発明によれば、冷却ファンの回転は内燃機関の温度変化に依存するため、減速機構による切換制御を内燃機関の状態に合わせて行うことが可能になる。この結果、冷却ファンの不必要な回転を防止することができる。
請求項(4)前記減速機構は、内燃機関の回転数が所定回転以下では、前記従動部材とファンカップリング機構の回転入力部とを連結し、内燃機関の回転数が所定以上となった場合には、前記従動部材からファンカップリング機構の回転入力部への回転伝達量を減少させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
内燃機関の回転数が所定回転以上となった場合には、ファンカップリング機構内の粘性流体の摩擦による伝達に限界があるため、前記粘性流体の温度が上昇していると推定できる。
そこで、この発明では、内燃機関の回転数を制御条件として用いることにより、ファンカップリング機構内の粘性流体の温度を所定以下に抑制することが可能になる。
請求項(5)前記減速機構は、内燃機関の回転数が所定以下で、かつ内燃機関の低温時に、前記減速機構を従動部材からファンカップリング機構の回転入力部への回転伝達量を減少させ、内燃機関の回転数が所定以下で、かつ、内燃機関の高温時に前記減速機構を前記従動部材と前記回転入力部とを連結すると共に、
内燃機関の回転数が所定以上となった場合に、前記減速機構を前記従動部材から前記回転入力部への回転伝達量を減少させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
この発明によれば、内燃機関の低回転時には、減速機構を内燃機関の温度変化によって切り換え作動させ、内燃機関の高回転時には回転伝達部への回転伝達量を減少させるようにしたため、内燃機関の始動時において冷却ファンの不要な連れ回りを防止できると共に、内燃機関の高回転時のファンカップリング機構内の粘性流体の温度上昇を防止することができる。
請求項(6)内燃機関の始動前であってイグニッションスイッチがオンされた時に、前記減速機構を前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を減少させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の冷却装置。
イグニッションスイッチをオンさせてスターターモータを始動させた時点では、減速機構が従動部材からファンカップリング機構の回転入力部への回転伝達量を減少させる制御を行うことによって、冷却ファンの連れ回りを確実に防止することが可能になる。
請求項(7)内燃機関から回転力が伝達される従動部材と、
雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、
前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、少なくとも前記ファンカップリング機構への回転伝達量が変更可能な温度範囲と異なる温度範囲において温度によって回転伝達量を変更可能な伝達機構と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
請求項(8)前記伝達機構は、電気的に制御されることを特徴とする請求項(7)に記載の内燃機関の冷却装置。
請求項(9)前記伝達機構は粘性を有する液体を介して回転力が伝達され、粘性抵抗を電気的に変更するように構成したことを特徴とする請求項(8)に記載の内燃機関の冷却装置。
請求項(10)前記伝達機構は、温度によって粘度が変化するワックスを介して回転力を伝達し、該ワックスを電気的に温度制御することを特徴とする請求項(9)に記載の内燃機関の冷却装置。
本発明に係る内燃機関の冷却装置の第1の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本実施形態の駆動軸の減速制御による冷却ファンの回転速度とシリコンオイルの温度の変化を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1…従動プーリ(従動部材)
2…ファンカップリング機構
3…冷却ファン
4…減速機構
5…駆動軸(回転入力部)
7…ハウジング
8…貯留室
9…作動室
10…連通孔
13…トルク伝達部
14…バルブ機構
15…遊星歯車装置
17…電磁クラッチ

Claims (3)

  1. 内燃機関から回転力が伝達される従動部材と、
    雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、
    前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記従動部材から前記回転入力部への回転伝達量を電気的に減速制御可能な減速機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 内燃機関から回転駆動力が伝達される従動部材と、
    雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、
    前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記内燃機関の始動時に前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を減速する減速機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 内燃機関から回転駆動力が伝達される従動部材と、
    雰囲気温度に応じて流動する粘性流体の粘性により、前記従動部材の回転を回転入力部を介して冷却ファンに伝達するファンカップリング機構と、
    前記従動部材とファンカップリング機構の前記回転入力部との間に設けられ、前記内燃機関の高回転時に前記従動部材から回転入力部への回転伝達量を減速する減速機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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