JP2007045998A - 高減衰ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒステリシスロスが大きく、使用時に良好な作業性を発揮し得るゴム組成物を提供する。
【解決手段】 少なくともゴム成分と芳香族オリゴマーとを含む高減衰ゴム組成物であって、前記芳香族オリゴマーが、その少なくとも一方の末端に2以上の水酸基を有することを特徴とする高減衰ゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高減衰材料として用いられる高減衰ゴム組成物に関する。
近年、耐震建造物等の要求の増加により、種々の免震構造体が開発されている。例えば、複数のゴム層と複数の硬質板体層との積層構造等を有する免震構造体は、建造物に地震等による振動が付加された場合に付加されたエネルギーを減衰させる役割を果たす。免震構造体等において用いられるゴム層には、一般に高減衰ゴムと呼ばれ、エネルギーを効率よく吸収するゴム成分が用いられる。
ゴム材料は応力ひずみによる弾性ヒステリシス(弾性履歴現象)を示し、ヒステリシスが大きいと消失する仕事量も多くなる。このため、現在ではゴム材料にフィラーを添加して、ヒステリシスロスの大きいゴム組成物を製造し、これを高減衰ゴムとして用いている。
具体的には、特許文献1に記載されているように、多量のカーボンブラックをゴム材料に添加し、ヒステリシスロスの大きなゴム組成物を得ている。
しかしながら、上述のようなカーボンブラックを添加したゴム組成物では、ヒステリシスロスは増大するものの、添加されるカーボンブラックの種類、品質、使用量によっては得られたゴム組成物の弾性率も増大してしまう。同様に、樹脂系添加剤(ロジンや石油樹脂)を添加した場合でも、タッキネスが上昇しやすく、使用時の作業性を低下させることがある。
また、多環芳香族化合物を含む多環芳香族系オリゴマーを添加する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この技術では減衰上昇が小さく、多量に配合する必要がある。多環芳香族化合物は、毒性が強く作業性の面および実用上の面で問題がある。
さらに、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を添加する技術も開示されているが(例えば、特許文献3参照)、減衰が小さい上に、極性ゴムを必須の成分としており配合に制限があるという問題がある。
特開2001−206989号公報 特開2004−346250号公報 特開平5−222248号公報
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、ヒステリシスロスが大きく、使用時に良好な作業性を発揮し得るゴム組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明者は、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、少なくともゴム成分と芳香族オリゴマーとを含む高減衰ゴム組成物であって、前記芳香族オリゴマーが、その少なくとも一方の末端に2以上の水酸基を有することを特徴とする高減衰ゴム組成物である。
本発明の高減衰ゴム組成物は、下記第1から第4の態様のうちいずれか1以上の態様を具備することが好ましい。
(1)第1の態様は、前記芳香族オリゴマーの末端にある前記2以上の水酸基の少なくとも1つが、アルコール性の水酸基である態様である。
(2)複数の水酸基を有する前記芳香族オリゴマーが、下記一般式(1)で表される態様である。
Figure 2007045998
上記一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R5およびR6は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基、水酸基、カルボキシル基を表す。Xは、単環であるベンゼン環を1以上含む2価の有機基を表す。
(3)第3の態様は、複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーの数平均分子量が、100〜2000である態様である。
(4)第4の態様は、前記複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーが、前記ゴム成分100質量部当たり、2〜60質量部含有されている態様である。
本発明によれば、ヒステリシスロスが大きく、使用時に良好な作業性を発揮し得るゴム組成物を提供することができる。
本発明の高減衰ゴム組成物は、少なくとも、ゴム成分と、芳香族オリゴマーとを含む。ここで、本発明でいう「芳香族オリゴマー」とは、多環芳香族でない芳香族、すなわち、単環であるベンゼン環を1以上含むオリゴマーをいう。このような芳香族オリゴマーは多環芳香族を含有しないため、毒性に関する問題が生じず、作業性を向上させることができる。
そして、前記芳香族オリゴマーの少なくとも一方の末端には、2以上の水酸基が存在する。末端に水酸基を有する芳香族オリゴマーを含有することで、ヒステリシスロスを大きくすることができる。これは、下記現象によるものと考えられる。すなわち、まず、末端水酸基の存在により芳香族オリゴマーに極性が生じ、大きな凝集力が生じる。その結果、剪断下において、「芳香族オリゴマー分子同士」、「芳香族オリゴマーとマトリックス」、「芳香族オリゴマーとカーボン」の相互作用が大きくなり、ヒステリシスロスが大きくなると考えられる。
高い極性を付与し、ヒステリシスロスをより大きくする観点から、前記芳香族オリゴマーの少なくとも一方の末端にある水酸基の少なくとも1つは、アルコール性の水酸基であることが好ましく、半数以上がアルコール性の水酸基であることがより好ましく、すべてがアルコール性の水酸基であることが最も好ましい。また、水酸基は、少なくとも一方の末端に少なくとも2つあることを必須とするが、両端に少なくとも2つあることがより好ましい。なお、アルコール性の水酸基とは、芳香族オリゴマーの末端に水酸基を導入する際に使用する原料がアルコールであり、当該アルコールが付加することで形成される水酸基をいう。
複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーとしては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。下記一般式(1)で表される芳香族オリゴマーは、両端のそれぞれにアルコール性の水酸基があるため、作業性を良好にしながらヒステリシスロスをより大きくすることができる。
Figure 2007045998
上記一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R5およびR6は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基、水酸基、カルボキシル基を表す。Xは、単環であるベンゼン環を1以上含む2価の有機基を表す。
置換もしくは無置換のアルキル基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、nーアミレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、イソプロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、イソブチレンオキシ基、sec−ブチレンオキシ基、tert−ブチレンオキシ基、n−アミレンオキシ基、メチレンオキシメチレン基、メチレンオキシエチレン基、メチレンオキシプロピレン基、メチレンオキシブチレン基、エチレンオキシエチレン基、エチレンオキシプロピレン基などが挙げられる。
2価の有機基である上記「X」の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の単環芳香族化合物、およびそれをホルマリン(ホルムアルデヒド)等のアルデヒド化合物を用いて縮合したオリゴマー、フタル酸のようなジカルボン酸、トリカルボン酸を縮合したオリゴマー(ポリエステルポリオール)等が挙げられる。
複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーの数平均分子量は、100〜2000であることが好ましく、300〜1000であることがより好ましい。数平均分子量が100〜2000であることで、混練時にゴム中への分散が容易となり未加硫ゴム、加硫ゴムからのブルームを防ぐことができる。
複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーは、ゴム成分(2種以上ある場合は、それらの合計)100質量部当たり、2〜60質量部含有されていることが好ましく、5〜40質量部含有されていることが好ましい。2〜60質量部含有されていることで、当該芳香族オリゴマーの添加効果を実用的なものとすることができる。なお、芳香族オリゴマーの含有量や数平均分子量の測定、および末端水酸基の検出は、公知の方法により行うことができる。
ゴム成分としては、1種類のゴム成分とすることも可能であるが、複数のゴム成分を組み合わせて用いてもよい。具体的には、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR,EPDM)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。なかでも、加硫ゴムの力学特性、作業性の観点から、天然ゴムを30質量%以上含むことが好ましい。天然ゴムは無極性であるが、既述の芳香族オリゴマーが極性を有するため、良好なヒステリシスロスを維持しながら、作業性をより向上させることができる。
本発明の高減衰ゴム組成物には、上記成分と共に、通常のゴム組成物に配合され使用される配合剤を含有させることができる。例えば、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤としての硫黄、加硫促進剤、加硫促進助剤、各種プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、各種軟化剤や樹脂類、ワックス、老化防止剤、石油炭化水素、ロジン、クレーや炭酸カルシウムなどの各種充填剤等の一般的に配合される各種配合剤を挙げることができる。
例えば、加硫促進剤としては、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
また、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー(例えば、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)等)、トリアジンチオールを用いることができる。
さらに、硫黄系加硫剤及び加硫促進剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等で、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。これらは併用することができる。使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10.0質量部であることが好ましく、1.0〜6.0質量部がより好ましい。
使用するカーボンブラックの例としては、標準品種であるSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF(以上ゴム用ファーネス),MTカーボンブラック(熱分解カーボン)を挙げることができる。ゴム成分100質量部に対して、20〜70質量部であることが好ましく、25〜65質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの他に、更にセバシン酸ジオクチル等の可塑剤を加えても良い。
老化防止剤についても公知の老化防止剤を選択し用いることができる。例えば、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6C)やN−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(3C)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(RD)などが挙げられる。これらは、ゴム成分100重量部に対して0.5〜5重量部程度を用いることができる。
また、石油炭化水素としては、C9系の芳香族不飽和炭化水素やC5系の脂肪族不飽和炭化水素が挙げられる。C9系の芳香族不飽和炭化水素としては、ナフサの熱分解により得られ、そのC9留分中に含まれるα−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン等のビニル置換芳香族炭化水素等が挙げられる。
5系の脂肪族不飽和炭化水素としては、ナフサの熱分解により得られるC5留分中に含まれるペンテン−(1)、ペンテン−(2)、2−メチルブテン−(1)、3−メチルブテン−(1)、2−メチルブテン−(2)等のオレフィン系炭化水素や、2−メチルブタジエン−(1,3)、ペンタジエン−(1,2)、ペンタジエン−(1,3)、3−メチルブタジエン−(1,2)等のジオレフィン系炭化水素等が挙げられる。
以上のような本発明の高減衰ゴム組成物は、既述の成分を、ゴム工業において通常に使用されるバンバリーミキサー、ロール、ニーダ等の混練装置を使用して混練し、製造することができる。
本発明の高減衰ゴム組成物は、シート状、直方体、長方形、多角体、円筒、球状等の種々の形状に成形可能である。シート状に成形し、これを打ち抜いて使用することも可能である。使用目的に応じて変則的な形状とすることも可能である。特に、免震構造体用の高減衰ゴム組成物の場合は一般的にシート状とされる。
シート状に成形された高減衰ゴム組成物(ゴムシート)を複数積層させて、ゴム積層体による免震構造体が得られる。
免震構造体に用いられるゴム積層体のヒステリシスロスは、100%歪の時の等価減衰係数(HEQ)を用いて評価可能である。免震構造体における等価減衰係数は、0.10〜0.50であると好ましく、0.18〜0.23であると更に好ましい。等価減衰係数が0.1未満であると免震構造体のエネルギー吸収能が十分に得られず、0.50を超過すると免震構造体の製造が困難になることがある。等価減衰係数は公知方法により測定可能である。
本発明の高減衰ゴム組成物およびこの高減衰ゴム組成物から得られるゴム積層体は、主に高層ビル、家屋、道路橋及び橋梁等の支承部分における免震構造体に効果的に使用されるとともに、実験装置等における除振装置などの用途にも使用可能である。また、斜張橋ケーブル等の緩衝材にも適用可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜8および比較例1〜5]
下記表1に示される成分をバンバリーミキサーにより混練し、高減衰ゴム組成物を製造した。得られた高減衰ゴム組成物を、ゴム圧延用ロールを用いて2mm厚に圧延しゴムシートを製造した。
Figure 2007045998
上記表1の各成分として、下記製品を使用した。
まず、「ゴム成分」である天然ゴムは、RSS#4を使用した。「無機充填剤」であるカーボンブラックは、旭#80−N(旭カーボン(株)製)を使用した。「加硫促進剤」である亜鉛華は、3号亜鉛華(白水化学工業(株)製)を使用した。「促進剤」である促進剤CZは、ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製)を使用した。「架橋剤」である亜鉛華混合硫黄は、Z硫黄(鶴見化学製)を使用した。老化防止剤6Cとしては、ANTIGENE 6C(住友化学工業(株)製)を使用した。硬化脂肪酸としては、FA−KR(日本油脂(株)製)を使用した。石油炭化水素としては、プロトワックスl(新日本石油(株)製)を使用した。ロジンとしては、ハイロジンB(大社松精油(株)製)を使用した。ヘビーアロマオイルとしては、ダイナナプロセスオイルAH−58(出光興産(株)製)を使用した。
また、「K140」(フドー(株)製 ニカノールK140)は、複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーであり、下記構造式で表される。
Figure 2007045998
さらに、表1中のポリオール芳香族オリゴマー(K100)は、フドー(株)製の複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーである。また、芳香族オリゴマー(Y1000)は、フドー(株)製の水酸基を有さない、もしくは水酸基を1つ有する芳香族オリゴマーの混合物である。
[評価]
実施例および比較例のゴムシートについて、下記のようにして、硬さ(Hd)、破断伸び(Eb)、引張強度(Tb)、剪断弾性係数(G)および等価減衰係数(Heq)を測定した。なお、剪断弾性係数(G)および等価減衰係数(Heq)は、横ばね測定を行って求めた。結果を下記表2に示す。
(1)硬さ(Hd):
JIS K 6301に準拠して、硬さを求めた。
(2)破断伸び(Eb):
JIS K 6301に準拠して、破断伸びを求めた。
(3)引張強度(Tb):
JIS K 6301に準拠して、引張強度を求めた。
(4)剪断弾性係数(G)および等価減衰係数(Heq):
[剪断弾性係数の測定サンプルの作製]
ゴムシートを25mm×25mmの方形状に打ち抜いた1枚の方形状ゴムシートを作製し、これを25mm×60mm×厚み2.3mmの2枚の鉄板で挟んだ。すなわち、図1(A)に示すように.接着剤を塗布した2枚の鉄板22の間に、方形状ゴムシート20を、断面クランク状となるように挟んだ。このように、鉄板22とこれに接するゴムシート20の面とを接着した状態で加硫を行い鉄板22とゴムシート20面との接着をした。これにより図1(B)に示す形状のサンプルを得た。
[剪断弾性係数の測定]
サンプルを、バネ剛性、損失エネルギー測定装置(鷺宮製作所製、型式:EFH−26−8−10)に配置した。上述の2校の鉄板(図2(B))をゴムシートに対して外側および内側に、周波数0.2Hzで下記の一回目、二回目の順で剪断率を変えて剪断力を付与した。同剪断率では各3回剪断力を付与した。
1回目:50%→100%→200%→300%
2回目:50%一100%→200%→300%
そして、各剪断率において、1回目の勢断力を加えた時の測定値(3回目)と2回目の勢断力を加えた時の測定値(3回目)を平均し、G及びHEQを算出した。
Figure 2007045998
なお、「G」は、剪断弾性係数(等価バネ剛性と称することもある)を意味する。「HEQ」は、等価減衰係数であり、ヒステリシスロスの大きさの指標とされる。
表2の結果から、実施例の高減衰ゴム組成物からなるゴムシートは、比較例よりもヒステリシスロスが大きく、実用上優れていることがわかった。また、作業性も良好であった。
ゴム組成物の剪断弾性率測定用サンプルの構成を示す概略図であり、(A)は方形状ゴムシートを挟む状態を示し、(B)は方形状ゴムシートを接着した状態を示す。
符号の説明
20・・・方形状ゴムシート
22・・・鉄板

Claims (5)

  1. 少なくともゴム成分と芳香族オリゴマーとを含む高減衰ゴム組成物であって、
    前記芳香族オリゴマーが、その少なくとも一方の末端に2以上の水酸基を有することを特徴とする高減衰ゴム組成物。
  2. 前記芳香族オリゴマーの末端にある前記2以上の水酸基の少なくとも1つが、アルコール性の水酸基であることを特徴とする請求項1に記載の高減衰ゴム組成物。
  3. 前記複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーが、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の高減衰ゴム組成物。
    Figure 2007045998
    (上記一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R5およびR6は、それぞれ独立に、分岐していてもよい置換もしくは無置換のアルキル基、水酸基、カルボキシル基を表す。Xは、単環であるベンゼン環を1以上含む2価の有機基を表す。)
  4. 複数の水酸基を有する芳香族オリゴマーの数平均分子量が、100〜2000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
  5. 複数の水酸基を有する前記芳香族オリゴマーが、前記ゴム成分100質量部当たり、2〜60質量部含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
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