JP2016117783A - 免震構造体用ゴム組成物および免震構造体用ゴム - Google Patents
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Abstract
【課題】加硫ゴムとしたときの減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性に優れる免震構造体用ゴム組成物を提供すること。【解決手段】ブタジエンゴムを含有するゴム成分100重量部に対し、脂環族系炭化水素樹脂5〜50重量部、および芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーを5〜60重量部含有する免震構造体用ゴム組成物。ポリエステルポリオールオリゴマーとしては、その粘度が100〜20000(mPa・s、75℃)であるものを使用することが好ましい。【選択図】 図1
Description
本発明は、ブタジエンゴムを含有する免震構造体用ゴム組成物および免震構造体用ゴムに関する。
建築物の基礎免震、橋梁や高架道路などの構造物の支承には、ゴム組成物と鋼板などの硬質板とを交互に積層した免震構造体が用いられている。この免震構造体は、上下方向には高い剛性、せん断方向には低い剛性を有する弾性構造体であり、地震の振動数に対して建築物の固有振動数を低減することにより、振動の入力加速度を減少し、建築物あるいはその中の人、設備などに対する被害を最小限にするものである。このため、免震構造体を構成する免震構造体用ゴムには、高い減衰性能が要求される。また、免震構造体は様々な温度環境下での使用もあり、さらには過度の大変形を付与されることもあり得るため、温度依存性や履歴依存性、大変形特性にも優れることが要求される。
加硫ゴムに高い減衰性能を付与する方法として、例えばシリカやカーボンブラックを多量に配合することでフィラー成分を増やすことにより、高減衰性を付与する方法がある。しかしながら、かかる方法では、ゴム粘度の上昇により未加硫ゴムの混練や押出などの精練工程に悪影響し加工性を低下させるとともに、ゴム硬度の上昇による破断伸びを低下させるという問題がある。
温度依存性に優れた免震構造体を提供することを目的として、下記特許文献1では免震構造体として、分子量分布(Mw/Mn)、ならびに1,3−ブタジエン単量体単位中のシス−1,4結合含量およびビニル結合含量を特定の範囲に規定したブタジエン系重合体を25質量%以上含むゴム成分を含有するゴム組成物を用いる技術が記載されている。
また、免震性能に優れた免震構造体を提供することを目的として、下記特許文献2では免震構造体として、特定のカーボンブラックと、脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールと、ゴム成分と、を含有するゴム層を重量建築物と地盤との間に配置する技術が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の技術では、免震構造体用ゴムとして使用した場合に、減衰性の点でさらなる改良の余地があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加硫ゴムとしたときの減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性に優れる免震構造体用ゴム組成物を提供することにある。
本発明は、ブタジエンゴムを含有するゴム成分100重量部に対し、脂環族系炭化水素樹脂5〜50重量部、および芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーを5〜60重量部含有する免震構造体用ゴム組成物、に関する。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを含有するゴム成分、脂環族系炭化水素樹脂、および芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーを特定の比率で含有する。その結果、かかるゴム組成物の加硫ゴムは、減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性に優れる。このような効果が得られる理由は明らかでは無いが、ブタジエンゴムを含有することにより、加硫ゴムの減衰性が向上するとともに低温特性変化が抑制され、ポリエステルポリオールオリゴマーが芳香環および水酸基を含有することにより、ゴム成分中の樹脂およびカーボンブラックの分散性が向上し、加硫ゴムが繰り返しせん断変形を受けても、内部破壊が抑制されることが原因の一つと推定される。
上記免震構造体用ゴム組成物において、前記ポリエステルポリオールオリゴマーの粘度が100〜20000(mPa・s、75℃)であることが好ましい。かかる構成によれば、加硫ゴムの減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性をさらに向上することができる。
本発明に係る免震構造体用ゴムは、前記いずれかに記載の免震構造体用ゴム組成物を加硫成形して得られる。上述のとおり、かかる免震構造体用ゴムは減衰性能が非常に高く、優れた免震性能を発揮することができる。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを含有するゴム成分、脂環族系炭化水素樹脂、およびポリエステルポリオールオリゴマーを含有する。
免震構造体用ゴム組成物がゴム成分としてブタジエンゴムを含有する場合、ゴム組成物の加工性および加硫ゴムの減衰性、温度依存性が向上する。これらの効果をより効果的に発揮させるためには、ゴム組成物中、ゴム成分の全量を100重量部としたとき、ブタジエンゴムを10〜100重量部含有することが好ましく、30〜100重量部含有することがより好ましい。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物は、ゴム成分として、例えばブタジエンゴム以外のジエン系ゴムを含有しても良い。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、およびアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対し、脂環族系炭化水素樹脂を5〜50重量部含有する。
脂環族系炭化水素樹脂は、一般にナフサ分解によって得られるC5留分から抽出されるジシクロペンタジエンを主原料として得られる樹脂であり、ジシクロペンタジエン系炭化水素樹脂とも言われる。本発明においては特に、芳香族含有タイプのものが好適に使用可能である。ジシクロペンタジエン系炭化水素樹脂としては、市販品も好適に使用可能であり、例えば、日本ゼオン社製のQuintone1920などが挙げられる。
特に、減衰性能を向上する観点から、本発明に係るゴム組成物中、脂環族系炭化水素樹脂を5〜50重量部配合する必要があり、10〜40重量部含有することが好ましい。
本発明においては、ゴム組成物中に脂環族系炭化水素樹脂以外の樹脂、例えばキシレン樹脂を配合しても良い。キシレン樹脂としては、当業者において公知のものが使用可能である。
キシレン樹脂としては、市販品も好適に使用可能であり、例えば、フドー社製のニカノールGなどが挙げられる。
特に、減衰性能を向上する観点から、本発明に係るゴム組成物中、キシレン樹脂を5〜50重量部配合する必要があり、10〜40重量部含有することが好ましい。
なお、本発明においては樹脂成分として、脂環族系炭化水素樹脂およびキシレン樹脂以外の公知の樹脂成分、例えば、フェノール樹脂、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂環族系石油樹脂、テルペン系樹脂、ケトン樹脂などをゴム組成物に配合しても良い。しかしながら、ゴム組成物の加工性と加硫ゴムの減衰性能とをバランス良く向上させるためには、脂環族系炭化水素樹脂以外の樹脂の配合量は、樹脂成分の全量を100重量%としたとき20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、略0重量%であることがさらに好ましい。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対し、ポリエステルポリオールオリゴマーを5〜60重量部含有する。本発明において使用するポリエステルポリオールオリゴマーは、芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であり、脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物とは異なる。芳香族多価カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。なお、本発明においては、酸成分として芳香族多価カルボン酸を含むものを原料として製造されるのであれば、酸成分として脂環族多価カルボン酸を含むものを原料としたポリエステルポリオールオリゴマーを使用しても良い。脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。
特に、本発明では加硫ゴムの減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性をさらに向上するために、芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーとして、粘度が100〜20000(mPa・s、75℃)のものを使用することが好ましく、200〜10000(mPa・s、75℃)のものを使用することがより好ましい。上記粘度を有する、芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーの数平均分子量としては、例えば300〜10000が挙げられ、500〜3000のものが好ましい。特に、減衰性能を向上する観点から、本発明に係るゴム組成物中、ポリエステルポリオールオリゴマーを5〜60重量部配合する必要があり、10〜40重量部含有することが好ましい。
本発明に係る免震構造体用ゴム組成物においては、ゴム成分に加えてさらに硫黄系加硫剤を含有することが好ましい。硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係る免震構造体用ゴム組成物における硫黄の含有量は、ゴム組成物の長期の経年変化を抑制するために、少ないことが好ましく、具体的にはゴム成分100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、2重量部以下であることがより好ましい。なお、硫黄系加硫剤が少なすぎると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下することが懸念される。このため、ゴム成分100重量部に対する硫黄系加硫剤の含有量は、0.1重量部以上であることが好ましく、0.5重量部以上であることがより好ましい。
本発明の免震構造体用ゴム組成物は、上記ゴム成分、樹脂成分、ポリエステルポリオールオリゴマーおよび硫黄系加硫剤と共に、加硫促進剤、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合し用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどが用いられる。カーボンブラックは、加硫後のゴムの硬度、補強性、低発熱性などのゴム特性を調整し得る範囲で使用することができる。カーボンブラックの配合量はゴム成分100重量部に対して、20〜120重量部であることが好ましく、40〜100重量部であることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では、カーボンブラックの補強効果が充分に得られない場合があり、120重量部を超えると、発熱性、ゴム混合性および加工時の作業性などが悪化する場合がある。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
本発明の免震構造体用ゴム組成物は、ゴム成分、樹脂成分、ポリエステルポリオールオリゴマーおよび硫黄系加硫剤、必要に応じて、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進剤、老化防止剤、ワックスなどを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄系加硫剤、および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。
上記各成分を混練し、成形加工した後、加硫を行うことで、免震構造体用ゴムが得られる。かかる免震構造体用ゴムは減衰性能が非常に高く、優れた免震性能を発揮することができる。
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。
(ゴム組成物の調製)
ゴム成分100重量部に対して、表1の配合処方に従い、実施例1〜8、比較例1〜3のゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調整した。表1に記載の各配合剤を以下に示す。
ゴム成分100重量部に対して、表1の配合処方に従い、実施例1〜8、比較例1〜3のゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調整した。表1に記載の各配合剤を以下に示す。
a)ゴム成分
ブタジエンゴム 「商品名:BR01」、JSR社製
天然ゴム 「商品名:RSS#3」
イソプレンゴム 「商品名:IR2200」、日本ゼオン社製
b)カーボンブラック 「商品名:シースト9」、東海カーボン社製
c)ステアリン酸 「商品名:工業用ステアリン酸」、花王社製
d)酸化亜鉛 「商品名:亜鉛華3号」、三井金属工業社製
e)脂環族系炭化水素樹脂(芳香族含有タイプのジシクロペンタジエン系炭化水素樹脂) 「商品名:Quintone1920」、日本ゼオン社製
f)ポリエステルポリオールオリゴマー(芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物)
(1)ジメチルテレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマー 「商品名:テスラック2490」、数平均分子量500、粘度200〜500(mPa・s、75℃)、日立化成社製
(2)テレフタル酸、イソフタル酸、およびセバチン酸の混合物と1,4−ブタンジオールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマー 「商品名:テスラック2450」、数平均分子量2000、粘度6000〜10000(mPa・s、25℃)、日立化成社製
g)キシレン樹脂 「商品名:ニカノールG」、フドー社製
h)アロマオイル 「商品名:プロセスX−140」、JX日鉱日石エネルギー社製
i)加工助剤 「商品名:オゾエース2701」、日本精鑞社製
j)老化防止剤
(1)N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン 「商品名:ノクラック6C」、大内新興化学工業社製
(2)2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体 「商品名:ノクラック224」、大内新興化学社製
k)硫黄 「商品名:5%オイル処理硫黄」、細井化学工業社製
l)加硫促進剤 「商品名:サンセラー CM」、三新化学工業社製
m)高水酸基化ポリエステル(脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオール) 「商品名:ゼオファイン100M」、日本ゼオン社製
ブタジエンゴム 「商品名:BR01」、JSR社製
天然ゴム 「商品名:RSS#3」
イソプレンゴム 「商品名:IR2200」、日本ゼオン社製
b)カーボンブラック 「商品名:シースト9」、東海カーボン社製
c)ステアリン酸 「商品名:工業用ステアリン酸」、花王社製
d)酸化亜鉛 「商品名:亜鉛華3号」、三井金属工業社製
e)脂環族系炭化水素樹脂(芳香族含有タイプのジシクロペンタジエン系炭化水素樹脂) 「商品名:Quintone1920」、日本ゼオン社製
f)ポリエステルポリオールオリゴマー(芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物)
(1)ジメチルテレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマー 「商品名:テスラック2490」、数平均分子量500、粘度200〜500(mPa・s、75℃)、日立化成社製
(2)テレフタル酸、イソフタル酸、およびセバチン酸の混合物と1,4−ブタンジオールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマー 「商品名:テスラック2450」、数平均分子量2000、粘度6000〜10000(mPa・s、25℃)、日立化成社製
g)キシレン樹脂 「商品名:ニカノールG」、フドー社製
h)アロマオイル 「商品名:プロセスX−140」、JX日鉱日石エネルギー社製
i)加工助剤 「商品名:オゾエース2701」、日本精鑞社製
j)老化防止剤
(1)N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン 「商品名:ノクラック6C」、大内新興化学工業社製
(2)2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体 「商品名:ノクラック224」、大内新興化学社製
k)硫黄 「商品名:5%オイル処理硫黄」、細井化学工業社製
l)加硫促進剤 「商品名:サンセラー CM」、三新化学工業社製
m)高水酸基化ポリエステル(脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオール) 「商品名:ゼオファイン100M」、日本ゼオン社製
(評価)
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で60分間加熱、加硫して得られたサンプルゴムについて行った。
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で60分間加熱、加硫して得られたサンプルゴムについて行った。
<数平均分子量>
数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
<減衰性能(heq)>
ゴムシートから25mm×25mmの方形状に成形したゴムシートを作製し、これを25mm×120mm×厚さ6mmの、接着剤を塗布した2枚の鉄板で、断面クランク状となるように挟み、これを加硫接着させて試験片とした。
履歴特性の測定により得られた履歴ループを図1に示す。この履歴ループは下記水平特性値を規定している。
W(N・mm):ひずみエネルギー(図1の斜線部で示される1つの三角形の面積。)
ΔW(N・mm):吸収エネルギーの合計(図1の履歴ループで囲まれた面積。)
前記水平特性値から、減衰性能を示すheqは下記式(数式1)で計算される数値であり、この数値が大きいほど、減衰性能が高い。
heq=(1/4π)・(ΔW/W) (数式1)
得られた履歴ループから、図1に示すような水平特性値ΔW、Wが得られ、それをもとに(数式1)により高減衰ゴムの等価粘性減衰定数(heq)を求めた。なお、試験は23℃の条件で、試験片を1軸せん断試験機に設置し、せん断歪みを試料厚みに対して下記の1シリーズ、2シリーズの順にせん断率を変えて行った。同せん断率では各4回繰り返しせん断変形を与えた。結果を表1に示す。
1シリーズ:±50%→±100%→±150%→±200%→±250%
2シリーズ:±50%→±100%→±150%→±200%→±250%
なお、表1中では、この比が0.22以上のものを○、0.22未満のものを×と評価した。
ゴムシートから25mm×25mmの方形状に成形したゴムシートを作製し、これを25mm×120mm×厚さ6mmの、接着剤を塗布した2枚の鉄板で、断面クランク状となるように挟み、これを加硫接着させて試験片とした。
履歴特性の測定により得られた履歴ループを図1に示す。この履歴ループは下記水平特性値を規定している。
W(N・mm):ひずみエネルギー(図1の斜線部で示される1つの三角形の面積。)
ΔW(N・mm):吸収エネルギーの合計(図1の履歴ループで囲まれた面積。)
前記水平特性値から、減衰性能を示すheqは下記式(数式1)で計算される数値であり、この数値が大きいほど、減衰性能が高い。
heq=(1/4π)・(ΔW/W) (数式1)
得られた履歴ループから、図1に示すような水平特性値ΔW、Wが得られ、それをもとに(数式1)により高減衰ゴムの等価粘性減衰定数(heq)を求めた。なお、試験は23℃の条件で、試験片を1軸せん断試験機に設置し、せん断歪みを試料厚みに対して下記の1シリーズ、2シリーズの順にせん断率を変えて行った。同せん断率では各4回繰り返しせん断変形を与えた。結果を表1に示す。
1シリーズ:±50%→±100%→±150%→±200%→±250%
2シリーズ:±50%→±100%→±150%→±200%→±250%
なお、表1中では、この比が0.22以上のものを○、0.22未満のものを×と評価した。
<加工性>
ミキサーにて、混練したゴム組成物を、ゴム用ロールに巻き付けた後、切り返しを行い、厚み2mmのゴムシートに圧延して、ゴムシートをロールより取り出す作業を行う際、ロール表面にゴムシートが粘着して取り出せなければ「×」、粘着なく取り出すことができれば「○」とした。結果を表1に示す。
ミキサーにて、混練したゴム組成物を、ゴム用ロールに巻き付けた後、切り返しを行い、厚み2mmのゴムシートに圧延して、ゴムシートをロールより取り出す作業を行う際、ロール表面にゴムシートが粘着して取り出せなければ「×」、粘着なく取り出すことができれば「○」とした。結果を表1に示す。
<100%Geq>
1シリーズで±100%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたせん断弾性率Geqの値を100%Geqとした。
1シリーズで±100%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたせん断弾性率Geqの値を100%Geqとした。
<履歴依存性>
繰り返し変形前後でのGeqの変化特性により、履歴依存性を評価した。具体的には1シリーズで±100%せん断の1回目と3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値の比、つまり(100%Geq(1回目))/(100%Geq(3回目))を算出した。この比が1に近いほど履歴依存性に優れることを意味する。なお、表1中では、この比が1.2以下のものを○、1.2を超えるものを×と評価した。
繰り返し変形前後でのGeqの変化特性により、履歴依存性を評価した。具体的には1シリーズで±100%せん断の1回目と3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値の比、つまり(100%Geq(1回目))/(100%Geq(3回目))を算出した。この比が1に近いほど履歴依存性に優れることを意味する。なお、表1中では、この比が1.2以下のものを○、1.2を超えるものを×と評価した。
<大変形特性>
250%歪み経験前後でのGeqの変化特性により大変形特性を評価した。具体的には、1シリーズで±50%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値と、2シリーズで±50%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値の比、つまり(50%Geq(1シリーズ))/(50%Geq(2シリーズ))を算出した。この比が1に近いほど、大変形特性に優れることを意味する。なお、表1中では、1.4以下のものを○、1.4を超えるものを×と評価した。
250%歪み経験前後でのGeqの変化特性により大変形特性を評価した。具体的には、1シリーズで±50%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値と、2シリーズで±50%せん断の3回目の繰り返しせん断にて測定されたGeqの値の比、つまり(50%Geq(1シリーズ))/(50%Geq(2シリーズ))を算出した。この比が1に近いほど、大変形特性に優れることを意味する。なお、表1中では、1.4以下のものを○、1.4を超えるものを×と評価した。
<温度依存性>
低温時のGeqの特性変化により、温度依存性を評価した。具体的には、常温測定時の100%Geqと−10℃で一晩放置した後に−10℃条件にて測定した100%Geqの比、つまり(100%Geq(−10℃))/(100%Geq(23℃))を算出した。この比が1に近いほど温度依存性に優れることを意味する。なお、表1中では、この比が1.4以下のものを○、1.4を超えるものを×と評価した。
低温時のGeqの特性変化により、温度依存性を評価した。具体的には、常温測定時の100%Geqと−10℃で一晩放置した後に−10℃条件にて測定した100%Geqの比、つまり(100%Geq(−10℃))/(100%Geq(23℃))を算出した。この比が1に近いほど温度依存性に優れることを意味する。なお、表1中では、この比が1.4以下のものを○、1.4を超えるものを×と評価した。
表1の結果から、実施例1〜8に係るゴム組成物の加硫ゴムは、減衰性能、大変形特性、履歴依存性および温度依存性に優れることがわかる。一方、比較例3に係るゴム組成物の加硫ゴムは、脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールを含有するのみであるため、大変形特性および履歴依存性が悪化した。この結果から、加硫ゴムの減衰性能と、大変形特性および履歴依存性とを両立するためには、特定のポリエステルポリオール、具体的には、芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーを含有するゴム組成物を原料として、加硫ゴムを製造する必要があることがわかる。
Claims (3)
- ブタジエンゴムを含有するゴム成分100重量部に対し、脂環族系炭化水素樹脂5〜50重量部、および芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物であるポリエステルポリオールオリゴマーを5〜60重量部含有する免震構造体用ゴム組成物。
- 前記ポリエステルポリオールオリゴマーの粘度が100〜20000(mPa・s、75℃)である請求項1に記載の免震構造体用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載の免震構造体用ゴム組成物を加硫成形して得られる免震構造体用ゴム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014256316A JP2016117783A (ja) | 2014-12-18 | 2014-12-18 | 免震構造体用ゴム組成物および免震構造体用ゴム |
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