JP2003156072A - マグネット式ファンクラッチ装置 - Google Patents

マグネット式ファンクラッチ装置

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JP2003156072A JP2001357318A JP2001357318A JP2003156072A JP 2003156072 A JP2003156072 A JP 2003156072A JP 2001357318 A JP2001357318 A JP 2001357318A JP 2001357318 A JP2001357318 A JP 2001357318A JP 2003156072 A JP2003156072 A JP 2003156072A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネットカップリングのクッションスター
ト性がより改善され、ファン騒音の大幅軽減、慣性力の
低減による電磁クラッチの小型軽量化、エンジン回転速
度の低下防止がはかられるマグネット式ファンクラッチ
装置の提供。 【解決手段】 固定軸に取付けられた電磁クラッチと、
該電磁クラッチと連動するマグネットカップリングとか
ら構成されたマグネット式ファンクラッチ装置におい
て、導体と永久磁石とのギャップを電磁クラッチOFF
時に永久磁石の磁界による吸引力がほとんど生じない程
度に大きく設定すると共に、該導体を弾性体を介して前
記駆動軸に前後動可能に弾性支持し、前記電磁クラッチ
がONされた時前記導体が弾性作用により永久磁石側に
緩やかに吸引されてスムースな立上がり特性が得られる
ように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に車両用内燃機
関に適用される冷却ファンを回転制御する低騒音のマグ
ネット式ファンクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用内燃機関などに適用される冷却フ
ァンを回転制御するファンクラッチとしては、液体ファ
ンクラッチ、油圧駆動式ファンクラッチなどがある。液
体クラッチとしては、トルク伝達室に供給された油によ
って駆動ディスクの駆動トルクをケースに伝達する方式
のものが一般的であり、その構造は例えば、密封ケース
内を仕切り板によってトルク伝達室と油溜り室とに区分
し、トルク伝達室内に駆動ディスクを駆動部の駆動によ
って回転自在に設け、油溜り室の油を仕切り板に形成し
た流出調整孔からトルク伝達室に供給し、トルク伝達室
の油を循環路により油溜り室に戻すようにした構造のカ
ップリング装置(液体クラッチ)が知られている(特公
昭63−21048号公報等参照)。この種の液体クラ
ッチによると、油溜り室からトルク伝達室に供給される
油によって駆動ディスクの駆動トルクがケースに伝達さ
れ、ケースに取付けられたファンが回転し、例えば自動
車用エンジンのラジエーターの冷却が行われる。また、
この種の液体クラッチは、バイメタルによって雰囲気温
度を検出し、この温度が上昇すると流出調整孔の開度を
増加させてトルク伝達室内の油量を増加させ、ケースの
回転数を上げ、ファンを高速度で回転し冷却効果を上げ
るようにしている。
【0003】しかしながら、前記の液体ファンクラッ
チ、油圧駆動式ファンクラッチには以下に記載する問題
点がある。すなわち、液体ファンクラッチはトルク伝達
室内に油が多量に存在している状態においてエンジン再
始動をする時または運転中の急加速時に、駆動側の駆動
ディスクの加速に追随してトルク伝達室内に多量に存在
する油により被駆動側のケース(冷却ファン)も短時間
ではあるが回転の急上昇を引起こす。この現象は一般に
は“つれ廻り”現象と言われ、ファン騒音やそれに伴う
不快感を生じ、かつ燃費も高くなる。
【0004】従来の液体ファンクラッチにおけるエンジ
ン再始動の際の“つれ廻り”現象は、トルク伝達室内の
油量が多い程顕著に現れる。この問題を解決する手段と
して、例えば特公昭63−21048号公報には、仕切
板の流出調整孔から流出する油をいったん直径方向の反
対側に導き、そこからトルク伝達室内に供給するように
したものが提案されている。
【0005】このような構造は、トルク伝達室内に油が
ほとんどなく油溜り室内に多量の油が存在している時に
エンジンが停止した場合、油が油溜り室からトルク伝達
室へ流入しないためエンジン再始動時に“つれ廻り”現
象が発生することはない。しかし、トルク伝達室内に多
量の油が存在している状況でエンジン停止した場合の再
始動時や、運転中の急加速時における“つれ廻り”現象
の防止には効果がなかった。
【0006】一方、油圧駆動式ファンクラッチ装置の場
合は任意回転数に制御できるが、オイルリザーバータン
ク、油圧配管類、オイルクーラー、リリーフバルブ等の
油圧機器が必要であり、多くのスペースを必要としかつ
高価であった。
【0007】そこで、本発明者は、マグネットカップリ
ングと電磁クラッチを一体化することによって、構造の
簡易化と低コスト化をはかったマグネット式ファンクラ
ッチ装置を先に提案した(特願2000−32076
4)。このマグネット式ファンクラッチ装置は、マグネ
ットカップリングと電磁クラッチとが組合され、ファン
がマグネットカップリング側に取付けられたもので、具
体的には、例えば駆動軸または固定軸に支承された励磁
コイル内蔵のクラッチロータと、アーマチュアとからな
る回転可能な電磁クラッチと、外周にファンが取着され
た永久磁石回転体および該永久磁石と僅かなギャップを
隔てて対向するごとく配置したヒステリシス材または導
体を有し、前記永久磁石とヒステリシス材または導体間
に働く吸引作用により当該永久磁石回転体と前記円板が
一体に回転する仕組みとなしたマグネットカップリング
とから構成され、前記電磁クラッチにより前記マグネッ
トカップリングがON/OFF制御される仕組みとなし
たものである。このような構成のマグネット式ファンク
ラッチ装置の場合は、電磁クラッチの励磁コイルに通電
(ON)するとアーマチュアが吸引されてクラッチロー
タに吸着し該クラッチロータとアーマチュアおよび、円
板または従動側ハウジングが一体に回転することによ
り、マグネットカップリングによりファンが回転する仕
組みとなしたもので、電磁クラッチをON/OFFさせ
ることによりファン回転をコントロールすることができ
ること、電磁クラッチは冷却水温、スロットル開度、エ
ンジンの回転速度、エアコンスイッチに連動させてON
/OFF制御するので、精度よくかつ安定してファン回
転を制御することができる等の優れた効果を奏する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が先に提案し
たこの種のマグネット式ファンクラッチ装置は、前記効
果に加えて、電磁クラッチの励磁コイルに通電(ON)
するとアーマチュアが吸引されてクラッチロータに吸着
し該クラッチロータとアーマチュアおよび、円板または
駆動側ハウジングが一体に回転することにより、マグネ
ットカップリングによりファンが回転する時、マグネッ
トカップリングは、永久磁石の磁力により回転トルクを
伝達しているためスリップしてクッションスタートとな
るため、電磁クラッチがONに入った時負荷が小さく、
マグネットカップリングのないファンクラッチ装置に比
べファン騒音を著しく低減できるという効果が得られ
る。しかるに、先に提案したマグネット式ファンクラッ
チ装置の場合は、永久磁石とヒステリシス材または導体
間のギャップが最初から正規の最小ギャップに設定され
ているため、常に永久磁石の磁界内にヒステリシス材ま
たは導体が完全に入った状態にることから、電磁クラッ
チをONした瞬間、導体側が急激に回転を始めるためフ
ァン騒音が比較的大きく、またエンジンの回転速度が低
下するという問題が発生する。
【0009】本発明は、上記した問題を解決するために
なされたもので、ヒステリシス材または導体の支持手段
の改善および永久磁石とのギャップの調節によって、ク
ッションスタート性のより優れたマグネット式ファンク
ラッチ装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマグネット
式ファンクラッチ装置は、マグネットカップリングと電
磁クラッチとが組合され、ファンがマグネットカップリ
ング側に取付けられたマグネット式ファンクラッチ装置
であって、固定軸に軸受装置を介して回転可能に支承さ
れたクラッチロータ内に励磁コイルが設けられ、さらに
前記固定軸に軸受装置を介して回転可能に支承された駆
動側ハウジングと、該駆動側ハウジングに取着されたア
ーマチュアとから構成された電磁クラッチと、前記駆動
側ハウジングと一体構造の駆動軸に、ファンが取着され
た従動側ハウジングが軸受装置を介して回転自在に支承
され、かつ前記従動側ハウジングの永久磁石と僅かなギ
ャップを隔てて対向するヒステリシス材または導体が前
記駆動軸に取付けられ、前記永久磁石とヒステリシス材
または導体間に働く吸引作用により当該従動側ハウジン
グと前記円板が相対回転する仕組みとなしたマグネット
カップリングとから構成され、前記電磁クラッチにより
前記マグネットカップリングがON/OFF制御される
仕組みとなしたマグネット式ファンクラッチ装置におい
て、前記ヒステリシス材または導体と永久磁石とのギャ
ップを電磁クラッチOFF時に永久磁石の磁界による吸
引力がほとんど生じない程度に大きく設定すると共に、
該ヒステリシス材または導体を弾性体を介して前記駆動
軸に前後動可能に弾性支持し、前記電磁クラッチがON
された時前記弾性支持されたヒステリシス材または導体
が磁気作用と弾性作用により前記永久磁石側に緩やかに
吸引されてスムースな立上がり特性が得られるように構
成したことを特徴とするものである。また、前記ヒステ
リシス材または導体の弾性支持手段として、前記駆動軸
に固着した円板に複数個の板バネを介して該ヒステリシ
ス材または導体を取着する方式、またはヒステリシス材
または導体を有する円板を前記駆動軸にコイルバネまた
は皿バネ、あるいはゴムを介して取着する方式を用いる
ことを特徴とするものである。
【0011】本発明において、ヒステリシス材または導
体を弾性支持する方式を採用し、かつヒステリシス材ま
たは導体と永久磁石間のギャップを電磁クラッチOFF
時にヒステリシス材または導体と永久磁石間に永久磁石
の磁界による吸引力が生じない程度に大きく設定(正規
の最小ギャップより大きく設定)したのは、電磁クラッ
チON時のクッションスタート性をより改善するためで
ある。すなわち、ヒステリシス材または導体を弾性支持
すると共に、永久磁石間のギャップを電磁クラッチOF
F時に磁界による吸引力が生じない程度に大きく設定し
た場合には、電磁クラッチがONされた時ヒステリシス
材または導体と永久磁石に発生する相対回転によりヒス
テリシス材または導体内にうず電流が発生し、その磁気
作用で生じる吸引力により、弾性支持されているヒステ
リシス材または導体が永久磁石側に緩やかに吸引される
ので、電磁クラッチON時、ファン側(永久磁石側)は
急にON回転に移行することなしにスムーズな立上がり
特性を示し、これにより急激なファン騒音を防止できる
ためである。その後、ヒステリシス材または導体と永久
磁石間のギャップが正規の最小ギャップになると、ヒス
テリシス材または導体が永久磁石の磁界内に入ることに
よりON回転に必要なトルクが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るマグネット式
ファンクラッチ装置の一実施例を示す縦断側面図、図2
は図1のイーイ矢視図、図3は図1に示すマグネット式
ファンクラッチ装置におけるヒステリシス材または導体
と永久磁石との関係を示したもので、(A)は電磁クラ
ッチOFF時の状態を示す説明図、(B)は電磁クラッ
チONN時の状態を示す説明図、図4は本発明に係るマ
グネット式ファンクラッチ装置におけるヒステリシス材
または導体の弾性支持手段を例示したもので、(A)は
コイルスプリングによる弾性支持手段を示す要部縦断側
面図、(B)は皿バネによる弾性支持手段を示す要部縦
断側面図、(C)はコムによる弾性支持手段を示す要部
縦断側面図、図5は本発明のマグネット式ファンクラッ
チ装置のファン回転特性を前記した先願のマグネット式
ファンクラッチ装置と比較して示す図であり、1は固定
軸、2は電磁クラッチ、3はマグネットカップリング、
4は駆動側ハウジング、5は駆動軸、6は従動側ハウジ
ング、7は永久磁石、8は導体、9はバックプレート、
10は板バネ、11はコイルスプリング、12は皿バ
ネ、13はゴム製リング、14は軸受装置、15はファ
ン、16はボルト、17、17′は円板、18はスプラ
イン機構、19はナット、20はバネ座である。
【0013】図1に示すマグネット式ファンクラッチ装
置は、固定軸1側に設けた電磁クラッチ2と駆動軸5側
に設けたマグネットカップリング3および、電磁クラッ
チ2とマグネットカップリング3間に配設した駆動側ハ
ウジング4とから構成されており、その電磁クラッチ2
は、固定軸1に軸受装置14を介して回転可能に支承さ
れたプーリ2−1a付きクラッチロータ2−1と、この
クラッチロータ2−1内に設けられて固定軸1に背面板
2−1bを介して取付けられた励磁コイル2−2と、固
定軸1に外嵌され前記クラッチロータ2−1の前面に固
着されたアーマチュア2−3とから構成されている。ま
た、前記駆動側ハウジング4には、アーマチュア2−3
とステーター4−1が取付けられている。2−4はバネ
である。
【0014】また、マグネットカップリング3は、固定
軸1に軸受装置14を介して回転可能に支承された駆動
側ハウジング4に該固定軸1と同軸線上に突設した駆動
軸5に軸受装置14を介して回転自在に支承した従動側
ハウジング6にファン15が取付けられ、前記従動側ハ
ウジング6に装着された永久磁石7と所望のギャップを
隔てて対向する導体(もしくはヒステリシス材)8を有
するバックプレート9が、前記駆動軸5の先端にボルト
16に取着された円板17に複数(ここでは3個)の板
バネ10を介して取付けられ、前記永久磁石7と導体8
間に働く渦電流による吸引作用により当該従動側ハウジ
ング6と前記導体8が相対回転するごとく構成され、か
つ板バネ10を介して円板17に取付けられた導体8が
永久磁石7側に前後動可能に弾性支持された構造となし
ている。ここで、永久磁石7と導体8間のギャップは、
図3に示すように電磁クラッチ2がOFFの時最大とな
り、電磁クラッチ2がONの時は最小となるように設定
し、かつ導体8を弾性支持する板バネ10は、アイドル
時の相対回転で導体8中に発生するうず電流の磁気作用
により生ずる永久磁石7の吸引力より弱いバネ力を有す
るものを用いる。すなわち、前記したごとくエンジンが
アイドル回転時には、永久磁石7による磁界にて導体8
が影響を受け、アイドル時の相対回転で導体8中にうず
電流が発生し、その磁気作用で板ばね10のバネ力に抗
する吸引力が生じて永久磁石7と導体8が引き合うよう
になっている。
【0015】上記図1に示す構成のマグネット式ファン
クラッチ装置において、プーリ2−1aを介してクラッ
チロータ2−1が回転している状態において、電磁クラ
ッチ2をONすると、クラッチロータ2−1内に設けら
れた励磁コイル2−2により、駆動側ハウジング4に固
着されているステーター4−1とアーマチュア2−3が
クラッチロータ2−1に吸着し、該クラッチロータ2−
1とアーマチュア2−3および駆動側ハウジング4が一
体に回転する。この駆動側ハウジング4が回転すると、
該駆動側ハウジング4に突設している駆動軸5に設けた
マグネットカップリング3によりファンが回転する。す
なわち、駆動軸5が回転することにより該駆動軸に取付
けられた円板17と従動側ハウジング6が永久磁石7と
導体8間に働く磁気作用により回転しファン36が回転
する。この時、本発明では、前記したごとく導体8が取
付けられたバックプレート9が駆動軸5に固着された円
板17に板バネ10を介して弾性支持され、かつ永久磁
石7と導体8間のギャップは、図3に示すごとく電磁ク
ラッチ2がOFFの時最大となり、電磁クラッチ2がO
Nの時は最小となるように設定されているので、電磁ク
ラッチ2がONされた時導体8と永久磁石7に発生する
相対回転により導体8内にうず電流が発生し、その磁気
作用で生じる吸引力により導体8が板バネ10に抗して
永久磁石7側に緩やかに吸引される。したがって、電磁
クラッチON時はファン15側(永久磁石側)は急にO
N回転に移行することなしにスムーズな立上がり特性を
示し(図5参照)、クッションスタート性がより改善さ
れ、これにより急激なファン騒音をよりいっそう防止で
きる。その後、永久磁石7と導体8間のギャップが正規
の最小ギャップ(図3B)になると、導体8が永久磁石
7の磁界内に入ることによりON回転に必要なトルクが
得られる。
【0016】本発明に係るマグネット式ファンクラッチ
装置における導体8の弾性支持手段としては、上記の板
バネ方式に替えて、図4(A)(B)(C)に示す弾性
支持手段を用いても同様の作用効果が得られる。すなわ
ち、図4(A)に示す弾性支持手段は、コイルスプリン
グによる弾性支持手段を例示したもので、この場合は導
体8およびバックプレート9を有する円板17′を駆動
軸5にスプライン機構18を介して軸方向にスライド可
能に嵌合すると共に該駆動軸5の先端に螺着した抜止め
ナット19にて固定し、駆動軸5に外嵌したバネ座20
との間に介装したコイルスプリング11にて常時外方へ
の押圧力を付勢されている。したがって、この弾性支持
手段の場合は、電磁クラッチ2がONされた時、導体8
内に発生するうず電流の磁気作用で生じる吸引力により
導体8がコイルスプリング11に抗して永久磁石7側に
緩やかに吸引される。また、図4(B)(C)はそれぞ
れ前記コイルスプリング11に替えて皿バネ13、ゴム
製リング14を用いた弾性支持手段をそれぞれ示す。こ
の皿バネ13、ゴム製リング14を用いた場合もコイル
スプリング11のばあい同様の作用効果が得られること
はいうまでもない。
【0017】なお、前記図1〜図4に示すマグネット式
ファンクラッチ装置におけるマグネットカップリング
は、いずれも永久磁石と導体(またはヒステリシス材)
とを組合わせた場合を例示したが、この組合わせに限定
するものではなく、例えばヒステリシス材と永久磁石と
組合わせたり、ヒステリシス材とその前面に配設したエ
ディカレント材とで構成し、永久磁石と組合わせたり、
鉄板製のコア材とその前面に配設した導体とで構成し、
永久磁石と組合わせたりすることもできる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るマグ
ネット式ファンクラッチ装置は、ヒステリシス材または
導体と永久磁石とのギャップを電磁クラッチOFF時に
永久磁石の磁界による吸引力がほとんど生じない程度に
大きく設定すると共に、該ヒステリシス材または導体を
弾性体を介して駆動軸に前後動可能に弾性支持し、電磁
クラッチがONされた時前記弾性支持されたヒステリシ
ス材または導体が弾性作用により前記永久磁石側に緩や
かに吸引されてスムースな立上がり特性が得られるよう
に構成したことことにより、マグネットカップリングの
クッションスタート性がより改善され、これによりファ
ン騒音の大幅軽減、慣性力の低減による電磁クラッチの
小型軽量化、エンジン回転速度の低下防止がはかられる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネット式ファンクラッチ装置
の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のイーイ矢視図である。
【図3】図1に示すマグネット式ファンクラッチ装置に
おけるヒステリシス材または導体と永久磁石との関係を
拡大して示したもので、(A)は電磁クラッチOFF時
の状態を示す説明図、(B)は電磁クラッチONN時の
状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係るマグネット式ファンクラッチ装置
におけるヒステリシス材または導体の弾性支持手段を例
示したもので、(A)はコイルスプリングによる弾性支
持手段を示す要部縦断側面図、(B)は皿バネによる弾
性支持手段を示す要部縦断側面図、(C)はコムによる
弾性支持手段を示す要部縦断側面図である。
【図5】本発明のマグネット式ファンクラッチ装置のフ
ァン回転特性を前記した先願のマグネット式ファンクラ
ッチ装置と比較して示す図である。
【符号の説明】
1 固定軸 2 電磁クラッチ 3 マグネットカップリング 4 駆動側ハウジング 5 駆動軸 6 従動側ハウジング 7 永久磁石 8 導体 9 バックプレート 10 板バネ 11 コイルスプリング 12 皿バネ 13 ゴム製リング 14 軸受装置 15 ファン 16 ボルト 17、17′ 円板 18 スプライン機構 19 ナット 20 バネ座

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネットカップリングと電磁クラッチ
    とが組合され、ファンがマグネットカップリング側に取
    付けられたマグネット式ファンクラッチ装置であって、
    固定軸に軸受装置を介して回転可能に支承されたクラッ
    チロータ内に励磁コイルが設けられ、さらに前記固定軸
    に軸受装置を介して回転可能に支承された駆動側ハウジ
    ングと、該駆動側ハウジングに取着されたアーマチュア
    とから構成された電磁クラッチと、前記駆動側ハウジン
    グと一体構造の駆動軸に、ファンが取着された従動側ハ
    ウジングが軸受装置を介して回転自在に支承され、かつ
    前記従動側ハウジングの永久磁石と僅かなギャップを隔
    てて対向するヒステリシス材または導体が前記駆動軸に
    取付けられ、前記永久磁石とヒステリシス材または導体
    間に働く吸引作用により当該従動側ハウジングと前記円
    板が相対回転する仕組みとなしたマグネットカップリン
    グとから構成され、前記電磁クラッチにより前記マグネ
    ットカップリングがON/OFF制御される仕組みとな
    したマグネット式ファンクラッチ装置において、前記ヒ
    ステリシス材または導体と永久磁石とのギャップを電磁
    クラッチOFF時に永久磁石の磁界による吸引力がほと
    んど生じない程度に大きく設定すると共に、該ヒステリ
    シス材または導体を弾性体を介して前記駆動軸に前後動
    可能に弾性支持し、前記電磁クラッチがONされた時前
    記弾性支持されたヒステリシス材または導体が磁気作用
    と弾性作用により前記永久磁石側に緩やかに吸引されて
    スムースな立上がり特性が得られるように構成したこと
    を特徴とするマグネット式ファンクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒステリシス材または導体の弾性支
    持手段として、前記駆動軸に固着した円板に複数個の板
    バネを介して該ヒステリシス材または導体を取着する方
    式を用いることを特徴とする請求項1記載のマグネット
    式ファンクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記ヒステリシス材または導体の弾性支
    持手段として、該ヒステリシス材または導体を有する円
    板を前記駆動軸にコイルバネまたは皿バネ、あるいはゴ
    ムを介して取着する方式を用いることを特徴とする請求
    項1記載のマグネット式ファンクラッチ装置。
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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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